JP3543247B2 - 仮設養生体の支持ブラケット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビル等を構築するときに用いて好適な仮設養生体の支持ブラケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、ビル等の建物を施工するに際しては、その外周部に作業足場を確保するために仮設養生体が設けられることが通常である。仮設養生体は、作業足場の確保以外にも、落下養生や外部への塵埃の飛散防止、防音等を目的として建物全体を覆うシート等の遮蔽体を取り付けるためにも利用されるものである。
【0003】
従来一般の仮設養生体は、いわゆる枠組足場を用いて地上より立設する形態のものが最も一般的であるが、これではビル等を構築する場合には足場の組立・解体に多大な手間とコストがかかる。このため、仮設養生体を、地上ではなく施工中の建物に支持させて設置し、施工の進捗にともなって仮設養生体全体を順次上方へ盛り替えていくという工法も用いられつつある。
【0004】
このような工法において、ビル等の構築時に用いる仮設養生体は、言うまでもなく大型かつ大重量のものとなるため、施工途中段階の建物の躯体上に、自ら上方に昇るためのクライミング機能を備えた複数本の支柱(いわゆるマスト)を立て、これら支柱上で仮設養生体を支持させている場合が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述したような従来の技術においては、クライミング機能を備えたマスト等の支柱は大型であるため、この結果、仮設養生体全体が非常に大掛かりなものとなってしまう。したがって、このような大掛かりな仮設養生体は、大規模な高層ビル等以外にはコスト的に見合わず、中小規模のビルに適用することが困難であった。また、支柱が施工階の内側に立つことになるため、作業スペースが犠牲となることもあり、従来よりこれらの問題を解決することのできる技術の開発が望まれていた。
【0006】
このような問題を解決するため、施工途中の建物の側面に支持ブラケットを設けることも考えられるが、仮設養生体の上下方向の荷重を支持するためには、支持ブラケットから建物側に延びる脚部を設け、この脚部を建物の梁や床上に支持させる必要がある。すると、支持ブラケットは建物から側方に大きくオーバーハングした状態となるため、仮設養生体の上下方向の荷重だけでなくこの荷重によるモーメントも考慮して設計しなければならず、高い強度が要求されて高コスト化を招いてしまう。さらに風等によって仮設養生体全体に作用する水平方向の力も考慮すると、脚部を建物の梁や床上に単に載置するわけにはいかず、支持ブラケットの取付構造が複雑なものとなり、コスト上昇や盛り替えの手間の煩雑化を招くという問題も発生する。
【0007】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、仮設養生体を確実に支持することができ、また中小規模の建物にも適用することができる低コストで簡便な仮設養生体の支持ブラケットを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、構築中の建物を覆うように設けられて、工事進捗に伴って漸次上方へ盛り替えられる仮設養生体の養生体本体を前記建物に支持させるための支持ブラケットであって、該支持ブラケットは、前記養生体本体の内側面に沿って上下方向に相対移動可能に設けられるとともに、該支持ブラケットを前記建物の側面に固定するために、前記建物の側面に形成された穴に挿入される出没自在な荷重支持ピンと、前記建物の側面に設けられたアンカー部材に定着される定着部材とからなる固定機構を備えて、前記建物の側面に沿って直接固定される構成となっていることを特徴としている。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の仮設養生体の支持ブラケットにおいて、前記支持ブラケットには前記養生体本体との連結を着脱自在とする連結ピンが備えられ、該連結ピンにはこれを施工中の前記建物内から遠隔操作するための操作ケーブルが備えられていることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る仮設養生体の支持ブラケットの実施の形態の一例を、図1ないし図11を参照して説明する。
【0012】
図1は構築中のビル(建物)1を示すものであり、この図に示すように、このビル1には、施工階の側方および上方を覆う仮設養生体2が設けられている。仮設養生体2は、仮設用のトラス部材から構成されたフレーム(養生体本体)3と、ビル1の側面に取り付けられてフレーム3を支持する複数の支持ブラケット4と、フレーム3の上面に架設された屋根5と、資材を搬送する搬送システム6とから概略構成されている。
