JP3540838B2 - ジェットグラウトの余剰スライム処理方法及び装置 - Google Patents

ジェットグラウトの余剰スライム処理方法及び装置 Download PDF

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三信建設工業株式会社
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
開示技術は、軟弱地盤改良等に用いるジェットグラウトの施工によって地上に上昇する余剰スライムの廃棄処理、及び、次のジェットグラウトに有効再使用する処理技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
周知の如く、国土が狭隘で山岳林野部が多く、しかも、複雑に入り組んだ海岸線に接近していることにより、平野部が限られている地勢条件の我が国にあっては、当該平野部の狭隘さの故に農耕牧畜は勿論、各種産業施設や住宅等に有効利用し得る土地は極めて限られている。したがって、土地の活用、並びに、改良は極めて重大な問題である。そのため、旧来よりさまざまな有効利用技術,改良技術が研究開発され、多くの技術が実用化され、未だ猶開発が続いている。
【0003】
特に、遠浅海岸,河川,湖沼の流域等に於ける軟弱地盤等の改良は旧くはサンドドレーン工法やケミコパイル工法等さまざまな優良技術が実用に供されて広く用いられてきている。
【0004】
而して、近時セメントミルク等のグラウトを当該地盤中に噴射注入して地盤内土壌と経時的に凝固固化させ、改良領域を形成する所謂ジェットグラウト工法が極めて有力な地盤改良技術としてさまざまな開発,研究のもとに多くの建設工事に用いられている。
【0005】
上記ジェットグラウト工法を実施する際には、まず、図3に示す様に、当該軟弱地盤1の所定部位に重機2を搬入セットし、その台車3に立設したリーダー4にスイーベルジョイント5を介しロッド6を立設させて回転掘削作用を与える。そして、そのリフトアッププロセスにてロッド6の先端部に設けたノズル7より所定のグラウト8を噴射し地盤内を切削すると共に、地山土壌と混合攪拌させて改良域9を形成するようにする。グラウト噴射プロセスにあってはロッド6と削孔10の間のリング状間隙より余剰スライム11がリフトアップされ、ピット12から処理プラント13にポンプ14を介して収納される。続いて、当該余剰スライム11に対して固化剤等を混入ダンプトラック15により適宜の埋設処理等の廃棄処理場等に輸送して廃棄をするようにされていた。
【0006】
ところで、市民生活の向上に伴い、各種産業の活動規模も大きくなり、所謂コンビナート等巨大プロジェクトによる大規模開発等の点から地盤改良領域も著しく大規模になり、その限り、上述ジェットグラウトの施工量も多くなる。そのため、余剰スライムも排出量が増大してその処理は所謂産業廃棄物処理問題となって公害問題や環境問題に大きな影響を与えるようになってきている。
【0007】
このことは余剰スライムの施工時間当たりの処理量が増大することになり、当然のことながら、焼却処理場や埋立て処分場等も大容量のものが求められることとなる。また、ダンプトラック15の1車輌当たりの輸送量も限度があることから、ピストン輸送が必要とされ、その結果、車輌台数の増加を招き、交通問題等の社会問題を生じさせている。さらに、処理コストの増大に伴う経済的デメリットが単に企業側にとっての難点ばかりでなく、社会的に大きなマイナス点になっているという問題がある。
【0008】
一方、グラウトにあっては固化剤として改良剤としてのセメント等の改良施工に伴う大量消費は当然のことながら、施工コストの増大につながるのみならず、省資源の点からも見過すことの出来ない難点となっている。これに対処するに、例えば、特公平5−65650号公報発明に見られる如く、余剰スライムについてリサイクルシステムに組み込むことも提案されている。
【0009】
しかしながら、かかるリサイクル技術にあっては余剰スライム中の活性セメントについてその検出がサンプリング的であって正確なデータとして施工にフイードバックするような有効技術は現在のところ実現不可能であるという欠点があった。
【0010】
尚、建設工事にあって改良材の処理技術については、例えば、特開昭60−59299号公報発明等にも開示されてはいるが、広く現用されているジェットグラウト工法には有効に利用出来ないきらいがあった。
