JP3542598B2 - Nqrによる爆薬の検出における音響リンギング信号の効果の除去および熱効果の減少 - Google Patents
Nqrによる爆薬の検出における音響リンギング信号の効果の除去および熱効果の減少 Download PDFInfo
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Description
[産業上の利用分野]
本発明は、一般に核4重極共鳴(NQR)に関し、特に、核4極子共鳴による爆発物および麻薬の検出に関する。
[従来技術の説明]
参考文献としてここに含まれている1991年5月23日出願のUSSN07/704,744号明細書および1991年6月16日出願のUSSN07/730,772号明細書に記載されているように、NQRは、爆薬および麻薬を検出する有効な手段となり得るものである。特に、NQRは、郵便物、小さな積荷または人間によって搬送される手荷物のような物体の内部に存在する窒素または塩素を含有している爆薬および麻薬(または、さらに一般的に14N、35,17Cl糖の4重極核を含んでいる材料)の検出において有効である。この通常のNQR方法は“純粋な"NQRと呼ばれており、“純粋な”とは外部から与えられる静磁界を必要とされていないことを意味している。
残念なことに、通常のNQR爆薬および麻薬検出シーケンスに使用される無線周波数(RF)パルスは、しばしば手荷物で発見されるある種の部材、通常磁化された鉄またはセラミックにおいて音響リンギングを誘起するであろう。このリンギング信号は、1ミリ秒程度の持続時間を有し、大きさが爆薬の威嚇力に対応しているNQR信号振幅に匹敵する。
この音響リンギング信号が除去されない場合、このような材料を含んでいるバッグの偽警報率(誤った警報)が増加する欠点がある。低い偽警報率はまた、しきい値“警報”設定レベルを増加させることによって達成されるが、それは実質上、最小の検出可能な量を増加させる犠牲を払うことになる。
完全には十分に理解されていないが、音響リンギング信号(しばしば、磁気音響リンギング信号またはプローブリンギング信号と呼ばれる)は外部の静磁界が使用されている通常のNMRにおいてはよく知られている現象である。基本的なメカニズムは、RFパルスが導体において渦電流を誘起することに基づくものである。磁界中において、力がこれらの電流に作用し、したがって導体に作用して導体内に前後にバウンドする音響エネルギを誘起する。この音響エネルギのパルスは受信機コイルに結合している磁気を相応して変化させ、駆動RFパルスと同相で、音響エネルギがシステムにおいて消散されるまで持続する“信号”を誘起する。
純粋なNQRでは静的な磁界は存在しないので、音響リンギング信号のメカニズムはNMRの適用の場合とは異なっている。同様な説明をすれば、磁化された材料中の強磁性ドメインが供給されたRF磁界に応じて再整列するよう試みることである。これらの(部分的な)再整列により、サンプル内の前後に反射する音響エネルギを生成する格子の歪みを生じる。
外部のプローブリンギング信号に影響を与える別のメカニズムがここに記載された方法による除去にも影響を与える可能性があることは認められるが、本発明を具体的にするため開示は音響リンギング信号の除去について考察する。
核磁気共鳴(NMR)の関連技術において、外部のプローブリンギング信号を減少または除去する多数の方法が存在する。リンギング信号は検出しようとしている試験体よりも一般にプローブ本体またはRFコイルに存在するので、音響波を迅速に制動する材料を使用するためにプローブを機械的に再設計することはNMRにおいて実行可能な選択である。
音響リンギング信号の影響を十分に除去するのに有効であることが証明されている多数のNMRパルスシーケンスも存在する。このようなシーケンスは一般に回転基準フレームにおける音響リンギング信号の符号ではなく、NMR信号の符号を反転させる(または、その反対)能力に依存する。それ故、長時間再生可能である不快な音響リンギング信号が供給されるとき、所望のNMR信号が(実質的に)一貫して加算されるように入力信号を交互に加算および減算するように構成し、音響信号はゼロまで交互に加算および減算する。以下に示されるように、通常NMRに使用される相殺技術は、NQRに直接適用できない。
NMRにおける音響リンギング信号を除去するための第2の既知の方法は、通常180゜すなわちπ位相のパルスによってNMR磁化を反転する(NMR磁化の符号を変える)能力に依存する。1つの可能なシーケンスは、正のNMR信号および正の音響リンギングサインを生成するπ/2の励振パルスから構成される。磁化が時間T1において再生された後、π反転パルスが供給される回転格子弛緩時間はπ/2パルスによって時間td遅れて後続される。全てのパルスは、同じ位相を有する。与えられたtdがT1より非常に短いとき、NMR信号は反転される。また、与えられたtdが音響リンギング信号に比較して長いとき、音響信号は初期のπ/2パルスの後と同じであろう。結果的な信号の加算および減算は音響リンギング信号の成分を除去し、NMR信号を保存する。
[発明の解決しようとする課題]
しかしながら、通常のNQRの場合に関して、上述されたこれらの簡単な方法は適当ではない。NQRによるパッケージ中の、または人間が保持している爆薬または麻薬の検出において、音響リンギング信号は試験体内の磁化された部品、例えばスーツケースまたはパッケージから発生する。妨害となる内容物を識別して区別することは、所望の解決法ではない。さらに、NMRに関して上記された簡単なシーケンスはNQRに関しては動作しない。多結晶の試験体に関して、全てのNQR“磁化”を反転させるRFパルスは存在しないことはよく知られている。
さらに、正確なNQR共振周波数が温度によって変わるということは良く知られている。明らかに、この温度変化はNQR検出方式における幾つかの不所望の効果を有する。これらの不所望の効果を最小にするための通常の方式は存在するが、本発明の方法はプローブリンギングを実効的に除去すると共に、温度による影響を最小にすることができる。
したがって、本発明の目的は、爆薬および麻薬を検出するためにNQRの有効性を増加させることである。
本発明の別の目的は、NQRによる爆薬および麻薬の検出における誤った警報を減少または除去することである。
本発明のさらに別の目的は、外側のプローブリンギング信号によって生じる爆薬および麻薬のNQR検出における妨害を減少することである。
本発明のさらに別の目的は、NQRにおける温度の影響を最小にする方法およびシステムを提供することである。
[課題解決のための手段]
本発明のこれらおよび付加的な目的は、試験体が、位相変更パルスシーケンス(PAPS)を非位相変更パルスシーケンス(NPAPS)と組合せる変形した定常状態の自由な歳差(SSFP)パルスシーケンスによって照射されるNQR方式によって達成される。変形したシーケンスのPAPSおよびNPAPS部分における信号を適切に共に加算することによって、NQR信号に対するFIDまたは反射波のいずれか一方の影響を除去し、その他方を保持することができる。FIDの影響を除去する共に加算する手順は、先行するパルスによってのみ決定される位相および振幅を有する磁気音響リンギングのような外部の反応も相殺する。この共に加算する手順は、NQR信号による温度変化の影響も最小にする。
[図面の簡単な説明]
図1は、本発明のシステムが使用するNQRシステムのブロック図であり、
図2(a)および図2(b)は、サンプルに対して使用する蛇行線表面コイルの平面図および側面図であり、
図3は、XY平面における蛇行線表面コイルの磁界強度の等高線を示し、
図4および図5は、NQR検出システムの構成の説明図であり、
図6は、本発明により音響リンギングを除去するために使用されるSSFPシーケンスの変形のタイミング図であり、
図7は、条件tW=22μs、γ=5ms、およびn=64に基づいたコカインベース(12.9)の3.817MHzの共振周波数でこの組合わされたシーケンス(PAPS+NAPS)を使用している室温で得られた14NのNQR信号を示し、
図8は、2gの希土類磁石がコカインベースサンプルと共にRFコイルに位置されたことを除いて、図7と等しい条件に基づいた変形したシーケンスの結果を示し、
図9(a)乃至図9(c)は、SSFP RFパルスシーケンスの3つの変形を使用している亜硝酸ナトリウムの4.645MHz線のNQR信号強度の大きさに応じた共振オフセットの依存関係を示す図。
[発明の実施例]
<本発明が使用される方法および装置の例>
本発明が説明される前に、従来の有効な改善を含んでいる爆薬のNQR検出についての一般的な説明は、本発明の使用に関する好ましい実施例の完全な開示を確実にするために有効である。この説明は本発明に有効な特定の装置および方法に集中されているが、本発明がその他の多くのNQR方法および装置にも有効に使用されることを理解するべきである。
