JP3541334B2 - 空調用熱交換器の内面溝付き溶接管 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に気液二相状態の冷媒が流通する空調用熱交換器の内面溝付き溶接管に係り、薄い金属製条材の内面側に多数の突条及び溝を並列させ、それを管状に塑性変形して継目を溶接した溶接管に関する。
【0002】
【従来の技術】
空調用熱交換器は、冷媒が気液二相状態で流通する管を有し、その管内面に冷媒攪拌用の多数の溝及び突条を形成したものが提案されている。
例えば、薄い金属製条材の表面に傾斜する溝を一方向にのみ設け、それを管状に丸めその継目を溶接固定したもの或いは、多数の傾斜溝を条材の中心線に対し対称に形成し、それを管状に丸めて溶接固定してもの等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
内面溝付き管は、溝なし管に比べて冷媒側の熱伝達率を向上することが認められているが、さらに熱伝達率の良いものが求められていた。
そこで本発明者は、各種実験の結果、冷媒側熱伝達率を向上する方法として、傾斜溝に加えてさらに管の軸線に平行な縦溝が有効であることを見出し、さらにはその縦溝と傾斜溝との境目のおける冷媒の挙動が熱伝達率に大きな影響を与えることを見出し、その知見に基づいで本発明を完成してものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の空調用熱交換器の内面溝付き溶接管は、薄い金属製条材の長手方向に平行で且つ幅方向に互いに離間して内面に形成された複数の縦溝底部1と、
夫々の縦溝1間で前記長手方向に対して斜方向に突条部2と傾斜溝底部3とが交互に多数並列された複数の傾斜溝群4と、
を具備し、前記縦溝底部1が前記傾斜溝底部3よりも浅く形成され、
その縦溝底部1の幅方向側端に僅かに立ち上げられた側壁部5と、その側壁部5上縁から前記傾斜溝群の幅方向の中央部に向けて先下がりとなるスロープ面6とが形成され、
前記金属製条材が幅方向に横断面円形に湾曲されて、その継目が液密に溶接固定されてなるものである。
次に、第2の本発明は、
上記構成において、前記縦溝底部1の幅方向両側に前記側壁部5が存在し、前記縦溝底部1を境とする隣り合う前記傾斜溝群4の傾斜方向が互いに異なってハの字または逆ハの字状に形成されたものである。
また、第3の本発明は、上記第1の発明の構成において、前記縦溝底部1の幅方向両側に前記側壁部5が存在し、前記縦溝底部1を境とする隣り合う前記傾斜溝群4の傾斜方向が同一に形成されたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の態様につき説明する。
図1は本発明の第1の実施の態様を示す溶接管8の一部展開図、図2は図1のII−II矢視端面図、図3は同斜視略図である。
この溶接管8は、銅板の条材に予め傾斜溝群4,4a及び縦溝底部1を形成し、次いで次工程で条材を次第に断面円形に形成し、その継目を電気溶接により溶接固定するものである。
そして、管内面には複数の縦溝底部1が等間隔に周方向に互いに離間して配置され、その縦溝底部1を挟んで両側に互いに逆向きに傾斜した傾斜溝群4,4aが形成されている。この縦溝底部1の溝の深さは図2及び図3に示す如く傾斜溝群4の傾斜溝底部3よりも浅く形成されている。多数の傾斜溝底部3の深さは管の平均肉厚の 0.3倍〜 0.7倍である。そして、縦溝底部1の深さは傾斜溝底部3の深さの 3/4〜 1/2程度である。また、管の平均肉厚は 0.25mm 〜 0.5mm程である。そして、縦溝底部1の幅方向両側には0.03〜0.05mm程の側壁部5が立ち上げられ、その側壁部5の先端から傾斜溝群4及び傾斜溝群4aの幅方向中心部に向けて先下がりとなるスロープ面6が形成されている。このスロープ面6の傾斜角度は、10度前後である。
また、図4は本発明の他の実施の形態を示し、この例が図1のそれと異なることは、縦溝底部1を挟んでその両側に形成された一方の傾斜溝群4と他方の傾斜溝群4aの傾斜方向が全く同一である点のみである。
【0006】
【実施例】
次に、本発明の一実施例につき説明すると、外径が7mmで平均肉厚が0.31mmのヒートポンプ型空調用熱交換器の冷媒管において、傾斜溝群4(4aを含む)のリード角α(図1)は18度で、その傾斜溝底部3の深さh2=0.17mm(図2)であり、図1に示す如く周方向に6分割され、夫々の傾斜溝群4,4aは互いに逆向きに配置されている。そして軸に直角な横断面において、傾斜溝群4の傾斜溝底部3の数は48本である。
また、互いに逆向きに配置された傾斜溝群4,4aの境目には縦溝底部1が形成されている。この縦溝底部1は、その幅W1が 0.4mmであり、外表面からの厚みh3が0.28mmである。また、側壁部5の高さh4は0.03〜0.05mmである。さらに、スロープ面6の幅は 0.5mmである。
【0007】
【交換熱量の比較】
次に、図1における実施例の溶接管と、従来型の溶接管で縦溝底部1が存在せず傾斜溝群4,4aのみが同一条件で形成された溶接管との比較実験をしてところ、図1に示す本発明の溶接管は凝縮器及び蒸発器のいずれにおいても熱伝達率が 5〜 7%向上した。そのときの条件は次の通りである。
上記実施例の溶接管をコンデンサーとしての熱交換器に用いた条件は、入口空気の乾球温度が35度で湿球温度が24度である。またコンデンサの入口圧は20.8Kg/cm2 Gであり、過熱度は25deg 、過冷却度は5deg 、ファン流速は1.0m/s 、冷媒流量は50Kg/hrとした。そして、従来の溶接管の交換熱量を 100としたとき、図1に示す溶接管は複数回の実験において 105〜 107となった。
【0008】
次に本発明の溶接管及び従来型溶接管を夫々エバポレーターとしての熱交換器の性能試験を行った。このときの実験条件は入口空気の乾球温度が27度で湿球温度が19度である。
また、エバポレータ出口圧は管内圧は5.4Kg /cm2 Gであり、過熱度は5deg 、過冷却度は5deg 、ファン流速は0.8m/s 、冷媒流量は70Kg/hrである。そして、従来の溶接管と 100としたときの熱交換量は、本発明の図1における実施例の溶接管が 106〜 107であった。
次に、比較例として図1〜図3に示す溝付き溶接管において、スロープ6を全く設けず、その部分に傾斜溝部3をそのまま延長した溝付き管を用意し、それを前記同様に実験したところ、本発明の溝付き溶接管より2〜3%熱交換量が悪くなった。
このように本発明の溶接管は、何れの比較例よりも熱交換量が向上することが実験によりわかった。その理由は明確ではないが、後述する発明の作用の如く推測できる。
【0009】
【発明の作用・効果】
本発明の空調用熱交換器の内面溝付き溶接管は、複数の傾斜溝群4の間に縦溝底部1が設けられ、縦溝底部1の幅方向側縁に僅かに立ち上げられた側壁部5と、その側壁部5上縁から傾斜溝群4の幅方向中央部に向けて先下がりとなるスロープ面6を設けたから、気液二相状態で管内を流通する冷媒は、その液相部分が傾斜溝群4に沿って移動するとき、スロープ面6によって冷媒を管の中心側に、かき上げ、それを液相の存在しない乾いた突条2表面に散布して、蒸発を促し熱交換を促進させる効果がある。すなわち、蒸発器としての性能を向上し得る。
また、本溶接管が凝縮器としての熱交換器を構成する場合には、傾斜溝群4の傾斜溝底部3に沿って比較的ゆっくり移動してきた凝縮液はスロープ面6を超えて円滑に縦溝底部1の導かれ、軸線方向に円滑に排除される。そして、それが傾斜溝底部3側に逆流することを側壁の立ち上がり面により防止できる。そのため、傾斜溝群4が凝縮液の皮膜で覆われることを可能な限り防止し、それにより凝縮性能を向上し得る。即ち、本溶接管は凝縮器としてもその熱伝達率を向上することができる。
また、縦溝底部1は傾斜溝底部3よりも浅く形成されているから、薄い金属製条材を管状の塑性変形する際に、縦溝底部1の部分が他の部分より大きく変形することを防止して、管外周が多角形になることを防ぎ、真円度の高い信頼性の高い溶接管を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空調用熱交換器の内面溝付き溶接管の一部展開正面図。
【図2】図1のII−II矢視端面図。
【図3】同要部拡大斜視図。
【図4】本発明の第2の例を示す溶接管の一部展開正面図。
【符号の説明】
1 縦溝底部
2 突条
3 傾斜溝底部
4,4a 傾斜溝群
5 側壁部
6 スロープ面
7 溶接部
8 溶接管
Claims (3)
- 薄い金属製条材の長手方向に平行で且つ幅方向に互いに離間して内面に形成された複数の縦溝底部1と、
夫々の縦溝底部1間で前記長手方向に対して斜め方向に突条部2と傾斜溝底部3とが交互に多数並列された複数の傾斜溝群4と、
を具備し、前記縦溝底部1が前記傾斜溝底部3よりも浅く形成され、
その縦溝底部1の幅方向側端に僅かに立ち上げられた側壁部5と、その側壁部5の上縁から前記傾斜溝群4の幅方向の中央部に向けて先下がりとなるスロープ面6が形成され、
前記金属製条材が幅方向に横断面円形に湾曲されて、その継目が液密に溶接固定されてなる空調用熱交換器の内面溝付き溶接管。 - 請求項1において、前記縦溝底部1の幅方向両側に前記側壁部5が存在し、前記縦溝底部1を境とする隣り合う前記傾斜溝群4の傾斜方向が互いに異なってハの字または逆ハの字状に形成された溶接管。
- 請求項1において、前記縦溝底部1の幅方向両側に前記側壁部5が存在し、前記縦溝底部1を境とする隣り合う前記傾斜溝群4の傾斜方向が同一に形成された溶接管。
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1996
- 1996-03-22 JP JP09333796A patent/JP3541334B2/ja not_active Expired - Fee Related
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