JP3541200B2 - 食品に肥満、耐糖能障害を予防する作用を付与する方法、同予防作用を有する食品および砂糖調製品 - Google Patents

食品に肥満、耐糖能障害を予防する作用を付与する方法、同予防作用を有する食品および砂糖調製品 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は食品に肥満、耐糖能障害を予防する作用を付与する方法、同予防作用を有する食品および砂糖調製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、食生活は豊かになったが、その一方で、過剰栄養、偏食に加えて、運動不足が重なり、肥満症、糖尿病をはじめとした成人病は増加の一途を辿っている。このような社会的背景から、健康人の肥満および糖尿病の予防、さらには糖尿病患者等、血糖コントロールを要する疾病患者を対象とした血糖値ならびにインスリン分泌上昇抑制剤の開発が進められている。例えば、砂糖や澱粉の腸管吸収を阻害する物質として、消化に関わる酵素の阻害剤であるアカルボース(バイエル薬品)やAO−128(武田薬品工業)等があるが、これらはいずれも医薬品であり、副作用等の安全性の点から一般の消費者が予防の目的で服用することは困難であり、また危険でもある。また、グルコースがα−1,6結合によって反復結合された重合体、例えばイソマルトトリオース、デキストランやプルラン等が砂糖の摂取による血糖上昇抑制作用を有することが知られているが、前二者はそれ自身吸収を受け、デキストランは血液凝固時間延長等の副作用があることが明らかにされており、安全性に問題がある。また、プルランについては砂糖摂取後の血糖値上昇は抑制するが、グルコースやマルトースに対しては全く効果がなく、また、インスリン分泌に対しては効果が検証されていない。さらに、若齢ラットに連続投与したときに体重増加は抑制され、成長を阻害することが知られている。
【0003】
一方、糖尿病患者、糖尿病になる危険が高いと考えられる人、あるいは肥満症の人では体内での糖代謝の調節に最も重要なインスリンの作用を保護、維持あるいは増強する目的で、インスリンに依存せずに消化吸収される単糖類あるいは糖アルコールである、果糖、ソルビトール、キシリトール等が、またマルチトール、マルトースやロイクロース等の二糖類、さらにはグルコース・ポリマー(米国特許第3,928,135号)を含有する輸液および飲食物が、摂取後の一過性高血糖の予防、インスリン分泌節約、エネルギー補給、あるいは輸液の浸透圧調節のために利用されている。しかしながら、これらの単糖類、二糖類は甘味度が高く、甘味の質は砂糖に比べて良くない。また、糖アルコールは下痢を起こすことがある。さらに、グルコース・ポリマーは輸液として利用した時にはインスリンの分泌を刺激しないことが知られているが、輸液の使用は医行為であり一般的でない。
【0004】
また一般に焙焼デキストリンは数%の水を含む澱粉を酸の存在下または、非存在下に加熱して得られるものである。ブリティッシュ・ガムは、澱粉を、酸を添加しないで135〜218℃で10〜20時間加熱処理して得られる。白色デキストリンは、酸を添加して79〜121℃で3〜8時間加熱処理して得られる。また黄色デキストリンは同様に酸を添加して150〜220℃で6〜18時間加熱して得られる。
【0005】
砂糖の調製品は一般に砂糖に他の成分を混合することによって得られるが、砂糖のように一般の家庭でテーブル・シュガーとして使用する場合には、これらの混合品では、流動性が悪いことに加えて吸湿による固結が起きたり、砂糖と他の成分の粒径や比重が異なるために、容器内で各成分が分離して不均一となるなどの欠点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、砂糖や澱粉質などの糖質の経口摂取による血糖値ならびにインスリン分泌の上昇を抑制することにより、肥満症の予防、耐糖能障害の予防を行うことができる作用を食品に付与する方法、同予防作用を有する食品およびその予防作用を有し且つ流動性と保存性が優れ、食品工業用のみならず家庭内でも容易に取扱うことができる砂糖調製品を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこれまでに、難消化性デキストリンが、整腸作用、血清脂質改善作用、さらにはグルコース刺激によるインスリン分泌の抑制作用を有することを見出している。本発明者らはまた、難消化性デキストリンはグルコース刺激における血糖値上昇には影響を与えないことを明らかにしている。本発明者らはさらに、食品に多く含まれる2糖類〜多糖類摂取に及ぼす難消化性デキストリンの影響について、上記課題を克服する用法を解決すべく鋭意検討を行った結果、難消化性デキストリンが砂糖摂取後の血糖値の上昇抑制力を有することを見出した。また、難消化性デキストリンの上記効果の発現機序は、砂糖を含めた2糖類〜多糖類の消化(加水分解)により生じたグルコースの吸収抑制によるものであり、加えてインシュリン分泌刺激作用を有する腸管グルカゴン分泌を抑制するもので、従って、インシュリン分泌の上昇を緩徐にすることを解明した。一方、難消化性デキストリンは急性毒性、亜急性毒性および変異原性試験において毒性はみられておらず、また充分な食経験もあり、安全である。
