JP3540406B2 - 部分放電監視装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、高電圧固体絶縁物において有害とされる部分放電を監視する部分放電監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、高電圧固体絶縁物としては、高電圧回転電機の巻線絶縁層がある。この高電圧回転電機の巻線絶縁層は、通常、耐部分放電性の良好なマイカペーパを導体に巻回し、その相互間を樹脂で接着して固めて構成されている。この場合の樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂が用いられている。この巻線絶縁層は、長期間に亘る運転によってその中にボイドが生成したり、巻線の電磁振動によって、巻線の納められた鉄心スロット部に当接する絶縁層表面に施された半導電性の部分放電シールド層が摩滅することがある。
【0003】
この様な状態になると、絶縁層内外に部分放電を生じ、これによる放電劣化が顕著になり、ついには絶縁破壊に至ることがある。したがって、絶縁破壊に至る前から部分放電の活動を監視し、適当な時期に絶縁の補修ないしは更新を実施することが保守管理上極めて重要である。
【0004】
ここで、部分放電シールド層が摩滅した状態では、絶縁層表面と鉄心スロット壁の間に部分放電を生じるが、巻線の振動振幅が大きくなるのに従って、その放電強度も大きくなるという特徴がある。
【0005】
一方、巻線の電磁振動力は巻線電流の二乗に比例する。電動機等の回転電機の巻線ではその起動時に大きな突入電流が流れるので、起動時から定常運転時に至る間の部分放電強度の変化に着目すれば、巻線振動による部分放電シールド層の損傷状態を評価することができる。
【0006】
また、巻線絶縁の劣化は、ある時点における放電強度の絶対値で判断するより、長時間に亘るトレンドによって評価するほうが信頼性が高い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の部分放電測定装置は、部分放電の測定時に回転電機を電力系統から切り放して、その時点における絶縁状態を把握するものに留まっているので、回転電機の巻線振動に起因する放電強度の変化や、長時間に亘る絶縁劣化を表現する放電強度の経時的なトレンドを把握することができなかった。
すなわち、ある時点における状態を把握する従来の部分放電測定器では、上記の視点に立った絶縁評価が難しいという欠点があった。
【0008】
本発明の目的は、高電圧固体絶縁物の放電強度の変化や、長時間に亘る絶縁劣化を表現する放電強度の経時的なトレンドを把握することができる部分放電監視装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の部分放電監視装置は、交流電圧が印加された供試物内に発生する部分放電パルス信号を検出する検出部と、この検出部で検出された部分放電パルス信号を一定のサンプリング周期でA/D変換する変換部と、この変換部でA/D変換された印加電圧各周期における部分放電パルス信号の最大値を抽出する最大値抽出部と、この最大値抽出部で得られた部分放電パルス信号の最大値の平均値を算出する演算部と、この演算部で得られた部分放電パルス信号の最大値の印加電圧所定周期分の平均値を測定結果として表示する表示装置とを備えている。
そして、上記演算部は、測定結果である部分放電パルス信号が予め定めた設定値より大きいときは、警報を発するようにしている。
【0010】
本発明の請求項の部分放電監視装置は、交流電圧が印加された供試物内に発生する部分放電パルス信号を検出する検出部と、この検出部で検出された部分放電パルス信号を一定のサンプリング周期でA/D変換する変換部と、この変換部でA/D変換された印加電圧各周期における部分放電パルス信号の最大値を抽出する最大値抽出部と、この最大値抽出部で得られた部分放電パルス信号の最大値の平均値を算出する演算部と、この演算部で得られた部分放電パルス信号の最大値の印加電圧所定周期分の平均値を測定結果として表示する表示装置とを備えている。
