JP3539601B2 - Vhfチューナの入力同調回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はテレビジョン受像機やVTR等において用いられるVHFチューナに係り、特にその入力同調回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5に示すように、VHFチューナの入力同調回路1は、インダクタンスコイル部3と、可変容量ダイオードD2とから成っている。2は入力端子、C3は直流阻止用コンデンサ、C4は結合コンデンサ、Q1は高周波増幅トランジスタである。
【0003】
インダクタンスコイル部3は複数のコイルとスイッチングダイオード等から成り、コイルを切り換えることによってハイバンドとローバンドを実現している。可変容量ダイオードD2は端子4から同調電圧VTが抵抗R1を通して与えられ、その同調電圧に応じた容量を呈する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような入力同調回路では、図4の特性(イ)に示す如く受信チャンネル変化に対して電力利得の変動が発生する。この原因は電力利得の低い第4チャンネルで同調電圧VTが低いために可変容量ダイオードD2の容量が大きくなることによる。即ち、D2の容量Cが大きくなると、グランドに対するA点のインピーダンスは1/jωCとなり、例えば第12チャンネルに比較すると、かなり小さくなる。その結果、信号レベルが小さくなる。従って、電力利得は低い方向に変動する。
【0005】
本発明は第4チャンネルでの電力利得を向上させたVHFチューナの入力同調回路を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、信号路とグランド間に接続された同調用の可変容量ダイオードと、インダクタンスコイルとから成り、インダクタンスコイルの切り換えによってローバンドとハイバンドの切り換えを実現し、出力信号を高周波増幅トランジスタに与えるVHFチューナの入力同調回路におけるハイバンドの最も周波数の低いチャンネルにおいて高周波増幅トランジスタの入力電極とグランド間の容量成分と打ち消し合うインピーダンスをもつインダクタンスコイルを前記高周波増幅トランジスタの入力電極に通じる信号路に挿入している。
【0007】
このようにすると、前記低いチャンネルの受信時に小さくなる可変容量ダイオードのインピーダンスに依る利得低下を前記インダクタンスコイルを含む共振回路で補正することができるので、受信チャンネルが変化しても一定な電力利得を得ることができる。
【0008】
尚、一般に高周波増幅トランジスタの入力電極とグランド間には、前記同調用の可変容量ダイオードの容量だけでなく、他の容量(例えば配線パターン容量)も存在するが、前記インダクタンスコイルは前記他の容量をもキャンセルするのが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。図1において、2はアンテナでキャッチされたRF信号が供給される入力端子であり、C1は結合コンデンサである。L1、L2、L3、L4は同調用のインダクタンスコイル、C2、C6は直流カット用のコンデンサ、D1はバンド切り換え用のスイッチングダイオード、R1、R2はスイッチングダイオードD1のバイアス抵抗、R7はローバンドの選択度帯域幅補正用のダンピング抵抗である。
【0010】
スイッチングダイオードD1はハイバンド時に端子5に与えられる+B1電圧によってONし、ローバンド時には端子6に印加される+B2電圧によってOFFになる。このように構成されたインダクタンス部3の後段に同調用の可変容量ダイオードD2が従来例(図5)と同様に設けられる。7はMOS電界効果型のRF増幅トランジスタQ1の第1ゲートG1にバイアス電圧Bを与える端子であり、R5、R6はバイアス抵抗である。
【0011】
本実施形態では、結合コンデンサC4と、MOS電界効果型のRF増幅トランジスタQ1の第1ゲートG1との間にインダクタンスコイルL5を挿入している。このインダクタンスコイルL5の値はハイバンド(第4チャンネル〜第12チャンネル)のうちの周波数の最も低い第4チャンネル受信時における第1ゲートG1とグランド間の容量Csをキャンセルする値に選ばれる。
【0012】
図6において、(a)は図1の要部を等価回路で示しており、CinはコイルL5の入力側回路の容量、CsはトランジスタQ1の第1ゲートG1とグランド間の容量である。この(a)の等価回路は更に(b)のような等価回路で表わされる。(b)の等価回路において、共振周波数をfOとすると、
fO=1/2π[L5+(Cin×Cs)/(Cin+Cs)]1/2
で表わされる。ここで、fOが第4チャンネルになるようにコイルL5の定数を選ぶ。この定数は一般に線径0.4Ф、巻径3.5Ф、巻数4ぐらいとなる。
【0013】
このようにすると、第4チャンネル動作時、可変容量ダイオードD2のインピーダンス低下による電力利得低下を、インダクタンスコイルL5により前記容量Csとの共振を第4チャンネル付近にさせることにより抑えてゲート電極G1の信号レベルを大きくし、電力利得低下を補正することでチューナの受信チャンネル変化に対して電力利得を一定にすることができる。
