JP2010157298A - 垂直磁気記録ヘッド及び磁気記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】主磁極及びトレーリングシールドの形状、材質を的確に設計することによって、優れた記録特性を有する垂直磁気記録ヘッドを提供する。
【解決手段】Apex断面における主磁極のTGDの領域における磁荷に相当するMPチャージ=Bs-mp×ΔMPLと、Apex断面における前記TGDの範囲の前記主磁極を前記トレーリングシールドに向けて平行に投影した領域の磁荷に相当するTSチャージ=Bs-ts×min(TH,TGD)とが、次式の関係にある垂直磁気記録ヘッド。TSチャージ/MPチャージ≧1.0 なお、Bs-mpは主磁極の飽和磁束密度、Bs-tsはトレーリングシールドの飽和磁束密度、ΔMPLは主磁極の厚さ方向の絞り量、TGDは主磁極の浮上面位置から前記絞り部のハイト方向の後端縁位置までの長さ、THはトレーリングシールドハイト、min(TH,TGD)はTHとTGDのいずれか小さい値である。
【選択図】図5

Description

本発明は、垂直磁気記録ヘッド及びこの垂直磁気記録ヘッドを用いた磁気記録装置に関する。
磁気記録装置(HDD)は、データを記録する磁気記録媒体と、磁気記録媒体にデータを記録し、再生するための磁気ヘッドとを備える。磁気ヘッドは、磁気記録媒体にデータを記録する記録ヘッドと、磁気記録媒体に記録されたデータを読み取る再生ヘッド(リードヘッド)とを有する。近年、記録ヘッドには磁気記録媒体の面内記録密度の向上に有利な垂直磁気記録ヘッドが用いられるようになってきた。
垂直磁気記録ヘッドは、記録磁界を発生する主磁極と、主磁極の磁界勾配を大きくし,媒体上の記録磁化遷移幅を狭くすることで記録品質を向上することを目的とするトレーリングシールドを備える。
主磁極は記録磁界強度を強めるため、平面形状は、浮上面(ABS面)の近傍位置では細幅に絞った形態とし、絞り位置からハイト方向(浮上面から離間する方向)には徐々に幅広になる形態とされる。また、主磁極の厚さ方向には、浮上面の近傍位置では薄く、浮上面からハイト方向に向けてスロープ状あるいはステップ状に厚くなる形態とされる。
いずれも、浮上面の近傍において、細幅あるいは薄く絞った形態とすることによって、主磁極の先端部に記録磁界を集中させ、主磁極による記録磁界を強くし、急峻にして高密度記録を可能にするためである。
トレーリングシールドは、この主磁極の上に、アルミナ等の非磁性材を介して30nm〜40nm離間した配置に形成される。
特開2006−172632号公報 特開2007−294059号公報
IEEE Trans.Magn.,VOL.39,NO.4,pp.1955-1960,July 2003. IEEE Trans.Magn.,VOL.39,NO.5,pp.2405-2407.September 2003.
垂直磁気記録ヘッドの主磁極による記録磁界の強さや磁界勾配などは、主磁極のスロートハイトといった平面形状、主磁極の厚さ方向の絞り量、絞り部(スロープ部)の角度、トレーリングシールドの配置及び形状、主磁極とトレーリングシールドの材料等によって左右される。たとえば、スロートハイトが短い場合には磁界強度が高くなり、スロートハイトが長くなると磁界強度が弱くなる。
したがって、主磁極による記録磁界を強くし、かつ磁界勾配を適正に制御して設計するには、使用する磁性材料を選択することと合わせて、主磁極とトレーリングシールドの形状、寸法を的確に設計する必要がある。
本発明は、主磁極及びトレーリングシールドを備える垂直磁気記録ヘッドにおいて、主磁極及びトレーリングシールドの形状、材質を的確に設計することによって、優れた記録特性を有する垂直磁気記録ヘッド及びこの垂直磁気記録ヘッドを備えた磁気記録装置を提供し、垂直磁気記録ヘッドの好適な設計方法を提供することを目的とする。
垂直磁気記録ヘッドについての実施形態の一観点によれば、厚さ方向の絞り部を備える主磁極と、該主磁極に対向して配置されたトレーリングシールドとを備える垂直磁気記録ヘッドであって、Apex断面における主磁極のTGDの領域における磁荷に相当するMPチャージ=Bs-mp×ΔMPLと、Apex断面における前記TGDの範囲の前記主磁極を前記トレーリングシールドに向けて平行に投影した領域の磁荷に相当するTSチャージ=Bs-ts×min(TH,TGD)とが、次式の関係にある垂直磁気記録ヘッド。TSチャージ/MPチャージ≧1.0あるいは、TSチャージ/MPチャージ≦2.5。
Bs-mpは主磁極の飽和磁束密度、Bs-tsはトレーリングシールドの飽和磁束密度、ΔMPLは主磁極の厚さ方向の絞り量、TGDは主磁極の浮上面位置から前記絞り部のハイト方向の後端縁位置までの長さ、THはトレーリングシールドハイト、min(TH,TGD)はTHとTGDのいずれか小さい値である。
本発明に係る垂直磁気記録ヘッドは、Apex断面における主磁極のTGDの領域における磁荷に相当するMPチャージと、Apex断面における前記TGDの範囲の前記主磁極を前記トレーリングシールドに向けて平行に投影した領域の磁荷に相当するTSチャージに基づき、TSチャージ/MPチャージをパラメータとして、主磁極とトレーリングシールドとが設計され、記録特性に優れた垂直磁気記録ヘッドとして提供される。