そして、上記演算部には、それぞれの測定期間中の測定結果である部分放電パルス信号の最大値を記憶するための内部メモリを設け、この内部メモリが一杯になった時点で新たな測定結果の書き込みを停止するモードと、古い測定結果から順次内容を更新するモードとのいずれかを選択するための設定手段を設け、上記演算部は、上記設定手段で設定されたモードにしたがって、少なくとも1つの測定結果を得るに必要な一測定期間以上の時間間隔で、一連の測定動作を繰り返し実行するようにしている。
【0011】
本発明の請求項では、交流電圧が印加された供試物内に発生する部分放電パルス信号を検出する検出部と、この検出部で検出された部分放電パルス信号を一定のサンプリング周期でA/D変換する変換部と、この変換部でA/D変換された印加電圧各周期における部分放電パルス信号の最大値を抽出する最大値抽出部と、この最大値抽出部で得られた部分放電パルス信号の最大値の平均値を算出する演算部と、この演算部で得られた部分放電パルス信号の最大値の印加電圧所定周期分の平均値を測定結果として表示する表示装置とを備えている。
そして、上記演算部には、それぞれの測定期間中の測定結果である部分放電パルス信号の最大値を記憶するための内部メモリを設け、内部メモリに保存した測定結果を時系列順に呼び出し、表示装置に高速プレイバック表示できるようにしている。
【0012】
本発明の請求項では、演算部には、内部メモリに保存した測定結果を外部パソコンに転送するための通信手段を備えている。
【0013】
本発明の請求項の部分放電監視装置は、交流電圧が印加された供試物内に発生する部分放電パルス信号を検出する検出部と、この検出部で検出された部分放電パルス信号を一定のサンプリング周期でA/D変換する変換部と、この変換部でA/D変換された印加電圧各周期における部分放電パルス信号の最大値を抽出する最大値抽出部と、この最大値抽出部で得られた部分放電パルス信号の最大値の平均値を算出する演算部と、この演算部で得られた部分放電パルス信号の最大値の印加電圧所定周期分の平均値を測定結果として表示する表示装置とを備えている。
また、上記検出部は、供試物内に発生する部分放電をパルス信号として検出する電磁プロ−ブと、検出パルス信号を減衰させる減衰器と、減衰器の出力信号を増幅させる増幅器とで構成し、また、上記変換部は、検出部からのパルス信号の極性を同一化する絶対値回路と、この絶対値回路からのパルス信号をデジタル化するA/D変換回路とで構成している。
【0014】
請求項の発明では、上記検出部の電磁プロ−ブと減衰器との間に、電磁プローブからの検出パルス信号の振動を抑えるダンピング回路を設け、変換部の絶対値回路とA/D変換器との間に、絶対値回路からのパルス信号の波尾を伸長する波尾伸長回路を設けている。
【0015】
請求項の発明では、上記検出部の減衰器として、減衰率が可変なデジタル減衰器を用い、上記演算部は、本測定に先立ち、デジタル減衰器に減衰率の初期値を与え、その初期値で印加電圧各周期の最大値を所定の測定期間分測定し、その最大値の平均演算結果に基づいて、デジタル減衰器の減衰率を決定して本測定に入るようにしている。
【0016】
請求項では、上記最大値抽出回路は、変換部から現時点のサンプリング周期で取り込まれた信号を保持する第1のデータ保持回路と、変換部から過去に取り込まれた信号のうち最大値の信号を保持する第2のデータ保持回路と、現時点の周期で取り込まれた信号が第2のデータ保持回路に保持された信号より大きいときは、第2のデータ保持回路にその信号の更新を判断するための比較回路とで構成している。
【0018】
請求項1の部分放電監視装置は、供試物に交流電圧を印加したとき、供試物内に発生する部分放電を検出部により検出し、その検出信号を変換部でA/D変換してデジタル化した後、最大値抽出回路によってデジタル化部分放電パルス信号の印加電圧各周期の最大値を抽出し、さらに、各周期の最大値を演算部で平均演算し、測定結果として表示装置に表示する。
そして、測定結果である部分放電パルス信号が予め定めた設定値より大きいときは、警報を発するようにしている。
【0019】