【0014】
図2はテレビのVHFチャンネル(第1チャンネル〜第12チャンネル)と周波数及び同調電圧の関係を示している。第1〜第3チャンネルはローバンドであり、第4〜第12チャンネルはハイバンドである。ここで、第4チャンネルの同調電圧が一番低い。従って、可変容量ダイオードD2の容量は一番大きくなり、そのインピーダンスは一番小さくなることが分かる。
【0015】
図3は第1〜第12チャンネルについて従来例と本発明とのパワーゲイン(電力利得)について対比して示している。第4チャンネルの電力利得は従来例では24.2dbであったが、本実施形態では上記インダクタンスコイルL5の導入により27.3dbに改善されている。
【0016】
図4は電力利得についてその特性を従来例と比較して示している。(イ)は従来例の電力利得特性であり、(ロ)は本発明でL5を最適値(第1ゲートG1とグランド間の容量Csを実質的にキャンセルする値)に選んだ場合、(ハ)はL5を前記最適値より小さくした場合、(ニ)は最適値より大きくした場合を示している。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ハイバンドの最も周波数の低いチャンネルにおける同調用可変容量ダイオードのインピーダンスはインダクタンスコイルによって打ち消されるので、そのインピーダンスの影響が電力利得に影響せず、従来例より高い電力利得を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の回路図。
【図2】VHFチャンネルと周波数、同調電圧の関係を示す図。
【図3】本発明の効果を従来例と対比して数値的に示す図。
【図4】本発明の効果を従来例と対比して特性グラフで示す図。
【図5】従来例の回路図。
【図6】本発明の回路を説明するための等価回路図。
【符号の説明】
1 入力同調回路
D2 可変容量ダイオード
L5 インダクタンスコイル
Q1 高周波増幅トランジスタ
Claims (3)
- 信号路とグランド間に接続された同調用の可変容量ダイオードと、インダクタンスコイルとから成り、インダクタンスコイルの切り換えによってローバンドとハイバンドの切り換えを実現し、出力信号を高周波増幅トランジスタに与えるVHFチューナの入力同調回路であって、
ハイバンドの最も周波数の低いチャンネルにおいて前記トランジスタの入力電極とグランド間の容量成分と打ち消し合うインピーダンスをもつインダクタンスコイルを前記高周波増幅トランジスタの入力電極に通じる信号路に挿入したことを特徴とするVHFチューナの入力同調回路。 - 前記ハイバンドの最も周波数の低いチャンネルはテレビジョン放送チャンネルの第4チャンネルであることを特徴とする請求項1に記載のVHFチューナの入力同調回路。
- 前記高周波増幅トランジスタはMOS電界効果トランジスタである請求項1又は請求項2に記載のVHFチューナの入力同調回路。
Priority Applications (1)
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JP34270195A JP3539601B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | Vhfチューナの入力同調回路 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP34270195A JP3539601B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | Vhfチューナの入力同調回路 |
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JPH09186941A JPH09186941A (ja) | 1997-07-15 |
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ID=18355831
Family Applications (1)
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JP34270195A Expired - Fee Related JP3539601B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | Vhfチューナの入力同調回路 |
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JP (1) | JP3539601B2 (ja) |
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1995
- 1995-12-28 JP JP34270195A patent/JP3539601B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09186941A (ja) | 1997-07-15 |
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