JP3538672B2 - 相溶性−多相有機溶媒システム - Google Patents

相溶性−多相有機溶媒システム

Info

Publication number
JP3538672B2
JP3538672B2 JP2001254109A JP2001254109A JP3538672B2 JP 3538672 B2 JP3538672 B2 JP 3538672B2 JP 2001254109 A JP2001254109 A JP 2001254109A JP 2001254109 A JP2001254109 A JP 2001254109A JP 3538672 B2 JP3538672 B2 JP 3538672B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic solvent
solvent
mixed
solvent system
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001254109A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003062448A5 (ja
JP2003062448A (ja
Inventor
一裕 千葉
悠介 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Agency
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2001254109A priority Critical patent/JP3538672B2/ja
Application filed by Japan Science and Technology Agency filed Critical Japan Science and Technology Agency
Priority to US10/486,383 priority patent/US20040214989A1/en
Priority to EP02767852A priority patent/EP1426101B1/en
Priority to CNB02820915XA priority patent/CN1289182C/zh
Priority to DE60238846T priority patent/DE60238846D1/de
Priority to PCT/JP2002/008501 priority patent/WO2003018188A1/ja
Publication of JP2003062448A publication Critical patent/JP2003062448A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3538672B2 publication Critical patent/JP3538672B2/ja
Publication of JP2003062448A5 publication Critical patent/JP2003062448A5/ja
Priority to US11/556,492 priority patent/US8344103B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基本的には、反応
の制御が容易であり、反応生成物の回収が容易である溶
媒システムおよび該反応溶媒システムを用いた化合物の
製造方法に関するものである。特に、電解質を用いる系
において、電解質を溶解する均一相溶混合溶媒系の状態
と電解質を前記均一相溶混合溶媒系を構成する二種以上
の単一有機溶媒または混合有機溶媒を主成分とする分離
した一の相に溶解して分離できる分離溶媒系の状態とに
容易に可逆的に変換できる溶媒システム、反応溶媒シス
テム、および該反応溶媒システムを用いた化合物の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】化学反応において、触媒、反応補助剤、
副生成物などと目的とする生成物を容易に分離すること
ができれば、分離操作を大幅に低減させるだけでなく、
工程で使用される薬剤の減少などにより、環境に有害な
廃棄物を発生させることを極力抑制することができる。
ところで、実験室レベルでは、これまでに、生成物の分
離を容易にする方法としては、以下のものが提案されて
いる。 1,溶媒中に固体を分散させた状態で、該分散溶媒中の
固体表面の分子などと溶媒に溶けている分子との一連の
反応を固体表面で行なう、固相合成法。 2,フッ素化されたアルカン類と一般の低極性有機溶媒
を組み合わせた、フッ素系相溶性二相反応システム。 3,水および有機溶媒の二相系において相間移動触媒を
用いた反応システム。これらの反応系において、2で
は、それぞれの溶媒成分は、加熱によって相溶する。し
かしながら、使用できる溶媒が低極性であるフッ素化さ
れた溶媒と親和性が比較的高い、低極性のものに限られ
ている。また、高価なフッ素化溶媒が必要であること、
フッ素化溶媒に目的とする物質を溶解させるために、そ
の物質もフッ素化処理をする必要があること、高誘電率
溶媒にはこの特性が見られないことから、有機および無
機塩類を溶解させた反応や、生体分子など極性物質を取
り扱う上で困難な場合が多い、などの問題があった。ま
た、3は、高誘電率(または高極性)の溶媒と低誘電率
溶媒(または低極性)とを組み合わせた反応系とも言