【0013】
フレーム3は、施工階の四方を囲むよう平面視長方形のビル1の四方の各側面に配設された側部フレーム7と、この側部フレーム7の上端部において、ビル1の短手方向に延在するよう架設された複数本の上部ビーム8とからなっている。図2に示すように、側部フレーム7は、その一部がビル1の側面から側方に張り出すよう突出形成されており、ここが資材を搬入するための搬入口9とされている。
【0014】
図1に示したように、これらの側部フレーム7,上部ビーム8は、ユニットトラス材10を組み合わせることによって立体トラス構造とされている。各ユニットトラス材10は、パイプ材によって形成された所定長の平面トラス材であり、これらのユニットトラス材10をブレース材(図示なし)およびジョイント部材(図示なし)で立体的に組み立てることによって、側部フレーム7あるいは上部ビーム8を形成するようになっている。なお、このようなユニットトラス材10としては、例えば本出願人が出願した特願平6−207829号や特願平8ー10428号の技術が好適である。
【0015】
図1および図2に示したように、このようなフレーム3において、側部フレーム7の外周面には、その全面に養生シート13が張設されている。この養生シート13は、細かい穴が多数形成されたメッシュ状のシート材からなり、落下養生や外部への塵埃の飛散防止、防音を図るとともに、通風および採光をある程度図れるものである。
【0016】
このフレーム3には、前記各支持ブラケット4と対向する位置にそれぞれ二本一対の縦レール15,15が一体に設けられている。これら縦レール15,15は、例えばH型鋼等からなり、フレーム3の側部フレーム7の上端部から下端部にまで延在するよう設けられている。
【0017】
図2に示したように、支持ブラケット4は、ビル1の側面に所定間隔毎に配置されている。図3に示すように、各支持ブラケット4は、構築すべきビル1の例えば2階高分程度の高さを有しており、上下方向に延在する二本一対のH型鋼材からなるブラケット本体20,20が、これらと直交するビーム材21,21,…によって一体に組まれた構成となっている。
そして、図4に示すように、ブラケット本体20,20には、ビル1の側面と対向する側に、この支持ブラケット4をビル1の側面に着脱自在に固定するための固定機構22が備えられ、反対側に、前記フレーム3の縦レール15,15を摺動自在に支持する摺動部材23,23が備えられている。
【0018】
固定機構22は、各ブラケット本体20の下端部に配設された荷重支持ピン24と、各ブラケット本体20の下端部および中間部の2カ所に配設されたアンカー固定部25,25とから構成されている。
【0019】
図5に示すように、荷重支持ピン24は、ブラケット本体20の下端部に一体に設けられた保持部材26に、水平方向に沿って移動自在となるよう保持されて、ブラケット本体20からビル1側に向けて出没自在な構成となっている。そして、この荷重支持ピン24をビル1側に突出させてその先端部をビル1の側面のプレキャストコンクリート板Cの所定位置に形成された穴Hに挿入することにより、支持ブラケット4の上下方向の荷重を支持するようになっている。
【0020】
また、各アンカー固定部25は、ビル1の躯体に一端が定着されたアンカーボルト(アンカー部材)27の他端が、定着ナット(定着部材)28によってブラケット本体20に定着されるようになっている。そして、各ブラケット本体20のビル1と対向する側には傾斜面を有したプレート30が設けられ、このプレート30とビル1の側面との間にクサビ部材31が打ち込まれる構成となっている。このようなアンカー固定部25においては、アンカーボルト27と定着ナット28とによって、各ブラケット本体20がビル1から離される方向の力を受け、プレート30とビル1との間にクサビ部材31を打ち込むことによって、各ブラケット本体20がビル1に接近する方向の力を受けるようになっている。
【0021】
このようにして、固定機構22では支持ブラケット4をビル1の側面に固定できるようになっており、この状態では、荷重支持ピン24で支持ブラケット4の上下方向の荷重を支持し、アンカー固定部25によって水平方向のモーメント力を受けるようになっている。
そして、荷重支持ピン24を穴Hから抜き、クサビ部材31を取り外し、さらにアンカーボルト27,定着ナット28を外すことによって、支持ブラケット4をビル1から切り離すことができるようになっている。
【0022】
