JP3535927B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JP3535927B2 JP23067595A JP23067595A JP3535927B2 JP 3535927 B2 JP3535927 B2 JP 3535927B2 JP 23067595 A JP23067595 A JP 23067595A JP 23067595 A JP23067595 A JP 23067595A JP 3535927 B2 JP3535927 B2 JP 3535927B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂組成
物に関し、さらに詳しくは、貯蔵安定性、低温硬化性、
耐酸性、耐すりきず性、汚れ落ち性、耐候性、耐溶剤性
に優れた塗料用熱硬化性樹脂組成物に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】自動車車体等のトップコートとして、従
来アクリルメラミン系塗料が1液型で塗装作業性、仕上
がり作業性に優れ、コストパフォーマンスも高いことか
ら工業的に広く用いられてきた。しかし、近年、酸性雨
が社会問題となり、従来のアクリルメラミン系ではメラ
ミンの架橋部位の耐酸性が悪いという欠点があった。 【0003】一方、水酸基含有フッ素樹脂をメラミン樹
脂で架橋させる樹脂組成物は、アクリルメラミン系塗料
よりも塗膜性能は格段に優れるものの、やはりメラミン
を使用しているため70℃以上の厳しい試験条件では耐
酸性に問題を残している。 【0004】この問題を解決するために、メラミンに代
わる新規な硬化系が求められており、酸基とエポキシ基
の架橋反応を利用した硬化系の検討が盛んに行われてい
る。例えば、特開平2−45577号公報、特開平3−
287650号公報や特開平4−363374号公報に
は、酸基としての酸無水物基がハーフエステル化された
共重合体、ヒドロキシ化合物およびエポキシ化合物を含
有する熱硬化性組成物や、酸基としての酸無水物基をハ
ーフエステル化した共重合体、エポキシ基および水酸基
を有する化合物を含有する熱硬化性組成物が提案されて
いる。また、特開平6−57077号公報には、酸基お
よび/または水酸基を有するフッ素樹脂、酸基としての
酸無水物基をハーフエステル化した共重合体およびエポ
キシ基と特定の構造の水酸基とを有する樹脂を含有する
熱硬化性組成物が提案されている。 【0005】しかし、特開平2−45577号公報、特
開平3−287650号公報や特開平4−363374
号公報に開示されているような熱硬化性組成物は、酸基
とエポキシ基の反応で生ずるエステル結合を架橋点とす
るので初期の耐酸性は良好であるが、主成分がアクリル
樹脂であるために耐候劣化した後の耐酸性が低下した
り、耐候性向上のために架橋密度を上げると塗膜の耐す
りきず性が低下するという問題を有している。 【0006】また、特開平6−57077号公報に開示
されているような熱硬化性組成物は、酸基および/また
は水酸基を有するフッ素樹脂を含有するため耐すりきず
性、耐汚染性は良好であるが、このようなフッ素樹脂は
黄変しやすいため、塗料として用いられる塗色が限定さ
れたり、フッ素樹脂の持つ酸基の反応性が低いため低温
硬化性に劣ったり耐溶剤性が低位であるという問題を有
している。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐酸性、耐
すりきず性に加えて貯蔵安定性、低温硬化性、耐溶剤
性、汚れ落ち性、耐候性に優れた新規にして有用な塗料
用熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の問題点に鑑み、熱硬化性樹脂組成物ついて鋭意検
討した結果、本発明に至ったものである。すなわち、本
発明の熱硬化性樹脂組成物は、α,β−ジカルボン酸モ
ノエステル化された酸無水物基を有し、α,β−ジカル
ボン酸モノエステル当量が250〜3000g/eqで
ある(メタ)アクリル系共重合体(A)と、エポキシ基
および水酸基を有し、エポキシ当量が200〜700g
/eq、水酸基当量が400〜3000g/eqである
(メタ)アクリル系共重合体(B)、およびエポキシ基
および水酸基を有し、エポキシ当量が300〜2000
g/eq、水酸基当量が280〜2000g/eqであ
るフルオロオレフィン系共重合体(C)を含有すること
を特徴とする。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の熱硬化性樹脂組成物に用
いる(メタ)アクリル系共重合体(A)は、α,β−ジ
カルボン酸モノエステル化された酸無水物基を有する単
量体を含む重合性単量体混合物を重合させて得られる
か、あるいは二塩基酸無水物基を有する単量体を含む重
合性単量体混合物を重合後、酸無水物基をアルカノール
でモノエステル化させて得られるものであり、α,β−
ジカルボン酸モノエステル当量(1グラム当量のα,β
−ジカルボン酸モノエステル化された酸無水物基を含有
する樹脂のg数)が250〜3000g/eqの範囲に
あるものである。これは、α,β−ジカルボン酸モノエ
ステル当量が3000g/eqを越えると低温硬化性の
向上に十分な効果が得られず、250g/eq未満では
熱硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が低下するためであ
り、好ましくは300〜2000g/eq、より好まし
くは350〜1000g/eqの範囲である。 【0010】また、本発明の(メタ)アクリル系共重合
体(A)は、酸価((メタ)アクリル系共重合体1gを
中和するのに要する水酸化カリウムのmg数)が30〜
250mgKOH/g、重量平均分子量が1000〜5
0000であることが好ましい。これは、(メタ)アク