【0011】
そして、余剰スライム中には相当量のセメントが混在しているために、処理プラント13にあってダンプトラック15に対する積み込みに時間がかかり、余剰スライム発生から積み込みまでの間に存在しているセメントが固化し、当該プラント13の連続運転が出来難くなるという難点もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術の問題点に鑑み、この出願の発明の目的は、上述在来技術に基づく旧来の地盤改良技術にあってさまざまな利点を有する優れたジェットグラウト工法の余剰スライムの廃棄処分、及び、再利用の妨げとなっている問題点を解決すべき技術的課題とし、該余剰スライム中に存在している微量な活性セメントの有効再利用を確実に図れるようにすると共に焼却や廃棄処分も連続的に低コストで公害問題なく、又、環境問題にも充分対処出来るようにして建設産業における土木技術利用分野に益する優れたジェットグラウトの余剰スライムの処理方法、及び、該処理方法に直接使用する装置を提供せんとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記目的を達成するために本発明に係る方法は、改良地盤に形成した削孔内に挿入したジェットグラウト削孔装置のロッドを回転して揚昇するプロセスで、該ロッドのノズルより地盤中に噴射注入するグラウトの余剰スライムを地上にて搬出し有効再利用に供する処理方法であって、
上記余剰スライムを、スラリー分とスラッジ分に一次分離し、
上記スラリー分について凝集剤を添加して、スラッジ分と水分に二次分離し、
その後上記水分は、ジェットグラウト水として再利用し、
上記スラッジ分は、ジェットグラウト骨材として再利用するか廃棄処理するかに選択的に分けるようになっている。
【0014】
(2) 上記(1)記載の方法において、好ましくは、ジェットグラウト骨材として再利用されることとなる上記スラッジ分について、含水比および比重の少なくとも何れか一方を測定する。
【0015】
(3) 上記(1)又は(2)記載の方法において、好ましくは、上記スラッジ分と上記水分とを、パイプ輸送するようにする。
【0016】
(4) 上記(3)記載の方法において、好ましくは、
上記スラッジ分については、上記ジェットグラウト削孔装置の側、または上記廃棄処理するための廃棄プラントの側へ、選択的にパイプ輸送されるようになっており、
上記水分については、上記ジェットグラウト削孔装置の側へ再利用裡にパイプ輸送されるようになっている。
【0017】
(5) 上記(4)記載の方法において、好ましくは、上記スラッジ分のパイプ輸送、および上記水分のパイプ輸送の少なくとも何れか一方は、流量をコントロールしながら行われるようになっている。
【0018】
(6) 上記(1)乃至(5)の何れかに記載の方法において、好ましくは、廃棄処理されることとなる上記スラッジ分に対しては、上記二次分離工程の後において、当該スラッジの経時的固化を図るための固化剤が供給されるようになっている。
【0019】
(7) 上記(1)乃至(6)の何れかに記載の方法において、好ましくは、上記余剰スライムを、上記一次分離前に、貯留状態にて沈降処理させるようにする。
【0020】
(8) また、上記目的を達成するために、本発明に係る装置は、改良地盤に形成した削孔内に挿入したジェットグラウト削孔装置のロッドを回転して揚昇するプロセスで、該ロッドのノズルより地盤中に噴射注入するグラウトの余剰スライムを地上にて搬出し有効再利用に供する処理装置であって、
上記余剰スライムを、スラリー分とスラッジ分に一次分離するための一次分離装置と、
上記スラリー分について凝集剤を添加して、スラッジ分と水分に二次分離するための二次分離装置と、を有しており、
上記水分は、上記ジェットグラウト削孔装置の側においてジェットグラウト水として再利用され、
上記スラッジ分は、上記ジェットグラウト削孔装置の側においてジェットグラウト骨材として再利用するか、廃棄処理するかに選択的に分けるようにされている。
【0021】
(9) 上記(8)記載の装置において、好ましくは、上記一次分離装置は、上記余剰スライムをスラリー分とスラッジ分に分離するためのサイクロンと振動篩とを有している。
【0022】
(10) 上記(8)又は(9)記載の装置は、好ましくは、さらに、
