JP3534786B2 - 折曲げ加工方法およびその装置 - Google Patents

折曲げ加工方法およびその装置

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JP3534786B2 JP05209993A JP5209993A JP3534786B2 JP 3534786 B2 JP3534786 B2 JP 3534786B2 JP 05209993 A JP05209993 A JP 05209993A JP 5209993 A JP5209993 A JP 5209993A JP 3534786 B2 JP3534786 B2 JP 3534786B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ワークに折曲げ加工
を行なった際に高精度な折曲げ角度を得るようにした折
曲げ加工方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ワークに折曲げ加工を行なう折曲
げ加工方法としては、プレスブレーキにおいて、パンチ
とダイのいずれか一方を他方に対して接近せしめ、パン
チとダイとの接近距離であるD値のD軸を制御てワー
折曲げ加工が行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の折曲げ加工方法ではD軸制御を折曲げ角度θとD値
との関係を示す基準曲線Dn =F(θn )に材料補正係
数gn を乗算したD=gn ・f(θn )に折曲げようと
する所望の折曲げ角度θA を代入して、DA =gA ・f
(θA )によりDA を求め、このDA でD軸制御て1
回の折曲げ加工により行なっていたから、満足すべき高
精度な折曲げ角度が得られずに現状に到っている。しか
しながら、最近になって、現状よりも高精度な折曲げ角
度となる要望が高まってきている。
【0004】この発明の目的は、上記事情に監みて、さ
らに高精度な折曲げ角度を得るようにした折曲げ加工方
法およびその装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、パンチとダイのいずれか一方を他方に
対してパンチとダイとの接近距離であるD値を制御して
ワークに折曲げ加工を行なう折曲げ加工方法にして、前
記D値を任意に決めて第1回目の折曲げ加工を行なった
後の折曲げ角度θ1 を測定し、この折曲げ角度θ1 に対
応して材料補正係数g(1)を求めると共にD値と曲げ
角度θ1 との関係を示す基準曲線D=f(θ)を、当該
基準曲線に基づく折曲げ角度θ1 時のD値と前記D値と
の差に基づいてシフトさせると共に、材料補正係数
(1) を乗算してD値補正を行ない、次いで、第2回
目の折曲げ加工を行なった後の折曲げ角度θ2 を測定
し、この測定された折曲げ角度θ2 が所望折曲げ角度の
許容範囲に入っていれば折曲げ加工を終了し、所望折曲
げ角度の許容範囲に入っていない場合には、前記材料補
正係数を求めると共に当該材料補正係数を乗算してD値
補正を行うことを適数回繰返し行なって所望折曲げ角度
の許容範囲に入るように折曲げ加工を行なうことを特徴
とする折曲げ加工方法である。
【0006】また、この発明は、パンチとダイのいずれ
か一方を他方に対してパンチとダイとの接近距離である
D値を制御てワークに折曲げ加工を行なう折曲げ加工
装置にして、前記パンチとダイとの接近距離であるD値
を制御るD軸制御装置と、折曲げられた折曲げ角度を
測定する折曲げ角度測定装置とを備えてなり、前記D軸
制御装置が折曲げ角度に対応して材料補正係数を求める
材料補正係数ファイルと、D値と折曲げ角度θとの関係
を示す基準曲線D=f(θ)に基づくD軸補正パターン
がファイルされているD軸補正パターンファイルと、こ
のD軸補正パターンファイルにファイルされたD軸補正
パターンに材料補正係数ファイルから求めた材料補正係
数を乗算する演算処理装置と、この演算処理装置で演算
された結果を基にしてD値を補正する駆動手段と、前記