図4に示したように、前記摺動部材23は、各ブラケット本体20の下端部と上端部とにそれぞれ設けられており、H型鋼からなる縦レール15を両側から挟み込み、縦レール15を上下方向に摺動自在に支持するようになっている。なお、摺動部材23または縦レール15との間には所要のクリアランスが確保されるとともに、いずれか一方の摺動面には、例えばテフロン(登録商標)等の摩擦低減材(図示なし)が必要に応じて配設されている。
【0023】
図3および図5に示したように、各ブラケット本体20の下端部に設けられた摺動部材23Aには、縦レール15との連結を図るための連結ピン33が備えられている。図6に示すように、この連結ピン33は、縦レール15のウェブ15aと直交する軸線を有した筒状のケーシング34が摺動部材23Aと一体に設けられ、このケーシング34内でピン本体35が移動自在に設けられている。そして、このピン本体35が、縦レール15のウェブ15aの所定位置に形成されたピン穴15bに差し込まれることにより、支持ブラケット4とフレーム3とを連結でき、これによりフレーム3の荷重を支持ブラケット4で支持できるようになっている。
【0024】
このピン本体35には、端部36aがピン本体35の基端部に固定された差込用ケーブル(操作ケーブル)36と、端部37aがピン本体35の中間部に固定された引抜用ケーブル(操作ケーブル)37とが備えられている。そして、ケーシング34には、内外を連通する穴38が、ピン本体35をストロークさせたときに常に差込用ケーブル36の端部36aと引抜用ケーブル37の端部37aとの中間に位置する箇所に形成されている。この穴38には、差込用ケーブル36,引抜用ケーブル37をケーシング34外に引き出すガイド部材39a,39bが設けられている。これら差込用ケーブル36,引抜用ケーブル37は、ガイド部材39a,39bから外部に引き出されてその他端が施工階に導かれている。そして、これら差込用ケーブル36,引抜用ケーブル37では連結ピン33のピン本体35を遠隔操作できるようになっており、差込用ケーブル36を引っ張ればピン本体35が縦レール15のピン穴15bに差し込まれ、引抜用ケーブル37を引っ張ればピン本体35がピン穴15bから引き抜かれるようになっている。
【0025】
上記のようにして、図4に示したように、支持ブラケット4は、固定機構22によってビル1の側面に着脱自在に固定できるようになっており、また摺動部材23によってフレーム3を上下方向に相対移動可能に支持し、連結ピン33によってフレーム3を連結固定できる構成となっている。
【0026】
そして、図1に示したように、フレーム3と、支持ブラケット4には、ビル1の施工の進捗にともなってこれらを上方に盛り替えるための盛替機構40が備えられている。
図3,図7,図8に示すように、この盛替機構40は、支持ブラケット4の中間部のビーム材21の下側に設けられた電動のチェーンブロック41を駆動源としている。図7および図8に示したように、チェーンブロック41によって繰出・巻取駆動されるチェーン42が、フレーム3の下端部に取り付けられた滑車43,フレーム3の上端部に取り付けられた固定滑車44(図8参照),および動滑車45(図8参照)に巻回されて、その先端部がフレーム3の上端部のブラケット46(図8参照)に固定されている。
【0027】
図7および図9に示すように、チェーン42の中間部には、上下に長い長方形の係止穴47aが形成された係止プレート47が備えられている。そして、支持ブラケット4の中間部のビーム材21には、この係止プレート47を係止するため、上方に延出する係止フック48が形成されている。
【0028】
このような盛替機構40では、図8(b)に示すように、フレーム3と支持ブラケット4との連結を解除した後、動滑車45と支持ブラケット4のビーム材21とをケーブル49で接続し、この状態でチェーンブロック41によってチェーン42を巻き取ると、図8(c)に示すように、ビーム材21すなわち支持ブラケット4が上方に引き上げられるようになっている。
一方、図8(d)に示すように、ケーブル49(図8(c)参照)を取り外すとともに、係止プレート47を係止フック48に係止させ、この状態でチェーンブロック41でチェーン42を巻き取ると、図8(e)に示すように、フレーム3が上方に引き上げられるようになっている。
【0029】
次に、上記構成からなる仮設養生体2を用いてビル1を構築するための施工方法について説明する。
まず、ビル1の基礎部分および1〜2階程度の部分の躯体を構築する。このとき、図4に示したように、ビル1の外壁を形成する各プレキャストコンクリート板Cの所定位置には、前記支持ブラケット4の荷重支持ピン24を差し込むための穴Hを形成しておく。さらに、支持ブラケット4を取り付けるべき位置には、各階の柱と梁との仕口部分にアンカーボルト27を取り付けておく。
