JP3540991B2 - 形鋼搬送用のマグネット吊具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、形鋼搬送用のマグネット吊具に関する。さらに詳しくは、山形鋼などの形鋼を搬送したり、積み替えたりするためのマグネット吊具に関する。
【0002】
【従来の技術】
成形ラインで成形、冷却した山形鋼は、いったん積み重ねて保管されるが、その後、塗装などの別工程へ移送するため、積み重ね状態の山形鋼を1段づつ取り出して並べ替え、次工程や出荷ステーションへ搬送する。こうした並べ替えや搬送には山形鋼を磁力で吊り上げるマグネット吊具が用いられる。
ところで、山形鋼の積重ね保管状態図11に示すとおりであり、山形鋼aを逆V字状に伏せた状態で、何段かに積み重ね、その積層体を並列に並べる。そして、各列の積み重ね状態が崩れないように、伏せた山形鋼aの数枚(例えば3〜4枚)おきに、V字状に仰向けた山形鋼bを隣り合う積み重ね列の間に入れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、図11に示す山形鋼の積層体は、一つの積層体の中において山形鋼がきれいに積み重ねられず傾斜していたり、隣り合う列間の間隔も広くなったり狭くなったりして、全ての磁着金具が最上層の山形鋼にうまく密着するとは限らない。これを解決するため、磁力を強くすると、最上段の山形鋼のみだけでなく、それより下段の山形鋼まで吸引し、最上層の1段のみを選択して吊り上げることができない。しかし、1段選択できる磁力に弱めると、磁着金具の山形鋼に対するフィット性が悪いときに歯抜け吊りが生じ確実な搬送ができないという問題がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑み、吊具が山形鋼に確実に密着し、積層体の最上層1段のみを確実に選択して搬送できる形鋼搬送用のマグネット吊具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の形鋼搬送用のマグネット吊具は、山形鋼を逆V字状に伏せて積み重ね、この積層体を並列に並べ、かつ各列の山形鋼数枚おきに隣接列の山形鋼の左右の斜面に1枚づつ山形鋼をV字状に仰けて挿入した形鋼複列積層体より、最上層の山形鋼のみを磁着して搬送するマグネット吊具であって、該マグネット吊具は、電磁石を内蔵した吊具本体と、前記吊具本体に設けられた取付部材に並列に並べて取付けられる複数本の磁着金具とからなり、前記複数本の磁着金具が、左右両端に配置された端部磁着金具と、前記左右両端の端部磁着金具間に配置された中間部磁着金具とからなり、前記中間部磁着金具は、下降位置では前記取付部材に形成された横桟で支持され、かつ前記横桟から離れた上昇位置では前記取付部材に揺動自在に保持された自動定置形磁着金具と、下降位置では前記取付部材に形成された横桟で支持され、かつ前記横桟から離れた上昇位置では前記取付部材に自由に移動できるように保持された不定置形磁着金具とからなり、前記自動定置形磁着金具は、該磁着金具の上端部に二等辺三角形のガイド凹部が形成され、該ガイド凹部に前記取付部材に植設されたピンが嵌入されており、前記不定置形磁着金具は、縦長のピース体で構成され、該ピース体の上端の幅は下端の幅より狭い上細テーパ状であり、前記ピース体の背面に前記横桟に係合する係合段差が形成されていることを特徴とする。
請求項2の形鋼搬送用のマグネット吊具は、請求項1記載の発明において、前記自動定置形磁着金具を、該磁着金具の上端部に前記取付部材に向けて突出するピンが植設され、前記取付部材に逆二等辺三角形のガイド凹部が形成され、前記ピンが前記ガイド凹部内に嵌入されたものに代えたことを特徴とする。
請求項3の形鋼搬送用のマグネット吊具は、請求項1または2記載の発明において、前記不定置形磁着金具は複数本用いられており、隣接する不定置形磁着金具の下端同士の間に隙間を与えて取り付けられていることを特徴とする。
請求項4の形鋼搬送用のマグネット吊具は、請求項1または2記載の発明において、前記複数本の磁着金具が、カセットプレートに取付けられており、該カセットプレートが前記吊具本体に対し水平方向にスライドさせて装着離脱自在に取付けられていることを特徴とする。