え、これらの溶媒は性質の違いによりって二相構造を形
成するものの、簡単な外部の条件の変化により、可逆的
な均一な混合溶媒系を形成させものは得られていない。
更に、反応は分離した二層の界面と限られており、反応
性は、高いとは言い難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、前記従来技術の反応の制御と、反応生成物の分離精
製の問題点を解決した反応系を構築することである。前
記問題点を解決すべく鋭意検討する中で、本発明者らは
特定の非極性有機溶媒(単独の単一有機溶媒とこれらを
適当な混合比で混合した混合有機溶媒を含む概念であ
る。)と極性有機溶媒(これも単独の単一有機溶媒とこ
れらを適当な混合比で混合した混合有機溶媒を含む概念
である。)は、化学成分に対する溶解性が異なり、かつ
温度条件を変化させることにより均一相溶混合溶媒系の
状態および相分離した分離溶媒系の状態との2つの溶媒
状態に、可逆的に、かつ容易に変換できると共に、均一
相溶混合溶媒状態においてのみ実質的な反応条件を満た
す溶媒システムを構築することができることを見出し、
前記課題を解決することができた。
【0004】更に、通常電解質を溶解する極性の溶媒
は、非極性有機溶媒の溶媒と簡単な条件では均一相溶混
合溶媒系の状態を作らず、特に可逆性にすることは困難
であった。ところが、本発明者らが今回見出した溶媒シ
スムにおいては、一の溶媒は電解質を溶解することがで
き、かつ電解質を溶解した均一相溶混合溶媒系の状態−
相分離した一の溶媒を主成分とする単一有機溶媒または
混合有機溶媒にだけに電解質を溶解して分離できる状態
を、温度を制御するのみで可逆的に実現することができ
ることを見出した。この現象の発見は、全く驚くべきこ
とであり、反応系にイオン性物質を使用することが多
く、かつ、反応後のイオン物質の分離除去が難しかった
ことから、本発明の溶媒システムの提供は、今後の種々
の反応系の設計、構築に資すること極めて大である。更
に、本発明の溶媒システムは、反応工程のみならず、精
製系、相溶−相分離を制御した機能性システム、例えば
ある臨界的な温度では通電するシステムなどの構築も考
えられ、新しい機能材料としても有用と考える。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、二種以
上の単一有機溶媒、二種以上の混合有機溶媒または単一
有機溶媒と混合有機溶媒からなる溶媒システムであり、
該溶媒システムは、該溶媒システムを構成する二種以上
の単一有機溶媒、二種以上の混合有機溶媒または単一有
機溶媒と混合有機溶媒が均一に相溶混合した均一相溶混
合溶媒系と該溶媒システムを構成する二種以上の前記単
一有機溶媒、二種以上の混合有機溶媒または単一有機溶
媒と混合有機溶媒を主成分とする二以上の相に分離した
分離溶媒系との2つの溶媒系状態に温度条件を変えるこ
とにより可逆的に状態変化させることができ、かつ、該
均一相溶混合溶媒系を構成する条件において一の単一有
機溶媒または混合有機溶媒にのみ溶解する化学成分を均
一に溶解できることを特徴とする溶媒システムシステム
である。なお、本明細書において「一の単一有機溶媒ま
たは混合有機溶媒のみに溶解する」というのは、他の単
一有機溶媒または混合有機溶媒に全く溶解しないと言う
のではなく、加えた化学成分の大部分が一の単一有機溶
媒または混合有機溶媒に溶解し、数%程度は他の単一有
機溶媒または混合有機溶媒の溶ける場合を含む概念であ
る。
【0006】好ましくは、化学成分が反応に関与する化
学成分であり、溶媒システムを構成する少なくとも一の
有機溶媒または有機溶媒系を主成分とする相は少なくと
も前記反応に関与する化学成分の一成分を溶解し、か
つ、分離溶媒系の状態では実質的な化学反応を進行させ
る条件を満たさず、均一相溶混合溶媒系の状態において
のみ前記化学反応を進行させる条件を満たすことを特徴
とする前記溶媒システムであり、より好ましくは、一の
単一有機溶媒または混合有機溶媒がシクロアルカン系の
化合物から構成され、他の単一有機溶媒または混合有機
溶媒がニトロアルカン、ニトリル、アルコール、ハロゲ
ン化アルキル、アミド化合物およびスルフォキサイドか
らなる群から選択される少なくとも一種から構成された
ものであることを特徴とする前記溶媒システムであり、
一層好ましくは、ニトロアルカンのアルキル基は炭素数
が1、2または3であり、ニトリルのアルキル基は炭素
数が1、2または3であり、アミド化合物はN−ジアルキ
ルまたはN−モノアルキルアミドであり、かつアルキル
基およびホルミル基またはアシル基の合計の炭素数が6
以下であり、アルコールは炭素数が8以下であり、スル
フォキサイドのアルキル基は炭素数が1、2または3で
あり、またハロゲン化アルキルのアルキル基は炭素数が
6以下であることを特徴とする前記の溶媒システムであ
る。
【0007】本発明の第2は、二種以上の単一有機溶
媒、二種以上の混合有機溶媒または単一有機溶媒と混合
有機溶媒からなる溶媒システムであり、該溶媒システム
は、該溶媒システムを構成する二種以上の単一有機溶
媒、二種以上の混合有機溶媒または単一有機溶媒と混合
有機溶媒が均一に相溶混合した均一相溶混合溶媒系と該
溶媒システムを構成する二種以上の単一有機溶媒、二種
以上の混合有機溶媒または単一有機溶媒と混合有機溶媒
を主成分とする二以上の相に分離した分離溶媒系との2
つの溶媒系状態に温度条件を変えることにより可逆的に
状態変化させることができ、かつ、該均一混合溶媒系の
