JP3535901B2 - 直交周波数分割多重方式受信機 - Google Patents

直交周波数分割多重方式受信機

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JP3535901B2
JP3535901B2 JP25848594A JP25848594A JP3535901B2 JP 3535901 B2 JP3535901 B2 JP 3535901B2 JP 25848594 A JP25848594 A JP 25848594A JP 25848594 A JP25848594 A JP 25848594A JP 3535901 B2 JP3535901 B2 JP 3535901B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の個別信号によっ
て変調され、多重されたデジタル音声放送を受信し、利
用する際に好適に実施される直交周波数分割多重方式受
信機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタル技術の大幅な進歩によっ
てデジタル通信が多く実用されている。これらデジタル
通信の一例として、ラジオ音声放送のデジタル化である
デジタル音声放送がある。デジタル音声放送は、アナロ
グ信号である音声信号をデジタル信号に変換し、放送局
から一般受信機までデジタル信号伝送を行うものであ
る。
【0003】デジタル音声放送などで用いられる変調方
式の1つに、欧州で開発が進められている直交周波数分
割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexin
g;OFDMと略称する)方式がある。OFDM方式
は、通信するべきデジタル化された変調信号である個別
信号が多数含まれる多重信号を、互いに直交するように
並べられた多数のサブキャリアに分割して割当て、各サ
ブキャリアを割当てられた信号によってデジタル変調
し、デジタル変調された各サブキャリアを多重して伝送
する方式である。各サブキャリアの変調方式としては、
直交位相変調(Quadrature Phase Shift Keying;QP
SKと略称する)方式が最もよく用いられる。
【0004】OFDMのサブキャリア数をN種類とする
と、前記多重信号の復調には基本的にはN個の相関検波
手段が必要とされるが、実際には離散フーリエ変換(D
FTと略称する)を用いる復調方法が知られており、こ
れによって一度にN種類のサブキャリアが伝送する信号
を復調することができる。
【0005】図7に、従来技術を用いたOFDM方式受
信機の電気的構成を示すブロック図を示す。本従来技術
では、アンテナ31で受信され、フィルタ32で余分な
周波数帯域に含まれる雑音成分が取除かれた多重信号
は、OFDM復調手段33でOFDM復調され、N個の
パラレルなデータ信号が復調される。前記N個のパラレ
ルなデータ信号は、パラレル/シリアル変換手段34で
シリアルデータに変換され、データ選択手段35でデー
タ設定手段36によって利用者が選択し設定した番組の
個別信号が選択されて、パルス符号化変調(Pulse Code
Modulation;PCMと略称する)デコーダ37におい
てアナログ信号である音声信号に復調される。
【0006】たとえば、“DAB−A new sound broa
dcasting system Status of thedevelopment−Routes t
o its introduction"(G.Plenge,EBU Review Technical
No.246−APRIL 1991)によると、前記サブキャリア数N
が1536種類であるとき、そのサブキャリアを用いて
OFDM変調された前記多重信号の帯域幅は約1.5M
Hzであるとされる。前記フィルタ22は前述したN種
類のサブキャリア全てを通過させるので、その帯域幅は
非常に広い。このため前記フィルタ22を濾波する雑音
の電力が大きくなる。また前述したように、前記多重信
号には複数の個別信号が含まれているけれども、前記P
CMデコーダ37でアナログ信号に変換するのは、その
中の1つの個別信号のみである。本従来技術のように全
てのサブキャリアを通過させることは、この1つの個別
信号を伝送するサブキャリアから見れば、信号電力対雑
音電力(CNRと略称する)において、CNRが小さく
なり、前記q個の個別信号を良好に復調することが困難
になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、受信
した多重信号を復調する際に、選択した1つの個別信号
に対するCNRを大きくし、良好な受信状態で番組を聴
取することができるOFDM方式受信機を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、合計N種類の
サブキャリアをq個の個別信号で変調し、m個のq種類
の前記サブキャリアから成るグループ(N=q・m)を
有する信号を多重した多重信号を受信し、復調する直交
周波数分割多重方式受信機において、前記多重信号を復
調して合計N種類のサブキャリアに対応したデータを得
る直交周波数分割多重復調回路と、前記q個の個別信号
の中から予め定める個別信号を選択し、前記選択した個
別信号を構成する前記データを消去するデータ消去手段
と、前記データ消去手段の出力によって前記N種類のサ
ブキャリアを直交周波数分割多重変調する直交周波数分
割多重変調手段と、前記多重信号を前記直交周波数分割
多重復調手段、前記データ消去手段および前記直交周波
数分割多重変調手段の動作に必要な時間以上の予め定め
る時間だけ遅延する遅延手段と、前記遅延手段の出力か
ら前記直交周波数分割多重変調手段の出力を減算し導出
する減算手段と、前記予め定める個別信号を構成する前
記データに対応したm種類の離散した周波数のサブキャ
リアのみをそれぞれ通過させるフィルタとを含むことを
特徴とする直交周波数分割多重方式受信機である。また
本発明は、前記各グループを構成するq種類のサブキャ
リアが存在する周波数帯域幅は、予め定める周波数帯域
幅に定められていて、前記フィルタの濾波周波数帯域
は、前記個別信号を構成するデータに対応するサブキャ
リアの周波数をそれぞれ含むm個の帯域部分を有し、か
つ前記帯域部分の周波数帯域幅は、前記グループの周波
数帯域幅未満に選ぶことを特徴とする。また本発明は、
前記直交周波数分割多重方式受信機は、直交周波数分割
多重変調された信号を受信して濾波する第1帯域フィル
タと、局部発振周波数信号を出力し、前記局部発振周波
数信号の周波数が可変である局部発振回路と、前記第1
帯域フィルタからの出力と前記局部発振回路からの出力
とを混合する混合回路と、前記混合回路から出力される
2つのうなり周波数信号の一方の周波数信号を得る濾波
周波数帯域が固定的な第2帯域フィルタとを含み、スー
パヘテロダイン方式で受信し、前記第2帯域フィルタか
らの出力を前記直交周波数分割多重復調回路と前記遅延
回路とに与えることを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明に従えば、合計N種類のサブキャリアを
q個の個別信号で変調したm個のq種類のサブキャリア
から成るグループ(N=q・m)を有する信号を多重化
した多重信号を受信し、復調するOFDM方式受信機
は、前記多重信号を復調して合計N種類のサブキャリア
に対応したデータを得る直交周波数分割多重復調回路
と、前記q個の個別信号の中から予め定める個別信号を
選択し、前記選択した個別信号を合成する前記データを
消去するデータ消去手段と、前記データ消去手段の出力
によってN種類のサブキャリアをOFDM変調するOF
DM変調手段と、前記多重信号を前記OFDM復調手
段、前記データ消去手段および前記OFDM変調手段の
動作に必要な時間以上の予め定める時間だけ遅延する遅
延手段と、前記遅延手段の出力から前記OFDM変調手
段の出力を減算し導出する減算手段と、前記予め定める
個別信号を構成する前記データに対応したm種類の離散
した周波数のサブキャリアのみをそれぞれ通過させるフ
ィルタとを含む。また、前記OFDM方式受信機は、O
FDM変調された信号を受信して濾波する第1帯域フィ
ルタと、局部発振周波数信号を出力し、前記局部発振周
波数信号の周波数が可変である局部発振回路と、前記第
1帯域フィルタからの出力と前記局部発振回路からの出
力とを混合する混合回路と、前記混合回路から出力され
る2つのうなり周波数信号の一方の周波数信号を得る濾
波周波数帯域が固定的な第2帯域フィルタとを含み、ス
ーパヘテロダイン方式で受信し、前記第2帯域フィルタ
からの出力を前記OFDM復調回路と前記遅延手段とに
伝える。これによって、予め定め個別信号を、前記個別
信号を構成するデータ信号を伝送するサブキャリア以外
のサブキャリアの影響を排除して取出し、復調すること
ができる。
【0010】また本発明に従えば、前記各グループを構
成するq種類のサブキャリアが存在する周波数帯域幅
