JP3541562B2 - 照光式タッチスイッチ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極間の静電容量の変化によって、指や手の接近や接触を検知する照光式タッチスイッチの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、家電機器などの電気機器のスイッチとして照光式のタッチスイッチが種々開発されている。このようなスイッチは、照明が充分にいき渡らない薄暗い空間であっても、スイッチ表面が発光するので、このスイッチ表面に指を触れて、電気機器のオン、オフ操作が迅速かつ確実にできるようになっている。
【0003】
この種のタッチスイッチには、タッチ検出のために様々な構造を有したものが提案されているが、近時では、タッチ検出用電極の損傷を防ぐためにスイッチ表面に透明絶縁保護板を備え、更に、この保護板を厚く形成して、強度を増すことができるように、電極間の静電容量の変化によって、タッチ検出を行うようにしたものが開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の照光式タッチスイッチでは、スイッチ表面のタッチする位置によって、検知感度が異なるという問題があった。
以下に、図6とともにこの問題について説明する。
図6の(a)は、透明絶縁基板上に形成された電極パターンを示す図である。
【0005】
ここでは、電極は一対の透明櫛歯電極100で構成されており、接続部101を介してリード線102に接続されている。このスイッチでは、リード線102にCR発振回路(不図示)を接続し、指が透明絶縁保護板の表面(タッチ面)に接近あるいは接触したことによる電極間の静電容量の変化を発振周期の変化によって検知し、操作があったことを判断する。
【0006】
ところが、このような電極100の配置では、指の接触等の位置によって、同図(b)のグラフで示すように検知感度にばらつきが生じてしまう。すなわち、櫛歯電極100の接続部101から離れた位置では、接続部101に近い位置に比べて、検知感度が低下してしまう。
なお、図中の3つの曲線は、指の接触等の判断基準となる発振周期の変化量のしきい値を変えて(曲線ア、イ、ウの順でしきい値は大きくなる)、検知感度を計測したことを示しているが、いずれの場合でも、接続部101の位置を基準に数えられる電極のパターン数が増えるにしたがって、スイッチ表面からの距離が短くなければ、指の接近が判断できないようになっている。
【0007】
この原理を同図(c)の等価回路図を用いて説明する。この図では、櫛歯電極100がn本の電極指で構成されており、接続部Aに接続した電極の位置αと、接続部Bに接続した電極の位置βの上方にある保護板に、指が接近あるいは接触することとする。
なお、櫛歯電極100では、その長さに従って、電気抵抗r(電極指間),ra(接続部Aから最初の電極指まで),rb(接続部Bから最初の電極指まで),rα(電極指における位置αまで),rβ(電極指における位置βまで)を有しているので、双方の接続部A,B間の電圧V0と、各電極間(αβ間)の容量C0両端に発生する電圧V1〜Vnとの関係は、V0>V1>V2>…>Vnとなる。
【0008】
したがって、この電極100では、接続部101からの距離が長くなるにつれて、位置α、位置β上方の保護板に指が接近あるいは接触することによる電極間(αβ間)の容量C0の変化を検出しにくくなり、検出感度が低下する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、スイッチ表面に対する指の接近あるいは接触の検出感度が均一になるようにした照光式タッチスイッチを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するため、本発明の照光式タッチスイッチは、透明絶縁基板の上面に、透明絶縁被膜で覆った一対の透明電極を形成し、更にその上に透明絶縁保護板を積層してタッチ面を構成する一方、上記透明絶縁基板の下方に発光部を設けた基本構造をなしており、上記一対の透明電極のそれぞれに設けた接続部に付加接続されたCR発振回路と、このCR発振回路の発振周期の変化によって、上記タッチ面に対する指の接近あるいは接触を検知するタッチ判定回路と、上記タッチ判定回路が指の接近あるいは接触を検知する毎に、負荷機器をオン、オフ駆動させる制御回路とを備え、上記透明絶縁保護板は、上記タッチ面に指を接近させないときの上記CR発振回路の発振周期と、指を接触させたときの上記CR発信回路の発振周期との変化量が、上記タッチ面全体において均一になるように、その厚さを上記透明電極の配置に対応させ、上記接続部からの距離にしたがって変化させて形成している。
【0010】