状態において一の単一有機溶媒または一の混合有機溶媒
のみに溶解する化学成分を均一に溶解できることを特徴
とする溶媒システムを用い、化学成分として反応に関与
する化学成分を用い、該化学成分の添加後、化学反応の
条件を満たす均一相溶混合溶媒系の状態を実現する温度
条件にして反応を進行させ、次いで該溶媒システムを構
成する二種以上のそれぞれの単一有機溶媒または混合有
機溶媒を主成分とする複数の相に分離する温度に調整
し、生成物を一の単一有機溶媒または混合有機溶媒を主
成分とする相にまたは析出物として分離回収することを
特徴とする化合物の製造方法である。
【0008】好ましくは、一の単一有機溶媒または混合
有機溶媒がシクロアルカン系の化合物から構成され、他
の単一有機溶媒または混合有機溶媒系がニトロアルカ
ン、ニトリル、アルコール、ハロゲン化アルキル、アミ
ド化合物およびスルフォキサイドからなる群から選択さ
れる少なくとも一種から構成されたものである溶媒シス
テムを用いることを特徴とする前記の化合物の製造方法
であり、より好ましくは、ニトロアルカンのアルキル基
は炭素数が1、2または3であり、ニトリルのアルキル
基は炭素数が1、2または3であり、アミド化合物はN
−ジアルキルまたはN−モノアルキルアミドのアルキル
基およびアシル基またはホルミル基の炭素数は6以下で
あり、アルコールは炭素数は8以下であり、スルフォキ
サイドのアルキル基は炭素数が1、2またまたは3であ
り、またハロゲン化アルキルのアルキル基は炭素数が6
以下である溶媒システムを用いることを特徴とする前記
化合物の製造方法である。
【0009】更に、前記反応に関与する化学成分として
電解質を用い、電解により反応を進行させることを特徴
とする前記各化合物の製造方法および反応系に紫外〜可
視光の光を照射して反応を進行させることを特徴とする
前記各化合物の製造方法である。
【0010】
【本発明の実施の態様】本発明をより詳細に説明する。 A.本発明の溶媒システムは、少なくとも、わずかな温
度変化により、可逆的に均一相溶混合溶媒系の状態と複
数相に分離した分離溶媒系の状態とを取り得る二種以上
の単一有機溶媒または混合有機溶媒から成り立ってい
る。この特性を持つ単一有機溶媒または混合有機溶媒の
組み合わせが本発明の溶媒システムの基本である。 1,一の単一有機溶媒または混合有機溶媒は、基本的に
は低極性有機溶媒であり、該溶媒を構成する化合物群と
しては、アルカン、シクロアルカン、アルケン、アルキ
ン、芳香族化合物などを挙げることができ、好ましいも
のとしては、シクロアルカン系の化合物を挙げることが
でき、特に好ましいものとしてシクロヘキサンを好まし
いものとして挙げることができる。シクロヘキサンのイ
ス型−舟形配座異性体の変換が他の溶媒との関連で温度
的に比較的穏やかな条件で起こることに関連して、前記
本発明の溶媒システムが実現されていることと推測する
ことができる。シクロヘキサンは融点が6.5℃と比較
的高く、反応後の生成物などを固化して分離できるとい
う利点があり、この面からも好ましい溶媒と言うことが
できる。
【0011】2、前記1、と組み合わされる単一有機溶
媒または混合有機溶媒としては、基本的には、高極性有
機溶媒である。好ましくは、高極性を有する溶質、たと
えば無機塩類、有機塩類、無機塩基、無機酸、有機塩
基、有機酸、ルイス酸、ルイス塩基、両イオン性物質、
イオン性光増感剤(メチレンブルー)、支持電解質、有
機金属化合物、アルコール、フェノール、芳香族化合
物、カルボン酸、アミン、アルデヒド、ケトン、エーテ
ル、アミド、ニトロ化物、ハロゲン化物、チオール、ス
ルフォン、スルフォキサイド、イソニトリル、酸無水
物、エステル類、などの極性有機分子、水、極性高分
子、アミノ酸、ペプチド、タンパク質およびその誘導
体、核酸およびその誘導体、糖類およびその誘導体、脂
質およびその誘導体などを選択的に溶解するものを挙げ
ることができる。より好ましい溶媒としては、ニトロア
ルカン、ニトリル、アルコール、ハロゲン化アルキル、
アミド化合物およびスルフォキサイド等を挙げることが
できる。
【0012】前記溶媒システムを構成するものとして
は、種々の反応に用いることを前提とするものであるか
ら、種々の反応との関連で、該反応に関与して用いられ
る溶質、触媒、基質、反応補助剤等を、均一相溶混合溶
媒系の状態において溶解する特性であることが必要であ
り、この観点を考慮して選択されることは当然である。
【0013】B.本発明溶媒システムを用いた化合物の
製造の原理の概略を図1にしたがって説明する。図1の
Aでは、それぞれの単一有機溶媒または混合有機溶媒に
分離している状態を示し、ここでは便宜的に、一の上の
溶媒として反応原料を溶解するものを、他の溶媒として
は触媒、反応補助剤を溶解するものを用いた場合で説明
している。Bは、温度条件を均一相溶混合溶媒系の状態
にし、反応を進行させている工程を説明している。ま
た、Cは、前記温度条件から、可逆的に溶媒システムを
構成する溶媒を主成分とする各溶媒相に分離し、生成物
を溶解する相と触媒、反応補助剤を溶解を溶解させた相
に分離した分離溶媒系の状態を示し、本発明の溶媒シス
テムの原理により生成物を分離する方法を説明するもの
である。
【0014】ここで、例えば生成物を溶解する溶媒とし
てシクロヘキサンを用いた場合には、0℃に冷却すれば
生成相は固体として分離でき、固体として分離した生成
物を加熱し、シクロヘキサンを蒸発除去することによ
り、容易に生成物を回収できるという利点がある。
【0015】
