JP3542780B2 - 締固め管理方法 - Google Patents

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Position Fixing By Use Of Radio Waves (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空港、道路、ダムなどの大規模土工事をするときの盛土等の盛土材料の締固めをするに際して、締固めの結果を管理する締固め管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
盛土工程において、堀削運搬によって緩められた土砂を土構造物として必要な程度を得るために締固め施工エリアを均一かつ十分に締固める必要があり、締固め機械による締固め工程の施工後に締固め度合いを検査する必要がある。
【0003】
従来より、締固め機械による盛土の締固めを管理する手法としては、特開平10−293027号公報に開示された締固め管理システムが知られている。本締固め管理システムでは、上述した手法とは異なり、締固め工程後に人手によらずに締固め程度を管理できる。
【0004】
この締固め管理システムは、締固め現場とは異なる場所に配設されたGPS受信機を備えた基準局と、この基準局と通信可能な機能を有する締固め作業車(締固め機械)と、締固め作業車からの情報を受信するコントロールセンタとからなるものである。
【0005】
締固め機械には加速度センサが設けられ、加速度波形の乱れ具合を指標化してその値により締固め程度を推定する手法がとられていた。すなわち、従来の締固め管理システムでは、加速度検出センサによって計測された計測結果を位置データと共に締固め作業車にて記憶して、記憶した計測結果及び位置データをコントロールセンタに送信する。そして、コントロールセンタでは、受信した計測結果及び位置データを記憶してデータ処理をすることで、締固め作業車の移動軌跡と共に各種データを記録及び表示する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の締固め管理システムによる手法では、締固め施工中に自動的に多くのデータを得ることができ、リアルタイムな面的管理をすることができるが、実際に指標化して得たデータにばらつきがあり、精度が悪く、実用化できないという問題点がある。
【0007】
したがって、従来での締固め施工後には、広く知られたRI法や置換法などの人手により盛土材料の締固め実測値を求める手法をとらざるを得なかったのが現状である。
【0008】
そこで、本発明は、上述した従来の実状に鑑みて提案されたものであり、広大な締固め施工エリアの締固め程度をリアルタイム、且つ高精度に管理することができる締固め管理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、請求項1に係る締固め管理方法は、締固め施工エリアを締め固める締固め機械を用いて盛土材料を締め固めた結果を管理する締固め管理方法において、実施工を行う前の試験施工時に、上記締固め施工エリアの締固め程度を表す地盤応答値を得る複数の演算式のうち、当該演算式で求められる地盤応答値が上記盛土材料の締固め実測値と所定の相関を得るための何れかの演算式を選択すると共に、当該選択した演算式を使用して得た地盤応答値の上記盛土材料の締固め実測値との所定の相関を得るための必要個数を設定するステップと、締固め施工エリアを、予め大きさが設定された締固めた結果を管理する単位となる締固め管理ブロックに分割するステップと、上記締固め機械により締固め施工エリアの実施工をしている時に、上記締固め管理ブロック内で計測された上記締固め機械の振動加速度の時間変化を示す加速度波形を用いて、上記必要個数以上の地盤応答値を、上記選択した演算式で上記締固め管理ブロックごとに演算するステップと、上記締固め管理ブロックごと演算して得た複数の地盤応答値の平均値を演算して、上記締固め管理ブロック内での地盤応答値の平均値であるブロック特性値を演算するステップと、演算して得た上記ブロック特性値を上記各締固め管理ブロック内での特性値として評価するステップとを有する。
このような請求項1に係る発明において、前記地盤応答値を得る複数の演算式は、前記締め固め機械により盛土材料を締め固めたときの振動ローラの加速度振動波形を指標化して、前記締固め程度を推定する式であり、前記所定の相関は、実際の締固め程度を示す締固め実測値が大きくなることによって、前記演算式によって得た地盤応答値が大きくなる相関関係であって、前記地盤応答値の前記盛土材料の締固め実測値と所定の相関を得るための必要個数は、前記締固め管理ブロックでの締固め実測値の平均値が大きくなると、前記締固め管理ブロックで取得した地盤応答値の平均値が大きくなるような前記締固め管理ブロックで取得する地盤応答値の個数として設定される。
【0010】
この請求項1に係る締固め管理方法では、実施工をする前に、締固め施工エリアを複数の締固め管理ブロックに分割し、各締固め管理ブロックで必要個数以上の地盤応答値を得て、各締固め管理ブロックの締固め程度を評価する。
【0011】
なお、上記締固め実測値は、締固め後の盛土材料の実測密度、K値、CBR値などを含み、締め固めた後に実測される締固めの程度を示す値である。
【0012】
更に、上記盛土材料は、空港、道路、ダムなどに使用する土材料、貧配合コンクリート材料を含む他、道路の路体、路床、路盤に使用する材料など、締固め機械で締め固められるあらゆる材料を含む。
【0013】
請求項2に係る締固め管理方法では、上記締固め機械の締固め施工エリア上での位置を示す位置データを入力するステップを更に有し、上記位置データを得た時刻と同時刻に得た地盤応答値を、前記位置データに対応する締固め管理ブロックの地盤応答値と判定する。