磁気記録装置の内部構成を示す平面図である。 垂直磁気記録ヘッドを備える磁気ヘッドの断面図である。 主磁極とトレーリングシールドとの正面図(a)、透視図(b)、Apex断面図(c)、主磁極の平面図(d)である。 主磁極とトレーリングシールドの透視斜視図である。 主磁極とトレーリングシールドのApex断面図である。 主磁極とトレーリングシールドのApex断面図である。 計算で使用した主磁極とトレーリングシールドの形状とパラメータを示すApex断面図である。 θをパラメータとした磁界勾配を示すグラフである。 θをパラメータとした記録磁界の強度を示すグラフである。 (TSチャージ/MPチャージ)をパラメータとした磁界勾配を示すグラフである。 (TSチャージ/MPチャージ)をパラメータとした記録磁界の強度を示すグラフである。
(磁気記録装置)
図1は本発明に係る垂直磁気ヘッドを備える磁気ヘッドを搭載した磁気記録装置300の平面図である。
磁気記録装置30は、矩形の箱状に形成されたケーシング31内に、スピンドルモータによって回転駆動される複数の磁気記録媒体32を備える。磁気記録媒体32の側方には、媒体面に平行に揺動可能に支持されたアクチュエータアーム33が配されている。アクチュエータアーム33の先端には、アクチュエータアーム33の延長方向にサスペンション34が取り付けられ、サスペンション34の先端にヘッドスライダ35が取り付けられる。ヘッドスライダ35は、サスペンション34の媒体に対向する面に取り付けられている。
ヘッドスライダ35には記録ヘッドとリードヘッドとを備える磁気ヘッドが形成されている。ケーシング31の背面には制御部を備えるプリント板ユニットが実装される。磁気ヘッドと制御部とは、サスペンション34の表面に形成された配線、及びアクチュエータアーム33の側面に取り付けられたフレキシブル基板36を介して電気的に接続される。ヘッドスライダ35に形成された磁気ヘッドにより磁気記録媒体32に情報を記録し、磁気記録媒体32に記録されている情報を読み取る処理は、制御部によって制御されるアクチュエータ37により、アクチュエータアーム33を所定位置に揺動させる操作(シーク動作)とともになされる。
図1に示す磁気記録装置30は、磁気ヘッドを磁気記録媒体32の側方に退避させる退避機構として、サスペンション34の突端に設けられたタブ34aを支持するランプ38を備えている。
(磁気ヘッド)
図2は、垂直磁気記録ヘッドを備える磁気ヘッドの構成を浮上面(ABS面)に直交するコア幅の中心を通る断面(A-A線位置が浮上面)によって示している。この磁気ヘッドは、媒体に情報を記録する記録ヘッド10と、媒体に記録された情報を読み取るリードヘッド20とを備える。
記録ヘッド10は、主磁極11、第1リターンヨーク12及び第2リターンヨーク13を備える。第1リターンヨーク12は主磁極11のリーディング側に配置され、第2リターンヨーク13は主磁極11に対しリーディング側と反対側に配置される。
主磁極11と第2リターンヨーク13とは後部側(ハイト方向)でバックギャップ15により連結され、コイル16がヨーク部110を巻回する配置に設けられている。なお、主磁極11と第一リターンヨーク12とをさらに接続した構成とすることもできる。
第2リターンヨーク13の前端部には主磁極11に対向する配置にトレーリングシールド14が設けられる。
リードヘッド20は、下部シールド層21、上部シールド層22及びリード素子23を備える。
なお、図1において、各層間はアルミナ等の非磁性絶縁体によって充填されている。
図1に示す磁気記録装置30は、図2に示す磁気ヘッドが形成されたヘッドスライダ35を搭載している。
(垂直磁気記録ヘッド)
図2に示したように、トレーリングシールド14は主磁極11の上に非磁性材を介して主磁極11に対向する配置に設けられる。
図3(a)は、垂直磁気記録ヘッドの主磁極11とトレーリングシールド14の浮上面における正面形状、図3(b)は、主磁極11を浮上面から透視した透視図、図3(c)は、主磁極11とトレーリングシールド14の断面図(Apex断面)、図3(d)は、主磁極11の平面図である。
図3(a)に示すように、主磁極11の浮上面における端面形状は、リーディング側が幅狭となる逆台形状に形成される。スキュー角が変動した場合であっても隣接するトラックの記録データに影響を与えないようにするためである。
図3(d)に示すように、主磁極11は浮上面側に平坦部11aが形成されスロープ部113を介してハイト方向に徐々に幅広となる主体部11dと一体に連結した形態に形成される。
図3(c)に示すように、平坦部11aはトレーリングシールド14に対向する上面が浮上面に対して垂直となる平坦面に形成される。スロープ部113は、トレーリングシールド14に対向する面が、平坦部11aの面に対して傾斜した面に形成される。
主磁極11の下面は平坦面であり、平坦部11aの膜厚(D1)は主体部11dの膜厚(D2)よりも薄く形成される。スロープ部113を介して平坦部11aと主体部11dとが連結されることにより、主磁極11は、先端側が厚さ方向に絞られた形態となる。主磁極11は厚さ方向にはスロープ部113が絞り部となる。
図示例の主磁極11のスロープ部113は、第1のスロープ部11bと第2のスロープ部11cの2つのスロープ部からなる。第1のスロープ部11bと第2のスロープ部11cは、平面方向における開き角度が異なることから区別している。なお、第1のスロープ部11bと第2のスロープ部11cの傾斜面の角度は共通である。
図3(d)に示すように、第2のスロープ部11cは、第1のスロープ部11bにくらべて側面の開き角度が大きい。図3(b)は、第2のスロープ部11cが第1のスロープ部11bよりも側面の開き角度が大きくなっていることを示している。
図示例の主磁極11は、平面方向には、平坦部11aと第1のスロープ部11bによって絞り部112が形成され、第2のスロープ部11cと主体部11dによって幅広部114が形成される。
