JP3541700B2 - マトリクス型表示装置の映像信号調整回路及び方法 - Google Patents

マトリクス型表示装置の映像信号調整回路及び方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル的に限られた中間階調で画像表示するプラズマディスプレイパネル表示装置(PDP),フィールドエミッションディスプレイ装置(FED),デジタルマイクロミラーデバイス(DMD),エレクトロルミネッセンスディスプレイ装置(EL)等に用いられるマトリクス型表示装置の映像信号調整回路及び調整方法に係り、特に、黒レベル及びゲインを、簡単かつ正確に調整することができるマトリクス型表示装置の映像信号調整回路及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
映像信号を表示するマトリクス型表示装置の内、例えば、1フィールドを複数のサブフィールドに分割して階調表示するPDPや、PWM変調によって階調表示を行うELやFED等の表示装置においては、駆動方法によってはデジタル的に制限された階調数でしか映像を表現することができない。
【0003】
ところで、受像機を陰極線管(CRT)を用いたCRT表示装置と想定しているテレビジョン放送等では、予め、送信側でガンマ補正を施しており、受像機自体の逆ガンマ特性と併せてリニアな輝度特性となるようにしている。しかしながら、上記のようなマトリクス型表示装置においては、CRT表示装置とは異なり、入力映像信号の階調特性にほぼ比例したそのままの輝度特性、即ち、リニアな特性にて表示される。
【0004】
従って、デジタルで画像表示するマトリクス型表示装置では、普段見慣れているCRT表示装置で画像表示する場合と同様な階調特性で画像表示する必要があるため、入力映像信号に2.2乗の逆ガンマ補正を施し、リニアな階調特性に戻してから画像表示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えばデジタル変換したR(赤),G(緑),B(青)の各映像信号に逆ガンマ補正を施して、上記のマトリクス型表示装置に画像表示すると、特に、低輝度領域における階調数が損なわれ、階調の連続性がなくなる。この場合、各映像信号の黒レベルやゲインがR,G,Bの各映像信号で相対的に正確に調整されていないと、一例としてランプ波形信号を入力した際、低輝度領域において、垂直方向のカラーバーとして視認されてしまう画質妨害が生じるという問題点があった。
【0006】
このような画質妨害が生じると、特に、1フィールドを発光量の重み付けの異なる複数のサブフィールドに分割して画像表示するPDPでは、全般的に色の疑似輪郭状の画質妨害が生じる確率が大きくなり、その中でも低輝度領域ではその画質妨害が目立ちやすくなってしまう。この傾向は、他のマトリクス型表示装置においても、多かれ少なかれ見られる問題点である。
【0007】
また、特にPDPの場合では、低階調レベルにおける階調ステップ毎の輝度差が大きいため、黒レベル(ペデスタルレベルから見た階調レベル)がR,G,Bの各映像信号のいずれか1つでも僅かに相違していると、上記のカラーバーが生じてしまう。さらに、黒レベルが正確に調整されていてもゲインの調整がR,G,Bの各映像信号のいずれか1つでも僅かに相違していると、同様にカラーバーが発生してしまうことになる。従って、黒レベル及びゲインを簡単かつ正確に調整することができる映像信号調整回路及び方法が望まれていた。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、入力された映像信号の黒レベルやゲインを簡単かつ正確に調整することができるマトリクス型表示装置の映像信号調整回路及び方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、
(1)入力された映像信号の黒レベルを調整する黒レベル調整回路を備えたマトリクス型表示装置の映像信号調整回路において、前記映像信号として、黒レベルから白レベルまでの範囲で複数の階調が存在している黒レベル調整のための基本波形を入力した際、前記映像信号の所定の階調レベルをしきい値とし、前記映像信号を、階調レベルが前記しきい値以上の第1の領域と前記しきい値未満の第2の領域とに分け、それぞれ互いに異なる一定の階調レベルとして再設定することにより、黒レベル調整のための調整用信号として出力する調整用信号生成回路を、前記黒レベル調整回路の後段に設けて構成したことを特徴とするマトリクス型表示装置の映像信号調整回路を提供し、
(2)入力された映像信号のゲインを調整するゲイン調整回路を備えたマトリクス型表示装置の映像信号調整回路において、前記映像信号として、黒レベルから白レベルまでの範囲で複数の階調が存在しているゲイン調整のための基本波形を入力した際、前記映像信号の所定の階調レベルをしきい値とし、前記映像信号を、階調レベルが前記しきい値以上の第1の領域と前記しきい値未満の第2の領域とに分け、それぞれ互いに異なる一定の階調レベルとして再設定することにより、ゲイン調整のための調整用信号として出力する調整用信号生成回路を、前記ゲイン調整回路の後段に設けて構成したことを特徴とするマトリクス型表示装置の映像信号調整回路を提供し、