【0008】
さらに、pHの変化や熱に対しても物理化学的性質は安定であり、他の食品素材と反応しないことから、調理や食品加工の工程にも充分に耐えうるものである。これらの特徴を有した難消化性デキストリンを本発明では、肥満症あるいは耐糖能障害予防という目的において利用するものである。
【0009】
本発明者らはさらに詳細な研究を行った結果、後記するようにこの難消化性デキストリンが味覚に優れると共に、血糖上昇が緩徐であるという新知見を得、さらにこの難消化性デキストリンを食品の構成成分として使用した場合に、食品本来の風味やテクスチャーを損なうことが少ないことから本発明を完成するに至った。従ってこの課題は難消化性デキストリンを得ることと味覚との相関、及びそのヒトへの生理作用を研究し、血糖値ならびにインスリン分泌抑制剤として最適の難消化性デキストリンを開発することと、この難消化性デキストリンを食品に添加すること、および難消化性デキストリンで砂糖の表面を被覆して、流動性と保存性に優れた砂糖調製品を得ることで解決される。
【0010】
本発明は砂糖粉糖と少なくとも30重量%の難消化性成分を含む難消化性デキストリンを100:10〜100:40の比で混合し、粉糖粒子の表面を、難消化性デキストリンで被覆して得られ、流動性指数が53.5であることを特徴とする肥満、耐糖能障害を予防する作用を有する砂糖調製品を提供するものである。
【0011】
更に詳しくは本発明は砂糖粉糖と、少なくとも30重量%の難消化性成分を含む難消化性デキストリンとを、100:10〜100:40の比(重量)で混合して砂糖粒子の表面を被覆した肥満、耐能糖障害を予防する作用を有する食品を提供するものである。
【0012】
本発明はさらに、流動性指数が53.5である肥満、耐糖能障害を予防する作用を有する砂糖調製品を提供するものである。
【0013】
本発明において、「食品」とは、本発明の難消化性デキストリンを添加することができ、且つ、難消化性デキストリンを添加した結果、肥満、耐糖能障害を予防する作用を有するすべての食品を意味し、具体的には、ジュース、コーヒー、紅茶等の飲料;羊羹、最中、大福、饅頭等の和菓子;カステラ、サブレ、チョコレート、ドーナツ、ケーキ、パイ、プリン等の洋菓子;冷菓類;食パン、菓子パン等のパン類;あんまん、肉まん、ジャム、マーマレード等の、砂糖を比較的多量に含む食品が好適である。本発明の好ましい実施態様では、食品中の砂糖100重量部に対して10〜40重量部の難消化性デキストリンが使用される。
【0014】
本発明において使用する難消化性デキストリンとは、澱粉を鉱酸存在下に加熱処理して得られる焙焼デキストリンをα−アミラーゼで処理し、さらに必要によりグルコアミラーゼ処理、イオン交換樹脂クロマトグラフィー処理、精製処理、等を施して得られるデキストリンであって、後に定義する測定方法により測定された難消化性成分を30重量%以上含むものをいう。
【0015】
本発明において、難消化性デキストリンとしては次の製造法のいずれかによるものが効果的に使用できる。
【0016】
(1)澱粉に少量の無機酸、好ましくは塩酸を添加して粉末状態で加熱して得られる焙焼デキストリンを、α−アミラーゼで加水分解して、必要に応じて精製することにより得られる、難消化性成分の含量が約30〜60重量%のもの。
【0017】
(2)(1)の工程で得られたものを、更にグルコアミラーゼで加水分解し、必要に応じて精製する方法で得られる、難消化性成分の含量が約30〜60重量%のもの。
【0018】
(3)(2)の工程で得られたものを、更にイオン交換樹脂クロマトグラフィーにかけてグルコース区分を分離除去して得られる、難消化性成分の含量が約60〜90重量%のもの。
【0019】
本発明に使用される難消化性デキストリンの原料である澱粉としては、特に限定されないが、例えば、とうもろこし、もちとうもろこし、馬鈴薯、甘藷、タピオカ、小麦、大麦、米、等の澱粉が使用できる。
【0020】
以下上記方法について更に詳細に説明する。
【0021】
(1)澱粉に鉱酸(例えば、塩酸、硝酸、硫酸)、好ましくは塩酸を、澱粉100重量部に対して、例えば、1重量%の塩酸水溶液として3〜10重量%添加し、加熱処理して中間物質である焙焼デキストリンを得る。この加熱処理の前に、澱粉と鉱酸の水溶液を均一に混合するために、適当なミキサー中で攪拌、熟成(数時間)させてから、好ましくは100℃〜120℃程度で予備乾燥して、混合物中の水分を5重量%程度まで減少させることが好ましい。加熱処理は従来の加酸焙焼デキストリン(白色デキストリン、黄色デキストリン)の加熱条件とは異なり、150〜200℃で10分〜120分、好ましくは30分〜120分が適当である。加熱処理の温度は高い方が目的生成物中の難消化性成分の含量が増加するが、180℃付近から着色物質が生成する傾向があるので、より好ましくは150℃〜180℃である。
