JP3532163B2 - 垂直磁気記録用単磁極ヘッド - Google Patents

垂直磁気記録用単磁極ヘッド

Info

Publication number
JP3532163B2
JP3532163B2 JP2001087401A JP2001087401A JP3532163B2 JP 3532163 B2 JP3532163 B2 JP 3532163B2 JP 2001087401 A JP2001087401 A JP 2001087401A JP 2001087401 A JP2001087401 A JP 2001087401A JP 3532163 B2 JP3532163 B2 JP 3532163B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tip
magnetic
recording
magnetic field
pole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001087401A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002288806A (ja
Inventor
慎吾 高橋
清志 山川
一弘 大内
慶久 中村
裕明 村岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Akita Prefecture
Original Assignee
Akita Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Akita Prefecture filed Critical Akita Prefecture
Priority to JP2001087401A priority Critical patent/JP3532163B2/ja
Publication of JP2002288806A publication Critical patent/JP2002288806A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3532163B2 publication Critical patent/JP3532163B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、垂直磁気記録媒体
を用いた磁気ディスク装置、あるいは磁気テープ等に用
いられる磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク装置においては、小
型、大容量化に伴って高密度化が進められている。単磁
極ヘッドと軟磁性裏打ち層を有する垂直磁気記録用2層
膜媒体を組み合わせた垂直磁気記録は「記録にじみ」や
「熱安定性」の観点から、高密度記録には有利な方式で
あると云われ、研究・開発が盛んに進められている。垂
直磁気記録用2層膜媒体の記録ヘッドには、単磁極ヘッ
ドを用いるのが一般的である。
【0003】従来の単磁極ヘッドの構造の概略図を図8
(a)〜(c)に示すと、この単磁極ヘッドは、記録媒
体に信号を記録する主磁極4と、この主磁極4の磁束効
率を上げるリターンヨーク5の2つの磁性材料と、これ
らの磁性材料を励磁するためのコイル6と、から構成さ
れる。
【0004】従来の記録ヘッドでは、主磁極4の直方体
形状である先端部3aを磁気飽和させ、主磁極先端面
(即ち、記録媒体対向面)3bに現れる表面磁荷と記録媒
体の軟磁性裏打ち層7に現れる磁荷により記録磁界を発
生させ、その記録媒体の記録層8に信号を記録する。ま
た、主磁極先端面3bは単一平面から成り、スキュー
無いシステムでは図8(c)に例示のような矩形状で
あり、スキュー角があるハードディスク装置などにおい
ては、トラック幅で定義される一方の寸法を短くした台
形状にするのが一般的である。また、単磁極ヘッド側の
表面磁荷の総量は、主磁極4に用いられる磁性材料の飽
和磁束密度(Bs)と主磁極先端面3bの面積との積が最
大値となる。
【0005】さらに従来の単磁極ヘッドでは、主磁極先
端部3aを磁気飽和させる為にそれ以外の磁性材料から
成る部分は磁気飽和させないようにしている。そのた
め、図8(c)に示す如くに主磁極4の形状は主磁極先
端部部3aに近づく程、断面積が小さくなるように設計
されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、記録媒
体を高密度化するためには、その記録媒体の保磁力(H
c)あるいは飽和磁界(Hs)を大きくしなければなら
ず、高密度化するほど記録ヘッドにはより高い記録磁界
が要求される。しかしながら、高密度化に伴いトラック
幅が狭くなると、主磁極先端面3bの面積が小さくなり
表面磁荷の総量が減少する。主磁極4の飽和磁束密度
(Bs)および主磁極先端面3bと垂直2層膜媒体の軟磁
性裏打ち層7までの距離を固定して考えた場合、主磁極
先端面3bの面積の減少は、記録磁界を小さくしてしま
うという問題点がある。
【0007】さらに、スキュー角のあるハードディスク
装置などにおいては、主磁極先端面3bのトラック幅で