請求項5の形鋼搬送用のマグネット吊具は、請求項1または2記載の発明において、前記中間部磁着金具が、不定置形磁着金具のみで構成されていることを特徴とする。
請求項6の形鋼搬送用のマグネット吊具は、請求項1または2記載の発明において、前記自動定置形磁着金具と前記不定置形磁着金具を組合わせた前記中間部磁着金具と前記端部磁着金具からなる複数本の磁着金具が、前記吊具本体の表側と裏側に配置されており、前記自動定置形磁着金具の中間部磁着金具内での配置位置が、表側と裏側とで異なっていることを特徴とする。
請求項7の形鋼搬送用のマグネット吊具は、請求項1または2記載の発明において、前記自動定置形磁着金具と前記不定置形磁着金具を組合わせた前記中間部磁着金具と前記端部磁着金具からなる複数本の磁着金具が、前記吊具本体の表側と裏側に配置されており、前記中間部磁着金具の一部の分割位置が、表側と裏側とで異なっていることを特徴とする。
【0006】
請求項1の発明によれば、形鋼複列積層体の積層状態が多少乱雑であっても、山形鋼に接したとき自動定置形磁着金具も不定置形磁着金具も横桟から離れて上昇するので、自動定置形磁着金具は揺動し、不定置形磁着金具は自由に動いて各山形鋼の左右の斜面に合わせて各磁着金具の磁着面が接触することになり、常に安定した磁着力を発揮できる。このため、安全かつ確実に複列積層体の最上層1段の山形鋼のみを選択して搬送できる。そして、形鋼複列積層体上にマグネット吊具を降ろす際、二等辺三角形のガイド凹部がピンで案内されて自動定置形磁着金具が定位置に位置決めされ、自動定置形磁着金具が最上層の山形鋼に接すると、自動定置形磁着金具は、上下左右に自由に動いて直下の山形鋼の左右の斜面に、その磁着面が密着する。また、形鋼複列積層体上にマグネット吊具を降ろしていくと、不定置形磁着金具が最上層の山形鋼に接し、さらにマグネット吊具を降ろすと、不定置形磁着吊具が傾斜することによって、直下の山形鋼の左右の斜面にその磁着面が密着する。そして、マグネット吊具を上昇させると、不定置形磁着吊具の係合段差が取付部材の横桟に係合して、磁着金具の自重と山形鋼を合わせた吊具荷重を支持する。このため、吊上げの各回毎に、磁着金具が定位置において、山形鋼を確実に磁着して最上層の1段を選択して搬送することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様に安全かつ確実に複列積層体の最上層1段の山形鋼のみを選択して搬送できる。そして、形鋼複列積層体上にマグネット吊具を降ろす際、逆二等辺三角形のガイド凹部がピンで案内されて自動定置形磁着金具が定位置に位置決めされ、自動定置形磁着金具が最上層の山形鋼に接すると、自動定置形磁着金具は、上下左右に自由に動いて直下の山形鋼の左右の斜面に、その磁着面が密着する。このため、吊上げの各回毎に、磁着金具が定位置において、山形鋼を確実に磁着して最上層の1段を選択して搬送することができる。
請求項3の発明によれば、複数本の不定置形磁着金具間に横移動を許容する隙間が設けられているので、山形鋼の配列状態に合わせて不定置形磁着金具が横に動いて山形鋼の左右斜面に密着できる。このため、吊上げの各回毎に、磁着金具が正規位置に戻り、山形鋼を確実に磁着して最上層の1段を選択して搬送することができる。
請求項4の発明によれば、カセットプレートをスライドさせて吊具本体に着脱することにより、複数本の磁着金具を吊具本体に一度に取付け取外しできるので、取替え操作が簡単に行える。
請求項5の発明によれば、不定置形磁着金具の横移動によって山形鋼を確実に磁着できるだけでなく、自動定置形磁着金具を用いないことによって、比較的大サイズで少本数の山形鋼に適した吊具を構成することができる。
請求項6の発明によれば、吊具本体の表側の磁着金具列と裏側の磁着金具列とで自動定置形磁着金具の配置位置が異なっているので、一方の磁着金具列での磁着状態が不十分となっても、他方の磁着金具列では磁着状態が良好になる可能性が高くなる。このため、山形鋼の搬送をより確実に行える。
請求項7の発明によれば、吊具本体の表側の磁着金具列と裏側の磁着金具列とで、中間部磁着金具の分割位置が異なっているので、一方の磁着金具列での磁着状態が不十分となっても、他方の磁着金具列では磁着状態が良好になる可能性が高くなる。このため、山形鋼の搬送をより確実に行える。