なお、図3(d)に、図3(c)におけるC線の高さ位置における平面形状を破線によって示した。C線の高さ位置に固定すると、NHの領域ではコア幅が一定となり、NHよりもハイト方向側では主体部11dは一様な角度で広がる形状となる。
本明細書においては、主磁極11及びトレーリングシールド14の各部の長さを以下のように規定する。
TGDL:浮上面(図3のA線位置)から平坦部11aと第1のスロープ部11bの境界位置までの長さ。NH(Neck Height):浮上面から第1のスロープ部11bと第2のスロープ部11cとの境界位置までの長さ(浮上面から絞り部分と幅広部との境界までの長さ)。TGD(Trailing Gap Depth):浮上面から第2のスロープ部11cと主体部11dとの境界位置までの長さ。TH(Trailing Height):トレーリングシールド14の浮上面からハイト方向の長さ(厚さ)。TG:主磁極とトレーリングシールドとの対向面間の間隔。
(主磁極とトレーリングシールドの設計方法)
以下においては、主磁極とトレーリングシールドとを備える垂直磁気記録ヘッドにおいて、主磁極の記録磁界を適正に制御するために、主磁極とトレーリングシールドの形状を最適化する設計方法について説明する。
図4は、主磁極11を浮上面側から見た透視斜視図である。トレーリングシールド14は主磁極11上に、非磁性層を介してコア幅方向に延在する配置に、ハイト方向(厚さ方向)に所定の厚さ(TH)に形成される。
図4の斜線領域(B)は、トレーリングシールド14が主磁極11の上面に対向する領域部分を示す。
主磁極の記録磁界を適正に制御するためには、主磁極とトレーリングシールドとの磁気的な関係を考慮して主磁極とトレーリングシールドを設計する必要がある。
主磁極は、記録媒体にデータを記録する際には、記録媒体の表面に対して垂直方向に磁化し、このときトレーリングシールドには主磁極の磁化方向とは垂直方向に磁化される。すなわち、トレーリングシールドは、主磁極の磁化方向と垂直方向に磁化して、主磁極による記録磁界の強さや、磁界勾配を調節するように作用する。
主磁極とトレーリングシールドとの配置や形状を設計する場合に、従来は、各部の寸法をパラメータとして設定し、主磁極等に使用する磁性材料を変えながら、シミュレーションによる数値計算によって磁界強度を求め、最適化している。
本発明における最適化方法は、従来方法とは異なり、主磁極と主磁極に対向して配置されているトレーリングシールドの対向面に生じる磁荷(チャージ)を比較して設計する。すなわち、本発明方法においては、図4に示すように、主磁極とトレーリングシールドとの対向面(斜線領域)における磁荷を考慮して設計する。
図4における斜線領域(B)は、主磁極11の上面をトレーリングシールド14に向けて平行に投影した領域である。トレーリングシールド14は、主磁極11を形成した後、所定の厚さに非磁性層を形成し、非磁性層に積層して形成される。したがって、トレーリングシールド14に投影された主磁極11の領域は主磁極11の上面形状と同一になる。
以下においては、主磁極11の上面のスロープ部113やトレーリングシールド14の主磁極11に対向する面に生じる磁荷について検討する。その際に、主磁極11とトレーリングシールド14のApex断面をもとに検討する。これは、主磁極11とトレーリングシールド14の対向面については面形状が同一であるから、Apex断面における形状を比較すれば十分であることに基づく。実際の製品においては、主磁極11の上面の形状と、トレーリングシールド14の主磁極11との対向部分の形状が完全に同一形状にならない可能性はある。設計上(理論上)はその差は無視しても問題はない。
(Apex断面のチャージ:形態1)
図5は、平坦部11aを備えない形状の主磁極11とトレーリングシールド14のApex断面図を示す。
主磁極のスロープ部113の前端面が浮上面に露出し、スロープ部113の後方に主体部が続く配置となる。スロープ部113の浮上面に位置する先端縁が低位に、スロープ部113のハイト方向が高位に形成され、スロープ部113の前端と後端の高さの差(ΔMPL)が、主磁極11の厚さ方向の絞り量である。
なお、本明細書においては、浮上面側を前方、浮上面から離れる側を後方とする。
図5(a)に示すトレーリングシールド14は、主磁極11のスロープ部113に対向する面がスロープ部113と同一の傾斜角度に形成された傾斜面部141と、傾斜面部141と一体に形成された平坦部142とを備える。トレーリングシールド14のトレーリングシールドハイトTHはスロープ部113の後端位置、すなわちTGDよりも大きくなっている(TH>TGD)。
図5(b)に示すトレーリングシールド14は、THの全域にわたって、主磁極11に対向する面がスロープ部113と同一の傾斜角度を有する傾斜面部141とし、THをTGDよりも長く設定した(TH>TGD)例である。
図5(c)に示すトレーリングシールド14は、THがTGDよりも小さい(TH<TGD)例であり、主磁極11に対向する傾斜面部141の面がスロープ部113と同一の傾斜面に形成されている例である。本例のトレーリングシールド14は、傾斜面部141から後方の領域が大きく切除された形態となっている。
図5に、主磁極11とトレーリングシールド14の磁化方向を矢印によって示した。記録操作を行う際には、主磁極11は記録媒体の媒体面に垂直方向に磁化する。これによって主磁極11の先端面とスロープ部113に磁荷が生じる。磁荷を+記号によって示した。本発明において、主磁極11とトレーリングシールド14とを設計する際には、トレーリングシールド14に対向する主磁極11のスロープ部113の磁荷(図の太線部分)を考慮する。