(3)入力された映像信号の黒レベルを調整する黒レベル調整回路と、前記入力された映像信号のゲインを調節するゲイン調整回路とを備えたマトリクス型表示装置の映像信号調整回路において、前記映像信号として、黒レベルから白レベルまでの範囲で複数の階調が存在している黒レベル及びゲイン調整のための基本波形を入力した際、前記映像信号における低階調レベル側に第1のしきい値を、高階調レベル側に第2のしきい値を設け、前記映像信号を、階調レベルが前記第1のしきい値未満の領域と前記第2のしきい値以上の領域とよりなる第1の領域と、階調レベルが前前記第1のしきい値以上で前記第2のしきい値未満である第2の領域とに分け、それぞれ互いに異なる一定の階調レベルとして再設定することにより、黒レベル及びゲイン調整のための調整用信号として出力する調整用信号生成回路を、前記黒レベル調整回路及び前記ゲイン調整回路の後段に設けて構成したことを特徴とするマトリクス型表示装置の映像信号調整回路を提供する。
【0010】
さらに、
(4)入力された複数の映像信号の黒レベルを調整する複数の黒レベル調整回路を備えたマトリクス型表示装置の映像信号調整方法において、前記複数の映像信号として、互いに同一形状であり、黒レベルから白レベルまでの範囲で複数の階調が存在している黒レベル調整のための基本波形を入力し、前記黒レベル調整回路の後段で、前記映像信号の所定の階調レベルをしきい値とし、前記映像信号を、階調レベルが前記しきい値以上の第1の領域と前記しきい値未満の第2の領域とに分け、それぞれ互いに異なる一定の階調レベルとして再設定することにより、黒レベル調整のための調整用信号として表示部に供給し、前記表示部に表示された調整用信号の表示画像に、黒レベルのずれを表すエラー画像が現れないよう、前記複数の黒レベル調整回路のいずれかによって前記複数の映像信号のいずれかの黒レベルを調整することを特徴とするマトリクス型表示装置の映像信号調整方法を提供し、
(5)入力された複数の映像信号のゲインを調整する複数のゲイン調整回路を備えたマトリクス型表示装置の映像信号調整方法において、前記複数の映像信号として、互いに同一形状であり、黒レベルから白レベルまでの範囲で複数の階調が存在しているゲイン調整のための基本波形を入力し、前記ゲイン調整回路の後段で、前記映像信号の所定の階調レベルをしきい値とし、前記映像信号を、階調レベルが前記しきい値以上の第1の領域と前記しきい値未満の第2の領域とに分け、それぞれ互いに異なる一定の階調レベルとして再設定することにより、ゲイン調整のための調整用信号として表示部に供給し、前記表示部に表示された調整用信号の表示画像に、ゲインのずれを表すエラー画像が現れないよう、前記複数のゲイン調整回路のいずれかによって前記複数の映像信号のいずれかのゲインを調整することを特徴とするマトリクス型表示装置の映像信号調整方法を提供し、
(6)入力された複数の映像信号の黒レベルを調整する複数の黒レベル調整回路と、前記入力された複数の映像信号のゲインを調節する複数のゲイン調整回路とを備えたマトリクス型表示装置の映像信号調整方法において、前記複数の映像信号として、互いに同一形状であり、黒レベルから白レベルまでの範囲で複数の階調が存在している黒レベル及びゲイン調整のための基本波形を入力し、前記黒レベル調整回路及び前記ゲイン調整回路の後段で、前記映像信号における低階調レベル側に黒レベル調整のための第1のしきい値を、高階調レベル側にゲイン調整のための第2のしきい値を設け、前記映像信号を、階調レベルが前記第1のしきい値未満の領域と前記第2のしきい値以上の領域とよりなる第1の領域と、階調レベルが前記第1のしきい値以上で前記第2のしきい値未満である第2の領域とに分け、それぞれ互いに異なる一定の階調レベルとして再設定することにより、黒レベル及びゲイン調整のための調整用信号として表示部に供給し、前記表示部に表示された調整用信号の表示画像における前記第1のしきい値の近傍に黒レベルのずれを表すエラー画像が現れないよう、前記複数の黒レベル調整回路のいずれかによって前記複数の映像信号のいずれかの黒レベルを調整すると共に、前記表示部に表示された調整用信号の表示画像に おける前記第2のしきい値の近傍にゲインのずれを表すエラー画像が現れないよう、前記複数のゲイン調整回路のいずれかによって前記複数の映像信号のいずれかのゲインを調整することを特徴とするマトリクス型表示装置の映像信号調整方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のマトリクス型表示装置の映像信号調整回路及び方法について、添付図面を参照して説明する。図1は本発明のマトリクス型表示装置の映像信号調整回路の一実施例を示すブロック図、図2は図1中の調整用信号生成回路30R,30G,30Bの具体的構成の一例を示すブロック図、図3は本発明のマトリクス型表示装置の映像信号調整回路にランプ波形信号を入力した場合の表示画像を示す図、図4は本発明のマトリクス型表示装置の映像信号調整回路及び方法によって黒レベルを調整する場合の表示画像の一例を示す図、図5は黒レベルがずれている状態の一例を示す図、図6は本発明のマトリクス型表示装置の映像信号調整回路及び方法によってゲインを調整する場合の表示画像表示の一例を示す図、図7はゲインがずれている状態の一例を示す図、図8は本発明のマトリクス型表示装置の映像信号調整回路及び方法によって黒レベル及びゲインを併せて調整する場合の表示画像の一例を示す図、図9は本発明のマトリクス型表示装置の映像信号調整回路及び方法で用いる基本波形の他の例を示す波形図である。