【実施例】先ず、溶媒システムの具体例を説明する。こ
こでの説明は、本発明の原理をより詳細に説明するため
のものであり、本発明を限定するものではない。
【0016】実施例1 10℃一気圧において、反応容器(ガラス製)にシクロ
ヘキサン10ミリリットルにニトロアルカン50ミリリ
ットル添加した。ニトロアルカンとしてニトロメタンと
ニトロエタンの混合物を用いた。混合物として、混合比
を、10:0(50ミリリットル:0ミリリットル)、
9:1(45ミリリットル:5ミリリットル)、8:1
(40ミリリットル:10ミリリットル)、7:3(3
5ミリリットル:15ミリリットル)、6:4(30ミ
リリットル:20ミリリットル)、5:5(25ミリリ
ットル:25ミリリットル)、4:6(20ミリリット
ル:30ミリリットル)、3:7(15ミリリットル:
35ミリリットル)、2:8(10ミリリットル:40
ミリリットル)、1:9(5ミリリットル:45ミリリ
ットル)、および0:10(0ミリリットル:50ミリ
リットル)としたものをそれぞれ調製した。これら11
種類の有機溶媒混合物の中で、ニトロメタン:ニトロエ
タン比が10:0から3:7の範囲においては10℃で
はすべて2相(シクロヘキサンを主成分とする上層とニ
トロアルカンを主成分とする下層)に分離する。
【0017】この溶液に対し、各々逐次温度を上げたと
ころ、図2のグラフに示す温度以上に加熱することによ
って、完全に均一相溶混合溶液となった。これらの均一
相溶混合溶液系は、均一化した温度以上の高い温度に保
つ限り、外部から攪拌等の物理的な作用を施さなくて
も、静置状態で均一溶液を維持した。また、均一化温度
以下に再び冷却すると、直ちに2相に分離した(分離溶
媒系)。この均一相溶混合溶液系−分離溶媒系の状態変
化の現象は、加熱、冷却にともない、繰り返し可逆的に
実施することが可能であった。また、ニトロメタン:ニ
トロエタン比が2:8から0:10のものは、10℃で
は均一溶液となったが、逐次冷却することにより、2相
に分離した。また、加熱により再び均一相溶混合溶液系
になり、これらの溶液についても冷却、加熱によって、
均一相溶混合溶液系−分離溶媒系の状態変化を可逆的に
繰り返すことができた。
【0018】実施例2 実施例1におけるシクロヘキサン:ニトロアルカン(ニ
トロアルカンは、ニトロメタン、ニトロエタンまたはそ
の混合物)比を変化させると、均一相溶混合溶液系−分
離溶媒系の状態変化を示す温度が変化した。図2に示す
とおり、シクロヘキサン:ニトロアルカン2:5(シク
ロヘキサン20ミリリットル:ニトロアルカン50ミリ
リットル)の場合、ニトロアルカン(ニトロメタンとニ
トロエタンの混合物)の組成を変化させると、実施例1
と同様に均一相溶混合溶液系の状態を示す温度は変化し
たが、シクロヘキサン:ニトロアルカン1:5の場合よ
りもこの温度は約25℃高くなった。また、シクロヘキ
サン:ニトロアルカン 1:1(シクロヘキサン30ミ
リリットル:ニトロアルカン30ミリリットル)の場合
は、さらに均一相溶混合溶液系−分離溶媒系の状態変化
の温度が高くなった。しかしシクロヘキサンの割合をシ
クロヘキサン:ニトロアルカン1:1の場合より高くし
ても、均一相溶混合溶液系−分離溶媒系の状態変化の温
度はそれ以上は変化しなかった。このことから、シクロ
ヘキサン、ニトロメタン、ニトロエタンの割合を変化さ
せることにより、おのおの対応する温度で本溶媒混合物
は均一相溶混合溶液系−分離溶媒系の状態にすることで
きることが明らかになった。
【0019】このような特性は、シクロヘキサン―アセ
トニトリル、シクロヘキサンーアセトニトリル−任意の
有機溶媒(例えばプロピオニトリル)、シクロヘキサン
−ニトロアルカンに任意の有機溶媒(たとえばジメチル
ホルムアミド)を加えた混合有機溶媒系でも観測され
た。
【0020】実施例3 シクロヘキサン−ジメチルホルムアミド(DMF)−ジ
メチルアセトアミド(DMA)混合溶媒系の均一相溶混
合溶液系への状態変化の温度特性。図3 10℃、一気圧において、反応容器(ガラス製)にシク
ロヘキサン50ミリリットルとアミド系有機溶媒である
ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルアセト
アミド(DMA)とを組み合わせた溶媒システムをDM
FとDMAの混合物を50ミリリットル添加して調製し
た。アミド系有機溶媒はDMF・DMAの混合比を1
0:0(50ミリリットル:0ミリリットル)、9:1
(45ミリリットル:5ミリリットル)、8:1(40
ミリリットル:10ミリリットル)、7:3(35ミリ
リットル:15ミリリットル)、6:4(30ミリリッ
トル:20ミリリットル)、5:5(25ミリリット
ル:25ミリリットル)、4:6(20ミリリットル:
30ミリリットル)、3:7(15ミリリットル:35
ミリリットル)、2:8(10ミリリットル:40ミリ
リットル)、1:9(5ミリリットル:45ミリリット
ル)、および0:10(0ミリリットル:50ミリリッ
トル)に変えたものを調製して用いた。これら11種類
の有機溶媒混合物はすべて、10℃において2相(シク
ロヘキサンを主成分とする上層とアミド系有機溶媒を主
成分とする下層)に分離した。この溶液について、各々
逐次温度を上げたところ、グラフに示す温度以上に加熱
することによって、完全に均一相溶混合溶媒系の状態と
なった。これらの均一相溶混合溶液系は、均一化した温
度以上の高い温度に保つ限り、外部から攪拌等の物理的