トレーリングシールド14は主磁極11の磁化方向とは直交する方向に磁化し、主磁極11に対向する面に磁荷が発生する。トレーリングシールドにおいては、主磁極11をトレーリングシールド14に平行に投影した領域における磁荷(図の太線部分)を考慮する。トレーリングシールドの磁荷を−記号によって示した。
図5(a)に示す例においては、トレーリングシールド14の傾斜面部141の領域は主磁極11のスロープ部113とほぼ一致しているから傾斜面部141における磁荷が考慮される。
図5(b)では、TH>TGDであり、トレーリングシールド14の傾斜面部141のうちスロープ部113を投影した領域の磁荷を考慮する。
図5(c)では、TH<TGDであり、トレーリングシールド14の傾斜面部141の全域の磁荷を考慮する。
主磁極11のスロープ部113の磁荷(MPチャージ)は、スロープ部113の磁荷の密度とスロープ部113の斜面の長さに比例する。
磁気記録時には主磁極11はほぼ飽和磁化しており、主磁極11の飽和磁束密度をBs-mpとすると、スロープ部113の斜面における磁荷の密度はBs-mp×sinθとなる。
また、スロープ部113の長さは、ΔMPL/sinθによって与えられる。ΔMPLは、スロープ部113を厚さ方向に見た絞り量である。MPチャージは次式によって表される。
MPチャージ=(Bs-mp×sinθ)×(ΔMPL/sinθ)=Bs-mp×ΔMPL・・・(1)
一方、トレーリングシールド(TS)に生じる磁荷(TSチャージ)は、トレーリングシールド14の傾斜面部141における磁荷の密度と、傾斜面部141にスロープ部113を投影した投影部分の長さに比例する。
トレーリングシールド14も、磁気記録時にはほぼ飽和磁化する。トレーリングシールド14の飽和磁束密度をBs-tsとすると、トレーリングシールド14の傾斜面部141における磁化の密度は、Bs-ts×cosθとなる。また、トレーリングシールド14の傾斜面部141の斜面の長さは、min(TH,TGD)/cosθとなる。min(TH,TGD)は、TH(Trailing Height)とTDG(Trailing Gap Depth)のうちいずれか小さい値の意である。こうして、TSチャージは次式によって表される。
TSチャージ=(Bs-ts×cosθ)×(min(TH,TGD)/cosθ)=Bs-ts×min(TH,TGD)・・・(2)
図5(a)、(b)のような場合は、min(TH,TGD)はTHとなり、図5(c)のような場合は、min(TH,TGD)はTGDとなる。
(Apex断面のチャージ:形態2)
図6(a)、(b)、(c)は、平坦部11aとスロープ部113を備える主磁極11とトレーリングシールド14のApex断面を示す。
図6(a)は、主磁極11の平坦部11a、スロープ部113の形状にならってトレーリングシールド14に浮上面(A-A線位置)側から第1の平坦部143、傾斜面部141、第2の平坦部144が形成されていることを示す(TH>TGD)。主磁極11とトレーリングシールド14との間にはギャップ材として非磁性材が介在し、トレーリングシールド14の主磁極11に対向する面は、主磁極11の上面と平行に形成される。
主磁極11とトレーリングシールド14との設計に際して考慮する磁荷は、主磁極11のスロープ部113に生じる磁荷と、トレーリングシールド14の第1の平坦部143と傾斜面部141における磁荷である(図の太線部分)。
図6(b)は、トレーリングシールド14が平坦部143と傾斜面部141からなる場合で、TH>TGDの場合である。傾斜面部141の主磁極11に対向する面は、スロープ部113と同一の傾斜面に形成されている。この場合は、主磁極11のスロープ部113の磁荷と、トレーリングシールド14の第1の平坦部143と傾斜面部141のうち、スロープ部113を傾斜面部141に平行に投影した領域の磁荷(図の太線部分)が考慮する対象となる。
図6(c)は、トレーリングシールド14が平坦部143と傾斜面部141からなる場合で、TH<TGDの場合である。この場合は、トレーリングシールド14の第1の平坦部143と傾斜面部141の全域の磁荷を考慮する(図の太線部分)。
図6に示した例において、主磁極11のトレーリングシールド14に対向する面の磁荷(MPチャージ)は、スロープ部113に生じる磁荷のみであり、前述した例と同様に、次式によって表される。Bs-mpは主磁極11の飽和磁束密度である。
MPチャージ=(Bs-mp×sinθ)×(ΔMPL/sinθ)=Bs-mp×ΔMPL・・・(3)
ΔMPLは、スロープ部113の厚さ方向の絞り量に相当する。
トレーリングシールド14において考慮する磁荷(太線部分の磁荷)は、第1の平坦部143における磁荷と、傾斜面部141における磁荷の双方を加えたものとなる。
トレーリングシールド14の第1の平坦部143における磁荷は、トレーリングシールド14の飽和磁束密度Bs-tsと、TGDLを用いて、(Bs-ts×TGDL)となる。
トレーリングシールド14の傾斜面部141における磁荷は、傾斜面部141の磁荷の密度(Bs-ts×cosθ)と傾斜面部141の長さ{min(TH,TGD)−TGDL}/cosθ)との積となる。
TSチャージは、第1の平坦部143と傾斜面部141の和として、次式によって表される。
TSチャージ=(Bs-ts×TGDL)+(Bs-ts×cosθ)×{min(TH,TGD)−TGDL}/cosθ)
=Bs-ts×min(TH,TGD)・・・(4)
ここで、min(TH,TGD)は、THとTGDのうち小さい方の値である。図6(a)、(b)の配置の場合には、min(TH,TGD)はTGDとなり、図6(c)の配置の場合は、min(TH,TGD)はTHとなる。
(計算例)