請求項では、それぞれの測定期間での測定結果である部分放電パルス信号の最大値を内部メモリに順次記憶する。この場合、設定手段に設定されたモードにしたがって、この内部メモリが一杯になった時点で新たな測定結果の書き込みを停止したり、古い測定結果から順次内容を更新したりする。また、請求項では、内部メモリに保存した測定結果を時系列順に呼び出し、表示装置に高速プレイバック表示させる。これにより、長期間に亘って収集した部分放電の変化を短時間のうちに見ることが可能となる。一方、請求項では、内部メモリに保存した測定結果を通信手段で外部パソコンに転送する。これにより、測定場所とは異なった場所で部分放電の解析が可能となる。
【0020】
請求項の部分放電監視装置は、供試物に交流電圧を印加したとき、供試物内に発生する部分放電を検出部により検出し、その検出信号を変換部でA/D変換してデジタル化した後、最大値抽出回路によってデジタル化部分放電パルス信号の印加電圧各周期の最大値を抽出し、さらに、各周期の最大値を演算部で平均演算し、測定結果として表示装置に表示する。
この場合、検出部での部分放電の検出は、電磁プローブによりパルス信号として検出し、減衰器及び増幅器でそれぞれ減衰及び増幅して行われ、一方、変換部での変換は、絶対値回路でパルス信号の極性を同一化し、A/D変換器によってパルス信号をデジタル化して行われる。
【0021】
請求項おける検出部での部分放電の検出は、電磁プローブによりパルス信号として検出し、ダンピング回路でその検出パルス信号の振動を抑え、減衰器及び増幅器でそれぞれ減衰及び増幅して行われる。そして、変換部では、絶対値回路でパルス信号の極性を同一化し、波尾伸長回路でパルス信号の波尾を伸長し、A/D変換器によってパルス信号をデジタル化して行われる。これによって、比較的サンプリング周期が短い場合であっても確実に部分放電パルスのピークを検出できるようにしている。
【0022】
請求項では、減衰率が可変なデジタル減衰器を用いて、予め予備測定を行い、その結果でデジタル減衰器の減衰率を決定し、その後に、本測定を行う。したがって、適切な範囲内での測定結果が得られる。
【0023】
請求項では、上記最大値抽出回路は、変換部から現時点のサンプリング周期で取り込まれた信号を第1のデータ保持回路に保持し、変換部から過去に取り込まれた信号のうち最大値の信号を第2のデータ保持回路に保持し、比較回路にて、第1のデータ保持回路と第2のデータ保持回路との信号を比較し、比較の結果、現時点の周期で取り込まれた信号が第2のデータ保持回路に保持された信号より大きいときは、第2のデータ保持回路にその信号を更新する。これにより、第2のデータ保持回路には、変換部から過去に取り込まれた信号のうち最大値の信号が保持されることになる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は本発明による放電監視装置の第1の実施例を示す構成図である。
【0026】
図1に示すように、この第1の実施例では、供試物1である高電圧固体絶縁物、例えば高電圧回転電機の巻線絶縁層には高電圧が印加されている。この高電圧を印加された供試物1に発生する部分放電は、電力線にクランプした検出部23の電磁プローブ2によって検出される。電磁プローブ2で検出された部分放電パルス信号は、減衰器3で減衰された後、増幅器4で増幅される。
【0027】
増幅器4で増幅された放電パルス信号には、供試物1の印加電圧の位相に応じて正負極性のものが存在するので、変換部24の絶対値回路5によって全て単一極性化される。そして、その単一極性化された後、A/D変換器6でデジタル化される。
【0028】
デジタル化されたパルス信号は、最大値抽出回路14の第1のデータ保持回路7に入力される。この第1のデータ保持回路7には、変換部24のA/D変換器6から現時点の周期で取り込まれた信号が保持される。
【0029】
一方、この第1のデータ保持回路7には、第2のデータ保持回路8が直列に接続されており、この第2のデータ保持回路8には、結果的に、第1のデータ保持回路7から過去に取り込まれた信号のうち最大値の信号が保持される。
【0030】
つまり、比較回路9にて、第1のデータ保持回路7の信号L1と第2のデータ保持回路8の信号L2とを比較し、比較の結果、現時点のサンプリング周期で取り込まれた信号L1が第2のデータ保持回路8に保持された信号L2より大きいときは、第2のデータ保持回路8にその信号を更新する。これにより、第2のデータ保持回路8には、変換部24のA/D変換器6から過去に取り込まれた信号のうち最大の信号が保持されることになる。