リル系共重合体(A)の酸価が30mgKOH/g未満
であると、硬化性が不足するために塗膜の硬度、耐溶剤
性が低下する傾向にあり、250mgKOH/gを越え
ると、共重合体の粘度が著しく上昇し、さらに塗膜の光
沢、耐水性、耐候性が低下する傾向にあるためであり、
より好ましくは50〜190mgKOH/g、さらに好
ましくは80〜160mgKOH/gの範囲である。ま
た、(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子
量が1000未満であると、塗膜の耐水性、耐候性が低
下する傾向にあり、50000を越えると、樹脂の粘度
が著しく上昇し、塗膜の美装性や樹脂組成物の貯蔵安定
性が低下する傾向にあるためであり、より好ましくは2
000〜30000、さらに好ましくは3000〜20
000の範囲である。 【0011】本発明の(メタ)アクリル系共重合体
(A)をα,β−ジカルボン酸モノエステル化された酸
無水物基を有する単量体を重合させて得る場合に用いら
れる単量体としては、例えば、マレイン酸モノメチル、
マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイ
ン酸モノオクチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸
モノエチル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸モノオ
クチル、イタコン酸モノ2−エチルヘキシル、フマール
酸モノメチル、フマール酸モノエチル、フマル酸モノブ
チル、フマール酸モノオクチル、シトラコン酸モノエチ
ル等の二塩基酸または酸無水物単量体のモノエステル化
類が挙げられる。 【0012】また、本発明の(メタ)アクリル系共重合
体(A)を二塩基酸無水物基を有する単量体を含む重合
性単量体混合物を重合後、酸無水物基をアルカノールで
モノエステル化させて得る場合に用いられる二塩基酸無
水物基を有する単量体としては、例えば、マレイン酸無
水物、イタコン酸無水物、フマール酸無水物、シトラコ
ン酸無水物等の二塩基酸無水物類が挙げられ、アルカノ
ールとしては、例えば、メタノール、エタノール、i−
プロパノール、t−ブタノール、i−ブタノール、n−
ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジ
メチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、
アセトール、プロパギルアルコール、アリルアルコール
等が挙げられる。モノエステル化は、通常の方法によっ
て、必要に応じてテトラブチルアンモニウムブロマイド
等の第4級アンモニウム塩類やトリエチルアミン等の第
3級アミン類等の反応触媒を併用して行うことができ
る。 【0013】これら、本発明の(メタ)アクリル系共重
合体(A)に含有されるα,β−ジカルボン酸モノエス
テル化された酸無水物基の種類は、必要に応じて一種類
あるいは二種類以上であってもよい。 【0014】また、本発明の(メタ)アクリル系共重合
体(A)に含有されるα,β−ジカルボン酸モノエステ
ル化された酸無水物基を有するモノマー単位は、α、β
−ジカルボン酸モノエステル当量が250〜3000g
/eqとなる範囲、例えば3〜40重量%の範囲で含有
されてなるものである。これは、これらジカルボン酸モ
ノエステル化された酸無水物基を有するモノマー単位が
3重量%未満では低温硬化性の向上に十分な効果が得ら
れず、40重量%を越えると熱硬化性樹脂組成物の貯蔵
安定性が低下するためであり、好ましくは5〜35重量
%、より好ましくは10〜30重量%の範囲である。 【0015】本発明の(メタ)アクリル系共重合体
(A)に使用されるその他の重合性単量体としては、例
えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アク
リレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec−
ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等
の炭化水素置換基を有する(メタ)アクリル酸エステル
類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等
のスチレン誘導体類、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のエチレン性不飽和ニトリル類、N−メトキシ
メチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルア
ミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等のN−アル
コキシ置換アミド類、ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト等のエチレン性不飽和塩基性単量体類、メタクリル
酸、アクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、フマー
ル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸等の一塩
基酸または二塩基酸類、無水コハク酸への2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート付加物等の長鎖カルボキ
シル基含有単量体類等が挙げられる。 【0016】また、本発明の(メタ)アクリル系共重合
体(A)をα,β−ジカルボン酸モノエステル化された
酸無水物基を有する単量体を重合させて得る場合には、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリ
レート等のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アク
リル酸エステル類、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トへのγ−ブチロラクトン開環付加物、2−ヒドロキシ
エチルアクリレートへのε−カプロラクトン開環付加
物、メタクリル酸へのエチレンオキシドの開環付加物、
メタクリル酸へのプロピレンオキシドの開環付加物、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレートの2量体や3量
体等の末端に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ル類、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、p−ヒド
ロキシスチレン等の他の水酸基含有ビニル系単量体類等
の水酸基含有重合性単量体も併用することができる。こ
れらは、必要に応じて単独であるいは二種以上を併用し
て使用することができる。 【0017】本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いる(メ
タ)アクリル系共重合体(B)は、エポキシ基および水
酸基を有する単量体を特定の比率で共重合させて得られ
るものであり、そのエポキシ当量(1グラム当量のエポ
キシ基を含有する樹脂のg数)が200〜700g/e
q、水酸基当量(1グラム当量の水酸基を含有する樹脂
のg数)が400〜3000g/eqの範囲にあるもの
である。これは、(メタ)アクリル系共重合体(B)の
エポキシ当量が700g/eqを越えると硬化性が不足
するために塗膜の硬度や耐溶剤性が低下し、200g/
eq未満になると樹脂組成物が増粘したりゲル化しやす
くなるためであり、好ましくは250〜400g/eq
の範囲である。また、(メタ)アクリル系共重合体
(B)の水酸基当量が3000g/eqを越えると塗膜
のノンサンドリコート性が低下し、400g/eq未満
になると塗膜の耐水性が低下するためであり、好ましく
は450〜2000g/eq、より好ましくは500〜
1500g/eqの範囲である。 【0018】また、本発明の(メタ)アクリル系共重合
体(B)は、重量平均分子量が1000〜50000で
あることが好ましい。これは、(メタ)アクリル系共重
合体(B)の重量平均分子量が1000未満であると、
塗膜の耐水性、耐候性が低下する傾向にあり、5000
0を越えると、樹脂の粘度が著しく上昇し、塗膜の美装
性が低下する傾向にあるためであり、より好ましくは2
000〜30000、さらに好ましくは3000〜20
000の範囲である。 【0019】本発明の(メタ)アクリル系共重合体
(B)に使用されるエポキシ基含有単量体としては、例
えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシ
ジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテ
ル等が挙げられ、これらは、必要に応じて単独であるい
は二種以上を併用して使用することができる。 【0020】これらエポキシ基含有単量体の使用量は、
(メタ)アクリル系共重合体(B)のエポキシ当量が2
00〜700g/eqとなるような範囲であり、例えば
20〜60重量%の範囲である。これは、エポキシ基含
有単量体の使用量が20重量%未満では硬化性が不足す
るために塗膜の硬度や耐溶剤性が低下し、60重量%を
越えると樹脂組成物が増粘したりゲル化しやすくなるた
めであり、好ましくは35〜55重量%の範囲である。 【0021】また、本発明の(メタ)アクリル系共重合
体(B)に使用される水酸基含有単量体としては、例え
ば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)ア
クリレート等のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)
アクリル酸エステル類、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レートへのγ−ブチロラクトン開環付加物、2−ヒドロ
キシエチルアクリレートへのε−カプロラクトン開環付
加物、メタクリル酸へのエチレンオキシドの開環付加
物、メタクリル酸へのプロピレンオキシドの開環付加
物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの2量体
や3量体等の末端に水酸基を有する(メタ)アクリル酸
エステル類、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、p
−ヒドロキシスチレン等の他の水酸基含有ビニル系単量
体類等が挙げられる。これらは、必要に応じて単独であ
るいは二種以上を併用して使用することができる。 【0022】これら水酸基含有単量体の使用量は、(メ
タ)アクリル系共重合体(B)の水酸基当量が400〜
3000g/eqとなるような範囲であり、例えば4〜
50重量%の範囲である。これは、水酸基含有単量体の
使用量が4重量%未満では塗膜のノンサンドリコート性
が低下し、50重量%を越えると塗膜の耐水性が低下す
るためであり、好ましくは6〜40重量%の範囲であ
り、より好ましくは8〜30重量%の範囲である。 【0023】また、本発明の(メタ)アクリル系共重合
体(B)に使用されるその他の重合性単量体としては、
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n
−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)ア
クリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec
−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)
アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデ
シル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト等の炭化水素置換基を有する(メタ)アクリル酸エス
テル類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン等のスチレン誘導体、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル類、N−メトキ
シメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリル
アミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等のN−ア
ルコキシ置換アミド類、ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート等のエチレン性不飽和塩基性単量体類等が挙げら
れ、これらは、必要に応じて単独であるいは二種以上を
併用して使用することができる。 【0024】本発明の(メタ)アクリル系共重合体
(A)および(B)は、溶液重合法、塊状重合法、乳化
重合法等の既知の重合法により製造することができる
が、溶液重合法により製造するのが好ましい。溶液重合
法により上記(メタ)アクリル系共重合体を製造する場
合には、有機溶剤および重合開始剤の存在下に単量体混
合物を共重合させる。 【0025】溶液重合において使用される有機溶剤とし
ては、トルエン、キシレンのような芳香族系炭化水素
類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのよ
うなケトン類、酢酸エチル、酢酸n−ブチルのようなエ
ステル類等の一般的なものから選択でき、場合によって
はイソプロパノール、n−ブタノールのようなアルコー
ル類を用いても良い。 【0026】また、使用される重合開始剤としては、
2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾ
ビス(2−メチルブチロニトリル)、過酸化ベンゾイ
ル、クメンヒドロペルオキシド、ラウリルパーオキシ
ド、ジ−t−ブチルパーオキシド等の通常用いられる重
合開始剤から選択できる。また、必要に応じて2−メル
カプトエタノール、n−オクチルメルカプタン等の連鎖
移動剤を使用することができる。 【0027】溶液重合法で(メタ)アクリル系共重合体
を製造する場合、一般的には、分子量をコントロールす
るため、80〜160℃の範囲で重合を行なうことが好
ましく、さらに好ましくは100〜140℃の範囲であ
る。 【0028】本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いるフル
オロオレフィン系共重合体(C)は、フルオロオレフィ
ン、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体、水酸
基を有するエチレン性不飽和単量体、その他のエチレン
性不飽和単量体を特定の比率で共重合させて得られるも
のであり、そのエポキシ当量が300〜2000g/e
q、水酸基当量が280〜2000g/eqの範囲にあ
るものである。これは、フルオロオレフィン系共重合体
(C)のエポキシ当量が2000g/eqを越えると架
橋密度が不足し、耐候性をはじめ耐酸性、耐薬品性が低
下し、300g/eq未満になると架橋密度が高すぎて
実用塗膜として硬くもろくなり、可撓性に問題を生じ
る。好ましくは400〜1200g/eqの範囲であ
る。 【0029】また、フルオロオレフィン系共重合体
(C)の水酸基当量が2000g/eqを越えるとフル
オロオレフィン系共重合体(C)とアクリル系共重合体
(B)との相溶性が低下するために、硬化性、塗膜の透
明性、平滑性が低下し、280g/eq未満になるとフ
ルオロオレフィン系共重合体(C)が極性溶剤にしか溶
けず、芳香族炭化水素に対する溶解性が確保できないた
めである。好ましくは350〜1200g/eqの範囲
である。 【0030】また、本発明のフルオロオレフィン系共重
合体(C)は、重量平均分子量が6000〜10000
0の範囲であることが好ましい。これは、フルオロオレ
フィン系共重合体(C)の重量平均分子量が6000未
満であると、塗膜の耐候性が低下する傾向にあり、10
0000を越えると、塗装作業性、仕上がり外観が低下
する傾向にあるためであり、より好ましくは8000〜
50000の範囲である。 【0031】本発明のフルオロオレフィン系共重合体
(C)に使用されるフルオロオレフィンは、一般式CF
2 =CFZ(ただし、Zは水素、塩素、フッ素、炭素数
1〜3のパーフルオロアルキル基または炭素数1〜3の
パーフルオロアルコキシ基である。)で示される化合物
が好適に採用される。具体的には、テトラフルオロエチ
レン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプ
ロピレン、パーフルオロプロピルビニルエーテルなどが
挙げられる。フルオロオレフィンは単独使用してもよい
し、二種以上を併用しても良い。 【0032】本発明のフルオロオレフィン系共重合体
(C)に使用されるエポキシ基を有するエチレン性不飽
和単量体、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体、そ
の他のエチレン性不飽和単量体におけるエチレン性不飽