【0014】
この請求項2に係る締固め管理方法では、実施工時に締固め機械の位置を示す位置データを参照することで、各地盤応答値をどこの締固め管理ブロックで得たものかを認識して、各締固め管理ブロックでの締固め程度を評価する。
【0015】
請求項3に係る締固め管理方法では、上記締固め機械により実際に上記締固め施工エリアを締め固める実施工を開始する前の、上記実施工時に使用する盛土材料を用いて上記締固め機械で締固めをする試験施工時において、
盛土材料の締固め実測値及び上記地盤応答値を求め、上記締固め機械の締固め回数に応じた上記締固め実測値と上記地盤応答値との相関を求め、所定の相関を得るために取得する必要のある各締固め管理ブロック内で演算する地盤応答値の上記必要個数、この必要個数を取得するのに必要な締固め管理ブロックの大きさを求めるステップとを有する。
【0016】
この請求項3に係る締固め管理方法では、試験施工をした後の実施工時に、各締固め施工エリアで必要個数以上の地盤応答値を得るような締固め管理ブロックの面積を設定して、各締固め管理ブロックで得られる地盤応答値を締固め実測値と相関のあるものとする。
【0017】
請求項4に係る締固め管理方法では、上記締固め機械により実際に上記締固め施工エリアを締め固める実施工を開始する前の、上記実施工時に使用する盛土材料を用いて上記締固め機械で締固めをする試験施工時において、
複数の締固め実測値及び上記地盤応答値を求め、締固め実測値に対する地盤応答値の平均値であるブロック特性値を求め、各ブロック特性値から、各締固め実測値における地盤応答値の最大値と最小値との差と各締固め実測値における地盤応答値の個数に応じた係数との乗算値を減算して得た当該各ブロック特性値以下の下方限界値のうち、実施工時に目標とする締固め実測値に対する下方限界値を、実施工時に締固めが完了したか否かの評価基準となる管理基準値とするステップを有し、実施工時に締固め機械により上記管理基準値を越えるように締固めをする。
【0018】
この請求項4に係る締固め管理方法では、試験施工をした後の実施工時に締固め機械により上記管理基準値を越えるように各締固め管理ブロックの締固め程度を評価して、締固めをする。
【0019】
請求項5に係る締固め管理方法では、上記締固め機械により実際に上記締固め施工エリアを締め固める実施工を開始する前の、試験施工時において、上記盛土材料の前記地盤応答値に影響を及ぼす異なる影響要因の締固め管理ブロックのそれぞれについて複数の地盤応答値を求め、上記影響要因ごとに、複数の地盤応答値の平均値を求めて上記影響要因ごとのブロック特性値を求め、上記盛土材料の影響要因間のブロック特性値の比を求めて、実施工時に締固めが完了したか否かの評価基準となる管理基準値を実施工時に設定するための補正値を設定するステップを更に有し、実施工時での上記盛土材料の影響要因と試験施工時での上記盛土材料の影響要因とを比較して、予め設定されている影響要因での管理基準値を、前記補正値を用いて補正し、前記補正値を設定するステップは、何れかの影響要因での管理基準値を、前記予め設定されている影響要因での管理基準値として設定し、前記何れかの影響要因でのブロック特性値と他の影響要因のブロック特性値との比を補正値として設定する
【0020】
この請求項5に係る締固め管理方法では、実施工時での上記盛土材料の影響要因に応じてブロック特性値を補正する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
本発明は、例えば図1に示すように構成された締固め管理システムに適用される。
【0023】
[締固め管理システムの構成]
図1に示す締固め管理システムは、例えば空港、道路、ダムなどの大規模土工事現場で締固め施工をする締固め施工装置1と、GPS固定局2と、データ管理局3とから構成されている。
【0024】
「締固め施工装置1の構成」
締固め施工装置1は、締固め施工現場でユーザにより運転されることで、盛土を締め固めるものである。
【0025】
締固め施工装置1は、実際に転圧を行う振動ローラ11、振動ローラ11の振動加速度を計測する加速度センサ12、ディスプレイ13、操作パネル14、GPSアンテナ15、無線送信機16、制御部17、GPS固定局データ受信アンテナ18を備えて構成されている。
【0026】
振動ローラ11は、締固め施工装置1の進行方向に向かって回転駆動して、盛土面を締め固める動作をする。
【0027】
加速度センサ12は、振動ローラ11の締固め施工エリアに対する垂直方向における加速度を検出し、制御部17にセンサ信号として出力する。この加速度センサ12で検出したセンサ信号が、締固め施工エリアの締固め強度となる。
【0028】
ディスプレイ13は、制御部17の制御に応じて、振動ローラ11の締固め施工エリアに対する転圧回数や、締固め施工装置1の進行軌跡などを画面表示することで、締固め施工装置1の運転者に締固め施工装置1の進行方向や、締固め施工エリアの締固め度合いなどを提示する。
【0029】
操作パネル14は、締固め施工装置1を運転者に操作されることで、各種操作入力信号を制御部17に出力する。具体的には、締固め施工装置1の運転者によって、後述の初期条件等が入力される。
【0030】
GPSアンテナ15は、図示しないGPS衛星と無線接続され、GPS衛星からの位置データを受信する。この位置データは、工事現場を座標化し、座標内での締固め施工装置1の位置を示すデータである。GPSアンテナ15は、受信した位置データを、この位置データを取得した時刻情報と共に制御部17に出力する。
【0031】
無線送信機16は、データ管理局3と無線接続され、制御部17で作成したデータをデータ管理局3に送信する。