は、予め定める周波数帯域幅に定められていて、前記フ
ィルタの濾波周波数帯域は、前記個別信号を構成するデ
ータに対応するサブキャリアの周波数をそれぞれ含むm
個の帯域部分を有し、かつ前記帯域部分の周波数帯域幅
は、前記グループの周波数帯域幅未満に選ぶので、前記
帯域部分の濾波特性が急峻である必要がなくなる。
【0011】
【実施例】図1は、本発明の一実施例のOFDM方式受
信機の電気的構成を示すブロック図である。前記OFD
M方式受信機は、アンテナ1、第1帯域フィルタ2、混
合器3、局部発振回路4、個別信号選択手段5、第2帯
域フィルタ6、遅延手段7、OFDM復調手段8、デー
タ消去手段9、OFDM変調手段10、減算器11、フ
ィルタ12、OFDM復調手段13、パラレル/シリア
ル変換手段14およびPCMデコーダ15を含んで構成
される。
【0012】一般にデジタル変調では、デジタル化され
たq個の個別信号を、たとえば時分割多重方式などによ
って、単一のデジタル信号に変換する。時分割多重方式
は、1種類の伝送路を用いて複数の個別信号を伝送する
場合に、時間的に各信号が重なり合わないように、各個
別信号のパルス幅を狭くし、時間位置を少しずつずらし
て重ね合わせることによって前記各個別信号を多重化す
る方式である。OFDM方式では、この多重化された信
号をN種類のサブキャリアに分割して割当て、各サブキ
ャリアを割当てられたデジタル信号によって変調する。
さらにこの変調された各サブキャリアを多重して1つの
多重信号として伝送する。前記サブキャリアは互いに直
交するように並べられ、その中心周波数はN種類のサブ
キャリアの中で最も中心周波数の低い基本周波数の整数
倍となっている。これによってデジタル信号を構成する
データ信号の中の1つのデータ信号の伝送に用いること
のできる時間であるシンボル時間が長くなるので、マル
チパス妨害などの影響を小さくすることができる。
【0013】前記多重信号のスペクトラム構成を模式的
に示したものが図2(1)である。すなわちN種類のサ
ブキャリアを用いてq個の個別信号を伝送する場合、1
つの個別信号はm=(N/q)種類のサブキャリアを用
いて伝送される。また、使用されるm種類のサブキャリ
アは、q種類間隔で並んでいる。仮に、前記デジタル信
号が時分割多重方式を用いて、q個の個別信号を多重化
した信号であるとすると、前記サブキャリアは1〜q番
目の各個別信号を構成する各データ信号中の1つをそれ
ぞれ伝送するq種類のサブキャリアを1組とするm組の
グループを構成する。
【0014】たとえば1番目の個別信号のみを取出すこ
とを考える。このとき、図2(1)に示す多重信号から
図2(2)に示す1番目の個別信号を構成するデータ信
号を伝送するm種類のサブキャリアを取除いた信号を減
算し導出した信号は、図2(3)に示す前記1番目の個
別信号を構成するデータ信号を伝送するm種類のサブキ
ャリアのみで構成されている信号として出力される。
【0015】再び図1を参照する。アンテナ1で受信さ
れた多重信号は、図3(1)の参照符16に示すよう
な、多重信号のみを通過させる濾波特性を持つ第1帯域
フィルタ2で余分な周波数帯域に含まれる雑音成分を除
去し、図3(2)の参照符17に示すような、多重信号
のみの信号とされて混合器3に与えられる。混合器3に
はまた、局部発振回路4から出力された局部発振周波数
信号が入力される。図3(2)に示す前述した多重信号
と、前記局部発振周波数信号が混合され、図3(3)の
参照符18,19に示す2つのうなり周波数信号に変換
される。後述するように、局部発振回路4は個別信号選
択手段5からの出力によって制御されている。混合器3
の出力は、図3(4)で示すような参照符18で示すう
なり周波数信号よりΔfだけ高周波側にずれた濾波特性
を有する第2帯域フィルタ6で濾波され、図3(5)の
参照符21で示すような前記2つの信号のうち低周波側
であるうなり周波数信号から1〜(i−1)番目のサブ
キャリアが欠けた出力信号が遅延手段7およびOFDM
復調手段8とに与えられる。
【0016】図4を用いて、スーパヘテロダイン方式を
用いた多重信号の周波数変換を説明する。前述のように
アンテナ1で受信され、第1帯域フィルタ2で濾波され
た図4(1)に参照符17で示す中心周波数f0の多重
信号は、局部発振回路4から出力された周波数fLの局
部発振周波数信号と混合器3で乗算され、図4(2)に
参照符18,19で示す中心周波数がf0±fLである
2つのうなり周波数信号に変換される。前記2つのうな
