JP3540864B2 - 微細バンプの形成方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は実装基板上にICチップ等を接続するための微細バンプを形成する方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
ICチップ等の電子部品と実装基板の接続は、従来、チップを端子に持つパッケージに封止しその端子と基板を半田付けすることで行われていた。しかしながら、パッケージ化することにより実装部品の面積はチップに比べ大きなものになってしまう。近年の著しい実装部品の小型化の要求に伴い、パッケージ封止することなくチップを基板電極に直接接続する方法が提案されている。
【0003】
チップ側の電極部にAu等の高融点金属を配置し、基板電極に半田等の低融点合金あるいは金属よりなる微細なバンプを形成してこれらを接合すれば、極めて狭ピッチでチップの基板電極への実装が可能となる。実際、半導体装置の修復作業性を向上するために、異種または異形のバンプよりなるこのような接合の一つが特開平4−225542号公報で提案されている。
【0004】
上記接合に供するには、基板上の狭ピッチで微細な電極部に半田を供給する必要がある。その方法としては、従来からあるスクリーン印刷等では0.3mmピッチが限界であり、チップ電極が0.3mm未満の狭ピッチになると対応することができない。狭ピッチの基板電極への半田の供給法としてはメッキを利用する方法、半田ワイヤの先端を溶融球状化し電極に接合・切断するスタッドバンプ法等がある。特開平5−259224号公報等では微細ボールを一括配列・接合する方法が開示されている。この方法は、複雑で多数の処理工程を必要とするメッキを利用する方法や、電極一つ一つにバンプを形成していくスタッドバンプ法に比較して生産性が極めて高い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の微細ボールを一括配列・接合する方法で、半田等の低融点合金や金属を用いて基板電極上にバンプを形成するには、電極基板上にボールを配列後、溶融してバンプと電極との接合をとらなければならない。この溶融工程はバンプを配列した基板を炉に搬送して行われるのが一般的である。しかしながら、配列したバンプと基板電極の固定が十分にできないと、搬送時あるいは溶融時にボールが電極から脱落してしまうという問題があった。
本発明は、他の方法に較べ生産性の高いボールバンプ法で基板に微細なバンプを形成する際、ボールを基板から脱落させることなくバンプを形成する方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の問題点を解決するために、以下の手段を用いて基板電極部に微細なバンプを形成することを特徴とする。すなわち、
(1) 低融点合金または金属よりなる微細ボールを基板電極に一括配列し、前記配列した微細ボールをその融点未満の温度で加熱しつつ加圧し基板電極上に固定、さらに固定した微細ボールをその融点以上の温度で加熱溶融して微細バンプを形成する。
(2) 低融点合金または金属よりなる微細ボールを上方より吸引吸着法によって支持基材に保持しつつ基板電極に一括配列し、この微細ボールをボールとは濡れない加圧用基材で上方より加圧しつつその融点以上に加熱し溶融し、加圧用基材が基板に接触する前に加圧用基材を退避させて基板電極上へ微細バンプを形成する。
(3) 低融点合金または金属よりなる微細ボールを基板電極に一括配列し、この微細ボールをボールとは濡れず基板との接触防止構造を持つ加圧用基材で加圧しつつその融点以上に加熱し溶融し基板電極上へ微細バンプを形成する。
(4) 前記(1)乃至(3)の何れかにおいて、配列したボールを固定あるいは溶融する際に微細ボールに対して超音波あるいは微小振動を印加して微細バンプを形成する。
【0007】
【作用】
本発明では低融点合金または金属よりなる微細なボールを、電極部と同じピッチで支持基材で保持し、そのボール群と基板電極を位置合わせして、それらを基板電極部に一括配列転写する。支持基材への保持方法としては、例えば特開平5−259224号公報で開示されているように孔の開いた支持基材に吸引吸着する方法がある。微細なボールを基板電極部に配列する際に、その融点以下で加熱しつつ加圧しボールと電極部の間に合金層を形成して十分に固定する。さらに、この固定したボールをその融点以上で加熱溶融し接続用バンプを形成する。加熱溶融は基板を炉に搬送して実行しても良いし、配列装置上で実行しても良い。ボールと電極が十分に固定されているので、搬送あるいは溶融中にボールが電極部から脱落することはない。
【0008】
微細なボールを基板電極部に配列する際に、加圧基材を用いてその融点以上で加熱しつつ加圧し配列に連続して接続用バンプを形成することもできる。この時、加圧基材でボールを押さえつけているためボールの脱落はない。また連続工程化することで生産性も上がる。加圧基材で連続的に溶融する際はボールが溶け液状化するため、加圧基材が基板に接触する前に加圧基材を退避させるように工程を制御する。加圧基材に基板との接触防止構造を形成しておけば、この工程制御が簡易になりさらに生産性が向上する。加圧基材には付着防止のため、使用するボールとは濡れ性の悪い材質を使用する。例えば半田の場合には、酸化物(ガラス、アルミナ等)、窒化物(窒化硼素、窒化珪素等)、炭化物(炭化珪素等)、耐熱性プラスチック等が使用できる。
【0009】
電極基板上の酸化物等を除去し合金化を促進するため、電極部あるいは電極部を含む基板表面にはボールの配列前や配列する際にフラックスを塗布しても良い。フラックスは加熱時に加圧基材から注入することもできる。