上記ジェットグラウト削孔装置のピットに接続されているとともに、上記一次分離装置に接続されており、当該ジェットグラウト削孔装置のピットからの余剰スライムを一時的に貯留するためのスラリー源槽と、
上記二次分離装置に接続されており、上記ジェットグラウト削孔装置の側においてジェットグラウト水として再利用されることとなる上記水分を貯留するための水槽と、
上記二次分離装置に接続されており、選択的に上記ジェットグラウト削孔装置の側にお ける再利用または廃棄プラントにおける廃棄処理に供されることとなる上記スラッジ分を貯留するためのスラッジ槽と、を有する。
【0023】
(11) 上記(8)乃至(10)の何れかに記載の装置は、好ましくは、さらに、廃棄処理される上記スラッジ分に対して混入されることとなる固化剤を貯留するための固化剤タンクを有している。
【0024】
(12) 上記(8)乃至(11)の何れかに記載の装置には、好ましくは、さらに、ジェットグラウト骨材として再利用されることとなる上記スラッジ分の含水比を測定するための含水比測定装置、および当該スラッジ分の比重を測定するための比重測定装置の少なくとも何れか一方が設けられている。
【0025】
(13) 上記(8)乃至(12)の何れかに記載の装置において、好ましくは、上記二次分離装置に傾斜角度調整装置が配設されている。
【0026】
(14) 上記(8)乃至(13)の何れかに記載の装置において、好ましくは、上記二次分離装置にメッシュコンベヤが配設されている。
【0027】
【実施例】
以下、図3を適宜参照しながら、図1及び図2に基づいて、本発明の一実施例について詳細に説明する。図1は、本発明に係るジェットグラウトの余剰スライム処理装置の概略を示す側面図である。図2は、図1に示す装置の上面図である。
【0028】
1に示す態様において、符号16はこの出願の発明の1つの要旨を成すジェットグラウトの余剰スライム処理装置であって、プラント的態様を示しているものである。なお、図1にあって全ての機構部施設が地上にあるものではなく、単に図示の都合上示されているに過ぎず、地上、及び、地下に於て各種機構部の設置が可能であることに留意されたい。
【0029】
余剰スライム処理装置16は、図3に示すジェットグラウト削孔装置17の近傍に設置されて、当該ジェットグラウト削孔装置17に対してホースやパイプにより接続されているとともに、制御のためにケーブル等で所定に接続されているものである。上記余剰スライム11のプール式のスラリー源槽18はポンプ14を介し、ジェットグラウト削孔装置17の側のピット12に接続されている(図1及び図3参照)
【0030】
余剰スライム処理装置16には、サイクロン21と共に一次分離装置を成す振動篩22が設けられている。このサイクロン21には、ポンプ19及びパイプ(ホース)20を介して上記スラリー源槽18が接続されており、当該スラリー源槽18から余剰スライム11が供給されるようになっている。上記振動篩22の篩上分に対しては、ベルトコンベヤ23(図2参照)が設けられて次述するダンプトラック15に搬出するようにされており、又、篩下分に対してはスラリー槽24が設けられている。
【0031】
スラリー槽24の下段は、ポンプ26及びパイプ27を介して、二次分離装置のパドル型の可変反応装置25に接続されている。この可変反応装置25には所定傾斜角度のドラム型ケーシングが設けられており、その内部にはバルクヘッド28,28…がラビリンス状にそれぞれ内向きに突設されている。このような構成により、流過してくる余剰スライムのスラリー11と次述する凝集剤と効率良く混合攪拌され、凝集作用が充分に成され得るようになっている。また、可変反応装置25の下側前方にはミキサー29(図2参照)を有する凝集剤槽30が設けられている。この凝集剤槽30は所定の有機,無機の高分子の凝集剤を凝集剤溶解槽32に供給してミキサー33により均一分散して混合攪拌のもとに壊砕され、ポンプにより可変反応装置25に供給するようになっている。そして、前段からの余剰スライムのスラリー11とバルクヘッド28を介し均一混合攪拌されてスラリースライム中の粒子分を団粒化し、減容化が図れるようにされている。
【0032】