折曲げ測定装置により測定された実際の折曲げ角度が所
望の折曲げ角度許容範囲に入っているかどうかを判断す
る判断装置と、で構成されていることを特徴とする折曲
げ加工装置である。
【0007】
【作用】この発明の折曲げ加工方法およびその装置を採
用することにより、まずD値を任意に決めて第1回目の
折曲げ加工を行なう。折曲げられたワークの折曲げ角度
θ1 が折曲げ角度測定装置により測定される。この測定
された折曲げ角度θ1 がD軸制御装置の材料補正係数に
取り込まれて折曲げ角度θ1 に対応する材料補正係数g
1 が求められる。さらにD軸補正パターンファイルに折
曲げ角度θ1 が取り込まれてD1 =f(θ1 )を基にし
てD軸補正値が求められる。このD軸補正値と前記g1
とが演算処理装置に取り込まれて、演算処理され、さら
にこの結果を基にしてD軸補正が行なわれる。
【0008】補正されたD1 で駆動手段が駆動されて第
2回目の折曲げ加工が行なわれる。そして、折曲げ角度
測定装置により折曲げ角度θ2 が測定される。この折曲
げ角度θ2 が判断装置に取り込まれて、所望の折曲げ角
度と比較されて、折曲げ角度θ2 が所望の折曲げ角度の
許容範囲に入っているかどうか判断されて、許容範囲に
入っていれば折曲げ加工が終了する。許容範囲に入って
いなければ許容範囲に入るように、さらに上述した折曲
げ加工の要領に基づいて許容範囲に入るまで適数回折曲
げ加工が行なわれる。その結果、高精度な折曲げ角度を
有したワークが得られる。
【0009】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0010】図2を参照するに、折曲げ加工装置として
の例えばプレスブレーキ1は固定の上部テーブル3と上
下動自在な可動なラム5とを備えており、前記上部テー
ブル3にはパンチPが取付けられ、ラム5にはダイDが
取付けられている。ラム5は油圧シリンダ7で昇降駆動
され、この油圧シリンダ7はモータM1 により回転され
る油ポンプPの油圧を受けている。ラム5にはドグ9が
設けられている。油配管に圧力センサPSと温度センサ
TSを設けている。一方、ラム5の昇降制御手段として
パルスモータM2 とスプラインで結合される螺子桿11
に移動体13を螺合して設け、又、ラム5に設けたドグ
9がこの移動体13を上方に突き上げると揺動する揺動
体15を設けている。そして、ドグ9が移動体13を突
き上げ、図2において揺動体15の右側をスプリングS
に抗して下降せしめることにより、切換弁17の油圧経
路を切換え、ラム5の上昇を停止制御するようにしてい
る。移動体1の位置はエンコーダEで検出している。
即ち、ラム5の所定位置は移動体13で規制され、この
移動体13の所定位置はパルスモータM2 で移動可能の
構成である。
【0011】前記プレスブレーキ1の近傍には、プレス
ブレーキ1で折曲げ加工を行なったワークWの折曲げ角
度を測定する折曲げ角度測定装置19が配置されてい
る。
【0012】前記ラム5のストローク(D値)を制御
るD軸制御装置21が、図3に示されている。図3にお
いてD軸制御装置21にはCPU23が備えられてお
り、このCPU23にはD軸のストロークを任意に決定
して入力する例えばキーボードなどからなる入力手段2
5および前記折曲げ角度測定装置19で測定されたワー
クWの折曲げ角度CPU23に入力るために例え
ば折曲げ角度測定装置19がそれぞれ接続されている。
なお、測定された折曲げ角度は作業者によって入力手段
25で入力しても構わないものである。
【0013】前記CPU23にはエンコーダEを備えた
パルスモータM2 および圧力センサPS を備えたモータ
1 がそれぞれ接続されている。
【0014】前記CPU23には、折曲げ角度に対応し
て材料補正係数gn を求める材料補正係数ファイル27
と、D値と折曲げ角度θとの関係を示す基準曲線D=f
(θ)に基づくD軸補正パターンがファイルされている
D軸補正パターンファイル29と、このD軸補正パター
ンファイル29にファイルされた基準曲線D=f(θ)
