JP3543565B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フルカラー画像を形成する画像形成装置に係り、特に、複数の画像形成ユニットが並列配置される所謂タンデム型と称される画像形成装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カラー画像形成装置としては、例えば水平方向に沿う用紙搬送路に対して複数の画像形成ユニット(例えば電子写真方式を採用)を配設し、用紙搬送路に沿って移動する用紙に前記各画像形成ユニットから順次トナー像を転写させ、用紙上に各色トナー像が重合されたカラー画像を形成するようにしたタイプ(所謂タンデム型)が知られている(例えば特開平7−319254号公報)。
また、画像形成ユニットを構成するに当たって、例えば感光体ドラムの周囲に、電子写真用のデバイスのうち寿命の同じようなデバイスがまとめられてカートリッジ化された像形成ユニットを採用し、使用寿命が来たときの交換作業性を簡単に行えるようにした技術も既に知られている(例えば特開平2−123375号公報,特開平6−130741号公報参照)。
【0003】
それゆえ、従来この種のカラー画像形成装置で用いられる各画像形成ユニットとしても、感光体ドラム上にトナー像を形成するための各デバイスがカートリッジ化された像形成ユニットが採用されている。
この種の像形成ユニットとしては、例えば感光体ドラムの周囲に、感光体ドラムを帯電する帯電デバイスと、感光体ドラム上の静電潜像をトナー現像する現像デバイスと、感光体ドラム上の残留トナーを除去するクリーニングデバイスとを組込んだものが用いられる。
この種のカラー画像形成装置において、画像形成ユニットは、前記像形成ユニットとは別に、感光体ドラム上に例えばレーザー光を照射して感光体ドラム上に各色成分の静電潜像を書き込む露光ユニットと、感光体ドラム上に対向配置された当該感光体ドラム上に形成された各色トナー像を用紙に転写させる転写ユニットとを備えている。
【0004】
ここで、像形成ユニット内ではトナーが使用されることに伴って少なからずトナー浮遊が起こるため、特に汚れを嫌う露光ユニットは像形成ユニットと分離することが好ましい。
また、転写ユニットについては用紙搬送ベルト側に組込まれる事が多く、仮に、用紙搬送ベルトを用いない態様にあっても、転写ユニットとして転写ロールと感光体ドラムとの間の用紙搬送路で装置本体を分離させ、用紙のジャム処理を行うという考え方が主流を占めているため、転写ユニットは像形成ユニットと分離されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種のカラー画像形成装置にあっては、像形成ユニットは着脱自在で交換可能な構成になっていたが、転写ユニットについては装置本体側に予め組込まれて特に着脱自在な構成を採用していないため、装置本体開放時において、狭い作業スペースの下で行わざるを得ない転写ユニットの清掃等のメンテナンス作業が面倒であるという技術的課題がある。
【0006】
また、例えばブラック等の単色モード時においても、用紙を搬送させる上で、ブラック以外のカラー(例えばイエロ、マゼンタ、シアン等)の画像形成ユニットを動作させることが必要不可欠であり、その分、単色モード時において本来必要のないはずの画像形成ユニットの感光体ドラムや、クリーニングブレードが不必要に磨耗してしまうばかりか、単色モードを長時間繰り返すと、感光体ドラム上に長時間トナーが乗らない状態で動作するため、前記クリーニングブレードがめくれてしまうような技術的課題が生じてしまう。
このような技術的課題を解決するために、単色モード時に、対象となる色以外の画像形成ユニットの像形成ユニットを一時的に退避させたり、逆に、転写ユニットを一時的に退避させ、対象となる色の画像形成ユニットのみを動作させるようにした技術が既に知られている(例えば特開平6−258914号公報,特開平6−102776号公報)が、像形成ユニットや転写ユニットを一時的に退避させ、再度復帰させるためのリトラクト機構が必要不可欠になり、その分、装置構成が複雑化してしまうという技術的課題が生ずる。
尚、このような技術的課題は、二色モードや、三色モード等のフルカラーモード以外の画像形成モードにおいても同様に生ずるものである。
【0007】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、装置デバイスのメンテナンス性を向上させると共に、フルカラーモード以外の画像形成モード(単色モード,二色モード等)を長時間使用する際の像形成ユニットの寿命を効果的に延ばすことを可能とした画像形成装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の基本構成は、図1に示すように、装置本体1に形成された複数のユニット受部2(例えば2a〜2d)に対して着脱可能に取付けられる複数の像形成ユニット3(例えば3a〜3d)を有し、各像形成ユニット3が、対応するユニット受部2に対して位置決め可能な位置決め手段4を具備し、ユニットケース5には、少なくとも、静電潜像が担持される像担持体6と、この像担持体6上の静電潜像を可視像化する現像デバイス7と、像担持体6上で現像された可視像を転写媒体9へ転写させる転写デバイス8とを組込んだものである。