【0010】
ボールの固定時あるいは溶融時に加熱するとともに、超音波や微小振動を印加すると、ボールと基板電極が合金化を促進するためより低い温度での固定や溶融が可能となりバンプ形成工程が容易になる。
【0011】
バンプを形成する基板としてはセラミックス、ガラス、ガラスエポキシ基板、フレキシブルプリント基板等が使用できる。また、ボールの材質としては種々の組成の半田ボールや融点が400℃以下の、いわゆる、低融点合金あるいは金属が使用できる。さらに、加熱は大気中のみならず窒素雰囲気や水素を用いた還元性雰囲気等でも実行できる。
以上説明したように本発明の方法によれば、生産性の高いボールバンプ法を用いて基板上の狭ピッチ電極に微細な低融点合金あるいは金属よりなるバンプを確実に形成できる。
【0012】
【実施例】
本発明を図に示す実施例に基づいて説明する。
【0013】
図1のa)図に示すように直径70μmの共晶半田(Sn:96.5wt%−Ag:3.5wt%、融点221℃)ボール1を支持基材4を用いて吸引吸着してセラミックス基板3のところまで搬送する。次にb)図に示すように基板3の140μmピッチの電極部2に半田ボールを一括配列する。ここで、あらかじめ基板上には20μmの厚みでフラックスを塗布してある。その後、c)図に示すように加圧基材5にて共晶半田の融点より低い温度の200℃にて加熱しながら加圧しボールを電極部に固定する。この時、支持基材4が加圧基材5を兼ねても良い。加圧基材除去後、ボールはつぶれて固定されており、d)図のようになる。加圧基材を退避させ、共晶半田の融点よりも高い温度の240℃にて加熱するとe)図に示すように基板電極に半田ボールが溶融接合しバンプ6が形成できる。ボールの固定時に超音波や微小振動を印加すると、ボールと基板電極の合金化を促進するため上記より固定時の温度を30℃以上低く設定できる。
【0014】
図2に、本発明の他の実施例を説明する。a)図に示すように、直径40μmの共晶半田(Sn:60wt%−Pb:40wt%、融点188℃)をガラス基板2のピッチ90μmの電極3の上に一括配列する。加圧基材5にて、b)図のように半田の融点以上の温度190℃にて加圧しつつ溶融し、電極上に溶融接合するとc)図に示す半田バンプ6が形成できる。ここで、加熱しながら加圧するとボールがつぶれ加圧基材が基板に接触してしまう恐れがある。図2の場合は接触する前に加圧基材を退避させており、加圧時間は3秒であった。
この加圧時間は加熱温度と加圧力に依存し、高温・高圧ほど短くなる。加圧基材の基板への接触を回避するには、接触防止構造を持つ加圧基板を使用しても良い。図3にそのような防止構造の一例(表面に凸状の構造8を持つ加圧基材7の断面図)を示す。凸状構造8は加圧基材の中心部分にあっても良い。接触防止構造を付加した加圧基剤を使用すると、加圧時間を高温・高圧においても長く設定でき生産工程がより簡易になる。
【0015】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、基板に一括配列した低融点合金あるいは金属の微細ボールの電極部からの脱落を防ぎ、基板電極パッドに確実に微細バンプを形成できる。このようなバンプ付き基板を使用すれば、面積の極めて小さな電子部品を高い生産性で実装できる
【図面の簡単な説明】
【図1】a),b),c),d),e)図は本発明の実施例を示すバンプの形成工程。
【図2】a),b),c)図は本発明の他の実施例を示すバンプの形成工程。
【図3】本発明の加圧基材の一例を用いたバンプの取付説明図。
【符号の説明】
1 微細ボール
2 基板の電極部
3 基板
4 支持基板
5 加圧基材
6 バンプ
7 接触防止構造の付いた加圧基材
Claims (4)
- 低融点合金または金属よりなる微細ボールを基板電極に一括配列する工程、前記配列した微細ボールをその融点未満の温度で加熱しつつ加圧し基板電極上に固定する工程、および固定した微細ボールをその融点以上の温度で加熱溶融する工程より構成されることを特徴とする基板電極上への低融点合金または金属よりなる微細バンプの形成方法。
- 低融点合金または金属よりなる微細ボールを上方より吸引吸着法によって支持基材に保持しつつ基板電極に一括配列する工程、および前記配列した微細ボールをボールとは濡れない加圧用基材で上方より加圧しつつその融点以上に加熱し溶融する工程、加圧用基材が基板に接触する前に加圧用基材を退避させる工程より構成されることを特徴とする基板電極上への低融点合金または金属よりなる微細バンプの形成方法。
- 低融点合金または金属よりなる微細ボールを基板電極に一括配列する工程、および前記配列した微細ボールをボールとは濡れず基板との接触防止構造を持つ加圧用基材で加圧しつつその融点以上に加熱し溶融する工程より構成されることを特徴とする基板電極上への低融点合金または金属よりなる微細バンプの形成方法。
- 配列したボールを固定あるいは溶融する際に微細ボールに対して超音波あるいは微小振動を印加することを特徴とする請求項1、2、3の何れかに記載の基板電極上への低融点合金または金属よりなる微細バンプの形成方法。
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JP10420495A JP3540864B2 (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | 微細バンプの形成方法 |
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