図1は、本発明の1実施例に関するNQR検出システムのブロック図を示す。無線周波数源60、パルスプログラマおよびRFゲート50、およびRF電力増幅器40は、コイル10に供給される予め定められた周波数を有する無線周波数パルス列を生成するために設けられている。結合ネットワーク20は、無線周波数源60で発生された無線周波数パルス列をパルスプログラマおよびRFゲート50およびRF電力増幅器40を通って供給され、それをコイル10に結合する。結合ネットワーク20はまた、試験体が無線周波数パルスの列によって照射された後、コイル10で検出されたエコー信号を受信機/RF検出器30へ結合させる。中央処理装置(CPU)70は無線周波数源60、パルスプログラマおよびRFゲート50を制御し、14N、35,17Cl等に一致した、またはそれに近い予め定められた周波数である検出されることが望まれる爆薬(例えば、全てのRDXベースの爆薬)または麻薬のNQR周波数に制御する。さらにCPU70は、全ての(すなわち、“累積された”)窒素信号(または、一般に4重極核からの全ての信号)を予め定められたしきい値と比較する。予め定められたしきい値を越えたとき、警報装置80はCPU70による比較に応じて不正される。結合ネットワーク20、受信機/RF検出器30、RF電力増幅器40、パルスプログラマおよびRFゲート50、無線周波数源60、CPU70、および警報装置80はコンソール100に含まれており、コイル10のみがコンソール100の外部にある。
図2(a)および(b)は、サンプル1の14Nの純粋なNQR信号を検出するための幅wおよび長さlを有する蛇行線表面コイル11としてのコイル10を示す。蛇行線表面コイル11は、予め定められた距離bによって分離されている並列導体の曲がりくねったアレイで構成されている。導体ストリップは、理論的には無限に細いが、実際には有限の幅sを有すると考えられることができる。図2(b)は、厚さdを有し、蛇行線表面コイル11の表面より高さh上にあるサンプル1を示す。
4重極核からの純粋なNQR信号を検出するため、できる限り広い関係する領域に制限されているRF磁界を生成するコイルを使用することが必要である。蛇行線表面コイル11の表面に平行な平面における磁界は蛇行線スペースbの周期性を有し、磁界の強度はほぼexp(−πh/b)で低下するので、実効的なRF磁界は平行な導体間のスペースbによって決定された浸透深さを有し、この浸透深さはコイルの全体の大きさではなく、蛇行線表面コイル11に隣接した導体間の間隔によって決定される。結果として、蛇行線表面コイル11は、制限された深さまでかなり大きな表面積を探査するために最良に適合される。対照的に、通常の円形表面コイルの浸透深さはコイル半径によって決定され、大きい円形表面コイルは浸透深さを増加させる。
コイル10によって実行された励振および検出は、ゼロ磁界において実行された純粋な核4重極共鳴手順を利用するので、磁石は必要とされない。好ましい実施例において、図2(a)および(b)に示されたような蛇行線表面コイル11が使用されている。しかしながら、ある特定の形状に関しては、他の形状のコイルが事実上適切な場合もある。例えば、通常のソレノイド、方形ソレノイド、ヘルムホルツ、またはドーナツ型コイルが使用されることができる。試験体1は、RF電力増幅器40、パルスプログラマおよびRFゲート50、無線周波数源60、およびCPU70によって発生された無線周波数パルス列によって照射され、その無線周波数パルス列は14N、35,37Cl等の検出されることが所望される爆薬または麻薬のタイプのNQR周波数に近い周波数を有していなければならない。例えば、RDXは、ほぼ1.8、3.4および5.2MHz付近のNQR共振線を有し、PETNはほぼ0.4、0.5および0.9MHz付近の共振線を有する。したがって、全てのRDX型の爆薬は、ほぼ1.8、3.4または5.2MHz付近の検査によって決定される。
本発明においては、試料を照射する無線周波数パルス列として、定常状態の自由歳差(SSFP)パルスシーケンスが使用される。SSFPシーケンスは、Carr氏による“Steady State Free Precession in Nuclear Magnetic Resonance"Phys.Rev.112,1693−1701(1958)によって1958年にNMRに最初に導入され、さらにNMRに関して開発され分析されている(R.R.Ernst氏およびW.A.Anderson氏による“Application of Fourier Transform Spectroscopy to Magnetic Resonance,"Rev.Sci.Instrum.37,93−102(1966)、W.S.Hinshaw氏による“Image Formation by Nuclear Magnetic Resonance:The Sensitive Point Method,"J.Appl.Phys.47 3709−3721(1976)、M.L.Gyngell氏による“The Steady−State Signals in Short−Repetition−Time−Sequences,"J.Magn.Reson.81 478−483(1989))。これは、スピンシステムが間隔τでそれぞれ分離されたRFパルスの連続的な列によって照射されるときに生じる定常状態に関連するものであり、間隔τ中、核の回転は自由な歳差運動をする。
Marino氏によってNQRにおいて導入された同じ位相のrfパルスの強いオフ共鳴コーム(SORC)(S.M.Klainer,T.B.HirschfeldおよびR.A.Marinoによる“Fourier Transform Nuclear Quadrupole Resonance Spectroscopy",in“Fourier,Hadamard,and Hilbert Transforms in Chemistry"A.G.Marshall,Ed.;Plenum Press:New York(1982))は、SSFPパルスシーケンスの一例である。スピン間の緩和時間T2より小さいパルス分離τに対して、毎回のパルス後の定常状態応答信号の大きさは、平衡磁化の約1/2である。特定の幾何学形状に対して、RFパルスはほぼ50マイクロ秒の長さであり、ほぼ1ミリ秒間隔を隔てられている。例えば、スピン・格子緩和時間T1にほぼ等しい遅延を必要とする単一パルスまたは通常のデータ獲得方法と比較した場合、信号対雑音比を改良するために5000個の信号がほぼ5秒で加算されることができる。14Nに対するT1は典型的に数秒程度であるため、SORCシーケンスを使用することによって所定量の時間で得られた信号対雑音比における改善は、(T1/τ)1/2、すなわちこの例における改善の係数はほぼ30である。
無線周波数パルス列をコイル10に供給した後、コイルで検出された全窒素信号は受信機/RF検出器30を通って、CPU70に送られる。全窒素信号は予め定められたしきい値に比較され、全窒素信号が予め定められたしきい値を越えた場合に、警報装置80が付勢される。
通常、NQRラインを励起するために強力なrf磁界が使用され、このような強力な磁界の発生には実質的にrfパワーが必要とされるため走査される対象物に許容できないような量のパワーを与える可能性がある。高いパワーを与えることは、荷物または小型貨物の走査に対して不満足な結果を有する可能性が高く、高いパワーレベルでは電界の静電結合または磁界への誘導結合による過大な電圧または局部的な加熱が生じることにより、対象物内の電子装置に対する損傷が発生する可能性がある。走査している人々にとっても、これらの周波数(1乃至5MHz)のrfパワーにさらされることは、主として渦電流損失によって問題を与える可能性が高い。rfパワーおよびフィールド強度値の検査物品または人間に対する影響、並びにrfエネルギへの許容可能な露出レベルの詳細は本発明の技術的範囲外のことであり、詳細な説明は省略する。
共鳴周波数に近い周波数で与えられたB1のrfフィールド強度は、2γB1twの角度でスピンを章動し(1スピンに対してI=1核)、ここでγは核スピンの磁気回転比であり、twはパルス幅である。固定した章動角度に対して、強いパルスは短い期間を有し、対応的にスペクトルの広い領域を励起する。通常、約119度にわたってスピンを章動させるような十分に長いパルスによりNQR共鳴を励起し、最大の磁化を与える。実験室設定の市販のNQR分光計に関しては119度の先端角度を得るために必要とされるパルス幅は、典型的に20乃至50μsの幅を有し、50乃至20kHzの帯域幅1/twをカバーする。したがってこのような場合に使用されるrfフィールド強度B1は、10乃至25ガウスである。
