JP3538896B2 - 射出成形機の制御方法 - Google Patents
射出成形機の制御方法Info
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Description
ルミ製品などを成形する射出成形機において、特に射出
工程を高精度に制御する射出成形機の制御方法に関する
ものである。
略化して示す概要図であり、図7を用いて油圧駆動式射
出成形機における成形方法を説明する。ペレット状の樹
脂またはアルミニウムを加熱によって溶融状態にされた
成形材料は、加熱シリンダ2の注入口5を介してプラン
ジャ4前部に注入され貯留される。
により接続された油圧作動バルブ12に成形機制御装置
16より電圧による指令値が送られ、それに応じて油圧
作動バルブ12のスプールが開き、作動油が配管10b
を通じて射出シリンダ7のヘッド側油圧室8bに流れ込
むようになっている。
入するとピストン9aには前方(図中左方向)へ動く力
が働きピストンロッド9bとともに、プランジャ4は前
進するのである。
配管10aを通ってタンク11へ流れる。プランジャ4
の前進に伴いプランジャ4前部の溶融物6はノズル3を
介し金型14の固定側14aと可動側14bの間にある
金型キャビティ14c部に流入、充填される。
から固化した後、可動側金型14bが移動しキャビティ
14cの形状に賦形された成形品が取出される。その後
金型14は閉じられ次の射出工程に備える。
力、速度状態で溶融物6を金型キャビティ14cに充填
するかが、品質のよい成形品を成形するために極めて重
要である。
時の状態、あるいはCAE(コンピュータ支援技術)計
算を用い、最適なプランジャ4の前進速度、ノズル3部
での射出圧力などを算出し、品質のよい成形品を得よう
とする。
は、油圧作動バルブ12の開き遅れ、配管10b、ヘッ
ド側油圧室8b内の作動油の弾性、溶融物6の弾性、プ
ランジャ4の質量などによる速度の立ち上がり遅れなど
により、成形機制御装置16から適切な電圧値を油圧作
動バルブ12に指令しても、前記したような最適なプラ
ンジャ4速度や射出圧力は実現できず、そのために、プ
ランジャ4速度は速度センサ15にて測定し、またノズ
ル3部での射出圧力は圧力センサ17で測定し、その測
定結果をフィードバックにより制御していた。
良品を成形するための制御方法の中で、射出工程の諸々
の動的挙動を数式で表現し、それらを解くことにより、
最適な指令値を算出し制御する方法を詳述する。
る数式を作成する。
入力される指令電圧をe、油圧作動バルブ12に装着さ
れて作動油の流量を調整するスプールの位置をW、指令
電圧eとスプールの位置Wの関係を表わすバルブ定数を
KV 、時定数をτ1 、時間をtとすると指令電圧eとス
プールの位置Wは一次遅れの関係にあるので、
力をPS 、油圧作動バルブ12の入側の圧力をPA 、時
定数をτ2 とすると、PS とPA との関係も一次遅れで
表現でき、
PB 、スプールの位置Wと作動油流量の関係を示す定数
をKg とすると、油圧作動バルブ12を流れる作動油の
流量Q L は、
ル化した数式を作成する。
の位置をx(ピストン9aが後退限から少し前進した状
態)とし、後退限(図9中でピストン9aが右方向に移
動限まで進んだ状態)の位置をx=0とする。
a間の作動油の体積(ヘッド側油圧室8bと配管10b
との合計の容積)をV1 とする。作動油の体積弾性係数
をK h とし、ヘッド側油圧室8bおよび配管10b内の
作動油の圧力PB と等しく、また、ピストン9aの断面
積はA1 とすると、これら作動油の圧力と体積との関係
は、
ド9b、プランジャ4など射出時に運動する部品の総質
量をm、射出時にプランジャ4前部の溶融物に発生する
圧力をPC 、プランジャ4の断面積をA2 とする。
する摩擦力はピストン9aの前進速度に比例するのでB
f (dx/dt)となっているので、運動方程式は
わちx=0の位置にある時の溶融物6の体積をV2 、ノ
ズル3を介して金型キャビティ14c内に流入する溶融
物6の流量をQC 、溶融物6の体積弾性係数をKP とす
ると、溶融物6の圧力と体積の関係より
10に示すように円筒形状であるとする。円筒の直径を
Dh 、流動長さをhL 、溶融物の粘度をμとすると、流
動先端の圧力は0なので、流量と圧力の関係はハーゲン
・ポアズの式より
関係は、
射出成形機の射出工程での動的挙動が全て数式で表現さ
れた。ここで、KV 、τ1 、PS 、τ2 、Kg 、Kh 、
V1 、A1 、m、Bf 、KP、V2 、μ、Dh は定数で
あり既知である。また、変数はe、W、PA 、PB 、P
C 、x、QC 、hL の8つであり時間tの関数である。
ジャ4の目標速度をdx(t)/dt=f(t)と設定