可変反応装置25の下流側出口にはフレームに対し適宜のジャッキ(傾斜角度調整装置)35により傾斜角度が自在に調整される可変勾配型のドラムタイプの水切り処理装置36が接続されている。この水切り処理装置36の出口側にはメッシュコンベヤ37,37´が上下2段に重層されて配設されている。当該メッシュコンベヤ37,37´の下側には水タンク(水槽)38が水排出ポンプ39を有して設けられ、この水排出パイプ39から水40が図3に示すジェットグラウト装置17に再利用裡に供給されるようになっている
【0033】
そして、勾配可変型の水切り処理装置36にあっては団粒化されたスラッジと水分とを分離し、該水分をオーバーフロー的に水切りするようにされているが、検出される水切りされた水分の量によってその勾配がジャッキ35により適宜に調節することが出来るようにされている。
【0034】
又、下側のメッシュコンベヤ37´の先端部分にはスラッジ槽(ジェットグラウト用スラリー槽41が設けられている。このスラッジ槽41は、図1に示すように、ポンプ42・電磁式三方切換弁43・パイプ44を介して、廃棄プラント45のパドルミキサー46に接続されている。スラッジ槽41からのスラッジは、所定の固化剤タンク47からの固化剤と共に混合されてダンプトラック15に排出され、所定の焼却処分場或いは埋立て処分場へと搬出廃棄されるようになっている
【0035】
電磁式三方切換弁43からはホース48が分岐している。このホース48の途中には、スラッジ槽41からのスラッジの含水比,比重を測定するための測定装置49が設けられている。そして、測定装置49による測定結果に応じて、図示しない制御装置を介し水槽40から不足分の水分を供給して前記ジェットグラウト削孔装置17にセメント槽50からのセメントと共に供給され、有効再利用に供することが出来るようにされている。
【0036】
尚、図1における符号26´は凝集剤槽30の微粒凝集剤に対する適宜の周公知の検出装置であり、凝集剤槽30内の凝集剤31が一定量不足すると、これを検出して適宜に補充し得るようにされている。
【0037】
上述した構成に基づく本発明の具体的態様を詳述すれば以下の通りである。
【0038】
まず、本発明を実施する前提として、図3に示すように、所定の改良地盤1に重機2を搬入セットし、さらに、ジェットグラウト削孔装置17を設置するとともに、台車3のリーダー4にロッド6を垂立状態にセットする。続いて、在来態様同様に削孔10を形成し、スイーベルジョイント5を介し所定の改良材としてのセメントと水を混合させてセメントミルク状にして該ロッド6の揚昇プロセスにおいて回転しながら、その先端のノズル7からジェットグラウト8を噴出させて土壌を切削すると共に混合攪拌し改良域9を形成する。
【0039】
その間、余剰スライム11はロッド6と削孔10のリング状間隙から揚昇してピット12に一次的に貯留される。なお、ジェットグラウト施工を行うに際しては余剰スライム11の発生が予測されていることから、当該余剰スライム11には必要以上の活性セメントが混入されており、したがって、該余剰スライムには有効再利用可能な活性セメントが混入されていることは先述通りである。
【0040】
かかる活性セメントの量はテストデータによれば、有効再利用可能なセメントとして25〜30%にも達しており、したがって、この出願の発明にあってはこれを資源的に有効再利用せんとするものであり、又、削孔量の増大に伴う廃棄余剰スライムの焼却処理,埋立て処理等の増大にも対処して減容化を図らんとするものである。
【0041】
そこで、ピット12からポンプ14を介して、余剰スライム11をスラリー源槽18に供給して一次貯留して、土砂分、或いは、礫質分は沈降分として適宜に除去される。ここで除去された土砂分、或いは、礫質分は、廃棄プラント45においてダンプトラック15に移されて所定の廃棄処分に供される。
【0042】
スラリー源槽18の余剰スライム11は、ポンプ19によりパイプ20を介し、一次分離槽のサイクロン21を経て振動篩22に供給される。続いて、所定粒度以上のものは篩上分としてベルトコンベヤ23(図2参照)を介し排出されて廃棄プラント45に送給され、上記態様と同様にダンプトラック15により適宜の廃棄処分に供される。
【0043】
一方、篩下分はスラリー槽24に供給され、ポンプ26によりパイプ27を介し可変反応装置25に圧送される。併せて可変反応装置25の前方に設けられている凝集剤槽30内に収納されている所定の凝集剤はミキサー29(図2参照)により均一に混合され隣設する凝集剤溶解槽32内においてミキサー33により分散,混合,攪拌される。続いて、分散,混合,攪拌された均一溶解凝集剤31を、ポンプにより可変反応装置25内に供給されて圧送されてくるスラリー11と混合攪拌する