前記のUSSN07/730,722明細書に記載された発明において、rfフィールド強度の大きさは、双極子・双極子コントリビューションのために局部磁界強度の大きさ以上であることだけが必要であることが認識されており、必要なrfフィールド強度B1minはほぼ1/γT2である。ここでT2は双極子結合によるスピン間緩和時間である。したがって、例えば強い共鳴コーム励起がこのような低いrf強度で非常に満足できるように作用する。RDXベースの爆薬に対して、本発明は0.7G(0.07mT)の低さのrfフィールドを成功的に使用している。(14NのNQRラインの幅はまた、歪力、不純物および温度の変動によって誘導された四極子結合定数の分布による不均質の相互作用によって部分的に決定される。このような幅に対する不均質のコントリビューションは、双極子・双極子結合からの均質のコントリビューション程重要ではない。)
したがって、通常の技術では、局部磁界より100倍以上大きい強度のrfフィールドを供給しているが、窒素爆薬および麻薬の成功的なNQR検出は、rfフィールド強度対局部磁界強度比は約1乃至50の範囲、好ましくはできるだけ1に近いを使用することによって達成される。典型的には約2乃至約30の比、さらに典型的に約2乃至約20の比、最も典型的に約2乃至約10の比が使用される。
実際には、スーツケースの大きさのサンプルの容積はかなり控え目のピークおよび平均rfパワーレベルで検査されることができる。さらに、この方法は蛇行線等の大きい表面のコイルによって、またはソレノイド等の“ボリューム”コイルによってさえ人々の試験を実現可能にする。
全てのものが等しく良好に作用するわけではないが、本発明にしたがって種々のコイルが使用されてもよい。例えば、蛇行線コイル、円形表面コイル、パンケーキ型コイルおよびその他のコイルが成功的に使用される。
本発明の1実施例において、結合ネットワーク20、受信機/RF検出器30、RFパワー増幅器40、パルスプログラマーおよびRFゲート50、無線周波数源60、CPU70および警報装置80は、スキャナコイルが検出されることを所望された試料に隣接して配置されることができるように、コイルが結合されたコンソール100に含まれている。
図2(a)には、蛇行アレイ11中における電流の方向が示されている。電流密度Js(x)は、次の式で示されるように全電流Iに関連している。
静磁気境界条件を使用することによって、導電ストリップ間のJs(x)は0であり、導電ストリップ内のJs(x)は次式に対応する。
ここにおいて、β=πI[2bK(q)]-1であり、K(q)は第1の種類の完全な楕円形インターバルであり、モジュラスqはq=sin(πs/2b)である。z>0の領域およびBy=0における結果的な磁界成分は次式で表される。
ここで、Pn[cos(πs/b)]はオーダーnのルジャンドル(Legendre)多項式である。蛇行線表面コイルに隣接した薄い層のサンプルにおいて、RF磁界の強度および方向の両者は式[3]にしたがって試料によって変化する。平均は、NQR信号強度を得るためにサンプル内の各位置において行われなければならない。NQR検出において重要な量は、RFフィールドの大きさB1であり、B1=2[Bx 2+Bz 2]1/2である。図3は、式3からの磁界強度の等高線を示し、RFフィールドプロフィールを予測する。図3に示されているように、磁界のz成分は導電ストリップ間で最大中間に達し、磁界のモジュルスはストリップエッジの近くで最大であり、ここでBxは大きいが、磁界はBzの影響のために導電ストリップ間において決して消滅しない。
図4および5は、実際の使用において爆薬および麻薬を検出するためのこのようなNQRシステムの可能性のある使用法を示す。図4では図面を簡明にするために2つの蛇行線検査コイルは検査されるべき荷物からかなり遠くに示されている。このような用途では実際にはバッグにコイルをできるだけ近接させるように幾何学形状を変更する。その代りとして、大きい円形または方形のソレノイドコイルが使用されることが可能である。
<本発明の特徴な構成>
本発明の1実施例は、上記のSSFPパルスシーケンスの修正された形態を使用する。SSFPシーケンスを使用するこの実施例の成功は、RFパルスによって誘導された磁気音響リンギングがそのパルスと同位相であることに依存している。SORC等のSSFPシーケンス下では、パルスに続くNQR信号は2つのコントリビューション:そのパルスと同位相である自由誘導減衰(FID)と、そのパルスおよび前のパルスの両者によって決定される位相を有するエコーとを有している。本発明の修正されたシーケンスにおいては、FIDコントリビューションは、存在している磁気音響リンギング信号と共に相殺され、一方、NQR信号に対するエコーコントリビューションは相殺されずもとのままである。
図6は、音響リンギングを消去するために本発明において使用されたSSFPシーケンスの修正された形態のタイミング図である。この図において、xは、検出されるべき爆薬または麻薬のNQRピークの1つに等しい周波数を有し、期間
相が逆のRFパルスを表している。この修正されたシーケンスは、実際にはSSFPパルスシーケンスの2つの形態、すなわち、位相変化されたパルスシーケン
ンス(NPAPS)または[x−τ−x−τ]nとを時間的に異ならせて任意の順序で組合わせて形成される。(NPAPSパルス列は、元のSORCシーケンスのものと同じであり、NPAPSという用語はここでは位相変化されないSSFPパルス列と位相変化されたものを明瞭に区別するために使用されている。)NPAPSパルス列とPAPSパルス列とは、時間的に重ならないように供給される。PAPSおよびNPAPSは、連鎖(すなわち連続)していてもよく、或はNPAPSによるサンプルの照射とPAPSによるサンプルの照射との間に時間遅延が存在してもよい。典型的に、NPAPSおよびPAPSシーケンスは、検出に必要な時間を最小にするように連鎖される。NPAPSおよびPAPSは、任意の順序で試料に適用されることができる。さらに、NPAPSおよびPAPSは典型的には同じ長さの時間インターバルにわたって試料に照射されるが、NPAPSが照射される時間インターバルは、PAPSが照射される時間インターバルと等しい必要はない。NPAPSおよびPAPSが等しくない時間量で試料を照射する場合には、各信号に対する全NQR応答は、応答信号に対するFIDコントリビューションの消去を確実にするために加算ステップ中に加重される必要がある。さらに、PAPSおよびNPAPSはそれぞれ同じ装置によって発生されることができ、或は別々の信号発生器によって発生されることができるが同じ信号発生器のほうが好ましい。同様に、PAPSおよびNPAPSは同じコイルによって、或は2つの異なるコイルによって試料に供給されることができるが同じコイルのほうが好ましい。また、図6では方形パルスが示されているが、別のパルス形状が使用されてもよい。
上述のように、パルスの間の期間τ中に発生したNQR信号は、2つのコントリビューション:自由誘導減衰(FID)およびエコーを有する。図6に示されているように、修正されたシーケンスのPAPS(AおよびBのラベルを付けられたシミュレートされたNQR信号)およびNPAPS(CおよびD)部分中のFID信号の符号すなわち相対位相は、それに先行するRFパルスの位相によってのみ決定される。しかしながら、PAPS NQRエコー信号の符号は、同じ期間中のFID信号のものと同じであり、一方NPAPS FIDおよびエコー信号は反対の符号を有する。したがって、修正されたシーケンスのPAPSおよびNPAPS部分における信号を適切に加算することによって、NQR信号に対するFIDまたはエコーコントリビューションのいずれか一方を除去し、その他方を残すことができる。図6に示された加算過程は、エコーコントリビューションを保持し、FIDコントリビューションを除去している。
図7は、tw=22μs、τ=5msおよびn=64の条件下でコカインベース(12.9g)の3.817MHzの共鳴周波数でこの組合せられたシーケンス(PAPS+NPAPS)を使用して室温で得られた14N NQR信号を示す。パルスシーケンスは、信号対雑音比を増加させるために512回反復された。トレースA乃至Dは、図6において同じ方法で示されたシミュレートされたNQR信号に対応した実際のNQR信号である。図7の下方のトレースは、各全核4重極共鳴信号に対する自由誘導減衰FIDの影響を消去し、全核4重極共鳴信号に対すうエコーの影響のみを残すようにトレースA乃至Dを加算した結果得られたトレースであり、この加算によりFID信号が除去された状態を示している。
その代りとして、NPAPS信号(図6のCおよびD)の加算符号を−から+に変えることによって、FIDコントリビューションが保持され、エコーコントリビューションが除去される。しかしながら、それは磁気音響リンギング等の異質の応答も消去し、先行するパルスのみによって決定される位相および振幅を有するため、図6に示された加算過程が好ましい。
図8は、図7のものと同じであるが、磁気音響リンギングによる非常に大きい異質信号(音響リンギング信号)を供給するために2gの希土類磁石がコカインベースのサンプルと共にRFコイル中に配置された条件下における修正されたシーケンスの結果を示す。トレースA乃至Dの始めに存在している強い音響リンギングは、図8のこれらのトレースの下方に示されたトレースは、FID信号が除去された全核4重極共鳴信号に対するエコーコントリビューションのみを残すようにるように適切に加算されたトレースを示しており、大きな音響リンギングが除去された状態が示されている。
最後に、音響リンギングの消去が完全ではない場合に使用できるやや劣った方法について説明する。NOR信号は、狭い周波数領域のみで発生し、一方,音響リンギングは実質的に周波数から独立性であり、試料中で生成された音響定在波に依存している。したがって、前述したようなNQR爆薬検出過程をNQRの共鳴周波数から離れた周波数のパルスを使用して十分な回数交互の位相で反復して試料の照射することによって、NQR周波数を使用した場合と実質的に同じ音響リンギング信号(消去が完全ではないために残留する音響リンギング)を得ることができ、この場合には周波数がNQR周波数から離れているためにNQR信号は含まれない。その後、この共鳴周波数から大きく離れた周波数による前述のような検出過程から得られた信号(NQR信号を含まない、音響リンギング信号だけの信号)は、前の実施例の方法でNQR周波数の狭い周波数領域において行われた音響リンギングの消去が完全ではないNQR信号から減算されてそれによって消去されないで残留していた音響リンギングを除去することができる。このような方法を使用すれば、警告状態が上記のシーケンスによって完全に除去されない音響リンギングから生じたものか否かを決定することができる。
応答信号の加算と組合せられた本発明による修正されたSSFPシーケンスの使用はまた信号に対する温度変化の影響を最小にする。14Nスピン−1 NQRの場合に対するSSFPシーケンスの完全な理論はまだ与えられていない。しかしながら、類似したSSFPシーケンスが長年にわたってNMRにおいて使用されており、上記においてKlainer氏によりNQRに対して現象学的に説明されている。上記に説明されたように、SSFPシーケンスにおいて結果的なNQR信号はFIDコントリビューションおよびエコーコントリビューションの重畳されたものである。RFパルスの位相に対するその依存性に加えて、エコーコントリビューションの位相はまた共鳴オフセットによって生成されたRFパルス間のインターバル中の歳差運動の量に依存している。この共鳴オフセットは温度の影響から生じることが可能である。したがって、エコーコントリビューションおよびFIDコントリビューションは共鳴オフセットの関数として構成的および破壊的に干渉し、実際の干渉度は緩和時間T1およびT2のディテール並びにパルス間の間隔によって決定される。爆薬または麻薬検出の観点から、純粋な信号中でのこの干渉現象は、結果的に共鳴オフセット、したがって温度の関数として爆薬または麻薬検出能力を周期的に変化させる。典型的に、この検出能力の変化は約±20%である。
SSFPシーケンスに対する上記の修正と、RF位相の適切な選択とによってNQR信号に対するFIDコントリビューションが除去されるために、温度変化による共鳴オフセットから生じた干渉効果はもはやない。NQR信号に対するFIDコントリビューションのこの除去はまた音響リンギングを除去する。図9a乃至9cは、SSFP RFパルスシーケンスの3つの形態を使用するナトリウム・窒素の4.645MHzラインのNQR信号強度の大きさの共鳴オフセット依存性を示す。図9aおよび9bは、PAPSおよびNPAPS形態を使用してそれぞれ獲得され、一方図9cは組合せられたまたは修正された図6の形態を使用することによって獲得された。加算された過渡電流の合計数は、3つの場合の全てにおいて同じであった。SSFPシーケンスの3つの形態は全て同じ平均信号強度S0を生成することに留意されたい。しかしながら、PAPSおよびNPAPSシーケンスは1/τで周期的に変化するNQR応答を生成するが、修正された形態に対する応答は、図9a乃至9cに示された共鳴オフセット範囲にわたって一定である。この場合、上記の修正された形態を使用して獲得されたNQR信号は、PAPSまたはNPAPS形態により獲得可能な最大NQR信号のほぼ2/3である。しかしながら、修正されたSSFP NQR信号強度には振動が存在しないので、NQR周波数における温度関連シフトに対して大きい許容誤差を生じさせる。
本発明による修正されたSSFPパルスシーケンスはまた有効な信号対雑音比を得るのに非常に有効である。他のパルスシーケンスは、エコーコントリビューションおよびFIDコントリビューションの干渉を受けないが、それらは適切な信号対雑音比を提供するほど効果的ではない。
ここに記載された加算ステップは、デジタル方式で実行される。信号はデジタル化され、それらの値は+または−符号のと共にコンピュータに記載される。その代わりとして、コンピュータは高速で数を加算することができるため、ランニングサム(running sum)だけがパルスシーケンス中維持されてもよい。データのデジタル化および加算手段は良く知られており、ここにおいて詳細な説明は不要である。
上記の技術を考慮すると、本発明の多くの修正および変更が可能なことは明らかである。したがって、本発明は特に説明された以外の構成によっても、添付された請求の範囲に記載された技術的範囲内で実施されることができることが理解されるべきである。
本発明は、一般に核4重極共鳴(NQR)に関し、特に、核4極子共鳴による爆発物および麻薬の検出に関する。
[従来技術の説明]
参考文献としてここに含まれている1991年5月23日出願のUSSN07/704,744号明細書および1991年6月16日出願のUSSN07/730,772号明細書に記載されているように、NQRは、爆薬および麻薬を検出する有効な手段となり得るものである。特に、NQRは、郵便物、小さな積荷または人間によって搬送される手荷物のような物体の内部に存在する窒素または塩素を含有している爆薬および麻薬(または、さらに一般的に14N、35,17Cl糖の4重極核を含んでいる材料)の検出において有効である。この通常のNQR方法は“純粋な"NQRと呼ばれており、“純粋な”とは外部から与えられる静磁界を必要とされていないことを意味している。
残念なことに、通常のNQR爆薬および麻薬検出シーケンスに使用される無線周波数(RF)パルスは、しばしば手荷物で発見されるある種の部材、通常磁化された鉄またはセラミックにおいて音響リンギングを誘起するであろう。このリンギング信号は、1ミリ秒程度の持続時間を有し、大きさが爆薬の威嚇力に対応しているNQR信号振幅に匹敵する。
この音響リンギング信号が除去されない場合、このような材料を含んでいるバッグの偽警報率(誤った警報)が増加する欠点がある。低い偽警報率はまた、しきい値“警報”設定レベルを増加させることによって達成されるが、それは実質上、最小の検出可能な量を増加させる犠牲を払うことになる。
完全には十分に理解されていないが、音響リンギング信号(しばしば、磁気音響リンギング信号またはプローブリンギング信号と呼ばれる)は外部の静磁界が使用されている通常のNMRにおいてはよく知られている現象である。基本的なメカニズムは、RFパルスが導体において渦電流を誘起することに基づくものである。磁界中において、力がこれらの電流に作用し、したがって導体に作用して導体内に前後にバウンドする音響エネルギを誘起する。この音響エネルギのパルスは受信機コイルに結合している磁気を相応して変化させ、駆動RFパルスと同相で、音響エネルギがシステムにおいて消散されるまで持続する“信号”を誘起する。
純粋なNQRでは静的な磁界は存在しないので、音響リンギング信号のメカニズムはNMRの適用の場合とは異なっている。同様な説明をすれば、磁化された材料中の強磁性ドメインが供給されたRF磁界に応じて再整列するよう試みることである。これらの(部分的な)再整列により、サンプル内の前後に反射する音響エネルギを生成する格子の歪みを生じる。
外部のプローブリンギング信号に影響を与える別のメカニズムがここに記載された方法による除去にも影響を与える可能性があることは認められるが、本発明を具体的にするため開示は音響リンギング信号の除去について考察する。
核磁気共鳴(NMR)の関連技術において、外部のプローブリンギング信号を減少または除去する多数の方法が存在する。リンギング信号は検出しようとしている試験体よりも一般にプローブ本体またはRFコイルに存在するので、音響波を迅速に制動する材料を使用するためにプローブを機械的に再設計することはNMRにおいて実行可能な選択である。
音響リンギング信号の影響を十分に除去するのに有効であることが証明されている多数のNMRパルスシーケンスも存在する。このようなシーケンスは一般に回転基準フレームにおける音響リンギング信号の符号ではなく、NMR信号の符号を反転させる(または、その反対)能力に依存する。それ故、長時間再生可能である不快な音響リンギング信号が供給されるとき、所望のNMR信号が(実質的に)一貫して加算されるように入力信号を交互に加算および減算するように構成し、音響信号はゼロまで交互に加算および減算する。以下に示されるように、通常NMRに使用される相殺技術は、NQRに直接適用できない。