定義される一方の寸法を短くした台形状にしなければな
らず、主磁極先端面3bの面積は更に減少する上、許容
される主磁極膜厚には上限が生じる。この上限はトラッ
ク幅に比例するので、トラック幅を1/2とした場合、
断面積は1/4に減少してしまい、それに応じて記録磁
界も減少する。
【0008】詳しく実際の数値を挙げて具体的に説明す
る。まず、単磁極ヘッドがつくる磁界Hを次式(1)に
表わす。
【0009】
【数1】
【0010】但し、トラック幅(W)と主磁極膜厚(Tm)
で定義される矩形状の主磁極先端面3bに、主磁極材料
の飽和磁束密度(Bs)と等しい表面磁荷密度(σ)が一様
に分布しているものと仮定し、主磁極先端面3bと無限
大の透磁率を有する軟磁性裏打ち層7との距離をgとす
る。主磁極中心軸上と軟磁性裏打ち層表面(即ち記録層
の裏面)の交点での磁界を「クーロンの法則」から計算
し、飽和磁束密度(Bs)で規格化している。
【0011】また図9に、距離(g)が例えば0.03μ
mであるときの記録磁界のトラック幅(W)依存性をグラ
フで示すと、次のことが解る。すなわち、トラック幅
(W)と主磁極膜厚(Tm)が無限大の場合、この規格化記
録磁界は1となるが、トラック幅(W)が1μm以下にな
ると急激に減少する。さらに、トラック幅(W)が0.1
μm程度になると主磁極膜厚(Tm)を大きくしても磁界
の大幅な改善は見られない。
【0012】したがって、従来の単磁極ヘッドでは、ト
ラック幅(W)を狭くすることによる記録磁界の低下を抑
えるためには、主磁極材料の飽和磁束密度(Bs)を大き
くするか、主磁極先端面3bと垂直2層膜媒体の軟磁性
裏打ち層7までの距離gを小さくするしか方法がなかっ
たが、これには限界があることは明らかである。
【0013】さらに従来の単磁極ヘッドでは、そのヘッ
ドから発生する磁界は主磁極材料の飽和磁束密度(Bs)
に相当する磁界を越えることができないという「ガウス
の定理」に基づく物理的な限界があることも明らかであ
る。
【0014】そこで本発明の目的は、狭トラック時の記
録磁界の減少を抑えるばかりではなく、設計に応じて主
磁極材料の飽和磁束密度(Bs)相当以上の磁界を発生で
きるような主磁極先端の形状をもつ垂直磁気記録用単磁
極ヘッドを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の現状に鑑
みて成されたものであり、上記課題を解決し目的を達成
するため次のような手段を講じている。本発明では、従
来の単一な平坦面から成る主磁極先端面の形状を3次元
的な面に変更し、その3次元的に分布する表面磁荷によ
り発生する磁界計算を行ない、主磁極先端面の形状を最
適化することにより、新規な垂直磁気記録用単磁極ヘッ
ドの実現に至ったものである。
【0016】本発明は、主磁極先端部が、矩形又は台形
の断面を有する角柱状からなりトラック幅を決める第一
先端部と、上記第一先端部に繋がる面のうちの3辺以上
が該第一先端部よりも寸法が長い第二先端部とで構成さ
れる凸形状の2段構造となっており、記録媒体から上記
第一先端部よりも離れる上記第二先端部から磁界を上記
第一先端部の磁界に重畳することにより、該第一先端部
の記録磁界を強める垂直磁気記録用単磁気ヘッドを提案
する。
【0017】また、前記垂直磁気記録用単磁気ヘッドに
おいて、上記第二先端部における第一先端部の周囲に繋
がる面の上記3辺以上のうちの少なくとも2辺以上が
第二先端部から該第一先端部へ絞り込む凸形状の2段構
である垂直磁気記録用単磁気ヘッドを提案する。さら
に、これらの垂直磁気記録用単磁気ヘッドは、上記第一
先端部の先端部分に近接して設けられたコイルを備えて
いる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1には、本発明に係わる例えば
「2段型」の単磁極ヘッド10の主磁極4を示すと共
に、この単磁極ヘッド10に適したコイル6を概略的に
斜視図で例示する。本発明の垂直磁気記録用の単磁極ヘ
ッド10は、従来知られている単一な平坦面から成る主
磁極先端面3b(図8(c)参照)の形状を図1に例示の
ように中心部(以下「第一先端部1a」と称す)が突出
した3次元的な面形状を成すように変更して、その3次
元的に分布する表面磁荷によって発生する磁界計算を行
ない、その結果に基づいて主磁極先端面の形状を最適化
することで本発明の各実施形態として以下に具体的に例
示する形状となるものである。
【0019】すなわち、断面の相対的に広く磁気的に飽
和した主磁極先端部(以下「第二先端部2a」と称す)
に、この第二先端部2aの断面より小さな断面をもつ主
磁極先端部(第一先端部1a)を付加した単磁極ヘッドに
構成されるものである。
【0020】本発明の特徴と従来のヘッドの改良点につ
いてさらに詳しく説明する。ここで提案する単磁極ヘッ
ドは、トラック幅(W)を決める主磁極先端と同一の先端
面で有限の高さを有する第一先端部1aと、垂直2層膜
媒体の軟磁性裏打ち層(7)との距離が第一先端部1aよ
り離れた位置に在ってその断面積が第一先端部1aのそ
れより広い第二先端部2aとをもつような、いわゆる
「2段型」の主磁極先端部を有する形状的な特徴があ
る。