次に、図5に示した主磁極11の形態の場合、すなわちスロープ部113の前端縁が浮上面に位置する形状の主磁極を備える垂直磁気記録ヘッドについて、実際に記録磁界の強度、記録磁界の勾配を計算した結果について説明する。
図7は、実際の計算に用いた主磁極とトレーリングシールドの断面形状を示す。磁界強度と磁界の勾配の計算では、主磁極のスロープ部の傾斜角度θを15°、30°、40°とした場合について計算した。
計算に使用した各部のパラメータは下記の通りである。
主磁極:浮上面における厚さ 220nm、絞り量ΔMPL 50nm、NH 110nm、主磁極材 FeCo(Bs:2.4T)。トレーリングシールド:TH 110nm、TG(主磁極とトレーリングシールドとの間のギャップ)45nm、トレーリングシールド材 FeCo(Bs:2.4T)、CoNiFe(1.8T)。なお、コア幅: 120 nm,主磁極逆台形角度 12 度, 磁界計算位置はヘッドから23 nm(媒体記録層中心位置)を想定して計算した。
図8〜11は、上記条件の下において、主磁極とトレーリングシールドがともに飽和磁化状態になった場合における記録磁界強度と記録磁界の勾配を計算した結果を示す。磁界強度と磁界勾配の計算は数値計算により、θ=60度付近まで求めた。
図8、9は、磁界強度と磁界の勾配を計算した結果を主磁極のスロープ部の角度θをパラメータ(横軸)として示した結果を示す。いずれも、トレーリングシールドにFeCo(Bs:2.4T)を使用した場合と、CoNiFe(1.8T)を使用した場合について示す。主磁極は、いずれもFeCo(Bs:2.4T)としている。
図8に示す計算結果は、トレーリングシールドにFeCoを使用した場合にくらべて、CoNiFeを使用した場合には、スロープ角度がより小さい角度で記録磁界の勾配が小さくなることを示す。これは、CoNiFeの方がFeCoよりも飽和磁束密度が低いために、スロープ角度が小さい角度で磁荷が飽和してしまうためと考えられる。垂直磁気記録ヘッドとしては、磁界勾配が大きい方が、記録磁界が集束し微細に記録できることから特性的に好ましい。
図9に示す計算結果は、トレーリングシールドにFeCo(Bs:2.4T)を使用した場合は、スロープ角度が35°付近においてピークとなることを示す。トレーリングシールドにCoNiFe(1.8T)を使用した場合は、スロープ角度が30°付近から、スロープ角度が大きくなるにしたがって記録磁界強度が小さくなる傾向がみられる。垂直磁気記録ヘッドの特性としては、記録磁界強度が強い方が望ましい。
図10、11は、記録磁界の勾配と記録磁界の強度についての計算結果を、前述した(MPチャージ)と(TSチャージ)の比をパラメータとして表したものである。
図10は(TSチャージ/MPチャージ)を横軸のパラメータとして示した記録磁界の勾配を示し、図11は、(TSチャージ/MPチャージ)を横軸のパラメータとして記録磁界の強度を示している。
図10と図11のグラフにおいて特徴的な点は、いずれのグラフも、トレーリングシールドにFeCo(Bs:2.4T)を使用した場合と、CoNiFe(1.8T)を使用した場合の計算結果が、ほぼ同一の曲線としてあらわれている点である。このことは、(TSチャージ/MPチャージ)をパラメータとして記録磁界の勾配と記録磁界の強さを示す方法によれば、トレーリングシールドに使用する材料(飽和磁束密度)によらずに、垂直磁気記録ヘッドの磁界強度、磁界の勾配についての傾向(特性)を知ることができることを意味する。
図10の磁界勾配のグラフからは、(TSチャージ/MPチャージ)が大きくなるにしたがって磁界勾配が大きくなり、比が1.0程度以上になるとかなり良好な磁界勾配が得られることがわかる。さらに、(TSチャージ/MPチャージ)が1.3程度以上の範囲において、ほぼ最高値を維持している。
したがって、磁界勾配についてみると、(TSチャージ/MPチャージ)が1.0以上が好適な範囲であり、さらに好適には1.3以上の範囲であると言える。
また、図11の記録磁界強度のグラフからは、(TSチャージ/MPチャージ)が2.5を超えると磁界強度が徐々に弱まることから、(TSチャージ/MPチャージ)が2.5以下の範囲が好適な範囲であり、ピーク値に近い値となる(TSチャージ/MPチャージ)が2.0以下がとくに好ましい範囲となる。
上述した計算結果は、(TSチャージ/MPチャージ)をパラメータとして使用すると、主磁極とトレーリングシールドの材料を変えても、その特性の傾向が変わらないことを示唆している。したがって、主磁極とトレーリングシールドに使用する磁性材料を変えた場合には、磁界強度等の絶対値は変わる可能性はあるが、(TSチャージ/MPチャージ)をパラメータとして使用することによって容易に好適な範囲を選択することができる。
すなわち、上述した結果に基づけば、主磁極とトレーリングシールドの形状等を最適化するには、(MPチャージ)と(TSチャージ)の比が、1.0<(TSチャージ/MPチャージ)<2.5、さらに好ましくは1.3<(TSチャージ/MPチャージ)<2.0となるように設定すればよい。
前述した(MPチャージ)を求める式(1)は、主磁極の飽和磁束密度と主磁極の絞り量との積であり、(TSチャージ)を求める式(2)は、トレーリングシールドの飽和磁束密度とTHとTGDとのいずれか小さい方との積である。したがって、TSチャージ/MPチャージを見積もることは容易であり、TSチャージ/MPチャージをパラメータとして主磁極の厚さ方向の絞り量、絞り部分の長さ、トレーリングシールドの形状を選択し、主磁極とトレーリングシールドの材料を選択して最適に設計することは容易である。
