JP3540535B2 - 光ファイバユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ファイバユニットは、1本または複数本の単心光ファイバ心線あるいは複数本の光ファイバを並行に配置して一括被覆を施したテープ状光ファイバ心線(以下単に光ファイバ心線という)上に、樹脂等からなる被覆層が設けられた構造となっている。したがって、光ファイバユニットの端末を加工する際に光ファイバ心線を露出させるためには、この被覆層を除去する必要がある。
【0003】
従来より、被覆層の除去を容易に行うことのできる光ファイバユニットとして、ポリエステル等からなる引き裂き紐を光ファイバ心線に沿わせ、その外周に樹脂を被覆して形成した被覆層を設けて作製した引き裂き紐付きの光ファイバユニットが提案されている。このような引き裂き紐付きの光ファイバユニットにおいては、引き裂き紐を光ファイバユニットの末端から光ファイバユニットより離れる方向へと引っ張って、被覆層を引き裂くことにより、容易に光ファイバ心線を露出させることができる。
また、皮むき治具と称される刃物を用いて被覆層に傷をつけ、光ファイバユニットの端末部の被覆層を光ファイバユニットから引き抜く方法も一般に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の光ファイバユニットの引き裂き紐は、その上に被覆層を形成する際に加わる熱により、溶融、収縮したりしないような材質で形成されることが望まれる。このような材質の限定は、製品の価格の増加につながっていた。
さらに、光ファイバ心線形態と被覆構造によっては、引き裂き紐を配置することによって、光ファイバユニットとしたときに、光ファイバの伝送ロスを引き起こす場合もある。例えば、単心の光ファイバ心線に引き裂き紐を沿わせて、その上に樹脂を押出被覆して被覆層を設けた光ファイバユニットの場合、押出被覆時に光ファイバ心線が引き裂き紐側に逃げて、光ファイバにマイクロベンドが発生し伝送ロスの原因となることがある。
また、皮むき治具を用いて、光ファイバユニット端末部の被覆層を除去する際には、皮むき治具の刃によって光ファイバを傷つけないように細心の注意を払わなければならないため、作業性の低下を招いていた。
【0005】
本発明は上記の問題を解決するためになされたもので、引き裂き紐や皮むき治具を用いることなく、容易に被覆層を除去することができる光ファイバユニットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明においては、光ファイバ心線に被覆層を備えた光ファイバユニットであって、前記被覆層中に熱可塑性樹脂フィラーが、被覆層を構成するベース樹脂の10〜40重量%含有され、該熱可塑性フィラーは該被覆層中に島状に分散している、光ファイバユニットが提供される。
【0007】
本発明においては、熱可塑性樹脂フィラーが、光ファイバユニットの被覆層に島状に分散する形で含有されているために、被覆層に力が加わったときの伸びが抑制され、また、ベース樹脂とフィラーとの界面間で分離しやすくなるために、より小さい力で容易に被覆層を引き裂くことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の光ファイバユニットは、光ファイバ心線上に、ベース樹脂、熱可塑性樹脂フィラー、その他の添加物からなるコンパウンドを押出被覆して形成される被覆層を有する構造であり、熱可塑性樹脂フィラーが被覆層中に島状に分散して含有されているものである。
【0009】
本発明における熱可塑性樹脂フィラーとしては、低密度ポリエチレン(LDPE;融点105℃)、高密度ポリエチレン(HDPE;融点135℃)、ポリプロピレン(PP;融点160℃)などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0010】
熱可塑性樹脂フィラーの含有量は、被覆層を形成するコンパウンドのベース樹脂の10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%である。含有量が10重量%未満である場合、十分な引き裂き性を得ることができない。また、40重量%を越えると被覆層の機械的特性や加工性等の物性が低下するので好ましくない。
【0011】
熱可塑性樹脂フィラーは、熱可塑性樹脂を微粉末状に加工したものが好適に用いられる。熱可塑性樹脂フィラーの平均粒子径は、5〜500μmであることが好ましく、10〜400μmであることがさらに好ましいが、特に好ましいのは100μm〜400μmである。平均粒子径が大きすぎると熱可塑性樹脂フィラーは被覆層中に均一に分散しにくくなり、被覆層を引き裂くときに引き裂き方向に偏りが生じ、所望の長さ、方向に引き裂きにくくなるため好ましくない。また、平均粒子径が小さすぎると熱可塑性樹脂フィラーはベース樹脂に相溶しやすくなり、被覆層中に島状に分散させることが難しくなって、より小さい力で被覆層を引き裂くことができるという効果が低減するため好ましくない。