【0012】
図1は、本発明の映像信号調整回路を含むマトリクス型表示装置の全体構成の一例を示している。ここでは、マトリクス型表示装置の一例としてPDPの場合について示している。図1において、R信号,G信号,B信号の3系統の入力映像信号が、黒レベル・ゲイン調整部1に入力される。黒レベル・ゲイン調整部1は、R信号の黒レベル及びゲインを調整する黒レベル・ゲイン調整回路10Rと、G信号の黒レベル及びゲインを調整する黒レベル・ゲイン調整回路10Gと、B信号の黒レベル及びゲインを調整する黒レベル・ゲイン調整回路10Bとよりなる。黒レベル・ゲイン調整回路10R,10G,10Bを総称して黒レベル・ゲイン調整回路10と呼ぶこととする。
【0013】
黒レベル・ゲイン調整回路10は、入力された映像信号(R,G,B信号)のペデスタルレベル及びゲインを次段のA/D変換部2の入力電圧範囲を考慮して調整し、A/D変換部2に入力する。なお、黒レベル・ゲイン調整回路10における黒レベル及びゲインの調整は、外部からデジタル的に制御信号を送り、その制御信号をD/A変換して制御してもよいし、可変抵抗等でアナログ的に制御してもよい。
【0014】
A/D変換部2は、黒レベル・ゲイン調整回路10Rより入力されたアナログ信号であるR信号をデジタル信号に変換するA/D変換器20Rと、黒レベル・ゲイン調整回路10Gより入力されたアナログ信号であるG信号をデジタル信号に変換するA/D変換器20Gと、黒レベル・ゲイン調整回路10Bより入力されたアナログ信号であるB信号をデジタル信号に変換するA/D変換器20Bとよりなる。A/D変換器20R,20G,20Bを総称してA/D変換器20と呼ぶこととする。A/D変換器20は、R,G,B信号をデジタル信号に変換し、映像信号処理部3に入力する。
【0015】
映像信号処理部3は、入力されたR,G,B信号に対して各種の信号処理を施し、逆ガンマ補正部4に入力する。即ち、映像信号処理部3は、表示パネル5の表示画素数に応じて画素変換したり、表示画質を向上するための信号処理等を施す。さらに、映像信号処理部3は、本発明の要部となる調整用信号生成回路30R,30G,30Bを備えている。調整用信号生成回路30R,30G,30Bは、R,G,B信号の黒レベル及びゲインを調整するに際し、黒レベルやゲインを調整するための調整用信号を生成する。調整用信号生成回路30R,30G,30Bを総称して調整用信号生成回路30と呼ぶこととする。調整用信号生成回路30の具体的構成及び動作については、後に詳述する。
【0016】
逆ガンマ補正部4は、R信号に対して逆ガンマ補正を施す逆ガンマ補正回路40Rと、G信号に対して逆ガンマ補正を施す逆ガンマ補正回路40Gと、B信号に対して逆ガンマ補正を施す逆ガンマ補正回路40Bとよりなる。逆ガンマ補正回路40R,40G,40Bを総称して逆ガンマ補正回路40と呼ぶこととする。逆ガンマ補正回路40は、R,G,B信号に対してそれぞれ同じ特性の逆ガンマ補正を施し、表示パネル5に入力する。
【0017】
表示パネル5は、いわゆるパネル本体とこのパネル本体を駆動するための駆動回路とよりなる。表示パネル5に入力されたR,G,B信号は、サブフィールド処理等の各種の駆動処理が施され、表示パネル5の画面上に表示される。
【0018】
ここで、図2を用いて、調整用信号生成回路30の具体的構成及び動作について説明する。図2において、しきい値レベル設定部301には、入力信号として、R,G,B信号のいずれかが入力される。しきい値レベル設定部301には、入力信号の階調レベルに対する所定のしきい値が設定されており、しきい値レベル設定部301は、入力信号がしきい値の階調以上である第1領域の場合には、入力信号を第1領域階調レベル再設定部302に入力し、しきい値の階調よりも小さい第2領域の場合には、入力信号を第2領域階調レベル再設定部303に入力する。しきい値レベル設定部301におけるしきい値は、低階調レベル側や高階調レベル側の任意の位置に設定する。なお、これは、しきい値が1つの場合における動作であり、しきい値が2つの場合の動作については後述する。
【0019】
第1領域階調レベル再設定部302及び第2領域階調レベル再設定部303は、それぞれ、入力された第1領域,第2領域の全信号を新たな固定の階調レベルに再設定して領域合成部304に入力する。この際、第1領域階調レベル再設定部302及び第2領域階調レベル再設定部303が再設定する階調レベルは、第1領域と第2領域とで階調レベルが大きく異なる値に設定する。例えば、しきい値レベルを低階調レベル側にした場合は、第1領域の階調レベルを大きな値とし、第2領域の階調レベルを0とするのが好ましい。逆に、しきい値レベルを高階調レベル側にした場合は、第1領域の階調レベルを0とし、第2領域の階調レベルを大きな値とするのが好ましい。