NMRにおける音響リンギング信号を除去するための第2の既知の方法は、通常180゜すなわちπ位相のパルスによってNMR磁化を反転する(NMR磁化の符号を変える)能力に依存する。1つの可能なシーケンスは、正のNMR信号および正の音響リンギングサインを生成するπ/2の励振パルスから構成される。磁化が時間T1において再生された後、π反転パルスが供給される回転格子弛緩時間はπ/2パルスによって時間td遅れて後続される。全てのパルスは、同じ位相を有する。与えられたtdがT1より非常に短いとき、NMR信号は反転される。また、与えられたtdが音響リンギング信号に比較して長いとき、音響信号は初期のπ/2パルスの後と同じであろう。結果的な信号の加算および減算は音響リンギング信号の成分を除去し、NMR信号を保存する。
[発明の解決しようとする課題]
しかしながら、通常のNQRの場合に関して、上述されたこれらの簡単な方法は適当ではない。NQRによるパッケージ中の、または人間が保持している爆薬または麻薬の検出において、音響リンギング信号は試験体内の磁化された部品、例えばスーツケースまたはパッケージから発生する。妨害となる内容物を識別して区別することは、所望の解決法ではない。さらに、NMRに関して上記された簡単なシーケンスはNQRに関しては動作しない。多結晶の試験体に関して、全てのNQR“磁化”を反転させるRFパルスは存在しないことはよく知られている。
さらに、正確なNQR共振周波数が温度によって変わるということは良く知られている。明らかに、この温度変化はNQR検出方式における幾つかの不所望の効果を有する。これらの不所望の効果を最小にするための通常の方式は存在するが、本発明の方法はプローブリンギングを実効的に除去すると共に、温度による影響を最小にすることができる。
したがって、本発明の目的は、爆薬および麻薬を検出するためにNQRの有効性を増加させることである。
本発明の別の目的は、NQRによる爆薬および麻薬の検出における誤った警報を減少または除去することである。
本発明のさらに別の目的は、外側のプローブリンギング信号によって生じる爆薬および麻薬のNQR検出における妨害を減少することである。
本発明のさらに別の目的は、NQRにおける温度の影響を最小にする方法およびシステムを提供することである。
[課題解決のための手段]
本発明のこれらおよび付加的な目的は、試験体が、位相変更パルスシーケンス(PAPS)を非位相変更パルスシーケンス(NPAPS)と組合せる変形した定常状態の自由な歳差(SSFP)パルスシーケンスによって照射されるNQR方式によって達成される。変形したシーケンスのPAPSおよびNPAPS部分における信号を適切に共に加算することによって、NQR信号に対するFIDまたは反射波のいずれか一方の影響を除去し、その他方を保持することができる。FIDの影響を除去する共に加算する手順は、先行するパルスによってのみ決定される位相および振幅を有する磁気音響リンギングのような外部の反応も相殺する。この共に加算する手順は、NQR信号による温度変化の影響も最小にする。
[図面の簡単な説明]
図1は、本発明のシステムが使用するNQRシステムのブロック図であり、
図2(a)および図2(b)は、サンプルに対して使用する蛇行線表面コイルの平面図および側面図であり、
図3は、XY平面における蛇行線表面コイルの磁界強度の等高線を示し、
図4および図5は、NQR検出システムの構成の説明図であり、
図6は、本発明により音響リンギングを除去するために使用されるSSFPシーケンスの変形のタイミング図であり、
図7は、条件tW=22μs、γ=5ms、およびn=64に基づいたコカインベース(12.9)の3.817MHzの共振周波数でこの組合わされたシーケンス(PAPS+NAPS)を使用している室温で得られた14NのNQR信号を示し、
図8は、2gの希土類磁石がコカインベースサンプルと共にRFコイルに位置されたことを除いて、図7と等しい条件に基づいた変形したシーケンスの結果を示し、
図9(a)乃至図9(c)は、SSFP RFパルスシーケンスの3つの変形を使用している亜硝酸ナトリウムの4.645MHz線のNQR信号強度の大きさに応じた共振オフセットの依存関係を示す図。
[発明の実施例]
<本発明が使用される方法および装置の例>
本発明が説明される前に、従来の有効な改善を含んでいる爆薬のNQR検出についての一般的な説明は、本発明の使用に関する好ましい実施例の完全な開示を確実にするために有効である。この説明は本発明に有効な特定の装置および方法に集中されているが、本発明がその他の多くのNQR方法および装置にも有効に使用されることを理解するべきである。
図1は、本発明の1実施例に関するNQR検出システムのブロック図を示す。無線周波数源60、パルスプログラマおよびRFゲート50、およびRF電力増幅器40は、コイル10に供給される予め定められた周波数を有する無線周波数パルス列を生成するために設けられている。結合ネットワーク20は、無線周波数源60で発生された無線周波数パルス列をパルスプログラマおよびRFゲート50およびRF電力増幅器40を通って供給され、それをコイル10に結合する。結合ネットワーク20はまた、試験体が無線周波数パルスの列によって照射された後、コイル10で検出されたエコー信号を受信機/RF検出器30へ結合させる。中央処理装置(CPU)70は無線周波数源60、パルスプログラマおよびRFゲート50を制御し、14N、35,17Cl等に一致した、またはそれに近い予め定められた周波数である検出されることが望まれる爆薬(例えば、全てのRDXベースの爆薬)または麻薬のNQR周波数に制御する。さらにCPU70は、全ての(すなわち、“累積された”)窒素信号(または、一般に4重極核からの全ての信号)を予め定められたしきい値と比較する。予め定められたしきい値を越えたとき、警報装置80はCPU70による比較に応じて不正される。結合ネットワーク20、受信機/RF検出器30、RF電力増幅器40、パルスプログラマおよびRFゲート50、無線周波数源60、CPU70、および警報装置80はコンソール100に含まれており、コイル10のみがコンソール100の外部にある。
図2(a)および(b)は、サンプル1の14Nの純粋なNQR信号を検出するための幅wおよび長さlを有する蛇行線表面コイル11としてのコイル10を示す。蛇行線表面コイル11は、予め定められた距離bによって分離されている並列導体の曲がりくねったアレイで構成されている。導体ストリップは、理論的には無限に細いが、実際には有限の幅sを有すると考えられることができる。図2(b)は、厚さdを有し、蛇行線表面コイル11の表面より高さh上にあるサンプル1を示す。
4重極核からの純粋なNQR信号を検出するため、できる限り広い関係する領域に制限されているRF磁界を生成するコイルを使用することが必要である。蛇行線表面コイル11の表面に平行な平面における磁界は蛇行線スペースbの周期性を有し、磁界の強度はほぼexp(−πh/b)で低下するので、実効的なRF磁界は平行な導体間のスペースbによって決定された浸透深さを有し、この浸透深さはコイルの全体の大きさではなく、蛇行線表面コイル11に隣接した導体間の間隔によって決定される。結果として、蛇行線表面コイル11は、制限された深さまでかなり大きな表面積を探査するために最良に適合される。対照的に、通常の円形表面コイルの浸透深さはコイル半径によって決定され、大きい円形表面コイルは浸透深さを増加させる。
コイル10によって実行された励振および検出は、ゼロ磁界において実行された純粋な核4重極共鳴手順を利用するので、磁石は必要とされない。好ましい実施例において、図2(a)および(b)に示されたような蛇行線表面コイル11が使用されている。しかしながら、ある特定の形状に関しては、他の形状のコイルが事実上適切な場合もある。例えば、通常のソレノイド、方形ソレノイド、ヘルムホルツ、またはドーナツ型コイルが使用されることができる。試験体1は、RF電力増幅器40、パルスプログラマおよびRFゲート50、無線周波数源60、およびCPU70によって発生された無線周波数パルス列によって照射され、その無線周波数パルス列は14N、35,37Cl等の検出されることが所望される爆薬または麻薬のタイプのNQR周波数に近い周波数を有していなければならない。例えば、RDXは、ほぼ1.8、3.4および5.2MHz付近のNQR共振線を有し、PETNはほぼ0.4、0.5および0.9MHz付近の共振線を有する。したがって、全てのRDX型の爆薬は、ほぼ1.8、3.4または5.2MHz付近の検査によって決定される。
