JP3541476B2 - 電気二重層キャパシタ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は高エネルギー密度の電気二重層キャパシタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気二重層キャパシタは、集電体上に活性炭電極層を設けた一対のシート状分極性電極(正極と負極)の間にセパレータを配置した素子を、電解液とともにケース中に収容し、封口板及び金属ケースと封口板の間を絶縁するガスケットによって金属ケース中に密封するか、又は集電体の両面に活性炭電極層を設けた一対のシート状分極性電極の対向する活性炭電極層の間にセパレータを配置して巻回してなる素子を、電解液とともに金属ケース中に収容し、電解液の溶媒が蒸発しないように金属ケースの開口部を封口部材で密封して構成している。
【0003】
また、特開平4−154106、特開平3−203311及び特開平4−286108には、積層型の素子を組み込んだ大電流大容量向けの電気二重層キャパシタが提案されている。この素子は、矩形に切断された集電体の両面に活性炭電極層を設けたものを正極及び負極とし、セパレータを電極間に配置して交互に積み重ね、正極と負極の各端部にそれぞれ正極リード部材及び負極リード部材を、例えばかしめて接続したものであり、次いでこの素子をケース中に収容し、素子に電解液を含浸後ケースを上蓋で密閉して電気二重層キャパシタとしている。
【0004】
これらの電気二重層キャパシタに組み込まれている従来の電極は、その容量を大きく取れるように大きな比表面積を有する活性炭を主体とするものとし、素子に含浸する電解液は、高濃度に電解質の塩が溶解するように水や炭酸エステル等の極性の溶媒が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような溶媒を電解液に用いた従来の電気二重層キャパシタでは、単位素子に印加する電圧を水溶液系で約1.3V、非水(有機)溶媒系で約2.5Vに制限し、電解液が分解して電気二重層キャパシタの特性が劣化しないように使用する。電気二重層キャパシタのエネルギー密度、すなわち電気二重層キャパシタに蓄積できるエネルギーは、容量をC、電圧をEとするとCE2 /2で表されることから、エネルギー密度を高くするには、高電圧で使用できるようにするのが効果的である。
【0006】
現在、メモリバックアップ用には小型の電気二重層キャパシタが多用されている。過去においてICは5Vで駆動されていたため、電気二重層キャパシタを2素子以上直列に接続して5V以上の電圧にしていた。最近は3V駆動のICが使用されるようになってメモリバックアップ用も3Vとされ、直列接続が不要となるように、1素子で3Vのバックアップができる電気二重層キャパシタの実現が待たれている。
【0007】
一方では電気二重層キャパシタの容量をより大ならしめるため、比表面積が大きい活性炭を電極に用いているが、活性炭比表面積は3000m2 /g程度が限度であり、高比表面積活性炭の使用による電気二重層キャパシタの単位重量当り容量も既にほぼ限界まで高められ、バックアップ時間を長く取れるように、新規な手段によるさらに大容量の電気二重層キャパシタの実現が期待されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を達成すべくなされたものであり、本発明の電気二重層キャパシタは、正極と負極のうち少なくとも一方が分極性電極とされ、電解質の塩を溶解した非水系電解液を用いた電気二重層キャパシタにおいて、上記非水系電解液の溶媒が含フッ素炭酸エステルを含むものであることを特徴とする。
【0009】
本発明の電気二重層キャパシタの電解液は、その溶媒が分解電圧の高い含フッ素炭酸エステルを含むものとされている。溶媒として用いられる含フッ素炭酸エステルの好ましい例としては、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4,5,5−テトラフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン及び4,5,5−トリフルオロ−4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オンから選ばれる一種以上が挙げられる。
【0010】
これらの含フッ素炭酸エステルは、例えば従来用いられていた1,3−ジオキソラン−2−オンや4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オンをフッ素化すれば得られる。非水系電解液を用いた正極と負極の両方が分極性電極である電気二重層キャパシタでは、両方の分極性電極に電圧が印加されることによって自然電位からプラス側とマイナス側にそれぞれ分極し、このときマイナス側に分極した電極(負極)の電位は溶媒の還元電位に到達しないので負極で溶媒が分解する傾向はないが、プラス側に分極した電極(正極)の電位は、溶媒の酸化電位の近くまで到達しているため、それ以上電圧を上げて使用できない問題があった。
【0011】
本発明の電気二重層キャパシタでは、従来電解液の溶媒として用いていた炭酸エステルをフッ素化することによって、他の特性を犠牲にすることなく溶媒の酸化分解電位を上げられるという知見に基き、電気二重層キャパシタの耐電圧を高くしたものである。