【0022】
加熱装置を選択することによって高温短時間の反応を行うことも可能であるので、例えばエクストルーダーのようにごく短時間に均一な反応を行うことができる装置を用いれば効率的に加熱処理することができる。また、粉末状態での反応であるから大規模生産の場合は、加熱条件を変更する必要もあるので、加熱処理後の製品の品質を検討した上で、適宜加熱条件を変更することが望ましい。
【0023】
この焙焼デキストリンを20〜45重量%程度の濃度の水溶液となし、この焙焼デキストリン水溶液のpHを5.5〜6.5に調整し、α−アミラーゼを、例えばターマミル60L(商品名、ノボ・ノルディスク・バイオインダストリー社製造)の場合は焙焼デキストリンに対し0.05〜0.2重量%添加する。他のα−アミラーゼを使用する場合はその酵素剤の力価に応じて同等の量を添加すればよい。α−アミラーゼの添加後に溶液を加熱し、α−アミラーゼの作用温度である85〜100℃(α−アミラーゼの種類によって異なる)で30分〜2時間保持して加水分解する。次いで温度を120℃程度(α−アミラーゼの失活温度)に上昇してα−アミラーゼ作用を停止する。この際塩酸やシュウ酸などの酸を加えてpHをα−アミラーゼが失活する程度、即ちpH4程度まで低下させて失活させてもよい。またα−アミラーゼで加水分解した後に加水分解液を115〜135℃で加圧蒸煮処理をした後に再度α−アミラーゼを作用させることによって精製時の濾過速度を高めることもできる。
【0024】
α−アミラーゼ作用終了後、精製を行う場合は不純物、色などを除くために活性炭を添加する。続いて通常のフィルター・プレス、プレコート・フィルターなどによって濾過する。次にイオン交換樹脂により溶液中の塩類や着色物を除く。イオン交換樹脂による処理は、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂に続いて両イオン交換樹脂を混合した樹脂を通過させることにより行うのが好ましい。
【0025】
(2)の製造法では、上記(1)の工程のα−アミラーゼ処理後にグルコアミラーゼ処理を行う。一般のグルコアミラーゼには若干のα−アミラーゼが混在しているのが通常であり、このため難消化性デキストリンを直接グルコアミラーゼだけで加水分解しても、α−アミラーゼとグルコアミラーゼの併用作用に近い効果を発揮できるが、この混在量が少ない場合には上記(1)の工程のα−アミラーゼ処理の効果に比して若干低下する場合があり、最も好ましいのはα−アミラーゼ作用に続いてグルコアミラーゼを作用させる方法である。
【0026】
この際の処理条件はグルコアミラーゼの通常の条件が採用され、例えば液温を55℃〜60℃程度に下げ、pHを4.0〜6.0程度に調整し、市販のグルコアミラーゼを元の焙焼デキストリンに対して0.05〜0.2重量%添加し、液温を保持して24〜48時間程度加水分解させる。この反応は液中に存在するオリゴ糖などの消化性成分をグルコースに分解させるものである。グルコアミラーゼの添加量と作用時間は前記の範囲に限定されるものではなく、アミラーゼの力価に応じて同等の量を添加すればよい。また添加量を増減することによって反応時間を自由に調整することもできる。続いて例えば80℃前後に加熱してグルコアミラーゼを失活させて加水分解を終了させる。次に必要に応じて(1)の方法と同様にして精製を行う。この製造法による難消化性デキストリンは、難消化性成分以外に約50重量%前後のグルコースを含有するものである。
【0027】
(3)の製造法では、上記(2)の製造法のグルコアミラーゼ作用後に脱色濾過、イオン交換樹脂による精製を行う。次にイオン交換樹脂クロマトグラフィー法によって、グルコース区分を分離除去して難消化性成分の含量を高める。この場合に分離用のイオン交換樹脂としては市販一般の強酸性陽イオン交換樹脂が広く使用できる。その好ましい具体例としては、アンバーライトIR−116、同IR−118、同IR−120−B、同XT−1022E、同XT−471F(以上商品名、オルガノ社製)、ダイヤイオン2K−1B、同SKK−102、同SK−104、同SK−106、同SK−110、同SK−112、同SK−116、同FR−01(以上商品名、三菱化成社製)、XFS−43281.00、同43280.00、同43279.00、同43278.00(以上商品名、ダウケミカル日本社製)を例示することができる。
【0028】
そしてこれらの樹脂は通常使用前にアルカリ金属型又はアルカリ土類金属型として用いることが好ましい。高分子デキストリンとグルコースの分離を良くするために、使用樹脂に応じてカラム通液時の流速を調整することが好ましいが、通常はSV=0.1〜0.6、好ましくはSV=0.2〜0.4である。この流速範囲外では作業性や分離が悪くなる傾向がある。通液の時の温度は20〜70℃程度であり、好ましくは50〜70℃である。これより液温が低いと分離が悪くなり、液の粘度が上がって樹脂に障害を与えることがある。これより高温になると液が褐変したり、その他の品質が悪くなることがある。
【0029】
この分離処理によって難消化性デキストリン中の難消化性成分の含量を約60重量%以上、好ましくは約80重量%以上に高め、グルコースの含量を0.5重量%程度まで低下することができるが、分離の条件を変更することによってグルコースの含量は任意に調整できる。従ってグルコースも食品の成分として利用したい場合は、グルコースの含量を高めた製品を得ることも可能である。例えばグルコアミラーゼ処理後のグルコース含量が50重量%の場合に、その1/2の25重量%を分離することによって全体のグルコース含量が約33重量%の製品を得ることができる。しかしグルコース含量があまり多くなると、砂糖調製品の吸湿性が増加して保存性が低下するので好ましくない。
【0030】
本発明において肥満、耐糖能障害を予防する効果を発揮するのは、難消化性デキストリン中の難消化性の成分である。本発明に使用される難消化性デキストリンは、この難消化性成分の含量が30重量%以上のものである。難消化性の成分の含量が高い方が摂取量が少なくて済むことから、本発明で使用する難消化性デキストリン中の難消化性成分の含量は好ましくは40重量%以上、より好ましくは50重量%以上であり、100重量%であってもよい。
【0031】
本発明に従って、肥満、耐糖能障害の予防を目的として摂取される難消化性デキストリンの量は、1食当たり通常、1g〜30gである。難消化性成分が生理作用に及ぼす影響は個人差があることから、効果を見ながら適宜増減するのが良い。
【0032】
また本発明の砂糖調製品において、砂糖に添加される難消化性デキストリンの量は、砂糖100重量部に対し10〜40重量部である。しかし同様に生理作用への影響は個人差があることから、この範囲内で効果を見ながら適宜選択するのが良い。
【0033】
砂糖調製品に使用する砂糖としては粉糖が使用される。グラニュー糖粉糖は砂糖の1種として好ましく使用される。
【0034】
また本明細書において血糖上昇緩徐とは、耐糖能試験において各測定時間における血糖値が他の糖類負荷の場合と比較した場合に、比較的早い時間(60分以内)で、有意に低値を示すことである。例えばラットを用いた実験において、砂糖の経口負荷試験で、30分、60分の平均血糖値はそれぞれ165および135mg/dlであり、これに比べて砂糖と同時に難消化性デキストリンを投与した場合では、それぞれ133および113mg/dlであり、難消化性デキストリン存在下の方が有意に低値(p<0.05)であった。
【0035】
砂糖を負荷したラットの血糖値の集団(A)と砂糖と同時に難消化性デキストリンを負荷したラットの血糖値の集団(B)はそれぞれ正規分布より少しすそを長くひいたt分布と呼ばれる分布になる。そしてこの2つの集団の分布がその分布を表す曲線が5%以下しか重ならない場合p<0.05(危険率5%)で有意差があるという。統計学上5%の確率とは非常に低いものとみなされるので、この場合は難消化性デキストリンは砂糖よりも血糖上昇が緩徐であることが明らかである。
【0036】
またラットを用いた難消化性デキストリンの経口投与による急性毒性試験により死亡例は見られず、LD50値は本試験の最大投与量の40g/Kg体重以上と推定されD−グルコ−スの25.8g/Kg体重の1.55倍以上の高値であった。また変異原性試験の結果も陰性であった。
【0037】
従って本発明による難消化性デキストリン及び砂糖調製品は安全性が高く、D−グルコースと同様に1日の摂取量に上限はないと思われる。また経口摂取する場合、取扱いの容易性、味覚等の面からおのずと摂取量は制限されてくるものであるが、本発明の難消化性デキストリンの内で、酵素加水分解処理を行って難消化性成分の含量を高くしたものは高分子の糖類もよく分解されていて糊感がなく、粘度は砂糖とほぼ同じで低い。難消化性成分含量の高い難消化性デキストリンは、低分子の糖類も少ないので甘味度も低く、多量に摂取することが可能であることから最も好ましい効果を得ることができる。
【0038】
また砂糖粒子の表面を上記の難消化性デキストリンで被覆するにあたっては、一般の造粒装置が使用できるが、流動造粒装置を用いて砂糖粒子を流動させながら、その表面を難消化性デキストリンの溶液で被覆したものが溶解性に優れていることから最も好ましい。
【0039】