和単量体としては、ビニルエーテル類、アリルエーテル
類、イソプロペニルエーテル類、ビニルエステル類、ア
リルエステル類、オレフィン類などのエチレン性不飽和
単量体が好ましく使用され、その溶剤可溶性、塗膜硬度
のコントロール、耐候性の観点からまた交互共重合性、
重合収率等の観点からビニルエーテル類が特に好まし
い。具体的には、エチルビニルエーテル、シクロヘキシ
ルエーテルなどの炭素数2〜8程度のアルキル基あるい
はシクロアルキル基を有するアルキルビニルエーテル類
あるいはシクロアルキルビニルエーテル類が挙げられ
る。 【0033】本発明のフルオロオレフィン系共重合体
(C)に使用されるエポキシ基を有するエチレン性不飽
和単量体としては、例えば、グリシジルビニルエーテ
ル、グリシジルアリルエーテル、グリシジル(メタ)ア
クリレートなどの脂肪族エポキシ基含有エチレン性不飽
和単量体、3,4−エポキシシクロヘキシルビニルエー
テル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)
アクリレートなどの脂環式エポキシ基含有エチレン性不
飽和単量体などが例示され、これらは、必要に応じて単
独であるいは二種以上を併用して使用することができ
る。また、前述と同様な理由から、エポキシ基を有する
エチレン性不飽和単量体としては、ビニルエーテル系の
ものが好ましい。 【0034】これらエポキシ基を有するエチレン性不飽
和単量体の使用量は、フルオロオレフィン系共重合体
(C)のエポキシ当量が300〜2000g/eqとな
るような範囲であり、例えば5〜40重量%の範囲であ
る。これは、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量
体の使用量が5重量%未満では架橋密度が不足し、耐候
性をはじめ耐酸性、耐薬品性が低下し、40重量%を越
えると架橋密度が高すぎて実用塗膜として硬くもろくな
り、可撓性に問題を生じるためであり、好ましくは10
〜30重量%の範囲である。 【0035】また、本発明のフルオロオレフィン系共重
合体(C)に使用される水酸基を有するエチレン性不飽
和単量体としては、例えば、ヒドロキシブチルビニルエ
ーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテルなどのヒドロ
キシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシエチルアリルエーテルなどのヒ
ドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシブチルイ
ソプロペニルエーテルなどのヒドロキシアルキルイソプ
ロペニルエーテル、アリルアルコールなどが挙げられ、
これらは、必要に応じて単独であるいは二種以上を併用
して使用することができる。 【0036】なかでも、ヒドロキシアルキルビニルエー
テルまたはヒドロキシアルキルイソプロペニルエーテル
が好ましく、特にヒドロキシアルキルビニルエーテルが
フルオロオレフィンとの共重合性などの面から好まし
い。これら水酸基を有するエチレン性不飽和単量体の使
用量は、フルオロオレフィン系共重合体(C)の水酸基
当量が280〜2000g/eqとなるような範囲であ
り、例えば5〜40重量%の範囲である。これは、水酸
基を有するエチレン性不飽和単量体の使用量が5重量%
未満では架橋密度が不足し、耐候性をはじめ耐酸性、耐
薬品性が低下し、40重量%を越えるとフルオロオレフ
ィン系共重合体(C)が極性溶剤にしか溶けず、芳香族
炭化水素に対する溶解性が確保できないためである。好
ましくは10〜30重量%の範囲である。 【0037】また、本発明のフルオロオレフィン系共重
合体(C)に使用されるその他のエチレン性不飽和単量
体としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチ
レン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等
のハロオレフィン類、メタクリル酸メチル等の不飽和カ
ルボン酸エステル類、アリルエーテル類、アリルエステ
ル類等が挙げられる。これらは、必要に応じて単独であ
るいは二種以上を併用して使用することができる。 【0038】本発明のフルオロオレフィン系共重合体
(C)は、重合触媒の共存下あるいは非共存下におい
て、重合開始剤あるいは電離性放射線などの重合開始源
を所定割合の単量体混合物に作用させることによって製
造することができる。 【0039】使用される重合開始剤は、重合形式あるい
は重合媒体に応じて、水溶性あるいは油溶性のものを適
宜選択して使用することができる。具体的には、水溶性
開始剤としては、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、過酸化
水素、あるいは、これらと亜硫酸水素ナトリウム、チオ
硫酸ナトリウム等の還元剤との組み合わせからなるレド
ックス開始剤や、これらレドックス開始剤に少量の鉄、
第一鉄塩、硝酸銀等を共存させた系等の無機系開始剤
や、ジコハク酸パーオキシド、モノコハク酸パーオキシ
ド等の二塩基酸酸化物、アゾビスイソブチルアミジン二
塩基酸塩等の有機系開始剤が例示できる。また、油溶性
開始剤としては、t−ブチルパーオキシイソブチレー
ト、t−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエ
ステル型過酸化物、ジイソプロピルパーオキシジカーボ
ネート、ベンゾイルパーオキシド、アゾビスイソブチロ
ニトリル等が例示できる。 【0040】重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種
類、共重合反応条件等に応じて適宜変更可能であるが、
通常は共重合させるべき単量体全量に対して0.005