本発明においては、試料を照射する無線周波数パルス列として、定常状態の自由歳差(SSFP)パルスシーケンスが使用される。SSFPシーケンスは、Carr氏による“Steady State Free Precession in Nuclear Magnetic Resonance"Phys.Rev.112,1693−1701(1958)によって1958年にNMRに最初に導入され、さらにNMRに関して開発され分析されている(R.R.Ernst氏およびW.A.Anderson氏による“Application of Fourier Transform Spectroscopy to Magnetic Resonance,"Rev.Sci.Instrum.37,93−102(1966)、W.S.Hinshaw氏による“Image Formation by Nuclear Magnetic Resonance:The Sensitive Point Method,"J.Appl.Phys.47 3709−3721(1976)、M.L.Gyngell氏による“The Steady−State Signals in Short−Repetition−Time−Sequences,"J.Magn.Reson.81 478−483(1989))。これは、スピンシステムが間隔τでそれぞれ分離されたRFパルスの連続的な列によって照射されるときに生じる定常状態に関連するものであり、間隔τ中、核の回転は自由な歳差運動をする。
Marino氏によってNQRにおいて導入された同じ位相のrfパルスの強いオフ共鳴コーム(SORC)(S.M.Klainer,T.B.HirschfeldおよびR.A.Marinoによる“Fourier Transform Nuclear Quadrupole Resonance Spectroscopy",in“Fourier,Hadamard,and Hilbert Transforms in Chemistry"A.G.Marshall,Ed.;Plenum Press:New York(1982))は、SSFPパルスシーケンスの一例である。スピン間の緩和時間T2より小さいパルス分離τに対して、毎回のパルス後の定常状態応答信号の大きさは、平衡磁化の約1/2である。特定の幾何学形状に対して、RFパルスはほぼ50マイクロ秒の長さであり、ほぼ1ミリ秒間隔を隔てられている。例えば、スピン・格子緩和時間T1にほぼ等しい遅延を必要とする単一パルスまたは通常のデータ獲得方法と比較した場合、信号対雑音比を改良するために5000個の信号がほぼ5秒で加算されることができる。14Nに対するT1は典型的に数秒程度であるため、SORCシーケンスを使用することによって所定量の時間で得られた信号対雑音比における改善は、(T1/τ)1/2、すなわちこの例における改善の係数はほぼ30である。
無線周波数パルス列をコイル10に供給した後、コイルで検出された全窒素信号は受信機/RF検出器30を通って、CPU70に送られる。全窒素信号は予め定められたしきい値に比較され、全窒素信号が予め定められたしきい値を越えた場合に、警報装置80が付勢される。
通常、NQRラインを励起するために強力なrf磁界が使用され、このような強力な磁界の発生には実質的にrfパワーが必要とされるため走査される対象物に許容できないような量のパワーを与える可能性がある。高いパワーを与えることは、荷物または小型貨物の走査に対して不満足な結果を有する可能性が高く、高いパワーレベルでは電界の静電結合または磁界への誘導結合による過大な電圧または局部的な加熱が生じることにより、対象物内の電子装置に対する損傷が発生する可能性がある。走査している人々にとっても、これらの周波数(1乃至5MHz)のrfパワーにさらされることは、主として渦電流損失によって問題を与える可能性が高い。rfパワーおよびフィールド強度値の検査物品または人間に対する影響、並びにrfエネルギへの許容可能な露出レベルの詳細は本発明の技術的範囲外のことであり、詳細な説明は省略する。
共鳴周波数に近い周波数で与えられたB1のrfフィールド強度は、2γB1twの角度でスピンを章動し(1スピンに対してI=1核)、ここでγは核スピンの磁気回転比であり、twはパルス幅である。固定した章動角度に対して、強いパルスは短い期間を有し、対応的にスペクトルの広い領域を励起する。通常、約119度にわたってスピンを章動させるような十分に長いパルスによりNQR共鳴を励起し、最大の磁化を与える。実験室設定の市販のNQR分光計に関しては119度の先端角度を得るために必要とされるパルス幅は、典型的に20乃至50μsの幅を有し、50乃至20kHzの帯域幅1/twをカバーする。したがってこのような場合に使用されるrfフィールド強度B1は、10乃至25ガウスである。
前記のUSSN07/730,722明細書に記載された発明において、rfフィールド強度の大きさは、双極子・双極子コントリビューションのために局部磁界強度の大きさ以上であることだけが必要であることが認識されており、必要なrfフィールド強度B1minはほぼ1/γT2である。ここでT2は双極子結合によるスピン間緩和時間である。したがって、例えば強い共鳴コーム励起がこのような低いrf強度で非常に満足できるように作用する。RDXベースの爆薬に対して、本発明は0.7G(0.07mT)の低さのrfフィールドを成功的に使用している。(14NのNQRラインの幅はまた、歪力、不純物および温度の変動によって誘導された四極子結合定数の分布による不均質の相互作用によって部分的に決定される。このような幅に対する不均質のコントリビューションは、双極子・双極子結合からの均質のコントリビューション程重要ではない。)
したがって、通常の技術では、局部磁界より100倍以上大きい強度のrfフィールドを供給しているが、窒素爆薬および麻薬の成功的なNQR検出は、rfフィールド強度対局部磁界強度比は約1乃至50の範囲、好ましくはできるだけ1に近いを使用することによって達成される。典型的には約2乃至約30の比、さらに典型的に約2乃至約20の比、最も典型的に約2乃至約10の比が使用される。
実際には、スーツケースの大きさのサンプルの容積はかなり控え目のピークおよび平均rfパワーレベルで検査されることができる。さらに、この方法は蛇行線等の大きい表面のコイルによって、またはソレノイド等の“ボリューム”コイルによってさえ人々の試験を実現可能にする。
全てのものが等しく良好に作用するわけではないが、本発明にしたがって種々のコイルが使用されてもよい。例えば、蛇行線コイル、円形表面コイル、パンケーキ型コイルおよびその他のコイルが成功的に使用される。
本発明の1実施例において、結合ネットワーク20、受信機/RF検出器30、RFパワー増幅器40、パルスプログラマーおよびRFゲート50、無線周波数源60、CPU70および警報装置80は、スキャナコイルが検出されることを所望された試料に隣接して配置されることができるように、コイルが結合されたコンソール100に含まれている。
図2(a)には、蛇行アレイ11中における電流の方向が示されている。電流密度Js(x)は、次の式で示されるように全電流Iに関連している。
静磁気境界条件を使用することによって、導電ストリップ間のJs(x)は0であり、導電ストリップ内のJs(x)は次式に対応する。
ここにおいて、β=πI[2bK(q)]-1であり、K(q)は第1の種類の完全な楕円形インターバルであり、モジュラスqはq=sin(πs/2b)である。z>0の領域およびBy=0における結果的な磁界成分は次式で表される。
ここで、Pn[cos(πs/b)]はオーダーnのルジャンドル(Legendre)多項式である。蛇行線表面コイルに隣接した薄い層のサンプルにおいて、RF磁界の強度および方向の両者は式[3]にしたがって試料によって変化する。平均は、NQR信号強度を得るためにサンプル内の各位置において行われなければならない。NQR検出において重要な量は、RFフィールドの大きさB1であり、B1=2[Bx 2+Bz 2]1/2である。図3は、式3からの磁界強度の等高線を示し、RFフィールドプロフィールを予測する。図3に示されているように、磁界のz成分は導電ストリップ間で最大中間に達し、磁界のモジュルスはストリップエッジの近くで最大であり、ここでBxは大きいが、磁界はBzの影響のために導電ストリップ間において決して消滅しない。
図4および5は、実際の使用において爆薬および麻薬を検出するためのこのようなNQRシステムの可能性のある使用法を示す。図4では図面を簡明にするために2つの蛇行線検査コイルは検査されるべき荷物からかなり遠くに示されている。このような用途では実際にはバッグにコイルをできるだけ近接させるように幾何学形状を変更する。その代りとして、大きい円形または方形のソレノイドコイルが使用されることが可能である。
<本発明の特徴な構成>
本発明の1実施例は、上記のSSFPパルスシーケンスの修正された形態を使用する。SSFPシーケンスを使用するこの実施例の成功は、RFパルスによって誘導された磁気音響リンギングがそのパルスと同位相であることに依存している。SORC等のSSFPシーケンス下では、パルスに続くNQR信号は2つのコントリビューション:そのパルスと同位相である自由誘導減衰(FID)と、そのパルスおよび前のパルスの両者によって決定される位相を有するエコーとを有している。本発明の修正されたシーケンスにおいては、FIDコントリビューションは、存在している磁気音響リンギング信号と共に相殺され、一方、NQR信号に対するエコーコントリビューションは相殺されずもとのままである。