【0009】
このような技術的手段において、本発明が適用される画像形成装置としては、各色成分画像を形成するための複数の像形成ユニット3を並列配置し、転写媒体9に各色成分画像を順次重ね転写する所謂タンデム型であればよく、像形成ユニット3の配列方向が横配列、縦配列のいずれをも対象とする。
特に、本願の場合、装置の小型化という観点からすれば、縦配列の方が横配列よりも像形成ユニット3を小型化でき、占有設置面積を小さくできる点で、像形成ユニット3を縦配列にする方がより効果的である。
【0010】
また、ユニット受部2,像形成ユニット3の数、形状については適宜選定して差し支えなく、ユニットケース5への組込みデバイスについても、少なくとも像担持体6、現像デバイス7、転写デバイス8を含んでいればよく、これ以外のデバイス、例えば像担持体6の帯電デバイス、クリーニングデバイスを始め、転写前処理デバイス、クリーニング前除電デバイス、帯電前除電デバイス等を必要に応じて含んでよいことは勿論である。
【0011】
ここで、像担持体6としては、感光体、誘電体など適宜選定して差し支えなく、その形態についてもドラム状、ベルト状を問わない。
また、現像デバイスについては、現像剤担持体及び現像に必要な各種機能部品を適宜組込んだものであればよく、現像剤の種類や、接触現像、非接触現像に限られず、各種現像方式のものを採用して差し支えない。
更に、転写デバイスとしては、少なくとも転写性能を具備したものであれば適宜選定して差し支えないが、構成の簡略化という観点からすれば、転写デバイスに転写媒体9の搬送性能をも具備させるものが好ましく、例えば転写ロール、あるいは、搬送ベルトと転写ロールとを組み合わせた態様、あるいは、搬送ベルトとコロトロン等のコロナ放電器とを組み合わせた態様が挙げられる。
【0012】
また、位置決め手段4については、対応するユニット受部2に対して像形成ユニット3を位置決めするものであれば、ユニット受部2の構造に対応して適宜選定すればよい。
例えばユニット受部2に、位置決め凹部、位置決めピンを設けたならば、像形成ユニット3には、前記位置決め凹部、位置決めピンに対応して位置決め可能に係合する位置決め凸部、位置決め溝を設けるようにすればよい。
特に、カラーレジストレーションを良好に保つという観点からすれば、像担持体6の偏心誤差を最小限に抑えるような位置決め構造を採用することが好ましい。この種の像形成ユニット3の位置決めは、例えば後述する実施の形態でも示されるように、ユニット受部2(2a〜2d)側に像担持体6の外周面が係合する略U字状の係合溝14a及び回り止めピン14bが形成された位置決め部材14を設け、一方、像形成ユニット3の像担持体6の両端部4a(位置決め手段4に相当)をユニットケース5の外側に露出させると共に、回り止め溝4b(位置決め手段4に相当)を設け、像担持体6の両端部4a外周面を前記係合溝14aに嵌合させ、かつ、回り止め溝4bと回り止めピン14bとを嵌合させることにより、行われる。
このとき、ユニット受部2側の各位置決め部材14は、各像形成ユニット3の画像転写位置間のピッチpが等しくなるように装置本体1に取り付けられることが望ましい。
【0013】
更に、各像形成ユニット3は少なくとも対応するユニット受部2に取付けられればよいが、像形成ユニット3の装着位置を変更したいという要請や、任意の色の組み合わせでカラー画像を形成したいという要請を満足させるには、各像形成ユニット3には、いずれのユニット受部に対しても位置決め可能な共通の位置決め手段4を具備させることが必要である。
特に、任意の色の組み合わせでカラー画像を形成したいという要請を満足させるには、例えばユニット受部2の数よりも多い数の色に関する像形成ユニット3を用意し、これらの像形成ユニット3を任意のユニット受部2に取付け可能にすることが必要である。
【0014】
このような態様において、像形成ユニット3の生産性を考慮すれば、各像形成ユニット3としては、ユニットケース5を共用化することが好ましい。この場合、ユニットケース5の形状を完全に共通化する態様のみならず、型成形されるユニットケース5の主要な形状を共通化する態様でもよい。
そして、例えば使用する像形成ユニット3の色識別を行うような要請下においては、完全に共通化されたユニットケース5に識別用の穴やマークを付したり、あるいは、主要部分が共通化されたユニットケース5に識別用の突片を適宜位置を代えて固着する等の対策を施すようにすればよい