な作用を施さなくても、静置状態で均一相溶混合溶媒系
を維持した。また、均一相溶混合溶媒系の状態となる温
度以下に再び冷却すると、直ちに2相に分離した(分離
溶媒系)。この均一相溶混合溶液系−分離溶媒系の状態
変化の現象は、加熱、冷却にともない、繰り返し可逆的
に実施することが可能であった。
【0021】実施例4 シクロヘキサン−アセトニトリル(AN)−プロピオニ
トリル(PN)混合溶媒系の均一相溶混合溶液系への状
態変化の温度特性。図4 10℃、一気圧において、反応容器(ガラス容器)にシ
クロヘキサン50ミリリットルとニトリル系有機溶媒で
あるアセトニトリル(MeCN)およびプロピオニトリ
ル(EtCN)の混合物50ミリリットルとを添加し
た。二トリル系有機溶媒はMeCN/EtCNの混合比
を10:0(50ミリリットル:0ミリリットル)、
9:1(45ミリリットル:5ミリリットル)、8:1
(40ミリリットル:10ミリリットル)、7:3(3
5ミリリットル:15ミリリットル)、6:4(30ミ
リリットル:20ミリリットル)、5:5(25ミリリ
ットル:25ミリリットル)、4:6(20ミリリット
ル:30ミリリットル)、3:7(15ミリリットル:
35ミリリットル)、2:8(10ミリリットル:40
ミリリットル)、1:9(5ミリリットル:45ミリリ
ットル)、および0:10(0ミリリットル:50ミリ
リットル)としたものを調製して用いた。これら11種
類の有機溶媒混合物はMeCN/EtCNの比が2/8
以上において、10℃において2相(シクロヘキサンを
主成分とする上層とアミド系有機溶媒を主成分とする下
層)に分離した(分離溶媒系)。この溶液に対して、各
々逐次温度を上げたところ、グラフに示す温度以上に加
熱することによって、均一相溶混合溶液系となった。こ
れらの均一相溶混合溶液系は、均一化した温度以上の高
い温度に保つ限り、外部から攪拌等の物理的な作用を施
さなくても、静置状態で均一相溶混合溶液系の状態を維
持した。また、均一相溶混合溶液系の状態になる温度以
下に再び冷却すると、直ちに2相に分離した(分離溶媒
系)。この均一相溶混合溶液系−分離溶媒系の状態変化
の現象は、加熱、冷却にともない、繰り返し可逆的に実
施することが可能であった。
【0022】ここでは、本発明の溶媒システムを用いた
場合の、化学成分を均一に溶解する均一相溶混合溶液系
の状態と溶媒システムを構成するそれぞれの単一有機溶
媒または混合有機溶媒を主成分とする相に分離し、分離
した一の相に前記化学成分が分離されること、換言すれ
ば化学成分を化学反応後に分離しやすい溶媒システムで
あることを説明するためのものである。
【0023】溶媒システムにおける光反応開始剤の均一
相溶混合溶液系への溶解−分離溶媒系の分離した相への
前記光反応開始剤の回収の系の説明。 実施例5 25℃、一気圧において、シクロヘキサン:ニトロエタ
ン:ニトロメタン15:4:1(15ミリリットル:4
ミリリットル:1ミリリットル)をガラス容器に入れ
る。この温度条件では、シクロヘキサンを主成分とする
上層およびニトロアルカン(ニトロメタンおよびニトロ
エタンの混合物)を主成分とする下層に分離した。この
溶媒システムにメチレンブルー(光反応開始剤)1ミリ
グラムを添加したところ、99.9%以上が下層に溶解
した。次にこの混合溶液を45℃に加熱すると、均一相
溶混合溶液系となり、メチレンブルーも前記均一溶液系
中に溶解した。また、この溶液を再度25℃まで冷却す
ると、直ちに溶液は2相に分離し(分離溶媒系)、メチ
レンブルーは99.9%以上が下層(ニトロアルカン
層)にのみ溶解した。本実施例で用いたニトロアルカン
混合物(組成比:ニトロメタン:ニトロエタン4:1)
では、シクロヘキサンとニトロアルカンの比を任意に変
えて、同様に均一相溶混合溶液系−分離溶媒系の状態変
化を繰り返し、分離溶媒系ではメチレンブルーをニトロ
アルカン相に回収することができた。
【0024】実施例6 電解質および被酸化性有機化合物を含む溶媒システムを
用いた選択的酸化反応を示す。均一相溶混合溶液系−分
離溶媒系の状態変化と反応性を図5に示す。20℃、一
気圧で、シクロヘキサン:ニトロエタン:ニトロメタン
1:3:2(シクロヘキサン:ニトロエタン:ニトロメ
タン1ミリリットル:3ミリリットル:2ミリリット
ル)混合溶液を調製した。このとき、有機溶媒系は2相
に分離した。この混合溶液に支持電解質として過塩素酸
リチウム200ミリグラムおよび電解基質としてヘキサ
デカンチオール10ミリグラムを添加した。 この溶液
の下層(ニトロアルカンを主成分とし、主として過塩素
酸リチウムが溶解している相)にグラッシ―カーボン電
極(作用極)、白金陰極、銀・塩化銀標準電極を挿入
し、−0.2〜2.0ボルトまで往復(サイクリックボ
ルタンメトリー)、100ミリボルト毎秒で電位を変化
させ、それに対応する電流量を測定した。この温度では
溶媒システムは分離溶媒系の状態であるので、その結
果、ヘキサデカンチオールの酸化は殆どおこらず、チオ
ール基の酸化を示す顕著なピークは観測されなかった。
【0025】つぎに、この溶液を55℃に加熱したとこ
ろ、全体が均一な溶液になった(均一相溶混合溶液
系)。この状態で同様に電位―電流曲線を測定したとこ
ろ、極めて顕著にチオール基の酸化を示す信号が観測さ
れた。さらに再び20℃に冷却して電位―電流曲線を測
定した場合には、この酸化波は観測されなくなった。こ
れらのことから、20℃で溶液系が相分離(分離溶媒
系)した状態では、支持電解質の大部分が下層(ニトロ