透明絶縁保護板に、指を接近あるいは接触させると、電極間の静電容量が減少し、CR発振回路の発振周期が減少するので、この変化をタッチ判定回路で検知して、スイッチ操作を判断する。
なお、透明絶縁保護板はアクリルやポリカーボネート等で製され、透明電極はインジウムオキサイドや酸化錫で、接続部はアルミニウムや銅の低抵抗体で製されている。また、オン、オフ制御される負荷機器には、空調機器、AV機器、家電機器、OA機器などの電気機器がある。
【0011】
請求項2では、透明電極は櫛歯電極を組み合わせて構成されているので、簡単な構成でタッチ面の面積を広くすることが出来る。
請求項3では、制御回路は、負荷機器のオン、オフ駆動に応じて、発光部を点灯から消灯、あるいは、消灯から点灯に制御する。したがって、タッチ操作と、発光部からの発光と、負荷機器の駆動は、このスイッチを使用する各負荷機器毎にその使用態様に応じて定めることが出来る。
【0012】
請求項4では、発光部には、蛍光体に交流電圧を加えることでEL素子(エレクトロルミネッセンス)を発光させ、面発光体を簡単に構成するEL発光層を用いる。このEL発光層は、透明電極を形成した透明絶縁基板と簡単に積層化できる構造になっているが、必ずしも、タッチ検出用の電極等と一体化させる必要はない。また、このような発光部には、面発光LED、冷陰極管を用いたバックライトなども適用できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態の一例を図面とともに説明する。
図1は、本発明の照光式タッチスイッチの構造の一例を示す断面図と電極パターン図である。
このタッチスイッチSWは、(a)に示すように、透明絶縁基板1の上面に、透明絶縁被膜3で覆った透明電極2(透明電極層)を形成し、更にその上に透明絶縁保護板4を積層する一方、下方には発光部5を有した構造となっており、透明絶縁被膜3と透明絶縁保護板4の間に透明なネームプレート6を差込みできるようにしている。
【0014】
透明電極2は、(b)に示すように、接続部7を介してリード線8に接続されており、ここでは、透明電極2を一対の櫛歯電極を組み合わせて構成する。
本発明は、透明絶縁保護板4の厚さを変化させた構造としているところに特徴があり、この変化は、透明電極2の配置に対応し、接続部7からの距離にしたがってなされる。つまり、透明電極2が(b)に示すような配置であれば、接続部7から距離が離れるに従って、この電極自身による抵抗値が増加するので、それに対応させて透明絶縁保護板4の厚さを薄くし、反対に、接続部7に近づくにつれて、保護板4の厚さを厚くする。こうすることによって、均一な検知感度が得られることになる(後述する)。
【0015】
なお、発光部5の上方は、透明絶縁基板1、透明電極2、透明絶縁被膜3、透明絶縁保護板4、ネームプレート6がすべて透明で製されているので、EL発光層などで構成された発光部5は、タッチスイッチSWの位置を明示すべく、ネームプレート6の文字などを浮かび出させるように表面を発光できる。
図2は、照光式タッチスイッチSWの内部回路の構成の一例を示したブロック図である。
【0016】
タッチスイッチSWの内部には、CR発振回路10が、リード線8を介して透明電極2に付加接続されている。透明絶縁保護板4で構成された表面(タッチ面)に指fを接近し、あるいは直接触れたときの静電容量の変化は、このCR発振回路10の発振周期の変化となって表れるので、これをタッチ判定回路11で検知判別して、指fの接近あるいは接触を検知する度に制御回路12によって、負荷機器13をオン、オフ駆動させる。
【0017】
本発明では、上述したように透明絶縁保護板4の厚さを変化させているが、この変化は、この保護板4の表面に対し、指を接近させないときの上記CR発振回路の発振周期と、指を接触させたときの上記CR発信回路の発振周期との変化量が、表面全体において均一になるように定められる。
次に、図3とともに、タッチスイッチSWの基本動作を説明する。指fを透明絶縁保護板4に接近させず、また直接触れないときには、透明電極2間の静電容量は変化せず、CR発振回路10の発振周期は、電源投入あるいはリセット時から、Psに保たれている。
【0018】
ところがこの状態で、指fを透明絶縁保護板4に接近させ、あるいは直接触れたときには、電極間の電気力線の一部が指fを通過し接地されることになるので、透明電極2で構成される平面状コンデンサCの容量が減少し、CR発振回路10の時定数が減少して、発振周期は小さくなる。
タッチ判定回路11は、常時、CR発振回路10の発振周期の変化量を、所定のしきい値ΔPthと比較しているので、発振周期がこのしきい値ΔPthを上回って変化すれば、指fの接近あるいは接触を判別して、制御回路12を作動する。
【0019】
