JP3539824B2 - キャリアテープ用トップテープの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子部品、精密部品などの表面実装部品の搬送に際し、キャリアテープの蓋として用いられる、キャリアテープ用トップテープの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記表面実装部品は、部品収納用の容器部がフランジ部を介して多数連設されている構造のキャリアテープの各容器部に個別に収納した後、トップテープをキャリアテープのフランジ部で接着して密封し、搬送、保管の用に供し、使用に際しては、トップテープをフランジ部から剥した後、各容器部から取り出していた。これらの操作は表面実装部品を汚染から防ぐためにすべて自動的に行われるので、トップテープをフランジ部から剥すときに、トップテープが断裂したりすることなく、円滑に行われる必要があった。
トップテープの製造方法は、ベースフィルムに直接シーラント層をラミネートやコーティングにより設ける方法と、被覆層を有する2本のベースフィルムを互いに被覆層を内側にして積層した後、シーラント層をラミネートやコーティングにより設ける方法とに大別されるが、最近はトップテープの断裂を防止するために後者の被覆層を中間層とした積層フィルムが多用されてきている。
【0003】
図3はこの中間層を設けるトップテープの製造方法を示すものである。
図3(a)は一方のベースフィルムに被覆層を設ける工程を示すもので、ベースフィルム31の片面にアンカーコート剤32を塗工し、1〜5秒ほど遠赤外線ヒーターで乾燥した後、その塗工面に押出機33よりの合成樹脂材料で被覆層34を形成し、中間品フィルム35を得る。
図3(b)は他方のベースフィルムに被覆層を設けると共に、この被覆層に、上記中間品フィルム35の被覆層34を積層する工程を示すもので、他方のベースフィルム36の片面にアンカーコート剤32を塗工し、1〜5秒ほど遠赤外線ヒーターで乾燥した後、その塗工面に押出機33よりの合成樹脂材料で被覆層37を形成し、同時に上記中間品フィルム35を、その被覆層34が、この被覆層37と互いに接するようにラミネートすると、被覆層34、37を中間層とした積層フィルム38が得られる。
この積層フィルム38の片側の面にシーラント剤を塗工して、熱風を 160℃で12秒あてて乾燥させてシーラント層39を形成した後、その反対側の面に導電剤を塗工し、同様に熱風を 120℃で6秒あてて乾燥させて導電層40を形成すると、図3(c)に示すトップテープ41が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のトップテープには、ベースフィルムの表面に直接シーラント層を設けたものと、それぞれの被覆層を中間層として積層したベースフィルムの表面にシーラント層を設けたものとがある。さらに、要求性能から導電性を付加したりする。このため各層の材質が異なり、トップテープ製造時の乾燥工程において収縮率の相違によりしわがはいり、外観を損ねる場合があった。他方、このしわはトップテープの切れやデラミネーションの問題解決の一方策にもなることから、これに関する発明が先に本出願人により提案されている。
しかし、最近、表面実装部品をキャリアテープの容器部に収納した後、トップテープをキャリアテープのフランジ面にヒートシールする作業工程において、画像処理などによるマーキングチェック、リードフレームチェックなどが実施され、さらに最終検査として目視検査を実施しているため、しわなどが入ると屈折率が変化し、これらのチェック時でのエラーの発生や見にくいなどの問題が生じてきた。
したがって、本発明の目的はトップテープの製造の際に収縮しわの発生のないキャリアテープ用トップテープの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のキャリアテープ用トップテープの製造方法は、それぞれの片面に被覆層を有する2枚のベースフィルムを、それぞれの被覆層側で中間層を介して熱溶着し、得られた積層フィルムの一方の面にシーラント層を設けるものである。
本発明で得られたキャリアテープ用トップテープでは、ベースフィルム、被覆層および中間層が異種材料の組み合わせからなっていても、乾燥時における収縮しわの発生がない。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図2に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、トップテープの使用状態を示すキャリアテープの斜視図、図1(b)は得られたトップテープの縦断面説明図である。
本発明で得られたトップテープ1は、部品収納用の容器部2がフランジ部3を介して多数連設されている構造のキャリアテープ4において、部品5を各容器部2に収納した後、幅方向両側のフランジ部3で接着して各容器部2を密封し、搬送、保管の用に供するために用いられるもので、図1(b)に示すように、表面側ベースフィルム11と裏面側ベースフィルム12のそれぞれの片面に被覆層13、14を形成した後、両ベースフィルム11、12をそれぞれの被覆層13、14の面で、中間層15を介して互いに重ね合わせて熱溶着し、得られた積層フィルム16の片面にシーラント層17を設け、さらに必要に応じてその反対側の面に導電層18を設けた構造をしている。