アルカン相)に溶解し、電解基質の大部分が上層(シク
ロヘキサン相)に溶解しているため、電極表面における
電子移動は起こらない。しかし、均一相溶混合溶液系し
た後は、支持電解質と電解基質が均一溶液中に溶解する
ので、容易に電極への放電が起こることによる。このよ
うに、わずかな温度変化を制御することによって、電解
質や溶質の溶媒系における分布状態を変化させ、化学反
応の進行や選択性を制御することができる。
【0026】実施例7 オクタデシル 2,5−ジヒドロキシベンゾエートと
2,3−ジメチルブタジエンの電解ディールスアルダー
反応。オクタデシル 2,5−ジヒドロキシベンゾエー
ト12ミリグラム、2,3−ジメチルブタジエン30ミ
リグラムをシクロヘキサン5ミリリットルに溶解し、さ
らにニトロエタン3ミリリットル、ニトロメタン2ミリ
リットル、酢酸50ミリグラムを添加する。25℃一気
圧ではこの溶液は二相に分離した。これを68℃(一気
圧)まで加熱すると均一な溶液となった。この状態で、
陽極にグラッシ―カーボン板陰極に白金板を用い、端子
電圧2.0ボルト、電流0.3ミリアンペアで ベンゾ
エート一分子あたり2.2電子に相当する電気量を与え
た。その後、反応液を25℃まで冷却、相分離させた
後、生成物をシクロヘキサン相から回収した。収率48
%。上記反応式1を以下に示す。
【0027】
【化1】
【0028】実施例8 光電子移動によるクロマン合成。25℃、一気圧の条件
下、パイレックス(登録商標)ガラス容器の中で、3−
〔1−(2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシフェニ
ル)−3−メチルブチルチオ〕プロパン酸を5.2ミリ
グラム、およびα―フェランドレンを7.2ミリグラム
をシクロヘキサン5ミリリットル、ニトロエタン4ミリ
リットル、ニトロメタン1ミリリットルの溶媒システム
に添加、溶解する。さらに過塩素酸リチウム(メチレン
ブルーに光照射をすることによって進行する硫黄原子の
光電子移動にともなう炭素−硫黄結合開裂反応の促進、
および分子間環化反応の促進作用の機能をする。)を2
64ミリグラムとメチレンブルー2.3ミリグラムを添
加し完全に溶解させる。過塩素酸リチウムおよびメチレ
ンブルーは完全に下層(ニトロアルカン相)に溶解し
た。この溶液を55℃まで加熱することにより、完全に
均一化させ、アルゴンガス気流下、ガラス容器外部から
ハロゲンランプ(可視光ランプ、波長域400nmから
700nm)を4時間照射した。照射終了後、反応液を
25℃まで冷却することにより、再び相分離が起こった
(分離溶媒系)。このとき、下層にはメチレンブルー、
過塩素酸リチウム、反応進行と共に生成したジスルフィ
ド、および未反応の原料が回収された。また、シクロヘ
キサン層には生成物が回収された。収率53%。上記反
応の反応式2を以下に示す。
【0029】
【化2】
【0030】電極反応では、電解基質(電解酸化を行な
う場合には被酸化性物質)の他に、支持電解質とそれを
溶解する有機溶媒が必要である。一般には単一相溶液に
電解基質と支持塩を添加して電極反応を行い、反応終了
後に電解基質から化学変換により得られた生成物および
支持塩を分離しなければならない。実施例5,6,7お
よび8では、均一相溶混合等倍系と分離溶媒系との2つ
の溶媒系状態に温度条件を変えることにより可逆的に状
態変化させることができる溶媒システムを用いることに
より、均一相溶混合等倍系の状態で化学反応(光化学反
応、電解反応)を実施し、さらに分離溶媒系の状態で2
つ以上の成分(たとえば生成物と電解質)の分離を実現
できた。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の溶媒システ
ムを用いることにより、温度の制御により均一相溶混合
溶液系と分離溶媒系との状態変化を容易に制御でき、こ
の状態変化の制御により反応の制御および生成物などの
分離・精製を容易に実現できる化学物質を扱う処理系、
反応系などを構築できるという優れた効果がもたらされ
る。また、更に均一相溶混合溶液系と分離溶媒系との状
態変化により電気的特性などの特性を制御できるから、
これらの特性を利用する機能システムの設計も可能であ
り、新しい技術の構築も期待できるという優れた効果が
もたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の溶媒システムの利用概念図
【図2】 シクロヘキサン:ニトロアルカン系溶媒シス
テムの均一相溶混合溶液系−分離溶媒系の状態変化と温
度との相関
【図3】 シクロヘキサン−ジメチルホルムアミド(D
MF)−ジメチルアセトアミド(DMA)混合溶媒系の
均一相溶混合溶液系への状態変化の温度特性
【図4】 シクロヘキサン−アセトニトリル(AN)−
プロピオニトリル(PN)混合溶媒系の均一相溶混合溶
液系への状態変化の温度特性
【図5】 均一相溶混合溶液系−分離溶媒系の状態変化
と電解反応性
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 69/757 C07C 69/757 Z // B01D 17/00 B01D 17/00 C07D 311/82 C07D 311/82 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 19/00 - 19/32 C07K 1/00 - 19/00 C07B 31/00 - 63/04 C07C 1/00 - 409/44