り周波数信号は、2つの信号のうち低周波側の信号のみ
を通過させる図4(3)に参照符20で示すような濾波
特性を有する第2帯域フィルタ6で濾波されて、元の多
重信号の中心周波数f0より中心周波数が低い参照符1
8で示す中心周波数f0−fLの多重信号が選択され
る。
【0017】このように元の多重信号と局部発振回路4
で発生された局部発振周波数信号とを混合させることに
よって、元の多重信号の周波数よりも低い中間周波数の
信号とすることができる。また後述するように、局部発
振周波数信号の周波数fLを任意に変化させることによ
って、前記多重信号の周波数に関係なく、混合器3から
出力される出力信号の中心周波数を任意の値にすること
ができる。
【0018】再び図1を参照して、OFDM復調手段で
は、入力された出力信号がOFDM復調され、N種類の
サブキャリアに対応するパラレルなN個のデータ信号が
復調される。このN個のデータ信号は、データ消去手段
9に与えられる。またデータ消去手段9には、個別信号
選択手段5からの出力が与えられている。データ消去手
段9では、個別信号選択手段5で予め定められた個別信
号を構成するデータ信号が「0」に変換される。たとえ
ば第1番目の個別信号を選択した場合、第1番目の個別
信号を構成するデータ信号は次式で表される。
【0019】 Cn = 0 + j0 (n=0,q,2q,…,(m−1)q) …(1) OFDM変調手段10では、データ消去手段9からの出
力によって前記サブキャリアがOFDM変調される。こ
のときの多重信号のサブキャリア構成は、図3(6)の
参照符22で示すように、たとえばi番目の個別信号を
選択していれば、参照符21で示すサブキャリア構成か
らi番目の個別信号を構成するデータ信号を伝送するサ
ブキャリアのみが消去された構成を有する。
【0020】遅延手段7によってOFDM変調手段8、
データ消去手段9およびOFDM変調手段10での処理
に必要な予め定められた時間だけ遅延された参照符21
で示す前記出力信号と、参照符22で示す前記OFDM
変調手段10から出力されたi番目の変調信号が消去さ
れた信号とが減算器11で減算されて導出される。導出
された前記信号には、図3(7)に示すように、個別信
号選択手段5で予め定められた個別信号を構成するデー
タ信号を伝送するm種類のサブキャリアのみが含まれて
いる。前記信号は、図3(8)の参照符24で示す濾波
特性を有するフィルタで濾波される。
【0021】OFDM方式で変調された多重信号のスペ
クトラムを図5(1)に示す。前記多重信号は、周波数
軸上では参照符28で示す各サブキャリアのスペクトラ
ムは互いに直交性を保ちながら重なり合い、全体として
は図4(1)の参照符17に示すような矩形のスペクト
ラムとなっている。仮にこの多重信号をこのまま前記フ
ィルタ12で濾波し、特定の1つの個別信号を構成する
データ信号を伝送するサブキャリアのみを取出そうとす
ると、図5(2)に示すようにフィルタ12の参照符2
4で示す濾波帯域の一部分である帯域部分には、参照符
25で示す前記サブキャリア以外に参照符26で示す隣
接するサブキャリアのスペクトラム成分が重なり漏れて
いるので、隣接するサブキャリアのスペクトラム成分2
6は雑音成分となり、復調特性が劣化する。しかしなが
ら、前述したように予め必要なサブキャリア以外のサブ
キャリア成分を消去した図5(3)の参照符23に示す
信号を作成し、これを前記フィルタ12で濾波し、余分
な部分である参照符29で示す部分を除く。この場合
は、フィルタ12の各帯域部分24内に隣接するサブキ
ャリアのスペクトラム成分26が存在しないため、前記
隣接するサブキャリアの悪影響を排除することができ
る。
【0022】前記第2帯域フィルタ6の濾波特性と、前
記フィルタ12の濾波特性との関係を以下に説明する。
【0023】前述したように、個別信号選択手段5でた
とえばi番目の個別信号が選択されると、個別信号選択
手段5からの出力に応答して、局部発振回路4は、周波
数fLの局部発振周波数信号を出力する。前記局部発振
周波数信号の周波数fLは、以下の式で表される。
【0024】
【数1】
【0025】ここでfB1は、予め定められた任意の周
波数である。前記局部発振周波数信号と混合された多重
信号は、前述したように前記第2帯域フィルタ6で濾波
される。参照符20で示す前記第2帯域フィルタ6の濾
波特性は、参照符27で示す帯域幅がN/Tであり、中
心周波数はfB1+(N/2T)である。このときi番
目の個別信号を構成するデータ信号を伝送するm種類の