図8〜11は、図7に示した主磁極のスロープ部の前端面が浮上面に面する形態の例である。図6に示すような、平坦部11aとスロープ部113を備える主磁極を備える垂直磁気記録ヘッドを設計する場合も、上述したTSチャージ/MPチャージをパラメータとして利用する方法を適用して設計することができる。
図6に示した垂直磁気記録ヘッドの場合は、MPチャージとして式(3)、TSチャージとして式(4)を使用する。なお、式(3)及び式(4)は、それぞれ式(1)、(2)と見かけ上は同一である。式(3)、式(4)を使用する場合は、浮上面からスロープ部の後端縁までの長さをTGDとし、トレーリングシールドの第1の平坦部143と傾斜面部141とをあわせてTHとすればよい。
本発明は、垂直磁気記録ヘッドの主磁極に形成する厚さ方向の絞り部分とトレーリングシールドとを設計する際に、主磁極とトレーリングシールドとの互いの対向面における磁荷に着目して最適設計となるようにしたものである。本発明方法によれば、主磁極とトレーリングシールドに使用する磁性材料を変えたことによる影響が計算上、除外されるから、主磁極とトレーリングシールドを最適に設計する処理を容易になる。
なお、主磁極とトレーリングシールドとを設計する際には、たとえば記録磁界の強度を磁界勾配よりも優先させて設計するといったことがあり得る。したがって、設計時における設計目標に合わせてTSチャージ/MPチャージのパラメータを設定すればよい。
(付記1) 厚さ方向の絞り部を備える主磁極と、該主磁極に対向して配置されたトレーリングシールドとを備える垂直磁気記録ヘッドであって、Apex断面における主磁極のTGDの領域における磁荷に相当するMPチャージ=Bs-mp×ΔMPLと、Apex断面における前記TGDの範囲の前記主磁極を前記トレーリングシールドに向けて平行に投影した領域の磁荷に相当するTSチャージ=Bs-ts×min(TH,TGD)とが、TSチャージ/MPチャージ≧1.0の関係にある垂直磁気記録ヘッド。Bs-mpは主磁極の飽和磁束密度、Bs-tsはトレーリングシールドの飽和磁束密度、ΔMPLは主磁極の厚さ方向の絞り量、TGDは主磁極の浮上面位置から前記絞り部のハイト方向の後端縁位置までの長さ、THはトレーリングシールドハイト、min(TH,TGD)はTHとTGDのいずれか小さい値である。
(付記2) 厚さ方向の絞り部を備える主磁極と、該主磁極に対向して配置されたトレーリングシールドとを備える垂直磁気記録ヘッドであって、Apex断面における主磁極のTGDの領域における磁荷に相当するMPチャージ=Bs-mp×ΔMPLと、Apex断面における前記TGDの範囲の前記主磁極を前記トレーリングシールドに向けて平行に投影した領域の磁荷に相当するTSチャージ=Bs-ts×min(TH,TGD)とが、TSチャージ/MPチャージ≦2.5の関係にある垂直磁気記録ヘッド。Bs-mpは主磁極の飽和磁束密度、Bs-tsはトレーリングシールドの飽和磁束密度、ΔMPLは主磁極の厚さ方向の絞り量、TGDは主磁極の浮上面位置から前記絞り部のハイト方向の後端縁位置までの長さ、THはトレーリングシールドハイト、min(TH,TGD)はTHとTGDのいずれか小さい値である。
(付記3) 前記MPチャージと前記TSチャージとが、さらに、TSチャージ/MPチャージ≧1.3の関係にある付記1または2記載の垂直磁気記録ヘッド。
(付記4) 前記MPチャージと前記TSチャージとが、さらにTSチャージ/MPチャージ≦2.0の関係にある付記1または2記載の垂直磁気記録ヘッド。
(付記5) 前記MPチャージと前記TSチャージとが、さらに1.3≦TSチャージ/MPチャージ≦2.0の関係にある付記1記載の垂直磁気記録ヘッド。
(付記6) 磁気記録媒体と、アクチュエータアームに装着されたサスペンションに支持されたヘッドスライダと、前記ヘッドスライダに形成された磁気ヘッドと電気的に接続された磁気記録媒体及び前記アクチュエータアームの制御部とを備え、前記磁気ヘッドを介して前記磁気記録媒体に情報を記録し再生する磁気記録装置であって、前記磁気ヘッドは垂直磁気記録ヘッドとリードヘッドとを備え、前記垂直磁気記録ヘッドは、厚さ方向の絞り部を備える主磁極と、該主磁極に対向して配置されたトレーリングシールドとを備え、Apex断面における主磁極のTGDの領域における磁荷に相当するMPチャージ=Bs-mp×ΔMPLと、Apex断面における前記TGDの範囲の前記主磁極を前記トレーリングシールドに向けて平行に投影した領域の磁荷に相当するTSチャージ=Bs-ts×min(TH,TGD)とが、TSチャージ/MPチャージ≧1.0の関係にある磁気記録装置。Bs-mpは主磁極の飽和磁束密度、Bs-tsはトレーリングシールドの飽和磁束密度、ΔMPLは主磁極の厚さ方向の絞り量、TGDは主磁極の浮上面位置から前記絞り部のハイト方向の後端縁位置までの長さ、THはトレーリングシールドハイト、min(TH,TGD)はTHとTGDのいずれか小さい値である。
(付記7) 磁気記録媒体と、アクチュエータアームに装着されたサスペンションに支持されたヘッドスライダと、前記ヘッドスライダに形成された磁気ヘッドと電気的に接続された磁気記録媒体及び前記アクチュエータアームの制御部とを備え、前記磁気ヘッドを介して前記磁気記録媒体に情報を記録し再生する磁気記録装置であって、前記磁気ヘッドは垂直磁気記録ヘッドとリードヘッドとを備え、前記垂直磁気記録ヘッドは、厚さ方向の絞り部を備える主磁極と、該主磁極に対向して配置されたトレーリングシールドとを備え、Apex断面における主磁極のTGDの領域における磁荷に相当するMPチャージ=Bs-mp×ΔMPLと、Apex断面における前記TGDの範囲の前記主磁極を前記トレーリングシールドに向けて平行に投影した領域の磁荷に相当するTSチャージ=Bs-ts×min(TH,TGD)とが、TSチャージ/MPチャージ≦2.5の関係にある磁気記録装置。Bs-mpは主磁極の飽和磁束密度、Bs-tsはトレーリングシールドの飽和磁束密度、ΔMPLは主磁極の厚さ方向の絞り量、TGDは主磁極の浮上面位置から前記絞り部のハイト方向の後端縁位置までの長さ、THはトレーリングシールドハイト、min(TH,TGD)はTHとTGDのいずれか小さい値である。