【0007】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るマグネット吊具の正面図、図2は図1のII線で示す同マグネット吊具の側面断面図、図3は図1のIII 線で示す同マグネット吊具の側面断面図、図4は(a) は自動定置形磁着金具8の正面図、(b) は(a) 図のb線断面図、(c) は不定置形磁着金具9の正面図、(d) は(c) 図のd線断面図、図5は中間部磁着金具8,9の配置状態を示す正面図、図6は本発明のマグネット吊具による磁着状態の説明図、図7は中間部磁着金具8,9の配置例の説明図、図8は中間部磁着金具8,9の配置例の説明図、図9は中間部磁着金具8,9の配置例の説明図、図10は中間部磁着金具8,9の配置例の説明図、図11は形鋼複列積層体の説明図である。
【0008】
図1〜3において、1は吊具本体であり、天板1aと、その下面に取付けた2枚の内側板1bと、この2枚の側板1bの外側面に取付けた2枚の外側板1cを有している。2枚の外側板1cの内側であって、2枚の内側板1bの下側には、2枚の外極2aが固定され、この外極2aの上端部間に連結された内極2bにコイル3が巻き付けられて、電磁石が構成されている。なお、図2において、左側を吊具の表側とし、右側を裏側という。
【0009】
前記2枚の、すなわち裏表の外側板1cの下端部と中間部には、横方向に延びる下桟4a、と上桟4bが取付けられており、この下桟4aと上桟4bの間にカセットプレート5がスライド自在に挿入されている。このカセットプレート5は、裏プレート5aと表プレート5bからなり、両者の間には後述する各種磁着金具を挿入できる隙間をあけて、互いに固定されている。裏プレート5aの表面側であって、下端部には横桟5cが形成され、磁着金具とそれが吊り上げた山形鋼の重量を支えるようになっている。
なお、カセットプレート5の一端には、ハンドル5dが取付けられ、人手による出し入れが容易に行えるようになっている。
【0010】
前記磁着金具は複数本が用いられており、左右の端部磁着金具6,7と中間部磁着金具8,9からなる。中間部磁着金具8,9の構成と本数は任意であるが、本発明では、複数の自動定置形磁着金具8と複数の不定置形磁着金具9が組合わされている。
前記端部磁着金具6,7は、昇降シリンダ10で昇降可能となっており、磁着作業位置に降下しているときは、他の中間部磁着金具8,9と共に山形鋼を吊り上げるが、上方の非作業位置に退避しているときは、山形鋼に磁着力を及ぼさないようになっている。
【0011】
前記自動定置形磁着金具8を図2および図4〜5に基づき説明する。この自動定置形磁着金具8はピース体81と、その上端に固定した結合金具82とからなる。前記ピース体81の下端は、隣接する右端磁着金具6の磁着面6aと対をなす磁着面8aのほか、1本の山形鋼aを磁着するための磁着面8aも形成されている。結合金具82は側面視逆L字状の肉厚部材であり、その下端面がピース体81の背面において係合段差8bとなっている。この係合段差8bがカセットプレート5の横桟5c上に乗って、自動定置形磁着金具8が支持されている。
また、前記ピース体81の上端部には二等辺三角形のガイド穴83が形成されている。このガイド穴83は特許請求の範囲にいうガイド凹部に相当する。前記ガイド穴83にはカセットプレート5に植設されたピン84が通されている。そして、通常は、ピン84がガイド穴83の頂点よりやや下方に位置している。山形鋼を吊下げる際には、いったん山形鋼の上面に自動定置形磁着金具8の磁着面8aを載せると自動定置形磁着金具8はせり上がり、ピン84とガイド穴83の内壁間に隙間ができ、自動定置形磁着金具8は左右に揺動する。しかし、マグネット吊具を上昇させると自動定置形磁着金具8は下降し、このときガイド穴83の二等辺の側面がピン84に接してガイドし、自動定置形磁着金具8は再び元の定位置に復帰する。
そして、山形鋼を吊り上げる際、自動定置形磁着金具8は横桟5cで支持され、ピン84には荷重が作用しない。このため、山形鋼の重量が重くても安全に搬送することができる。
【0012】