【0032】
GPS固定局データ受信アンテナ18は、GPS固定局2と無線接続され、リアルタイムに現在の締固め施工装置1の位置を示す位置データを受信し、制御部17に出力する。
【0033】
制御部17は、加速度センサ12からのセンサ信号、及びGPSアンテナ15又はGPS固定局データ受信アンテナ18で受信した締固め施工装置1の位置データが入力される。この制御部17は、位置データにより締固め施工装置1の現在位置に基づく締固め施工装置1の軌跡、締固め施工装置1の転圧回数、及び締固め施工エリアの各位置での振動ローラ11の加速度に基づく地盤応答値をデータとして作成する。そして、この制御部17は、作成した締固めデータを内部に記憶してディスプレイ13に表示して締固め施工装置1の運転者に提示すると共に、無線送信機16を介してデータ管理局3に送信する。
【0034】
この制御部17は、締固め程度を認識するのに、加速度波形に対して地盤応答値演算処理をすることで、地盤応答値を求める。
【0035】
また、この制御部17は、実施工時に、締固め施工エリアを分割してなる複数の締固め管理ブロックを決定して、各締固め管理ブロックでの締固め程度を評価する。この制御部17は、実施工時に、入力された位置データと、各締固め管理ブロックでの地盤応答値とを記憶する。
【0036】
締固め管理システムは、実際に締固め施工エリアを盛土材料を使用して締め固める実施工時の前に、使用する盛土材料を用いて締固め施工装置1により締固めを試験的に行って、実施工時に管理を行うブロックの大きさや、各締固め管理ブロックで地盤応答値を求める必要個数、地盤応答値の管理基準値を得る試験施工時処理をする。なお、この試験施工時処理については図2を用いて後述する。
【0037】
また、締固め管理システムは、試験施工時処理により得た締固め管理ブロックの大きさ、地盤応答値の必要個数、管理基準値を用いて、実際に締固め施工エリアに盛土材料を運搬して締固め施工装置1により締固めを行う実施工時処理を行う。なお、この実施工時処理については図3を用いて後述する。
【0038】
「GPS固定局2の構成」
GPS固定局2は、GPSアンテナ21、GPS固定局データ送信装置22、GPS受信機23、パーソナルコンピュータ24を備えて構成されている。
【0039】
GPSアンテナ21は、図示しないGPS衛星と無線接続され、GPS衛星からの位置データを受信する。この位置データは、工事現場を座標化し、座標内での締固め施工装置1の位置を示すデータである。GPSアンテナ21は、受信した位置データを、この位置データを取得した時刻情報と共にGPS受信機23に出力する。
【0040】
GPS受信機23は、GPSアンテナ21で受信した位置データが入力され、GPS固定局データ送信装置22に出力すると共に、パーソナルコンピュータ24に出力する。
【0041】
GPS固定局データ送信装置22は、GPS受信機23からの位置データを締固め施工装置1に送信する。
【0042】
パーソナルコンピュータ24は、GPS受信機23からの位置データを入力し、現在時刻に対する締固め施工装置1の位置データを表示する。
【0043】
「データ管理局3の構成」
データ管理局3は、締固めデータ受信アンテナ31、無線モデム32、パーソナルコンピュータ33、電源装置34を備えて構成されている。
【0044】
電源装置34は、データ管理局3を構成する各部に駆動電圧を供給する。
【0045】
締固めデータ受信アンテナ31は、締固め施工装置1で作成したデータを受信する。締固めデータ受信アンテナ31は、受信したデータを無線モデム32に出力する。
【0046】
無線モデム32は、締固めデータ受信アンテナ31からのデータを後段のパーソナルコンピュータ33で処理可能な形式に変換してパーソナルコンピュータ33に出力する。
【0047】
パーソナルコンピュータ33は、無線モデム32からのデータに基づいて、締固め施工をした領域の転圧回数や地盤反力に基づいたセンサ信号を表示可能となっている。
【0048】
[締固め管理システムによる試験施工時処理]
図2に、締固め管理システムにより試験施工時処理を行うときのフローチャートを示す。
【0049】
図2によれば、実施工で使用する盛土材料などを調達し、実施工を行う前にステップS1以降の処理を行うことで試験施工をする。
【0050】
ステップS1において、制御部17は、操作パネル14が利用者により操作されることで、締固め施工装置1を走行させて地盤応答値を測定する試験測定範囲、この試験測定範囲内での地盤応答値の測点数、地盤応答値を取得するサンプリング時間、取得間隔等の初期条件が入力される。ここで、試験測定範囲は、例えば実施工時の締固め管理ブロックの1ブロック分程度に相当する締固め施工エリアの面積が設定される。
【0051】
次のステップS2において、制御部17は、締固め施工エリアを分割してなり、締固め程度を管理する単位ブロックとなる締固め管理ブロックの大きさ、及びこの締固め管理ブロックにおいて取得する地盤応答値の個数N、並びにブロック特性値を求めるために使用するブロック特性値演算式を仮設定する。
【0052】
次のステップS3において、締固め施工装置1を実施工を行う地盤の一部である試験測定範囲に配置して試験施工の計測開始をする。
【0053】
そして、締固め施工装置1を試験測定範囲で走行させることで、制御部17は、位置データを得ると共に(ステップS4)、同時的に、加速度センサ12からのセンサ信号に基づいて加速度波形を入力し(ステップS5)、加速度波形を用いた地盤応答値演算処理をして地盤応答値を演算する(ステップS6)。なお、この地盤応答値演算処理については後述する。このステップS6では、ステップS2で仮設定した地盤応答値演算式を用いる。
【0054】