(付記8) 前記MPチャージと前記TSチャージとが、さらに、TSチャージ/MPチャージ≧1.3の関係にある付記6または7記載の磁気記録装置。
(付記9) 前記MPチャージと前記TSチャージとが、さらにTSチャージ/MPチャージ≦2.0の関係にある付記6または7記載の磁気記録装置。
(付記10) 前記MPチャージと前記TSチャージとが、1.3≦TSチャージ/MPチャージ≦2.0の関係にある付記6記載の磁気記録装置。
(付記11) 厚さ方向の絞り部を備える主磁極と、該主磁極に対向して配置されたトレーリングシールドとを備える垂直磁気記録ヘッドにおける、主磁極とトレーリングシールドの形状、材料を設計する方法であって、Apex断面における、主磁極のTGDの領域における磁荷に相当するMPチャージを、主磁極の飽和磁束密度Bs-mpと絞り量ΔMPLに基づき、式MPチャージ=Bs-mp×ΔMPLにより求める工程と、Apex断面における前記TGDの範囲の前記主磁極を前記トレーリングシールドに向けて平行に投影した領域の磁荷に相当するTSチャージを、トレーリングシールドの飽和磁束密度Bs-tsと、THとTGDのいずれか小さい値min(TH,TGD)に基づき、式TSチャージ=Bs-ts×min(TH,TGD)によって求める工程と、数値計算によって求められた前記主磁極と前記トレーリングシールドとからなる垂直磁気ヘッドの磁界強度及び磁界勾配とを、TSチャージ/MPチャージをパラメータとして表示し、磁界強度あるいは磁界勾配のねらい値に基づいて主磁極とトレーリングシールドとの形状及び材料を設計する工程と、を備えることを特徴とする垂直磁気記録ヘッドの設計方法。
(付記12) 前記主磁極とトレーリングシールドとを設計する工程において、前記MPチャージと前記TSチャージとが、TSチャージ/MPチャージ≧1.0を満足するように、前記主磁極及び前記トレーリングシールドの形状及び材料を選択することを特徴とする付記10記載の垂直磁気記録ヘッドの設計方法。
(付記13) 前記主磁極とトレーリングシールドとを設計する工程において、前記MPチャージと前記TSチャージとが、TSチャージ/MPチャージ≦2.5を満足するように、前記主磁極及び前記トレーリングシールドの形状及び材料を選択することを特徴とする付記10記載の垂直磁気記録ヘッドの設計方法。
(付記14) 前記主磁極とトレーリングシールドとを設計する工程において、前記MPチャージと前記TSチャージとが、さらに、TSチャージ/MPチャージ≧1.3を満足するように前記主磁極及び前記トレーリングシールドの形状及び材料を選択することを特徴とする付記11または12記載の垂直磁気記録ヘッドの設計方法。
(付記15) 前記主磁極とトレーリングシールドとを設計する工程において、前記MPチャージと前記TSチャージとが、さらに、TSチャージ/MPチャージ≦2.0を満足するように、前記主磁極及び前記トレーリングシールドの形状及び材料を選択することを特徴とする付記11または12記載の垂直磁気記録ヘッドの設計方法。
(付記16) 前記主磁極とトレーリングシールドとを設計する工程において、前記MPチャージと前記TSチャージとが、1.3≦TSチャージ/MPチャージ≦2.0を満足するように、前記主磁極及び前記トレーリングシールドの形状及び材料を選択することを特徴とする付記10記載の垂直磁気記録ヘッドの設計方法。
10 記録ヘッド
11 主磁極
11a 平坦部
11b 第1のスロープ部
11c 第2のスロープ部
11d 主体部
14 トレーリングシールド
20 リードヘッド
30 磁気記録装置
32 磁気記録媒体
35 ヘッドスライダ
112 絞り部
113 スロープ部
114 幅広部
141 傾斜面部
142 平坦部
143 第1の平坦部
144 第2の平坦部

Claims (10)

  1. 厚さ方向の絞り部を備える主磁極と、該主磁極に対向して配置されたトレーリングシールドとを備える垂直磁気記録ヘッドであって、
    Apex断面における主磁極のTGDの領域における磁荷に相当するMPチャージ=Bs-mp×ΔMPLと、Apex断面における前記TGDの範囲の前記主磁極を前記トレーリングシールドに向けて平行に投影した領域の磁荷に相当するTSチャージ=Bs-ts×min(TH,TGD)とが、次式の関係にある垂直磁気記録ヘッド。
    TSチャージ/MPチャージ≧1.0
    Bs-mpは主磁極の飽和磁束密度、Bs-tsはトレーリングシールドの飽和磁束密度、ΔMPLは主磁極の厚さ方向の絞り量、TGDは主磁極の浮上面位置から前記絞り部のハイト方向の後端縁位置までの長さ、THはトレーリングシールドハイト、min(TH,TGD)はTHとTGDのいずれか小さい値である。
  2. 厚さ方向の絞り部を備える主磁極と、該主磁極に対向して配置されたトレーリングシールドとを備える垂直磁気記録ヘッドであって、
    Apex断面における主磁極のTGDの領域における磁荷に相当するMPチャージ=Bs-mp×ΔMPLと、Apex断面における前記TGDの範囲の前記主磁極を前記トレーリングシールドに向けて平行に投影した領域の磁荷に相当するTSチャージ=Bs-ts×min(TH,TGD)とが、次式の関係にある垂直磁気記録ヘッド。
    TSチャージ/MPチャージ≦2.5