【0020】
領域合成部304は、第1領域の信号と第2領域の信号とを合成して、R,G,B信号の黒レベルやゲインを調整するための調整用信号として出力する。
【0021】
以上の調整用信号生成回路30を用いた黒レベル及びゲインの調整方法の一例について説明する。図3は、図1中のR,G,B信号として、黒レベル及びゲイン調整のための基本波形の一例であるランプ波形信号を入力した場合の表示パネル5に表示される表示画像を示している。ここでは、R,G,B信号の黒レベル及びゲインが完全に一致している場合を示している。ランプ波形信号は階調特性がリニアであるので、逆ガンマ補正部4によって逆ガンマ補正を施してデジタルのまま画像表示するPDPでは、図3に示すように、表示パネル5に表示される表示画像は、グレー(白,黒を含む)の階調毎の階段状波形となる。このとき、階段状波形は、黒に近い階調になる程、階調が不足するため、階段の幅が大きくなる。即ち、図3中の右側の1段の幅より左側の1段の幅の方が大きい。
【0022】
このような階段状波形の境界による不連続性は、ディザや誤差拡散等の多階調化処理を映像信号処理部3や表示パネル5等で行うことによって低減することが可能である。しかし、調整用信号生成回路30を用いて黒レベル及びゲインを調整する際には、上記の多階調化処理を行っていない方が調整しやすいので、黒レベル及びゲインの調整時には多階調化処理を外しておく方が好ましい。換言すれば、図3に示す階段状波形の境界が視覚的に明確である方がよい。
【0023】
従来の問題点として説明したように、入力されたR,G,B信号の内、いずれか1つでも黒レベルやゲインが異なっていると、垂直方向のカラーバー(エラー画像)が発生してしまう。ある階調にて黒レベルやゲインが異なっていると、その階調を境として右もしくは左方向にカラーバーが発生する。従って、複数の階調にて黒レベルやゲインが異なっていると、垂直方向のカラーバーが水平方向の複数の位置に混在することになり、従来においては、黒レベルやゲインの調整が困難であった。
【0024】
本発明では、この表示パネル5における表示特性を利用してR,G,B信号の黒レベル及びゲインを調整する。R,G,B信号としてランプ波形信号を入力した場合、本発明の調整方法によって黒レベルやゲインを調整した後には、図3に示すようなグレーの階段状波形となっている必要がある。従って、逆ガンマ補正回路40R,40G,40Bによる逆ガンマ補正の特性は全て同一としておく。
【0025】
以上のように、黒レベル及びゲイン調整のための基本波形としてランプ波形信号を入力し、黒レベル及びゲイン調整のための具体的な調整方法について順に説明する。まず、黒レベルを調整する際には、調整用信号生成回路30中のしきい値レベル設定部301において、低階調レベル側の所定の階調(例えば階調3)をしきい値として設定する。そして、一例として、第1領域階調レベル再設定部302において、しきい値レベル3以上の第1領域を階調200に、第2領域階調レベル再設定部303において、しきい値レベル3未満の第2領域を階調0に再設定する。なお、ここでは、256階調を例としている。
【0026】
このように、R,G,B信号の階調レベルを2つの領域で互いに異なる一定の階調レベルに再設定すると、図4に示すように、図中右側のしきい値レベル3以上の第1領域では、ほぼ白となり、図中左側のしきい値レベル3未満の第2領域では、黒となる。なお、この図4は、R,G,B信号の黒レベルにばらつきがない状態を示している。この状態は、R,G,B信号の黒レベルを調整した後に得られる表示画像であり、後述のように、この図4に示す表示画像となるよう、R,G,B信号の黒レベルを調整する。
【0027】
図5は、R,G,B信号の黒レベルがばらついている状態を示している。図5においては、(A)に示すように、G信号のペデスタルレベルがA/D変換器20の階調0の電圧レベルに等しく、R信号の黒レベルが白レベル方向にずれ、B信号の黒レベルがペデスタルレベル方向にずれた状態を示している。
【0028】
G信号に対する階調3のしきい値レベルは、表示パネル5上では、図5(B)における領域丸2と領域丸3との境界線上に位置する。これに対し、R信号の黒レベルは白レベル方向にずれているので、R信号に対する階調3のしきい値レベルは、表示パネル5上では、図5(B)における領域丸1と領域丸2との境界線上に位置し、B信号の黒レベルはペデスタルレベル方向にずれているので、B信号に対する階調3のしきい値レベルは、表示パネル5上では、図5(B)における領域丸3と領域丸4との境界線上に位置する。
【0029】