前記不定置形磁着金具9を図3および図4〜5に基づき説明する。この不定置形磁着金具9は、ピース体91と、その上端に固定した結合金具92とからなる。ピース体91の下端には、山形鋼を磁着するための磁着面9aが形成されている。結合金具92は側面視逆L字状の肉厚部材であり、その下端面がピース体91の背面において係合段差9bとなっている。この係合段差9bがカセットプレート5の横桟5c上を滑ることにより若干の横移動が可能となっている。
このピース体91は、下端の幅w1よりも上端の幅w2が少し狭くなった上細テーパ状である。また、複数枚設けられた不定置形磁着金具9は隣接する不定置形磁着金具9との間に若干の隙間dが生ずるようにカセットプレート5に挿入されている。
このため、不定置形磁着金具9は山形鋼に磁着する際、若干傾斜したり横移動することによって、きちんと整列されていない山形鋼の列に対しても必ず密着するようになっている。
そして、山形鋼を吊り上げる際、不定置形磁着金具9は横桟5cで支持されるので、山形鋼の重量が重くても安全に搬送することができる。
【0013】
ところで、山形鋼にもサイズが大小種々あり、小サイズの場合、1段当りの本数が多くなるので、これを吊り上げるための磁着金具8,9も本数が増える。本実施形態の吊具では各磁着金具8,9間に隙間を設けるので、全てが吊具の片側に移動してしまうと、その合計量がかなり多くなる。その結果、磁着金具8,9の山/谷と、吊上げ対象の山形鋼の山/谷がズレてしまうことがある。そこでこの問題を防止するため、各吊上り動作毎に、ガイド穴83で自動定置形磁着金具8を定位置へ戻し、また動きを横動型磁着金具9へ伝え、全ての中間部磁着金具8,9を定位置へ戻すようにしているのである。
【0014】
図1に示す磁着金具列は図2および図3の左側、すなわち表側のものであるが、同様の構成の磁着金具列が裏側、すなわち図2および図3の右側にも設けられている。
そして、表側の左右の端部磁着金具6,7および裏側の左右の端部磁着金具6,7は、いずれも昇降シリンダ10で昇降自在となっている。また、この昇降シリンダ10は伸長、縮小両動作とも空圧動作が可能であるので、端部磁着金具6,7の引き上げだけでなく、下降動作にも強制動作可能である。よって、非作業位置への退避動作も、山形鋼への押し付けも可能である。
【0015】
前記カセットプレート5は、吊具本体1の下桟4aと上桟4bでスライド自在にガイドされているので、全ての磁着金具6,7,8,9はカセットプレート5に挿入して一括して取り扱うことができる。このため、メンテナンス等のための出し入れが容易に行え、また搬送する山形鋼の大きさや本数に応じた磁着金具を挿入したカセットプレート5を予め数種類用意しておき、現場でカセットプレート5を差し替えることにより、搬送対象に応じた磁着金具の交換を簡単にすることができる。
【0016】
図6は形鋼複列積層体の最上層の逆V字状に伏せた山形鋼aを搬送する要領を示している。この場合、左右両端の右端磁着金具6と左端磁着金具7を他の中間部磁着金具8,9と同じ磁着作業位置にしておけば、同じ層の全ての山形鋼aの左右両斜面を同時磁着できるので、確実に磁着して複数本の山形鋼aを安全に搬送することができる。また、右端磁着金具6と左端磁着金具7を昇降シリンダ10で引き上げて、非作業位置にしておけば、下層の山形鋼aを不完全に磁着することなくV字状に仰向けた山形鋼bのみを磁着して搬送することができる。
そして、複列積層体の最上層1段の山形鋼を吊り上げて地切りした後は、電磁石を強磁するので、搬送中に山形鋼が落下することはない。そして、地切り後に磁力を強くしても、次段の山形鋼との間にはすでに距離があるので吸着したり積み重ね状態を乱すような不都合が生じない。
【0017】
本発明における中間部磁着金具8,9の配置列を図7〜図10に基づき説明する。図7〜10において左は表側を右は裏側を示している。
図7は、不定置形磁着金具9を片側で5本用いた例である。このように5本以上用いてもよく、4本以下を用いてもよい。
図8は不定置形磁着金具9として磁着面が山形鋼の左右斜面を磁着するタイプ9Xと片側斜面のみ磁着するタイプ9Yとを組み合わせた例である。
図9は自動定置形磁着金具8の配置場所を表側と裏側とで入れ替えた例である。このようにすると、山形鋼の整列状態に乱れがあっても、いずれかの磁着金具8,8が山形鋼の表面に密着しやすいので、安全に搬送できる。
図10の(A) は片側において、自動定置形磁着金具8と不定置形磁着金具9が各一対の例、(B) は不定置形磁着金具9が一対の例、(C) は不定置形磁着金具9が端部磁着金具6,7とセットで1本の山形鋼の磁着面を構成する例である。
以上のように、中間部磁着金具8,9は種々の組合せを採用することができる。
【0018】
また、図9および図10(A) のように、表側と裏側とで中間部磁着金具の分割位置が異なっていれば、一方の磁着金具列での磁着状態が不十分となっても、他方の磁着金具列では磁着状態が良好になる可能性が高くなる。このため、山形鋼の搬送をより確実に行える。
【0019】
つぎに、本発明の他の実施形態を説明する。
前記中間部磁着金具8,9は二種類複数本用いたが、いずれか一種の磁着金具のみでもよく、さらに複数本に限らず1本であってもよい。磁着金具列を吊具本体1の表側と裏側に取付けたが、表側または裏側の一方のみであってもよい。
磁着金具列の吊具本体1への取付けは、カセットプレート5を用いて間接的に取付けてもよく、吊具本体1の側面に直接取付けてもよい。特許請求の範囲にいう取付部材とは、前記カセットプレート5と吊具本体1の側面の両方を含む概念である。
前記実施形態では、自動定置形磁着金具8のガイド凹部として、ガイド穴83を用いたが、この代わりに、ガイド穴83の表面側を塞ぎ、裏面側のみピン84が嵌るような凹所をガイド部材をしてもよい。また、自動定置形磁着金具8側にピンを植設し、カセットプレート5側にガイド凹部を形成してもよい。
前記実施形態では、自動定置形磁着金具8にガイド穴83を形成し、カセットプレート5にピン84を植設したが、これを反対にし、自動定置形磁着金具8の上端部にピン84を植設してカセットプレート5側に突出させ、カセットプレート5に逆二等辺三角形のガイド穴を形成してもよい。この場合でも、自動定置形磁着金具8が下降する際に自動的に元の定位置に復帰することができる。
【0020】
【発明の効果】
請求項1の形鋼搬送用のマグネット吊具によれば、各山形鋼の左右の斜面に合わせて各磁着金具の磁着面が接触することになり、常に安定した磁着力を発揮できる。このため、最上層の1段の山形鋼のみを選択して山形鋼を搬送できる。そして、自動定置形磁着金具は上下左右に自由に動いて直下の山形鋼の左右の斜面に、その磁着面が密着する。また、不定置形磁着金具が傾斜することによって、直下の山形鋼の左右の斜面にその磁着面が密着するので、最上層の1段の山形鋼のみを選択して安定して搬送することができる。
請求項2の形鋼搬送用のマグネット吊具によれば、自動定置形磁着金具は上下左右に自由に動いて直下の山形鋼の左右の斜面に、その磁着面が密着するので、最上層の1段の山形鋼のみを選択して安定して搬送することができる。
請求項3の形鋼搬送用のマグネット吊具によれば、山形鋼の配列状態に合わせて不定置形磁着金具が横に動いて山形鋼の左右斜面に密着でき、最上層の1段の山形鋼のみを選択して搬送することができる。
請求項4の形鋼搬送用のマグネット吊具によれば、カセットプレートをスライドさせて吊具本体に着脱することにより、複数本の磁着金具を吊具本体に一度に取付け取外しできるので、取替え操作が簡単に行える。
請求項5の形鋼搬送用のマグネット吊具によれば、不定置形磁着金具の横移動によって山形鋼を確実に磁着できるだけでなく、自動定置形磁着金具を用いないことによって、小本数の山形鋼を搬送するのに適した吊具を構成することができる。
請求項6の形鋼搬送用のマグネット吊具によれば、山形鋼の配置状態が乱雑であって、一方の磁着金具列での磁着状態が不十分となっても、他方の磁着金具列では磁着状態が良好になる可能性が高くなる。このため、山形鋼の搬送をより確実に行える。
請求項7の発明によれば、中間部磁着金具の分割位置が異なっているので、一方の磁着金具列での磁着状態が不十分となっても、他方の磁着金具列では磁着状態が良好になる可能性が高くなる。このため、山形鋼の搬送をより確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るマグネット吊具の正面図である。
【図2】図1のII線で示す同マグネット吊具の側面断面図である。
【図3】図1のIII 線で示す同マグネット吊具の側面断面図である。