    Bs-mpは主磁極の飽和磁束密度、Bs-tsはトレーリングシールドの飽和磁束密度、ΔMPLは主磁極の厚さ方向の絞り量、TGDは主磁極の浮上面位置から前記絞り部のハイト方向の後端縁位置までの長さ、THはトレーリングシールドハイト、min(TH,TGD)はTHとTGDのいずれか小さい値である。
  3. 前記MPチャージと前記TSチャージとが、さらに、TSチャージ/MPチャージ≧1.3の関係にある請求項1または2記載の垂直磁気記録ヘッド。
  4. 前記MPチャージと前記TSチャージとが、さらにTSチャージ/MPチャージ≦2.0の関係にある請求項1または2記載の垂直磁気記録ヘッド。
  5. 前記MPチャージと前記TSチャージとが、さらに1.3≦TSチャージ/MPチャージ≦2.0の関係にある請求項1記載の垂直磁気記録ヘッド。
  6. 磁気記録媒体と、アクチュエータアームに装着されたサスペンションに支持されたヘッドスライダと、前記ヘッドスライダに形成された磁気ヘッドと電気的に接続された磁気記録媒体及び前記アクチュエータアームの制御部とを備え、前記磁気ヘッドを介して前記磁気記録媒体に情報を記録し再生する磁気記録装置であって、
    前記磁気ヘッドは垂直磁気記録ヘッドとリードヘッドとを備え、
    前記垂直磁気記録ヘッドは、
    厚さ方向の絞り部を備える主磁極と、該主磁極に対向して配置されたトレーリングシールドとを備え、
    Apex断面における主磁極のTGDの領域における磁荷に相当するMPチャージ=Bs-mp×ΔMPLと、Apex断面における前記TGDの範囲の前記主磁極を前記トレーリングシールドに向けて平行に投影した領域の磁荷に相当するTSチャージ=Bs-ts×min(TH,TGD)とが、次式の関係にある磁気記録装置。
    TSチャージ/MPチャージ≧1.0
    Bs-mpは主磁極の飽和磁束密度、Bs-tsはトレーリングシールドの飽和磁束密度、ΔMPLは主磁極の厚さ方向の絞り量、TGDは主磁極の浮上面位置から前記絞り部のハイト方向の後端縁位置までの長さ、THはトレーリングシールドハイト、min(TH,TGD)はTHとTGDのいずれか小さい値である。
  7. 磁気記録媒体と、アクチュエータアームに装着されたサスペンションに支持されたヘッドスライダと、前記ヘッドスライダに形成された磁気ヘッドと電気的に接続された磁気記録媒体及び前記アクチュエータアームの制御部とを備え、前記磁気ヘッドを介して前記磁気記録媒体に情報を記録し再生する磁気記録装置であって、
    前記磁気ヘッドは垂直磁気記録ヘッドとリードヘッドとを備え、
    前記垂直磁気記録ヘッドは、
    厚さ方向の絞り部を備える主磁極と、該主磁極に対向して配置されたトレーリングシールドとを備え、
    Apex断面における主磁極のTGDの領域における磁荷に相当するMPチャージ=Bs-mp×ΔMPLと、Apex断面における前記TGDの範囲の前記主磁極を前記トレーリングシールドに向けて平行に投影した領域の磁荷に相当するTSチャージ=Bs-ts×min(TH,TGD)とが、次式の関係にある磁気記録装置。
    TSチャージ/MPチャージ≦2.5
    Bs-mpは主磁極の飽和磁束密度、Bs-tsはトレーリングシールドの飽和磁束密度、ΔMPLは主磁極の厚さ方向の絞り量、TGDは主磁極の浮上面位置から前記絞り部のハイト方向の後端縁位置までの長さ、THはトレーリングシールドハイト、min(TH,TGD)はTHとTGDのいずれか小さい値である。
  8. 前記MPチャージと前記TSチャージとが、1.3≦TSチャージ/MPチャージ≦2.0の関係にある請求項6記載の磁気記録装置。
  9. 厚さ方向の絞り部を備える主磁極と、該主磁極に対向して配置されたトレーリングシールドとを備える垂直磁気記録ヘッドにおける、主磁極とトレーリングシールドの形状、材料を設計する方法であって、
    Apex断面における、主磁極のTGDの領域における磁荷に相当するMPチャージを、主磁極の飽和磁束密度Bs-mpと絞り量ΔMPLに基づき、式MPチャージ=Bs-mp×ΔMPLにより求める工程と、
    Apex断面における前記TGDの範囲の前記主磁極を前記トレーリングシールドに向けて平行に投影した領域の磁荷に相当するTSチャージを、トレーリングシールドの飽和磁束密度Bs-tsと、THとTGDのいずれか小さい値min(TH,TGD)に基づき、式TSチャージ=Bs-ts×min(TH,TGD)によって求める工程と、
    数値計算によって求められた前記主磁極と前記トレーリングシールドとからなる垂直磁気ヘッドの磁界強度及び磁界勾配とを、TSチャージ/MPチャージをパラメータとして表示し、磁界強度あるいは磁界勾配のねらい値に基づいて主磁極とトレーリングシールドとの形状及び材料を設計する工程と、
    を備えることを特徴とする垂直磁気記録ヘッドの設計方法。
  10. 前記主磁極とトレーリングシールドとを設計する工程において、前記MPチャージと前記TSチャージとが、1.3≦TSチャージ/MPチャージ≦2.0を満足するように、前記主磁極とトレーリングシールドの形状及び材料を選択することを特徴とする請求項9記載の垂直磁気記録ヘッドの設計方法。
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JP2014035785A (ja) * 2012-08-08 2014-02-24 Headway Technologies Inc 主磁極とシールドを備えた垂直磁気記録用磁気ヘッド
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