これにより、制御部17は、締固め施工装置1を試験測定範囲で走行させることで、試験測定範囲でステップS1で設定した測点数の地盤応答値を得る。
【0055】
次のステップS7において、制御部17は、ステップS4で得た位置データと、この位置データと同時刻にステップS6で得た地盤応答値とを対応付けして記憶することで、データ結合をする。
【0056】
次のステップS8において、制御部17は、ステップS2で仮設定した締固め管理ブロックごとに地盤応答値の平均値を求める統計処理をすると共に、締固め管理ブロックごとに締固め実測値の平均値を求める統計処理をする。ここで、制御部17は、締め固めた後の施工面を別の工程におけるRI法や置換法などの従来手法で求めた締固め実測値が入力され、入力された締固め実測値を使用して統計処理をする。また、ステップS8において、制御部17は、締固め実測値と地盤応答値との相関係数を求める。これにより、制御部17は、締固め管理ブロックごとのブロック特性値を、加速度波形に基づく地盤応答値と、従来手法により求めた締固め実測値について取得する。
【0057】
次のステップS9において、制御部17は、ステップS2で選択した地盤応答値演算式を用いてステップS6で得た地盤応答値と、ステップS8で求めた相関係数が予め設定した所定値以上となるか否かの判定をする。制御部17は、相関係数が予め設定した所定値以上であると判定したときにはステップS10に処理を進め、相関係数が予め設定した所定値以上でないと判定したときにはステップS2に処理を戻す。
【0058】
そして、ステップS9の次のステップS2では、締固め管理ブロックの大きさ、地盤応答値の必要個数Nd及び地盤応答値演算式を新たに仮設定してステップS3以降の処理をする。
【0059】
次のステップS10において、制御部17は、実施工時における締固め管理ブロックの大きさを設定するブロック面積設定処理、地盤応答値の必要個数Ndを求める必要個数演算処理、地盤応答値演算式を決定する演算式選択処理、管理基準値を決定する管理基準値設定処理をする。なお、これらの処理の詳細については後述する。
【0060】
次のステップS11において、制御部17は、同じ盛土材料で異なる影響要因の締固めを行った結果得た複数の締固め実測値、複数のブロック特性値に基づいてステップS10で決定した管理基準値を実施工時において補正するための補正値を決定する補正値決定処理をして処理を終了する。ここで、影響要因とは、含水比や転圧速度、締固め機械特性など、加速度波形に影響を及ぼす要因の全てを含む。なお、この補正値決定処理の詳細については後述する。
【0061】
「地盤応答値演算処理」
制御部17は、上述の試験施工時や後述の実施工時で地盤応答値を求めるに際して、以下に説明する地盤応答値演算処理を行う。
【0062】
振動ローラ11により締固め管理ブロックを締め固めたときの加速度波形が図4に示すようになり、制御部17に入力されると、制御部17は、上記サンプリング時間間隔Tで、加速度サンプリング時間tにおける加速度波形を抽出する。
【0063】
次いで、制御部17は、抽出した加速度波形をスペクトル変換することで、図5に示すように、加速度波形の基本周波数F[Hz]での加速度振幅スペクトルA、側帯波1/2F[Hz]での加速度振幅スペクトルA’、側帯波3/2F[Hz]での加速度振幅スペクトルA’、側帯波2F[Hz]での加速度振幅スペクトルA、側帯波5/2F[Hz]での加速度振幅スペクトルA’、側帯波3F[Hz]での加速度振幅スペクトルAを取得する。
【0064】
次いで、制御部17は、取得した加速度振幅スペクトルを用いて、ステップS2で選択された地盤応答値演算式により地盤応答値を求める。
【0065】
本例では、例えば下記に示すような第1地盤応答値演算式、第2地盤応答値演算式、第3地盤応答値演算式を使用する場合について説明しているが、これに限定されず、加速度波形をスペクトル変換して得られる地盤応答値であれば使用可能である。
【0066】
第1地盤応答値={(A’+A’+A+A’+A)/A}×100
第2地盤応答値={(A’+A+A’+A)/(A’+A)}×100
第3地盤応答値={(A’+A’+A+A’+A)/(A’+A)}
×100
「ブロック面積設定処理」
ステップS10において、実施工時に締固め施工エリアを分割するための締固め管理ブロックの面積を設定する時には、制御部17は、図6に示すように、ステップS2で仮設定された地盤応答値演算式で求めた相関係数と地盤応答値の個数Nとの関係を使用する。そして、制御部17は、例えばステップS2で予め決定した、締固め実測値と地盤応答値との間で実施工時の相関が得られる相関係数Rdに対する地盤応答値の必要個数Ndを取得する。
【0067】
次いで、制御部17は、必要個数Ndを得るために最低限必要な締固め管理ブロックの面積値Bを得る。図6に示す場合において、例えばブロック面積値Bよりも小さいブロック面積値Aとした場合には必要個数Ndを得ることができないために地盤応答値と締固め実測値との相関が得られない可能性があり、ブロック面積値Bより大きいブロック面積値Cとした場合には1つの締固め管理ブロックで得られる地盤応答値が多くなり処理量が多くなってしまう。
【0068】
したがって、制御部17は、所定の相関が得られる必要最小のブロック面積を実施工時に締固め施工エリアを分割するための面積とする。
【0069】
なお、制御部17は、再転圧のコストを考慮してブロック面積を小さく設定しても良く、人的費用、施工時間などの管理コストを考慮してブロック面積を大きく設定しても良い。ただ、転圧不足を判定できないような大きなブロックは避けるべきである。
【0070】
「必要個数演算処理、演算式選択処理」