【0031】
この様に、直列接続された2つのデータ保持回路7、8には、サンプリング速度と同期して信号が保持される。変換部24のA/D変換器6でのA/D変換の都度、A/D変換器6のA/D変換出力は第1のデータ保持回路7へ、また第1のデータ保持回路7で保持していたデータは、比較回路9の比較を経て、第2のデータ保持回路8へそれぞれ移送される。したがって、第2のデータ保持回路8のデータ信号L2は第1のデータ保持回路7のデータ信号L1より、少なくとも1回前のサンプリングデータを保持していることになる。
【0032】
比較回路9では第1のデータ保持回路7のデータ信号L1と第2のデータ保持回路8のデータ信号L2との大小関係を比較し、その条件にしたがって次のような処理が行われる。
L1>L2のとき;L2は比較前の内容を更新し、L1のデータを保持
L1<L2のとき;L2は内容を更新せず、比較前のデータを保持
【0033】
この様な操作を繰り返すことによって、第2のデータ保持回路8のデータ信号L2はパルス信号の最大値となる。このデータは後続の部分放電パルスの最大値がこれを上回らない限り、変更されることない。そして、印加電圧の一周期が経過すると、演算部25の入出力ポート13を介して中央演算装置11により、内部メモリ10にその測定期間中の最大値として取り込まれる。その後リセットされ、再度一周期間の測定を開始する。演算部25の中央演算装置11は、内部メモリ10に取り込まれた複数測定周期の最大値の平均を演算し、その最大値の平均を測定結果として表示装置12にリアルタイムで表示させる。この平均化処理によって、一過性のノイズが低減される。
【0034】
この第1の実施例によれば、部分放電の測定は複数周期で行い、各周期の最大値の平均を演算し、その最大値の平均を測定結果としているので、一過性のノイズが低減される。また、測定結果を表示装置12にリアルタイムで表示させるので、絶縁劣化を表現する放電強度の現在値を把握することができる。
【0035】
次に、本発明による放電監視装置の第2の実施例を図2に示す。図1の放電監視装置と同一の要素には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0036】
図1に示した第1の実施例では、検出部23の電磁プローブ2によって検出された部分放電パルス信号は、電磁プローブ2のリアクタンスと電磁プローブ2から減衰器3に至るケーブルのキャパシタンスとで決まる減衰振動波形となる。また、絶対値回路5によって単一極性化される放電パルス信号のパルス幅は0.1〜0.2μSと極めて狭いので、サンプリング周波数が低いA/D変換器6では、正確にピークを検出できない恐れがある。
【0037】
そこで、この第2の実施例では、検出部23の電磁プローブ2と減衰器3との間にダンピング回路15を設け、このダンピング回路15でダンピングを与え、検出パルス信号の振動を抑える。そして、変換部24の絶対値回路5とA/D変換器6との間に波尾伸長回路16を設け、波尾伸長回路16でパルス信号の波尾を伸長し、1つのパルス信号に対するA/D変換回数を増すことによって、同一サンプリング周波数のA/D変換器6でも、最大値の検出精度を向上させるようにしたものである。
【0038】
この第2の実施例によれば、これによって、パルス信号幅が狭い場合や、サンプリング周期が短い場合であっても、確実に部分放電パルスのピークを検出でき、最大値の検出精度を向上させることができる。
【0039】
図3は本発明による放電監視装置の第3の実施例を示す構成図である、図1と同一の要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0040】
この第3の実施例は、検出部3の減衰器として、減衰率が可変なデジタル減衰器17を用い、演算部25は、本測定に先立ち、デジタル減衰器に減衰率の初期値を与え、その初期値で印加電圧各周期の最大値を所定周期分測定し、その最大値の平均演算結果に基づいて、デジタル減衰器17の減衰率を決定して本測定に入るようにしたものである。
【0041】