〜5重量%、特に、0.05〜5重量%程度が採用され
る。 【0041】上記重合反応において、反応形式としては
特に限定されることはなく、塊状重合、懸濁重合、乳化
重合、溶液重合等を採用することができるが、重合反応
操作の安定性、生成共重合体の分離の容易性等から、水
性媒体中での乳化重合、あるいはt−ブタノール等のア
ルコール類、エステル類、1個以上のフッ素原子を含む
飽和ハロゲン化炭化水素類、キシレン等の芳香族炭化水
素類等を溶媒とする溶液重合が好ましく採用される。 【0042】なお、水性媒体中で共重合反応を行う場合
には、塩基性緩衝剤を添加して、重合中の液のpH値が
4、好ましくは6を下回らないようにするのが好まし
い。溶液重合による場合にも塩基性物質の添加は有効で
ある。また、上記重合は、回分式、半連続式、連続式等
の操作によって実施可能であることはもちろんである。 【0043】上記重合反応において、重合反応温度は−
30〜150℃の範囲で重合開始源、重合媒体の種類等
に応じて適宜最適値が選択されるが、水性媒体中で重合
反応を行う場合には0〜100℃、好ましくは10〜9
0℃の範囲で反応温度が選択される。また、反応圧力は
適宜選択できるが、通常は1〜100kg/cm2 、好
ましくは2〜50kg/cm2 の範囲が好ましい。ま
た、必要に応じて、重合反応時に連鎖移動剤の使用も可
能である。 【0044】本発明の熱硬化性樹脂組成物の構成成分で
ある(メタ)アクリル系共重合体(A)、(メタ)アク
リル系共重合体(B)、フルオロオレフィン系共重合体
(C)は、成分(A)中の酸基1モルに対して、成分
(B)および(C)中のエポキシ基の合計が0.5〜2
モルの範囲となるような比率で配合するのが好ましい。
この範囲以外では、未反応の官能基により、塗膜の耐水
性、耐候性などが低下する傾向にあり好ましくない。よ
り好ましくは、0.7〜1.8モルの範囲である。 【0045】また、(メタ)アクリル系共重合体(B)
とフルオロオレフィン系共重合体(C)は、成分(B)
中のエポキシ基1モルに対して、成分(C)中のエポキ
シ基が0.05〜2モルの範囲となるような比率で本発
明の熱硬化性樹脂組成物中に配合するのが好ましい。こ
れは、成分(C)中のエポキシ基の比率が0.05モル
未満であると塗膜の耐水性、耐候性などが低下する傾向
にあり、2モルを越えると樹脂組成物の貯蔵安定性や塗
膜の耐熱黄変性が低下する傾向にあるためであり、より
好ましくは0.1〜1モルの範囲である。 【0046】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、必要に
応じて、一般の塗料組成物に用いられるアクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウ
レタン樹脂などを一種類以上混合できる。これらは、樹
脂組成物の貯蔵安定性や塗膜性能を損なわない程度に適
量添加することができるが、添加量としては、(メタ)
アクリル系共重合体(A)および(B)と、フルオロオ
レフィン系共重合体(C)との合計量に対して20重量
%以下が好ましい。これは、添加量が20重量%を越え
ると塗膜の耐酸性が低下したり、塗膜が黄変しやすくな
る傾向にあるためである。 【0047】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、硬化促
進のため触媒を含有させることができる。硬化触媒とし
ては、酸基と水酸基のエステル化反応に用いられる公知
のもので良く、有機アミン、有機金属化合物、金属キレ
ート、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等を挙
げることができる。 【0048】さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物に
は、必要に応じて有機ベントナイト、架橋重合体粒子、
ミクロゲル、ワックス等のようなレオロジー調整剤、表
面調整剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、着
色顔料、メタリック顔料、体質顔料等を必要に応じて公
知の手段を用いて適宜配合することができる。 【0049】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、有機溶剤
または水に溶解もしくは分散して使用することが好まし
く、ソリッドカラー塗料、メタリック塗料、およびクリ
ヤー塗料として用いることができる。 【0050】本発明の熱硬化性樹脂組成物を自動車塗装
用のクリヤーコート用塗料として使用する場合、クリヤ
ーコート層と接するベースコート層としては、本発明の
熱硬化性樹脂組成物を用いることもできるが、公知の硬
化性樹脂を必要に応じて適宜使用することもできる。こ
れら熱硬化性樹脂には、揮発性の有機溶剤からなる希釈
剤、アミノ樹脂やポリイソシアネート化合物等からなる
硬化剤、アルミニウムペースト、マイカ、リン片状酸化
鉄等の光輝剤、酸化チタン、カーボンブラック、キナク
リドン等の無機顔料および有機顔料、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂等の添加樹脂、さら
に表面調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を
必要に応じて公知の手段を用いて適宜配合することがで
きる。 【0051】 【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、下記実施例および比較例における
「部」は「重量部」を意味する。また、実施例および比
較例における評価は次の方法で行った。 【0052】(1)不揮発分 (メタ)アクリル系共重合体溶液1gをサンプリング
し、150℃で1時間乾燥させて不揮発分を測定した。 【0053】(2)重量平均分子量 ポリスチレンを基準としてゲルパーミュエーションクロ
マトグラフィーで測定した。 【0054】(3)貯蔵安定性 塗料を30℃で72時間放置した後の状態を観察した。 ◎:異常なし ○:若干粘度が上昇、実用上問題なし △:増粘、実用上問題あり ×:ゲル化、使用不可 【0055】(4)耐酸性 10重量%硫酸水溶液0.3ccを塗面にスポットし、
70℃で1時間放置後水洗し、スポット部のエッジ深さ
を3次元表面粗度計で測定した。 【0056】(5)耐すりきず性 クレンザーをしみこませたフェルトを500g荷重で塗
面上を50往復させ、初期光沢とキズ部光沢から光沢保
持率を算出した。 【0057】(6)耐汚れ落ち性 カーボンブラックを0.1重量%の濃度で水に分散さ
せ、これを塗板にスプレーして60℃で20分間焼き付
ける操作を2回繰り返し水洗する。この操作を1サイク
ルとし、5サイクル繰り返した後の汚れ落ち性を目視評
価した。 ○:汚れが良く落ちる △:汚れが一部残る ×:汚れがかなり残る 【0058】(7)耐候性 サンシャインウェザーメーターで3000時間暴露した
後の塗膜の光沢保持率で表示した。 【0059】(8)耐溶剤性 ガーゼにメチルエチルケトンを浸し、50往復ラビング
テストを行った後の塗膜外観を目視判定した。 【0060】(9)低温硬化性 120℃で焼き付けた塗板に、キシレンを用いて上記の
耐溶剤性試験を行い、試験後の塗膜の外観を目視判定し
た。 【0061】なお、上記耐溶剤性および低温硬化性の目
視判定は、以下の基準で行った。 ◎:性能試験後の塗膜品質が試験前と変化せず、優れた
塗膜性能を維持している。 ○:性能試験後の塗膜品質は試験前より若干低下してい
るが、実用性能は十分有している。 △:性能試験後の塗膜品質が試験前より低下し、実用上
問題がある。 ×:性能試験後の塗膜品質が試験前より著しく低下し、
実用上使用不可能である。 【0062】(1)ベースコート用塗料(M−1)の製
造例 攪拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に溶
剤としてn−ブタノール10部、トルエン90部を加
え、攪拌しながら100℃に加熱した後、メチルメタク
リレート40部、エチルアクリレート30部、n−ブチ
ルアクリレート15部、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート12部、メタクリル酸3部、およびアゾビスイソ
ブチロニトリル1部からなるビニル系単量体と重合開始
剤の混合物を溶剤中に4時間かけて滴下した後、同温度
で3時間重合し、(メタ)アクリル系共重合体(D−
1)を合成した。得られた(メタ)アクリル系共重合体
(D−1)の不揮発分は50重量%、重量平均分子量は
40000であった。 【0063】さらに、この(メタ)アクリル系共重合体
(D−1)100部、ユーバン20SE−60(三井東
圧化学(株)製、ブチル化メラミン樹脂、固形分60
%)25部、アルペースト#1700NL(東洋アルミ
ニウム(株)製、アルミニウムペースト、固形分65
%)14部を混合し、ベースコート塗料組成物を得た。 【0064】次いで、このベースコート塗料組成物を酢
酸エチル/トルエン/ソルベッソ#150(エッソ社
製、芳香族炭化水素)=40/30/30(重量%)か
らなる混合溶剤で希釈し、ベースコート塗料組成物の粘
度をフォードカップ#4で13秒となるように調製し、
シルバーメタリック系ベースコート塗料(M−1)を得
た。 【0065】(2)(メタ)アクリル系共重合体(A−
1)〜(A−3)、(A−10)、(A−12)の合成 攪拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に溶
剤として酢酸ブチル20部、ソルベッソ#100(エッ
ソ社製、芳香族石油誘導体)50部を加え、攪拌しなが
ら100℃に加熱した後、酢酸n−ブチル30部および
表1記載の重合性単量体とラジカル重合開始剤として表
1に示す重量平均分子量となるような量の2,2−アゾ
ビス(2−メチルブチロニトリル)からなる混合物を溶
剤中に4時間かけて滴下し、さらにフラスコの内温を1
00℃で保持し、樹脂への転化率を充分に高めたところ
で反応を終了させ、(メタ)アクリル系共重合体(A−
1)〜(A−3)、(A−10)および(A−12)を
合成した。得られた(メタ)アクリル系共重合体の特性
値を表1に示した。 【0066】(3)(メタ)アクリル系共重合体(A−
4)〜(A−9)、(A−11)の合成 攪拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に溶
剤として酢酸ブチル20部、ソルベッソ#100(エッ
ソ社製、芳香族石油誘導体)50部を加え、攪拌しなが
ら100℃に加熱した後、酢酸n−ブチル30部および
表1記載の重合性単量体とラジカル重合開始剤として表
1に示す重量平均分子量となるような量の2,2−アゾ
ビス(2−メチルブチロニトリル)からなる混合物を溶
剤中に4時間かけて滴下し、さらにフラスコの内温を1
00℃で保持し、樹脂への転化率を充分に高めた。その
後フラスコの内温を80℃に低下させ、さらに、表1記
載のメタノールとトリエチルアミンの混合物を加え、8
0℃で7時間反応させて、酸無水物基の消失をIRで確
認して反応を終了させ、(メタ)アクリル系共重合体
(A−4)〜(A−9)および(A−11)を合成し
た。得られた(メタ)アクリル系共重合体の特性値を表
1に示した。 【0067】 【表1】【0068】(4)(メタ)アクリル系共重合体(B−
1)〜(B−12)の合成 攪拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に溶
剤としてn−ブタノール30部、ソルベッソ#100