した場合、
ので前述した(1)〜(7)の式を連立させて解くこと
により油圧作動バルブ12への指令電圧e(t)が算出
される。
れ、その他の遅れ要素が表現されているため、このe
(t)を成形機制御装置16から油圧作動バルブ12へ
指令すれば目標どおりの射出パターンdx(t)/dt
=f(t)が実現できる。
溶融物6のノズル3部での目標射出圧力をPC (t)=
f(t)と設定した場合でも、前述したと同様に指令電
圧e(t)が算出される。
(1)〜(5)式は射出成形機と溶融物6の体積弾性係
数のみより算出されるために動的挙動をかなり正確に記
述している式である。
的挙動を表現した(6)、(7)式は、キャビティ形状
が円筒形である場合の圧力、流量、体積の関係を示すも
のであり、このように金型キャビティ14c形状が単純
な円筒や平板状であれば、動的挙動を簡単かつ正確に数
式化でき、(1)〜(5)式と連立して解けば精度のよ
いe(t)が算出でき所望する射出工程が実現できる。
形状のものであれば、それを正確に表現する関係式がな
いため、むりやり図12に示すように、大小の円筒を重
畳的につなげたモデルに近似した数式で表現する。
になっても円筒や平板モデルで近似しなければならず、
これに対して金型14内での溶融物6の動的挙動はキャ
ビティ14c形状に大きく左右されるため、(1)〜
(7)式から算出して得られた油圧作動バルブ12の指
令値e(t)も誤差が大きくなる結果、図13に示すよ
うに射出工程の目標値に対して実際の値との差は大きく
なり、所望する射出工程が実現できないという問題点が
あった。
れたもので、品質のよい成形品を安定して得られるため
に、射出工程時における金型内の溶融物の動的挙動を表
現する数式を正確に表わし、高精度な指令値を算出する
ことにより所望する射出工程を実現する制御方法を提供
することにある。
るために、本発明における第1の発明ではキャビティ形
状を微少要素に分割したモデルを作成し、有限要素法あ
るいは境界要素法などを利用した金型内流動解析を用
い、金型内での溶融物の動的挙動は、圧力あるいは流量
を時間を変数とした関数P(t)、Q(t)で求め、ま
た射出工程内での制御目標となる射出速度あるいは射出
圧力の目標値は時間などを変数とした関数f(t)で表
現し、該関数f(t)と該関数P(t)、Q(t)を連
立して解くことにより指令値U(t)を算出して、制御
装置から油圧作動バルブや電気モータに出力することに
よって、射出工程を目標どおりの射出状態f(t)に制
御する、さらに第2の発明では有限要素法あるいは境界
要素法など数値解析法を利用した金型内流動解析から求
まる圧力、流量などの時間を変数とした関数P(t)、
Q(t)より、前記金型内での溶融物の動的挙動と等価
の動的挙動を示す円筒形、円錐形、平板形など簡単な数
式で表現することにより、高精度な指令値U(t)を算
出し、射出工程を所望する射出状態f(t)に制御する
ようにした。
における溶融物の動的挙動はコンピュータ計算による金
型内流動解析から得られる結果を用い正確に表現する。
このことにより金型内の溶融物の動的挙動が高精度に表
現され、射出工程全体が正確に記述されるので、所望す
るプランジャ速度や射出圧力の射出状態f(t)を射出
成形機を表示する(1)〜(5)式と金型内の動的挙動
を表すQ(t)、P(t)の式に代入して成形機制御装
置より出力される指令値を正確に計算し制御すれば、所
望する状態の射出工程が実現できる。
体的実施例を図面を参照して詳細に説明する。
を流動解析した時の時間と流量の関係を表わす図、図2
は金型内に溶融物を充填する時の挙動を流動解析した時
の時間と圧力の関係を表わす図、図3は図1に示す流動
解析結果を直線近似した時の図、図4は図3に示す流動
解析結果を直線近似した時の図、図5は流動解析結果を
金型キャビティと等価の円筒モデルに置き換えた等価円
筒モデル図、図6は本発明に係る制御方法で制御した時
目標値と実測値が一致したことを表わす図である。
(7)式は従来の技術で述べたものと同じであるからそ
の詳細な説明を省略し、以下図面を用いて本発明との関
係箇所のみ説明する。
ータ計算による金型14内の流動解析(Moldflow、C−
Flow)を用いて、所望する射出充填状態下におけるノズ
ル3を介して金型14内に流入する流量Qと時間tとの
関係(Q(t))を算出し、図1に示すように表示でき
る。
ティ14c内への射出圧力と時間との関係(P(t))
を算出し、図2に示すように表示できる。
的挙動を表現する式となり、キャビティ14c形状がい
くら複雑になっても流動解析により容易に算出できるの
である。
円筒金型内での動的挙動を示すので、ここでは削除する
と、(1)〜(5)式には未知数がe、W、PA 、
PB 、P C 、x、QC の7つであるが、QC とPC は金
型内流動解析よりQ(t)、P(t)として算出されて
おり、QC =Q(t)、PC =P(t)となるので全体
として未知数は5つとなる。ここで(1)〜(5)式の
5つの式より、成形機制御装置16から出力される指令
値e(t)が算出されることになる。このe(t)が請
求項記載の指令値U(t)となる。
油圧作動バルブ12にe(t)の電圧値を指令すると、
図6に示すように破線で示す射出工程の目標値と実線で
示す実測値とよく一致した射出工程が実現できる。
析から求まる圧力−流量−時間の関係を利用することに
より、金型14内の動的挙動と等価の動的挙動を示す円
筒形状を算出する方法を説明する。
た流量と時間の関係を簡単にするため、図3に示す3段
の階段上の関数に近似する。また、図2に示す圧力と時
間の関係も図4に示すような簡単な折れ線式に近似でき
る。
説明すると、射出開始(t=0)から時間(t=t1 )
までにランナ14d部を流れる溶融物6の流量q1 は一
定で(図3)、この時の圧力は0からp1 まで直線的に
立ち上がる(図4)。
1 ×t1 となり、この時、図5に示す等価円筒1の直径
をDh1、長さをHL1とすると圧力、流量、体積の関係よ
り、次式が成立つ。
間はキャビティ14c内を流れる溶融物6の流量q2 は
一定(図3)で、この時の圧力はp1 からp2 まで直線
的に立ち上がる(図4)。
4c内に流入する体積はq2 (t2−t1 )となり、こ
の時、図5に示す等価円筒2の直径をDh2、長さをHL2
とすると、前述したと同様に、
間はキャビティ14c内を流れる溶融物6の流量q3 は
一定(図3)で、この時の圧力はp2 からp3 まで直線
的に立ち上がる。
4cに流入する体積はq3 (t3 −t2 )となり、この
時、図5に示す等価円筒3の直径をDh3、長さをHL3と
すると、前述したと同様に、
ランナ14d部とキャビティ14c形状は、図5に示す
ように等価円筒1、2、3をそれぞれ3つつなげた形状
で表現できるのである。
びキャビティ14cをそれぞれ等価円筒1〜3に置換え
た場合、溶融物6の流動先端が等価円筒1を通過する時
の流量と圧力の関係は、(6)式と(7)式より、
たし、流動先端が等価円筒2を通過する時の流量と圧力
の関係は、前述したと同様に
2を満たし流動先端が等価円筒3を通過する時の流量と
圧力の関係は、
を示す(1)〜(5)式と、溶融物6の流動先端より等
価円筒1〜3を流れる動的挙動を示す(11)〜(1
6)式と、最適な射出充填状態を表わすf(t)を連立
して解くことにより、成形機制御装置16から出力され
る指令値e(t)=U(t)が算出できるのである。
方法では、例えば成形現場で所望する充填状態f(t)
を変えても、再度コンピュータ計算により金型14内流
動解析をしなくてよいという利点がある。
本発明における第1の発明では、キャビティ形状を微少
要素に分割したモデルを作成し、有限要素法あるいは境
界要素法などを利用した金型内流動解析を用い、金型内
での溶融物の動的挙動は、圧力あるいは流量を時間を変
数とした関数P(t)、Q(t)で求め、また射出工程
内での制御目標となる射出速度あるいは射出圧力の目標
値は時間などを変数とした関数f(t)で表現し、該関
数f(t)と該関数P(t)、Q(t)を連立して解く
ことにより指令値U(t)を算出して、制御装置から油
圧作動バルブや電気モータに出力することによって、射
出工程を目標どおりの射出状態f(t)に制御する、さ
らに第2の発明では有限要素法あるいは境界要素法など
数値解析法を利用した金型内流動解析から求まる圧力、
流量などの時間を変数とした関数P(t)、Q(t)よ
り、前記金型内での溶融物の動的挙動と等価の動的挙動
を示す円筒形、円錐形、平板形など簡単な数式で表現す
ることにより、高精度な指令値U(t)を算出し、射出
工程を所望する射出状態f(t)に制御するようにした
ことにより、射出工程時に射出充填状態に大きな影響を
及ぼす溶融物の金型内における動的挙動を正確に把握す
ることができるため、所望する射出状態の実現が可能と
なり、プラスチック製品やアルミニウム製品の良品への
安定成形への効果は絶大となる。
した時の時間と流量の関係を表わす図である。
した時の時間と圧力の関係を表わす図である。
である。
である。
デルに置き換えた等価円筒モデル図である。
測値が一致したことを表わす図である。
概要図である。
記号化して表わした説明図である。
を記号化して表した説明図である。
記号化して表した説明図である。
概要図である。
価の円筒モデルに置き換えた時の等価円筒モデル図であ
る。
状にむりやりに置き換え制御した時の目標値と実測値と
の差を表わすグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】キャビティ形状を微少要素に分割したモデ
ルを作成し、有限要素法あるいは境界要素法などを利用
した金型内流動解析を用い、金型内での溶融物の動的挙
動は、圧力あるいは流量を時間を変数とした関数P
(t)、Q(t)で求め、また射出工程内での制御目標
となる射出速度あるいは射出圧力の目標値は時間などを
変数とした関数f(t)で表現し、該関数f(t)と該
関数P(t)、Q(t)を連立して解くことにより指令
値U(t)を算出して、制御装置から油圧作動バルブや
電気モータに出力することによって、射出工程を目標ど
おりの射出状態f(t)に制御することを特徴とする射
出成形機の制御方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の制御方法において、有
限要素法あるいは境界要素法など数値解法を利用した金
型内流動解析から求まる圧力、流量などの時間を変数と
した関数P(t)、Q(t)より、前記金型内での溶融
物の動的挙動と等価の動的挙動を示す円筒形、円錐形、
平板形など簡単な数式で表現することにより、高精度な
指令値U(t)を算出し、射出工程を所望する射出状態
f(t)に制御することを特徴とする射出成形機の制御
方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP13591594A JP3538896B2 (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 射出成形機の制御方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13591594A JP3538896B2 (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 射出成形機の制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH081744A JPH081744A (ja) | 1996-01-09 |
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ID=15162820
Family Applications (1)
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JP13591594A Expired - Fee Related JP3538896B2 (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 射出成形機の制御方法 |
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DE60011503T2 (de) * | 1999-04-13 | 2004-11-04 | Fanuc Ltd. | Verfahren, Vorrichtung und Medium zur Erstellung von Giessformbedingungen, und Giessformmaschine |
TWI241949B (en) * | 2001-06-08 | 2005-10-21 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | Method of analyzing injection molding conditions and method for providing the analysis results thereof |
JP2012200770A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Aisin Aw Co Ltd | 評価用鋳造型、評価用鋳造型を用いた評価方法 |
DE102018123361A1 (de) * | 2018-09-23 | 2020-03-26 | Arburg Gmbh + Co Kg | Verfahren zur Steuerung einer Maschine zur Verarbeitung von Kunststoffen |
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1994
- 1994-06-17 JP JP13591594A patent/JP3538896B2/ja not_active Expired - Fee Related
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