をシフトさせたD軸補正パターンに材料補正係数ファイ
ル27にファイルされた材料補正係数gn を乗算する演
算処理装置31および前記折曲げ角度測定装置19で測
定された実際の折曲げ角度が所望の折曲げ角度の許容範
囲に入っているかどうかを判断する判断装置33がそれ
ぞれ接続されている。
【0015】前記材料補正係数ファイル27には、折曲
げる折曲げ角度Aによって異なり、今までの経験より、
折曲げ角度Aが180°>A≧120°の場合には、図
4(A)に示すような曲線Cが、120°>A≧9
3°の場合には、図4(B)に示すような曲線C
が、93°>A≧90°の場合には、図4(C)に
示すような曲線C がファイルされている。
【0016】前記D軸補正パターンファイル29には、
例えば図5、図6あるいは図7に示したようなD軸補正
パターンがファイルされている。
【0017】例えば図5に示されたD軸補正パターンに
おいては、基準曲線D=f(θ)があり、初めにラム5
ストロークd させて第1回目の曲げを行なったと
き、折曲げ角度測定装置19で測定された折曲げ角度が
θとなった。したがって、基準曲線D=f(θ)か
ら折曲げ角度θのときのデータテーブル上のD値
は、D=f(θ)となるから、D軸補正値ΔD
はΔD=d−f(θ)となり、新たな基
準曲線Dは、前記材料補正係数ファイル27から求めた
1回目の材料補正係数g(1)を乗算し、D=g(1)
(f(θ)+d−f(θ))となる。
【0018】次に、ラム5ストロークd させて第
2回目の曲げを行なったとき、折曲げ角度測定装置19
で測定された折曲げ角度がθとなった。したがっ
て、前記新たな基準曲線Dから折曲げ角度θのとき
のデータテーブル上のD値は、D=f(θ)+
−f(θ)となるから、D軸補正値ΔD
は、ΔD=d−Dとなり、さらに新たな
基準曲線Dは、前記材料補正係数ファイル27から求め
た2回目の材料補正係数g(2)を乗算し、D=g
(2)(f(θ)+d−f(θ))となる。
【0019】このような要領に基づき、目標角度Aに対
してn回の曲げを行なうときの新たな基準曲線DA を示
す一般式は、DA =g(n)(f(θ)+dn −f(θ
n ))となる。但し、A:目標曲げ角度、f(θ):基
準曲線,n:曲げ回数,dn:n回曲げ時の設定D軸,
g(n):n回曲げ時の材料補正係数である。このD軸
補正方式をD値差分上下シフト補正パターンと呼ぶ。
【0020】また、図6に示したD軸補正パターンにお
いては、基準曲線D=f(A)があり、初めにラム5の
ストロークをd1 させて第1回目の曲げを行なったと
き、折曲げ角度測定装置19で測定された折曲げ角度が
1 となった。基準曲線よりストロークd1 時の曲げ角
度A1 =f-1(d1 )となる。したがって、新たな基準
曲線はD=f(A−ΔA1 )となる。
【0021】ラム5をストロークd2 させて第2回目の
曲げを行なったとき、折曲げ角度測定装置19で測定さ
れた折曲げ角度がA2 となった。前記新たな基準曲線D
=f(A−ΔA1 )からストロークd2 のときの曲げ角
度A2 =f-1(d2 )となる。したがって、次の新たな
基準曲線は、D=f(A−ΔA1 −ΔA2 )となる。
【0022】このような要領に基づき、n回曲げを行
なうときの新たな基準曲線Dの一般式は、D=f(A−
ΔA1 −ΔA2 …−ΔAn )となる。このD軸補正方式
を角度差分左右補正シフトパターンと呼ぶ。
【0023】あるいは、図7に示したD軸補正パターン
においては、基準曲線D=f(a)があり、初めにラム
5をストロークd1 させて第1回目の曲げを行なったと
き、折曲げ角度測定装置19で測定された折曲げ角度が
1 となる(A点)このA点と始点とを結んだ直線と
基準曲線D=f(a)とのなす角度αだけ基準曲線を旋
回させた新たな基準曲線D=f′(a)となるから、こ
れに材料補正係数g(1)を乗算してD=g(1)・
f′(a)が求められる。
【0024】ラム5をストロークd2 ストロークさせて
第2曲げを行なったとき、折曲げ角度測定装置19で測
定された折曲げ角度がa2 となった(B点)。このB点