なお、ここでは、タッチ判定回路11では、発振周期が所定のしきい値ΔPthを上回って変化したときに、すぐにはタッチされたと判断せず、所定時間t1の間待ってから制御回路12を作動させるようにしている。また逆に、発振周期の変化量が所定のしきい値ΔPthより小さくなったとしても、すぐには指fがスイッチ面から離れたとは判断せず、所定時間t2の間待つようにしている。このようにすることで、このスイッチSWの誤動作を防ぐことが出来る。
【0020】
制御回路12が作動すると、負荷機器13がオン、オフ駆動されるとともに、発光部5に駆動電圧を供給して、点灯から消灯、あるいは、消灯から点灯に制御される。
例えば、スイッチSWの表面がタッチされ、タッチ判定回路11がこれを検知すれば、制御回路12が負荷機器13をオンにするとともに、点灯していた発光部5を消灯する。その後、この状態で再度タッチされれば、負荷機器13をオフにするとともに、発光部5を再び点灯する。
【0021】
このように、制御回路12による制御は、タッチ動作と、発光部5の点灯と、負荷機器13の駆動とを、それぞれの負荷機器13に合わせて、自由に設定することができる。上記例とは逆に、タッチを検出して負荷機器13をオンにすると同時に、発光部5を点灯する一方、負荷機器13をオフにすると同時に、発光部5を消灯することもできる(モニタ表示)。
【0022】
次に、透明絶縁保護板4の別の形状について、図4,5の模式図とともに説明する。
図4は、透明電極2が、(b)に示すように二対の櫛歯電極で構成されている場合である。この場合でも、透明絶縁保護板4の厚さは、(a)の断面図に示すように透明電極2の形状に合わせて、接続部7から離れるに従って薄く形成される。
【0023】
また、図5には、透明電極2が、(b)のような円形状、(d)のような矩形状に構成された場合を示している。このような場合でも、透明絶縁保護板4は検知感度を均一にするように、その断面が(a)は円錐状、(c)は角錐状に形成される。
【0024】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の請求項1に記載の照光式タッチスイッチによれば、透明絶縁保護板の厚さを、透明電極の配置に対応させ、接続部からの距離にしたがって変化させた構造としているので、スイッチ表面の全体において、指の接近あるいは接触に対して均一な検知感度を得ることが出来る。
【0025】
請求項2によれば、透明電極を櫛歯電極で構成できるので、複雑な結線は必要がなく、簡単な構成でタッチ面の面積を広くできる。
請求項3によれば、このスイッチに対するタッチ操作と、発光部からの発光と、負荷機器の駆動を、このスイッチの使用態様に応じて定めることが出来る。
請求項4によれば、EL発光層を、透明電極を形成した透明絶縁基板と積層化する簡単な構造で、照光式タッチスイッチを構成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る照光式タッチスイッチの構造を示す断面図、(b)は電極パターン図である。
【図2】本発明に係る照光式タッチスイッチの内部回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る照光式タッチスイッチの基本動作を説明する図である。
【図4】本発明に係る照光式タッチスイッチの別の構造を示す図である。
【図5】本発明に係る照光式タッチスイッチの別の構造を示す図である。
【図6】従来の照光式タッチスイッチによる問題を説明するための図である。
【符号の説明】
SW・・・照光式タッチスイッチ
1・・・透明絶縁基板
2・・・透明電極
4・・・透明絶縁保護板
5・・・発光部
7・・・接続部
8・・・リード線
10・・・CR発振回路
11・・・タッチ判定回路
12・・・制御回路
13・・・負荷機器
f・・・指
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極間の静電容量の変化によって、指や手の接近や接触を検知する照光式タッチスイッチの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、家電機器などの電気機器のスイッチとして照光式のタッチスイッチが種々開発されている。このようなスイッチは、照明が充分にいき渡らない薄暗い空間であっても、スイッチ表面が発光するので、このスイッチ表面に指を触れて、電気機器のオン、オフ操作が迅速かつ確実にできるようになっている。
【0003】