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二種以上の単一有機溶媒、二種以上の
    合有機溶媒または単一有機溶媒と混合有機溶媒からなる
    溶媒システムであり、該溶媒システムは、該溶媒システ
    ムを構成する二種以上の単一有機溶媒、二種以上の混合
    有機溶媒または単一有機溶媒と混合有機溶媒が均一に相
    溶混合した均一相溶混合溶媒系と該溶媒システムを構成
    する二種以上の前記単一有機溶媒、二種以上の混合有機
    溶媒または単一有機溶媒と混合有機溶媒を主成分とする
    二以上の相に分離した分離溶媒系との2つの溶媒系状態
    に温度条件を変えることにより可逆的に状態変化させる
    ことができ、かつ、該均一相溶混合溶媒系を構成する条
    件において一の単一有機溶媒または混合有機溶媒にのみ
    溶解する化学成分を均一に溶解できることを特徴とする
    溶媒システム。
  2. 【請求項2】 化学成分が反応に関与する化学成分であ
    り、溶媒システムを構成する少なくとも一の有機溶媒ま
    たは有機溶媒系を主成分とする相は少なくとも前記反応
    に関与する化学成分の一成分を溶解し、かつ、分離溶媒
    系の状態では実質的な化学反応を進行させる条件を満た
    さず、均一相溶混合溶媒系の状態においてのみ前記化学
    反応を進行させる条件を満たすことを特徴とする請求項
    1に記載の溶媒システム。
  3. 【請求項3】 一の単一有機溶媒または混合有機溶媒が
    シクロアルカン系の化合物から構成され、他の単一有機
    溶媒または混合有機溶媒がニトロアルカン、ニトリル、
    アルコール、ハロゲン化アルキル、アミド化合物および
    スルフォキサイドからなる群から選択される少なくとも
    一種から構成されたものであることを特徴とする請求項
    1または2に記載の溶媒システム。
  4. 【請求項4】 ニトロアルカンのアルキル基は炭素数が
    1、2または3であり、ニトリルのアルキル基の炭素数
    が1、2または3であり、アミド化合物はN−ジアルキ
    ルまたはN−モノアルキルアミドのアルキル基およびア
    シル基またはホルミル基の炭素数の合計は6以下であ
    り、アルコールは炭素数が8以下であり、スルフォキサ
    イドのアルキル基は炭素数が1、2または3であり、ま
    たハロゲン化アルキルのアルキル基は炭素数が6以下で
    あることを特徴とする請求項に記載の溶媒システム。
  5. 【請求項5】 二種以上の単一有機溶媒、二種以上の
    合有機溶媒または単一有機溶媒と混合有機溶媒からなる
    溶媒システムであり、該溶媒システムは、該溶媒システ
    ムを構成する二種以上の単一有機溶媒、二種以上の混合
    有機溶媒または単一有機溶媒と混合有機溶媒が均一に相
    溶混合した均一相溶混合溶媒系と該溶媒システムを構成
    する二種以上の単一有機溶媒、二種以上の混合有機溶媒
    または単一有機溶媒と混合有機溶媒を主成分とする二以
    上の相に分離した分離溶媒系との2つの溶媒系状態に温
    度条件を変えることにより可逆的に状態変化させること
    ができ、かつ、該均一混合溶媒系の状態において一の単
    一有機溶媒または一の混合有機溶媒のみに溶解する化学
    成分を均一に溶解できることを特徴とする溶媒システム
    を用い、化学成分として反応に関与する化学成分を用
    い、該化学成分の添加後、化学反応の条件を満たす均一
    相溶混合溶媒系の状態を実現する温度条件にして反応を
    進行させ、次いで該溶媒システムを構成する二種以上の
    それぞれの単一有機溶媒または混合有機溶媒を主成分と
    する複数の相に分離する温度に調整し、生成物を一の単
    一有機溶媒または混合有機溶媒を主成分とする相にまた
    は析出物として分離回収することを特徴とする化合物の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 一の単一有機溶媒または混合有機溶媒が
    シクロアルカン系の化合物から構成され、他の単一有機
    溶媒または混合有機溶媒系がニトロアルカン、ニトリ
    ル、アルコール、ハロゲン化アルキル、アミド化合物お
    よびスルフォキサイドからなる群から選択される少なく
    とも一種から構成されたものである溶媒システムを用い
    ることを特徴とする請求項5に記載の化合物の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 ニトロアルカンのアルキル基は炭素数が
    1、2または3であり、ニトリルのアルキル基は炭素数
    が1、2または3であり、アミド化合物はN−ジアルキ
    ルまたはN−モノアルキルアミドのアルキル基およびア
    シル基またはホルミル基の炭素数の合計は6以下であ
    り、アルコールは炭素数8以下であり、スルフォキサイ
    ドのアルキル基は炭素数が1、2またまたは3であり、
    またハロゲン化アルキルのアルキル基は炭素数6以下で
    ある溶媒システムを用いることを特徴とする請求項6に
    記載の化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】 反応に関与する化学成分として電解質を
    用い、電解により反応を進行させることを特徴とする請
    求項5、6または7に記載の化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】 反応系に紫外〜可視光の光を照射して反
    応を進行させることを特徴とする請求項5、6、または
    7に記載の化合物の製造方法。
JP2001254109A 2001-08-24 2001-08-24 相溶性−多相有機溶媒システム Expired - Fee Related JP3538672B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001254109A JP3538672B2 (ja) 2001-08-24 2001-08-24 相溶性−多相有機溶媒システム
EP02767852A EP1426101B1 (en) 2001-08-24 2002-08-23 Compatible-multiphase organic solvent system
CNB02820915XA CN1289182C (zh) 2001-08-24 2002-08-23 相溶性-多相有机溶剂系统
DE60238846T DE60238846D1 (de) 2001-08-24 2002-08-23 Verträgliches mehrphasiges organisches lösungsmittelsystem
US10/486,383 US20040214989A1 (en) 2001-08-24 2002-08-23 Compatible-multiphase organic solvent system
PCT/JP2002/008501 WO2003018188A1 (fr) 2001-08-24 2002-08-23 Systeme de solvant multiphase compatible
US11/556,492 US8344103B2 (en) 2001-08-24 2006-11-03 Compatible-multiphase organic solvent system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001254109A JP3538672B2 (ja) 2001-08-24 2001-08-24 相溶性−多相有機溶媒システム