【0012】
電解液の溶媒はその一部が分解されると、電気二重層キャパシタの特性が劣化するので、含フッ素炭酸エステル以外の溶媒を混合して電解液の溶媒に使用する場合には、同じく酸化分解電位が高い非水溶媒を混合するのが好ましい。
【0013】
混合する非水溶媒としては、例えば、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキソラン−2−オン等の環状アルキレンカーボネート及びその誘導体、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート等の鎖状アルキルカーボネート及びその誘導体、エチレンサルファイト等の環状アルキレンサルファイト及びその誘導体、ジエチルサルファイト、ジメチルサルファイト等の鎖状アルキルサルファイト及びその誘導体、γ−ブチロラクトン等のラクトン及びその誘導体、酢酸エチル、酢酸メチル等の鎖状エステル及びその誘導体、1,2−ジメトキシエタン等の鎖状エーテル及びその誘導体、テトラヒドロフラン等の環状エーテル及びその誘導体、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、リン酸トリエステル、1,3−プロパンスルトン、4,5−ジヒドロピラン誘導体、ニトロベンゼン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、シドノン化合物、アセトニトリル、ニトロメタン、アルコキシエタン、N,N−ジメチルアセトアセタミド及びトルエンから選ばれる一種以上が好ましく使用できる。溶媒中の含フッ素炭酸エステルの含有量は、50重量%以上、特に70重量%以上とするのが好ましい。
【0014】
電解液に用いる電解質の塩としては、例えば、テトラアルキルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラアルキルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラアルキルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラアルキルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート又はLiClO4 、LiCF3 SO3 、LiBF4 、LiPF6 、LiAsF6 、LiSbF6 、CF3 CO2 Li、LiN(CF3 SO2 )2 等のリチウム塩を使用できる。
【0015】
本発明の電気二重層キャパシタの電極のうち、少なくとも一方の活性炭を主体とする分極性電極は、好ましくは活性炭の他に電子伝導性を付与する導電剤を含むものである。この分極性電極の形成方法には、例えば、活性炭、カーボンブラック(導電剤)及びフェノール系樹脂を混合し、プレス成形後に不活性ガス雰囲気中で加熱して炭化し、次いで水蒸気雰囲気中で賦活する方法が採用できる。
【0016】
また、活性炭粉末、カーボンブラック及びポリテトラフルオロエチレン(結合剤)をアルコール存在下で混練し、シート状に成形後、乾燥して分極性電極とする方法が採用できる。次にこの分極性電極を集電体に導電性接着剤等により接合させる。
【0017】
また、活性炭粉末、カーボンブラック、結合剤及び溶媒を混合してスラリとし、集電体とする金属箔上に塗布後乾燥して集電体と一体化された分極性電極とする方法が採用できる。多くの場合、このような分極性電極を正極と負極の両方に用いて電気二重層キャパシタを構成しているが、正極に金属酸化物等の電池活物質を主体とする電極を用い、負極に分極性電極を用いた電気二重層キャパシタあるいは、負極にリチウム金属、リチウム合金又はリチウムイオンを可逆的に吸蔵、放出しうる炭素材料を主体とする電極を用い、正極に分極性電極を用いた電気二重層キャパシタとすることができる。
【0018】
このうち、負極にリチウムイオンを可逆的に吸蔵、放出しうる炭素材料を主体とする電極を用い、正極に活性炭を主体とする分極性電極を用い、電解質の塩がリチウム塩である電気二重層キャパシタは、充放電サイクル寿命と安全性に優れ、作動電圧が高く、容量も大きくできるという特徴があるので特に好ましい。
【0019】
上記のリチウムをイオン化した状態で吸蔵し得る炭素材料を含む非分極性電極は、好ましくはリチウムをイオン化した状態で吸蔵し得る炭素材料に結合剤を加えて形成され、例えば、リチウムをイオン化した状態で吸蔵しうる炭素材料粉末とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)をアルコール存在下で混練し、シート状に成形、乾燥する方法で形成できる。次いでこの非分極性電極を導電性接着剤等により集電体に接合させる。
【0020】
また、リチウムをイオン化した状態で吸蔵しうる炭素材料の粉末に結合剤と溶媒を混合してスラリとし、集電体とする金属箔上に塗布して乾燥し、集電体と一体化した非分極性電極を形成する方法がある。この結合剤には、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、ポリイミド、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール又はポリアクリル酸を使用できる。