(エッソ社製、芳香族石油誘導体)70部を加え、攪拌
しながら120℃に加熱した後、表2記載の重合性単量
体とラジカル重合開始剤として表2に示す重量平均分子
量となるような量の2,2−アゾビス(2−メチルブチ
ロニトリル)からなる混合物を溶剤中に4時間かけて滴
下し、さらにフラスコの内温を120℃で保持し、樹脂
への転化率を充分に高めたところで反応を終了させ、
(メタ)アクリル系共重合体(B−1)〜(B−12)
を合成した。得られた(メタ)アクリル系共重合体の特
性値を表2に示した。 【0069】 【表2】【0070】(5)フルオロオレフィン系共重合体(C
−1)〜(C−4)の合成 表3に示すような重量平均分子量になるようにラジカル
重合開始剤t−ブチルパーオキシピバレートを適宜添加
して表3に示す単量体混合物の重合を行った。得られた
共重合体の樹脂特性値は表3の通りであった。ただし、
(C−1)は表中のモノマー成分を共重合した後、共重
合体中の水酸基の一部を無水コハク酸で酸変性したもの
である。 【0071】 【表3】【0072】(6)クリヤーコート用塗料の調製 表1、表2および表3記載の(メタ)アクリル系共重合
体およびフルオロオレフィン系共重合体を表4〜表6に
示す組成割合で配合し、攪拌混合後、混合溶剤(ソルベ
ッソ#100/セロソルブアセテート=50/50(重
量比))を添加し、塗料粘度が25秒(フォードカップ
No.4使用、測定温度20秒)となるように希釈し
て、クリヤーコート用塗料を調製した。 【0073】 【表4】【0074】 【表5】 【0075】 【表6】【0076】[実施例1〜23および比較例1〜13]
リン酸亜鉛処理された鋼板(30cm×90cm)に自
動車用カチオン電着塗料を塗装し、180℃で30分間
焼き付けた。さらに、アミノアルキッド樹脂系の中塗り
塗料を塗装し、160℃で30分間焼き付けた後塗膜を
水研し、乾燥させた。この塗膜上に、まずベースコート
塗料(M−1)を乾燥膜厚が15μmとなるように塗装
し、5分間放置した後、上記(6)で調製したクリヤー
コート用塗料を乾燥膜厚が30μmとなるようにウェッ
トオンウェット方式で重ね塗りした。未乾燥の重ね塗り
塗膜を室温で15分間放置後、140℃の熱風乾燥機で
30分間焼き付けて(低温硬化性評価用サンプルは12
0℃×25分間で焼き付け)2コート1ベーク方式によ
る多層塗膜を形成した。得られた多層塗膜の塗膜性能を
表7〜表9に示した。 【0077】 【表7】【0078】 【表8】 【0079】 【表9】【0080】以上の実施例および比較例の結果から明ら
かなように、本発明の熱硬化性樹脂組成物(実施例1〜
23)は、優れた貯蔵安定性、低温硬化性を持ち、耐酸
性、耐すりきず性、汚れ落ち性、耐候性、耐溶剤性等の
塗膜性能も優れることがわかる。これに対して、本発明
が規定する条件を満たさない比較例1〜13の熱硬化性
樹脂組成物は、貯蔵安定性、低温硬化性、各種塗膜性能
ともに低位なものであった。 【0081】 【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、貯蔵安
定性、低温硬化性に優れ、さらに、これを用いることに
よって、耐酸性、耐すりきず性等の塗膜性能にも優れた
塗膜の提供が可能であり、工業上非常に有益なものであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 堀田 一彦 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60 号 三菱レイヨン株式会社 商品開発研 究所内 (72)発明者 加藤 武 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60 号 三菱レイヨン株式会社 商品開発研 究所内 (72)発明者 岩本 暁生 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60 号 三菱レイヨン株式会社 商品開発研 究所内 (72)発明者 木村 功 神奈川県川崎市幸区塚越3丁目474番地 2 旭硝子株式会社 玉川分室内 (72)発明者 児玉 俊一 神奈川県川崎市幸区塚越3丁目474番地 2 旭硝子株式会社 玉川分室内 (72)発明者 宮崎 信幸 神奈川県川崎市幸区塚越3丁目474番地 2 旭硝子株式会社 玉川分室内 (72)発明者 笹尾 康行 神奈川県川崎市幸区塚越3丁目474番地 2 旭硝子株式会社 玉川分室内 (56)参考文献 特開 平6−57077(JP,A) 特開 平6−108001(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 1/00 - 10/00 C09D 101/00 - 201/10 C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/16 C08G 59/00 - 59/72

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 α,β−ジカルボン酸モノエステル化さ
    れた酸無水物基を有し、α,β−ジカルボン酸モノエス
    テル当量が250〜3000g/eqである(メタ)ア
    クリル系共重合体(A)と、エポキシ基および水酸基を
    有し、エポキシ当量が200〜700g/eq、水酸基
    当量が400〜3000g/eqである(メタ)アクリ
    ル系共重合体(B)、およびエポキシ基および水酸基を
    有し、エポキシ当量が300〜2000g/eq、水酸
    基当量が280〜2000g/eqであるフルオロオレ
    フィン系共重合体(C)を含有することを特徴とする熱
    硬化性樹脂組成物。
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