と始点を結んだ直線と新たな基準曲線D=f′(a)と
のなす角度βだけ旋回させた新たな基準曲線D=f″
(a)となるから、これに材料補正係数g(2)を乗算
してD=g(2)f″(a)が求められる。
【0025】次に、本実施例における折曲げ加工方法を
図1に示したフローチャートを基にして説明する。な
お、図1に示すフローチャートに入る前にD軸の原点設
定がなされているものとする。
【0026】まず、ステップ11で最終折曲げ角度より
あまい折曲げ角度となるようにD軸のd1 を決めて入
力手段25より入力せしめる。そして、ステップS12
でモータM1 を駆動せしめて油圧シリンダ7を作動させ
ることにより、ラム5を上昇させて第1回目の折曲げ加
工を行なう。ステップS13で折曲げ加工を行なった後
のワークWの折曲げ角度θ1 を折曲げ角度測定装置19
で測定する。
【0027】ステップS14で、この測定された折曲げ
角度θ1 をD軸制御装置21の材料補正係数ファイル2
7に取り込ませて、図4(A),(B),(C)に示し
たグラフより1回目の場合の材料補正係数g(1)を求
める。さらに、ステップS15では測定された折曲げ角
度θ1 を基準曲線ファイルに基づくD軸補正パターンフ
ァイル29にファイルされているD軸補正パターンによ
り、新たな基準曲線D=f(θ)+d1 −f(θ1)を
求め、これを演算処理装置31に取り込ませて、DA
g(1)(f(θ)+d1 −f(θ1 ))の演算処理を
行ない、この結果を基にして、パルスモータM2 を駆動
せしめて、エンコーダEよりD値補正が行なわれる。
【0028】ステップS16では折曲げられたワークW
をダイD上に載置し、モータM1 を駆動せしめて油圧シ
リンダ7を作動させることにより、ラム5を上昇させて
第2回目の折曲げ加工が行なわれる。ステップS17で
折曲げ角度測定装置19で第2折曲げ角度θ2 が測定さ
れる。ステップS18ではこの第2折曲げ角度θ2 が判
断装置33に取り込まれる。判断装置33には予め最終
目標折り曲げ角度が取り込まれているので、第2折曲げ
角度θ2 が最終目標折り曲げ角度の許容範囲に入ってい
るかどうかが判断される。第2折曲げ角度θ2 が最終目
標折り曲げ角度の許容範囲に入っていれば、ステップS
19に進み曲げ加工が終了する。もし、許容範囲に入っ
ていなければ、ステップS14の手前に戻り、適数回折
曲げ加工が行なわれる。
【0029】このように、第1回目折曲げ加工後に折曲
げ角度測定装置19で第1曲げ角度θ1 を測定し、この
測定された第1曲げ角度θ1 により基準曲線D=f
(θ)をシフトさせて、D値補正を行ない、第2回目の
折曲げ加工を行なう。そして再度第2曲げ角度θ2 を測
定し、この第2曲げ角度θ2 を最終目標折曲げ角度の許
容範囲と比較し、許容範囲に入っていれば曲げ加工を終
了させ、許容範囲に入っていなければ適数回上述した要
領でD値補正を行なって折曲げ加工を行なうことによっ
て、高精度な折曲げ角度を有したワークを得ることがで
き、今までない良好な折曲げ製品を得ることができる。
【0030】なお、ステップS15においては、図6あ
るいは図7に示された補正パターンで行なっても、同様
なD軸補正が行なわれて、高精度な曲げ角度を得ること
ができる。
【0031】前記折曲げ角度測定装置19の具体的な一
実施例が図8,図9および図10に示されている。
【0032】すなわち、図8,図9および図10を参照
するに、折曲げ角度測定装置19は、ベース35を備え
ており、このベース35の例えば左端には上方へ向けて
突起部37が前後に設けられている。この突起部37間
にはX軸方向(図8、図9、図10において左右方向)
へ延伸した第1支持部材39と第2支持部材41とが一
体化されて設けられている。しかも、第1支持部材39
の左側寄り部がピン43で揺動可能に枢支されていると
共に、第2支持部材41における右側寄り部の下部には
スプリング45が設けられ、第1支持部材39の上面が
常時水平となるように上方向へ付勢されている。
【0033】前記第1支持部材39の上面にチャンバー