【0021】
また、非分極性電極を形成するのに用いる溶媒は結合剤を溶解しうる溶媒であるものが好ましく、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、イソホロン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸メチル、フタル酸ジメチル、エタノール、メタノール、ブタノール、水等が適宜選択される。上記架橋ポリマーの架橋剤には、アミン類、ポリアミン類、ポリイソシアネート類、ビスフェノール類、パーオキシド類等を使用できる。
【0022】
分極性電極に用いられる活性炭には、フェノール樹脂焼成物系活性炭、やしがら系活性炭、石油コークス系活性炭等が挙げられる。大容量の電気二重層キャパシタが得られるように、好ましくは石油コークス系活性炭又はフェノール樹脂焼成物系活性炭を使用する。
【0023】
活性炭の賦活処理法には、水蒸気賦活処理法、溶融KOH賦活処理法等があるが、より大容量の電気二重層キャパシタが得られるように溶融KOH賦活処理法で賦活された活性炭を使用するのが好ましい。また、活性炭を主体とする分極性電極に配合するカーボンブラック等の導電剤は、所要の導電性が得られるように好ましくは活性炭100重量部に対して1〜50重量部配合する。
【0024】
導電剤には、カーボンブラックの他に、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛、金属ファイバ、導電性酸化チタン、酸化ルテニウムを使用できる。また、活性炭は、電気二重層キャパシタの容量を大きくし、かつ内部抵抗を小さくするように、好ましくは粒径が20μm以下で比表面積が1500〜3000m2 /gの活性炭を使用する。
【0025】
リチウムをイオン化した状態で吸蔵しうる炭素材料を含む非分極性電極の炭素材料には、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化メソカーボン小球体、黒鉛化ウィスカ、気相成長炭素繊維、フルフリルアルコール樹脂の焼成体又はノボラック型フェノール樹脂の焼成体を使用できる。
【0026】
上記天然黒鉛としては、なるべく結晶構造の発達した、不純物の少ないものを用いるのが好ましい。結晶構造の発達したものとしては、広角X線回折により測定した面間隔d002 が好ましくは0.336nm未満であるもの、またその結晶子サイズLc が150nm以上であるものが好ましい。天然黒鉛中の不純物を除いて高純度化するには、一般に硝酸、硫酸、フッ酸等による酸処理法を適用し、不純物を効果的に除去できることから最終的にはフッ酸処理を行ったものを使用するのが好ましい。これらの酸処理によって不純物を取り除き、好ましくは天然黒鉛中の炭素の純度を99重量%以上とする。
【0027】
上記人造黒鉛としては、なるべく結晶構造の発達した不純物の少ないものを用いるのが好ましい。結晶構造の発達したものとしては、広角X線回折により測定した面間隔d002 が好ましくは0.3365nm以下であるもの、また同様に測定した結晶子サイズLc が50nm以上であるものが好ましい。人造黒鉛は出発物質の選択により、高い純度のものが得られ、純度は99.5%以上であるものを用いるのが好ましい。
【0028】
上記黒鉛化メソカーボン小球体としては、2500℃以上の高温で熱処理されたなるべく結晶構造の発達した不純物の少ないものを用いるのが好ましい。結晶構造の発達したものとしては、広角X線回折により測定した面間隔d002 が好ましくは0.337nm以下であるもの、また同様に測定した結晶子サイズLc が20nm以上であるものが好ましい。
【0029】
上記黒鉛化ウィスカとしては、なるべく結晶構造の発達した不純物の少ないものを用いるのが好ましい。結晶構造の発達したものとしては、広角X線回折により測定した面間隔d002 が好ましくは0.3365nm以下であるもの、また同様に測定した結晶子サイズLc が10nm以上であるものが好ましい。
【0030】
上記黒鉛化炭素繊維としては、アクリロニトリル樹脂等の繊維を2500℃以上の温度で熱処理したなるべく結晶構造が発達した不純物の少ないものを用いるのが好ましい。結晶構造の発達したものとしては、広角X線回折により測定した面間隔d002 が好ましくは0.3365nm以下であるもの、また同様に測定した結晶子サイズLc が10nm以上であるものが好ましい。
【0031】
上記フルフリルアルコール樹脂焼成体としては、フルフリルアルコール樹脂を1000℃〜1500℃の温度で熱処理した不純物の少ないものを用いるのが好ましい。すなわち、広角X線回折により測定した面間隔d002 が好ましくは0.375nm以上、0.39nm以下であるものを用いるのが好ましい。
【0032】
上記ノボラック樹脂焼成体としては、ノボラック樹脂を700℃以下の温度で熱処理し、熱処理後の炭素材料中のH/C原子比が0.25〜0.28であるものを用いるのが好ましい。また、広角X線回折により測定した面間隔d002 が好ましくは0.38nm以上であるものを用いるのが好ましい。これらの負極中のリチウムをイオン化した状態で吸蔵しうる炭素材料は、粒径が30μm以下の粉末を用いるのが好ましく、それによって電気二重層キャパシタの容量を大きく、内部抵抗を小さくできる。