また、像形成ユニット3内では、現像剤が使用されることに伴って少なからず現像剤浮遊が起こり、特に汚れを嫌う露光ユニットは像形成ユニット3と分離することが好ましい(例えば[0004]参照)。
このような態様においては、像形成ユニット3のユニットケース5のうち、像担持体6と転写デバイス8との間に対応した部分に転写媒体9が通過するための開口を開設するようにすればよい(例えば[0027]参照)。
【0015】
また、複数の像形成ユニット3の最下流位置よりも下流側には通常定着ユニット10が配設されるが、例えば画像形成モードに応じて定着ユニット10の位置を変更したいという要請を満たすためには、例えば装置本体1のうち複数の像形成ユニット3の最下流位置よりも下流側に形成されたユニット受部2(具体的には2e)に対して着脱可能に取付けられる定着ユニット10を有し、この定着ユニット10が、複数の像形成ユニット3の最上流位置のユニット受部2aを除く全てのユニット受部2(2b〜2e)に対して位置決めされる位置決め手段11を具備させるようにすればよい。
【0016】
このような態様において、定着ユニット10、像形成ユニット3の生産性を考慮すれば、定着ユニット10及び各像形成ユニット3のユニットケースを共用化(ユニットケースを略共通の形状にすることに相当)することが好ましい。また、カラーレジストレーション、具体的には、定着ユニット10のニップ圧(又は定着ユニット10突入時の転写媒体9の姿勢)の定着ユニット10直前の像形成ユニット3dへの影響を少なくとするという観点からすれば、定着ユニット10及び各像形成ユニット3は、同一の直線方向に配列された複数のユニット受部2に位置決めされることが好ましい。
【0017】
また、装着可能な全ての像形成ユニット3を使用しない画像形成モード(例えば単色モード)を長時間使用する態様にあっては、複数のユニット受部2には、定着ユニット10と、最大装着数未満の一若しくは複数の像形成ユニット3とを装着し、複数のユニット受部2の一部を未使用状態とするようにすればよい。
この場合において、画像形成装置をどのような画像形成モードで制御するかを切り換えることが必要になるが、そのやり方としては、例えば各ユニット受部2に像形成ユニット3の装着状態の有無が検知される検知手段を設け、この検知手段の検知結果に基づいて、像形成ユニット3の装着状態を認識し、画像形成モードの切り換えを行うようにすればよい。
【0018】
更に、本発明において、搬送可能な転写媒体9の要件としては、各像形成ユニット3の上流側に配置される転写媒体送出部材12とこの転写媒体送出部材12の下流側直後の像形成ユニット3の転写位置との間、2以上の像形成ユニット3が装着されている条件下では相互の像形成ユニット3の転写位置間、定着ユニット10とこの定着ユニット10の上流側直前の像形成ユニット3の転写位置との間、並びに、定着ユニット10とこの定着ユニット10の下流側に配置される転写媒体排出部材13との間の距離が、いずれも搬送する転写媒体9の搬送方向寸法よりも短寸に設定されることが必要である。
【0019】
次に、上述したような技術的手段の作用について説明する。
図1において、各像形成ユニット3はユニット受部2に対して着脱可能であるから、像形成ユニット3内のデバイス、例えば現像デバイス7や転写デバイス8をメンテナンスする際には、対象となる像形成ユニット3をユニット受部2から離脱させた後に、広い作業スペースが確保される場所で像形成ユニット3のメンテナンス作業を行えばよい。
【0020】
また、フルカラーモード以外の画像形成モード、例えばブラックの単色モードを長時間使用するというような要請下においては、ブラックの像形成ユニット3(例えば3a)を残し、他の像形成ユニット3(3b〜3d)をユニット受部2から離脱させ、ブラックの像形成ユニット3aのみを動作させるようにすればよい。
更に、このような態様において、例えば各像形成ユニット3がいずれのユニット受部2に対しても位置決め可能な位置決め手段4を具備していれば、例えばブラックの像形成ユニット3aを定着ユニット10寄りの任意のユニット受部2に装着することが可能になる。
また、定着ユニット10が複数の像形成ユニット3の最上流位置のユニット受部2aを除く全てのユニット受部2(2b〜2e)に対して位置決めされる位置決め手段11を具備していれば、定着ユニット10を像形成ユニット3a寄りの任意のユニット受部2に装着することが可能になる。
このとき、像形成ユニット3aの転写位置と定着ユニット10との間の寸法が接近配置されることになり、その分、像形成ユニット3aと定着ユニット10との間に跨る程度の小サイズの転写媒体9が搬送可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図2はこの発明が適用されたカラー画像形成装置の実施の一形態を示す。