図5の例では、本来のしきい値レベル3による境界である図5(B)の領域丸2と領域丸3との境界線を境にして、図中左方向の領域丸2では、R信号のみ、しきい値レベル3以上であるので赤のカラーバーが発生し、図中右方向の領域丸3では、R信号と信号がしきい値レベル3以上であるのでイエローのカラーバーが発生する。即ち、R,G,B信号の黒レベルがばらついていると、図4に示すように、しきい値レベル設定部301で設定したしきい値を境として、黒レベルが白レベル方向にずれていれば表示パネル5の画面上の左方向にカラーバーが発生し、黒レベルがペデスタルレベル方向にずれていれば表示パネル5の画面上の右方向にカラーバーが発生することになる。
【0030】
再び図5に戻り、領域丸1では、R,G,B信号の全てがしきい値レベル未満であるので、階調0の黒のバーとなる。領域丸4では、R,G,B信号の全てがしきい値レベル以上であるので、階調200のほぼ白のバーとなる。従って、図5の例では、表示パネル5の画面上に、領域丸1丸4に示す4種類のカラーバーが表示される。
【0031】
この場合には、R信号とB信号における境界を、G信号の境界である領域丸2と領域丸3の境界線まで移動させるように、黒レベル・ゲイン調整回路10R,10BによってR,B信号の黒レベルを調整する。R,G,B信号の全ての入力信号における黒レベルを一致させ、階調0の領域丸1と階調200の領域丸4のみ、即ち、図4のような状態となるよう、画面を見ながら調整すればよい。
【0032】
図5の例では、階調0がペデスタルレベルであるG信号を基準として、R,B信号の黒レベルを調整するようにしたが、これに限定されることはない。逆ガンマ補正の特性等によっても表示パネル5における表示画像の特性が変わってくるので、実際に動画像を含めた表示画像を表示し、十分検討した結果により、どの階調をペデスタルレベルの位置に調整するかを決定すればよい。
【0033】
また、マトリクス型表示装置の製造工程において上記の調整をする場合には、本発明による黒レベル調整の前に、各入力信号のA/D変換器20に入力する前にペデスタルレベルの入力電圧を予め調整しなくてもよい。入力するランプ波形信号を発生する信号発生器として同一の装置を使用し、NTSCやハイビジョン等のある一定の同期周波数の入力モードとして固定しておけば、ランプ波形信号を表示パネル5上に表示したとき、あるしきい値レベルでの境界線の画面上の位置は、自ずと確定する。
【0034】
従って、予め、階調0と階調200との境界線が画面上の左から何センチ、あるいは、何列目のドットであるのかを表示する目盛りを、作業者に分かりやすいように表示しておけば、事前にペデスタルレベルを調整しなくても、製造時におけるR,G,B信号の黒レベルのばらつきをなくすことができる。また、全ての表示パネル5でも、表示パネル5間の黒レベルのばらつきをなくすことができる。
【0035】
なお、しきい値レベル設定部301で設定するしきい値は、どの階調に設定してもよいが、階調の中央レベルよりも低階調レベル側に設けた方がよい。これは、後述するように、黒レベルとゲインを1画面で併せて調整する際、両者の調整をしやすくするためである。
【0036】
次に、ゲインを調整する際には、調整用信号生成回路30中のしきい値レベル設定部301において、高階調レベル側の所定の階調(例えば階調230)をしきい値として設定する。そして、一例として、第1領域階調レベル再設定部302において、しきい値レベル230以上の第1領域を階調0に、第2領域階調レベル再設定部303において、しきい値レベル230未満の第2領域を階調200に再設定する。なお、ここでは、256階調を例としている。
【0037】
このように、R,G,B信号の階調レベルを2つの領域で互いに異なる一定の階調レベルに再設定すると、図6に示すように、図中右側のしきい値レベル230以上の第1領域では、黒となり、図中左側のしきい値レベル230未満の第2領域では、ほぼ白となる。なお、この図6は、R,G,B信号のゲインにばらつきがない状態を示している。この状態は、R,G,B信号のゲインを調整した後に得られる表示画像であり、後述のように、この図6に示す表示画像となるよう、R,G,B信号のゲインを調整する。
【0038】
図7は、R,G,B信号のゲインがばらついている状態を示している。図7においては、(A)に示すように、G信号のゲインがA/D変換器20の入力電圧レベルの範囲内にあり、R信号のゲインがゲイン大方向にずれ、B信号のゲインがゲイン小方向にずれた状態を示している。なお、ここでは、R,G,B信号の黒レベルは正確に調整された状態であるとする。
【0039】
G信号に対する階調230のしきい値レベルは、表示パネル5上では、図7(B)における領域丸2と領域丸3との境界線上に位置する。これに対し、R信号のゲインはゲイン大方向にずれているので、R信号に対する階調230のしきい値レベルは、表示パネル5上では、図7(B)における領域丸1と領域丸2との境界線上に位置し、B信号のゲインはゲイン小方向にずれているので、B信号に対する階調230のしきい値レベルは、表示パネル5上では、図7(B)における領域丸3と領域丸4との境界線上に位置する。
【0040】