造粒とは「粉状、粒状、塊状あるいは溶液の原料から、ほぼ均一な形と大きさを持つ粒子を作り出す技術」である。なかでも流動造粒は個体粒子の充填層の低部から加熱された空気を吸入することにより粒子群が吹き上げられ、流動している状態にバインダー液または、コーティング液をスプレーして造粒・コーティングを行うものである。市販の流動造粒装置は、一般に混合、造粒、コーティング、乾燥、冷却を一つの機械で行うことができる密閉構造の装置である。製品の粒度は自由に変えられ、造粒・コーティングのスピードが極めて早く、原料素材の変質が少なく、安定した多孔質の造粒・コーティング製品が得られる。加熱空気の温度は広範囲に選択することができるが、本発明においては通常60〜100℃の範囲で効果的に実験することができる。またコーティング液の固形分濃度は通常5〜25重量%、好ましくは15重量%前後である。
【0040】
次に実験例により、本発明の安全性と作用効果を詳細に説明する。
難消化性成分含量の測定方法
【0041】
本発明に使用される難消化性デキストリン中の難消化性成分の含量は、以下に説明する方法(「難消化性成分の定量法」(澱粉科学、第37巻、第2号、107 頁、1990) に記載の方法の改良法)によって測定したものである。
【0042】
〔難消化性成分の定量法〕
難消化性デキストリン試料1gを精秤し、0.05Mリン酸緩衝液(pH6.0)50mlを加え、α−アミラーゼ(ノボ・ノルディスク・バイオインダストリー社製:ターマミル120L、力価:120KNU/g)0.1mlを添加し95℃で30分間反応させる。冷却後、pH4.5に調整しアミログルコシダーゼ(シグマ社製:No. A−3042、力価:6100 単位/ml)0.1mlを添加し、60℃で30分間反応させた後、90℃まで昇温し反応を終了させる。終了後、反応液を水で100mlにフィルアップし、ピラノース・オキシダーゼ法によりグルコース量(B)(g)を求め、反応前の試料についても同様にグルコース量(A)(g)を求め、次式により難消化性成分の含量(%)を算出する。
【0043】
難消化性成分含量(%)=〔1−A−(B−A)×0.9〕×100
A=反応前のグルコース量(g)
B=反応後のグルコース量(g)
【0044】
【実験例1】
パインファイバーC(商品名、松谷化学工業株式会社製造の馬鈴薯澱粉を原料として前記(3)の方法で製造した難消化性デキストリンの粉末で、難消化性成分の含量が86.7重量%のもの)を使用して次の実験を行った。
【0045】
ラット45匹を用いた実験結果では、空腹時の血糖値が平均80.0mg/dl、インスリン分泌が平均10.5μU/mlであったのが、体重Kg当たり1.5gの砂糖を経口投与したところ血糖値ならびにインスリン分泌は上昇し、30分後には平均165mg/dlおよび50.2μU/mlと最高値を示した後、120分後には正常値に回復した。
【0046】
砂糖1.5gに対して1/20〜1/1の割合で上記の難消化性デキストリンを添加し、ラットに経口投与して120分間の血糖値とインスリン分泌の総量を測定し、砂糖単独投与のときを100として難消化性デキストリン添加の際の効果を比較した結果を表1に示す。表1において効果判定は血糖値とインスリン分泌の上昇抑制を総合判断した結果を符号で表した。
【0047】
【表1】
難消化性デキストリン添加量(g) 0 0.075 0.15 0.60 1.50
難消化性成分含量(g) 0 0.065 0.13 0.52 1.30
血糖値(%) 100 89.5 66.6 71.5 81.6
インスリン分泌(%) 100 55.1 38.9 55.5 52.8
効果判定 − + +++ ++ ++
【0048】
−:効果なし、+:効果あり、++:効果大、+++ :効果極めて大
【0049】
表1は、難消化性デキストリンを添加することにより、砂糖による血糖値ならびにインスリン分泌の上昇が有意に抑制されることを示している。砂糖に対して難消化性デキストリンの添加量が難消化性成分換算で、砂糖1.5gに対して0.065〜1.3gの範囲で効果が認められたが、1.3gの添加では0.52gの添加に比較して効果は余り増加していない。従って、難消化性成分のより好ましい添加量は0.13〜0.52gであることがわかる。これを砂糖100gに対する難消化性デキストリンの添加量に換算すると、約5gから約100gまで効果が認められる。より好ましい添加量は約10〜40gの範囲である。
【0050】
尚、同様に市販の食品用白色デキストリンを上記砂糖1.5gに対して0.15g添加したときの30分後の血糖値は、平均160mg/dlであり、砂糖のみを経口投与したときと差異がなかった。
【0051】
【実験例2】
ラット(平均体重126g、平均脂肪量20g、平均体脂肪比(脂肪量/体重×100)15.8%)36匹を4群に分け、第1群には砂糖65重量%を含む高砂糖食を、第2〜第4群は高砂糖食95部に実験例1の難消化性デキストリン、ペクチン(レモン由来、和光純薬社製)あるいはコーンファイバー(日本食品加工社製)をそれぞれ5部添加した合成飼料を与え、4週間飼育した。飼料ならびに飲料水(水道水)は自由に与えた。4週目において各群の飼料効率(増加体重量/摂餌量)に差異はなかった。体重、脂肪量および体脂肪比の測定結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