【0030】
次いで、支持ブラケット4,4,…を、ビル1の側面に取り付ける。これには、各支持ブラケット4の固定機構22の荷重支持ピン24をプレキャストコンクリート板Cの穴Hに挿入した後、アンカーボルト27に定着ナット28を定着させ、さらにプレート30とプレキャストコンクリート板Cとの間にクサビ部材31を入れる。
このようにして全ての支持ブラケット4,4,…をビル1の側面に取り付けた後、これら支持ブラケット4にフレーム3を取り付ける。このとき、フレーム3は、地上において側部フレーム7,上部ビーム8を地組みしてユニット化しておくことにより、組立作業を安全かつ効率よく行うことができる。
【0031】
さらにこの段階で、図1に示したように、フレーム3の上部ビーム8の下面側に搬送システム6の取り付けを行う。続いて、フレーム3の外側面に養生シート13を張設する。これにより、いわゆる外周足場が形成された状態となる。
この後、フレーム3の上面に屋根5を架設する。これにより、仮設養生体2の組立・取付作業が完了した状態となり、ビル1の施工現場はその側方と上面とが覆われて全天候化が図られる。
【0032】
このようにして仮設養生体2を取り付けた後には、その内方でビル1を積み上げ構築していく。このときには、柱鉄骨S1,梁鉄骨S2や、外壁面を形成するプレキャストコンクリート板C等の資材は、搬送システム6によって、フレーム3の側部フレーム7に形成された搬入口9から荷揚げするようにする。
そして、施工階においては、柱鉄骨S1の建て込みおよび梁鉄骨S2の架設を行った後、外壁面を形成するプレキャストコンクリート板Cの取付を行う。さらに、梁鉄骨S2上には、例えばハーフプレキャストコンクリート造の床版(図示なし)を設置する。この後、型枠を所定形状に組み立てて、柱1a,梁1b,壁1c,床1dを形成するためにコンクリートを打設する。そして、打設したコンクリートが硬化して所要の強度を発現した時点で、この施工階の躯体が構築されたことになる。
【0033】
このようにして、ビル1の1階高分の躯体の施工が完了した後には、仮設養生体2の上方への盛替を行う。これには、基本的に、支持ブラケット4,4,…を盛り替えた後、フレーム3を盛り替える。
【0034】
これについて詳述すると、まず複数台ある支持ブラケット4を盛り替えるには、図10(a),(b)に示すように、支持ブラケット4を1台ずつ順次盛り替えていく。
【0035】
1台目の支持ブラケット4を盛り替えるには、まず、図8(b)に示したように、盛替機構40において、係止プレート47を係止フック48から取り外し、チェーンブロック41を駆動させてチェーン42を繰り出すことによって動滑車45を下降させる。そして、この動滑車45にケーブル49を取り付け、このケーブル49を支持ブラケット4のビーム材21に固定する。
続いて、図5に示した固定機構22の荷重支持ピン24をビル1側の穴Hから引き抜くとともに、クサビ部材31を取り外し、さらに定着ナット28を取り外してアンカーボルト27を取り外す。これによって、支持ブラケット4はビル1側から切り離された状態となる。この状態においても、フレーム3は他の支持ブラケット4,4,…によってビル1に固定されているので安定を維持している。
この後、図6に示した連結ピン33の引抜用ケーブル37を引っ張り、ピン本体35をフレーム3の縦レール14のピン穴15bから引き抜く。
これにより、図8(b)に示したように、支持ブラケット4は、盛替機構40のチェーンブロック41およびチェーン42によって支持された状態となる。
【0036】
次いで、図8(c)に示したように、盛替機構40において、チェーンブロック41を駆動させてチェーン42を巻き取る。すると動滑車45が上昇するので、これによって支持ブラケット4が、フレーム3の縦レール15に沿って上方に引き上げられる。
【0037】
このようにして支持ブラケット4を1階高分引き上げた後、図5に示したように、荷重支持ピン24をプレキャストコンクリート板Cに予め形成された穴Hに挿入するとともに、アンカーボルト27に定着ナット28を定着させ、さらにクサビ部材31をプレート30とビル1の側面とに打ち込む。続いて、図6に示したように、連結ピン33の差込用ケーブル36を引っ張り操作し、ピン本体35をフレーム3の縦レール15のピン穴15bに挿入する。
これにより、図8(d)および図10(b)に示したように、支持ブラケット4の1階高分上方への盛替が完了する。
【0038】
上記作業を繰り返して、図11(a)に示すように、全ての支持ブラケット4を盛り替えた後、フレーム3を盛り替える。
