JP3533933B2 - 車両の箱型ボデーの庇 - Google Patents

車両の箱型ボデーの庇

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JP3533933B2
JP3533933B2 JP05618898A JP5618898A JP3533933B2 JP 3533933 B2 JP3533933 B2 JP 3533933B2 JP 05618898 A JP05618898 A JP 05618898A JP 5618898 A JP5618898 A JP 5618898A JP 3533933 B2 JP3533933 B2 JP 3533933B2
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壮一 山崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラック等の車両
の箱型ボデーの後部開口の上方に設置し、収納可能とし
た庇に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トラック等の箱型ボデー、特に、
後部開口が観音開き式のバックドアにより開閉される箱
型ボデーには、その後部開口の上方に後方に突出した庇
を付設し、バックドア開放時に後部開口内に雨や雪が降
り込まないようにしたものがある。この種の庇は一般
に、箱型ボデーの後部開口の上縁にほぼ水平に配した庇
の前端を固着し、庇の左右両端を庇の中間と箱型ボデー
の後端部との間に架設したアーム部材により下側から支
持する構造としている。
【0003】この固定式の庇の場合、車両運行中の安全
面から庇は長い大型のものを付設することができず、庇
の突出量が短いため雨や雪の降り込みを防ぐのに充分で
なく車室内の荷物を濡らすおそれがある。
【0004】そこで、大型の庇を突出、収納可能に付設
したものとして、図6に示すように、庇1Aの前縁を箱
型ボデーBの後部開口B1の上縁付近に上下方向はね上
げ回動可能にヒンジ結合し、庇1Aの左右両端には、庇
1Aの中間部と箱型ボデーBの後端部との間に架けわた
す折り畳み可能なアーム8、または伸縮自在なアームを
付設した構造のものがある。箱型ボデーBの後部開口B
1は、左右一対の観音開き式のバックドア(観音扉)7
A,7Bにより開閉される。
【0005】しかしながら、この庇1Aでは、バックド
ア7A,7Bを開くたびに予めアーム8を伸ばして庇1
Aをはね上げ、バックドア7A,7Bを閉じるたびに、
その後でアーム8を折り畳み、あるいは縮小させて庇1
Aを下ろさなければならず、操作が煩わしい。
【0006】そこで、特開平7−290963号には、
観音開き式バックドアの開閉に連動して庇を突出、収納
させる構造が提案されている。この構造では、車両の箱
型ボデーのルーフに庇を前後方向に移動可能に設け、バ
ックドアには上下方向に進退動可能で先端がバックドア
の上縁から突出可能な案内棒を立設する一方、庇には、
その後縁に沿って案内溝を形成して、この案内溝に上方
に進出させた上記案内棒の先端が移動可能に嵌合できる
ようにしている。庇の案内溝にバックドア側の案内棒を
嵌合した状態で、バックドアを開閉すると、案内棒の上
端が庇の案内溝を移動しつつ庇を後方へ移動させ、ま
た、前方の収納位置へ移動させる。また、庇が不要な場
合は上記案内棒を後退させて上記案内溝との係合を解除
した状態でバックドアを開放すれば庇は突出しない。
【0007】しかしながら、この構造は、案内溝に案内
されて移動する案内棒の先端の移動方向と、バックドア
の開閉方向がほぼ直角の関係にあるので、バックドアの
開閉操作力、特に、開操作および閉操作開始時に大きな
操作力を必要とする。また、開閉操作の速度を速くする
とそれに伴って操作力が大きくなるので、作業性がよく
ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、バッ
クドアの開閉に連動して突出、収納することができ、か
つ、バックドアの開閉操作力をほとんど増大させること
のない車両の箱型ボデーの庇を実現することを課題とし
てなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、車両の荷室を
形成する箱型ボデーの後部開口の上方に設置する庇にお
いて、箱型ボデーのルーフ上に、前後方向に移動可能
に、かつ、ルーフ後端より後方に突出可能に庇を設置
し、上記庇には、庇の前後方向に沿って配し、前端を庇
の幅方向中央に回動可能に結合した連結バーを付設し、
上記箱型ボデーの後部開口を開閉する観音扉には上下方
向に進退可能に、かつ、進退により上記連結バーの後端
と係脱可能に連結ピンを付設し、上記観音扉の開閉に伴
って、上記連結ピンに係合せしめた連結バーを介して上
記庇を突出、収納方向に移動せしめるようになす(請求
項1)。庇を観音扉に連動して突出、収納させる場合、
庇と観音扉の連結ピンとを回動自在な連結バーを介して
連結したので、庇の移動方向と連結ピンの移動方向の方
向性の違いを連結バーがその回動により円滑に吸収する
ので、観音扉の開閉操作力が増大しない。
【0010】上記連結バーの後端に、箱型ボデーのルー
フに係脱可能な係止ピンを突設した連結プレートを上下
方向に揺動可能に軸着し、上記観音扉に設けた上記連結
ピンを上方に進出せしめて連結バーに係合せしめたと
き、連結ピンの先端が連結プレートを上方に押し上げて
係止ピンとルーフとの係合を解除せしめるようになす
(請求項2)。庇をルーフにロックすることができ、か
つ、庇と観音扉とを連結するとともに上記ロックを解除
することができ、操作の簡素化がはかれる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1ないし図4に示すように、ト
ラック等の車両の荷室を形成する箱型ボデーBは後面に
後部開口B1が設けてあり、後部開口B1はこれを左右
に二等分した観音開き式の一対のバックドア7A,7B
で開閉するようにしてある。箱型ボデーBのルーフB2
上には、その後部の左右両端に前後方向に延びる一対の
ガイドレール2A,2Bが載設してある。ガイドレール
2A,2Bは、断面ほぼコ字形で、開口を向かい合わせ
るようにルーフB2に固着してある。そして、ガイドレ
ール2A,2Bに左右の両側縁を支持された庇1が前後
方向に移動可能に設けてある。
【0012】庇1は、外枠とその内側に架設した複数の
補強材110で構成したアルミ製のフレーム11を、そ
の前端を残して上から合成樹脂製の板部材12で被覆し
た構造としてある。板部材12は、その前後長を上記バ
ックドア7Aの幅とほぼ同じ寸法に設定してある。庇1
のフレーム11の左右両側縁には、前端、中間、後端に
それぞれガイドローラー13が設置してある。各ガイド
ローラー13は前後方向に偏心した縦方向のローラーと
横方向のローラーとを備え、各ローラーがガイドレール
2A,2Bの内面を転動して庇1をがたなくスムーズに
移動させる。
【0013】庇1の移動範囲は、最前進位置として庇1
の後縁がルーフB2後縁よりも若干前方に位置し、庇1
全体がルーフB2上に収まる収納位置(図1(A))か
ら、最後退位置として庇1の板部材12の前縁がルーフ
B2の後縁付近まで移動し板部材12のほぼ全体がルー
フB2後縁よりも突出する突出位置(図1(B))まで
移動可能としてある。庇1は突出位置に移動した場合、
フレーム11の前端がガイドレール2A,2B内にとど
まり、突出した庇1の前部を支える。庇1のフレーム1
1の左右両側縁の前端付近にはストッパ14が固定して
あり、ストッパ14はガイドレール2A,2Bの前後の
端末付近にそれぞれ固着したストッパ片21に当接して
庇1が上記移動範囲外に移動することを制限している。
【0014】庇1の下面には、前後方向に延びる連結バ
ー3が設けてある。図2および図4に示すように、連結
バー3は角形パイプ材の後端に上方に向かって開口する
断面ほぼコ字形の固定プレート32を固着した構造で、
その全長は庇1の板部材12の前後長よりも若干長く設
定してある。連結バー3は、その前端が庇1の前端の幅
方向中央に設けたブラケット31に、庇1に対して左右
方向回動自在に軸支してある。連結バー3は庇1の後方
移動にともなってルーフB2の後端から後方に突出する
ようにしてある。
【0015】連結バー3の後端の固定プレート32の底
面には前後に貫通穴33a,33bが形成してある。固
定プレート32にはこれを上方から覆う連結プレート4
が付設してある。連結プレート4は下方に向かって開口
する断面ほぼコ字形で、前端には左右の側壁をそれぞれ
突出せしめた脚部が形成してあり、両脚部41を支軸4
2により固定プレート32の左右の側壁に回動可能に軸
着して上下方向に揺動自在としてある。連結プレート4
は支軸42に付設したバネ部材43により下方の回動方
向に付勢してある。また、連結プレート4の内部には上
面から下方に向かって突出する係止ピン44が突設して
ある。係止ピン44は、連結プレート4が下方位置で固
定プレート32を被覆したとき、固定プレート32の上
記前側の貫通穴33aを貫通する。そして、庇1が収納
位置にあるとき、連結プレート4の上記係止ピン44
は、ルーフB2の後縁のほぼ中央位置上に固定したステ
ー6の穴61内に嵌入して庇1を収納位置にロックせし
める。図2中、B11は後部開口B1の開口上縁をなす
フレーム部材、B21はルーフB2の後縁をなすフレー
ム部材である。また、図4中、34は連結バー3の中間
に固着するローラーで、庇1の底面に当接し、連結バー
3が水平方向に回動するときに板部材12の下面2を転
動する。
【0016】一方のバックドア7Aには、その開閉端側
の側縁に沿って連結ピン5が設けてある。図5に示すよ
うに、連結ピン5は、上下方向に長尺なケース部材51
に上下動可能に納めた長尺丸棒で、ケース部材51をバ
ックドア7Aに固着することでバックドア7Aに付設し
てある。連結ピン5のテーパー状の先端はケース部材5
1上面の貫通穴より進出、後退可能で、下端はケース部
材51底面の貫通穴を貫通して端末にナット52が締着
してある。また、連結ピン5の下端には大径のストッパ
53が設けてあり、該ストッパ53とケース部材51の
底面間にはコイルバネ54が設けてあり、該コイルバネ
54により連結ピン5は上方に付勢されている。更に、
連結ピン5の中間部にはこれと直交するハンドル55が
固着してあり、該ハンドル55はケース部材51の側面
に設けたプレート56のほぼコ字形の案内溝561を貫
通せしめてある。そして、ハンドル55を上記案内溝5
61に沿って移動させることで、連結ピン5は先端がケ
ース部材51の上面から突出する上方位置、および先端
がケース部材51の上面から後退する下方位置とに移
動、かつ、各位置にロック可能としてある。
【0017】図1および図2に示すように、連結ピン5
のケース部材51の上面は上記連結バー3後端の固定プ
レート32に当接しこれを下方より支える。そして、連
結ピン5を上方位置に移動させると、その先端は固定プ
レート32の後方の貫通穴33bを貫通し、更に、連結
プレート4の後端を上方に押し上げる。この連結ピン5
による連結プレート4の押し上げにより、連結プレート
4の係止ピン44がステー6の穴61から抜けて庇1の
収納位置でのロックを解除する。
【0018】図1ないし図3に庇1の作動を示し、以下
にその作動を説明する。通常、図1(A)に示すよう
に、庇1は収納位置にあり連結バー3後端の連結プレー
ト4がルーフB2後端のステー6に係合してロックされ
ている。箱型ボデーBのバックドア7A,7Bは閉じて
後部開口B1を閉鎖した状態で、バックドア7Aの連結
ピン5は下方位置にある。
【0019】降雨時等で後部開口B1を開放するときに
庇1が必要な場合、ハンドル55を操作して連結ピン5
を上方位置に移動させる。連結ピン5の先端は、ケース
部材51の上面の貫通穴および固定プレート32の貫通
穴33bを貫通して上方に突出して、連結プレート4の
後端を押し上げて上記庇1のロックを解除すると同時に
連結バー3とバックドア7Aとを連結する(図2)。次
に、バックドア7A,7Bのロック(図略)を解除して
バックドア7A,7Bを開く。一方のバックドア7Aの
開放に伴って図1(B)に示すように、連結ピン5の先
端の移動により連結バー3は前端を中心にその後端が車
幅方向外側に回動しながらルーフB2の後端から後方に
引っ張り出され、連結バー3に伴って庇1もルーフB2
の後端から張り出して突出位置に移動する。これによ
り、開放した後部開口B1の上方は庇1によって覆わ
れ、後部開口B1内への雨水等の侵入を防ぐ。
【0020】庇1をバックドア7Aに連動して引き出す
場合、バックドア7AはボデーBとのヒンジ結合点を中
心に、後方かつ外側方向に移動する円弧状の軌跡を描
く。一方、庇1はガイドレール2A,2Bに案内されて
車両前後方向に直線状に移動するようになっている。こ
のバックドア7Aと庇1の移動方向の相違は、連結バー
3のその前端を中心とする回動により吸収され、庇1は
バックドア7Aの開操作力を増大させることなく円滑に
引き出される。
【0021】庇1はバックドア7Aを閉じることによ
り、これに連動して円滑に前進し収納される。バックド
ア7A閉鎖後、連結ピン5を下方位置に移動させると、
連結プレート4も下方に下がり、その係止ピン44がル
ーフB2上のステー6の穴61に嵌入し、庇1を収納位
置にロックする。なお、庇1をルーフB2上に収納した
場合、必ずしも連結ピン5を下げてロックする必要はな
く、突出した連結ピン5の先端が連結バー3の後端の貫
通穴33bを貫通しているので、庇1が単独で後方に移
動することはない。
【0022】また、庇1を必要としない後部開口B1の
開放、閉鎖時には、連結ピン5を下方に移動して連結プ
レート4の係止ピン44とルーフB2後端のステー6と
を係合させた庇1の収納位置のロック状態で、バックド
ア7A,7Bを開閉操作する(図3)。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、庇はバックドアの開閉
に連動して連結バーを介して使用位置(突出位置)およ
び収納位置へ移動する。そして、庇の移動方向とバック
ドアの開閉方向の相違は、庇とバックドアを連結する連
結バーの回動によりベクトルの変化が少ないから、バッ
クドアの開閉開始時および開閉の過程においてバックド
ア操作力はほとんど増大しない。また、庇の左右方向の
ほぼ中央部を連結バーを介して押引するので力のバラン
スが保たれ、庇を円滑に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本発明の庇の収納状態を示す後方
斜視図、図1(B)は庇の突出状態を示す後方斜視図で
ある。
【図2】本発明の庇のバックドアとの連結構造の要部を
示す一部断面側面図である。
【図3】本発明の庇を作動させずにバックドアを開放し
た状態を示す後方斜視図である。
【図4】本発明の庇の分解斜視図である。
【図5】本発明の庇に用いる連結ピンの分解斜視図であ
る。
【図6】従来の庇の一例を示す後方斜視図である。
【符号の説明】
B 箱型ボデー B1 後部開口 B2 ルーフ 1 庇 3 連結バー 4 連結プレート 44 係止ピン 5 連結ピン 7A,7B バックドア(観音扉)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60J 7/00 B62D 33/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の荷室を形成する箱型ボデーの後部
    開口の上方に設置する庇において、箱型ボデーのルーフ
    上に、前後方向に移動可能に、かつ、ルーフ後端より後
    方に突出可能に庇を設置し、上記庇には、庇の前後方向
    に沿って配し、前端を庇の幅方向中央に回動可能に結合
    した連結バーを付設し、上記箱型ボデーの後部開口を開
    閉する観音扉には上下方向に進退可能に、かつ、進退に
    より上記連結バーの後端と係脱可能に連結ピンを付設
    し、上記観音扉の開閉に伴って、上記連結ピンに係合せ
    しめた連結バーを介して上記庇を突出、収納方向に移動
    せしめるようになしたことを特徴とする車両の箱型ボデ
    ーの庇。
  2. 【請求項2】 上記連結バーの後端に、箱型ボデーのル
    ーフに係脱可能な係止ピンを突設した連結プレートを上
    下方向に揺動可能に軸着し、上記観音扉に設けた上記連
    結ピンを上方に進出せしめて上記連結バーに係合せしめ
    たとき、上記連結ピンの先端が上記連結プレートを上方
    に押し上げて上記係止ピンとルーフとの係合を解除せし
    めるようになした請求項1記載の車両の箱型ボデーの
    庇。
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