【0033】
電極形成に用いる結合剤は、電極中の結合剤含有量を0.5〜20重量%とするのが好ましい。結合剤含有量が0.5重量%未満であると電極強度が小さくなり、20重量%超であると電気抵抗が増大する他、電気二重層キャパシタの容量が低下する傾向があるからである。電気二重層キャパシタの容量と電極強度のバランスを考慮すると、より好ましくは結合剤の含有量を0.5〜10重量%とする。電極は膜状、シート状、板状のいずれであっても使用できる。
【0034】
集電体は電気化学的、化学的に耐食性のある導電体であればよく、活性炭を主体とする分極性電極の集電体には、ステンレス、アルミニウム、チタン又はタンタルを採用できる。このうち、ステンレス又はアルミニウムが性能と価格の両面で好ましい。また、リチウムをイオン化した状態で吸蔵しうる炭素材料を主体とする電極の集電体には、ステンレス、銅又はニッケルが好ましく使用できる。
【0035】
また、リチウムをイオン化した状態で吸蔵しうる炭素材料にリチウムを吸蔵させる方法としては、予め粉末状のリチウムをリチウムをイオン化した状態で吸蔵しうる炭素材料と混ぜておく方法、リチウムをイオン化した状態で吸蔵しうる炭素材料と結合剤で形成した電極の上にリチウム金属箔をのせ、電気的に接触させておいてこの電極を上記の電解液中に浸漬し、リチウムをイオン化した状態で炭素材料中に取り込ませる方法、又はリチウム塩を溶解した有機電解液中に、一方の電極をリチウムをイオン化した状態で吸蔵しうる炭素材料と結合剤から形成された電極とし、他方の電極をリチウム金属として電流を流し、電気化学的に炭素材料中にリチウムをイオン化した状態で取り込ませる方法、が採用できる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例(例1〜6)、比較例(例7〜8)によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0037】
[例1]
石油コークス系のKOH賦活処理された活性炭粉末(比表面積2200m2 /g、平均粒径5μm)80重量%、ケッチェンブラックEC10重量%、PTFE10重量%からなる混合物にエタノールを加えて混練し、ロール圧延して10cm×10cm×0.65mm厚のシートとし、ついで200℃で2時間乾燥してシート状電極を得た。
【0038】
このシート状電極を12mm径の円板状に打ち抜いた正極1及び負極5を、図1に示すように黒鉛系の導電性接着剤2でステンレス316製ケース3及び上蓋4に接着する。正極1と負極5が接着されたケース3と上蓋4を減圧下300℃で4時間乾燥後、アルゴン雰囲気のグローブボックス中に移し、電解液7である濃度0.8mol/lでテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートを溶解した4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン溶液を両電極に含浸した。その後、ポリプロピレン製不織布のセパレータ8を間に配置して両電極を対向させ、ポリプロピレン製の絶縁ガスケット9を用いてかしめ封口した。このコイン型電気二重層キャパシタは18.3mm径、2.0mm厚である。
【0039】
[例2]
例1の4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの代わりに、4,4,5,5−テトラフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを用い、他は例1と同様にしてコイン型電気二重層キャパシタを組み立てた。
【0040】
[例3]
例1の4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの代わりに、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オンを用い、他は例1と同様にしてコイン型電気二重層キャパシタを組み立てた。
【0041】
[例4]
例1の4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの代わりに、4,5,5−トリフルオロ−4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オンを用い、他は例1と同様にしてコイン型電気二重層キャパシタを組み立てた。
【0042】
[例5]
石油コークス系のKOH賦活処理した活性炭粉末(比表面積2200m2 /g、平均粒径5μm)80重量%、ケッチェンブラックEC10重量%、PTFE10重量%からなる混合物にエタノールを加えて混練し、ロール圧延して幅10cm×10cm×1.2mm厚のシートとし、ついで200℃で2時間乾燥してシート状電極を得た。このシート状電極を12mm径の円板状に打ち抜いた電極1を、図2に示すように黒鉛系の導電性接着剤2でステンレス316製ケース3に接着した。
【0043】
次に、天然黒鉛粉末(純度99.3%、黒鉛結晶の面間隔d002 =0.3355nm、結晶子の大きさLc ≧200nm、平均粒径約10μm)90重量%、ポリフッ化ビニリデン10重量%からなる混合物にN−メチルピロリドンを重量比で3倍量加えて撹拌混合し、結合剤のポリフッ化ビニリデンが溶解した天然黒鉛スラリとした。このスラリをステンレス316製上蓋4に塗布、190℃で1時間乾燥し12.5mm径、0.1mm厚の塗膜10の付いた負極となるステンレス316製上蓋4を得た。