47が形成されていると共に、このチャンバー47には
エア通路49の一端が連通されている。このエア通路4
9は第1支持部材39において上下方向へ貫通されて形
成されている。
【0034】前記第2支持部材41は第1支持部材39
に一体化された水平部51と水平部51に立設された垂
直部53とで構成されている。この垂直部53はU字形
状となっており、この基部53Aとアーム53B、53
Cとで構成されている。このアーム53Bと53Cとの
間には扇形状の当接部材55が設けられており、この当
接部材55にはワークWの他辺を当接せしめる当接部5
5Aが形成されていると共に外周部にセクタギヤ57が
形成されている。しかも、当接部材55はピン59によ
り前記第2支持部材41における垂直部53に回動可能
に枢支されている。
【0035】前記当接部材55における当接部55Aの
上面にはチャンバー61が形成されていると共に、この
チャンバー61にはエア通路63の一端が連通されてい
る。このエア通路63は前記当接部材55内に貫通され
て形成されている。
【0036】前記第2支持部材41における垂直部53
の例えばアーム53Bには取付ベース65が取付けられ
ている。この取付ベース65には角度検出器としての例
えばエンコーダ67が設けられており、このエンコーダ
67の出力軸69にはピニオン71が装着されている。
しかも、このピニオン71には前記セクタギヤ57が噛
合わされている。
【0037】前記当接部材55には図9に示されている
ように、長孔73が形成されていると共に、この長孔7
3にはピン75が嵌装されている。また、前記アーム5
3Cには別のピン77が取付けられており、このピン7
7と前記ピン75とには図10に示されているように、
スプリング79が設けられている。しかも、このスプリ
ング79の付勢力は当接部材55の当接部55Aが例え
ば予め設定された位置例えば90度の角度(垂直状態)
位置で中立状態となるようになっている。
【0038】上記構成により、折曲げられたワークWの
一辺WA を第1支持部材39に支持せしめて図9におい
て右方向へ移動せしめると、ワークWの他辺WB の下部
が当接部材55に当接し、さらに右方向へ移動せしめる
ことにより、当接部材55がピン59を支点として図9
において時計方向回り、あるいは反時計方向回りに回動
されて、ワークWにおける他辺WB の全面に当接部材5
5の当接部53Aが当接する。この状態でエア通路4
9,63よりエアを吸引せしめると、ワークWの一辺W
A が第1支持部材39に、ワークWの他辺WB が当接部
材55の当接部55Aに確実に支持、当接されることに
なる。
【0039】前記当接部材55が回動すると、セクタギ
ヤ57も当接部材55と同方向へ回動するので、ピニオ
ン71、出力軸69を介してエンコーダ67が作動して
カウントし、当接部材55の回動量すなわち回動角が検
出される。その結果、予め設定された当接部材55の設
定位置例えば垂直状態の位置における設定角度(例えば
90度)から前記検出された実際の回動角を加減算する
ことにより、ワークWの曲げ角度θを高精度に測定する
ことができる。
【0040】図11および図12には、上述した実施例
に代る他の実施例が示されている。図11および図12
において、図8、図9および図10における部品と同じ
部品には同一符号を附して異なる点について説明する。
【0041】すなわち、図11および図12において、
第1支持部材39と第2支持部材41の水平部51とを
一体でなく、別体にしたものである。第1支持部材39
における図11において中央部から右側部分の下部には
LMガイド部材81が設けられている。このLMガイド
部材81上には図11において左右方向へ移動可能な第
2支持部材41の水平部51が設けられている。
【0042】上記構成により、第1支持部材39上にワ
ークWの一辺WA を載置支持せしめると共に、エア通路
49より吸引せしめることによって、ワークWの一辺W
A が第1支持部材39に吸着して固定される。この状態
において、第2支持部材41の水平部51がLMガイド
部材81に案内されて図11において右側から左側へ移
動せしめることによって、ワークWの他辺WB に当接部
材55の当接部53Aに当接しながら回動させて、ワー
クWにおける他辺WB の全面に当接部材55の当接部5
5Aが当接した状態でエア通路63より吸引して吸着せ
しめる。この状態における当接部材55の移動量すなわ
ち回動角度を上述した実施例と同様に検出して、ワーク
Wの曲げ角度を高精度に測定することができる。
【0043】図13にはエア系統図が示されている。図
13において、エア通路49の他端には配管83の一端
が接続されていると共に配管83の他端に真空発生器8
5が接続されている。そして、配管83の途中には配管
87を介して圧力スイッチ89が設けられている。
【0044】前記エア通路63の他端には配管91の一
端が接続されていると共に配管91の他端には真空発生
器93が接続されている。配管91の途中には配管95
を介して圧力スイッチ97が設けられている。前記エン
コーダ67には演算処理装置99が接続されていると共
に、演算処理装置99にはそれぞれ入力手段101、出
力手段103が接続されている。
【0045】上記構成により、エア系統の作用を図14
に示したフローチャートを基に説明すると、折曲げられ
たワークWの一辺WA を第1支持部材39上に支持せし
めて図6において右側へ移動せしめた後、真空発生器8
5を作動せしめてエア吸引し、ステップS71で圧力ス
イッチ89がONすると、ステップS72でエンコーダ
67が正転か逆転かを判断し、エンコーダ67が正転の
場合にはエンコーダ67によりステップS73でカウン
トアップし、逆転の場合にはエンコーダ67によりステ
ップS74でカウントダウンする。次いで、ステップS
75で、真空発生器93を作動せしめてエア吸引させ、
ワークWの他辺WB が当接部材55の当接部55Aに吸
着されたかを圧力スイッチ97のONにより判断し、そ
の後、ステップS76でエンコーダ67が停止してカウ
ント値が演算処理装置99に取り込まれる。演算処理装
置99には入力手段101により、予め設定値例えば9
0度が取り込まれているから、この設定値と実際に検出
された回動角度とにより、ワークの曲げ角度を高精度に
測定し出力手段103で出力させることができる。
【0046】このように、本実施例においては、折曲げ
られたワークWの一辺WA を第1支持部材7で、他辺W
B を当接部材23の当接部23Aで正確に密着せしめた
状態を確認するようにしたので、曲げ角度を高精度に測
定することができる。
【0047】この折曲げ角度測定装置1は、プレスブレ
ーキに直接固定しないで、プレスブレーキの近傍に設置
したり、あるいはバックゲージなどにマウントさせて行
なうものである。
【0048】前記折曲げ角度測定装置19はプレスブレ
ーキ1の近傍に配置されて折曲げたワークWをダイDか
ら取外して折曲げ角度を測定しているが、折曲げたワー
クWをダイDから取外すことなく、例えば特開平3−2
45008、実開平4−22123、特開昭63−49
327、および特公昭59−28407に示されている
ような折曲げ角度測定装置で測定しても構わないもので
ある。
【0049】なお、この発明は、前述した実施例に限定
することなく、適宜の変更を行なうことにより、その他
の態様で実施し得るものである。
【0050】
【発明の効果】以上のごとき実施例の説明より理解され
るように、この発明によれば、特許請求の範囲に記載さ
れているとおりの構成であるから、第1回目の折曲げ加
工を行なった後、折曲げ角度測定装置で折曲げ角度を測
定し、この測定された折曲げ角度により基準曲線をシフ
トさせると共に材料補正係数を乗算してD値補正を行な
い、第2回目の折曲げ加工が行なわれる。そして再度第
2曲げ角度を折曲げ角度測定装置で測定し、この測定さ
れた第2折曲げ角度が最終目標折曲げ角度の許容範囲に
入っているかどうかを判断し、許容範囲に入っていれば
折曲げ加工を終了し、許容範囲に入っていなければ、適
数回上述した要領でD値補正を行なって折曲げ加工を行
なうことによって、高精度な折曲げ角度を有した良好な
折曲げ製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の折曲げ加工方法の作用を説明するフ
ローチャートである。
【図2】この発明の折曲げ加工方法におけるD軸補正を
説明する説明図である。
【図3】D軸補正制御装置の構成ブロック図である。
【図4】図3における材料補正係数ファイルにファイル
された材料補正係数の一例図である。
【図5】図3における基準曲線に基づくD軸補正パター
ンファイルにファイルされた一例図である。
【図6】図5に代る他の一例図である。
【図7】図5に代る別の一例図である。
【図8】この発明に使用される一例の折曲げ角度測定装
置の斜視図である。
【図9】図8における正面図である。
【図10】図8における平面図である。
【図11】図8に代る他の実施例の斜視図である。
【図12】図11におけるXII −XII 線に沿った断面図
である。
【図13】図8におけるエア系統を示す図である。
【図14】図13における作用を示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1 プレスブレーキ(折曲げ加工装置) 5 ラム 19 折曲げ角度測定装置 21 D軸制御装置 23 CPU 25 入力手段 27 材料補正係数ファイル 29 基準曲線に基づくD軸補正パターンファイル 31 演算処理装置 33 判断装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パンチとダイのいずれか一方を他方に対
    してパンチとダイとの接近距離であるD値を制御してワ
    ークに折曲げ加工を行なう折曲げ加工方法にして、前記
    D値を任意に決めて第1回目の折曲げ加工を行なった後
    の折曲げ角度θ1 を測定し、この折曲げ角度θ1 に対応
    して材料補正係数g(1)を求めると共にD値と曲げ角
    度θとの関係を示す基準曲線D=f(θ)を、当該基準
    曲線に基づく折曲げ角度θ1 時のD値と前記D値との差
    に基づいてシフトさせると共に材料補正係数g(1)
    乗算してD値補正を行ない、次いで、第2回目の折曲げ
    加工を行なった後の折曲げ角度θ2 を測定し、この測定
    された折曲げ角度θ2 が所望折曲げ角度の許容範囲に入
    っていれば折曲げ加工を終了し、所望折曲げ角度の許容
    範囲に入っていない場合には、前記材料補正係数を求め
    ると共に当該材料補正係数を乗算してD値補正を行うこ
    とを適数回繰返し行なって所望折曲げ角度の許容範囲に
    入るように折曲げ加工を行なうことを特徴とする折曲げ
    加工方法。
  2. 【請求項2】 パンチとダイのいずれか一方を他方に対
    してパンチとダイとの接近距離であるD値を制御してワ
    ークに折曲げ加工を行なう折曲げ加工装置にして、前記
    パンチとダイとの接近距離であるD値を制御するD軸制
    御装置と、折曲げられた折曲げ角度を測定する折曲げ角
    度測定装置とを備えてなり、前記D軸制御装置が折曲げ
    角度に対応して材料補正係数を求める材料補正係数ファ
    イルと、D値と折曲げ角度θとの関係を示す基準曲線D
    =f(θ)に基づくD軸補正パターンがファイルされて
    いるD軸補正パターンファイルと、このD軸補正パター
    ンファイルにファイルされたD軸補正パターンに材料補
    正係数ファイルから求めた材料補正係数を乗算する演算
    処理装置と、この演算処理装置で演算された結果を基に
    してD値を補正する駆動手段と、前記折曲げ測定装置に
    より測定された実際の折曲げ角度が所望の折曲げ角度許
    容範囲に入っているかどうかを判断する判断装置と、で
    構成されていることを特徴とする折曲げ加工装置。
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