これにはまず、図8(d)に示したように、各支持ブラケット4の盛替機構40において、ケーブル49を取り外す。そして、チェーンブロック41を駆動させてチェーン42を巻き上げ、係止プレート47を係止フック48に係止させる。次いで、全ての支持ブラケット4において、図6に示した連結ピン33の引抜用ケーブル37を操作してピン本体35を引き抜く。
続いて、全ての支持ブラケット4において各チェーンブロック41を駆動させてチェーン42を一斉に巻き上げる。すると、図8(e)および図11(b)に示すように、フレーム3が支持ブラケット4,4,…をガイドとして上方に引き上げられることとなる。そして、フレーム3を1階高分上昇させた後、図6に示した連結ピン33の差込用ケーブル36を引っ張って操作し、ピン本体35をフレーム3の縦レール15のピン穴15bに挿入する。
【0039】
これにより、仮設養生体2全体が1階高分上方に盛り替えられたこととなる。
この後には、ビル1の躯体の1階高分の施工作業と、仮設養生体2の盛り替え作業とを交互に繰り返していくことによって、ビル1を最上部まで施工していく。ところで、ビル1の躯体の各階の施工が完了した後においては、設備工事、内装工事等を順次下層階から並行して行うのは言うまでもない。
【0040】
上述した仮設養生体2の支持ブラケット4は、固定機構22によって、ビル1の側面に沿って直接固定されてフレーム3を支持する構成となっている。
このようにして仮設養生体2をビル1の側面に固定した支持ブラケット4で支持することによって、従来のようにクライミング機能を有した支柱等を用いることなく、低コストで仮設養生体2を構成することができ、またその設置も容易となり、さらには施工現場内のスペースを何ら犠牲にすることもない。したがって、従来ではコスト的に見合わなかった平面積の小さな中小規模のビル1においても仮設養生体2を設けることが可能となり、足場組立・解体の手間を最小限として施工現場の全天候化を図ることが可能となる。
【0041】
また、支持ブラケット4が、ビル1の側面を形成するプレキャストコンクリート板Cに形成された穴Hに荷重支持ピン24を挿入し、かつ、ビル1の側面に設けられたアンカーボルト27に定着ナット28で定着し、さらにクサビ部材31を打ち込むことによって、ビル1の側面に直接固定される構成となっている。このようにして、支持ブラケット4では、穴Hに挿入した荷重支持ピン24によって上下荷重を支持し、アンカーボルト27および定着ナット28,クサビ部材31によってモーメントを受けるようになっている。この支持ブラケット4によれば、ビル1の側面に直接固定することによって、例えばビル1の側面から離間させたり、あるいはビル1の内方に延びる脚部を備える場合に比較して、支持ブラケット4に作用するモーメントを小さく抑えることができる。したがって支持ブラケット4だけでなく仮設養生体2全体の部材に必要とされる強度を抑えることができ、この点から低コストを図ることができる。また、支持ブラケット4をビル1の側面に沿わせることによって、狭い敷地であっても仮設養生体2を利用することができる。
【0042】
さらに、上記支持ブラケット4を介してフレーム3を設けることにより、ビル1には鉄骨からなり高強度を有した支持ブラケット4を取り付け、この支持ブラケット4に低強度のフレーム3を取り付ける構成となっている。しかも、支持ブラケット4のビル1への支持点は、その下端部と中間部とに設けられた固定機構22の2点、フレーム3の支持ブラケット4への支持点は、支持ブラケット4の上下端部に設けられた摺動部材23の2点となっている。このような構成を採用することによって、フレーム3をビル1に直接取り付ける場合に比較して、フレーム3に作用する応力・モーメントを小さくしてフレーム3に必要とされる強度を抑えることができ、この結果、フレーム3の軽量化と低コスト化を図ることができる。
【0043】
なお、上記実施の形態において、本願発明の主旨を逸脱しない範囲内であれば、支持ブラケット4及びこれによって支持する仮設養生体2の各部の構造、施工方法、さらには仮設養生体2を適用するビル1の規模や形状,構造等についても他のいかなる構成を適用してもよい。
例えば、支持ブラケット4の固定機構22に、プレート30とクサビ部材31とを具備する構成としたが、ブラケット本体20に支圧プレートを設け、アンカーボルト27と定着ナット28による緊張力によって前記支圧プレートをビル1の側面に押し付ける構成としてもよい。
また、この支持ブラケット4を盛り替えるための盛替手段としては、盛替機構40に限らず、支持ブラケット4及びフレーム3を簡便に盛り替えることができるのであれば他の盛替手段を適宜採用すればよい。