【0021】さらに、本発明の単磁極ヘッドは、主磁極
先端に相当する第一主磁極1aだけを磁気飽和させ、そ
れ以外の単磁極ヘッド部分をできる限り磁気飽和させな
いように設計される従来の単磁極ヘッドとは異なる単磁
極ヘッドである。即ち、第一先端部1aの他、第二先端
部2aもできる限り磁気飽和させ、第二先端部2aの記
録媒体対向面(第二先端面)2bに現れる表面磁荷を利用
したような磁気学上の特徴を有する単磁極ヘッドであ
る。そのため、主磁極4全体の形状を最適化したり、例
えば、H. Muraoka, K. Sato, Y. Sugita, and Y. Nakam
ura (IEEE. Trans. Magn., Vol. 35, 643-648, 1999)で
も提案しているように、できるだけ主磁極先端に近づけ
た図示の如きコイル6を採用する。
【0022】上述した単磁極ヘッドの特徴により、次の
作用効果が得られる。このような単磁極ヘッドを磁気記
録に用いると、第一先端面1bからは従来の単磁極ヘッ
ドと同一の磁界が発生し、更に第二先端面2bから発生
した磁界が重畳するので、従来如き平坦な第一先端部1
aだけの単磁極ヘッドよりも、本発明で更に付加された
第二先端部2aの第二先端面2bからの磁界分だけ大き
な磁界によって記録できる。
【0023】ただし、本発明では次の点を考慮してい
る。例えば、この第二先端面2bが第一先端部1a直下
に作る磁界は、第二先端面2bと垂直2層膜媒体の軟磁
性裏打ち層7までの距離が大きすぎると第二先端面2b
の表面磁荷と第一先端部1a直下の考えている点までの
ベクトルの長さが増加するので、磁界は減少する。
【0024】一方、近づき過ぎると、前記ベクトルの垂
直成分の割合が減少するので、同様に磁界は減少してし
まう。したがって、第二先端面2bと軟磁性裏打ち層7
との距離がある範囲内にある2段型単磁極ヘッドを用い
た場合のみ、第二先端面2bからの大きな磁界を第一先
端部1a直下で用いることができる。また、第一先端部
1aは有限の高さをもっていない第一先端面1bと第二
先端面2bが連続するような場合は、トラック幅を決め
たり、トラック内の磁化反転を決めるような鋭い磁界分
布が得られないので意味がない。
【0025】さらに、従来技術を示した図8からも解る
ように、従来の単磁極ヘッドでも主磁極先端部3aの高
さが小さくなると主磁極4のテーパー部が第二先端面2
bと同じ効果となるが、トラック幅方向の2方向にのみ
広い従来の構造では、補助磁界効果はほとんど期待でき
ない。
【0026】コイル6の磁界の方向は記録媒体に対して
垂直方向を向いているので、第二先端部2aの第二先端
面2b付近では、磁化が記録媒体に対して垂直に近い状
態にある。したがって、第二先端面2bの任意の点に現
れる表面磁荷密度(σ)は、次の次式(2)で最大値とな
る。
【0027】
【数2】
【0028】但し、nzは第二先端面の任意の点における
法線ベクトルの垂直成分とする。
【0029】また、その第二先端面2bが発生する第一
先端部1aの中心軸と軟磁性裏打ち層7の交点での磁界
Hは、飽和磁束密度(Bs)で規格化すると、次式(3)の
ように表わせる。
【0030】
【数3】
【0031】但し、rは第二先端面上の任意の点と上記
交点の線分、rzはその垂直成分とする。また、積分は
第二先端面2b全体にわたる面積分を意味する。
【0032】そこで具体的に本発明では、この第二先端
面2bに現れる表面磁荷密度(σ)の20%相当以上の磁
界を得るための第二先端面2bの形状と軟磁性裏打ち層
7に対する配置の仕方として、関係式 (1/4π)・
( nz・rz/r3 ) を使用することを提案している。
【0033】以上、本発明の概要を述べたが、これ以降
は図2〜図7を参照しながら複数の実施形態を挙げ具体
的な例に基づいて解説する。 (第1実施形態)図2には、本発明の第1実施形態とし
ての主磁極の先端形状を斜視図で示す。この先端形状
は、いわゆる「フラット型2段」と称す単磁極ヘッドの
計算モデルの一例であり、第二先端面2bは記録媒体
(不図示)に平行な平面であることを特徴とする。形状
設計に際し、ここでは計算の簡単化のため、第一先端面
1bと第二先端面2bは矩形、例えば正方形として、第
一先端部1aは第二先端部2aの中央に配置している。
【0034】各主磁極が鉛直方向に磁化し、主磁極材料
の飽和磁束密度(Bs)と等しい表面磁荷密度(σ)をその
先端面に一様に有したときの磁界Hの計算結果を、次式
(4)に示す。
【0035】
【数4】
【0036】但し、WとWは各々第一先端面1bと
第二先端面2bの幅であり、dは第一先端部1aの高
さ、gは第一先端面1bと軟磁性裏打ち層との距離であ
る。
【0037】計算方法は、従来の単磁極ヘッドの場合と
同様(即ち従来は、主磁極先端部3aを磁気飽和させる
為にそれ以外の磁性材料から成る部分は磁気飽和させな
いように、図8(c)に例示の如く主磁極4の断面形状
が主磁極先端部部3aに近づく程、断面積の小さくなる
ような設計)であってもよい。尚、磁界Hと磁界H
は各々第一先端面1bと第二先端面2bの作る磁界に相
当し、磁界Hは従来の単磁極ヘッドのつくる磁界と等
しい。
【0038】また、(4)式から磁界Hを最大にする第
一先端面1bの最適高さdを計算することができる。
これは、第二先端面2bと軟磁性裏打ち層(7)との距離
を決めることになる。
【0039】図3のグラフには、フラット型2段の単磁
極ヘッドにおける第一先端部の最適高さ(d)と、記録
磁界の第二先端面幅(W)依存性を表わしている。尚、
ここでは記録磁界はBsで規格化しており、トラック幅
が0.1μm、スペーシング(即ち距離)gが0.
03μmの場合の、最適高さdとその際の規格化磁界
の第二先端面幅W依存性を示している。
【0040】第二先端部2aが無い場合、磁界Hは0.
5程度の値であるが、第二先端部2aを凸状に設けるこ
とにより磁界Hは大きくなる。グラフ曲線が示す如く第
二先端面幅Wを大きくするほど磁界Hは大きくなり、
が0.4μm以上で主磁極材料の飽和磁束密度(B
s)に相当する磁界Hを越える。また、第二先端面幅W
が大きくなるほど最適高さdは大きくなるのは、
(3)式に現れるrzの寄与のためである。
【0041】また図4のグラフには、上記のフラット型
2段単磁極ヘッドにおける記録磁界の第一先端部1aの
高さ(d)の依存性を表わす。尚、記録磁界はBsで規格
化している。ここには例えば、第二先端面2bの幅W
が1μmと2μmのときの、規格化磁界の第一先端部1
aの高さd依存性を例示しており、0.1μm程度に最
適高さdは存在するが、最適値からのかい離が大きく
ても第二先端面2bの補助磁界効果は充分あると云え
る。したがって、第一先端部1aの寸法精度はそれほど
厳しい値を要求されないことが解る。
【0042】このように第1実施形態では、主磁極4の
主磁極先端部3aにおいて第一、第二先端部(1a,2
a)から成る2段形状をもち、しかも第二先端面2bが
記録媒体に対して平行な平坦(フラット)面であるような
所謂「フラット型2段」なる形状に構成し、3次元的に
分布する磁界計算の結果に基づきその主磁極先端面の形
状を最適化しながら実施することにより、狭トラック時
の記録磁界の減少を抑制でき、かつその設計に応じて主
磁極材料の飽和磁束密度(Bs)相当以上の磁界を発生可
能な主磁極先端をもつ垂直磁気記録用単磁極ヘッドを実
現できる。
【0043】(第2実施形態)つづいて、図5(a),
(b)に本発明の第2実施形態としての主磁極先端形状
を示す。ここでは、いわゆる「テーパー型2段」の主磁
極先端形状を特徴とする単磁極ヘッドの計算モデルを例
示しており、図5(a)はその主磁極先端形状を斜視
図、図5(b)はその主磁極先端形状を側面図である。
【0044】この例の特徴は、記録媒体に対して第二先
端面2bが、前述の第1実施形態のような平行ではな
く、所定のテーパー角(α)を設けることにより、更に高
い磁界を得られるように改良したものである。すなわ
ち、このテーパー型2段型単磁極ヘッドは、正方形を成
す水平で平坦な第一先端面1bと、四角錐状の4つの斜
面部分を成す第二先端面2bから成るものである。上記
第一先端面1bは第二先端面2bの例えば中心に位置
し、各斜面が水平面(第一先端面1b)と成すテーパー
角(α)は後述する関係式に基づいて磁界の更なる強化の
ために最適値が計算される。
【0045】このモデルでも、計算の簡単化のため、第
一先端部1aおよび第二先端部2aの断面は正方形とし
その中心を一致させている。また、本実施形態では計算
の簡単化のため、第二先端部2aのつくる四角錐の頂点
Pと、軟磁性裏打ち層(7)の表面を一致させているが、
これは応用により最適化できる事項である。このような
2段型単磁極ヘッドがつくる磁界Hを次式(5)に表わ
す。
【0046】
【数5】
【0047】ここで、第二先端部2a内での磁化の向き
は鉛直方向に飽和しているものとして、記録媒体とテー
パー角(α)を成す第二先端面2bにおける表面磁荷密度
(σ)は、次式(6)で表わせるものとする。
【0048】
【数6】
【0049】そして、上記の(5)式をテーパー角αにつ
いて微分することにより、磁界Hが最大となる最適テー
パー角αが次式(7)のように求まる。
【0050】
【数7】
【0051】この最適テーパー角αでの第二先端面2
bがつくる磁界(H)を次式(8)に示す。
【0052】
【数8】
【0053】図6のグラフには、例示した「フラット
型」および「テーパー型」2段単磁極ヘッドの記録磁界
の比較を表わしている。尚、記録磁界はBsで規格化す
る。これらのグラフ曲線は、テーパー型とフラット型2
段単磁極ヘッドがつくる磁界の第二先端面幅(W)依存
性であり、図示の如くテーパー型の方がフラット型より
も高い磁界を発生できることが解る。
【0054】また、図7のグラフは、テーパー型第二先
端面2bのつくる磁界のテーパー角(α)依存性を表わし
ている。但し、ここでの記録磁界は、Bsおよび第二先
端面幅Wと第一先端面幅Wの比の対数( ln(W/
) )で規格化している。
【0055】第二先端面2bがつくる磁界(H)のテー
パー角(α)依存性においては、縦軸はln(W/W)で
規格化してある。最適角αは前述の通り約40°であ
るが、テーパー角αが最適値αから大きく外れても充
分な補助磁界効果が得られることが解る。ただし、この
モデルでは約30°が有限の第一先端部1aの高さ(d)
を得るための下限α値となる。
【0056】以上の知見から、第二先端面2bは2段型
のみならず「多段型」、および球面を含んだ構造でも、
充分な補助磁界効果が得られる。
【0057】このよう第2実施形態では、主磁極4の主
磁極先端部3aにおいて第一、第二先端部(1a,2a)
から成る2段形状をもつが、第二先端面2bが記録媒体
に対して第1実施形態のような平行ではなく、所定のテ
ーパー角(α)がつけられた所謂「テーパー型2段」なる
形状に構成し、3次元的に分布する磁界計算の結果に基
づきその主磁極先端面の形状を最適化しながら実施する
ことで、第1実施形態より更に高い磁界が得られる垂直
磁気記録用単磁極ヘッドを実現できる。
【0058】(変形例)各部位の形状や寸法などは、磁
界効果に影響し得るが、設計事項として適宜に変形実施
してもよく、第1、第2実施形態と同等またはそれ以上
の効果が期待できる。このほかにも、本発明の要旨を逸
脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0059】以上、実施形態に基づき説明したが、本明
細書中には次の発明も含まれる。 (1) 所定形状の断面で有限の高さを有する角錐形状
から成るトラック幅を決める第一先端部の中心軸と垂直
磁気記録用2層膜媒体の軟磁性裏打ち層の表面との交点
と、(1/4π)・( nz・rz/r3 ) なる数式に
おいて、下記第二先端部の記録媒体対向面全体にわたる
積分を行なったときの値が0.2以上となるように設計
された第二先端部と、を具備して、複数の階段状を成す
垂直磁気記録用単磁極ヘッドを提供できる。但し、rは
上記第二先端部の記録媒体に対し90°以下の角度を有
する記録媒体対向面上の点を結ぶ線分、rzはその記録
媒体に対し垂直な成分、nzは記録媒体対向面上の単位法
線ベクトルの記録媒体に対し垂直な成分とする。
【0060】(2) 上記第一先端部または上記第二先
端部の記録媒体対向面は、矩形または円形、或いはこれ
らの組み合わせから成り、上記記録媒体と上記第二先端
部の表面が成すテーパー角(α)は、約40°(即ち、4
0°±20°)であることを特徴とする(1)に記載の
単磁極ヘッドを提供できる。 (3) 上記第二先端部の表面における表面磁荷密度に
起因する補助磁界効果を考慮して、各部位の形状や寸法
を決定することを特徴とする(1)に記載の単磁極ヘッ
ドを提供できる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
狭トラック時の記録磁界の減少を抑えるばかりではな
く、設計に応じては主磁極材料の飽和磁束密度(Bs)相
当以上の磁界を発生できるような主磁極先端の形状をも
つ垂直磁気記録用単磁極ヘッドを提供することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の垂直磁気記録用の単磁極ヘッドの主
磁極と、この単磁極ヘッドに適するコイルを概略的に示
す斜視図。
【図2】 本発明の第1実施形態としての単磁極ヘッド
(フラット型2段)の主磁極先端形状の概要を示す斜視
図。
【図3】 この第1実施形態の単磁極ヘッドにおける第
一先端部の最適高さと記録磁界の第二先端面幅依存性を
表わすグラフ。
【図4】 この第1実施形態の単磁極ヘッドにおける記
録磁界の第一先端部の高さ依存性を表わすグラフ。
【図5】 本発明の第2実施形態としての単磁極ヘッド
(テーパー型2段)を示し、図5(a)は、その主磁極先
端形状を示す斜視図、図5(b)は、その主磁極先端形
状を示す側面図。
【図6】 本発明の第1実施形態(フラット型)と第2実
施形態(テーパー型)における2段単磁極ヘッドの記録磁
界の比較を表わすグラフ。
【図7】 第2実施形態としてのテーパー型単磁極ヘッ
ドの第二先端面がつくる磁界のテーパー角依存性を表わ
すグラフ。
【図8】 従来の単磁極ヘッドを示し、図8(a)は、
単磁極ヘッドの構造と垂直磁気記録用2層膜媒体を示す
側面図、図8(b)は、単磁極ヘッドの構造と垂直磁気
記録用2層膜媒体を示す正面図、図8(c)は、単磁極
ヘッドの斜視図。
【図9】 従来の単磁極ヘッドにおけるBsで規格化さ
れた記録磁界のトラック幅(W)および主磁極膜厚(Tm)
依存性を表わすグラフ。
【符号の説明】
1a…主磁極の第一先端部、 1b…第一先端面、 2a…主磁極の第二先端部、 2b…第二先端面、 3a…主磁極先端部、 3b…主磁極先端面、 4…主磁極、 5…リターンヨーク、 6…コイル、 7…記録媒体の軟磁性裏打ち層、 8…記録媒体の記録層、 10…垂直磁気記録用単磁極ヘッド。
フロントページの続き (72)発明者 中村 慶久 宮城県仙台市青葉区片平二丁目1番1号 東北大学電気通信研究所内 (72)発明者 村岡 裕明 宮城県仙台市青葉区片平二丁目1番1号 東北大学電気通信研究所内 (56)参考文献 特開 昭53−90914(JP,A) 特開 平8−315311(JP,A) 実開 昭61−145311(JP,U) 実開 昭60−159616(JP,U) 特許2535055(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/127 - 5/255

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主磁極先端部が、矩形又は台形の断面を
    有する角柱状からなりトラック幅を決める第一先端部
    、上記第一先端部に繋がる面のうちの3辺以上が該第
    一先端部よりも寸法が長い第二先端部とで構成される
    形状の2段構造となっており、 記録媒体から上記第一先端部よりも離れる上記第二先端
    部から磁界を上記第一先端部の磁界に重畳することによ
    り、該第一先端部の記録磁界を強めることを特徴とする
    垂直磁気記録用単磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記垂直磁気記録用単磁気ヘッドにおい
    て、 上記第二先端部における上記第一先端部の周囲に繋がる
    面の上記3辺以上のうちの少なくとも2辺以上が 該第二
    先端部から該第一先端部へ絞り込む凸形状の2段構造
    あることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録用
    単磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記垂直磁気記録用単磁気ヘッドにおい
    て、 記第一先端部の先端部分に近接して設けられたコイル
    を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直
    磁気記録用単磁気ヘッド。
JP2001087401A 2001-03-26 2001-03-26 垂直磁気記録用単磁極ヘッド Expired - Fee Related JP3532163B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001087401A JP3532163B2 (ja) 2001-03-26 2001-03-26 垂直磁気記録用単磁極ヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001087401A JP3532163B2 (ja) 2001-03-26 2001-03-26 垂直磁気記録用単磁極ヘッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002288806A JP2002288806A (ja) 2002-10-04
JP3532163B2 true JP3532163B2 (ja) 2004-05-31

Family

ID=18942652

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001087401A Expired - Fee Related JP3532163B2 (ja) 2001-03-26 2001-03-26 垂直磁気記録用単磁極ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3532163B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8842389B2 (en) * 2009-10-26 2014-09-23 Headway Technologies, Inc. Wrap-around shielded writer with highly homogeneous shield material
JP6116647B2 (ja) * 2015-11-06 2017-04-19 日本電産サンキョー株式会社 磁気センサ装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5390914A (en) * 1977-01-20 1978-08-10 Fujitsu Ltd Iron core of magnetic head
JPS60159616U (ja) * 1984-04-02 1985-10-23 トヨタ自動車株式会社 成形型
JPS61145311U (ja) * 1985-02-26 1986-09-08
JP2535055B2 (ja) * 1988-04-25 1996-09-18 リコー応用電子研究所株式会社 垂直磁気記録再生用ヘッド
JPH08315311A (ja) * 1995-05-22 1996-11-29 Sharp Corp 磁気記録ヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002288806A (ja) 2002-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2947621B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド
US7460342B2 (en) Method to form tapered magnetic shield for perpendicular recording head
KR101496141B1 (ko) 에어 베어링 표면으로부터 떨어진 바이어싱 구조를 가지는 자기 엘리먼트
JP2005302281A (ja) ヘッド磁界の増加方法、ならびに磁気記録ヘッドおよびその製造方法
US5920449A (en) Recording head for single layer magnetic film perpendicular magnetization medium
JPH08339508A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法ならびに磁気記憶装 置
JP2007294059A (ja) 垂直記録磁気ヘッド
JP2007087506A (ja) 垂直磁気記録ヘッド及びその製造方法
JP4978680B2 (ja) パターンド磁気記録媒体
JP2002092821A5 (ja)
Greaves et al. Multiple layer microwave-assisted magnetic recording
US8098456B2 (en) Perpendicular magnetic recording head having a tapered main pole
Bai et al. Micromagnetics of perpendicular write heads with extremely small pole tip dimensions
JP3532163B2 (ja) 垂直磁気記録用単磁極ヘッド
US7016149B2 (en) Recording magnetic head and magnetic storage device using the same
JP3602038B2 (ja) 磁気ヘッドおよび磁気記録再生装置
JP2010135008A (ja) 磁気ヘッドとその製造方法および情報記憶装置
JP3639603B2 (ja) 磁気ディスク装置
JP2010157298A (ja) 垂直磁気記録ヘッド及び磁気記録装置
Ito et al. Current progress of single-pole-type GMR heads for perpendicular recording
Xia et al. Resolution improvement of transition width with shielded pole writer
Kim et al. Design of recessed yoke heads for minimizing adjacent track encroachment
Senanan et al. Effect of medium permeability on the perpendicular recording process
JP4490579B2 (ja) 誘導型薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JP2006260700A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090312

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100312

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100312

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110312

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110312

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120312

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140312

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees