JP3534399B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3534399B2
JP3534399B2 JP2001033097A JP2001033097A JP3534399B2 JP 3534399 B2 JP3534399 B2 JP 3534399B2 JP 2001033097 A JP2001033097 A JP 2001033097A JP 2001033097 A JP2001033097 A JP 2001033097A JP 3534399 B2 JP3534399 B2 JP 3534399B2
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mos transistor
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置、特に微
細素子で構成された高速、高集積の半導体装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路(LSI= Large Scale
Integration)の高集積化は、その構成素子であるMO
Sトランジスタの微細化により進められてきた。素子の
最小寸法が0.5 ミクロン以下のいわゆるデイープサブ
ミクロンLSIになると、素子の耐圧の低下とともにL
SIの消費する電力の増大が問題になつてくる。このよ
うな問題に対しては、素子の微細化にともなつて動作電
源電圧を低下させることが有効な手段であると考えられ
る。
【0003】現在のLSIの電源電圧としては5Vが主
流であるため、微細な素子でLSIを構成する手段とし
て、LSIチツプ上に外部電源電圧を降圧する電圧変換
回路を搭載する技術が、アイ・イー・イー・イー・ジヤ
ーナル・オブ・ソリツド・ステート・サーキツツ、第2
1巻、第5号、第605〜第611頁(1986)(IEE
E Jounal of Solid-State Circuits, vol.21, No.5, p
p.605-611, October 1986 )において論じられている。
この場合の外部電源電圧と内部電源電圧の値は、それぞ
れ5Vと3.5V である。このように、LSIの中でも
最高集積度のダイナミツクRAM(DRAM)で消費電力の
問題が顕在化しつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一方、物理的
な制約から電源電圧には下限が存在することが指摘され
ている。この制約については、アイ・イー・イー・イー
・ジヤーナル・オブ・ソリツド・ステート・サーキツ
ツ、第9巻、第5号、第256〜第267頁(197
4)( IEEE Jounal of Solid-State Circuits, vol.9,N
o.5, pp.256-267, October 1974 )において論じられて
いる。この中に示されているように、MOS トランジスタ
の低電流特性は、ドレイン電流がゲート電圧に対して指
数関数的に減衰する、いわゆるサブスレツシヨルド特性
を有している。この係数はサブスレツシヨルド係数(テ
ーリング係数)と呼ばれ、室温では80mV/1桁 程
度の値である。したがつて、電源電圧の低下に比例して
ゲートしきい値電圧を低下させると、トランジスタがカ
ツトオフしている期間にも微小な直流電流が流れ、待機
時の消費電流を増大させるという問題を有する。このた
め、従来のCMOS回路においては、電源電圧を低下さ
せたとき、しきい値電圧はある値以下には下げられない
とされていた。その実用上の下限については、プロシー
デイングス・オブ・テクニカル・ペーパーズ・1989
・インターナシヨナル・シンポジウム・オン・ブイエル
エスアイ・テクノロジー・システム・アンド・アプリケ
ーシヨンズ、第188〜第192頁(1989)(Proce
edings of Technical Papers,1989 International Symp
osium on VLSI Technology, Systems and Application
s, pp.188-192, May 1989)や、プロシーデイングス・
オブ・ザ・シンポジウム・オン・ロウ・テンパレチヤー
・エレクトロニクス・アンド・ハイ・テンパレチヤー・
スーパーコンダクターズ、第55〜第69頁(198
7) ( Proceedings of the Symposium on Low Tempera
ture Electronics and High Temperature Superconduct
ors, pp.55-69, Oct. 1987)、において論じられてい
る。その値はおよそ0. 35〜0.55V程度である。
このときの電源電圧の下限は、実用上1.5V程度であ
り、さらに電圧を下げると、遅延時間が著しく増大する
という問題があつた。
【0005】本発明の目的は、低い電源電圧で好適な動
作をする半導体集積回路を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明の一例を示せば
以下の通りである。即ち、2種類のしきい値のMOSト
ランジスタにより構成した回路であって、前記回路に含
まれる転送ゲートに前記2種類のしきい値のMOSトラ
ンジスタのうちしきい値電圧の絶対値の低いMOSトラ
ンジスタを用いる。更に、前記2種類のしきい値のMO
Sトランジスタのうちしきい値電圧の絶対値の低いMO
Sトランジスタはゲート・ソース間電圧を0Vとしたと
きにサブスレショルド電流の流れる特性を持つものであ
る。
【0007】転送ゲートにしきい値電圧の小さなMOS
トランジスタを用いることで、転送ゲートの信号損失が
低減される。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明によるCMOS集積
回路の基本概念を説明する実施例である。同図におい
て、CMOS集積回路はBLK1、BLK2などの複数
の回路ブロツクと、それらの間で信号を伝達する信号配
線から構成される。この図の例では、BLK1の出力を
信号配線SIG1によりBLK2の入力に伝達している。各
回路ブロツクは、他の回路ブロツクからの小さな振幅の
信号を受けて大きな振幅の信号に変換する信号受信部
(例えば、図中REC2)、大きな振幅の信号を処理す
る信号処理部(例えば、図中INV1、INV2)、小
さな振幅の信号を信号配線に出力する駆動回路(例え
ば、図中DRV1)とから構成される。
【0009】これらのうち信号処理部は、電源電圧VC
CとVSSにより動作し、その信号振幅は(VCC−V
SS)となる。駆動回路DRV1はNチヤネルMOSト
ランジスタTN2およびPチヤネルMOS トランジスタT
P2により構成される。この駆動回路は電源電圧VCL
OおよびVSLOで動作し、信号線SIG1に振幅(V
CLO−VSLO)の信号を出力する。なお、これらの
電源電圧の間には VCC>VCLO>VSLO>VSS なる関係が成り立つている。なお、この例ではTN2の
バツクゲートはVSSに、TP2のバツクゲートはVC
Cに、それぞれ接続しているが、それぞれVSLO、V
CLOに接続してもかまわない。
【0010】信号受信部REC2は、転送ゲートを成す
NチヤネルMOSトランジスタTN3およびPチヤネル
MOSトランジスタTP3、互いのゲートとドレインが
交差接続されたNチヤネルMOSトランジスタ対TN4
とTN5およびPチヤネルMOSトランジスタ対TP4
とTP5から構成される。
【0011】また転送ゲートTN3のゲートには電圧V
CLIを、TP3のゲートには電圧VSLIをそれぞれ
印加している。なお、TN3のバツクゲートはVSS
に、TP3のバツクゲートはVCCに、それぞれ接続し
ているが、これらは、それぞれVSLO、VCLOであつて
もかまわない。本実施例では、NチヤネルMOSトラン
ジスタのゲートしきい値電圧は約0.5V 、Pチヤネル
MOSトランジスタのゲートしきい値電圧は約−0.5
V に設定している。
【0012】さて、この回路の動作を図2を用いて説明
する。この例では、VCC=1.5V、VSS=0V、
VCLO=1V、VSLO=0.5V、VCLI=1.5
V、VSLI=0Vの場合について説明するが、これら
の値に限るものでなく、VCC>VCLO>VSLO>
VSSかつ、VCLI>VSLIが成り立つような電圧
であれば効果がある。さて、今、回路ブロツクBLK1
内のインバータINV1の出力N1が、時刻t0において
1.5V から0Vに、時刻t3において0Vから1.5
V に変化する場合を考える。
【0013】時刻t0の以前、すなわち端子N1が1.