【0012】
被覆層を形成するコンパウンドのベース樹脂としては、被覆層としての長期信頼性を考慮して、ポリエチレン(PE;加工温度120〜230℃)、エチレン−プロピレン共重合体(加工温度160〜240℃)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA;加工温度100〜230℃)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA;加工温度100〜230℃)等のエチレン系重合体が用いられる。
【0013】
フィラーの種類はフィラーが配合されるベース樹脂の種類に応じ相溶性等を考慮して適宜選択されるが、ベース樹脂の加工温度と同程度かそれより低い融点を有するフィラーを選択すると、フィラーを被覆層中に均一に分散させやすく、しかも被覆層外表面および被覆層の光ファイバ心線と接する面が、より平滑になり好ましい。
【0014】
本発明の光ファイバユニットにおける被覆層は次にように形成される。なお、本発明における光ファイバ心線は、1本または複数本の単心光ファイバ心線(撚り合わせたものであってもよい)、あるいは複数本の光ファイバを並行に配置して一括被覆を施したテープ状のものであってもよく、特に限定されない。
所定の配合比に計量されたベース樹脂と熱可塑性フィラーを単軸あるいは2軸押出機内に投入し、フィラーが溶融する加工温度にてストランド状に押出し、ペレタイズしたフィラー練り込みコンパウンドを使用するか、所定の配合比に計量されたベース樹脂と熱可塑性フィラーを事前に混合し、この混合したものをホッパーの中に投入した後、押出機シリンダー内で混練して調整したコンパウンドを光ファイバ心線上に押出被覆して、被覆層を形成する。
【0015】
被覆層を発泡させる場合には、フロン、窒素、二酸化炭素等の不活性ガスを押出機シリンダー途中から注入して、押出発泡させる物理発泡法、あるいは、上記ベース樹脂とフィラーに化学発泡剤(例えばアゾジカーボンアミド;ADCA、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド;OBSH)を配合したコンパウンドを用いて押出発泡させる化学発泡法、いずれを用いてもよい。発泡被覆層を設けた光ファイバユニットは、重量が軽く、充実層のみで形成される光ファイバユニットに比較して可撓性がある。よって、圧縮空気、高圧窒素ガスによってパイプ内に圧送し挿入して布設する場合にも、様々な曲率で敷設されたパイプの形状に依存しないので、このような気体圧送タイプの光ファイバケーブルに好適に用いることができる。
被覆層を発泡させる場合には、発泡率を20〜50%、好ましくは30〜40%となるように調節すると、光ァイバユニットが取り扱いやすく、布設する際の施工性に優れ、好ましい。ベース樹脂の種類にもよるが、化学発泡法による場合には、上述の化学発泡剤をベース樹脂100重量部に対してに対して0.1〜2.0重量部程度配合するのが適当である。
なおここで、発泡率とは以下のようにして求めた値を言う。
【0016】
本発明の光ファイバユニットにおいては被覆層を複数設けてもよく、この場合はすべての被覆層に熱可塑性樹脂フィラーが島状に分散する形で配合されていれば本発明の目的を達成することができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
(実験例1〜28)
図1a、1bは、本実施例の光ファイバユニット3の断面構造を示すものである。外径125μmの石英系シングルモード光ファイバの外周にウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂により形成された2層の被覆層を有する単心光ファイバ心線1(心線径250μm)の周囲に表1〜表3に示す成分からなるコンパウンドを押出被覆して被覆層2を形成した。
なお、図1aに示すように被覆層2が1層のみからなる場合には、被覆径1.0mmとなるようにし、図1bに示すように被覆層2が2層からなる場合には、内側の被覆層2aの被覆径が650μm、外側の被覆層2bの被覆径が1.0mmとなるように2層同時に押出して被覆層を形成した。ここで、被覆層2を発泡させる場合には発泡剤としてアゾジカーボンアミド(ADCA)を発泡率が30%となるように添加した。
【0018】
上述した方法で製造した実験例1〜28の光ファイバユニットの引き裂き性、外観及び伝送ロスについて以下の方法で評価し、表1〜表3に示した。