図6は、音響リンギングを消去するために本発明において使用されたSSFPシーケンスの修正された形態のタイミング図である。この図において、xは、検出されるべき爆薬または麻薬のNQRピークの1つに等しい周波数を有し、期間
相が逆のRFパルスを表している。この修正されたシーケンスは、実際にはSSFPパルスシーケンスの2つの形態、すなわち、位相変化されたパルスシーケン
ンス(NPAPS)または[x−τ−x−τ]nとを時間的に異ならせて任意の順序で組合わせて形成される。(NPAPSパルス列は、元のSORCシーケンスのものと同じであり、NPAPSという用語はここでは位相変化されないSSFPパルス列と位相変化されたものを明瞭に区別するために使用されている。)NPAPSパルス列とPAPSパルス列とは、時間的に重ならないように供給される。PAPSおよびNPAPSは、連鎖(すなわち連続)していてもよく、或はNPAPSによるサンプルの照射とPAPSによるサンプルの照射との間に時間遅延が存在してもよい。典型的に、NPAPSおよびPAPSシーケンスは、検出に必要な時間を最小にするように連鎖される。NPAPSおよびPAPSは、任意の順序で試料に適用されることができる。さらに、NPAPSおよびPAPSは典型的には同じ長さの時間インターバルにわたって試料に照射されるが、NPAPSが照射される時間インターバルは、PAPSが照射される時間インターバルと等しい必要はない。NPAPSおよびPAPSが等しくない時間量で試料を照射する場合には、各信号に対する全NQR応答は、応答信号に対するFIDコントリビューションの消去を確実にするために加算ステップ中に加重される必要がある。さらに、PAPSおよびNPAPSはそれぞれ同じ装置によって発生されることができ、或は別々の信号発生器によって発生されることができるが同じ信号発生器のほうが好ましい。同様に、PAPSおよびNPAPSは同じコイルによって、或は2つの異なるコイルによって試料に供給されることができるが同じコイルのほうが好ましい。また、図6では方形パルスが示されているが、別のパルス形状が使用されてもよい。
上述のように、パルスの間の期間τ中に発生したNQR信号は、2つのコントリビューション:自由誘導減衰(FID)およびエコーを有する。図6に示されているように、修正されたシーケンスのPAPS(AおよびBのラベルを付けられたシミュレートされたNQR信号)およびNPAPS(CおよびD)部分中のFID信号の符号すなわち相対位相は、それに先行するRFパルスの位相によってのみ決定される。しかしながら、PAPS NQRエコー信号の符号は、同じ期間中のFID信号のものと同じであり、一方NPAPS FIDおよびエコー信号は反対の符号を有する。したがって、修正されたシーケンスのPAPSおよびNPAPS部分における信号を適切に加算することによって、NQR信号に対するFIDまたはエコーコントリビューションのいずれか一方を除去し、その他方を残すことができる。図6に示された加算過程は、エコーコントリビューションを保持し、FIDコントリビューションを除去している。
図7は、tw=22μs、τ=5msおよびn=64の条件下でコカインベース(12.9g)の3.817MHzの共鳴周波数でこの組合せられたシーケンス(PAPS+NPAPS)を使用して室温で得られた14N NQR信号を示す。パルスシーケンスは、信号対雑音比を増加させるために512回反復された。トレースA乃至Dは、図6において同じ方法で示されたシミュレートされたNQR信号に対応した実際のNQR信号である。図7の下方のトレースは、各全核4重極共鳴信号に対する自由誘導減衰FIDの影響を消去し、全核4重極共鳴信号に対すうエコーの影響のみを残すようにトレースA乃至Dを加算した結果得られたトレースであり、この加算によりFID信号が除去された状態を示している。
その代りとして、NPAPS信号(図6のCおよびD)の加算符号を−から+に変えることによって、FIDコントリビューションが保持され、エコーコントリビューションが除去される。しかしながら、それは磁気音響リンギング等の異質の応答も消去し、先行するパルスのみによって決定される位相および振幅を有するため、図6に示された加算過程が好ましい。
図8は、図7のものと同じであるが、磁気音響リンギングによる非常に大きい異質信号(音響リンギング信号)を供給するために2gの希土類磁石がコカインベースのサンプルと共にRFコイル中に配置された条件下における修正されたシーケンスの結果を示す。トレースA乃至Dの始めに存在している強い音響リンギングは、図8のこれらのトレースの下方に示されたトレースは、FID信号が除去された全核4重極共鳴信号に対するエコーコントリビューションのみを残すようにるように適切に加算されたトレースを示しており、大きな音響リンギングが除去された状態が示されている。
最後に、音響リンギングの消去が完全ではない場合に使用できるやや劣った方法について説明する。NOR信号は、狭い周波数領域のみで発生し、一方,音響リンギングは実質的に周波数から独立性であり、試料中で生成された音響定在波に依存している。したがって、前述したようなNQR爆薬検出過程をNQRの共鳴周波数から離れた周波数のパルスを使用して十分な回数交互の位相で反復して試料の照射することによって、NQR周波数を使用した場合と実質的に同じ音響リンギング信号(消去が完全ではないために残留する音響リンギング)を得ることができ、この場合には周波数がNQR周波数から離れているためにNQR信号は含まれない。その後、この共鳴周波数から大きく離れた周波数による前述のような検出過程から得られた信号(NQR信号を含まない、音響リンギング信号だけの信号)は、前の実施例の方法でNQR周波数の狭い周波数領域において行われた音響リンギングの消去が完全ではないNQR信号から減算されてそれによって消去されないで残留していた音響リンギングを除去することができる。このような方法を使用すれば、警告状態が上記のシーケンスによって完全に除去されない音響リンギングから生じたものか否かを決定することができる。
応答信号の加算と組合せられた本発明による修正されたSSFPシーケンスの使用はまた信号に対する温度変化の影響を最小にする。14Nスピン−1 NQRの場合に対するSSFPシーケンスの完全な理論はまだ与えられていない。しかしながら、類似したSSFPシーケンスが長年にわたってNMRにおいて使用されており、上記においてKlainer氏によりNQRに対して現象学的に説明されている。上記に説明されたように、SSFPシーケンスにおいて結果的なNQR信号はFIDコントリビューションおよびエコーコントリビューションの重畳されたものである。RFパルスの位相に対するその依存性に加えて、エコーコントリビューションの位相はまた共鳴オフセットによって生成されたRFパルス間のインターバル中の歳差運動の量に依存している。この共鳴オフセットは温度の影響から生じることが可能である。したがって、エコーコントリビューションおよびFIDコントリビューションは共鳴オフセットの関数として構成的および破壊的に干渉し、実際の干渉度は緩和時間T1およびT2のディテール並びにパルス間の間隔によって決定される。爆薬または麻薬検出の観点から、純粋な信号中でのこの干渉現象は、結果的に共鳴オフセット、したがって温度の関数として爆薬または麻薬検出能力を周期的に変化させる。典型的に、この検出能力の変化は約±20%である。
SSFPシーケンスに対する上記の修正と、RF位相の適切な選択とによってNQR信号に対するFIDコントリビューションが除去されるために、温度変化による共鳴オフセットから生じた干渉効果はもはやない。NQR信号に対するFIDコントリビューションのこの除去はまた音響リンギングを除去する。図9a乃至9cは、SSFP RFパルスシーケンスの3つの形態を使用するナトリウム・窒素の4.645MHzラインのNQR信号強度の大きさの共鳴オフセット依存性を示す。図9aおよび9bは、PAPSおよびNPAPS形態を使用してそれぞれ獲得され、一方図9cは組合せられたまたは修正された図6の形態を使用することによって獲得された。加算された過渡電流の合計数は、3つの場合の全てにおいて同じであった。SSFPシーケンスの3つの形態は全て同じ平均信号強度S0を生成することに留意されたい。しかしながら、PAPSおよびNPAPSシーケンスは1/τで周期的に変化するNQR応答を生成するが、修正された形態に対する応答は、図9a乃至9cに示された共鳴オフセット範囲にわたって一定である。この場合、上記の修正された形態を使用して獲得されたNQR信号は、PAPSまたはNPAPS形態により獲得可能な最大NQR信号のほぼ2/3である。しかしながら、修正されたSSFP NQR信号強度には振動が存在しないので、NQR周波数における温度関連シフトに対して大きい許容誤差を生じさせる。
本発明による修正されたSSFPパルスシーケンスはまた有効な信号対雑音比を得るのに非常に有効である。他のパルスシーケンスは、エコーコントリビューションおよびFIDコントリビューションの干渉を受けないが、それらは適切な信号対雑音比を提供するほど効果的ではない。