匹数 体重 (g) 脂肪量 (g) 体脂肪比 (%)
高砂糖摂取群 12 407 112 27.6
高砂糖+難消化性デキストリン群 8 408 68 16.6
高砂糖+ペクチン群 8 441 117 26.5
高砂糖+コーンファイバー群 8 416 113 27.3
【0053】
表2の結果から明らかなように、ペクチンおよびコーンファイバーの効果が明確でないのに対し、難消化性デキストリンは高砂糖食群と比較して体重増加、即ち、成長には影響を与えないが、脂肪量ならびに体脂肪比は明らかに低下した。これらの結果から、難消化性デキストリンは肥満の予防効果を有することがわかる。
【0054】
【実験例3】
ラット(平均体重126g、平均脂肪量20g、平均体脂肪比(脂肪量/体重×100)15.8%)36匹を4群に分け、A群には砂糖65重量%を含む高砂糖食を、B〜D群には高砂糖食95部に実験例1の難消化性デキストリン、ペクチン(レモン由来、和光純薬社製)あるいはコーンファイバー(日本食品加工社製)を5部添加した合成飼料を与え、4週間飼育した。飼料ならびに飲料水(水道水)は自由に与えた。4週目において経口グルコース(1.5g/Kg体重)負荷試験を実施し、空腹時、負荷後30分、60分及び120分に採血し、血糖値及びインスリン濃度を測定した。また空腹時のサンプルについては血漿フルクトサミン濃度を測定した。この血漿フルクトサミン濃度は、採血前2週間の平均血糖値とよい相関があることが知られており、グルコース負荷試験とともに耐糖能障害の程度を評価する検査法として一般的である。血糖値、インスリン濃度及び血漿フルクトサミン濃度の測定結果をそれぞれ図1、図2及び図3に示す。
【0055】
但し図中の各記号は夫々以下のものを示す。
A ●−●:高砂糖摂取群
B ○−○:高砂糖+難消化性デキストリン群
C ▲−▲:高砂糖+ペクチン群
D ■−■:高砂糖+コーンファイバー群
【0056】
この結果から明らかなように、高砂糖摂取群(A)では、空腹時血糖値は平均140mg/dlと高値であり、負荷後30分に平均170mg/dlの頂値に達した後、120分に至っても空腹時の1.2倍と全般的に高値で推移した。これに対して、高砂糖+難消化性デキストリン摂取群(B)では、空腹時血糖値は正常であり、血糖曲線のレベルは明らかな低値であった。血漿フルクトサミン濃度も低値であった。一方、ペクチンおよびコーンファイバー摂取群(C及びD)では、高砂糖摂取による耐糖能障害の程度は軽減されなかった。インスリン濃度も本発明のB群が最も低いレベルであった。
【0057】
【実験例4】
市販のグラニュー糖(東日本製糖社製造のグラニュー糖MGF)4Kgを小型流動造粒装置(大川原製作所製造の実験用の造粒装置、20L型)に入れ、65℃の温風でグラニュー糖を流動させながら、実験例1の難消化性デキストリンの25%重量溶液3.2Kgを毎分50gの速度で噴霧しながら造粒を行った。難消化性デキストリンの全量を噴霧後、品温が55℃に達するまで乾燥し、次いで25℃の冷風を送って品温が40℃に低下するまで冷却して造粒乾燥を終了し、砂糖と難消化性デキストリンの重量混合比が100:20の砂糖調製品を得た。この調製品と、グラニュー糖に100:20の重量混合比で実験例1の難消化性デキストリンを混合した対照品の各100gを500mlの広口ビンにいれ、蓋をしめてからそれぞれの広口ビンを手で上下に20回振り、次にビン内の試料の上部、中間部、下部からそれぞれ10gの試料を取り出し、計6点の試料についてウイルシュテッター・シューデル法で還元糖を定量し、各試料中の難消化性デキストリンの含量を算出した。結果はグラニュー糖100に対する比率として表3に示す。
【0058】
【表3】

砂糖調製品 20.3 19.8 20.1
対照品 8.3 18.6 31.3
表3の結果は、本発明の砂糖調製品はビンのどの部分でも均一な組成を示したが、対照とした単なる混合品では上部、中間部、下部で組成が大きく変化しており、このことは対照品では取扱中に難消化性デキストリンが、ビンの下部に移行して不均一になることを示している。
【0059】
【実験例5】
実験例4の砂糖調製品と、混合直後の対照品各5gをアルミニウム製の秤量函にいれ、相対湿度81%、温度20℃の恒湿デシケーター内で96時間放置した後に粉末の状態を検査した。砂糖調製品では全く固結した塊は認められなかったが、対照品では粉末全体がブロック化して、容器を傾斜しても動かない状態に変化していた。このことは、対照品では保存性が乏しいことを示している。
次に実施例によって本発明を詳細に説明する。
【0060】
【実施例1】
パインファイバーC(商品名、松谷化学工業株式会社製造の馬鈴薯澱粉を原料として前記(3)の方法で製造した難消化性デキストリンの粉末で、難消化性成分の含量が87.7重量%のもの)を使用して次の実験を行った。
【0061】
BMI〔体重(Kg)/(身長(m)) :肥満度の指標〕が30を越える男女5名に難消化性デキストリン10gを毎食前に水100mlに溶解し、4週間摂取させた。難消化性デキストリンの摂取期間中、食生活、生活パターンおよび運動量は変化させずに体重および空腹時血糖値の変化を観察した。その結果、体重は開始前に比べ全例で減少し、平均2.4Kg低下した。さらに、空腹時血糖値は開始前平均115mg/dlであったのが、4週後には平均98mg/dlにまで低下し、耐糖能の改善が観察された。
【0061】
【実施例2】
市販のグラニュー糖(東日本製糖社製造のグラニュー糖MGF)2Kgを実験例4で使用した流動造粒装置に入れ、70℃の温風でグラニュー糖を流動させながら、実験例1の難消化性デキストリンの25重量%溶液400gを毎分約30gの速度で噴霧しながら造粒を行った。難消化性デキストリンの全量を噴霧後に、品温が約50℃に達するまで乾燥して造粒乾燥を終了して、砂糖調製品1を得た。
【0062】
同様に難消化性デキストリンの50重量%溶液400gを噴霧して同様に造粒乾燥を行って砂糖調製品2を得た。得られた2種類の砂糖調製品の砂糖と難消化性デキストリンの重量混合比は、それぞれ100:5と100:10(難消化性成分として約100:4および約100:9)である。
【0063】
健康な男子10名について、難消化性デキストリンを経口投与した場合の効果をみた。空腹時血糖値は平均76.5mg/dlであったが、砂糖100gを150mlの水に溶解した砂糖水を服用させたところ、30分後の血糖値は平均145mg/dl、インスリン分泌は48.3μU/mlに上昇したが、150mlの水に105gの上記砂糖調製品1を溶解したものを投与すると30分後の血糖値およびインスリン分泌はそれぞれ平均120mg/dlおよび32μU/mlに有意に低下した。さらに150mlの水に110gの上記砂糖調製品2を溶解したものを投与すると30分後の血糖値およびインスリン分泌は平均110mg/dlおよび25μU/mlと有意に低下した。
【0064】
【実施例3】
パインファイバーL(商品名、松谷化学工業株式会社製造の馬鈴薯澱粉を原料として前記(2)の方法で製造した液状の難消化性デキストリン)をイオン交換樹脂によりグルコースの約63重量%を分離除去して難消化性区分を得た。この液を濃縮し、固形分濃度70重量%、固形分中の難消化性成分含量69.8重量%、グルコース含量15.8重量%の液状難消化性デキストリン得た。この液状難消化性デキストリンを使用して次の実施例を行った。
【0065】
市販の粉糖(有友商店製造)4Kgを実験例4で使用した流動造粒装置に入れ、70℃の温風で粉糖を流動させながら、この液状難消化性デキストリンを30重量%含む水溶液600gを毎分約65gの速度で噴霧しながら造粒を行った。難消化性デキストリンの全量を噴霧後に品温が約50℃に達するまで乾燥して砂糖調製品3を得た。
【0066】
砂糖調製品2と砂糖調製品3の粉体特性について、パウダー・テスター(細川ミクロン社製造の粉体特性総合測定装置、PT−E型)で安息角、ゆるみ見掛け比重、固め見掛け比重、スパチュラ角を測定し、圧縮度は次式より算出した。
【0067】
圧縮度=100(固め見掛け比重−ゆるみ見掛け比重)/固め見掛け比重
【0068】
次に各数値から表4(Chemical Engineering, Jan. 18,163−168,(1965)より抜粋)に基づいて各指数を求め、その指数の合計を流動性指数とした。流動性指数と実際の流動性の程度の関係を表5に(Chemical Engineering, Jan. 18,163−168,(1965)を参考にして本発明者が作成したもの)示す。
【0069】
【表4】
Figure 0003541200
【0070】
【表5】
流動性指数 流動性の程度
65〜75 最も良好
60〜64 良好
52〜59 かなり良好
45〜51 普通
30〜44 あまり良くない
15〜29 不良
0〜14 非常に悪い
【0071】
実施例の各測定結果をグラニュー糖のデータと対比して表6に示す。表6において括弧内の数値は指数を示す。
【0072】
【表6】
Figure 0003541200
【0073】
表6において2種類の砂糖調製品ともに良好な流動性を有することを示している。
【0074】
【実施例4】
ファイバーソル2E(商品名(松谷化学工業株式会社製):コーンスターチを原料として前記(1)の方法により、2軸エクストルーダーを用いて加熱処理して製造した難消化性デキストリンの粉末で、難消化性成分の含量が90.7重量%のもの)を使用して次の実験を行った。
【0075】
健康な男子10名について、空腹時の血糖値を測定したところ、平均80.5mg/dlであった。次いで、表7の組成のオレンジジュース200mlを服用させたところ、30分後の血糖値は平均146mg/dl、インスリン分泌は52.3μU/mlに上昇した。また、3gの難消化性デキストリンを添加したオレンジジュースを服用させたところ、30分後の血糖値およびインスリン分泌はそれぞれ平均121mg/dlおよび33μU/mlと有意に低値であった。さらに、難消化性デキストリン10gまたは30g(難消化性成分として約9gおよび約27g)を添加した表7のオレンジジュースを服用させたところ、30分経過後の血糖値およびインスリン分泌はそれぞれ平均118、112mg/dlおよび25、23μU/mlと有意に低下した。
【0076】
【表7】
原 料 配合比(重量部)
オレンジ濃縮果汁(Bx.45°) 13.4
グラニュー糖 16.2
クエン酸 0.6
クエン酸ソーダ 0.2
オレンジフレーバー 0.6
水 169.0
【0077】
食品例
食品に肥満、耐糖能障害を予防する作用を付与することによって肥満、耐糖能障害を予防する作用を有する食品を製造した。
【0078】
【食品例1】
表8の配合で粉末寒天に加水して加熱、溶解した後に砂糖、難消化性デキストリンを加えて溶解、沸騰させ、赤生あんを加えて所定重量まで煮つめ、100g宛分注して冷却凝固させて水羊羹を製造した。(1食分100g)
【0079】
【表8】
原 料 配合比(重量部)
赤生あん 30
砂糖 20
粉末寒天 0.36
水 30.64
実験例1の難消化性デキストリン 6
【0080】
【食品例2】
表9の配合で卵の卵白のみでホイップし、残りの成分を加えて混合して生地を作り、180℃のオーブンで50分焼き上げてカステラを製造した。(1食分80g)
【0081】
【表9】
原 料 配合比(重量部)
上白糖 20
実験例1の難消化性デキストリン 15
卵 35
薄力粉 20
水飴 7
水 3
【0082】
【食品例3】
表10の配合でビターチョコレートとカカオバターを溶解してレシチン以外の成分を練り込み、ローラーミルでリファイニングを行った後、レシチンを添加してテンパリンgを行いチョコレートを製造した。(1食分50g)
【0083】
【表10】
原 料 配合比(重量部)
粉糖 35
実験例1の難消化性デキストリン 15
ビターチョコレート 20
カカオバター 15
粉乳 14.7
レシチン 0.3
【0084】
【食品例4】
表11の配合で全材料を混合、攪拌して充分に泡立ててケーキ型にいれて180℃のオーブンで30分焼き上げてスポンジケーキを製造した。(1食分80g)
【0085】
【表11】
原 料 配合比(重量部)
薄力粉 28
全卵 28
砂糖 20
実施例3の難消化性デキストリン 17.4
乳化剤 1.3
水 5.3
【0086】
【食品例5】
表12の配合で全卵に砂糖と難消化性デキストリンを溶解した後、牛乳とフレーバーを入れて攪拌して160℃のオーブンで30分焼いてプリンを製造した。(1食分80g)
【0087】
【表12】
原 料 配合比(重量部)
牛乳 68.4
全卵 10
砂糖 10
実施例3の難消化性デキストリン 11.4
フレーバー 少量
【0088】
【食品例6】
表13の配合で全原料を混合し、80℃まで加温して溶解してからホモジナイズ後に24時間エージングし、−40℃に急冷してアイスクリームを製造した。(1食分100g)
【0089】
【表13】
原 料 配合比(重量部)
生クリーム 8.4
バター 4.2
加糖練乳(砂糖44.2%) 19.2
脱脂粉乳 2.3
砂糖 2.5
実験例1の難消化性デキストリン 5
乳化安定剤 0.7
バニラフレーバー 0.1
水 57.6
【0090】
【食品例7】
表14の配合で全原料を混合し、生イチゴをすりつぶしながらホーロー鍋で82℃まで煮つめてイチゴジャムを製造した。(1食分20g)
【0091】
【表14】
原 料 配合比(重量部)
生イチゴ 40
砂糖 30
実施例3の難消化性デキストリン 25
ペクチン 1
クエン酸 0.3
水 3.7
【0092】
【発明の効果】
本発明の食品は、砂糖や澱粉質などの糖質の経口摂取による血糖値ならびにインスリン分泌の上昇を抑制することにより、肥満症の予防、耐糖能障害の予防を行うことができる。また、本発明の砂糖調製品は、肥満症、耐糖能障害の予防作用を有し且つ流動性と保存性が優れ、食品工業用のみならず家庭内でも容易に取扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例3のグルコース負荷試験における血糖値の経時変化を示すグラフである。
【図2】実験例3のグルコース負荷試験におけるインスリン濃度の経時変化を示すグラフである。
【図3】実験例3における、4週間飼育後の空腹時血漿フルクトサミン濃度を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 砂糖粉糖と少なくとも30重量%の難消化性成分を含む難消化性デキストリンを100:10〜100:40の比(重量)で混合し、粉糖粒子の表面を、難消化性デキストリンで被覆して得られ、流動性指数が53.5であることを特徴とする肥満、耐糖能障害を予防する作用を有する砂糖調製品。
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