▲1▼引き裂き性
内部に光ファイバ心線が入った状態の長さ20cmの各光ファイバユニットの被覆層に端部から1cmまで切り込みを入れて2分割する。2分割された被覆層をそれぞれ引っ張り試験機に装着し、50mm/minの引張速度で両者を引っ張ることにより、引き裂けた被覆層長を測定した。なお、同様の条件下における従来の引き裂き紐による引き裂き長は5cm程度であるため、引き裂き長5cm未満では従来の引き裂き紐に比較して引き裂き性が劣っていることになる。
▲2▼外観
被覆外観を目視にて確認した。
▲3▼伝送ロス
内部に光ファイバ心線が入った状態の長さ500mの各光ファイバユニットの伝送ロスをカットバック法を用いて測定した。測定波長は1.31μmと1.55μmの2波長としたが、実用に供するためには、測定波長1.55μmにおいて伝送ロスが0.3dB/km以下であることが必要である。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
また、表1〜表3に示した光ファイバユニット500mを、コンプレッサーで圧縮した58MPa(6kg/cm2 )の空気で内層4.5mmφ、外径6.0mmφ、長さ500mの高密度ポリエチレン製のパイプ内を圧送させたところ、各光ファイバユニットはパイプ内を貫通した。この結果より、本発明を発泡被覆層を有する光ファイバユニットに適用した場合の挿通特性は、従来の光ファイバユニットに比して遜色のないことが確かめられた。
【0023】
なお、本発明は本実施の形態に示した形状の光ファイバユニットに限定されるものではなく、被覆層が発泡被覆層ではなく充実被覆層のみからなる光ファイバユニットでもよいことは明らかである。
【0024】
【発明の効果】
本発明の光ファイバユニットは、被覆層に熱可塑性樹脂フィラーが適当量、島状に分散されているために被覆層を容易に引き裂くことができる。特に前記被覆層を発泡させる場合には、発泡率を20〜50%、好ましくは30〜40%となるように調節すると、光ファイバユニットが取り扱いやすく、布設する際の施工性に優れ、好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1a、図1bは本発明の光ファイバユニットの断面概略図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ心線
2 被覆層
2a 内側の被覆層
2b 外側の被覆層
3 光ファイバユニット
Claims (1)
- 光ファイバ心線に被覆層を備えた光ファイバユニットであって、前記被覆層中に熱可塑性樹脂フィラーが、被覆層を構成するベース樹脂の10〜40重量%含有され、該熱可塑性樹脂フィラーは該被覆層中に島状に分散している、光ファイバユニット。
Priority Applications (1)
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JP34152596A JP3540535B2 (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 光ファイバユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34152596A JP3540535B2 (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 光ファイバユニット |
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JPH10186191A JPH10186191A (ja) | 1998-07-14 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34152596A Expired - Fee Related JP3540535B2 (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 光ファイバユニット |
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JP (1) | JP3540535B2 (ja) |
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1996
- 1996-12-20 JP JP34152596A patent/JP3540535B2/ja not_active Expired - Fee Related
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