図7の例では、本来のしきい値レベル230による境界である図7(B)の領域丸2と領域丸3との境界線を境にして、図中左方向の領域丸2では、G信号とB信号がしきい値レベル230未満であるのでシアンのカラーバー(エラー画像)が発生し、図中右方向の領域丸3では、B信号のみしきい値レベル230未満であるので青のカラーバーが(エラー画像)発生する。即ち、R,G,B信号のゲインがばらついていると、図6に示すように、しきい値レベル設定部301で設定したしきい値を境として、ゲインがゲイン大方向にずれていれば表示パネル5の画面上の左方向にカラーバーが発生し、ゲインがゲイン小方向にずれていれば表示パネル5の画面上の右方向にカラーバーが発生することになる。
【0041】
再び図7に戻り、領域丸1では、R,G,B信号の全てがしきい値レベル未満であるので、階調200のほぼ白のバーとなる。領域丸4では、R,G,B信号の全てがしきい値レベル以上であるので、階調0の黒のバーとなる。従って、図7の例では、表示パネル5の画面上に、領域丸1丸4に示す4種類のカラーバーが表示される。
【0042】
この場合には、R信号とB信号における境界を、G信号の境界である領域丸2と領域丸3の境界線まで移動させるように、黒レベル・ゲイン調整回路10R,10BによってR,B信号のゲインを調整する。R,G,B信号の全ての入力信号におけるゲインを一致させ、階調200の領域丸1と階調0の領域丸4のみ、即ち、図6のような状態となるよう、画面を見ながら調整すればよい。
【0043】
図7の例では、G信号を基準として、R,B信号のゲインを調整するようにしたが、これに限定されることはない。逆ガンマ補正の特性等によっても表示パネル5における表示画像の特性が変わってくるので、実際に動画像を含めた表示画像を表示し、十分検討した結果により、ゲインの最小レベルと最大レベルを決定すればよい。
【0044】
また、マトリクス型表示装置の製造工程において上記の調整をする場合には、本発明によるゲイン調整の前に、各入力信号のA/D変換器20に入力する前にゲインの入力電圧を予め調整しなくてもよい。入力するランプ波形信号を発生する信号発生器として同一の装置を使用し、NTSCやハイビジョン等のある一定の同期周波数の入力モードとして固定しておけば、ランプ波形信号を表示パネル5上に表示したとき、あるしきい値レベルでの境界線の画面上の位置は、自ずと確定する。
【0045】
従って、予め、階調0と階調200との境界線が画面上の左から何センチ、あるいは、何列目のドットであるのかを表示する目盛りを、作業者に分かりやすいように表示しておけば、事前にゲインを調整しなくても、製造時におけるR,G,B信号のゲインのばらつきをなくすことができる。また、全ての表示パネル5でも、表示パネル5間のゲインのばらつきをなくすことができる。
【0046】
なお、しきい値レベル設定部301で設定するしきい値は、どの階調に設定してもよいが、ゲインを調整する場合には、上記の黒レベルの調整とは逆に、階調の中央レベルよりも高階調レベル側に設けた方がよい。これは、R,G,B信号のゲインのばらつきは、しきい値を高階調レベル側に設けた方が、画面上にカラーバーとして顕著に現れるからである。また、黒レベルの調整する際のしきい値と、ゲインを調整する際のしきい値を、低階調レベル側と高階調レベル側とで分けることは、後述する黒レベルとゲインとを1画面で併せて調整するためにも好ましい。
【0047】
さらに、黒レベルとゲインとを1画面で併せて調整する方法について説明する。黒レベルとゲインとを併せて調整する際には、調整用信号生成回路30中のしきい値レベル設定部301において、低階調レベル側の所定の階調(例えば階調3)を第1のしきい値とし、高階調レベル側の所定の階調(例えば階調230)を第2のしきい値として設定する。そして、一例として、第1領域階調レベル再設定部302において、しきい値レベル3未満としきい値レベル230以上の第1領域を階調0に、第2領域階調レベル再設定部303において、しきい値レベル3以上でしきい値レベル230未満の第2領域を階調200に再設定する。
【0048】
ここでは、第1領域における2つの領域、即ち、しきい値レベル3未満の領域と、しきい値レベル230以上の領域とで、階調レベルを同一としているが、互いに異なる階調レベルとしてもよい。この場合には、第1領域における2つの領域と第2領域との3つの領域の階調レベルを、別々に再設定する3つの階調レベル再設定部を設ければよい。少なくとも、第1領域の階調レベルと第2領域の階調レベルとが異なって、2箇所の境界を視覚的に判別できればよい。
【0049】
このように、R,G,B信号の階調レベルを3つの領域に分け、画面左右端部の第1領域と中央部の第2領域とで互いに異なる一定の階調レベルに再設定すると、図8に示すように、図中右側のしきい値レベル230以上と、図中左側のしきい値レベル3未満の第1領域では、黒となり、図中左右方向中央部のしきい値レベル3以上230未満の第2領域では、ほぼ白となる。なお、この図8は、R,G,B信号の黒レベル及びゲインにばらつきがない状態を示している。この状態は、R,G,B信号の黒レベル及びゲインを調整した後に得られる表示画像であり、この図8に示す表示画像となるよう、前述と同様、カラーバーが画面上に現れないよう、R,G,B信号の黒レベル及びゲインを調整する。