これ以外にも、例えば、仮設養生体2に上部ビーム8及び屋根5を設けて施工現場の全天候化を図る構成としたが、これらを廃して外周足場のみを設ける場合であっても上記技術を同様に適用することが可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る仮設養生体の支持ブラケットによれば、仮設養生体の養生体本体の支持ブラケットが、該支持ブラケットを建物の側面に固定するための固定機構を備えて、建物の側面に沿って直接固定される構成となっている。
このようにして仮設養生体の養生体本体を支持する支持ブラケットを建物の側面に沿って固定することによって、従来のようにクライミング機能を有した支柱を用いることなく、仮設養生体を設置することができ、施工現場内のスペースを犠牲にすることもない。
このとき、支持ブラケットを建物の側面に直接沿わせて固定することによって、建物に向けて延びる脚部を備える必要もなく、支持ブラケットに作用するモーメントを小さく抑えることができる。したがって支持ブラケットだけでなく仮設養生体全体の部材に必要とされる強度を抑えることが可能となり、低コストを図ることができる。
このようにして、従来ではコスト的に見合わなかった平面積の小さな中小規模のビル等においても仮設養生体を設けることが可能となる。
【0045】
しかも、請求項1に係る仮設養生体の支持ブラケットによれば、固定機構が、建物の側面に形成された穴に挿入される出没自在な荷重支持ピンと、建物の側面に設けられたアンカー部材に定着する定着部材とからなる構成となっている。したがって、仮設養生体から作用する上下方向の荷重は荷重支持ピンによって支持することができ、風などによる水平方向の力やモーメント力は定着部材で支持することができ、仮設養生体を安定して支持することが可能である。
【0046】
さらに、請求項2に係る仮設養生体の支持ブラケットによれば、支持ブラケットには養生体本体との連結を着脱自在とする連結ピンが備えられ、連結ピンにはこれを建物内から遠隔操作するための操作ケーブルが備えられた構成となっている。これにより、支持ブラケットの盛替作業を円滑に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る仮設養生体の支持ブラケットを適用して施工中の建物の一例を示す立断面図である。
【図2】前記仮設養生体の平断面図である。
【図3】同仮設養生体を構成する支持ブラケットを示す側面図である。
【図4】前記支持ブラケットの立断面図である。
【図5】同支持ブラケットの一部を示す立断面図である。
【図6】同支持ブラケットの一部を示す平断面図である。
【図7】同支持ブラケットに備えた盛替手段の一部を示す立面図である。
【図8】前記盛替手段による支持ブラケットおよび養生体本体の盛替方法を示す工程図である。
【図9】前記盛替手段の一部を示す立断面図および側面図である。
【図10】前記支持ブラケット及び養生体本体の盛替方法を示す工程図である。
【図11】図10に続く工程図である。
【符号の説明】
1 ビル(建物)
2 仮設養生体
3 フレーム(養生体本体)
4 支持ブラケット
22 固定機構
24 荷重支持ピン
27 アンカーボルト(アンカー部材)
28 定着ナット(定着部材)
33 連結ピン
36 差込用ケーブル(操作ケーブル)
37 引抜用ケーブル(操作ケーブル)
Claims (2)
- 構築中の建物を覆うように設けられて、工事進捗に伴って漸次上方へ盛り替えられる仮設養生体の養生体本体を前記建物に支持させるための支持ブラケットであって、
該支持ブラケットは、前記養生体本体の内側面に沿って上下方向に相対移動可能に設けられるとともに、
該支持ブラケットを前記建物の側面に固定するために、前記建物の側面に形成された穴に挿入される出没自在な荷重支持ピンと、前記建物の側面に設けられたアンカー部材に定着される定着部材とからなる固定機構を備えて、前記建物の側面に沿って直接固定される構成となっていることを特徴とする仮設養生体の支持ブラケット。 - 請求項1記載の仮設養生体の支持ブラケットにおいて、前記支持ブラケットには前記養生体本体との連結を着脱自在とする連結ピンが備えられ、該連結ピンにはこれを施工中の前記建物内から遠隔操作するための操作ケーブルが備えられていることを特徴とする仮設養生体の支持ブラケット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29298896A JP3543247B2 (ja) | 1996-11-05 | 1996-11-05 | 仮設養生体の支持ブラケット |
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