ここに記載された加算ステップは、デジタル方式で実行される。信号はデジタル化され、それらの値は+または−符号のと共にコンピュータに記載される。その代わりとして、コンピュータは高速で数を加算することができるため、ランニングサム(running sum)だけがパルスシーケンス中維持されてもよい。データのデジタル化および加算手段は良く知られており、ここにおいて詳細な説明は不要である。
上記の技術を考慮すると、本発明の多くの修正および変更が可能なことは明らかである。したがって、本発明は特に説明された以外の構成によっても、添付された請求の範囲に記載された技術的範囲内で実施されることができることが理解されるべきである。
Claims (14)
- 試料中の爆発物および麻薬から構成されているグループから選択された物質を核4重極共鳴により検出するシステムにおいて、
予め定められた周波数を有する1組の無線周波数周波数パルスシーケンスを発生するパルス発生手段を具備し、前記無線周波数パルスシーケンスは、
第1の定常状態の自由歳差運動の無線周波数パルスシーケンスと、
前記第1の無線周波数パルスシーケンスと時間的に異なった第2の定常状態の自由歳差運動の無線周波数パルスシーケンスとを有し、
前記第1の無線周波数パルスシーケンスの各パルスは位相、パルス継続時間、パルス間隔、周波数が同一であり、前記第2の無線周波数パルスシーケンスの各パルスはパルス継続時間、パルス間隔、周波数が前記第1のパルスシーケンスのパルスと同一であり、前記第2の無線周波数パルスシーケンスの前記パルスは前記第1のパルスシーケンスの位相に対して交互に位相が反転しており、
システムはさらに、
前記1組の無線周波数のパルスシーケンスで試料を照射し、試料の照射によって前記第1の無線周波数パルスシーケンスと第2の無線周波数パルスシーケンスにより発生され、それぞれ自由誘導減衰の影響とエコーの影響を含んでいる全核4重極共鳴信号を検出するコイル手段と、
前記1組の無線周波数パルスを前記コイル手段に伝送し、前記コイル手段から前記全核4重極共鳴信号を受信する結合手段と、
前記第1の無線周波数パルスシーケンスに応答して発生された全核4重極共鳴信号と前記第2の無線周波数パルスシーケンスに応答して発生された全核4重極共鳴信号とを結合して前記各全核4重極共鳴信号に対する前記自由誘導減衰の影響を消去して前記全核4重極共鳴信号に対するエコーの影響のみを残し、このエコーの影響のみを残した結合された信号を出力する信号結合手段と、
前記結合された信号を予め定められたしきい値と比較する比較手段と、
前記結合された信号が前記予め定められたしきい値を越えるとき信号を発するための警報装置とを具備し、
前記信号結合手段は、第1のパルスシーケンスのパルスの位相と同じ位相を有する第2の無線周波数パルスシーケンスのパルスに応答して生成される信号から、第1の無線周波数パルスシーケンスの全てのパルスに応答して生成された信号と第1の無線周波数パルスシーケンスのパルスの位相と反対の位相を有する第2の無線周波数パルスシーケンスのパルスに応答して生成される信号との合計したものを減算するように結合させるように構成されているシステム。 - 前記1組の無線周波数パルスシーケンスの前記予め定められた周波数が、検出される前記物質の14N、35Cl、または37ClのNQR周波数に近似している請求項1記載のシステム。
- 検出される前記物質が14N核を含んだ爆発物を含む請求項2記載のシステム。
- 前記パルス発生手段が無線周波数源と、パルスプログラマおよび無線周波数ゲートと、無線周波数電力増幅器とを具備している請求項1記載のシステム。
- (a)予め定められた周波数を有する第1の定常状態の自由歳差運動無線周波数パルスシーケンスを発生し、前記第1の無線周波数パルスシーケンスの各パルスは位相、パルス継続時間、パルス間隔、および予め定められた周波数が同一であり、
(b)前記第1の無線周波数パルスシーケンスをコイルに伝送し、
(c)第1の期間に前記ステップ(b)において前記コイルに伝送された前記無線周波数パルスシーケンスで試料を照射し、
(d)前記ステップ(c)における試料の照射に応答する第1の全核4重極共鳴信号を検出し、
(e)第2の定常状態の自由歳差運動無線周波数パルスシーケンスを発生し、この第2の無線周波数パルスシーケンスの各パルスは前記第1のパルスシーケンスのパルスと同一のパルス継続時間とパルス間隔と周波数とを有し、前記第2の無線周波数パルスシーケンスの前記パルスは前記第1のパルスシーケンスのパルスの位相に対して交互に位相が反転しており、
(f)前記第2の無線周波数パルスシーケンスをコイルに伝送し、
(g)前記第1の期間とオーバーラップしない第2の期間中に、前記ステップ(f)において前記コイルに伝送された前記第2の無線周波数パルスシーケンスで試料を照射し、
(h)前記ステップ(g)における試料の照射に応答する第2の全核4重極共鳴信号を検出し、
(i)前記第1の無線周波数パルスシーケンスに応答して発生された全核4重極共鳴信号と前記第2の無線周波数パルスシーケンスに応答して発生された全核4重極共鳴信号とを前記各核4重極共鳴信号に対する前記自由誘導減衰の影響を消去して前記全核4重極共鳴信号に対するエコーの影響のみを残すように結合して、このエコーの影響のみを残した結合された信号を生成し、
この信号の結合においては、第1のパルスシーケンスのパルスの位相と同じ位相を有する第2の無線周波数パルスシーケンスのパルスに応答して生成される信号から、第1の無線周波数パルスシーケンスの全てのパルスに応答して生成された信号と第1の無線周波数パルスシーケンスのパルスの位相と反対の位相を有する第2の無線周波数パルスシーケンスのパルスに応答して生成される信号との合計したものを減算するように結合させ、
(j)前記結合された信号を予め定められたしきい値と比較し、
(k)前記結合された信号が前記予め定められたしきい値を越えるとき信号を発するステップを有している試料中の爆発物および麻薬から構成されているグループから選択された物質を核4重極共鳴により検出する方法。 - 前記第1および第2の期間がほぼ同一の期間である請求項5記載の方法。
- 前記無線周波数パルスシーケンスの前記予め定められた周波数が、検出される前記物質の14N、35Cl、または37ClのNQR周波数に近似している請求項5記載の方法。
- 検出される前記物質が14N核を含んでいる麻薬を含む請求項5記載の方法。
- 検出される前記物質が14N核を含んでいる爆発物を含む請求項5記載の方法。
- (i)前記予め定められた周波数で検出可能な核の核4重極共鳴信号から十分に共鳴が外れた第2の周波数を有する第3の定常状態の自由歳差運動パルスを発生し、前記第2の周波数は前記核に対する核4重極共鳴信号は生成しないような周波数として選定され、
(ii)前記第3の定常状態の自由歳差運動パルスのシーケンスをコイルに伝送し、
(iii)前記ステップ(ii)において前記コイルに伝送された前記第3の定常状態の自由歳差運動パルスシーケンスで試料を照射し、
(iv)前記ステップ(iii)における試料の照射によって第3の全核4重極共鳴信号を検出し、
(v)前記請求項5のステップ(i)の結合された信号を生成するステップは前記ステップ(d)で得られた第1の核4重極共鳴信号またはステップ(h)で得られた第2の核4重極共鳴信号から前記ステップ(iv)で得られた第3の全核4重極共鳴信号を減算するステップをさらに含んでいる請求項5記載の方法。 - 前記無線周波数パルスシーケンスの前記予め定められた周波数が、検出される前記物質の14N、35Cl、または37ClのNQR周波数に近似している請求項10記載の方法。
- 検出される前記物質が14N核を含んだ爆発物を含んでいる請求項11記載の方法。
- 検出される前記物質が14N核を含んだ麻薬を含んでいる請求項11記載の方法。
- (a)予め定められた周波数を有する定常状態の自由歳差運動パルスシーケンスを発生し、
(b)前記定常状態の自由歳差運動パルスシーケンスをコイルに伝送し、
(c)前記ステップ(b)において前記コイルに伝送された前記定常状態自由歳差運動パルスシーケンスで試料を照射し、
(d)前記ステップ(c)における試料の照射に応答する全核4重極共鳴信号を検出し、
(e)前記予め定められた周波数で検出可能な核の核4重極共鳴信号からの共鳴周波数が十分外れている第2の周波数でステップ(a)乃至(c)と同様の処理を反復し、前記第2の周波数では前記核に対しては核4重極共鳴信号が生成されないため、前記ステップ(c)における試料の照射に応答して全核4重極共鳴信号を含まない信号を検出し、
(f)ステップ(d)で得られた全核4重極共鳴信号からステップ(e)で得られた全核4重極共鳴信号を含まない信号を減算するステップを有する試料中の爆発物および麻薬から構成されているグループから選択された物質を核4重極共鳴により検出する方法。
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