【0044】
この際、可変反応装置25内においてはドラム型のケーシング内にバルクヘッド28,28…が相互にラビリンス状に介設されていることから、その流過プロセスにおいて均一混合攪拌されながら凝集作用が行われる。その結果、スラリー分の粗粒分は団粒化が促進されて水分と共に次段のドラム型水切り処理装置36に排出される。水切り処理装置36にあっては水分がオーバーフロー的に水切りされ、流過するスラリーの性状が経時的に変化することによりジャッキ35を介してその傾斜角度、即ち、水切り状況を変化して可及的に水タンク38に排出される。そして、その過程で下部の上下二重式のメッシュコンベヤ37、及び、37´に排出されて固化分離作用を経て水分は水タンク38に落下し、また、凝集された団粒化フロックは下側のメッシュコンベヤ37´からスラッジ槽41に放出される。
【0045】
したがって、水タンク38にあっては水切り処理装置36の傾斜角度調整により、ジェットグラウト用の水と合せて貯留される。
【0046】
そこで、水排出ポンプ39により水分40はジェットグラウト削孔装置17に最終的に供給されて再利用に用いられる。
【0047】
一方、スラッジ槽41内の団粒化されたフロックはポンプ42により排出輸送されるが、電磁式三方切換弁43によりパイプ48を経て測定装置49を通過するプロセスでその含水比、及び、比重が測定されて有効再利用成分としてチェックを受けるようになっている。そして、測定することによって得られた検出データに基づいて、不足する水分については図示しない制御装置の所定のコントロールを介し水分の補給量が制御されて、図3に示すジェットグラウト削孔装置17に送給されてゆく。
【0048】
この場合、再利用に供され得ない分は電磁式三方切換弁43の切り換えによりパイプ44を介し廃棄プラント45のパドルミキサー46に供され、ベルトコンベヤ23を介して振動篩22から排出される分と共に、ダンプトラック15に放出されるこの際、設計的に予め決められている設定量の所定の固化剤が固化剤タンク47から供給されて減容化されたスラッジの経時的固化を図るようにされて所定の焼却処分場、或いは、埋立て処分場にダンプトラック15を介し積載可能な状態で搬送されてゆく。
【0049】
したがって、廃棄プラント45に於けるダンプトラック15への積載量は僅かな固化剤分の添加にもかかわらず、それまでのプロセスにより余剰スライム11中の微細粒子分を凝集剤により凝集されて団粒化処理を受け、フロック化しているために、余剰スライム11自体の容量はより著しく減容化される。その結果、ダンプトラック15の高頻度のピストン輸送も要せず、設計台数でスムーズに高能率に廃棄処分に共されることとなる。しかも、それ以外の余剰スライム11についてはその水分は勿論、有効再利可能な活性セメントは不足分補給分を加えて確実に有効再利用分として次回のジェットグラウトに供され得るようになっている
【0050】
而して、測定装置49における有効再利用可能な活性セメントの検出測定についてはカルシウム濃度測定法等の化学的処理手段やエックス線を介しての分析等の物理的手段により、これまで開発されて実用化されている技術により容易に行うことが出来る。
【0051】
そして、ジェットグラウト用のスラッジ測定装置49に供給する量はポンプ42の流量調節等によりコントロールすることが出来るものである。
【0052】
尚、この出願の発明の実施態様は上述実施例に限るものでないことは勿論であり、例えば、ジェットグラウト用水分分離回路やジェットグラウト用スラッジの設定回路に水分分析装置等を設ける等種々の態様が採用可能である。
【0053】
而して、一次分離装置の振動篩にあってはそのメッシュについて篩上分をより大きくするようにする。
【0054】
又、篩上分の砂や砂礫分は通常含水比が低いのでそのままの状態で直接排出したりすることも可能であるものである。
【0055】
そして、プラント16にあっては全体をコンパクトにまとめて車載タイプにしてジェットグラウト削孔装置17の重機と随伴移動が可能なようにすることが出来る等も勿論のことである。
【0056】
【発明の効果】