この種のタッチスイッチには、タッチ検出のために様々な構造を有したものが提案されているが、近時では、タッチ検出用電極の損傷を防ぐためにスイッチ表面に透明絶縁保護板を備え、更に、この保護板を厚く形成して、強度を増すことができるように、電極間の静電容量の変化によって、タッチ検出を行うようにしたものが開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の照光式タッチスイッチでは、スイッチ表面のタッチする位置によって、検知感度が異なるという問題があった。
以下に、図6とともにこの問題について説明する。
図6の(a)は、透明絶縁基板上に形成された電極パターンを示す図である。
【0005】
ここでは、電極は一対の透明櫛歯電極100で構成されており、接続部101を介してリード線102に接続されている。このスイッチでは、リード線102にCR発振回路(不図示)を接続し、指が透明絶縁保護板の表面(タッチ面)に接近あるいは接触したことによる電極間の静電容量の変化を発振周期の変化によって検知し、操作があったことを判断する。
【0006】
ところが、このような電極100の配置では、指の接触等の位置によって、同図(b)のグラフで示すように検知感度にばらつきが生じてしまう。すなわち、櫛歯電極100の接続部101から離れた位置では、接続部101に近い位置に比べて、検知感度が低下してしまう。
なお、図中の3つの曲線は、指の接触等の判断基準となる発振周期の変化量のしきい値を変えて(曲線ア、イ、ウの順でしきい値は大きくなる)、検知感度を計測したことを示しているが、いずれの場合でも、接続部101の位置を基準に数えられる電極のパターン数が増えるにしたがって、スイッチ表面からの距離が短くなければ、指の接近が判断できないようになっている。
【0007】
この原理を同図(c)の等価回路図を用いて説明する。この図では、櫛歯電極100がn本の電極指で構成されており、接続部Aに接続した電極の位置αと、接続部Bに接続した電極の位置βの上方にある保護板に、指が接近あるいは接触することとする。
なお、櫛歯電極100では、その長さに従って、電気抵抗r(電極指間),ra(接続部Aから最初の電極指まで),rb(接続部Bから最初の電極指まで),rα(電極指における位置αまで),rβ(電極指における位置βまで)を有しているので、双方の接続部A,B間の電圧V0と、各電極間(αβ間)の容量C0両端に発生する電圧V1〜Vnとの関係は、V0>V1>V2>…>Vnとなる。
【0008】
したがって、この電極100では、接続部101からの距離が長くなるにつれて、位置α、位置β上方の保護板に指が接近あるいは接触することによる電極間(αβ間)の容量C0の変化を検出しにくくなり、検出感度が低下する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、スイッチ表面に対する指の接近あるいは接触の検出感度が均一になるようにした照光式タッチスイッチを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するため、本発明の照光式タッチスイッチは、透明絶縁基板の上面に、透明絶縁被膜で覆った一対の透明電極を形成し、更にその上に透明絶縁保護板を積層してタッチ面を構成する一方、上記透明絶縁基板の下方に発光部を設けた基本構造をなしており、上記一対の透明電極のそれぞれに設けた接続部に付加接続されたCR発振回路と、このCR発振回路の発振周期の変化によって、上記タッチ面に対する指の接近あるいは接触を検知するタッチ判定回路と、上記タッチ判定回路が指の接近あるいは接触を検知する毎に、負荷機器をオン、オフ駆動させる制御回路とを備え、上記透明絶縁保護板は、上記タッチ面に指を接近させないときの上記CR発振回路の発振周期と、指を接触させたときの上記CR発信回路の発振周期との変化量が、上記タッチ面全体において均一になるように、その厚さを上記透明電極の配置に対応させ、上記接続部からの距離にしたがって変化させて形成している。
【0010】
透明絶縁保護板に、指を接近あるいは接触させると、電極間の静電容量が減少し、CR発振回路の発振周期が減少するので、この変化をタッチ判定回路で検知して、スイッチ操作を判断する。
なお、透明絶縁保護板はアクリルやポリカーボネート等で製され、透明電極はインジウムオキサイドや酸化錫で、接続部はアルミニウムや銅の低抵抗体で製されている。また、オン、オフ制御される負荷機器には、空調機器、AV機器、家電機器、OA機器などの電気機器がある。
【0011】
請求項2では、透明電極は櫛歯電極を組み合わせて構成されているので、簡単な構成でタッチ面の面積を広くすることが出来る。
請求項3では、制御回路は、負荷機器のオン、オフ駆動に応じて、発光部を点灯から消灯、あるいは、消灯から点灯に制御する。したがって、タッチ操作と、発光部からの発光と、負荷機器の駆動は、このスイッチを使用する各負荷機器毎にその使用態様に応じて定めることが出来る。
【0012】
請求項4では、発光部には、蛍光体に交流電圧を加えることでEL素子(エレクトロルミネッセンス)を発光させ、面発光体を簡単に構成するEL発光層を用いる。このEL発光層は、透明電極を形成した透明絶縁基板と簡単に積層化できる構造になっているが、必ずしも、タッチ検出用の電極等と一体化させる必要はない。また、このような発光部には、面発光LED、冷陰極管を用いたバックライトなども適用できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態の一例を図面とともに説明する。
図1は、本発明の照光式タッチスイッチの構造の一例を示す断面図と電極パターン図である。
このタッチスイッチSWは、(a)に示すように、透明絶縁基板1の上面に、透明絶縁被膜3で覆った透明電極2(透明電極層)を形成し、更にその上に透明絶縁保護板4を積層する一方、下方には発光部5を有した構造となっており、透明絶縁被膜3と透明絶縁保護板4の間に透明なネームプレート6を差込みできるようにしている。
【0014】
透明電極2は、(b)に示すように、接続部7を介してリード線8に接続されており、ここでは、透明電極2を一対の櫛歯電極を組み合わせて構成する。
本発明は、透明絶縁保護板4の厚さを変化させた構造としているところに特徴があり、この変化は、透明電極2の配置に対応し、接続部7からの距離にしたがってなされる。つまり、透明電極2が(b)に示すような配置であれば、接続部7から距離が離れるに従って、この電極自身による抵抗値が増加するので、それに対応させて透明絶縁保護板4の厚さを薄くし、反対に、接続部7に近づくにつれて、保護板4の厚さを厚くする。こうすることによって、均一な検知感度が得られることになる(後述する)。
【0015】
なお、発光部5の上方は、透明絶縁基板1、透明電極2、透明絶縁被膜3、透明絶縁保護板4、ネームプレート6がすべて透明で製されているので、EL発光層などで構成された発光部5は、タッチスイッチSWの位置を明示すべく、ネームプレート6の文字などを浮かび出させるように表面を発光できる。
図2は、照光式タッチスイッチSWの内部回路の構成の一例を示したブロック図である。
【0016】
タッチスイッチSWの内部には、CR発振回路10が、リード線8を介して透明電極2に付加接続されている。透明絶縁保護板4で構成された表面(タッチ面)に指fを接近し、あるいは直接触れたときの静電容量の変化は、このCR発振回路10の発振周期の変化となって表れるので、これをタッチ判定回路11で検知判別して、指fの接近あるいは接触を検知する度に制御回路12によって、負荷機器13をオン、オフ駆動させる。
【0017】
本発明では、上述したように透明絶縁保護板4の厚さを変化させているが、この変化は、この保護板4の表面に対し、指を接近させないときの上記CR発振回路の発振周期と、指を接触させたときの上記CR発信回路の発振周期との変化量が、表面全体において均一になるように定められる。
次に、図3とともに、タッチスイッチSWの基本動作を説明する。指fを透明絶縁保護板4に接近させず、また直接触れないときには、透明電極2間の静電容量は変化せず、CR発振回路10の発振周期は、電源投入あるいはリセット時から、Psに保たれている。
【0018】
ところがこの状態で、指fを透明絶縁保護板4に接近させ、あるいは直接触れたときには、電極間の電気力線の一部が指fを通過し接地されることになるので、透明電極2で構成される平面状コンデンサCの容量が減少し、CR発振回路10の時定数が減少して、発振周期は小さくなる。
タッチ判定回路11は、常時、CR発振回路10の発振周期の変化量を、所定のしきい値ΔPthと比較しているので、発振周期がこのしきい値ΔPthを上回って変化すれば、指fの接近あるいは接触を判別して、制御回路12を作動する。
【0019】
なお、ここでは、タッチ判定回路11では、発振周期が所定のしきい値ΔPthを上回って変化したときに、すぐにはタッチされたと判断せず、所定時間t1の間待ってから制御回路12を作動させるようにしている。また逆に、発振周期の変化量が所定のしきい値ΔPthより小さくなったとしても、すぐには指fがスイッチ面から離れたとは判断せず、所定時間t2の間待つようにしている。このようにすることで、このスイッチSWの誤動作を防ぐことが出来る。
【0020】
制御回路12が作動すると、負荷機器13がオン、オフ駆動されるとともに、発光部5に駆動電圧を供給して、点灯から消灯、あるいは、消灯から点灯に制御される。
例えば、スイッチSWの表面がタッチされ、タッチ判定回路11がこれを検知すれば、制御回路12が負荷機器13をオンにするとともに、点灯していた発光部5を消灯する。その後、この状態で再度タッチされれば、負荷機器13をオフにするとともに、発光部5を再び点灯する。
【0021】
このように、制御回路12による制御は、タッチ動作と、発光部5の点灯と、負荷機器13の駆動とを、それぞれの負荷機器13に合わせて、自由に設定することができる。上記例とは逆に、タッチを検出して負荷機器13をオンにすると同時に、発光部5を点灯する一方、負荷機器13をオフにすると同時に、発光部5を消灯することもできる(モニタ表示)。
【0022】
次に、透明絶縁保護板4の別の形状について、図4,5の模式図とともに説明する。
図4は、透明電極2が、(b)に示すように二対の櫛歯電極で構成されている場合である。この場合でも、透明絶縁保護板4の厚さは、(a)の断面図に示すように透明電極2の形状に合わせて、接続部7から離れるに従って薄く形成される。
【0023】
また、図5には、透明電極2が、(b)のような円形状、(d)のような矩形状に構成された場合を示している。このような場合でも、透明絶縁保護板4は検知感度を均一にするように、その断面が(a)は円錐状、(c)は角錐状に形成される。
【0024】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の請求項1に記載の照光式タッチスイッチによれば、透明絶縁保護板の厚さを、透明電極の配置に対応させ、接続部からの距離にしたがって変化させた構造としているので、スイッチ表面の全体において、指の接近あるいは接触に対して均一な検知感度を得ることが出来る。
【0025】
請求項2によれば、透明電極を櫛歯電極で構成できるので、複雑な結線は必要がなく、簡単な構成でタッチ面の面積を広くできる。
請求項3によれば、このスイッチに対するタッチ操作と、発光部からの発光と、負荷機器の駆動を、このスイッチの使用態様に応じて定めることが出来る。
請求項4によれば、EL発光層を、透明電極を形成した透明絶縁基板と積層化する簡単な構造で、照光式タッチスイッチを構成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る照光式タッチスイッチの構造を示す断面図、(b)は電極パターン図である。
【図2】本発明に係る照光式タッチスイッチの内部回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る照光式タッチスイッチの基本動作を説明する図である。
【図4】本発明に係る照光式タッチスイッチの別の構造を示す図である。
【図5】本発明に係る照光式タッチスイッチの別の構造を示す図である。
【図6】従来の照光式タッチスイッチによる問題を説明するための図である。
【符号の説明】
SW・・・照光式タッチスイッチ
1・・・透明絶縁基板
2・・・透明電極
4・・・透明絶縁保護板
5・・・発光部
7・・・接続部
8・・・リード線
10・・・CR発振回路
11・・・タッチ判定回路
12・・・制御回路
13・・・負荷機器
f・・・指
Claims (4)
- 透明絶縁基板の上面に、透明絶縁被膜で覆った一対の透明電極を形成し、更にその上に透明絶縁保護板を積層してタッチ面を構成する一方、上記透明絶縁基板の下方に発光部を設けた基本構造をなしており、
上記一対の透明電極のそれぞれに設けた接続部に付加接続されたCR発振回路と、
このCR発振回路の発振周期の変化によって、上記タッチ面に対する指の接近あるいは接触を検知するタッチ判定回路と、
上記タッチ判定回路が指の接近あるいは接触を検知する毎に、負荷機器をオン、オフ駆動させる制御回路とを備え、
上記透明絶縁保護板は、上記タッチ面に指を接近させないときの上記CR発振回路の発振周期と、指を接触させたときの上記CR発信回路の発振周期との変化量が、上記タッチ面の表面全体において均一になるように、その厚さを上記透明電極の配置に対応させ、上記接続部からの距離にしたがって変化させて形成していることを特徴とする照光式タッチスイッチ。 - 請求項1において、
上記一対の透明電極は、櫛歯電極を組み合わせて構成されていることを特徴とする照光式タッチスイッチ。 - 請求項1あるいは2において、
上記制御回路は、負荷機器のオン、オフ駆動に応じて、上記発光部を点灯から消灯、あるいは、消灯から点灯に制御することを特徴とする照光式タッチスイッチ。 - 請求項1〜3のいずれかにおいて、
上記発光部はEL発光層で構成されていることを特徴とする照光式タッチスイッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12124296A JP3541562B2 (ja) | 1996-05-16 | 1996-05-16 | 照光式タッチスイッチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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