【0044】
この上蓋4と、正極1を接着したケース3を減圧下200℃で4時間乾燥後、アルゴン雰囲気としたグローブボックス中に移し、図2に示すように、負極とする上蓋4の塗膜10上に8mm径、0.02mm厚のリチウム金属箔6を圧着し、電解液7として濃度1.0mol/lでLiPF6 を溶解した4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン溶液を両電極に含浸した。その後、ポリプロピレン製不織布のセパレータ8を間に配置して両電極を対向させ、ポリプロピレン製の絶縁ガスケット9を用いてかしめ封口した。
【0045】
次にこのコイン型電気二重層キャパシタを70℃の恒温槽中に16時間放置した。この操作により、上蓋に塗布した天然黒鉛の塗膜10中に電気的に接触していた金属リチウムがイオン化した状態で取り込まれ、リチウムイオンドープ型コイン型電気二重層キャパシタを得た。得られたコイン型電気二重層キャパシタの寸法は18.3mm径、2.0mm厚である。
【0046】
[例6]
例5の4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの代わりに、4,4,5,5−テトラフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを用い、他は例5と同様にしてリチウムイオンドープ型コイン型電気二重層キャパシタを組み立てた。
【0047】
[例7]
例1の4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの代わりに、1,3−ジオキソラン−2−オンを用い、他は例1と同様にしてコイン型電気二重層キャパシタを組み立てた。
【0048】
[例8]
例1の4,5−ジフルオロ−1、3−ジオキソラン−2−オンの代わりに、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オンを用い、他は例1と同様にしてコイン型電気二重層キャパシタを組み立てた。
【0049】
例1〜4及び例7、8の電気二重層キャパシタについては、初期及び70℃にて1000時間3.3Vの電圧を印加後の静電容量(CAP)と内部抵抗(ESR)の測定結果を、また、例5、6のリチウムイオンドープ型電気二重層キャパシタについては同様に初期及び45℃にて4.0Vの電圧を1000時間印加後の静電容量(CAP)と内部抵抗(ESR)の測定結果を表1に示す。
【0050】
表1から、電気二重層キャパシタの重要な特性である静電容量、内部抵抗の点において本発明の二重層キャパシタが優れること、電解質の溶媒に含フッ素炭酸エステルを使用したため耐電圧が高くなったこと、が分る。また、リチウムイオンを可逆的に吸蔵放出しうる炭素材料を含む非分極性電極とリチウム塩を溶解した非水系電解液を用いた例5、6では、静電容量が顕著に大きいことが分る。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】
本発明の電気二重層キャパシタは、電解液の溶媒が含フッ素炭酸エステルであるため耐電圧が高く、高エネルギー密度を有し、同時に1素子で3Vのメモリバアクアップを可能とする。本発明は、コイン型のような小型サイズの電気二重層キャパシタから、静電容量が100〜10000F、又は電流容量が3〜1000Aの、大容量大電流向け電気二重層キャパシタにまで適用できるので、その産業上の利用価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電気二重層キャパシタの一例を示す縦断面図
【図2】本発明による電気二重層キャパシタの他の一例を示す縦断面図
【符号の説明】
1:正極
2:黒鉛系導電性接着剤
3:ステンレス316製ケース
4:ステンレス316製上蓋
5:負極
6:金属リチウム箔
7:電解液
8:セパレータ
9:ガスケット
10:塗膜(負極)
Claims (3)
- 正極と負極のうち少なくとも一方が分極性電極とされ、電解質の塩を溶解した非水系電解液を用いた電気二重層キャパシタにおいて、上記非水系電解液の溶媒が含フッ素炭酸エステルを含むものであることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
- 含フッ素炭酸エステルが、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4,5,5−テトラフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン及び4,5,5−トリフルオロ−4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オンから選ばれる一種以上である請求項1記載の電気二重層キャパシタ。
- 負極がリチウムイオンを可逆的に吸蔵、放出しうる炭素材料を含む非分極性電極とされ、かつ電解質の塩がリチウム塩である請求項1又は2記載の電気二重層キャパシタ。
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