すなわち、演算部25からデコーダ18を介してデジタル減衰器17に減衰率の初期値を与える。減衰率の初期値は、演算部25の中央演算装置11から入出力ポート13を介してデコーダ18に与えられる。
【0042】
中央演算装置11は、減衰率の初期値をデジタル減衰器17に与えた後、予備測定を開始する。そして、その予備測定で得られた所定周期分の最大値の平均演算結果に基づいて、A/D変換器6のダイナミックレンジに収まる減衰率を決定する。これは、デジタル減衰器17を制御可能な信号に変換するデコーダ18を介して中央演算装置11が減衰率を調節して行う。これにより、適正な減衰率を設定した後に自動的に本測定に入る。なお、これら一連の予備測定処理手順26aはプログラムROM19に予め書き込まれている。
【0043】
この第3の実施例によれば、A/D変換器6のビット数で制限されていた放電パルス信号に対するダイナミックレンジを拡大することができる。
【0044】
次に、図4は本発明による放電監視装置の第4の実施例を示す構成図である。この第4の実施例は、測定結果である部分放電パルス信号が予め定めた設定値より大きいときは、警報装置20に警報を発するようにしたものである。
【0045】
デジタル化された部分放電パルス信号は、中央演算装置11によって、予めプログラムROM19に設定した警報設定値と比較され、これを上回る場合には、警報装置20から警報信号を出力すると共に表示装置12に表示する。リセット操作を実行するまで警報信号を保持することによって、監視期間中の警報設定値を上回るような放電パルス信号の出現したことを知ることができる。
なお、これら一連の警報処理手順26bはプログラムROM19に予め書き込まれている。
【0046】
この第4の実施例によれば、複数の測定期間中において、部分放電パルス信号が予め定めた警報設定値より大きいときは、警報装置20に警報が出力されるので、監視員に迅速に部分放電の状態を知らせることができる。
【0047】
図5は、本発明による放電監視装置の第5の実施例を示す構成図である。この第5の実施例は、測定結果である部分放電パルス信号の最大値を記憶するための内部メモリ10を設け、この内部メモリ10が一杯になった時点で新たな測定結果の書き込みを停止するモードと、古い測定結果から順次内容を更新するモードとのいずれかを選択するための設定手段21を設けたものである。そして、演算部25は、設定手段21で設定されたモードにしたがって、少なくとも1つの測定結果を得るに必要な一測定期間以上の時間間隔で、一連の測定動作を繰り返し実行するようにしている。
【0048】
デジタル化された部分放電パルス信号の最大値は、演算部25の中央演算装置11で処理され、内部メモリ10に書き込まれる。演算結果の内部メモリ10への書き込み方式は予めプログラムROM19に収められている。すなわち、内部メモリ10が一杯になった時点で、新たなデータ書き込みを停止する第1のモードの処理手順26cと、古いデータから順次内容を更新する第2のモードの処理手順26dとのいずれかを、測定開始時に選択手段21で選択することによって、中央演算装置11が制御する。
【0049】
前者は定まった機関の放電監視に都合が良く、また後者は終了時点を特定しない不定監視期間における最新放電情報の把握に都合が良い。いくつかのデータ取り込み間隔をプログラムROM19内に設定しておき、測定開始時に選択することによって中央演算装置11が動作制御する。
【0050】
監視可能期間は、内部メモリ10の容量とデータ取り込み間隔に依存する。内部メモリ10の容量を考えると、電動機等の回転電機起動時の巻線の電磁振動に起因する放電強度の変化等を監視する場合、監視可能期間は短くなっても、取り込み間隔を狭めるほうが良い。また、長時間の絶縁劣化を表す放電強度の経時変化を監視する場合は、逆に、取り込み間隔を広めて、監視可能期間を長くする方が良い。
【0051】
この第5の実施例によれば、部分放電の監視特性に応じて、モードを選択できるので、監視をより適性に行うことができる。
【0052】
図6は、本発明による放電監視装置の第6の実施例を示す構成図である。この第6の実施例は、演算部25には、測定結果である部分放電パルス信号の最大値を記憶するための内部メモリ10を設け、内部メモリ10に保存した測定結果を時系列順に呼び出し、表示装置12に高速プレイバック表示させるようにしたものである。