サブキャリアの中で最も周波数の低いサブキャリアの周
波数は、f0+(i−1)/Tである。このサブキャリ
アの周波数変換後の周波数fbは、次式で表される。
【0026】
【数2】
【0027】また、前記局部発振周波数信号の周波数f
Lは、前記周波数変換後の周波数fbが前記予め定めら
れた任意の周波数fB1と一致するように選ばれてい
る。前記第2帯域フィルタ6の遮断周波数は、低周波側
ではfB1に設定されており、前記信号のサブキャリア
の中には周波数がfB1未満となり、濾波されないもの
が現れる。前述の濾波されないサブキャリアは、前記i
番目の個別信号を構成するデータ信号を伝送するサブキ
ャリア以外のものであり、i番目の個別信号を復調する
ときに影響を及ぼさないものである。減算器11でi番
目の個別信号を構成するデータ信号を伝送するサブキャ
リアのみの信号に変換された信号を濾波するフィルタ1
2の濾波特性は、m個の離散した帯域部分を有し、各帯
域部分の中心周波数fBkは以下の式で表される。前記
各帯域部分は、同じ帯域幅たとえば1/Tを有する。
【0028】
【数3】
【0029】i番目の個別信号を構成するデータ信号を
伝送するm種類のサブキャリアの周波数変換された各周
波数が、フィルタ12のm個の各帯域部分の中心周波数
と一致するように局部発振周波数信号の周波数fLは制
御されている。これによって濾波特性が固定された前記
第2帯域フィルタ6および前記フィルタ12を用いて、
任意の個別信号を構成するデータ信号を伝送するサブキ
ャリアを濾波することができる。
【0030】再び図1を参照する。前記フィルタ12か
らの出力は、OFDM復調手段13に与えられ、OFD
M復調されてm個のパラレルなデータ信号が復調され
る。このm個のパラレルなデータ信号は、パラレル/シ
リアル変換手段14でシリアルデータに変換され、PC
Mデコーダ15でアナログ信号に復調されて、ステレオ
復調回路でステレオ復調され、増幅回路で増幅されてス
ピーカから音声として出力される。
【0031】前記サブキャリアの変調方式にQPSK方
式が用いられている場合、1シンボル時間T当たりのO
FDM信号y(t)は、次式で表される。
【0032】
【数4】
【0033】ここでCnは、n番目の前記データ信号で
ある複素伝送信号アルファベットであり、すなわち伝送
信号の振幅である。foは伝送周波数であり、記号「R
e〔〕」はカッコ内の複素数の実部をとることを示す記
号である。たとえば第1番目の個別信号を復調する場
合、第1番目の個別信号の信号電力Psは前記サブキャ
リアの直交性を考慮して、次式のように表される。
【0034】
【数5】
【0035】図7の従来技術では、前記N種類のサブキ
ャリアによって送信されたデータ信号を全てOFDM復
調する。このためアンテナで受信した信号を濾波する帯
域フィルタの帯域幅Bwは、周波数間隔Δf1=1/T
毎に並んだN種類のサブキャリアが通過することができ
る帯域幅が必要であり、次式で表される。
【0036】 Bw = N/T …(7) このとき、雑音成分の片側電力スペクトラム密度をN0
とすれば、前記フィルタ通過後の雑音電力PNは次式8
で表される。
【0037】 PN = N0・Bw …(8) したがってCNRは、次式9で表される
【0038】
【数6】
【0039】以上のように図7の従来技術では、単一の
個別信号を復調する際に、N種類全てのサブキャリアを
濾波することができるフィルタを用いているので、雑音
電力PNが大きくなる。したがってCNRは小さくな
る。
【0040】本発明の図1の実施例のように、音声とし
て出力する単一の個別信号、たとえば第1番目の個別信
号のみを取出す場合は、帯域フィルタは図6(2)に示
すように、離散的に配置された複数の狭帯域の帯域部分
から成る濾波帯域を有し、前記各帯域部分の合計である
帯域フィルタ12の帯域幅BW1は次式10で表され
る。
【0041】 BW1 = m/T …(10) 前記フィルタ12を通過した後の雑音電力PN1は、次
式11で表される。
【0042】 PN1 = N0・Bw1 = N0・m/T …(11) 前記第1番目の個別信号の信号電力は、前述した図7の
従来技術を用いた場合と等しい。したがって本実施例の
OFDM方式受信機のCNRをCNR1とすれば、次式
12で表される。
【0043】
【数7】
【0044】ゆえに本実施例を実施した場合のCNRの
改善比ρは、次式13で表される。
【0045】
【数8】
【0046】以上のように必要とする1つの個別信号の
みを取出すことによって、CNRをN/m倍に改善する
ことができる。
【0047】図1の実施例では、フィルタ12に図3
(8)に示すような離散した複数の帯域部分を有するフ
ィルタを用いているけれども、他の実施例として、たと
えばバンドパスフィルタなどで実現される1つのサブキ
ャリアのみ通過させるフィルタを、中心周波数間隔q/
T毎にm個配置したものを用いてもよい。また中心周波
数が最小のバンドパスフィルタの代わりに、ハイパスフ
ィルタ、また最大のバンドパスフィルタの代わりにロー
パスフィルタのようなフィルタを用いてもよい。
【0048】また前記フィルタ12の1つの帯域部分の
高周波側遮断周波数は、隣接する帯域部分の低周波側の
遮断周波数を超えない程度まで大きくしてもよい。また
逆に、前記1つの帯域部分の低周波側遮断周波数は、隣
接する帯域部分の高周波側の遮断周波数以下にならない
程度まで小さくしてもよい。上述のような複数個のフィ
ルタを用いた場合には、各フィルタの出力を加算器など
で加算し、OFDM復調手段13に入力するようにして
もよい。また、各フィルタ毎にOFDM復調を行い、そ
の出力をパラレル/シリアル変換手段14に入力するよ
うにしてもよい。また、各フィルタはデジタルのフィル
タを用いてもよく、またアナログのフィルタを用いても
よい。
【0049】また、OFDM変調および復調を行う場合
には、DFTおよび逆DFTなどの数学的手段を用いる
方法が知られており、図1のOFDM復調手段8,13
およびOFDM変調手段10は、DSP(Digital Sign
al Processor)などで実現してもよい。また、OFDM
復調手段8,13は受信デジタル値と複数の予め定める
デジタル値との相関を演算して求め、それらの相関の中
で最も大きい値が得られた予め定めるデジタル値を受信
したデジタル値として採用する相関検波を行うN個の相
関検波手段などによって実現されてもよく、またOFD
M変調手段10はN個の変調手段によって実現されても
よい。同様に、遅延手段7はアナログ遅延線などで実現
してもよく、またDSPによって実現してもよい。DS
Pを用いた場合は、高精度に処理を行うことができる。
【0050】さらにまた復調する個別信号は、予め定め
てもよく、あるいは多重信号を復調してから選択しても
よい。また前記選択は、手動で行ってもよく、あるいは
復調した信号の雑音などを考慮して自動で行ってもよ
い。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、合計N種
類のサブキャリアをq個の個別信号で変調した合計m個
のグループを有する信号を多重化した多重信号を受信し
復調するOFDM方式受信機は、前記多重信号を復調し
て合計N種類のサブキャリアに対応したデータを得るO
FDM復調手段と、前記q個の個別信号の中から、予め
定める個別信号を選択し、前記選択した個別信号を構成
する前記データを消去するデータ消去手段と、前記デー
タ消去手段の出力によって前記N種類のサブキャリアを
OFDM変調するOFDM変調手段と、前記多重信号を
前記OFDM復調手段、前記データ消去手段および前記
OFDM変調手段までの動作に必要な時間以上の予め定
める時間だけ遅延する遅延手段と、前記遅延手段の出力
から前記OFDM変調手段の出力を減算し導出する減算
手段と、前記予め定める個別信号を構成する前記データ
に対応したm種類の離散した周波数のみをそれぞれ通過
させるフィルタとを含む。また本発明に従えば、前記O
FDM受信機は、OFDM変調された信号を受信して濾
波する第1帯域フィルタと、局部発振周波数信号を出力
し、前記局部発振周波数信号の周波数が可変である局部
発振回路と、前記第1帯域フィルタからの出力と、前記
局部発振回路からの出力とを混合する混合回路と、前記
混合回路から出力される2つのうなり周波数信号の一方
の周波数信号を得る濾波周波数が固定的な第2帯域フィ
ルタとを含み、スーパヘテロダイン方式で受信し、前記
第2帯域フィルタからの出力を前記OFDM復調手段と
前記遅延手段とに与える。これによって、予め定めた個
別信号を、前記個別信号を構成するデータ信号を伝送す
るサブキャリア以外のサブキャリアの影響を排除して取
出し復調することができる。したがって、CNRを大き
くすることができ、前記個別信号を雑音の少ない良好な
信号として復調することができる。
【0052】また本発明に従えば、前記各グループを構
成するq種類のサブキャリアが存在する周波数帯域幅
は、予め定める周波数帯域幅に定められていて、前記フ
ィルタの濾波周波数帯域は、前記選択した変調信号を構
成するデータに対応するサブキャリアの周波数をそれぞ
れ含むm個の帯域部分を有し、かつ前記帯域部分の周波
数帯域幅は前記グループの周波数帯域幅未満に選ぶの
で、前記帯域部分の濾波特性を急峻にする必要がなくな
る。これによって、フィルタの設計を容易とすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のOFDM方式受信機の電気
的構成を示すブロック図である。
【図2】多重信号のスペクトラム構成を説明するための
簡略化した波形図である。
【図3】図1のOFDM方式受信機の動作を説明するた
めの簡略化した波形図である。
【図4】混合器3、局部発振回路4および第2帯域フィ
ルタ6を用いた周波数変換を説明するためのグラフであ
る。
【図5】多重信号のスペクトラム構成を示す波形図であ
る。
【図6】第2帯域フィルタ6とフィルタ12との帯域幅
およびその中心周波数の関係を示すグラフである。
【図7】従来技術を用いたOFDM方式受信機の電気的
構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 アンテナ 2 第1帯域フィルタ 3 混合器 4 局部発振回路 5 個別信号選択手段 6 第2帯域フィルタ 7 遅延手段 8,13 OFDM復調手段 9 データ消去手段 10 OFDM変調手段 11 減算器 12 フィルタ 14 パラレル/シリアル変換手段 15 PCMデコーダ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04J 11/00 H04B 1/10 H04B 1/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合計N種類のサブキャリアをq個の個別
    信号で変調し、m個のq種類の前記サブキャリアから成
    るグループ(N=q・m)を有する信号を多重した多重
    信号を受信し、復調する直交周波数分割多重方式受信機
    において、 前記多重信号を復調して合計N種類のサブキャリアに対
    応したデータを得る直交周波数分割多重復調回路と、 前記q個の個別信号の中から予め定める個別信号を選択
    し、前記選択した個別信号を構成する前記データを消去
    するデータ消去手段と、 前記データ消去手段の出力によって前記N種類のサブキ
    ャリアを直交周波数分割多重変調する直交周波数分割多
    重変調手段と、 前記多重信号を前記直交周波数分割多重復調手段、前記
    データ消去手段および前記直交周波数分割多重変調手段
    の動作に必要な時間以上の予め定める時間だけ遅延する
    遅延手段と、 前記遅延手段の出力から前記直交周波数分割多重変調手
    段の出力を減算し導出する減算手段と、 前記予め定める個別信号を構成する前記データに対応し
    たm種類の離散した周波数のサブキャリアのみをそれぞ
    れ通過させるフィルタとを含むことを特徴とする直交周
    波数分割多重方式受信機。
  2. 【請求項2】 前記各グループを構成するq種類のサブ
    キャリアが存在する周波数帯域幅は、予め定める周波数
    帯域幅に定められていて、前記フィルタの濾波周波数帯
    域は、前記個別信号を構成するデータに対応するサブキ
    ャリアの周波数をそれぞれ含むm個の帯域部分を有し、
    かつ前記帯域部分の周波数帯域幅は、前記グループの周
    波数帯域幅未満に選ぶことを特徴とする請求項1記載の
    直交周波数分割多重方式受信機。
  3. 【請求項3】 前記直交周波数分割多重方式受信機は、 直交周波数分割多重変調された信号を受信して濾波する
    第1帯域フィルタと、局部発振周波数信号を出力し、前
    記局部発振周波数信号の周波数が可変である局部発振回
    路と、 前記第1帯域フィルタからの出力と前記局部発振回路か
    らの出力とを混合する混合回路と、 前記混合回路から出力される2つのうなり周波数信号の
    一方の周波数信号を得る濾波周波数帯域が固定的な第2
    帯域フィルタとを含み、スーパヘテロダイン方式で受信
    し、前記第2帯域フィルタからの出力を前記直交周波数
    分割多重復調回路と前記遅延回路とに与えることを特徴
    とする請求項1または2のいずれかに記載の直交周波数
    分割多重方式受信機。
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