以上、この出願の発明によれば、余剰スライムの著しい減容化を図ることができるので、遠隔処分場に対してもダンプトラック等の使用台数が少くすることができるとともに、確実な処分場への輸送を達成することが可能になる。
【0057】
また、この出願の発明によれば、膨大な量の余剰スライム中に含有されている有効再利用可能な活性セメントを回収し、次のジェットグラウトに供されるようになっているので、資源有効利用の点から省資源にもつながり、著しいコストダウンを図ることができる。
【0058】
さらに、余剰スライムのスラリー中に含まれている水分をも有効再利用に供することが出来るために、セメント分と合せてコストダウンが図れるのみならず、資源の現場再利用が可能となるので、施工上の稼動率向上、能率アップにもつながり、施工期間短縮にもつながるという優れた効果が奏される。
【0059】
加えて、この出願の発明によれば、揚昇回収された余剰スライムに対して、一次分離を行って粗粒分は除去されるようになっている。また、一次分離後においては、スラリーに対し凝集剤添加を介して細粒分は団粒化してフロック化し、そのため、一次分離に続いて二次分離も容易に行われるようになっている。したがって、二次分離後の粗粒分は上述の如く確実に有効再利用され、スラッジ分については含水比や比重を検出して不足分の水分を補給することにより、直ちに次回のジェットグラウトに供することが出来るという効果がある。
【0060】
又、一次分離,二次分離の間に可変反応装置を設けて確実に溶解された凝集剤を供給するために、スラリーと該凝集剤の均一分散状態が現出されてスラリーの細粒分の団粒化によるフロック生成が効率的に行われ、有効再利用分のグラウトの供給がスムーズに行われるという効果が奏され、又、併せて同時に廃棄処分されるスラッジ分に対する最小限の固化剤の供給添加が行われるために、この点からも廃棄処分にかかる費用が低減され、トータルコストの削減につながるという利点がある。
【0061】
そして、揚昇する余剰スライムは削孔分が確実に再利用に供され、有効利用に供され得ない残分のみが減容化されて廃棄処分されるようになっている。したがって、使用するジェットグラウトの経済効果,環境保全効果,環境対策効果は極めて大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の実施例のプラント概略側面図である。
【図2】同、上面図である。
【図3】ジェットグラウトの施工態様部分断面模式側面図である。
【符号の説明】
1 改良地盤
2 重機
3 台車
4 リーダー
5 スイーベルジョイント
6 ロッド
8 ジェットグラウト
9 削孔(改良域)
10 削孔
11 余剰スライム
12 ピット
13 処理プラント
14 ポンプ
15 ダンプトラック
16 余剰スライム処理装置
17 ジェットグラウト削孔装置
18 スラリー源槽
19 ポンプ
20 パイプ
21 サイクロン
22 振動篩
23 ベルトコンベヤ
24 スラリー槽
25 可変反応装置
26 ポンプ
26´ 検出装置
27 パイプ
30 凝集剤槽
31 均一溶解凝集剤
32 凝集剤溶解槽
35 傾斜角度調整装置(ジャッキ)
36 水切り処理装置
37,37´ メッシュコンベヤ
38 水タンク(水槽)
39 水排出ポンプ
40 水
41 スラッジ槽(ジェットグラウト用スラリー槽)
42 ポンプ
43 電磁式三方切換弁
44 パイプ
45 廃棄プラント
46 パドルミキサー
47 固化剤タンク
48 ホース
49 測定装置(スラッジ測定装置)
50 セメント槽(改良材槽)

Claims (14)

  1. 改良地盤に形成した削孔内に挿入したジェットグラウト削孔装置のロッドを回転して揚昇するプロセスで該ロッドのノズルより地盤中に噴射注入するグラウトの余剰スライムを地上にて搬出し有効再利用に供する処理方法において、
    上記余剰スライムをスラリー分とスラッジ分に一次分離し、
    上記スラリー分について凝集剤を添加してスラッジ分と水分に二次分離し、
    その後上記水分はジェットグラウト水として再利用し、
    上記スラッジ分はジェットグラウト骨材として利用するか廃棄処理するかに選択的に分けるようにすることを特徴とするジェットグラウトの余剰スライムの処理方法。
  2. ジェットグラウト骨材として再利用されることとなる上記スラッジ分について、含水比および比重の少なくとも何れか一方を測定することを特徴とする請求項1記載のジェットグラウトの余剰スライムの処理方法。