【0053】
予めプログラムROM19に書き込まれたプレイバック動作処理手順26eによって、長期間に亘って内部メモリ10に蓄えられた部分放電データを、必要に応じて、中央演算装置11から時系列順に呼び出し、表示装置12に高速で再表示させる。
【0054】
この第6の実施例によれば、長期間に亘って収集した部分放電の変化を短時間のうちに見ることができる。
【0055】
図7は本発明による放電監視装置の第7の実施例を示す構成図である。この第7の実施例は、内部メモリ10に保存した測定結果を外部パソコンに転送するための通信手段22を備えたものである。
【0056】
デジタル化された部分放電データは、その観測時点の時間データとともに内部メモリ10に蓄えられ、必要に応じて通信回路22であるRS−232C−シリアルインタフェースを介し、外部パーソナルコンピュータのディスク装置に転送されパーマネントファイル化される。パーソナルコンピュータのディスク装置にパーマネントファイル化されたQmax、データ取り込み時間、測定条件などのデータは、パーソナルコンピュータ画面上にグラフィック表示して見ることができ、監視期間全般に亘る経時的なトレンドを把握することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、電動機等の回転電機の巻線振動に起因する放電強度の変化や、長時間に亘る絶縁劣化を表現する放電強度の経時的なトレンドを把握することができるので、適切な保守管理手段を講じることが可能となる。
【0058】
このような構成の部分放電監視装置では、供試物のある時点における放電強度のみならず、放電強度の経時的なトレンドが把握できるので、電動機等の回転電機の起動時の巻線振動に起因する放電強度の変化や、長時間に亘る絶縁劣化傾向を適確に捕らえ、適当な時期に絶縁の補修ないしは更新を実施してその信頼性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す構成図。
【図2】本発明の第2の実施例を示す構成図。
【図3】本発明の第3の実施例を示す構成図。
【図4】本発明の第4の実施例を示す構成図。
【図5】本発明の第5の実施例を示す構成図。
【図6】本発明の第6の実施例を示す構成図。
【図7】本発明の第7の実施例を示す構成図。
【符号の説明】
1 供試物
2 電磁プローブ
3 減衰器
4 増幅器
5 絶対値回路
6 A/D変換器
7 第1のデータ保持回路
8 第2のデータ保持回路
9 比較回路
10 内部メモリ
11 中央演算装置
12 表示装置
13 入出力ポート
14 最大値抽出回路
15 ダンピング回路
16 波尾伸長回路
17 デジタル回路
18 デコーダ
19 プログラムROM
20 警報装置
21 設定手段
22 通信回路
23 検出部
24 変換部
25 演算部
26a 予備測定処理手順26a
26b 警報処理手順26b
26c 第1のモードの処理手順
26d 第2のモードの処理手順
26e プレイバック動作処理手順

Claims (8)

  1. 交流電圧が印加された供試物内に発生する部分放電パルス信号を検出する検出部と、この検出部で検出された部分放電パルス信号を一定のサンプリング周期でA/D変換する変換部と、この変換部でA/D変換された印加電圧各周期における部分放電パルス信号の最大値を抽出する最大値抽出部と、この最大値抽出部で得られた部分放電パルス信号の最大値の平均値を算出する演算部と、この演算部で得られた部分放電パルス信号の最大値の印加電圧所定周期分の平均値を測定結果として表示する表示装置とを備え
    前記演算部は、前記変換部から入力される前記部分放電パルス信号が予め定めた設定値より大きいときは、警報を発するようにしたことを特徴とする部分放電監視装置。
  2. 交流電圧が印加された供試物内に発生する部分放電パルス信号を検出する検出部と、この検出部で検出された部分放電パルス信号を一定のサンプリング周期でA/D変換する変換部と、この変換部でA/D変換された印加電圧各周期における部分放電パルス信号の最大値を抽出する最大値抽出部と、この最大値抽出部で得られた部分放電パルス信号の最大値の平均値を算出する演算部と、この演算部で得られた部分放電パルス信号の最大値の印加電圧所定周期分の平均値を測定結果として表示する表示装置とを備え
    前記演算部には、それぞれの測定期間中の測定結果である前記部分放電パルス信号の最大値を記憶するための内部メモリを設け、この内部メモリが一杯になった時点で新たな前記測定結果の書き込みを停止するモードと、前記測定結果の古い順に順次内容を更新するモードとのいずれかを選択するための設定手段を設け、前記演算部は、前記設定手段で設定されたモードにしたがって、少なくとも1つの測定結果を得るに必要な一測定期間以上の時間間隔で、一連の測定動作を繰り返し実行するようにしたことを特徴とする部分放電監視装置。
  3. 交流電圧が印加された供試物内に発生する部分放電パルス信号を検出する検出部と、この検出部で検出された部分放電パルス信号を一定のサンプリング周期でA/D変換する変換部と、この変換部でA/D変換された印加電圧各周期における部分放電パルス信号の最大値を抽出する最大値抽出部と、この最大値抽出部で得られた部分放電パルス信号の最大値の平均値を算出する演算部と、この演算部で得られた部分放電パルス信号の最大値の印加電圧所定周期分の平均値を測定結果として表示する表示装置とを備え
    前記演算部には、それぞれの測定期間中の測定結果である前記部分放電パルス信号の最大値を記憶するための内部メモリを設け、前記内部メモリに保存した測定結果を時系列順に呼び出し、前記表示装置に高速プレイバック表示できるようにしたことを特徴とする部分放電監視装置。
  4. 前記演算部には、前記内部メモリに保存した測定結果を外部パソコンに転送するための通信手段を備えたことを特徴とする請求項に記載の部分放電監視装置。
  5. 交流電圧が印加された供試物内に発生する部分放電パルス信号を検出する検出部と、この検出部で検出された部分放電パルス信号を一定のサンプリング周期でA/D変換する変換部と、この変換部でA/D変換された印加電圧各周期における部分放電パルス信号の最大値を抽出する最大値抽出部と、この最大値抽出部で得られた部分放電パルス信号の最大値の平均値を算出する演算部と、この演算部で得られた部分放電パルス信号の最大値の印加電圧所定周期分の平均値を測定結果として表示する表示装置とを備え
    前記検出部は、供試物内に発生する部分放電をパルス信号として検出する電磁プロ−ブと、検出パルス信号を減衰させる減衰器と、減衰器の出力信号を増幅させる増幅器とを備え、前記変換部は、前記検出部からのパルス信号の極性を同一化する絶対値回路と、この絶対値回路からのパルス信号をデジタル化するA/D変換回路とを備えたことを特徴とする部分放電監視装置。
  6. 前記検出部には、前記電磁プロ−ブと前記減衰器との間に、前記電磁プローブからの検出パルス信号の振動を抑えるダンピング回路を設け、前記変換部には、前記絶対値回路と前記A/D変換器との間に、前記絶対値回路からのパルス信号の波尾を伸長する波尾伸長回路を設けたことを特徴とする請求項に記載の部分放電監視装置。
  7. 前記検出部の減衰器として、減衰率が可変なデジタル減衰器を用い、前記演算部は、本測定に先立ち、前記デジタル減衰器に減衰率の初期値を与え、その初期値で印加電圧各周期の最大値を所定の測定期間分測定し、その最大値の平均演算結果に基づいて前記デジタル減衰器の減衰率を決定して本測定に入るようにしたことを特徴とする請求項に記載の部分放電監視装置。
  8. 前記最大値抽出回路は、前記変換部から現時点のサンプリング周期で取り込まれた信号を保持する第1のデータ保持回路と、前記変換部から過去に取り込まれた信号のうち最大値の信号を保持する第2のデータ保持回路と、前記現時点の周期で取り込まれた信号が前記第2のデータ保持回路に保持された信号より大きいときは、前記第2のデータ保持回路にその信号の更新を判断するための比較回路とを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項に記載の部分放電監視装置。
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