【0007】
次に、トップテープ1の製造方法を図2に説明図で示した一実施態様に基づいて説明する。
まず、図2(a)に示したように、表面側ベースフィルム11の片面にアンカーコート剤19を塗工し、1〜5秒ほど遠赤外線ヒーターにて乾燥させた後、その塗工面に押出機20よりの合成樹脂材料で被覆層13を形成し、中間品フィルム21を得る。同様の方法で、裏面側ベースフィルム12の片面に被覆層14を形成した中間品フィルム22を準備する。
図2(b)に示したように、2種類の中間品フィルム21、22を、それぞれの被覆層13、14が互いに内側になるように巻き戻し、この2つの被覆層13、14の間に、押出機20よりの樹脂材料で形成された中間層15を介して、被覆層13、14を互いに重ね合わせて熱溶着し、積層フィルム16を得る。この熱溶着の条件としては、圧力が5〜30kg/cm2、温度が 150〜 200℃が好ましい。
この積層フィルム16の片側の面にシーラント剤を塗工し、 160℃の熱風を12秒間あてて乾燥させてシーラント層17を形成した後、その反対側の面に必要に応じて導電剤を塗工し、同様に 120℃の熱風を6秒間あてて乾燥させて導電層18を形成すると、図1(b)に示すトップテープ1となる。
なお、被覆層13、14と中間層15の厚さの割合は、おおよそ1:1:1とし、各層自体をほぼ同じ厚さにすることが好ましい。
【0008】
表面側および裏面側のベースフィルム11、12の材料としては、トップテープの使用条件から、2軸延伸ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、未延伸のポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルムなどが挙げられ、両ベースフィルム11、12について同じでも異なっていてもよいが、これらの内では2軸延伸ポリエステルフィルムが好ましい。
これらのベースフィルム11、12の厚さは、その剛性にもよるが、おおむね6〜25μmが好ましい。
被覆層13、14と中間層15の材料としては、熱溶着性の点から、ポリエチレン、ポリプロピレンあるいは、それらを変性させたポリオレフィン類が好ましく、各層について同じでも異なっていてもよい。これらの厚さは、それぞれについて6〜17μmの範囲、3つの層を合わせておおむね10〜60μmの範囲、特には20〜50μmの範囲であることが好ましい。
さらに、押出される樹脂の温度は材料によりほぼ決まっていて、例えば低密度ポリエチレンの場合で 300〜 330℃、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂の場合で 270〜 290℃、ポリプロピレンの場合で 260〜 330℃となる。またエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の場合は、熱分解温度が低いので、 260℃を超えない樹脂温度で行うのが望ましい。
【0009】
シーラント層17の形成に用いられるシーラント剤としては、飽和共重合ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリブタジエン樹脂、アイオノマー樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂などの単体、もしくは2種以上の複合体が例示される。
導電層18の形成に用いられる導電剤としては、酸化スズや酸化インジウム化合物などが透明性の確保のために好ましく、これらにアンチモンやフッ素、リンなどをドープすることで、さらに導電性を向上させることができる。なお、透明性を必要としないときは、安価なカーボンを適切なバインダー樹脂に混合したものでもよい。
本発明で得られたトップテープは、2枚のベースフィルムの間に、中間層と被覆層とで合わせて3層設けたことで、乾燥工程でも外観上のしわの発生しないものとなり、品質の安定化が図れる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の具体的態様を実施例および比較例を挙げて説明する。
(実施例)
先ず、ベースフィルムとして、厚さ9μmの2軸延伸ポリエステルフィルム:エンブレット(ユニチカ社製、商品名)を用意し、片面にコロナ処理による表面改質を施した後、アンカーコート剤を塗工した。この塗工面に押出成形により製造された厚さ13μmの低密度ポリエチレンフィルム:スミカセン(住友化学工業社製、商品名)を被覆層として熱溶着により貼り合わせ、中間品フィルムを得た。同様にして同じ中間品フィルムをもう1本製造した。
2本の中間品フィルムを、それぞれのポリエチレン面が互いに内側になるように巻き戻し、押出成形により製造された、中間層としての厚さ14μmの低密度ポリエチレンフィルム(同前)を、この2つのポリエチレン面で挟むように圧力10kg/cm2、温度 200℃の条件で熱溶着により貼り合わせ、2本のベースフィルムの間に中間層と被覆層とで合わせて3層ある積層フィルムを製造した。このときの押出樹脂温度は 320℃とした。