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003062448A JP2003062448A (ja) 2003-03-04
JP3538672B2 true JP3538672B2 (ja) 2004-06-14
JP2003062448A5 JP2003062448A5 (ja) 2004-08-26

Family

ID=19082314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001254109A Expired - Fee Related JP3538672B2 (ja) 2001-08-24 2001-08-24 相溶性−多相有機溶媒システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3538672B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4719922B2 (ja) * 2003-02-24 2011-07-06 農工大ティー・エル・オー株式会社 温度により相溶状態・分離状態が可逆変化する溶媒の組み合わせを用いた化学プロセス方法
JP4398693B2 (ja) * 2003-10-08 2010-01-13 独立行政法人科学技術振興機構 温度変換により相状態が変化する二相溶液の多数プロセス反応方法及びこれを実施する装置
JP4518777B2 (ja) * 2003-11-04 2010-08-04 独立行政法人科学技術振興機構 温度変換により相状態が変化する二相溶液の反応方法
WO2005035111A1 (ja) * 2003-10-08 2005-04-21 Japan Science And Technology Agency 温度変換により相状態が変化する二相溶液の反応方法及びこれを実施する装置
JP2005206525A (ja) * 2004-01-23 2005-08-04 System Instruments Kk ペプチド連続自動合成装置
JP4534024B2 (ja) * 2004-07-02 2010-09-01 農工大ティー・エル・オー株式会社 化合物の分離用担体および化合物の分離方法
JP2006124344A (ja) * 2004-10-29 2006-05-18 Moritex Corp 連続合成装置及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003062448A (ja) 2003-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fuchigami et al. Selective electrochemical fluorination of organic molecules and macromolecules in ionic liquids
Ruppert et al. Die ersten CF3-substituierten organyl (chlor) silane
Gao et al. Direct oxidative amidation of aldehydes with anilines under mechanical milling conditions
Wu et al. Electrochemical palladium-catalyzed oxidative sonogashira carbonylation of arylhydrazines and alkynes to ynones
Zhu et al. Copper-mediated fluoroalkylation reactions with iododifluoroacetamides: controlling the selectivity among cross-coupling, intramolecular cyclization, and homocoupling reactions
CN110106515B (zh) 一种利用电化学微通道技术制备砜类化合物的方法
JP3538672B2 (ja) 相溶性−多相有機溶媒システム
Chen et al. Electrochemical cyclobutane synthesis in flow: scale-up of a promising melt-castable energetic intermediate
JPS63243298A (ja) 有機薄膜の製造方法
Martín-Heras et al. An I (I)/I (III) catalysis route to the heptafluoroisopropyl group: a privileged module in contemporary agrochemistry
Mart et al. Pd/DNA as a highly active and recyclable catalyst for aminocarbonylation and hydroxycarbonylation in water: The effect of Mo (CO) 6 on the reaction course
CN113737206A (zh) 一种电化学下由硫醚制备亚砜类化合物的合成方法
Kellogg Practical stereochemistry
Tao et al. A Practical, Large-Scale Synthesis of p-(Difluoroiodo) toluene (p-TolIF2)
US20040214989A1 (en) Compatible-multiphase organic solvent system
CN111909031B (zh) 一种偕二氟烯基取代的烷基羧酸类化合物及其合成方法
Hazard et al. Stereochemistry of electroreductions of bromocyclopropanes: 1-asymmetric electrochemical synthesis by reduction at a mercury cathode in the presence of adsorbed alkaloids
CN111155142B (zh) β位三氟甲基取代的醇类有机分子的合成方法
JP2001519408A (ja) フリーデル−クラフツ反応における又はフリーデル−クラフツ反応に関する改良
Guo et al. Palladium-Catalyzed Cross-Coupling of Ethyl α-Bromo-α-fluoroacetate with Arylboronic Acids: Facile Synthesis of α-Aryl-α-fluoroacetates
JP2001507332A (ja) 置換されたジフルオロメチル基をグラフトする方法
Hajipour et al. A simple and effective protocol for one-pot diazotization-iodination of aromatic amines by acidic ionic liquid [H-NMP] HSO4 at room temperature
JP4719922B2 (ja) 温度により相溶状態・分離状態が可逆変化する溶媒の組み合わせを用いた化学プロセス方法
JPWO2010104028A1 (ja) 電気分解を利用した芳香族ハロゲン化合物の製造方法
Jin et al. Remarkable enantioselectivity enhancement of the extractors with nonaxial chirality in liquid–liquid extraction of underivatized amino acids by introducing t‐butyl group

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20031031

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20031210

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040303

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090402

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100402

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110402

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120402

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees