JP3544186B2 - 高耐圧ローラーカッター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、地中を掘削するトンネル掘進機のローラーカッターに関し、詳しくは、高水圧下で硬岩層を掘削できる高耐圧ローラーカッターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、地中にトンネルを形成する機械としてトンネル掘進機(この出願に係る発明では、軟弱地層を掘削するシールド掘進機、硬岩層を掘削するトンネル掘削機、及び複合地層を掘削するトンネル掘進機等を全て含む。)が用いられている。このようなトンネル掘進機で硬岩層を掘削する場合、前面のカッターヘッドに設けられたローラーカッターを岩に押し付けて回転させることによって岩を割りながら掘削している。
【0003】
図8はこのようなローラーカッターの一例を示す断面図である。図示するように、前記したようなローラーカッター51は、カッターヘッド(図示略)に固定するシャフト52と一体的に固定された固定部53と、この固定部53の外周で回転する回転部54とを有している。回転部54はシャフト52に設けられた軸受55で回転可能に支持されており、この回転部54の外周にカッターリング56が設けられている。この回転部54と固定部53との間にはシールが設けられており、この例では、外側にラビリンスシール57が設けられ、その内側にメカニカルシール58が設けられている。
【0004】
このメカニカルシール58は、対向する金属リング59,60とその外周に設けられたゴムリング61とから構成されており、メカニカルシール58を固定部53と回転部54の間に設ければ、ゴムリング61が固定部53と回転部54の傾斜面に沿ってその弾性で対向する金属リング59,60を所定の面圧で接触させるので、固定部53側で固定している金属リング60と回転部54側で回転する金属リング59の接触面で内部と外部との間がシールされる。
【0005】
このメカニカルシール58でシールされたシール内部62である潤滑油区画には、軸受55を潤滑するための潤滑油が入れられており、前記ラビリンスシール57とメカニカルシール58によってこの潤滑油中に泥水や土砂が侵入しないようにシールされている。
【0006】
ところで、近年、海底下や大深度地下のように、高水圧が作用する硬岩質の地層をトンネル掘進機で掘削する要求が高まっている。しかし、このような高水圧が作用する硬岩質地層を前記ローラーカッター51で掘削しようとしても、前記メカニカルシール58の耐圧能力が2〜3kg/cm2と低いため、海底下や大深度地下のように、例えば、10kg/cm2以上の高圧力下では泥水や土砂が潤滑油中に浸入してしまう可能性があり使用できない。
【0007】
そこで、例えば、この種の従来技術である特開平6−221085号公報記載のローラーカッターでは、シールの耐圧対策として、シールリングの外周側にリップ式耐圧シールを二重に設けて耐圧性能の向上を図っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなリップ式シールは、単独での耐圧性能が数kg/cm2と小さく、二重のシールで区切られた各区画の圧力差が、リップ式シールの耐圧性能以下でなければならない。そのため、前記したような高圧下で使用しようとしてもその差圧が大きいので、その使用に耐え得るものではない。また、このようなリップ式シールの場合、リップに加わる大きな外圧によって、このリップがシール部を押す押し圧力が大きくなり、大きな回転抵抗を生じてしまう。
【0009】
このようなことから、前記従来技術でも、高圧下ではローラーカッターの円滑な回転が望めず、カッターに偏摩耗を生じる恐れがある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、前記課題を解決するために、本願発明は、トンネル掘進機のカッターヘッドに固定する固定部と、該固定部の外周部に軸受で支持した回転部とを有し、該回転部と前記固定部との間に前記軸受をシールするメカニカルシールを設け、該メカニカルシールを、対向するように回転部と固定部とに設けたリング部材と、該対向するリング部材を接触方向に押圧する弾性部材とで構成してリング部材間の接触面でシール内部とシール外部との間をシールするように構成し、該メカニカルシールでシールしたシール内部に軸受の潤滑油を入れ、前記固定部に、該シール内部の潤滑油圧力をシール外部の圧力とほぼ均圧化させる導圧孔を設け、該導圧孔に、シール外部の圧力を受けてシール内部の圧力を平衡にするダイヤフラムを設けてシール内部とシール外部の均圧状態を維持するように構成し、該ダイヤフラムにシール外部の圧力を作用させる入口側に外部から異物が入るのを防止する異物侵入防止部材を設けている。このように導圧孔でシール内部の圧力をシール外部の圧力とほぼ均圧化させて高圧にすることにより、シール部材の内部と外部との間の圧力差を小さくして、大きな耐圧力を要しなくても高圧下で泥水や土砂の侵入を効果的に防止できるローラーカッターを構成することができる。また、大きな回転抵抗を生じさせることもない。しかも、リング部材の接触面で効果的にシールできるメカニカルシールによってシール部材をコンパクトに形成し、ローラーカッター全体をコンパクトに構成することができる。
【0011】
さらに、前記導圧孔に、シール外部の圧力を受けてシール内部の圧力を平衡にするダイヤフラムを設けてシール内部とシール外部の均圧状態を維持するように構成したことにより、このダイヤフラムによって、シール内部の圧力をシール外部の圧力とほぼ均圧状態に保つことができるので、長期間シール内部の圧力をシール外部の圧力と平衡に保つことができる。
【0012】
また、直接的にシール内部の圧力をシール外部の圧力と均圧化することができるので、シール内部の圧力をシール外部の圧力に均圧化させるための構成を簡略化することができる。
【0013】
さらに、ダイヤフラムによって複雑な構造を要することなく導圧孔へシール外部の圧力の導入し、安定した圧力平衡を保つようにできる。
【0014】
その上、導圧孔の入口側に異物侵入防止部材を設けたので、導圧孔に石等の異物が侵入することを防止することができるので、導圧孔が閉塞することを防止することができる。
【0015】
また、回転部と固定部との間に軸受をシールする複数のシール部材を設け、該シール部材でシールしたシール内部に軸受の潤滑油を入れ、前記固定部に、該シール内部の潤滑油の圧力をシール外部の圧力とほぼ均圧化する導圧孔をそれぞれ設けるように構成すれば、軸受を複数のシール部材で効果的にシールするとともに、これら複数のシール部材の内部と外部との間の圧力差を小さくして、耐圧力の小さいシール部材でも高圧下で泥水や土砂の侵入を効果的に防止することができる。
【0016】
さらに、複数の導圧孔を連通させるようにすれば、どこかの導圧孔が閉塞してしまったとしても、他の導圧孔によってシール内部の圧力をシール外部の圧力と均圧化してシール部材に大きな圧力差が作用しないようにできる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本願発明の第1実施形態を示すローラーカッターの半断面図であり、図2は図1に示すA部拡大図、図3は同B部拡大図、図4は同ローラーカッターの装着状態を示す斜視図である。
【0019】
図1に示すように、この第1実施形態のローラーカッター1は、カッターヘッド(図示略)に固定する軸部2と一体的に形成された固定部3と、この固定部3の外周で回転する回転部4とを有しており、この回転部4の外周にカッターリング6(この実施形態ではチップ埋込みタイプ)が一体的に形成されている。この回転部4がカッター部本体である。回転部4は固定部3に設けられた軸受5で回転可能に支持されており、この回転部4と固定部3との間には、地下水等が軸受5の部分に侵入しないようにシール部材7が設けられている。
【0020】
図2に示すように、この第1実施形態ではシール部材7がメカニカルシールで構成されており、このメカニカルシール(以下、符号7を付す)は、対向する金属リング8,9とその外周に設けられた弾性部材たるゴムリング10とから構成されている。このメカニカルシール7を固定部3と回転部4との間に設ければ、固定部3と回転部4に形成した内向きの傾斜面11により、ゴムリング10の弾性で対向する金属リング8,9が接触面12に向けて互いに押圧される。これにより、接触面12を所定の面圧で接触させて、固定部3側で固定している金属リング9と回転部4側で回転する金属リング8との間で安定したシール性を保つようにしている。しかも、このようなメカニカルシール7を用いることにより、接触面12で効果的なシール作用を発揮するシール部材をコンパクトに形成している。
【0021】
この実施形態では、メカニカルシール7におけるリング部材として金属リング8,9を用いているが、このリング部材はセラミックであっても金属とセラミックの複合材料等であってもよく、対向するリング部材(8,9)の接触面12でシール内部とシール外部との間をシールすることができるものであればよい。また、この実施形態では、傾斜面11に接するように設けた弾性部材たるゴムリング10によって金属リング8,9に接触方向の押圧力を作用させているが、傾斜面11を必要としないような他の弾性部材によって金属リング8,9に接触方向の押圧力を作用させるように構成してもよい。
【0022】
このメカニカルシール7でシールされたシール内部13の潤滑油区画には、軸受5を潤滑するための潤滑油が入れられており、前記したようにメカニカルシール7の金属リング8,9の接触面12によってこの潤滑油中に泥水や土砂が侵入しないようにシールされている。なお、回転部4と固定部3との間には、土砂侵入防止用のOリング23が設けられている。
【0023】
そして、図1に示すように、前記固定部3に、この潤滑油区画であるシール内部13と、掘削地層側であるシール外部14との間を連通させる導圧孔15が設けられている。この導圧孔15は、シール内部13から半径方向に設けられた孔と、軸部2の中心から軸方向外側に向けて設けられた孔とで構成されている。しかも、この導圧孔15の軸部2の端部側には、シール内部13の圧力をシール外部14の圧力と平衡にするための圧力平衡装置16が設けられている。
【0024】
図3に示すように、この圧力平衡装置16は、この実施形態ではダイアフラム方式が採用されている。導圧孔15の軸部端部には所定体積の潤滑油室17が設けられ、この潤滑油室17の外側にダイアフラム18が設けられている。ダイアフラム18は、中央部に貫通孔19が設けられた取付部材20によって固定部3に取り付けられている。取付部材20は、ダイアフラム18の周囲端部を固定部3に密着させた状態で止め輪21によって固定部3に固定されている。この取付部材20の周囲には止水用のOリング22が設けられている。
【0025】
取付部材20によって取付けられた状態のダイアフラム18は、取付部材20の貫通孔19から入る水圧によって外面が押圧され、潤滑油室17内の潤滑油圧力がシール外部14の圧力とバランスするように潤滑油室17の体積を変化させる。
【0026】
この実施形態では、このような圧力平衡装置16を導圧孔15に設けてシール内部13とシール外部14の均圧状態を維持するようにしているので、他の加圧装置等を要することなく、導圧孔15の部分で直接的にシール内部13の圧力をシール外部14の圧力とほぼ平衡にすることができる。
【0027】
また、この第1実施形態では、導圧孔15に外部圧力を作用させるダイアフラム18に通じる貫通孔19に、異物侵入防止部材24が設けられている。この異物侵入防止部材24は、例えば、金網や金属製織布等が用いられ、外部から石塊等の異物(貫通孔を閉塞させてしまうような物)が貫通孔19に入るのを防止している。
【0028】
図4に示すように、前記ローラーカッター1をカッターホルダー25に装着した状態では、ローラーカッター1の軸部2に設けられた導圧孔15に外部圧力を作用させる取付部材20の貫通孔19にシール外部14の圧力が作用するので、カッターホルダー25に装着した状態では、シール外部14の圧力が常に導圧孔15に作用している。
【0029】
以上のように構成された高耐圧ローラーカッター1によれば、潤滑油区画であるシール内部13と、シール部材7の外部であるシール外部14との間に設けた導圧孔15により、シール外部14であるカッター外部の圧力が貫通孔19から圧力平衡装置16のダイアフラム18に作用し、このダイアフラム18がその圧力によって内側に変形することにより潤滑油室17内の油圧をシール外部14の圧力とほぼ均圧化するまで上昇させるので、導圧孔15によってこの潤滑油室17と同じ圧力となるシール内部13の軸受潤滑油区画内の圧力をシール外部14とほぼ均圧化させることができる。
【0030】
このようにしてシール内部13の圧力を上昇させてシール外部14の圧力とほぼ均圧化することにより、シール部材7に加わる内外の圧力がほぼ同程度となるまで圧力差を小さくできるので、カッター外部の圧力が高圧であっても、技術的に困難な耐圧シールを用いることなく一般的なシール部材で泥水や土砂の侵入を効果的に防止することが可能となる。つまり、シール部材7に作用する外圧のみを受けるのではなく、内圧を外圧のように高圧にすることによってシール部材7の内外に作用する圧力差を小さくし、これによって高圧下でも泥水や土砂の侵入を効果的に防止できるようにしている。
【0031】
なお、図1に示す構成で本出願人が行った耐圧実験では、耐圧力が2〜3kg/cm2のメカニカルシールであっても、シール外部14の泥水圧力が10kg/cm2の条件で、500時間以上の連続運転が可能であり、効果的なシール効果を発揮できることを確認している。
【0032】
図5は本願発明の第2実施形態を示すローラーカッターの半断面図である。なお、上述した第1実施形態と同一の構成には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0033】
図示するように、この第2実施形態は、複数のシール部材7の内側に形成されたシール内部13の潤滑油区画にそれぞれ設けられた導圧孔15を、軸部2の中心で連通させたものである。このように導圧孔15を連通させることにより、一方の導圧孔15が、閉塞したりダイアフラム18に動作不良が生じてシール外部14の圧力とほぼ均圧化するように圧力を上げることができなくなった場合でも、もう一方の導圧孔15から両方の潤滑油区画となるシール内部13にシール外部14の圧力を作用させることができる。
【0034】
このように構成された高耐圧ローラーカッター26によっても、潤滑油区画であるシール内部13と、シール部材7の外部であるシール外部14との間に設けた導圧孔15により、シール外部14であるカッター外部の圧力が貫通孔19から圧力平衡装置16のダイアフラム18に作用し、このダイアフラム18がその圧力で変形することによって潤滑油室17内の油圧をシール外部14の圧力とほぼ均圧化するまで上昇させるので、導圧孔15によってこの潤滑油室17と同じ圧力となるシール内部13の軸受潤滑油区画内の圧力をシール外部14とほぼ均圧化させることができる。
【0035】
このようにしてシール内部13の圧力を上昇させてシール外部14の圧力とほぼ均圧化することにより、シール部材7に加わる内外の圧力がほぼ同程度となるまで圧力差を小さくできるので、カッター外部の圧力が高圧であっても、技術的に困難な耐圧シールを用いることなく一般的なシール部材で泥水や土砂の侵入を効果的に防止することが可能となる。
【0036】
しかも、この第2実施形態の場合、左右の導圧孔15が連通孔27によって連通しているので、一方の導圧孔15が閉塞した場合であっても、他方の導圧孔15から作用するシール外部14の圧力によって、両方の潤滑油区画であるシール内部13内の潤滑油圧力をほぼ均圧化することができる。
【0037】
したがって、この第2実施形態の高耐圧ローラーカッター26によっても、シール部材7に作用する外圧のみを受けるのではなく、内圧を外圧のように高圧にすることによってシール部材7の内外に作用する圧力差を下げ、これによって高圧下でも泥水や土砂の侵入を効果的に防止することができる。
【0038】
なお、上述した第1実施形態の図1に示す左右に設けた複数の軸受5の間を連通させることにより、この第2実施形態と同様に、一方のシール内部13の圧力をシール外部14の圧力とほぼ均圧化すれば、他方のシール内部13の圧力も同様にシール外部14の圧力とほぼ均圧化することができる。
【0039】
図6は本願発明の第3実施形態を示すローラーカッターの図面であり、(a) は半断面図、(b) はC部拡大図である。なお、上述した第1実施形態と同一の構成には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0040】
図示するように、この第3実施形態は、上述した第1実施形態のシール部材7とカッターリング6の構成が異なったものである。この第3実施形態におけるシール部材32もメカニカルシールで構成されているが、このメカニカルシール(以下、この実施形態では符号32を付す)は、固定部3には金属リング9とその外周にゴムリング10が設けられ、回転部4には回転リング33のみが設けられている。このメカニカルシール32によれば、固定部3の傾斜面11に沿って設けられたゴムリング10の弾性により、金属リング9を回転リング33に向けて押圧して所定の面圧で接触させるので、回転部4側で回転する回転リング33と固定部3の金属リング9との間の接触面34でシールがなされる。
【0041】
なお、このメカニカルシール32におけるリング部材(9,33)も、金属又はセラミック、もしくは金属とセラミックの複合材料等を用いることができ、その対向するリング部材の接触面でシール内部とシール外部との間をシールできるものであればよい。また、金属リング9に回転リング33方向の押圧力を作用させている弾性部材たるゴムリング10も、他の弾性部材で押圧力を作用させるように構成してもよい。
【0042】
しかも、この実施形態におけるメカニカルシール32は、回転リング33の幅寸法を小さくしてシール部材全体の幅寸法を小さくしているので、上述した第1実施形態よりも幅寸法をよりコンパクト化したローラーカッター35を形成することができる。なお、他の構成は上述した第1実施形態と同一である。
【0043】
このように構成された高耐圧ローラーカッター35によっても、カッター外部であるシール外部14の圧力が圧力平衡装置16のダイアフラム18に作用し、このダイアフラム18がその圧力で変形することによって潤滑油室17内の油圧がシール外部14の圧力とほぼ均圧化するまで上昇し、この潤滑油室17と同じ圧力となるように導圧孔15を介してシール内部13の軸受潤滑油区画内の圧力がシール外部14とほぼ均圧化される。その上、この第3実施形態によれば、メカニカルシール32の幅寸法をより小さくしているので、シール部材を上述した第1実施形態よりも更にコンパクトに形成することができる。
【0044】
なお、この第3実施形態において、上述した第2実施形態と同様に導圧孔15を連通させてもよく、導圧孔15を連通させることにより上述した第2実施形態と同様の作用効果を奏するようにできる。
【0045】
また、この第3実施形態におけるカッターリング36は分割タイプを示しているが、このカッターリング36は上述した第1,第2実施形態のように、回転部の外周にチップを埋込んだカッターリングであってもよく、カッターリングの形態は掘削条件等に応じて決定すればよい。
【0046】
図7は圧力平衡装置の参考例を示す断面図である。なお、上述した図3と同一の構成には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0047】
図示するように、この圧力平衡装置28はピストン方式であり、固定部3の軸方向中心に設けられた導圧孔15の端部に、潤滑油室17と、この潤滑油室17内で軸方向に移動可能なピストン29と、この潤滑油室17の外側を塞ぐ蓋部材30とが設けられている。蓋部材30には、この蓋部材30のピストン側とシール外部14とを連通させる貫通孔31が設けられている。
【0048】
このように構成された圧力平衡装置28によれば、貫通孔31からピストン29に作用するシール外部圧力により、ピストン29が潤滑油室17側に押圧され、この潤滑油室17内の圧力がシール外部14の圧力とほぼ均圧となるまでピストン29を移動させる(2点鎖線で示す状態)。これにより、導圧孔15によって潤滑油室17と連通するシール内部13の圧力を、シール外部14の圧力とほぼ均圧化させることができる。
【0050】
なお、上述した各実施形態における構成を組合わせてもよく、使用条件等に応じて適宜構成を組合わせればよい。
【0051】
さらに、上述した各実施形態は一実施形態であり、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0052】
【発明の効果】
本願発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0053】
導圧孔によってシール内部の圧力とシール外部の圧力との間の圧力差を小さくできるので、高圧下で泥水や土砂の侵入を効果的に防止できる高耐圧ローラーカッターを構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施形態を示すローラーカッターの半断面図である。
【図2】図1に示すA部拡大図である。
【図3】図1に示すB部拡大図である。
【図4】図1に示すローラーカッターの装着状態を示す斜視図である。
【図5】本願発明の第2実施形態を示すローラーカッターの半断面図である。
【図6】本願発明の第3実施形態を示すローラーカッターの図面であり、(a) は半断面図、(b) はC部拡大図である。
【図7】圧力平衡装置の参考例を示す断面図である。
【図8】従来のローラーカッターを示す半断面図である。
Claims (3)
- トンネル掘進機のカッターヘッドに固定する固定部と、該固定部の外周部に軸受で支持した回転部とを有し、該回転部と前記固定部との間に前記軸受をシールするメカニカルシールを設け、該メカニカルシールを、対向するように回転部と固定部とに設けたリング部材と、該対向するリング部材を接触方向に押圧する弾性部材とで構成してリング部材間の接触面でシール内部とシール外部との間をシールするように構成し、該メカニカルシールでシールしたシール内部に軸受の潤滑油を入れ、前記固定部に、該シール内部の潤滑油圧力をシール外部の圧力とほぼ均圧化させる導圧孔を設け、該導圧孔に、シール外部の圧力を受けてシール内部の圧力を平衡にするダイヤフラムを設けてシール内部とシール外部の均圧状態を維持するように構成し、該ダイヤフラムにシール外部の圧力を作用させる入口側に外部から異物が入るのを防止する異物侵入防止部材を設けた高耐圧ローラーカッター。
- 回転部と固定部との間に軸受をシールする複数のシール部材を設け、該シール部材でシールしたシール内部に軸受の潤滑油を入れ、前記固定部に、該シール内部の潤滑油の圧力をシール外部の圧力とほぼ均圧化する導圧孔をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1記載の高耐圧ローラーカッター。
- 複数の導圧孔を連通させたことを特徴とする請求項2記載の高耐圧ローラーカッター。
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