同図において、カラー画像形成装置は、本体ハウジング21内に4つの色(本実施の形態ではブラック、イエロ、マゼンタ、シアン)の画像形成ユニット22(具体的には22a〜22d)を縦方向に配列し、その下方には供給用の用紙が収容される給紙カセット23を配設すると共に、各画像形成ユニット22に対応した箇所には給紙カセット23からの用紙の搬送路となる用紙搬送路24を垂直方向に配置したものである。
【0022】
本実施の形態において、画像形成ユニット22(22a〜22d)は、用紙搬送路24の上流側から順に、ブラック用、イエロ用、マゼンタ用、シアン用のトナー像を形成するものであり、感光体ドラム33上に例えば電子写真方式にて各色トナー像を形成し、かつ、感光体ドラム33上に形成されたトナー像を図示外の用紙(転写媒体)に転写させる像形成ユニット(プロセスカートリッジ)30(具体的には30a〜30d)と、感光体ドラム33上にレーザ光を照射して感光体ドラム33上に静電潜像を書込む露光ユニット40とを備えたものである。尚、本実施の形態では、露光ユニット40は、図示外の半導体レーザ、ポリゴンミラー42及び結像レンズ43からなるレーザ走査ユニット41と、所定数のミラー45が格納された光学ミラーユニット44とで構成されており、図示外の半導体レーザからの光をポリゴンミラー42で偏向走査し、結像レンズ43、光学ミラーユニット44を介して感光体ドラム33上の露光ポイントに光像を導くようにしたものである。
【0023】
更に、本実施の形態では、給紙カセット23には用紙を所定のタイミングで送出するフィードロール25(図5,6参照)が設けられており、フィードロール25と最上流像形成ユニット30a(30)の転写部位との間に位置する用紙搬送路24には、用紙送出用の送出ロール26が設けられている。
更にまた、最下流像形成ユニット30d(30)の下流側に位置する用紙搬送路24には定着ユニット70が設けられており、この定着ユニット70の下流側には用紙排出用の排出ロール27が設けられ、本体ハウジング21の上部には形成された収容トレイ28に排出用紙が収容されるようになっている。
【0024】
次に、図3及び図4を用いて、本実施の形態で用いられる像形成ユニット(プロセスカートリッジ)30について詳述する。
同図において、各像形成ユニット30は、いずれも同じ長尺なボックス形状のユニットケース31を有しており、このユニットケース31の長手方向両端壁に軸受32を介して感光体ドラム33を回転自在に支承すると共に、この感光体ドラム33の両端支持部33aをユニットケース31の外側に突設する一方、ユニットケース31内には前記感光体ドラム33が予め帯電される帯電ロール35を配設し、更に、感光体ドラム33上の残留トナーが除去されるクリーナ36(ユニットケース31の一部にクリーナハウジング形成用の仕切ブラケット361を取り付け、この仕切ブラケット361には感光体ドラム33に弾接する残留トナー掻き取り用のブレード362を配設した態様)を設けたものである。
【0025】
また、ユニットケース31の感光体ドラム33の配設部位の下方側には現像器50が配設されている。
本実施の形態において、現像器50は、ユニットケース31内に収容配設される略ボックス状の現像ハウジング51を有し、この現像ハウジング51内には所定の色トナーが含まれる現像剤(例えば非磁性現像剤又は磁性現像剤からなる一成分現像剤)を収容すると共に、現像ハウジング51内には一対の現像剤攪拌部材としてのアジテータ52,53を配設し、また、現像ハウジング51の感光体ドラム33に対向する開口部位には現像ロール54を配設すると共に、この現像ロール54の近傍には現像ハウジング51内の現像剤が現像ロール54側へ供給される現像剤供給ロール55を配設し、更に、現像ロール54上への現像剤の層厚が規制され且つ所定レベルに帯電される現像剤帯電ブレード56を設けたものである。
そして、現像ロール54には図示外の現像バイアスが印加され、現像ロール54上の現像剤(トナー)が感光体ドラム33側へ飛翔するようになっている。
尚、符号57は感光体ドラムと現像ロール54との間のギャップを調整するためのトラッキングロールである。
【0026】
更に、感光体ドラム33を挟んで帯電ロール35の反対側に位置するユニットケース31内には転写ロール60が配設されている。
この転写ロール60はユニットケース31の両壁に軸受61を介して回転自在に支承されると共に、感光体ドラム33に対して所定のニップ幅、ニップ圧で圧接配置されており、本実施の形態では、感光体ドラム33に追従して回動するようになっている。
【0027】
更にまた、ユニットケース31のうち、前記感光体ドラム33と転写ロール60との間の転写ニップ域に対応した底壁及び上壁には、用紙が通過するための用紙通過開口37,38が開設されている。
そしてまた、ユニットケース31の長手方向両側壁上縁には外方に突出するガイド突条91が形成されており、また、ユニットケース31の長手方向両端壁のうち転写ロール60から離間した側の上下方向略中央には略U字状の位置決め溝92が形成されている。
【0028】
また、本実施の形態において、定着ユニット70は、図2及び図6に示すように、像形成ユニット30のユニットケース31と同様な形状のユニットケース71を有し、このユニットケース71の長手方向両端壁に軸受72を介して加熱ロール73を回転自在に支承すると共に、この加熱ロール73の両端支持部73aをユニットケース71の外側に突設する一方、加熱ロール73に対向する部位に加圧ロール74を回転自在に配設したものである。尚、図6中、符号75は加熱ロール73のトナー離型性を維持するためのオイル供給ロール、また、符号91,92はガイド突条、位置決め溝を示す。
【0029】
更に、本実施の形態では、図2に示すように、各像形成ユニット30(30a〜30d)の転写位置間のスパン及び最下流の像形成ユニット30dの転写位置と定着ユニット70の定着位置との間の用紙搬送路24のスパンは、いずれも同じ寸法d(例えば50mm)であり、また、送出ロール26と最上流の像形成ユニット30aの転写位置との間に位置する用紙搬送路24のスパンはd1(例えば60mm)であり、更に、定着ユニット70の定着位置と排出ロール27との間に位置する用紙搬送路24のスパンはd2(例えば50mm)である。
従って、本実施の形態では、各スパンのうち、もっとも大きいスパンであるd1(例えば60mm)の寸法より大きい用紙であれば、用紙に対して搬送力が与えられることになり、用紙の搬送動作がスムースに行われるようになっている。
【0030】
また、本実施の形態では、本体ハウジング21は、図5,図6に示すように、図中左側に開閉扉211を有し、開閉扉211を開放した際の開口を通じて、各像形成ユニット30(30a〜30d)及び定着ユニット70を出し入れ可能としたものである。
本実施の形態においては、本体ハウジング21内には、各像形成ユニット30及び定着ユニット70を位置決めする共通のユニット受部80(具体的には80a〜80e)が設けられている。
このユニット受部80は、本体ハウジング21の前面板及び背面板の内面側に一対の位置決めブロック81を固着し、この位置決めブロック81の開閉扉211側端には半円切欠形状の係合溝82を形成すると共に、この係合溝82と反対側端略中央に位置決めピン83を突設したものである。
【0031】
本実施の形態において、ユニット受部80(80a〜80d)に像形成ユニット30を装着するには、図5に示すように、像形成ユニット30の両端に形成されたガイド突条91を位置決めブロック81の上縁部に載置した状態で、像形成ユニット30を押し込み、位置決めブロック81の係合溝82に感光体ドラム33の両端支持部33aを係合させ、更に、像形成ユニット30の位置決め溝92に位置決めブロック81の位置決めピン83を係合させるようにすればよい。
この状態において、像形成ユニット30は位置決めピン83の係合にて回り止めされた状態でユニット受部80に位置決め装着される。
尚、像形成ユニット30を離脱する際には、装着操作とは逆に、像形成ユニット30を引き出し、位置決めブロック81の各位置決め部との係合を解除するようにすればよい。
【0032】
また、本実施の形態において、ユニット受部80(80e)に定着ユニット70を装着するには、図6に示すように、定着ユニット70の両端に形成されたガイド突条91を位置決めブロック81の上縁部に載置した状態で、定着ユニット70を押し込み、位置決めブロック81の係合溝82に加熱ロール73の両端支持部33aを係合させ、更に、定着ユニット70の位置決め溝92に位置決めブロック81の位置決めピン83を係合させるようにすればよい。
この状態において、定着ユニット70は位置決めピン83の係合にて回り止めされた状態でユニット受部80に位置決め装着される。
尚、定着ユニット70を離脱する際には、装着操作とは逆に、定着ユニット70を引き出し、位置決めブロック81の各位置決め部との係合を解除するようにすればよい。
【0033】
更に、本実施の形態において、各像形成ユニット30の感光体ドラム33の駆動システムを図7及び図8に示す。
同図において、駆動システムは、本体ハウジング21の奥側に駆動モータ100を設置すると共に、各像形成ユニット30及び定着ユニット70の一側方には垂直方向に延びるウオームギア101を配設し、前記駆動モータ100と同軸に取付られた伝達ギア102とウオームギア101と同軸に取付られた伝達ギア103とを噛合させる一方、各感光体ドラム33及び加熱ロール73の一端部には夫々ウオームホイール104を感光体ドラム33と同軸に一体的に設け、前記ウオームギア101をウオームホイール104に噛合させるようにしたものである。
この駆動システムによれば、駆動モータ100からの駆動力がウオームギア101を介してウオームホイール104に伝達され、感光体ドラム33を回転駆動するようになっている。
尚、図8中、符号105は用紙フィード用のモータである。
【0034】
次に、本実施の形態に係るカラー画像形成装置の使用態様について説明する。
◎フルカラーモード
図9は本実施の形態に係るカラー画像形成装置をフルカラーモードで使用する際の態様を示す。
同図においては、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロの各像形成ユニット30(30a〜30d)を対応するユニット受部80(80a〜80d)に位置決め装着し、定着ユニット70をユニット受部80eに位置決め装着するようにすればよい。
このとき、各ユニット受部80(80a〜80e)に夫々ユニット検知用のセンサ(図示せず)を設けるようにしておけば、全てのセンサがユニットの装着状態を検知するため、この検知結果に基づいて、図示外の制御装置でフルカラーモードの作像プロセスを実行するようにすればよい。
【0035】
◎二色モード(+1カラーモードを含む)
図10は本実施の形態に係るカラー画像形成装置を二色モードで使用する際の態様を示す。
本実施の形態において、ブラック/イエロ/マゼンタ/シアンに加えて、ブルー/レッド/グリーンのいずれかの色、例えばマゼンタとグリーンの二色モードを行う場合、フルカラーモード時の状態(図8参照)から、ブラック、イエロ、シアンの各像形成ユニット30a,30b,30dを対応するユニット受部80から離脱し、マゼンタの像形成ユニット30cのみを残し、一方、グリーンの像形成ユニット30eを例えば最上流のユニット受部80aに位置決め装着するようにすればよい。
このとき、像形成ユニット30c,30e及び定着ユニット70の装着状態を検知することで、制御装置は二色モードを実行する。
尚、ブラックと他のカラー(例えばマゼンタ)とで+1カラーモードを行う場合には、フルカラーモード時の状態(図8参照)から、イエロ、シアンの各像形成ユニット30b,30dを対応するユニット受部80から離脱し、ブラック、マゼンタの像形成ユニット30a,30cを残すようにすればよい。
【0036】
◎単色モード
図11は本実施の形態に係るカラー画像形成装置を単色モードで使用する際の態様を示す。
同図において、例えばブラックのみの単色モードを長時間使用する場合を例に挙げると、フルカラーモード時の状態(図8参照)から、イエロ、マゼンタ、シアンの各像形成ユニット30b〜30dを対応するユニット受部80から離脱し、ブラックの像形成ユニット30aのみを残すようにすればよい。
このとき、像形成ユニット30a及び定着ユニット70の装着状態を検知することで、制御装置は単色モード(ユニット受部80a,80eを使用)を実行する。
【0037】
図12は本実施の形態に係るカラー画像形成装置を単色モードで使用する際の別の態様を示す。
同図において、例えばブラックのみの単色モードを長時間使用する場合を例に挙げると、フルカラーモード時の状態(図8参照)から、ブラック、イエロ、マゼンタ、シアンの各像形成ユニット30a〜30dを対応するユニット受部80から離脱し、定着ユニット70寄りのユニット受部80、例えばマゼンタ用のユニット受部80cに対してブラックの像形成ユニット30aを位置決め装着するようにしたものである。
このとき、像形成ユニット30a及び定着ユニット70の装着状態を検知することで、制御装置は単色モード(ユニット受部80c,80eを使用)を実行する。
【0038】
本態様によれば、像形成ユニット30aの転写位置と定着ユニット70の定着位置までのスパンは2d、像形成ユニット30aの転写位置と送出ロール26との間のスパンは2d+d1であるため、少なくとも2d+d1の寸法を超えるサイズの用紙であれば、用紙に対して搬送力が与えられる。
一方、図11の態様によれば、像形成ユニット30aの転写位置と定着ユニット70の定着位置までのスパンは4dであるため、4dを超えるサイズの用紙に対してのみしか搬送力が与えられない。
このため、本態様においては、図11の態様に比べて、短寸の用紙についても適用できる点で好ましい。
【0039】
図13は本実施の形態に係るカラー画像形成装置を単色モードで使用する際の更に別の態様を示す。
同図において、例えばブラックのみの単色モードを長時間使用する場合を例に挙げると、フルカラーモード時の状態(図8参照)から、イエロ、マゼンタ、シアンの各像形成ユニット30b〜30dを対応するユニット受部80から離脱し、ブラックの像形成ユニット30aのみを残す一方、例えばマゼンタ用のユニット受部80cに対して定着ユニット70を位置決め装着するようにしたものである。
このとき、像形成ユニット30a及び定着ユニット70の装着状態を検知することで、制御装置は単色モード(ユニット受部80a,80cを使用)を実行する。
【0040】
本態様は、図12の態様と異なり、定着ユニット70の装着位置を変更することで、像形成ユニット30aの転写位置と定着ユニット70の定着位置との間のスパンを短寸に設定したものであり、像形成ユニット30aの転写位置と定着ユニット70の定着位置までのスパンは2d、定着ユニット70の定着位置と排出ロール27との間のスパンは2d+d2であるため、少なくとも2d+d2の寸法を超えるサイズの用紙であれば、用紙に対して搬送力が与えられる。
このため、本実施の形態においても、図10の態様に比べて、短寸の用紙についても適用できる点で好ましい。
【0041】
尚、本実施の形態では、転写デバイスとして転写ロール60を用いたが、これに限られるものではなく、例えば図14(a)に示すように、転写ロール60と張架ロール111との間に搬送ベルト110を掛け渡した態様のものや、図14(b)に示すように、一対の張架ロール111,112間に搬送ベルト110を掛け渡し、搬送ベルト110の裏面側にコロトロン等のコロナ放電器113を配設した態様等適宜設計変更して差し支えない。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、装置本体の複数のユニット受部に対し、少なくとも像担持体、現像デバイス、転写デバイスが組込まれた像形成ユニットを着脱可能に位置決め装着するようにしたので、以下のような基本的効果を奏する。
▲1▼ ユニット受部から対応する像形成ユニットを離脱させることにより、広い作業スペースの下で、像形成ユニット内のデバイス(現像デバイス、転写デバイスなど)を容易にメンテナンスすることが可能になり、転写ユニットが装置本体側に予め組込まれたタイプに比べて、装置のメンテナンス作業を簡略化することができる。
▲2▼ フルカラーモード以外の画像形成モード、例えば単色モードや二色モードを長時間繰り返す状況下においては、装置本体から不要な像形成ユニットを取り除くことにより、必要な像形成ユニットのみを動作させることができる。
このため、不要な像形成ユニットの像担持体やクリーニングブレードが磨耗したり、また、クリーニングブレードがめくれる等の不具合がなくなり、その分、像形成ユニットの寿命を効果的に延ばすことができる。
また、クリーニングブレードのめくれを防止するために、リトラクト機構を設けたり、あるいは、潤滑用のトナーバンドを作成する必要もないため、装置構成が不必要に複雑化したり、無駄にトナーを消費するという懸念もない。
【0043】
更に、本発明においては、装置本体のユニット受部に対し、定着ユニットの装着位置を可変設定可能としているため、例えばフルカラーモード以外の画像形成モード、例えば単色モード時等において、使用する像形成ユニットに対して定着ユニットの装着位置を接近配置することが可能になり、その分、使用する像形成ユニットの転写位置と定着ユニットとの間の距離を短寸にすることが可能になる。
このため、像形成ユニットと定着ユニットとの間に転写媒体の搬送部材を別途設けることなく、像形成ユニットと定着ユニットとの間に跨る小サイズの転写媒体を確実に搬送走行させることができ、このような小サイズの転写媒体に対する画像形成動作を確実に実現することができる。
【0044】
また、本発明において、装置本体の任意のユニット受部に対して任意の像形成ユニットを着脱自在にすれば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロの他にブルー、レッド、グリーン等の像形成ユニットを適宜装着することにより、任意の色の組み合わせで、ブラック+1カラー、二色カラー、三色カラー等の各種画像形成モードを容易に実現することができる。
更に、本発明において、装置本体のユニット受部に対し、像形成ユニット及び定着ユニットの装着位置を可変設定可能とすれば、例えばフルカラーモード以外の画像形成モード、例えば単色モード時等において、定着装置のみならず、使用する像形成ユニットの装着位置をも変更できるため、必然的に、像形成ユニット及び定着ユニットのレイアウトの自由度が増加する。
このため、使用する像形成ユニットと定着ユニットとを接近配置し易くなり、その分、使用する像形成ユニットの転写位置と定着ユニットとの間の距離を簡単に短寸にすることが可能になる。
よって、像形成ユニットと定着ユニットとの間に転写媒体の搬送部材を別途設けることなく、像形成ユニットと定着ユニットとの間に跨る小サイズの転写媒体を確実且つ簡単に搬送走行させることができ、このような小サイズの転写媒体に対する画像形成動作を確実に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図2】本発明が適用された画像形成装置の実施の一形態を示す概略説明図である。
【図3】実施の形態で用いられる像形成ユニットの全体斜視図である。
【図4】図3の像形成ユニットの分解斜視図である。
【図5】実施の形態における像形成ユニットの取付構造を示す説明図である。
【図6】実施の形態における定着ユニットの取付構造を示す説明図である。
【図7】実施の形態で用いられる感光体ドラムの駆動系を示す図2中背側から見た矢視図である。
【図8】図7中VIII方向から見た矢視図である。
【図9】実施の形態に係る画像形成装置のフルカラーモード時の一態様を示す模式図である。
【図10】実施の形態に係る画像形成装置の+1カラーモード時の一態様を示す模式図である。
【図11】実施の形態に係る画像形成装置の単色モード時の一態様を示す模式図である。
【図12】実施の形態に係る画像形成装置の単色モード時の他の態様を示す模式図である。
【図13】実施の形態に係る画像形成装置の単色モード時の更に他の態様を示す模式図である。
【図14】(a)(b)は実施の形態で用いられる転写デバイスの夫々異なる変形の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…装置本体,2(2a〜2e)…ユニット受部,3(3a〜3d)…像形成ユニット,4…位置決め手段,4a…像担持体両端部(位置決め手段),4b…回り止め溝(位置決め手段),5…ユニットケース,6…像担持体,7…現像デバイス,8…転写デバイス,9…転写媒体,10…定着ユニット,11…位置決め手段,13…転写媒体排出部材,14…位置決め部材,14a…係合溝,14b…回り止めピン,12…転写媒体送出部材,21…本体ハウジング,30(30a〜30e)…像形成ユニット(プロセスカートリッジ),31…ユニットケース,33…感光体ドラム,33a…両端支持部,50…現像器,60…転写ロール,70…定着ユニット,71…ユニットケース,73…加熱ロール,73a…両端支持部,80(80a〜80e)…ユニット受部,81…位置決めブロック,82…係合溝,83…位置決めピン,91…ガイド突条,92…位置決め溝

Claims (6)

  1. 装置本体に形成されたユニット受部に対して着脱可能に取付けられる複数の像形成ユニットと、
    装置本体のうち複数の像形成ユニットの最下流位置よりも下流側に形成されたユニット受部に対して着脱可能に取付けられる定着ユニットとを有し、
    各像形成ユニットは、対応するユニット受部に対して位置決め可能な位置決め手段を具備し、ユニットケースには、少なくとも、静電潜像が担持される像担持体と、この像担持体上の静電潜像を可視像化する現像デバイスと、像担持体上で現像された可視像を転写媒体へ転写させる転写デバイスとを組込み、
    前記定着ユニットは、複数の像形成ユニットの最上流位置のユニット受部を除く全てのユニット受部に対して位置決めされる位置決め手段を具備していることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    各像形成ユニットは、いずれのユニット受部に対しても位置決め可能な位置決め手段を具備していることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1記載の画像形成装置において、
    定着ユニット及び各像形成ユニットは、略共通の形状からなるユニットケースを具備していることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1記載の画像形成装置において、
    定着ユニット及び各像形成ユニットは、同一の直線方向に配列された複数のユニット受部に位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1記載の画像形成装置において、
    複数のユニット受部には、定着ユニットと、最大装着数未満の一若しくは複数の像形成ユニットとを装着し、複数のユニット受部の一部を未使用状態としたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1記載の画像形成装置において、
    各像形成ユニットの上流側に配置される転写媒体送出部材とこの転写媒体送出部材の下流側直後の像形成ユニットの転写位置との間、2以上の像形成ユニットが装着されている条件下では相互の像形成ユニットの転写位置間、定着ユニットとこの定着ユニットの上流側直前の像形成ユニットの転写位置との間、並びに、定着ユニットとこの定着ユニットの下流側に配置される転写媒体排出部材との間の距離は、いずれも搬送する転写媒体の搬送方向寸法よりも短寸に設定されることを特徴とする画像形成装置。
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