【図4】(a) は自動定置形磁着金具8の正面図、(b) は(a) 図のb線断面図、(c) は不定置形磁着金具9の正面図、(d) は(c) 図のd線断面図である。
【図5】中間部磁着金具8,9の配置状態を示す正面図である。
【図6】本発明のマグネット吊具による磁着状態の説明図である。
【図7】中間部磁着金具8,9の配置例の説明図である。
【図8】中間部磁着金具8,9の配置例の説明図である。
【図9】中間部磁着金具8,9の配置例の説明図である。
【図10】中間部磁着金具8,9の配置例の説明図である。
【図11】形鋼複列積層体の説明図である。
【符号の説明】
1 吊具本体
5 カセットプレート
8 自動定置形磁着金具
9 不定置形磁着金具
Claims (7)
- 山形鋼を逆V字状に伏せて積み重ね、この積層体を並列に並べ、かつ各列の山形鋼数枚おきに隣接列の山形鋼の左右の斜面に1枚づつ山形鋼をV字状に仰けて挿入した形鋼複列積層体より、最上層の山形鋼のみを磁着して搬送するマグネット吊具であって、
該マグネット吊具は、電磁石を内蔵した吊具本体と、前記吊具本体に設けられた取付部材に並列に並べて取付けられる複数本の磁着金具とからなり、
前記複数本の磁着金具が、左右両端に配置された端部磁着金具と、前記左右両端の端部磁着金具間に配置された中間部磁着金具とからなり、
前記中間部磁着金具は、
下降位置では前記取付部材に形成された横桟で支持され、かつ前記横桟から離れた上昇位置では前記取付部材に揺動自在に保持された自動定置形磁着金具と、
下降位置では前記取付部材に形成された横桟で支持され、かつ前記横桟から離れた上昇位置では前記取付部材に自由に移動できるように保持された不定置形磁着金具とからなり、
前記自動定置形磁着金具は、該磁着金具の上端部に二等辺三角形のガイド凹部が形成され、該ガイド凹部に前記取付部材に植設されたピンが嵌入されており、
前記不定置形磁着金具は、縦長のピース体で構成され、該ピース体の上端の幅は下端の幅より狭い上細テーパ状であり、前記ピース体の背面に前記横桟に係合する係合段差が形成されている
ことを特徴とする形鋼搬送用のマグネット吊具。 - 前記自動定置形磁着金具を、該磁着金具の上端部に前記取付部材に向けて突出するピンが植設され、前記取付部材に逆二等辺三角形のガイド凹部が形成され、前記ピンが前記ガイド凹部内に嵌入されたものに代えた
ことを特徴とする請求項1記載の形鋼搬送用のマグネット吊具。 - 前記不定置形磁着金具は複数本用いられており、隣接する不定置形磁着金具の下端同士の間に隙間を与えて取り付けられている
ことを特徴とする請求項1または2記載の形鋼搬送用のマグネット吊具。 - 前記複数本の磁着金具が、カセットプレートに取付けられており、該カセットプレートが前記吊具本体に対し水平方向にスライドさせて装着離脱自在に取付けられている
ことを特徴とする請求項1または2記載の形鋼搬送用のマグネット吊具。 - 前記中間部磁着金具が、不定置形磁着金具のみで構成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の形鋼搬送用のマグネット吊具。 - 前記自動定置形磁着金具と前記不定置形磁着金具を組合わせた前記中間部磁着金具と前記端部磁着金具からなる複数本の磁着金具が、前記吊具本体の表側と裏側に配置されており、
前記自動定置形磁着金具の中間部磁着金具内での配置位置が、表側と裏側とで異なっている
ことを特徴とする請求項1または2記載の形鋼搬送用のマグネット吊具。 - 前記自動定置形磁着金具と前記不定置形磁着金具を組合わせた前記中間部磁着金具と前記端部磁着金具からなる複数本の磁着金具が、前記吊具本体の表側と裏側に配置されており、
前記中間部磁着金具の一部の分割位置が、表側と裏側とで異なっている
ことを特徴とする請求項1または2記載の形鋼搬送用のマグネット吊具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000250895A JP3540991B2 (ja) | 2000-08-22 | 2000-08-22 | 形鋼搬送用のマグネット吊具 |
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