この積層フィルムの片面に、変性エーテル型ポリエステル樹脂を主成分とするシーラント層を塗工し、ブロアーの熱風を積層フィルムのベースフィルム面側に直接当てて、シーラント層を乾燥した。このときの乾燥条件は 160℃、12秒とした。この積層フィルムの反対側の面に、帯電防止のための導電層として、ウレタン系樹脂バインダーを含む酸化スズ塗料を塗工した後、ブロアーを用いて 120℃、6秒で乾燥した。
【0011】
(比較例)
上記実施例において、被覆層として厚さ20μmの低密度ポリエチレンフィルムを用いたほかは同様にして作製した2本の中間品フィルムについて、それぞれのポリエチレン面を内側にして、直接熱溶着して貼り合わせた、(被覆層としての)中間層が2層のトップテープと、アンカーコート剤が上記と同様に塗工されている2本の2軸延伸ポリエステルフィルムを、それぞれの塗工面が内側になるように巻き戻し、押出成形により製造された厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルムを介して、上記と同じ条件で互いに熱溶着して貼り合わせた、中間層が1層のトップテープとを作製した。
【0012】
以上のようにして得られた、ベースフィルム間に中間層と被覆層とが合わせて3層ある本発明のトップテープと、中間層が1層または2層の比較例としてのトップテープとについて、しわの有無を、テーブルテストおよび実機製造テストにより、それぞれ乾燥温度を変えて比較した。それぞれのテストの結果を表1および表2に示した。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
表1のテーブルテストでは、本発明で得られたトップテープと従来のトップテープとでは、明らかにしわの発生の有無に差が認められ、トップテープ製造の際の品質に大きな影響がある。また表2の実機製造テストにおける 160℃以下の乾燥温度では、いずれもシーラント層の乾燥が不充分であり、中間層が3層構造のもの以外は、しわの発生を防ぐことができなかった。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば外観上のしわが入らない安定した品質のトップテープが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で得られたトップテープの一実施態様に係り、 図(a)は、その使用状態を示すキャリアテープの斜視図、図(b)はトップテープの縦断面説明図である。
【図2】図(a)、(b)はそれぞれ図1(b)に示したトップテープの中間品の製造工程についての説明図である。
【図3】従来のトップテープの製造方法を工程順に示すもので、図(a)、(b)はそれぞれ中間品の製造工程についての説明図、図(c)は得られた製品の縦断面説明図である。
【符号の説明】
1、41:トップテープ、2:容器部、3:フランジ部、4:キャリアテープ、
5:部品、11:表面側ベースフィルム、12:裏面側ベースフィルム、
31、36:ベースフィルム、13、14、34、37:被覆層、15:中間層、
16、38:積層フィルム、17、39:シーラント層、18、40:導電層、
19、32:アンカーコート剤、20、33:押出機、21、22、35:中間品フィルム。
Claims (1)
- それぞれの片面に被覆層を有する2枚のベースフィルムを、それぞれの被覆層側で中間層を介して熱溶着し、得られた積層フィルムの一方の面にシーラント層を設けることを特徴とするキャリアテープ用トップテープの製造方法。
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JP14887696A JP3539824B2 (ja) | 1996-06-11 | 1996-06-11 | キャリアテープ用トップテープの製造方法 |
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JP14887696A JP3539824B2 (ja) | 1996-06-11 | 1996-06-11 | キャリアテープ用トップテープの製造方法 |
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JPH09330955A JPH09330955A (ja) | 1997-12-22 |
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JP14887696A Expired - Fee Related JP3539824B2 (ja) | 1996-06-11 | 1996-06-11 | キャリアテープ用トップテープの製造方法 |
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- 1996-06-11 JP JP14887696A patent/JP3539824B2/ja not_active Expired - Fee Related
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