JP2003156153A - メカニカルシール - Google Patents

メカニカルシール

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JP2003156153A
JP2003156153A JP2001355948A JP2001355948A JP2003156153A JP 2003156153 A JP2003156153 A JP 2003156153A JP 2001355948 A JP2001355948 A JP 2001355948A JP 2001355948 A JP2001355948 A JP 2001355948A JP 2003156153 A JP2003156153 A JP 2003156153A
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pressure
seal ring
ring
outer peripheral
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JP2001355948A
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Yasunori Kondo
保徳 近藤
Hiroichi Mayu
博一 摩湯
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のメカニカルシールは耐圧性能が低いた
め、大深度地下トンネルの掘削のような高水圧下で使用
することができない。 【解決手段】 環状の固定側シールリング2と環状の回
転側シールリング3とを軸方向に対向させて設け、これ
らシールリング2,3との間に密接するシール面5を形
成し、このシール面5の背面側にシールリング2,3を
シール面5側に押圧するスプリング6,7を設け、前記
シール面5のシール液体10側に、このシール液体10
の圧力でシール面5にスプリング側への反力13を作用
させる液圧作用面14を形成して、シールリング2,3
のシール面5における面圧と面圧分布を変化させて高圧
下でも最適なシール性を保つようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、回転側シールリ
ングと固定側シールリングとの間のシール面で液体をシ
ールするメカニカルシールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、液体の侵入を防止するための
メカニカルシールとして、例えば、固定側シールリング
と回転側シールリングとを軸方向に対向させて設け、こ
れら固定側シールリングと回転側シールリングとの間の
摺動面をシール面として液体をシールするメカニカルシ
ールがある。
【0003】図9(a),(b) は、このような従来のメカニ
カルシールの一実施形態を示す断面図であり、図示する
ように、略L字形の固定側シールリング63と回転側シ
ールリング64とが対向するように設けられ、これらの
縦方向のシール面65が密接するようにそれぞれラバー
スプリング66で押圧されている。この状態のシールリ
ング63,64には、外部の液体67の圧力68が半径
方向に作用し、ラバースプリング66のスプリング力6
9が軸方向に作用しており、シール面65が外部の液体
圧力68をシールするのに好ましい状態の面圧関係とな
るように設定されている。図示する矢印v,wが力の方
向を示している。
【0004】一方、この種のメカニカルシールを用いる
従来技術として、例えば、トンネル掘削機のカッタヘッ
ドに設けられたローラカッタのシールがある。図10は
このローラカッタの一例を示す断面図である。図示する
ように、ローラカッタ51は、カッタヘッド(図示略)
に固定するシャフト52と一体的に固定された固定部5
3と、この固定部53の外周で回転する回転部54とを
有している。回転部54はシャフト52に設けられた軸
受55で回転可能に支持されており、この回転部54の
外周にカッタリング56が設けられている。そして、こ
の回転部54と固定部53との間にはシールが設けられ
ており、この例では、外側にラビリンスシール57が設
けられ、その内側にフローティングシールと呼ばれるメ
カニカルシール58が設けられている。
【0005】前記図9に示すメカニカルシールとは型式
が異なるが、このメカニカルシール58は、対向する金
属リング59,60とその外周に設けられたゴムリング
61とから構成されており、メカニカルシール58を固
定部53と回転部54の間に設ければ、ゴムリング61
が固定部53と回転部54の傾斜面に沿ってその弾性で
対向する金属リング59,60を所定の面圧で接触させ
るので、固定部53側で固定している金属リング60と
回転部54側で回転する金属リング59の接触面で内部
と外部との間がシールされている。
【0006】このメカニカルシール58でシールされた
シール内部62である潤滑油区画には、軸受55を潤滑
するための潤滑油が入れられており、前記ラビリンスシ
ール57とメカニカルシール58によってこの潤滑油中
に泥水や土砂が侵入しないようにシールされている。
【0007】ところで、近年、大深度地下トンネル、あ
るいは海底横断トンネルなど、10kgf/cm2 程度の水圧
が作用するような高水圧環境におけるトンネル掘削機の
需要が高まっている。そのため、このようなトンネル掘
削機を実現するためには、高圧、高速掘削に適した高
圧、高速ローラカッタが必要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たようなメカニカルシール58は、その耐圧性能が2〜
3kgf/cm2 程度と低いため、高圧下ではローラカッタの
円滑な回転が望めずカッタに偏摩耗を生じるおそれがあ
る。そのため、前記した大深度地下トンネルの掘削のよ
うに、例えば、10kgf/cm2 程度かそれ以上の高圧下で
使用する高圧、高速ローラカッタに採用することはでき
ない。このことは他の用途の高圧下において使用するメ
カニカルシールの場合も同様である。
【0009】また、液体の侵入をシールするメカニカル
シールとしては、その使用条件は様々であり、スラリ
ー、泥土、泥水等の液体で、その圧力も様々で、これら
の条件に応じて好ましい状態でシールできるメカニカル
シールを構成することは困難である。
【0010】なお、このようなメカニカルシールの従来
技術として、例えば、実公昭62−25574号公報記
載の考案では、断面略L型のシールリングを押圧するラ
バースプリングにフィンガースプリングを一体加硫して
ラバースプリングの早期劣化を防止しようとし、また、
実公平6−15168号公報記載の考案では、シールリ
ングの端部に金属製のリテーナを設けて液圧でラバース
プリングがずれないようにしているが、いずれも様々な
条件に応じて高耐圧のシール性を発揮することはできな
い。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、前記課題を解決
するために、本願発明は、環状の固定側シールリングと
環状の回転側シールリングとを軸方向に対向させて設
け、該固定側シールリングと回転側シールリングとの間
に密接するシール面を形成し、該シール面の背面側にシ
ールリングをシール面側に押圧するスプリングを設け、
該シール面の外周部に、該シール液体の圧力でシール面
にスプリング側への反力を作用させる液圧作用面を形成
している。これにより、この液圧作用面の形状や位置を
変化させればシール面側からスプリング側への反力が生
じるとともに、この反力でシールリングに撓みが生じる
ので、シール面における面圧と面圧分布とを変化させ
て、高圧下等の使用条件に応じた最適なシール状態を保
つようにすることができる。この液圧作用面を形成して
得られる最適な面圧と面圧分布の確認手段として、例え
ば、有限要素法による解析を用いて行うことができる。
【0012】前記シール面を、固定側シールリングと回
転側シールリングとから外周側に突出させて形成し、該
突出したシール面の外周部に液圧作用面を形成すれば、
シールリングの外周側から作用する液圧を液圧作用面に
作用させてスプリング側への反力を生じさせて、シール
リングの接触面における面圧と面圧分布を好ましい状態
にすることができる。
【0013】また、前記液圧作用面を、シール面の外周
部の半径方向に所定深さでほぼ平行な溝を設けて形成す
れば、この液圧作用面に生じる両シールリングへの反力
をほぼ対向する同等の反力とすることができるので、面
圧と面圧分布の解析が容易に行える。
【0014】さらに、前記固定側シールリングと回転側
シールリングとを断面略L字形で形成し、該固定側シー
ルリングと回転側シールリングとの断面を外周側に突出
させた状態で対向させて密接させることによりシール面
を形成し、該シール面の外周部に所定深さの液圧作用面
を形成すれば、対向するL字形のシール面の背面に位置
する角部を利用して安定したスプリングの保持とシール
面の密接が可能なメカニカルシールを構成することがで
きる。
【0015】また、前記スプリングをラバースプリング
で構成すれば、このラバースプリングに、固定側シール
リングと回転側シールリングとのシール面を密接させる
機能と、両シールリングの取付部におけるシール部材と
しての機能を発揮させることができる。
【0016】その上、前記固定側シールリングと回転側
シールリングとを耐摩耗性金属で形成することにより、
加工が容易で安価なメカニカルシールを構成することが
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の一実施形態を図
面に基づいて説明する。図1は本願発明の一実施形態を
示すメカニカルシールの図面であり、(a) は断面図、
(b) は同メカニカルシールの作用図である。この図1で
は軸の外周に設けられたメカニカルシールを例に説明す
る。
【0018】図1(a) に示すように、このメカニカルシ
ール1は、環状の固定側シールリング2と環状の回転側
シールリング3とが軸4の軸方向に対向して設けられて
おり、これらの固定側シールリング2と回転側シールリ
ング3との対向する面がシール面5に形成されている。
このシール面5の背面側には、シール面5を密接させる
ように固定側シールリング2を押圧するスプリング6と
回転側シールリング3を押圧するスプリング7とが設け
られている。図の例では、8が固定部であり、9が回転
部である。図示する10が外部のシール液体であり、例
えば、10kgf/cm2 程度かそれ以上の高圧液体の場合が
ある。また、メカニカルシール1の内部には常圧(大気
圧)の潤滑油11が供給されている。
【0019】この実施形態では、前記固定側シールリン
グ2と回転側シールリング3とが断面略L字形で形成さ
れており、この固定側シールリング2と回転側シールリ
ング3との外周側に突出する面を対向させて密接させる
ことによってシール面5が形成されている。なお、図示
するシール面5は両シールリング2,3の接触面であ
り、図では潤滑油11によって形成された油膜を誇張し
て記載している。
【0020】また、この断面略L字形の対向する縦面2
A,3Aの背面側に形成された角部12がスプリング
6,7の係止部となっており、シールリング2,3の横
面2B,3Bがスプリング6,7の接する設置面となっ
ている。このスプリング6,7によって押圧するシール
リング2,3のシール面5を密接させている。
【0021】さらに、この実施形態では、前記スプリン
グ6,7がラバースプリングで構成されており、固定部
8と回転部9とに端部が係止された状態で両シールリン
グ2,3の係止部12を押圧してシール面5を密接させ
ている。この実施形態のメカニカルシール1は、これら
シールリング2,3とスプリング6,7が対称的に配置
されている。
【0022】そして、図1(b) に示すように、このシー
ル面5のシール液体10側(外周部)に、シール液体1
0の圧力でスプリング側へ反力13を作用させる所定深
さの液圧作用面14が形成されている。この実施形態に
おけるシール面5は、固定側シールリング2と回転側シ
ールリング3との外周側に突出した縦面2A,3Aに形
成されているため、この突出させたシール面5の外周部
に液圧作用面14が形成されている。この実施形態で
は、液圧作用面14を、シール面5の外周部の半径方向
に所定深さでほぼ平行な面を有する溝を設けることによ
って形成している。
【0023】また、この実施形態では、前記固定側シー
ルリング2と回転側シールリング3とが耐摩耗性金属
(例えば、「高炭素クロム軸受鋼」、「高クロム鋳
鉄」、「ステンレス鋼」等)で形成されており、このよ
うな金属でシールリング2,3を形成することにより、
安価にメカニカルシール1を製作することができる。
【0024】図1(b) に示すように、前記したように構
成されたメカニカルシール1によれば、そのシール面5
の外周部に形成された液圧作用面14に外部の液体10
の圧力が作用することにより、シールリング2,3の外
周側にスプリング方向への反力13が作用するので、こ
の作用する反力13を液圧作用面14の形状等を変更す
ることによって変化させれば、シール面5に作用する面
圧と面圧分布を変化させることができる。
【0025】つまり、図1(b) に2点鎖線で示すよう
に、液圧作用面14に反力13を作用させることによ
り、シールリング2,3には、半径方向の液圧15と、
軸方向のスプリング力16と、このスプリング力16を
打ち消す方向の反力13とが作用し、これらの力によっ
てシールリング2,3の内部には撓みが生じて、この撓
みによってシール面5には、外周端側は広げられ、内周
端側は押圧されるような力が作用する。図示する矢印
v,w,xが力の方向を示している。
【0026】従って、高圧液体の侵入を防止するために
ラバースプリング6,7の押圧力を大きくしている場合
でも、シール面5の外周部における密接を和らげること
ができるので、シール面5を好ましい面圧と面圧分布に
して高圧液体をシールすることが可能となる。このよう
に、シール面5に作用する面圧と面圧分布を変化させる
ことにより、高圧下でも最適なシール状態を保つように
して、シール面5での耐圧性を向上させている。
【0027】前記液圧作用面14の形状を決定するため
の解析手段として、MARCやMSC.Nastran
等の有限要素法を用いた解析プログラムによる解析手段
を用いることができる。
【0028】このような解析手段によって、最適な面圧
と面圧分布が得られるようにシールリング2,3の形状
やシール面5の形状を決定すれば、任意の条件において
好ましい状態の面圧と面圧分布でシール面5を密接させ
ることができるので、様々な条件において好ましいメカ
ニカルシール1を構成することができる。
【0029】このシール面5に作用する面圧や面圧分布
は、シールリング2,3の外面に作用する全体圧力やシ
ールリング1の内面に作用する内圧側圧力の大きさや、
このシールリング1の形状や材質変更による剛性の変更
によっても調整することができる。
【0030】なお、シールリング1の形状やシール面5
の形状を解析する手段は有限要素法に限られるものでは
なく、シール面5に作用する面圧や面圧分布の変化を解
析することができる手段であれば他の方法によって解析
してもよく、この解析技術は有限要素法に限定されるも
のではない。
【0031】図2は図1に示すメカニカルシールをロー
ラカッタに用いた状態を示す断面図である。図示するよ
うに、ローラカッタ17は、カッタヘッド(図示略)に
固定する固定部18と、この固定部18の外周で回転す
る回転部19とを有しており、この回転部19の外周に
カッタリング20(図10、符号56参照)が設けられ
ている。この回転部19は固定部18に設けられた軸受
21で回転可能に支持されており、これら回転部19と
固定部18との間に、地下水等が軸受21の部分に侵入
しないようにメカニカルシール1が設けられている。
【0032】このメカニカルシール1には、前記したよ
うに対向するシールリング2,3とこれらを押圧するラ
バースプリング6,7とが設けられており、このメカニ
カルシール1を固定部18と回転部19との間に設けれ
ば、両ラバースプリング6,7によってシールリング
2,3の対向するシール面5が密接するように押圧され
る。これにより、シール面5を所定の面圧で接触させ
て、固定側シールリング2と回転側シールリング3との
間で安定したシール性を保つことができる。
【0033】しかも、このメカニカルシール1では、前
記したように、シール面5の外周部に設けた液圧作用面
14に外部の液体圧力が作用して、このシール面5から
スプリング側へ反力13が作用してシールリング2,3
に撓みが生じるので、これによるシール面5の面圧と面
圧分布によって効果的なシール性を発揮することができ
る。
【0034】そのため、上述したような高圧、高速掘削
に適した高圧、高速ローラカッタにおけるメカニカルシ
ール1として使用して、10kgf/cm2 程度やそれ以上の
高水圧が作用する大深度地下トンネル、あるいは海底横
断トンネルをトンネル掘削機で掘削することが可能とな
る。
【0035】なお、この実施形態では、液圧作用面14
を軸方向と直交する方向に形成しているが、この液圧作
用面14は直交方向から傾いた傾斜面であってもよい。
また、この液圧作用面14の溝の深さなどの形状パラメ
ータを変化させれば面圧及び面圧分布を変化させること
ができるので、条件に応じて最適な形態とすることによ
り、より高性能なシール性を実現することが可能とな
る。
【0036】また、前記実施形態では、同一形状のシー
ルリング2,3とスプリング6,7とを対向するように
設けたメカニカルシールを例に説明したが、一方がシー
ルリングとスプリングで他方はシールリングのみの構成
でも本願発明を適用することは可能である。
【0037】さらに、上述した実施形態は一実施形態で
あり、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更
は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定され
るものではない。
【0038】
【実施例】以下、本願発明の一実施例における作用例を
従来例と対比して説明する。図3は図1に示すメカニカ
ルシールのシールリングと従来のシールリングとを対比
するための対照図であり、(a) は寸法図、(b) は寸法の
一覧図である。図4(a) 〜(c) は、図3(b) に示すシー
ルリングの解析モデル図である。図5は本願発明の一実
施形態を示す図3(b) のモデルM1における嵌め合い時
の面圧図、図6は同モデルM1における圧力作用時の荷
重分布図である。図7は従来の一実施例を示す図3(b)
のモデルM0における嵌め合い時の面圧図であり、図8
は同モデルM0における圧力作用時の荷重分布図であ
る。なお、以下の実施例におけるシールリング2,3
は、最外周のリング径をR2、スプリング6,7の設置
面のリング径をR1とし、荷重分布図では、1.5MPa
(約15kgf/cm2 )の圧力を作用させた場合を示してい
る。
【0039】図3(b) に示すように、この実施例におけ
るモデルM1のメカニカルシール1は、シール面5の外
周部に液圧作用面14を形成した構成以外は従来のモデ
ルM0と同一であり、シール面5位置に液圧作用面14
を有するか否かのみが異なっている。つまり、従来のメ
カニカルシールを示すモデルM0におけるシール面65
のシール面位置寸法H1はゼロであるのに対して、本願
発明の一実施例であるモデルM1におけるシール面位置
寸法H1は、シールリング2,3の最外周部(リング径
R2)からaの寸法の液圧作用面14となる溝が形成さ
れ、この液圧作用面14の内周端から内側に所定寸法の
シール面5が形成されている。
【0040】従って、このモデルM1において外周側か
ら液圧が作用した場合、液圧作用面14にスプリング側
への反力13(図1(b) )が作用するので、このシール
リング2,3の外周部を広げる方向に作用する。
【0041】このようなモデルM1の場合、図5に示す
ように、嵌め合い時には、シール面5の内周部での面圧
が高く、外周部ではほとんど面圧が作用していないが、
外周部から液圧を作用させた場合、図6に示すように、
液圧作用面14の内周端から形成されるシール面5に作
用する荷重分布としては、シール面5の外周端付近でピ
ークとなって半径方向約半分の部分にまで荷重が作用す
るような山形の荷重分布となる。つまり、シール面5の
半径方向外周位置に荷重が集中して作用するような荷重
分布となっている。
【0042】このような本願発明の一実施例に対して従
来のモデルM0では、図7に示すように、嵌め合い時に
は、シール面65の内周部での面圧が高く、外周部では
ほとんど面圧が作用していない分布は上述した本願発明
の実施例であるモデルM1と同一であるが、外周部から
液圧を作用させた場合、図8に示すように、シール面6
5の半径方向外周付近でピークとなって、シール面65
の3/4程度の内周側位置まで作用する山形となった荷
重分布となっている。つまり、シール面65の半径方向
に広い範囲で荷重を受けるような荷重分布となってい
る。
【0043】従って、シール面5の外周部に液圧作用面
14を設けることにより、この液圧作用面14に作用す
る液体の反力でシール面5の荷重分布、すなわちシール
面5での面圧と面圧分布を変化させることができること
がわかる。
【0044】なお、本願発明の実施例であるモデルM1
では、シールリング2,3の液圧作用面14以外の構成
を従来例のモデルM0と同一にしているが、このシール
リング2,3の形態は、図4(c) に示すモデルM2のよ
うに、内側長さB1,B2等の他の寸法を任意に変更し
てもよく、シールする液体10の性状や圧力やその他の
条件を考慮して適宜好ましい面圧と面圧分布となるよう
な形態にすればよい。
【0045】
【発明の効果】本願発明は、以上説明したような形態で
実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0046】シール面の外周部に設けた液圧作用面に作
用する圧力でシールリングに生じる撓みを変化させるこ
とができるので、使用条件に応じてシール面を好ましい
面圧と面圧分布に設定することができるメカニカルシー
ルを構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態を示すメカニカルシール
の図面であり、(a) は断面図、(b) は同メカニカルシー
ルの作用図である。
【図2】図1に示すメカニカルシールをローラカッタに
用いた状態を示す断面図である。
【図3】図1に示すメカニカルシールのシールリングと
従来のシールリングとを対比するための対照図であり、
(a) は寸法図、(b) は寸法の一覧図である。
【図4】(a) 〜(c) は、図3(b) に示すシールリングの
解析モデル図である。
【図5】本願発明の一実施形態を示す図3(b) のモデル
M1における嵌め合い時の荷重分布図である。
【図6】図5に示すモデルM1における荷重作用時の荷
重分布図である。
【図7】従来の一実施形態を示す図3(b) のモデルM0
における嵌め合い時の荷重分布図である。
【図8】図7に示すモデルM0における荷重作用時の荷
重分布図である。
【図9】従来のメカニカルシールの一実施形態を示す断
面図である。
【図10】従来のメカニカルシールを用いた一例を示す
ローラカッタの断面図である。
【符号の説明】
1…メカニカルシール 2…固定側シールリング 3…回転側シールリング 4…軸 5…シール面 6,7…ラバースプリング 8…固定部 9…回転部 10…シール液体 11…潤滑油 12…角部 13…反力 14…液圧作用面 15…液圧 16…スプリング力 17…ローラカッタ 18…固定部 19…回転部 20…カッタリング 21…軸受 v,w,x…力の方向

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状の固定側シールリングと環状の回転
    側シールリングとを軸方向に対向させて設け、該固定側
    シールリングと回転側シールリングとの間に密接するシ
    ール面を形成し、該シール面の背面側にシールリングを
    シール面側に押圧するスプリングを設け、該シール面の
    外周部に、該シール液体の圧力でシール面にスプリング
    側への反力を作用させる液圧作用面を形成したメカニカ
    ルシール。
  2. 【請求項2】 前記シール面を、固定側シールリングと
    回転側シールリングとから外周側に突出させて形成し、
    該突出したシール面の外周部に液圧作用面を形成したこ
    とを特徴とする請求項1記載のメカニカルシール。
  3. 【請求項3】 前記液圧作用面を、シール面の外周部の
    半径方向に所定深さでほぼ平行な溝を設けて形成したこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載のメカニカル
    シール。
  4. 【請求項4】 前記固定側シールリングと回転側シール
    リングとを断面略L字形で形成し、該固定側シールリン
    グと回転側シールリングとの縦面を外周側に突出させた
    状態で対向させて密接させることによりシール面を形成
    し、該シール面の外周部に所定深さの液圧作用面を形成
    したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載のメカニカルシール。
  5. 【請求項5】 前記スプリングをラバースプリングで構
    成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
    記載のメカニカルシール。
  6. 【請求項6】 前記固定側シールリングと回転側シール
    リングとを耐摩耗性金属で形成したことを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか1項に記載のメカニカルシール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102012012085A1 (de) * 2012-06-08 2013-12-12 Emil Nickisch GmbH Mechanische Laufwerkdichtung mit freigeschnittener Gleitfläche bzw. Schmutzfangnut
CN107289134A (zh) * 2017-07-18 2017-10-24 北京航空航天大学 一种机械密封预紧力调整装置
KR102314525B1 (ko) * 2021-04-13 2021-10-19 주식회사 모텍 엘라스토머링 및 이를 구비한 플로팅 시일

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DE102012012085A1 (de) * 2012-06-08 2013-12-12 Emil Nickisch GmbH Mechanische Laufwerkdichtung mit freigeschnittener Gleitfläche bzw. Schmutzfangnut
CN107289134A (zh) * 2017-07-18 2017-10-24 北京航空航天大学 一种机械密封预紧力调整装置
KR102314525B1 (ko) * 2021-04-13 2021-10-19 주식회사 모텍 엘라스토머링 및 이를 구비한 플로팅 시일

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