【0050】
なお、しきい値レベル設定部301で設定する第1,第2のしきい値は、どの階調に設定してもよいが、低階調レベル側に設定するしきい値をできる限り低階調レベル側に設定し、高階調レベル側に設定するしきい値とできる限り高階調レベル側に設定して、両者のしきい値を極力離した方がよい。このようにすると、ゲインのばらつきによって発生したカラーバーが黒レベルを調整する際の視覚上の妨げとなったり、逆に、黒レベルのばらつきによって発生したカラーバーがゲインを調整する際の視覚上の妨げとなることはなく、黒レベル及びゲインの双方とも良好に調整することができる。
【0051】
本実施例では、入力信号としてランプ波形信号を用いたが、本発明はこれに限定されることはない。黒レベルとゲインを1画面で併せて調整する際には、図9に示すようなS字状波形信号を入力すると、調整の難易度は若干上がるが、黒レベル及びゲインの調整を画面上の位置としてより正確に行うことができる。
【0052】
また、黒レベルの調整には、ペデスタル信号波形を用いて調整しても同様の効果が得られる。本発明の効果が得られるしきい値レベルを設定することできるような入力信号であれば、どのような信号波形を、黒レベルやゲイン調整のための基本波形として入力してもよい。黒レベルから白レベルまでの範囲で、複数の階調が混在している波形であれば、基本波形として用いることが可能である。基本波形が異なれば、調整用信号も異なるので、画面上に現れるエラー画像も異なる。いずれにしても、画面上に現れるエラー画像が現れないよう、黒レベルやゲインを調整すればよい。
【0053】
さらに、本実施例では、入力信号として、R,G,B信号よりなる3つの映像信号の黒レベルやゲインのばらつきを調整する例について示したが、入力信号が2種類以上の複数の映像信号であれば、本発明を用いることができる。本実施例では、黒レベル・ゲイン調整回路10において黒レベル及びゲインを調整するものとしたが、黒レベル調整回路とゲイン調整回路とが別々の回路であってもよく、黒レベルとゲインとを併せて調整する一体の回路であってもよい。本発明を、黒レベルの調整のみに用いてもよいし、ゲインの調整のみに用いてもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のマトリクス型表示装置の映像信号調整回路及び方法は、映像信号として黒レベルやゲイン調整のための基本波形を入力した際、その映像信号の所定の階調レベルをしきい値とし、その映像信号を、しきい値を境界として階調レベルに応じて複数の領域に分け、それぞれ互いに異なる一定の階調レベルとして再設定することにより、黒レベルやゲイン調整のための調整用信号として出力する調整用信号生成回路を設け、画面にて視覚的に調整しながら、黒レベルやゲインを調整するようにしたので、黒レベルやゲインを簡単かつ正確に調整することができる。また、表示パネル間のばらつきをなくすこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1中の調整用信号生成回路30R,30G,30Bの具体的構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明のマトリクス型表示装置の映像信号調整回路にランプ波形信号を入力した場合の表示画像を示す図である。
【図4】本発明によって黒レベルを調整する場合の表示画像の一例を示す図である。
【図5】黒レベルがずれている状態の一例を示す図である。
【図6】本発明によってゲインを調整する場合の表示画像表示の一例を示す図である。
【図7】ゲインがずれている状態の一例を示す図である。
【図8】本発明によって黒レベル及びゲインを併せて調整する場合の表示画像の一例を示す図である。
【図9】本発明で用いる基本波形の他の例を示す波形図である。
【符号の説明】
1 黒レベル・ゲイン調整部
2 A/D変換部
3 映像信号処理部
4 逆ガンマ補正部
5 表示パネル
10R,10G,10B 黒レベル・ゲイン調整回路
20R,20G,20B A/D変換器
30R,30G,30B 調整用信号生成回路
40R,40G,40B 逆ガンマ補正回路

Claims (6)

  1. 入力された映像信号の黒レベルを調整する黒レベル調整回路を備えたマトリクス型表示装置の映像信号調整回路において、
    前記映像信号として、黒レベルから白レベルまでの範囲で複数の階調が存在している黒レベル調整のための基本波形を入力した際、前記映像信号の所定の階調レベルをしきい値とし、前記映像信号を、階調レベルが前記しきい値以上の第1の領域と前記しきい値未満の第2の領域とに分け、それぞれ互いに異なる一定の階調レベルとして再設定することにより、黒レベル調整のための調整用信号として出力する調整用信号生成回路を、前記黒レベル調整回路の後段に設けて構成したことを特徴とするマトリクス型表示装置の映像信号調整回路。
  2. 入力された映像信号のゲインを調整するゲイン調整回路を備えたマトリクス型表示装置の映像信号調整回路において、
    前記映像信号として、黒レベルから白レベルまでの範囲で複数の階調が存在しているゲイン調整のための基本波形を入力した際、前記映像信号の所定の階調レベルをしきい値とし、前記映像信号を、階調レベルが前記しきい値以上の第1の領域と前記しきい値未満の第2の領域とに分け、それぞれ互いに異なる一定の階調レベルとして再設定することにより、ゲイン調整のための調整用信号として出力する調整用信号生成回路を、前記ゲイン調整回路の後段に設けて構成したことを特徴とするマトリクス型表示装置の映像信号調整回路。
  3. 入力された映像信号の黒レベルを調整する黒レベル調整回路と、前記入力された映像信号のゲインを調節するゲイン調整回路とを備えたマトリクス型表示装置の映像信号調整回路において、
    前記映像信号として、黒レベルから白レベルまでの範囲で複数の階調が存在している黒レベル及びゲイン調整のための基本波形を入力した際、前記映像信号における低階調レベル側に第1のしきい値を、高階調レベル側に第2のしきい値を設け、前記映像信号を、階調レベルが前記第1のしきい値未満の領域と前記第2のしきい値以上の領域とよりなる第1の領域と、階調レベルが前記第1のしきい値以上で前記第2のしきい値未満である第2の領域とに分け、それぞれ互いに異なる一定の階調レベルとして再設定することにより、黒レベル及びゲイン調整のための調整用信号として出力する調整用信号生成回路を、前記黒レベル調整回路及び前記ゲイン調整回路の後段に設けて構成したことを特徴とするマトリクス型表示装置の映像信号調整回路。
  4. 入力された複数の映像信号の黒レベルを調整する複数の黒レベル調整回路を備えたマトリクス型表示装置の映像信号調整方法において、
    前記複数の映像信号として、互いに同一形状であり、黒レベルから白レベルまでの範囲で複数の階調が存在している黒レベル調整のための基本波形を入力し、
    前記黒レベル調整回路の後段で、前記映像信号の所定の階調レベルをしきい値とし、前記映像信号を、階調レベルが前記しきい値以上の第1の領域と前記しきい値未満の第2の領域とに分け、それぞれ互いに異なる一定の階調レベルとして再設定することにより、黒レベル調整のための調整用信号として表示部に供給し、
    前記表示部に表示された調整用信号の表示画像に、黒レベルのずれを表すエラー画像が現れないよう、前記複数の黒レベル調整回路のいずれかによって前記複数の映像信号のいずれかの黒レベルを調整することを特徴とするマトリクス型表示装置の映像信号調整方法。
  5. 入力された複数の映像信号のゲインを調整する複数のゲイン調整回路を備えたマトリクス型表示装置の映像信号調整方法において、
    前記複数の映像信号として、互いに同一形状であり、黒レベルから白レベルまでの範囲で複数の階調が存在しているゲイン調整のための基本波形を入力し、
    前記ゲイン調整回路の後段で、前記映像信号の所定の階調レベルをしきい値とし、前記映像信号を、階調レベルが前記しきい値以上の第1の領域と前記しきい値未満の第2の領域とに分け、それぞれ互いに異なる一定の階調レベルとして再設定することにより、ゲイン調整のための調整用信号として表示部に供給し、
    前記表示部に表示された調整用信号の表示画像に、ゲインのずれを表すエラー画像が現れないよう、前記複数のゲイン調整回路のいずれかによって前記複数の映像信号のいずれかのゲインを調整することを特徴とするマトリクス型表示装置の映像信号調整方法。
  6. 入力された複数の映像信号の黒レベルを調整する複数の黒レベル調整回路と、前記入力された複数の映像信号のゲインを調節する複数のゲイン調整回路とを備えたマトリクス型表示装置の映像信号調整方法において、
    前記複数の映像信号として、互いに同一形状であり、黒レベルから白レベルまでの範囲で複数の階調が存在している黒レベル及びゲイン調整のための基本波形を入力し、
    前記黒レベル調整回路及び前記ゲイン調整回路の後段で、前記映像信号における低階調レベル側に黒レベル調整のための第1のしきい値を、高階調レベル側にゲイン調整のための第2のしきい値を設け、前記映像信号を、階調レベルが前記第1のしきい値未満の領域と前記第2のしきい値以上の領域とよりなる第1の領域と、階調レベルが前記第1のしきい値以上で前記第2のしきい値未満である第2の領域とに分け、それぞれ互いに異なる一定の階調レベルとして再設定することにより、黒レベル及びゲイン調整のための調整用信号として表示部に供給し、
    前記表示部に表示された調整用信号の表示画像における前記第1のしきい値の近傍に黒レベルのずれを表すエラー画像が現れないよう、前記複数の黒レベル調整回路のいずれかによって前記複数の映像信号のいずれかの黒レベルを調整すると共に、
    前記表示部に表示された調整用信号の表示画像における前記第2のしきい値の近傍にゲインのずれを表すエラー画像が現れないよう、前記複数のゲイン調整回路のいずれかによって前記複数の映像信号のいずれかのゲインを調整することを特徴とするマトリクス型表示装置の映像信号調整方法。
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