  3. 上記スラッジ分と上記水分とを、パイプ輸送するようにすることを特徴とする請求項1又は2記載のジェットグラウトの余剰スライムの処理方法。
  4. 上記スラッジ分については、上記ジェットグラウト削孔装置の側、または上記廃棄処理するための廃棄プラントの側へ、選択的にパイプ輸送されるようになっており、
    上記水分については、上記ジェットグラウト削孔装置の側へ再利用裡にパイプ輸送されるようになっていることを特徴とする請求項3記載のジェットグラウトの余剰スライムの処理方法。
  5. 上記スラッジ分のパイプ輸送、および上記水分のパイプ輸送の少なくとも何れか一方は、流量をコントロールしながら行われるようになっていることを特徴とする請求項4記載のジェットグラウトの余剰スライムの処理方法。
  6. 廃棄処理されることとなる上記スラッジ分に対しては、上記二次分離工程の後において、当該スラッジの経時的固化を図るための固化剤が供給されるようになっていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のジェットグラウトの余剰スライムの処理方法。
  7. 上記余剰スライムを、上記一次分離前に貯留状態にて沈降処理させるようにすることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のジェットグラウトの余剰スライムの処理方法。
  8. 改良地盤に形成した削孔内に挿入したジェットグラウト削孔装置のロッドを回転して揚昇するプロセスで該ロッドのノズルより地盤中に噴射注入するグラウトの余剰スライムを地上にて搬出し有効再利用に供する処理装置であって
    上記余剰スライムを、スラリー分とスラッジ分に一次分離するための一次分離装置と、
    上記スラリー分について凝集剤を添加して、スラッジ分と水分に二次分離するための二次分離装置と、を有しており、
    上記水分は、上記ジェットグラウト削孔装置の側においてジェットグラウト水として再利用され、
    上記スラッジ分は、上記ジェットグラウト削孔装置の側においてジェットグラウト骨材として再利用するか、廃棄処理するかに選択的に分けるようにされていることを特徴とするジェットグラウトの余剰スライム処理装置。
  9. 上記一次分離装置は、上記余剰スライムをスラリー分とスラッジ分に分離するためのサイクロンと振動篩とを有していることを特徴とする請求項8記載のジェットグラウトの余剰スライム処理装置。
  10. さらに、
    上記ジェットグラウト削孔装置のピットに接続されているとともに、上記一次分離装置に接続されており、当該ジェットグラウト削孔装置のピットからの余剰スライムを一時的に貯留するためのスラリー源槽と、
    上記二次分離装置に接続されており、上記ジェットグラウト削孔装置の側においてジェットグラウト水として再利用されることとなる上記水分を貯留するための水槽と、
    上記二次分離装置に接続されており、選択的に上記ジェットグラウト削孔装置の側における再利用または廃棄プラントにおける廃棄処理に供されることとなる上記スラッジ分を貯留するためのスラッジ槽と、を有することを特徴とする請求項8又は9記載のジェットグラウトの余剰スライム処理装置。
  11. さらに、廃棄処理される上記スラッジ分に対して混入されることとなる固化剤を貯留するための固化剤タンクを有していることを特徴とする請求項8乃至10の何れかに記載のジェットグラウトの余剰スライム処理装置。
  12. さらに、ジェットグラウト骨材として再利用されることとなる上記スラッジ分の含水比を測定するための含水比測定装置、および当該スラッジ分の比重を測定するための比重測定装置の少なくとも何れか一方が設けられていることを特徴とする請求項8乃至11の何れかに記載のジェットグラウトの余剰スライム処理装置。
  13. 上記二次分離装置に傾斜角度調整装置が配設されていることを特徴とする請求項8乃至12の何れかに記載のジェットグラウトの余剰スライム処理装置。
  14. 上記二次分離装置にメッシュコンベヤが配設されていることを特徴とする請求項8乃至13の何れかに記載のジェットグラウトの余剰スライム処理装置。
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