一般的に地盤応答値の平均、すなわち各締固め管理ブロックのブロック特性値を算出するときには、締固め管理ブロック内で得た地盤応答値の個数が多いほど地盤応答値と締固め実測値との相関が高くなる。そこで、締固め管理ブロック内の地盤応答値と締固め実測値とに基づいて必要とする相関係数Rdを満足する地盤応答値算出点の測定個数を求める。ここで、上記締固め実測値は、締固め後の盛土材料の特性値、例えば路床の剛性を実測して評価するためのK値、例えば路盤の支持力を実測して評価するためのCBR値などを含み、締め固めた後に実測される路床、路盤の性能を示す値である。
【0071】
すなわち、1つの締固め管理ブロック内での地盤応答値算出点の個数Nが少ない場合には、図7のヒストグラム表示に示すように、演算して得た地盤応答値がばらついている状態となる。このような場合に、統計処理をしてブロック特性値を求めると、ブロック特性値と締固め実測値の平均値とは異なる場合が多くなる。
【0072】
これに対し、1つの締固め管理ブロック内での地盤応答値算出点の個数Nが多い場合には、図8のヒストグラム表示に示すように、演算して得た地盤応答値の範囲が広い場合でも、全体でほぼ正規分布を示すようになる。このような場合に、統計処理をしてブロック特性値を求めると、ブロック特性値と最も検出される確率の高い締固め実測値とはほぼ同じと場合が多くなり、もっとも度数の高い地盤応答値近傍においてブロック特性値が得られる。
【0073】
そして、図7のヒストグラムのような地盤応答値を用い、図9に示すように横軸に盛土材料の締固め実測値、縦軸にブロック特性値とした時は、転圧回数ごとの地盤応答値の最大値と最小値との差が大きく、締固め実測値とブロック特性値との相関が低くなり、したがって相関係数Rが小さくなる。
【0074】
一方、図8のヒストグラムのような地盤応答値を用い、図10に示すように横軸に盛土材料の締固め実測値、縦軸にブロック特性値とした時は、転圧回数ごとのブロック特性値の最大値と最小値との差が小さく、締固め実測値とブロック特性値との相関が高くなり、したがって相関係数Rが大きくなる。
【0075】
したがって、図9及び図10を参照して説明した締固め実測値とブロック特性値との相関より、所定の相関係数(例えばR=0.7)を得るために必要な地盤応答値算出点の個数は、図11に示すように、相関係数Rと必要個数Ndとの関係による。制御部17は、実施工時に必要な相関係数Rによって、1つの締固め管理ブロック当たりに取得する必要がある必要個数Ndを決定する。
【0076】
このような処理を行う締固め管理システムによれば、ブロック特性値と盛土材料の締固め実測値との相関を満足する地盤応答値の必要個数Ndを求めるので、実施工時に求めたブロック特性値をより信頼性の高いものとできる。
【0077】
また、図11において、ステップS2で選択された地盤応答値演算式に応じた相関係数Rと必要個数Ndとの関係を求める。ここで、図11では、上述した3つの地盤応答値演算式で求めた第1地盤応答値を特性Aで示し、第2地盤応答値を特性Bで示し、第3地盤応答値を特性Cで示す。この場合、制御部17は、実施工時に必要な個数Ndに対してもっとも相関の良い特性Cを演算するための地盤応答値演算式を実施工時に使用する選択をする。これにより、実施工時において必要個数の地盤応答値により良好な相関を得ることができる。
【0078】
「管理基準値設定処理」
制御部17は、ステップS9において管理基準値設定処理を行うに際して、図12に示すように盛土材料の締固め実測値ごとに得られた複数の地盤応答値の平均を算出したブロック特性値を得る。そして、複数のブロック特性値からなるブロック特性値線を得る。次に、制御部17は、実施工時において締固めが完了したか否かの判断基準値として、実施工時に目標とする盛土材料の密度などである管理基準におけるブロック特性値よりも小さい値を選択して、実施工時の管理基準値とする。なお、この管理基準は、K値やCBR値などの力学特性値からも設定することができる。
【0079】
一例として、制御部17は、ブロック特性値(X)を用いて、
下方限界値=X−A
X;ブロック特性値
R;各締固め実測値における地盤応答値の最大値と最小値との差
:各締固め実測値における地盤応答値の個数に応じた係数
で表現される式を用いて、締固め管理ブロックの締固めが完了したと認められるブロック特性値の最小値である下方限界値を求める。そして、制御部17は、盛土材料の締固め実測値などに得られた複数の下方限界値からなる下方限界値線を得る。
【0080】
次に、制御部17は、実施工時に締固め完了したか否かを管理するための基準となる管理基準での下方限界値を得て、この下方限界値を実施工時の管理基準値とする。
【0081】
なお、本例では、上述の統計処理として一般的に使用される演算式を用いて下方限界値を求める場合を説明したが、これに限らず、ブロック平均値よりも小さい値であれば他の手法により実施工時の管理基準値を決定しても良い。
【0082】
「補正値決定処理」
上述した試験施工では、盛土材料の影響要因に応じて実施工時に得られる地盤応答値が変化するために、盛土材料の影響要因の変化と地盤応答値との関係を求める。このため、試験施工では、例えば水撒きなどをすることで盛土材料の影響要因が異なるエリアを作って締固めをすることにより、図13に示すような影響要因により異なる締固め実測値とブロック特性値との関係を求める。
【0083】
図13によれば、実施工時に必要とされる締固め実測値の管理基準に対するブロック特性値が影響要因w1,w2,w3に応じて地盤応答値w1、地盤応答値w2、地盤応答値w3を求める。
【0084】
そして、ブロック特性値w1、ブロック特性値w2、ブロック特性値w3の比を求めることで、実施工時に使用する補正値とする。
【0085】
[締固め管理システムによる実施工時処理]
図3に、締固め管理システムにより実施工時処理を行うときのフローチャートを示す。
【0086】
先ず、ステップS21において、締固め施工装置1は、操作パネル14が運転者により操作されることで、初期条件の入力が行われる。これにより、ステップS21では、試験施工時のステップS10で決定されたブロック面積の締固め管理ブロックで締固め施工エリアを複数に分割して地盤応答値を求める単位ブロックである締固め管理ブロックを設定する。
【0087】
また、このステップS21では、試験施工時のステップS11で求めた補正値により、ステップS28で決まるブロック特性値を補正する設定をする。すなわち、このステップS21では、ステップS22以降の実施工に先立って、実際に使用する盛土材料の影響要因を求め、その影響要因と試験施工時での影響要因との比較をし、ブロック特性値を補正する補正値を設定する。すなわち、制御部17は、締固めの程度を判断するブロック特性値を実際に使用する盛土材料の影響要因に応じて補正する処理をする。
【0088】
ステップS21で設定した締固め管理ブロックは、図14に示すように、1つの締固め管理ブロックで地盤応答値が正規分布をとり、度数が最も大きい地盤応答値とブロック特性値とが略同値となるような必要個数Ndを得るための面積となっている。
【0089】
次のステップS22において、締固め施工装置1を実施工を行う締固め施工エリアに配置して実施工の計測開始をする。
【0090】
次のステップS23において、制御部17では、振動ローラ11を締固め施工エリアで走行させ、振動ローラ11が駆動することによる加速度センサ12からセンサ信号を入力すると共に、GPSアンテナ15又はGPS固定局データ受信アンテナ18から位置データを入力開始する。
【0091】
そして、締固め施工装置1を複数の締固め管理ブロックにわたり走行させることで、制御部17は複数の位置データを得ると共に(ステップS24)、同時的に、加速度センサ12からのセンサ信号に基づいて加速度波形を入力し(ステップS25)、加速度波形を用いた地盤応答値演算処理をして地盤応答値を演算する(ステップS26)。
【0092】
これにより、制御部17は、締固め施工装置1を各締固め管理ブロック内で走行させることで、ステップS21で設定した各締固め管理ブロックで地盤応答値を得る。
【0093】
次のステップS27において、制御部17は、ステップS24で得た位置データと、この位置データと同時刻のステップS26で得た地盤応答値とを対応付けして記憶することで、データ結合をする。これにより、制御部17は、どの地盤応答値がどの締固め管理ブロック内での値であるかを判定する。
【0094】
次のステップS28において、制御部17は、以前のステップS27で得た各締固め管理ブロックでの地盤応答値を更新する処理をする。すなわち、制御部17は、以前にステップS31までの処理をし、ある締固め管理ブロックでのブロック特性値が管理基準値に達しない場合に、以前のステップS27で取得した地盤応答値を、新たにステップS27で取得した地盤応答値に更新する。
【0095】
次のステップS29において、制御部17は、各締固め管理ブロックごとに、各締固め管理ブロック内での地盤応答値の取得個数nが、試験施工時のステップS10で求めた必要個数Ndより多いか否かの判定をする。制御部17は、取得個数nが必要個数Ndよりも多いときにはステップS30に処理を進め、取得個数nが必要個数Ndよりも多くないときにはステップS23以降の処理に戻して、再度ステップS24〜ステップS28までの処理を行う。
【0096】
ここで、制御部17は、締固め施工エリア内の全ての締固め管理ブロックについて必要個数Ndを求めたときに、ステップS30に処理を進め、そうでないときには、全ての締固め管理ブロックについて必要個数Ndの地盤応答値を得るまで締固め施工装置1による締固めを行うように締固め施工エリア上を走行させる。
【0097】
ステップS30において、制御部17は、各締固め管理ブロックごとに、ブロック特性値を求める統計処理をする。
【0098】
次のステップS31において、制御部17は、各締固め管理ブロックごとに、ブロック特性値が、試験施工時処理のステップS10で得た管理基準値よりも大きく、ブロック特性値が満足する値か否かの判定をする。
【0099】
すなわち、制御部17は、例えば図15に示すように、各締固め管理ブロックのブロックNo.を付して横軸にし、各締固め管理ブロックでのブロック特性値を縦軸にプロットした場合、管理基準値よりも下回るブロック特性値の締固め管理ブロックを認識することで、各締固め管理ブロックでの締固め程度を評価する。
【0100】
制御部17は、ブロック特性値が管理基準値よりも低い締固め管理ブロックが存在すると判定したときにはステップS23以降の処理に戻って上述のステップS28で再度締固め管理ブロックでの地盤応答値を更新をしてステップS31での判定をし、地盤応答値が管理基準値よりも低い締固め管理ブロックが存在しないと判定したときにはステップS32に処理を進める。
【0101】
これにより、制御部17は、締固め施工装置1の各締固め管理ブロックに対する締固めの評価をする。
【0102】
ステップS32において、制御部17は、加速度センサ12でのセンサ信号の取り込みを完了して上述した処理で得た各データの記録を終了して、ステップS33において締固め施工装置1での締固め施工エリアの締固めを終了する。
【0103】
[実施の形態の効果]
したがって、上述の制御部17を備えた締固め管理システムによれば、締固め管理ブロックを初期条件として規定し、盛土材料の締固め実測値と地盤応答値との相関が得られる必要個数Ndの地盤応答値を各締固め管理ブロックについて取得して、各締固め管理ブロックでの締固の評価をするので、空港、道路やダムなどの広大な締固め施工エリアの締固め程度をリアルタイム、且つ高精度に管理することができる。
【0104】
したがって、この締固め管理システムによれば、広大な締固め施工エリアに対して締固めを行うときでも、締固め程度が十分な地点についてはすぐに次の地点に締固めを実行することができると共に、リアルタイムに締固め程度が不足している地点を締固め施工装置1で認識することができ、締固め不足などに即座に対応することができる。
【0105】
また、この締固め管理システムによれば、実施工時処理を行うに際して、GPSからの位置データにより、取得した地盤応答値がどの締固め管理ブロックの値かを認識することができ、各締固め管理ブロックごとでの締固め程度の評価を実現することができる。
【0106】
更に、締固め管理システムによれば、試験施工時処理で所定の相関が得られる必要個数Ndを求めるので、実施工時の個々の地盤応答値が様々な要因によりばらつきが発生することに対応して、精度の高い締固め程度の管理をすることができる。
【0107】
更にまた、締固め管理システムによれば、試験施工時処理で、下方限界値における管理基準に対する地盤応答値を管理基準値とするので、各締固め管理ブロックの締固めが完了したと認められる地盤応答値の最小値で締固め完了の評価をすることができ、締固めの作業時間を短縮することができる。
【0108】
更にまた、締固め管理システムによれば、試験施工時に盛土材料の影響要因を変化させて、実施工時の盛土材料の影響要因に応じた管理基準値とするための補正値を設定するので、施工日により異なる可能性がある盛土材料の影響要因に応じて最適な管理基準値を設定することができ、精度の高い締固めの管理をすることができる。
【0109】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0110】
すなわち、上述した一例では、盛土を用いて締固め施工をして締固め程度を管理する一例について説明したが、これに限らず、例えばRCD、CSGのような土以外のコンクリート材であっても、振動により締め固めるものであれば本発明が適用可能であることは勿論である。
【0111】
【発明の効果】
請求項1に係る締固め管理方法によれば、実施工をする前に締固め施工エリアを複数の締固め管理ブロックに分割し、各締固め管理ブロックの締固め程度を評価するに際して、各締固め管理ブロックで必要個数以上の地盤応答値を得るので、広大な締固め施工エリアの締固め程度を高精度に管理することができると共に、リアルタイムに管理することができる。
【0112】
請求項2に係る締固め管理方法によれば、実施工時に締固め機械の位置を示す位置データを参照することで、各地盤応答値をどこの締固め管理ブロックで得たものかを認識して、各締固め管理ブロックでの締固め程度を評価するので、各締固め管理ブロックごとでの締固めの評価を実現することができる。
【0113】
請求項3に係る締固め管理方法によれば、試験施工をした後の実施工時に、各締固め施工エリアで必要個数以上の地盤応答値を得るような締固め管理ブロックの面積を設定して、各締固め管理ブロックで得られるブロック特性値を締固め実測値と相関のあるものとするので、実施工時の個々の地盤特性値が様々な要因によりばらつきが発生することに対応して、精度の高い締固めの管理をすることができる。
【0114】
請求項4に係る締固め管理方法によれば、試験施工をした後の実施工時に締固め機械により上記管理基準値を越えるように各締固め管理ブロックの締固め程度を評価して締固めをするので、各締固め管理ブロックの締固めが完了したと認められる地盤応答値の最低限の値で締固め完了の評価をすることができ、締固めの作業時間を短縮することができる。
【0115】
請求項5に係る締固め管理方法によれば、施工日により異なる可能性がある盛土材料の影響要因に応じて最適な管理基準値を設定することができ、精度の高い締固めの管理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した締固め管理システムの構成を示す図である。
【図2】本発明を適用した締固め管理システムにおける試験施工時処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明を適用した締固め管理システムにおける実施工時処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】加速度波形のサンプリング時間間隔Tと加速度サンプリング時間tとの関係を示す図である。
【図5】加速度波形について周波数分析をして得た加速度スペクトルを示す図である。
【図6】地盤応答値と相関係数による締固め管理ブロックのブロック面積の関係を示す図である。
【図7】締固め管理ブロックで地盤応答値の算出点が少ないときにおけるブロック特性値を説明するためのヒストグラムである。
【図8】締固め管理ブロックで地盤応答値の算出点が多いときにおけるブロック特性値を説明するためのヒストグラムである。
【図9】各締固め管理ブロックで地盤応答値の算出点が少ないときにおける締固め施工エリアの締固め実測値とブロック特性値との相関を説明するための図である。
【図10】各締固め管理ブロックで地盤応答値の算出点が多いときにおける締固め施工エリアの締固め実測値とブロック特性値との相関を説明するための図である。
【図11】各締固め管理ブロックで相関の高い地盤応答値演算式を決定することを説明するための図である。
【図12】実施工時の管理基準値を決定することを説明するための図である。
【図13】影響要因により異なる管理基準に対するブロック特性値の関係を示す図である。
【図14】実施工時に設定する締固め施工エリアを分割してなる締固め管理ブロックについて説明するための図である。
【図15】実施工時において、各締固め管理ブロックでのブロック特性値と管理基準値との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 締固め施工装置
2 GPS固定局
3 データ管理局
11 振動ローラ
12 加速度センサ
13 ディスプレイ
14 操作パネル
15 GPSアンテナ
16 無線送信機
17 制御部
18 GPS固定局データ受信アンテナ
21 GPSアンテナ
22 GPS固定局データ送信装置
23 GPS受信機
24 パーソナルコンピュータ
31 締固めデータ受信アンテナ
32 無線モデム
33 パーソナルコンピュータ
34 電源装置

Claims (5)

  1. 締固め施工エリアを締め固める締固め機械を用いて盛土材料を締め固めた結果を管理する締固め管理方法において、
    実施工を行う前の試験施工時に、上記締固め施工エリアの締固め程度を表す地盤応答値を得る複数の演算式のうち、当該演算式で求められる地盤応答値が上記盛土材料の締固め実測値と所定の相関を得るための何れかの演算式を選択すると共に、当該選択した演算式を使用して得た地盤応答値の上記盛土材料の締固め実測値との所定の相関を得るための必要個数を設定するステップと、
    締固め施工エリアを、予め大きさが設定された締固めた結果を管理する単位となる締固め管理ブロックに分割するステップと、
    上記締固め機械により締固め施工エリアの実施工をしている時に、上記締固め管理ブロック内で計測された上記締固め機械の振動加速度の時間変化を示す加速度波形を用いて、上記必要個数以上の地盤応答値を、上記選択した演算式で上記締固め管理ブロックごとに演算するステップと、
    上記締固め管理ブロックごと演算して得た複数の地盤応答値の平均値を演算して、上記締固め管理ブロック内での地盤応答値の平均値であるブロック特性値を演算するステップと、
    演算して得た上記ブロック特性値を上記各締固め管理ブロック内での特性値として評価するステップとを有し、
    前記地盤応答値を得る複数の演算式は、前記締め固め機械により盛土材料を締め固めたときの振動ローラの加速度振動波形を指標化して、前記締固め程度を推定する式であり、
    前記所定の相関は、実際の締固め程度を示す締固め実測値が大きくなることによって、前記演算式によって得た地盤応答値が大きくなる相関関係であって、
    前記地盤応答値の前記盛土材料の締固め実測値と所定の相関を得るための必要個数は、前記締固め管理ブロックでの締固め実測値の平均値が大きくなると、前記締固め管理ブロックで取得した地盤応答値の平均値が大きくなるような前記締固め管理ブロックで取得する地盤応答値の個数として設定されること
    を特徴とする締固め管理方法。
  2. 上記締固め機械の締固め施工エリア上での位置を示す位置データを入力するステップを更に有し、
    上記位置データを得た時刻と同時刻に得た地盤応答値を、前記位置データに対応する締固め管理ブロックの地盤応答値と判定すること
    を特徴とする請求項1記載の締固め管理方法。
  3. 上記締固め機械により実際に上記締固め施工エリアを締め固める実施工を開始する前の、上記実施工時に使用する盛土材料を用いて上記締固め機械で締固めをする試験施工時において、
    盛土材料の締固め実測値及び上記地盤応答値を求め、上記締固め機械の締固め回数に応じた上記締固め実測値と上記地盤応答値との相関を求め、所定の相関を得るために取得する必要のある各締固め管理ブロック内で演算する地盤応答値の上記必要個数、この必要個数を取得するのに必要な締固め管理ブロックの大きさを求めるステップとを有すること
    を特徴とする請求項1記載の締固め管理方法。
  4. 上記締固め機械により実際に上記締固め施工エリアを締め固める実施工を開始する前の、上記実施工時に使用する盛土材料を用いて上記締固め機械で締固めをする試験施工時において、
    複数の締固め実測値及び上記地盤応答値を求め、各締固め実測値に対する地盤応答値の平均値である各ブロック特性値を求め、各ブロック特性値から、各締固め実測値における地盤応答値の最大値と最小値との差と各締固め実測値における地盤応答値の個数に応じた係数との乗算値を減算して得た当該各ブロック特性値以下の下方限界値のうち、実施工時に目標とする締固め実測値に対する下方限界値を、実施工時に締固めが完了したか否かの評価基準となる管理基準値とするステップを有し、
    実施工時に締固め機械により上記管理基準値を越えるように締固めをすることを特徴とする請求項1記載の締固め管理方法。
  5. 上記締固め機械により実際に上記締固め施工エリアを締め固める実施工を開始する前の、試験施工時において、上記盛土材料の前記地盤応答値に影響を及ぼす異なる影響要因の締固め管理ブロックのそれぞれについて複数の地盤応答値を求め、上記影響要因ごとに、複数の地盤応答値の平均値を求めて上記影響要因ごとのブロック特性値を求め、上記盛土材料の影響要因間のブロック特性値の比を求めて、実施工時に締固めが完了したか否かの評価基準となる管理基準値を実施工時に設定するための補正値を設定するステップを更に有し、
    実施工時での上記盛土材料の影響要因と試験施工時での上記盛土材料の影響要因とを比較して、予め設定されている影響要因での管理基準値を、前記補正値を用いて補正し、
    前記補正値を設定するステップは、
    何れかの影響要因での管理基準値を、前記予め設定されている影響要因での管理基準値として設定し、前記何れかの影響要因でのブロック特性値と他の影響要因のブロック特性値との比を補正値として設定すること
    を特徴とする請求項1記載の締固め管理方法。
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