5V の間は、トランジスタTN2のゲート・ソース間
電圧は1V、トランジスタTP2のゲート・ソース間電
圧は0.5V になるため、TN2が導通、TP2が非導
通となり、駆動回路の出力、すなわち信号線SIG1に
はVSLO=0.5V が出力される。同時に、受信回路
REC2を構成する転送ゲートTN3のゲート・ソース
間電圧は1V、トランジスタTP3のゲート・ソース間
電圧は−0.5V になるため、TN3が導通、TP3が
非導通となる。トランジスタTN3の駆動能力をTP4
に比べて充分大きく設計しているため、端子N2は入力
SIG1と等しい0.5V になつており、トランジスタ
TP5が導通している。一方、端子N3の電圧は0.5
V 以下になつているため、トランジスタTN5は非導
通となり、端子N4は1.5V になつている。したがつ
て、トランジスタTN4は導通しており、端子N3は結
果的に0Vに設定されている。これらのトランジスタの
中で、TP3のゲート・ソース間電圧は−0.5V とゲ
ートしきい値電圧に一致するため、サブスレツシヨルド
電流と呼ばれる微小な電流が流れるが、集積回路全体の
トランジスタに比べれば、このトランジスタの占める割
合は小さく、その電流は無視できるほど小さい。さて、
時刻t0において端子N1が、1.5V から0Vに変化
する場合を考える。トランジスタTN2のゲート・ソー
ス間電圧は−0.5V 、トランジスタTP2のゲート・
ソース間電圧は−1Vになるため、TN2が非導通、T
P2が導通となり、駆動回路の出力、すなわち信号線S
IG1にはVCLO=1Vが出力される。これにより、
端子N2の電圧は約1Vまで上昇し、受信回路REC2
を構成する転送ゲートTN3のゲート・ソース間電圧は
0.5V、トランジスタTP3のゲート・ソース間電圧
は−1Vになるため、TN3が非導通、TP3が導通と
なる。トランジスタTP3の駆動能力をTN4 に比べて充
分大きく設計することにより、端子N3は入力SIG1
と等しい1Vになり、トランジスタTN5が導通する。
一方、端子N2の電圧は約1Vまで上昇しているので、
トランジスタTP5は非導通となり、端子N4は0Vに
なる。その結果、トランジスタTP4が導通し、端子N
2は時刻t2において、1.5V まで引き上げられる。
【0014】時刻t3において端子N1が、0Vから
1.5Vに変化する場合にも、これと同様に信号線SIG1
は1Vから0.5Vに、端子N4は0Vから1.5Vへと
変化する。
【0015】このように、回路ブロツクBLK1内の
1.5Vの信号振幅を0.5V の振幅を有する信号に変
換し、かつ、その信号を回路ブロツクBLK2で再び
1.5Vの信号振幅に変換することができる。一般に、
集積回路の消費電力の大部分は、回路ブロツク間で信号
授受を行なうために設けられた信号線(バス)の充放電
で費やされる。したがつて、この信号線の電圧振幅を小
さくすることは集積回路全体の低消費電力化に極めて有
効である。また、集積回路ブロツク内の電圧振幅をバス
の信号振幅よりも大きくすることにより、ブロツク内の
回路群の動作速度を上げると同時に、バスを駆動するイ
ンバータ回路(ドライバ)のゲートをバスの振幅以上の
大きな振幅で駆動でき、バスのスイツチング速度も改善
できるという利点も兼ね備えている。本実施例では、信
号線SIG1の負荷容量CWを一回充放電するのに要す
る電荷量を CW(VCC−VSS) から、CW(V
CLO−VSLO) へと約三分の一に減少させること
ができる。これにより、消費電流および消費電力も約三
分の一に減少させることができる。また、同じ動作速度
で比較すると、信号線容量の充放電にともない発生する
信号線や電源線のピーク電流も約三分の一に減少させる
ことができ、信号線や電源線を構成する金属配線の信頼
性を向上させることもできる。さらには、電源線の抵抗
のために発生する電源の雑音も約三分の一に減少させる
ことができ、より動作が安定な集積回路を供することが
できる。このように、主たる信号線の信号振幅を小さく
することにより、高速性を維持しながら、低消費電力か
つ低雑音の集積回路を実現することができる。
【0016】以上の説明では、6つの電源電圧VCC,
VSS,VCLO,VSLO,VCLI,VSLIを用い
て回路を構成する場合について説明した。これらの電圧
の一部は本実施例で示したように同じ電圧であつても良
い。これらは全て外部から供給しても良いし、VCCと
VSSを装置外部から与え、集積回路内部に設けた電圧
変換回路によりVCLO、VSLO,VCLI,VSLIな
どを発生しても構わない。
【0017】図3は本発明によるCMOS集積回路の他
の一実施例である。本実施例では、電源の種類を減らす
ために各導電型のMOSトランジスタのしきい値電圧の
種類を複数としている。同図において、図1の実施例と
異なる点は、駆動回路DRV3を構成するNチヤネルM
OSトランジスタTN6およびPチヤネルMOSトラン
ジスタTP6、および信号受信部REC4の転送ゲート
を成すNチヤネルMOSトランジスタTN7およびPチ
ヤネルMOSトランジスタTP7のゲートしきい値電圧
の絶対値を他の回路を構成するMOSトランジスタのゲ
ートしきい値電圧の絶対値よりも低くした事である。こ
れにより、駆動回路の電源電圧と転送ゲートのゲート印
加電圧をVCLおよびVSLに揃える事ができる。なお、
TN6とTN7のバツクゲートはVSSに、TP6とT
P7のバツクゲートはVCCに、それぞれ接続している
が、これらは、それぞれVSLおよびVCLであつても
かまわない。本実施例では、NチヤネルMOSトランジ
スタのゲートしきい値電圧は、高い方が約0.5V 、低
い方が約0V、PチヤネルMOSトランジスタのゲート
しきい値電圧は絶対値の高い方が約−0.5V 、絶対値
の低い方が約0Vである。
【0018】この回路の動作は図2に示した動作波形で
同様に説明される。ここでは、VCC=1.5V,VSS
=0V,VCL=1V,VSL=0.5Vの場合について
説明するが、これらの値に限るものでないことは自明で
ある。
【0019】時刻t0の以前、すなわち端子N5が1.
5V の間は、トランジスタTN6のゲート・ソース間
電圧は1V、トランジスタTP6のゲート・ソース間電
圧は0.5V になるため、TN6が導通、TP6が非導
通となり、駆動回路の出力、すなわち信号線SIG2に
はVSL=0.5V が出力される。同時に、受信回路R
EC4を構成する転送ゲートTN7のゲート・ソース間
電圧は0.5V、トランジスタTP7のゲート・ソース
間電圧は0Vになつているため、TN7が導通、TP7
が非導通となる。トランジスタTN7の駆動能力をTP
8に比べて充分大きく設計することにより、端子N6は
入力SIG2と等しい0.5V になつており、トランジ
スタTP9が導通している。一方、端子N7の電圧は
0.5V 以下になつているため、トランジスタTN9は
非導通となつており、端子N8は1.5V になつてい
る。したがつて、トランジスタTN8が導通し、端子N
7は結果的に0Vに設定される。これらのトランジスタ
の中で、TP7のゲート・ソース間電圧は0Vとなり、
ゲートしきい値電圧に一致するため、サブスレツシヨル
ド電流と呼ばれる微小な電流が流れるが、集積回路全体
のトランジスタに比べれば、このトランジスタの占める
割合は小さく、その電流は無視できるほど小さい。
【0020】その他の時刻における動作も図1に示した
例と同様である。このように、各導電型に対して二種類
のゲートしきい値電圧のMOSトランジスタを用いるこ
とで、4つの電源電圧VCC,VSS,VCL,VSL
により回路を構成することができる。これらは全て外部
から供給しても良いし、VCCとVSSを装置外部から
与え、集積回路内部に設けた電圧変換回路によりVC
L、VSLなどを発生しても構わない。なお、この実施
例によつても先の実施例で述べた効果と同等の効果を得
ことができる。
【0021】次に、図5を用いて本発明の効果を具体的
に説明する。図4および図5は負荷容量(CL=2p
F)の駆動回路を従来の技術および本発明を用いて構成
した例を示している。いずれの場合にも、振幅(VCL
−VSL)の信号を入力して、負荷を振幅(VCL−V
SL)で駆動するようにしている。従来のCMOS集積
回路では、図4に示すように複数段のCMOSインバー
タにより駆動回路を構成している。CMOSインバータ
では電源電圧がそのまま信号振幅に等しくなるため、V
CLおよびVSLを電源として動作させている。一方本
発明では、図5に示すように入力信号の振幅を増幅する
レベル変換回路REC5と負荷を駆動するCMOSイン
バータ回路DRV5とにより構成している。REC5は
図3中のREC4と、またDRV5は図3中のDRV3
と、それぞれ基本的に同じである。また、各トランジス
タのゲートしきい値電圧も図3の説明で述べた値と同じ
である。MOSトランジスタのゲート酸化膜厚は7nm
(ナノメータ)、また各トランジスタのゲート長Lなら
びにゲート幅Wは以下のとおりである。
【0022】 これにより、従来回路と本発明の回路の待機時における
消費電力は、ほぼ同じ程度になる。
【0023】図6は入力(IN)および出力(OUT)の
波形を示している。出力が10%から90%に達する時
間を出力立上り時間tr、90%から10%に達する時
間を出力立下り時間tf、入力が50%まで立ち上がつ
てから出力が50%まで立ち上がるまでの時間を立上り
伝播遅延時間tpdr、入力が50%まで立ち下がつてから
出力が50%まで立ち下がるまでの時間を立下り伝播遅
延時間tpdf、とそれぞれ定義する。
【0024】図7は出力立上り時間trの信号振幅(V
CL−VSL)依存性の計算機解析結果を示している。
従来のCMOSインバータによる駆動回路では信号振幅
が1.5V 以下で急激に立上り時間が増大する。信号振
幅と立上り時間の関係を代表的なものについて示すと 信号振幅(V) 出力立上り時間tr(ns) 2 1.37 1.5 1.98 1 4.25 となる。速度性能の面からtr<2nsをひとつの目安
とすると、信号振幅の最小値は1.5Vとなる。一方、
本発明では信号振幅と立上り時間の関係は 信号振幅(V) 出力立上り時間tr(ns) 0.5 1.09 0.4 1.17 0.3 1.30 0.2 1.55 0.1 2.16 となり、tr<2nsをひとつの目安とすると、信号振
幅の最小値は約0.12Vとなる。この解析結果より、
出力立上り時間trを基準に考えると、本発明により、
信号振幅を従来の1.5Vから約0.12Vへと約1桁
低減することができる。なお、ここには出力立上り時間
trの解析結果を示したが、出力立下がり時間tfにつ
いても同様の改善効果が得られる。
【0025】図8は立上り伝播遅延時間tpdrの信号
振幅(VCL−VSL)依存性の計算機解析結果を示し
ている。従来のCMOSインバータによる駆動回路で
は、立上り時間と同様、信号振幅が1.5V以下で急激
に立上り伝播遅延時間が増大する。信号振幅と立上り伝
播遅延時間の関係を代表的なものについて示すと 信号振幅(V) 立上り伝播遅延時間tpdr(ns) 2 1.29 1.5 1.82 1 3.81 となる。速度性能の面からtpdr<3nsをひとつの
目安とすると、信号振幅の最小値は約1.2Vとなる。一
方、本発明では信号振幅と立上り伝播遅延時間の関係は 信号振幅(V) 立上り伝播遅延時間tpdr(ns) 0.5 1.97 0.4 2.29 0.3 2.84 0.2 3.99 となり、tpdr<3nsをひとつの目安とすると、信号振
幅の最小値は約0.31Vとなる。この解析結果より、
立上り伝播遅延時間tpdrを基準に考えると、本発明によ
り、信号振幅を従来の約1.2Vから約0.31V へと約
4分の1に低減することができる。なお、ここには立上
り伝播遅延時間trの解析結果を示したが、立下がり伝
播遅延時間tfについても同様の改善効果が得られる。
【0026】図9は本発明によるCMOS集積回路の他
の一実施例である。図1あるいは図3の実施例では、信
号が高レベルと低レベルの間で遷移する際に、信号受信
部から信号線に、または信号線から信号受信部に微小な
直流電流が流れる。信号線の寄生抵抗および寄生容量の
影響で信号の立上りあるいは立ち下がり時間が大きい場
合、さらには一つの信号線に多くの信号受信回路が接続
されるような場合には、この電流が少ない方が回路動作
上好ましい。図9は、この直流電流を流さないようにす
る構成の一例を示している。この例では、他の回路ブロ
ツクからの小さな振幅の信号を受けて、大きな振幅の信
号に変換する信号受信部をCMOSインバータによる受
信回路REC8A、およびレベル変換回路REC8Bとによ
り構成している。REC8Aのインバータ回路は、図中
の駆動回路DRV7のインバータ回路と同様、VCL とV
SLを電源として動作する。レベル変換回路REC8B
は、基本的に図3中のREC4と同じものである。同図
において、駆動回路DRV7を構成するNチヤネルMO
SトランジスタTN16およびPチヤネルMOSトランジス
タTP16、受信回路REC8Aのインバータを成すN
チヤネルMOSトランジスタTN17およびPチヤネル
MOSトランジスタTP17、およびレベル変換回路R
EC8Bの転送ゲートを成すNチヤネルMOSトランジ
スタTN18およびPチヤネルMOSトランジスタTP
18のゲートしきい値電圧の絶対値を他の回路を構成す
るMOSトランジスタのゲートしきい値電圧の絶対値よ
りも低くしている。なお、TN16、TN17およびTN
18のバツクゲートはVSSに、TP16、TP17およ
びTP18のバツクゲートはVCCに、それぞれ接続し
ているが、これらは、それぞれVSLおよびVCLであ
つてもかまわない。図3の実施例と同様、NチヤネルM
OSトランジスタのゲートしきい値電圧は、高い方が約
0.5V 、低い方が約0V、PチヤネルMOSトランジ
スタのゲートしきい値電圧は絶対値の高い方が約−0.
5V 、絶対値の低い方が約0Vである。
【0027】この回路の動作は図10に示した動作波形
で説明される。図3に示した例との相違は、レベル変換
回路REC8Bの入力を信号線で直接駆動する代わり
に、インバータで反転した出力で駆動する点にある。し
たがつて、本実施例では端子N10の信号が端子N14
で反転しているが、基本的な動作に変わりはない。な
お、ここでは、VCC=1.5V,VSS=0V,VC
L=1V,VSL=0.5Vの場合について説明する
が、これらの値に限るものでないことは自明である。
【0028】このように、信号受信部をCMOSインバ
ータとレベル変換回路とで構成することにより、信号線
から信号受信部への直流電流の流入、あるいは信号受信
部から信号線への直流電流の流出を無くすことができ
る。なお、受信回路を構成するCMOSインバータにおいて
電源VCLからVSLに直流電流が流れる。しかし、イ
ンバータを構成する素子数および寸法は、集積回路全体
の素子数および寸法に対して無視できるほど小さいの
で、この電流が集積回路の消費電流に対して大きな影響
を及ぼすことはない。
【0029】図11は本発明によるCMOS集積回路の
他の一実施例である。本実施例では、複数の小さな振幅
の信号を入力として、その論理演算結果を回路ブロツク
内部で使用する大きな信号振幅に変換するようにした信
号受信部を提供する。
【0030】この例では、信号受信部を、NANDゲー
トによる受信回路REC11A、およびレベル変換回路
REC11Bとにより構成している。REC11AのNAND
ゲートは、図9のREC8Aと同様、VCLとVSLを
電源として動作する。レベル変換回路REC11Bは、
基本的に図3中のREC4や図9中のREC8Bと同じ
ものである。
【0031】通常のCMOS回路の場合と同様、2つの
直列接続されたNチヤネルMOSトランジスタTN3
2、TN33と、2つの並列接続されたPチヤネルMO
SトランジスタTP32,TP33とからNANDゲー
トを構成している。これに、他の回路ブロツクBLK9
からの信号SIG4と、BLK10からの信号SIG5
とを入力し、そのNAND出力を端子N15に得ている。N
ANDゲートを構成するMOSトランジスタには、図9
中のREC8Aの場合と同様、しきい値電圧の絶対値の
低いものを用いている。このような構成をとることによ
り、複数の低振幅信号の論理演算結果を、大きな信号と
して回路ブロツク内に取り込むことができる。ここでは
論理演算の例として、2入力のNANDの場合について
説明したが、その他の、例えば3入力以上のNAND
や、2入力以上のNORや、EOR(排他的論理和)な
ど、どのような論理演算についても同様に適用できるこ
とは自明である。
【0032】図12は、外部電源電圧VCC、VSSを
もとにして、チツプ内部で電源電圧VCL、VSLを発
生する回路の構成の一実施例である。
【0033】図中、DIVは3つの抵抗R1,R2,R
3により構成した分圧回路、OP1,OP2は差動増幅
回路、TP40はVCL駆動用のPチヤネルMOSトラ
ンジスタ、TN40はVSL駆動用のNチヤネルMOS
トランジスタ、R4とR5はバイアス用の抵抗、C1〜
C3は平滑用の容量である。この回路によりVCLとV
SLには、それぞれ VCL=(R2+R3)×(VCC−VSS)/(R1
+R2+R3) VSL=R3×(VCC−VSS)/(R1+R2+R
3) なる電圧が得られる。例えば、VCC=1.5V,VS
S=0V,R1=R2=R3の場合には、VCL=1
V,VSL=0.5Vが得られる。
【0034】図13は本発明による集積回路の他の一実
施例である。本実施例では、共通の電源VCL,VSL
を信号線の駆動回路に供給する代わりに、VCC,VS
Sを供給し、各駆動回路毎に信号振幅を低減するように
している。
【0035】図13において、CHP5は集積回路チツ
プ、BLK12やBLK13はチツプを構成する回路ブ
ロツク、SIG6はBLK12からBLK13に小さな
振幅の信号を伝達するための信号線、DRV12は信号
線の駆動回路、REC13は信号の受信回路である。駆
動回路DRV12を除けば、基本的な構成は、図3に示
したものと同様である。
【0036】駆動回路DRV12は、NチヤネルMOS
トランジスタTN40、PチヤネルMOSトランジスタ
TP40、NPN形バイポーラ・トランジスタQ1、P
NP形バイポーラ・トランジスタQ2、とから構成して
いる。2つのバイポーラ・トランジスタのコレクタ端子
は、それぞれ電源VCC、VSSに接続し、エミツタ端
子をCMOSインバータに接続している。各バイポーラ
・トランジスタのベース端子には、直流電圧VCLB,
VSLBを印加している。これらの値は、それぞれ VCLB=VCL+VBE VSLB=VSL−VBE である。ここに、VBEはバイポーラ・トランジスタの
ベース・エミツタ間の順方向電圧降下であり、約0.7
5V である。このような接続にすることにより、端子
N20にはVCLが、端子N21にはVSLが、それぞれ
得られる。この回路方式によれば、VCLやVSLとい
つた電源は、図3の例ほど低インピーダンスにする必要
がない。したがつて、図12に示したような発生回路
も、大きな駆動能力を備える必要がなくなり、発生回路
自体の占有面積の増大や、消費電力の増大を招くことが
なくなる。なお、この例で用いたNPN形やPNP形の
バイポーラ・トランジスタの代わりに、それぞれNチヤ
ネルとPチヤネルのMOSトランジスタを用いても、同
様な効果を得ることができる。
【0037】図14は、外部電源電圧VCC、VSSを
もとにして、チツプ内部で電源電圧VCL、VSLおよ
びVCLB、VSLBを発生する回路の構成の一実施例
である。
【0038】図中、分圧回路は抵抗R10、R11、R
12とベースとエミツタを接続したNPN形およびPN
P形のバイポーラ・トランジスタQ3、Q4とにより構
成している。Q5はVCL駆動用のNPN形バイポーラ
・トランジスタ、Q6はVSL駆動用のPNP形バイポー
ラ・トランジスタ、R13はバイアス用の抵抗、C10
〜C12は平滑用の容量である。この回路によりVCL
とVSLには、それぞれ VCL =((R11+R12)×VCC+(R10-R11-R12)×VBE)/(R10+
R11+R12) VSL =(R12×VCC+(R10+R11-R12)×VBE)/(R10+R11+R1
2) なる電圧が得られる。ただし、ここではVSS=0Vと
仮定している。また、VBEはバイポーラ・トランジス
タのベース・エミツタ間の順方向電圧降下であり約0.
75V 程度である。例えば、VCC=3V、0.25×
R11=R10=R12の場合には、VCL=2V、VS
L=1Vが得られる。
【0039】図15は本発明による集積回路の他の一実
施例である。本実施例では、集積回路チツプ間の信号伝
達を低振幅の信号で行うようにしている。
【0040】同図において、CHP6とCHP7は集積
回路チツプ、SIG7はCHP6からCHP7に小さな
振幅の信号を伝達するための信号線、DRV16 は信号線の
駆動回路、REC17は信号の受信回路である。駆動回
路DRV16は図13中のDRV12に、受信回路RE
C17は図13中のREC13に示したものと、基本的
に同じである。
【0041】このような構成にすることにより、容量の
大きなチツプ間の信号線を駆動するのに必要な電力を低
減することができる。また、信号線の充放電に伴つて発
生するピーク電流を低く抑えることができ、信号配線の
信頼性や、電源線の雑音を小さくすることができる。し
たがつて、マイクロプロセツサなどの信号線数の多い集
積回路では、特に効果が大きい。
【0042】また、集積回路チツプの従来の入力回路で
は、TTLレベル(例えば、LOW判定レベル最大値V
ILMAX=0.8V、HIGH判定レベル最小値VIH
MIN=2.4V)の入力に対して、CMOSインバータに
貫通電流が流れるため、待機時の電流を小さくできな
い、という問題があつたが、本発明の受信回路を用いれ
ば、この待機時電流を著しく小さくすることができるた
め、集積回路チツプの消費電流低減に極めて有効であ
る。
【0043】図16は本発明による集積回路の他の一実
施例である。本実施例では、図15と同様、集積回路間
の信号伝達を低振幅の信号で行うようにしている。
【0044】同図において、CHP8とCHP9は集積
回路チツプ、SIG8はCHP8からCHP9に小さな
振幅の信号を伝達するための信号線、DRV18 は信号線の
駆動回路、REC19は信号の受信回路である。駆動回
路DRV18はNPN形バイポーラ・トランジスタQ2
0およびPNP形バイポーラ・トランジスタQ21によ
る相補型インバータ回路、および、それらの入力である
ベース端子を駆動するように設けたCMOSインバータ
回路から構成している。CMOSインバータ回路の電源
電圧には、VCLBおよびVSLBを与えて、相補型イ
ンバータ回路の入力には高レベルとしてVCL+VB
E、低レベルとしてVSL−VBEを得るようにしてい
る。これにより、信号線の振幅には、(VCL−VS
L)を得ることができる。
【0045】このような構成にすることにより、容量の
大きなチツプ間の信号線を駆動するのに必要な電力を低
減することができる。また、信号線の充放電に伴つて発
生するピーク電流を低く抑えることができ、信号配線の
信頼性や、電源線の雑音を小さくすることができる。特
に、出力回路が、バイポーラ・トランジスタのみで構成
されているため、図15の例に比べて、大きな負荷駆動
能力を得ることができる。
【0046】図17から図20は本発明によるCMOS
集積回路の他の実施例を示している。これらの実施例で
は、複数の小さな振幅の信号を入力として、その論理演
算結果を回路ブロック内部で使用する大きな信号振幅に
変換するようにした信号受信部の他の方式を示してい
る。
【0047】図17は2つの入力AとBの反転論理積
(NAND)の演算結果Qを出力するようにした信号受
信部の回路構成の一例である。すなわち、入力AとBが
共に高レベルのときに出力Qが低レベル、その他のとき
には出力Qが高レベルとなる。入力AとB、および信号
Bの反転信号B−barの信号振幅は、図3の実施例と
同様、その低レベルがVSL、高レベルがVCLであ
る。反転信号B−barは、駆動回路によって発生させ
てもよいし、受信部にインバ−タを設けて、入力Bから
発生させてもよい。この回路は図3中のREC4におい
て、そのレベル変換機能をそのまま活かし、新たに論理
演算機能を持たせるため、転送ゲ−トを4つのトランジ
スタ、TN70、TN71、TP70およびTP71に
より構成し、入力数を増やすと共に転送ゲ−トのゲ−ト
端子にも直流電圧の代わりに信号を印加するようにし
た。
【0048】次にこの回路の動作を説明する。入力Bが
低レベルのとき、すなわち入力B−barが高レベルの
ときには、トランジスタTN70が非導通状態、TN7
1が導通状態となり、端子N40は低レベルとなる。ま
た、トランジスタTP70が非導通状態、TP71が導
通状態となり、端子N41も低レベルとなる。したがっ
て、入力Aのレベルによらずに、出力Qは高レベルにな
る。一方、入力Bが高レベルのときには、トランジスタ
TN70が導通状態、TN71が非導通状態となり、端
子N40は入力Aに等しいレベルとなる。また、トラン
ジスタTP70が導通状態、TP71が非導通状態とな
り、端子N41も入力Aに等しいレベルとなる。したが
って、出力Qには入力Aの反転出力が得られる。これら
より、入力AとBがともに高レベルのときのみ出力が低
レベルとなり、それ以外の組合せでは、出力は高レベル
となる。すなわち、AとBの反転論理積(NAND)の
演算結果が出力Qに得られる。
【0049】図18は2つの入力AとBの反転論理和
(NOR)の演算結果Qを出力するようにした信号受信
部の回路構成の一例である。すなわち、入力AとBが共
に低レベルのときに出力Qが高レベル、その他のときに
は出力Qが低レベルとなる。入力Bが高レベルのとき、
すなわち入力B−barが低レベルのときには、トラン
ジスタTN75が導通状態、TN76が非導通状態とな
り、端子N45は高レベルとなる。また、トランジスタ
TP75が導通状態、TP76が非導通状態となり、端
子N46も高レベルとなる。したがって、入力Aのレベ
ルによらずに、出力Qは低レベルになる。一方、入力B
が低レベルのときには、トランジスタTN75が非導通
状態、TN76が導通状態となり、端子N45は入力A
に等しいレベルとなる。また、トランジスタTP75が
非導通状態、TP76が導通状態となり、端子N46も
入力Aに等しいレベルとなる。したがって、出力Qには
入力Aの反転出力が得られる。これらより、入力AとB
がともに低レベルのときのみ出力が高レベルとなり、そ
れ以外の組合せでは、出力は低レベルとなる。すなわ
ち、AとBの反転論理和(NOR)の演算結果が出力Q
に得られる。
【0050】図19は3つの入力A、BおよびCの反転
論理積(NAND)の演算結果Qを出力するようにした
信号受信部の回路構成の一例である。図17の実施例と
同様、入力A、BおよびCが共に高レベルのときに端子
N50および端子N51が高レベルとなる。これらよ
り、入力AとBおよびCがともに高レベルのときのみ出
力が低レベルとなり、それ以外の組合せでは、出力は高
レベルとなる。すなわち、A、BおよびCの反転論理積
(NAND)の演算結果が出力Qに得られる。
【0051】図20は2つの入力AとBの排他論理和
(Exclusive−OR=EOR)の演算結果Qを出力する
ようにした信号受信部の回路構成の一例である。すなわ
ち、入力AとBが同じレベルのときに出力Qが低レベ
ル、その他のときには出力Qが高レベルとなる。入力B
が高レベルのとき、すなわち入力B−barが低レベル
のときには、トランジスタTN85が導通状態、TN8
6が非導通状態となり、端子N55は入力Aと同じレベ
ルとなる。また、トランジスタTP85が導通状態、T
P86が非導通状態となり、端子N56も入力Aと同じ
レベルとなる。したがって、出力Qは入力Aの反転論理
になる。一方、入力Bが低レベルのときには、トランジ
スタTN85が非導通状態、TN86が導通状態とな
り、端子N55は入力A−barと同じレベルとなる。
また、トランジスタTP85が非導通状態、TP86が
導通状態となり、端子N56も入力A−barと同じレ
ベルとなる。したがって、出力Qは入力Aと同一論理に
なる。これらより、入力AとBの排他論理和(EOR)
の演算結果が出力Qに得られる。
【0052】以上の実施例に示したように、本発明によ
れば、小さな入力振幅を有する複数の信号から直接論理
演算を行うことが可能となるため、複数の入力を個々に
レベル変換した後に演算を行う場合に比べて、使用する
トランジスタの数を低減でき、さらに高集積の回路を構
成することが可能になる。また、本発明は以上の実施例
の他に、さらに多くの入力数や他のどのような論理演算
についても同様に適用できることは自明である。
【0053】図21から図23は本発明によるCMOS
集積回路の他の実施例を示している。これらの実施例で
は、小さな入力信号振幅に対しても論理レベルを正確に
判定することのできる入力回路に適用した例を示してい
る。一般に、CMOS集積回路のインタ−フェ−ス用信
号レベルとしては、CMOSレベルとTTLレベルの2
種類が広く用いられている。各インタ−フェ−ス用信号
レベルの出力高レベル(VOH)の最小値VOHmin
と出力低レベル(VOL)の最大値VOLmaxは、C
MOSレベルの場合、 VOHmin=VCC−0.1 (V) VOLmax=0.1 (V) TTLレベルの場合、 VOHmin=2.4 (V) VOLmax=0.4 (V) という値が一般的である。これらの信号振幅は小さいほ
ど高速で、負荷容量の充放電電流も小さくできるという
メリットがあるが、一方、信号を受信する回路のノイズ
マ−ジンが低下するという欠点がある。これらより低振
幅のインタ−フェ−スとしては、バイポ−ラLSIやバ
イCMOSLSIで用いられるECLインタ−フェ−ス
が知られている。この場合には、 VOHmin≒−1.0 (V) VOLmax≒−1.6 (V) であり、信号振幅は約0.6Vと小さい。CMOS集積
回路の高集積化、1つの集積回路あたりの信号数(ピン
数)の増加に伴い、高速化と低雑音化が強く望まれるよ
うになってきている。ところが、従来のECLインタ−
フェ−スは、バイポ−ラトランジスタをベ−スにしてい
るためCMOS回路では実現が難しい、入力回路に多大
なバイアス電流を必要とするため、消費電力(とくにス
タンバイ状態での消費電力)が大きいという問題があっ
た。これらの問題を克服して、ノイズマ−ジンが広く安
定に動作し、かつCMOSの特徴である低消費電力性能
を維持できる低振幅インタ−フェ−スが望まれていた。
こうした新しいインタ−フェ−スは以下の条件を満たす
必要がある。 (1)信号振幅が1V程度、あるいはそれ以下で、十分
なノイズマ−ジンを有すること。 (2)スタンバイ状態(入力がVIHmin以上あるい
はVILmax以下)ではほとんど電流消費がないこ
と。こうした条件を満たすためには、小さな入力信号振
幅を確実に検出し、かつスタンバイ状態での電流消費の
ない入力回路が必要とされる。このような入力回路の例
は、図15や図16に示したが、以下には他の例を示
す。
【0054】図21は本発明によるCMOS集積回路の
入力回路の一実施例を示している。本実施例は図15あ
るいは図16の2つの転送ゲ−トを4つのトランジスタ
TN90、TN91、TP90およびTP91で置き換
えたものである。TN90とTP91のゲ−トには、そ
れぞれ基準電圧VRNとVRPを印加している。VRN
とVRPは同図右に示すとおり、 VRN=VIH+VTN+VTP VRP=VIL−VTN−VTP なる値になるようにしている。ここに、VIHとVIL
は入力信号の高レベルと低レベル、VTNとVTPはN
チャネルトランジスタとPチャネルトランジスタのしき
い値電圧の絶対値である。
【0055】入力INの電圧がVILよりも低いときに
は、TN91とTP91が非導通状態、TN90とTP
90が導通状態となって、端子N60が低レベルとな
る。その結果、出力OUTは高レベルとなり、端子N6
1は低レベルとなる。逆に、入力INの電圧がVIHよ
りも高いときには、TN91とTP91が導通状態、T
N90とTP90が非導通状態となって、端子N61が
高レベルとなる。その結果、出力OUTは低レベルとな
り、端子N60は高レベルとなる。このように、小さな
入力信号振幅に対しても、安定に応答する入力回路を構
成することができる。また、VCCからVSSにいたる
直流電流パスがないため、スタンバイ時の電流をほとん
ど零にすることができる。
【0056】図22は本発明によるCMOS集積回路の
入力回路の他の一実施例を示している。ここでは、VI
L=0の場合の入力回路の構成例を示す。図中、TN1
00〜TN103はNチャネルトランジスタ、TP10
0〜TP102はPチャネルトランジスタである。TN
101のゲ−トには基準電圧VREF1を印加し、その
ソ−スにはTN100とTP100とからなるCMOS
インバ−タを接続している。また、入力はTN103
に、インバ−タで反転された出力はTN102に印加し
ている。これらTN102、TN103とTP101、
TP102とでレベル変換回路を構成している。基準電
圧VREF1の値は、VREF1=VIH+VTN+V
TPなる値にしている。ここに、VIHは入力信号の高
レベル、VTNとVTPはNチャネルトランジスタとP
チャネルトランジスタのしきい値電圧の絶対値である。
【0057】入力INの電圧が0(V)のときには、イ
ンバ−タの出力N65は高レベルとなる。したがって、
TN103が非導通状態、TN102が導通状態となっ
て、端子N67が高レベル、端子N66が低レベルとな
る。その結果、出力OUTは高レベルとなる。逆に、入
力INの電圧がVIHよりも高いときには、インバ−タ
の出力N65は低レベルとなる。したがって、TN10
2が非導通状態、TN103が導通状態となって、端子
N66が高レベル、端子N67が低レベルとなる。その
結果、出力OUTは低レベルとなる。このように、小さ
な入力信号振幅に対しても、安定に応答する入力回路を
構成することができる。また、VCCからVSSにいた
る直流電流パスがないため、スタンバイ時の電流をほと
んど零にすることができる。
【0058】図23は本発明によるCMOS集積回路の
入力回路の他の一実施例を示している。ここでは、図2
2に示した例と同様、VIL=0の場合の入力回路の構
成例を示す。図中、TN110〜TN112はNチャネ
ルトランジスタ、TP110〜TP113はPチャネル
トランジスタである。TN111のゲ−トには基準電圧
VREF2を印加している。入力はTN110とTP1
10に印加し、TP110のソ−スとTN111のソ−
スが接続されている。ここでは、入力の反転信号をつく
る代わりに、TN111とTP110でNチャネルトラ
ンジスタとは相補の動作、すなわち入力が低レベルのと
きに導通し、高レベルのときに非導通になるような動作
を実現している。これらTN110、TN111および
TP110に、さらにTP111、TP112を組合せ
てレベル変換機能も兼ね備えるようにしている。基準電
圧VREF2の値は、VREF2=VIH+VTN+V
TPなる値にしている。ここに、VIHは入力信号の高
レベル、VTNとVTPはNチャネルトランジスタとP
チャネルトランジスタのしきい値電圧の絶対値である。
【0059】入力INの電圧が0(V)のときには、T
N110が非導通状態、TN111とTP110が導通
状態となって、端子N70が低レベル、出力OUTが高
レベルとなる。逆に、入力INの電圧がVIHよりも高
いときには、TN111とTP110が非導通状態、T
N110が導通状態となって、端子N70が高レベル、
出力OUTは低レベルとなる。このように、小さな入力
信号振幅に対しても、安定に応答する入力回路を構成す
ることができる。また、VCCからVSSにいたる直流
電流パスがないため、スタンバイ時の電流をほとんど零
にすることができる。
【0060】以上述べた入力回路を用いれば、十分なノ
イズマ−ジンを維持しながら、入力信号振幅を小さくす
ることができるため、信号の伝送を高速に行うことがで
きる。また、スイッチングに伴う過渡電流を低減できる
ため、電源電圧の変動を抑制でき、ノイズマ−ジンを大
きくすることができる。さらには、スタンバイ状態に直
流電流を消費しないため、低消費電力が要求される電池
動作への応用も可能となる。
【0061】以上、各実施例によつて本発明の詳細を説
明したが、本発明の適用範囲はこれらに限定されるもの
ではない。例えば、ここではCMOSトランジスタおよ
びバイポーラトランジスタによりLSIを構成する場合
を主に説明したが、接合型FETを用いたLSI、さら
にはシリコン以外の材料、例えばガリウム砒素などの基
板に素子を形成したLSIなどでも、そのまま適用でき
る。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば低電圧の動作に好適なL
SIを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本概念を説明する実施例。
【図2】図1における電圧波形図。
【図3】本発明の基本概念を説明する実施例。
【図4】従来の回路。
【図5】図4の回路と比較するための本発明による回
路。
【図6】入出力波形の定義。
【図7】本発明の効果を示すための図4と図5の回路で
の特性比較結果。
【図8】本発明の効果を示すための図4と図5の回路で
の特性比較結果。
【図9】本発明の基本概念を説明する他の実施例。
【図10】図9における電圧波形図。
【図11】本発明をNANDゲート回路に適用した具体
的実施例。
【図12】本発明の内部電源電圧を発生する回路の具体
的実施例。
【図13】バイポーラトランジスタを用いた本発明の基
本概念を説明する他の実施例。
【図14】VCL,VSL,VCLB,VSLB発生回
路の一例。
【図15】本発明をチツプ間の信号伝達に用いた他の実
施例。
【図16】本発明をチツプ間の信号伝達に用いた他の実
施例。
【図17】本発明を論理回路に用いた他の実施例。
【図18】本発明を論理回路に用いた他の実施例。
【図19】本発明を論理回路に用いた他の実施例。
【図20】本発明を論理回路に用いた他の実施例。
【図21】本発明を入力回路に用いた他の実施例。
【図22】本発明を入力回路に用いた他の実施例。
【図23】本発明を入力回路に用いた他の実施例。
【符号の説明】
CHP1〜CHP9…集積回路チツプ、BLK1〜BL
K13…集積回路ブロツク、INV1〜INV19…イ
ンバータ、DRV1〜DRV18…駆動回路、REC2
〜REC19…受信回路、R1〜R13…抵抗、Q1〜
Q21…バイポーラトランジスタ、OP1,OP2…差
動増幅回路、C1〜C12…平滑容量。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 27/092 H03K 19/0175 (56)参考文献 特開 平1−135224(JP,A) 特開 平2−17714(JP,A) 特開 平1−190117(JP,A) 特開 平4−211515(JP,A) 特開 昭60−134522(JP,A) 特開 昭63−86543(JP,A) 特開 昭59−201460(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03K 19/0185 G11C 11/409 H01L 21/822 H01L 21/8238 H01L 27/04 H01L 27/092 H03K 19/0175

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に形成された半導体装置であ
    って、 第1回路ブロックと、 第2回路ブロックと、 前記第1回路ブロックと前記第2回路ブロックとの間で
    信号を伝達する信号線とを有し、 前記第2回路ブロックは、前記信号線からの 入力信号が
    そのソースまたはドレインの一方に入力され転送ゲート
    となるものであって、第1のしきい値電圧を有する第1
    MOSトランジスタと、前記第1MOSトランジスタの
    ソースまたはドレインの他方に接続されたゲートと、所
    定の電源電位に結合されたソースと、信号出力ノードと
    してのドレインとを持ち、前記第1のしきい値電圧より
    も絶対値の大きな第2のしきい値電圧を有する第2MO
    Sトランジスタとを含む回路とを備え、 前記第1回路ブロックは、前記第2のしきい値電圧を持
    つ第3MOSトランジスタを含む第1CMOS回路と、
    前記第1CMOS回路からの出力を受けて前記信号線を
    駆動する前記第1のしきい値電圧を持つ第4MOSトラ
    ンジスタを含む第2CMOS回路とを有しており、 前記第1MOSトランジスタ及び前記第4MOSトラン
    ジスタは、ゲート・ソース間電圧を0Vとしたときにサ
    ブスレショルド電流の流れる特性を持つ半導体装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記回路は、前記第2
    MOSトランジスタのドレインに結合されたゲートと、
    前記第2MOSトランジスタのソースに結合されたソー
    スと、前記第2MOSトランジスタのゲートに接続され
    たドレインとを持ち、前記第2のしきい値電圧を有する
    MOSトランジスタを更に含む半導体装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記回路は、
    所定の論理レベルに対応する電位がそのソースまたはド
    レインの一方に入力され、そのソースまたはドレインの
    他方が前記第2MOSトランジスタのゲートに接続さ
    れ、前記第1のしきい値電圧を有し第2の転送ゲートと
    なる第MOSトランジスタを更に含み、 前記第MOSトランジスタは、ゲート・ソース間電圧
    を0Vとしたときにサブスレショルド電流の流れる特性
    を持つ半導体装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記回路は第1及び第
    2入力ノードを持つNANDゲートであり、前記第1M
    OSトランジスタのソース又はドレインの一方が前記第
    1入力ノードとされ、前記第1MOSトランジスタのゲ
    ートが前記第2入力ノードとされ、前記第MOSトラ
    ンジスタのゲートには前記第2入力ノードに入力される
    信号を反転した信号が入力される半導体装置。
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