JP3531534B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JP3531534B2 JP14844499A JP14844499A JP3531534B2 JP 3531534 B2 JP3531534 B2 JP 3531534B2 JP 14844499 A JP14844499 A JP 14844499A JP 14844499 A JP14844499 A JP 14844499A JP 3531534 B2 JP3531534 B2 JP 3531534B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の回転数
が設定値を超えて過回転となるのを防止できるようにし
た内燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関が運転中に急に負荷が軽くなっ
たり無負荷になったりすると、機関の回転数が急上昇し
て許容最大回転数を超える過回転状態になって、負荷装
置や機関が破壊するおそれがある。このような危険が生
ずる恐れがある場合には、機関の点火装置から得られる
回転数情報に基づいて、回転数が設定値を超えたときに
機関の点火時期を大きく遅らせたり、あるいは機関の回
転数を制御する補助装置を制御したりすることによっ
て、回転数が設定値を超えて上昇するのを抑制する過回
転防止装置が用いられている。
【0003】例えば、特開平2−5743号において開
示された従来の過回転防止装置では、前段及び後段の2
つの単安定マルチバイブレータが設けられていて、前段
の単安定マルチバイブレータは点火装置の一次電流の立
上がり時点を起点として、内燃機関が設定回転数のとき
の1サイクルの時間幅に等しい基準時間(T1 )よりも
短い遅れ時間(T2 )後に立下がる予備信号(V5 )を
発生し、後段の単安定マルチバイブレータは予備信号の
立下がり時点から時間(T1 −T2 )の間基準信号(V
1 )を出力する。この基準信号(V1 )と、一次電流の
立ち上がりから得た探索信号(V2 )とがコンパレータ
に入力され、該コンパレータは基準信号(V1 )と探索
信号(V2 )とが同時に発生した時に、該両信号の重な
り時間幅に対応した時間だけ点火装置の点火時期を遅角
させるための駆動信号を出力する。従って、内燃機関の
回転数が設定回転数を超えると点火時期が遅角して回転
数の上昇を抑制し、内燃機関の過回転を防止する。
【0004】上記トリガ回路、単安定マルチバイブレー
タ及びコンパレータの駆動電力は、点火装置に発生する
一次電圧の逆電圧を入力とする安定化電源回路の出力に
より与えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】過回転防止装置を備え
た従来の内燃機関用点火装置では、点火コイルの一次電
流の立ち上がりを検出することにより単安定マルチバイ
ブレータのトリガ信号と探索信号とを得るようにしてい
る。
【0006】そのため、従来の点火装置では、点火コイ
ルの一次電流の通電路に一次電流検出用の抵抗器を直列
に挿入する必要があった。したがって、特に機関の低速
回転時に一次電流の大きさが減少して点火コイルの二次
発生電圧が低くなり、点火性能が低下するという問題が
あった。
【0007】更に従来の点火装置では、2つの単安定マ
ルチバイブレータを設ける必要があったため、回路構成
が複雑になってコストが高くなるだけでなく、各単安定
マルチバイブレータを構成する部品の特性の差により生
じる遅角特性のバラツキを調整するための調整作業が複
雑になるという問題もあった。
【0008】本発明の目的は、低速時の点火性能を損な
うことなく、かつコストの上昇を招くことなく過回転防
止機能を持たせることができるようにした内燃機関用点
火装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明が対象とする内燃
機関用点火装置は、一次コイルと二次コイルとを有し、
少なくとも一次コイルが内燃機関により駆動される磁石
発電機内に設けられて、内燃機関の回転に同期して一方
の極性の第1の半サイクルの電圧と他方の極性の第2の
半サイクルの電圧と一方の極性の第3の半サイクルの電
圧とが順次現れる交流電圧を内燃機関の1回転当たり1
回だけ一次コイルに誘起する点火コイルと、点火コイル
の一次コイルに第2の半サイクルの電圧が誘起したとき
に導通して該一次コイルに電流を流す一次電流制御用ス
イッチと、一次電流が設定値に達したときに一次電流制
御用スイッチを遮断状態にする遮断制御回路とを備えた
ものである。
【0010】本発明においては、点火コイルの一次コイ
ルに第1の半サイクルの電圧が誘起したときにトリガさ
れて内燃機関の1回転当たり1回だけ設定された時間幅
を有する矩形波信号を発生する単安定マルチバイブレー
タと、矩形波信号が発生している間積分コンデンサを一
定の時定数で充電し、矩形波信号が消滅している期間積
分コンデンサを一定の時定数で放電させて該積分コンデ
ンサの両端に三角波形の積分電圧を発生する積分回路
と、積分電圧を基準電圧と比較して積分電圧が基準電圧
以下のときに出力が第1の状態になり、積分電圧が基準
電圧を超えたときに出力が第2の状態になる比較器と、
一次コイルに対して並列に設けられていて、比較器の出
力が第1の状態にあるときに遮断状態を保持し、該比較
器の出力が第2の状態にあるときに導通状態になるよう
に比較器の出力に応じてオンオフ制御される回転数制御
用点火制御スイッチとを設ける。内燃機関の回転数が設
定値に達したときに、一次コイルに第2の半サイクルの
電圧が誘起している間に積分電圧が基準電圧を超えるよ
うに矩形波信号の時間幅を設定する。
【0011】上記の点火装置では、積分電圧が基準電圧
を超えている期間一次コイルに並列接続された回転数制
御用点火制御スイッチが導通状態になる。内燃機関の回
転数が設定値以下の時には、一次電流制御用スイッチが
遮断状態になる前に回転数制御用点火制御スイッチが遮
断状態になるため、点火動作は一次電流が設定値に達し
た時に行われる。回転数が設定値を超えると、一次電流
制御用スイッチが遮断状態になった時に未だ回転数制御
用点火制御スイッチが導通している状態になるため、一
次電流制御用スイッチが遮断される時期は、回転数制御
用点火制御スイッチが遮断状態になる時期まで遅れる。
そのため、回転数が設定値を超えると、内燃機関の点火
時期が遅角するか、または点火用高電圧が発生しない状
態となり、回転数の上昇が抑制される。
【0012】本発明に係わる点火装置はまた、一次コイ
ルに第1の半サイクルの電圧が誘起したときにトリガさ
れて内燃機関の1回転当たり1回だけ一定の時間幅を有
する矩形波信号を発生する単安定マルチバイブレータ
と、矩形波信号が発生している間第1の積分コンデンサ
を一定の時定数で充電し、矩形波信号が消滅している期
間第1の積分コンデンサを一定の時定数で放電させて該
第1の積分コンデンサの両端に三角波形の第1の積分電
圧を発生する第1の積分回路と、矩形波信号が発生して
いる間第2の積分コンデンサを充電し、矩形波信号が消
滅する際に該第2のコンデンサを瞬時に放電させて第2
の積分電圧を発生する第2の積分回路と、第1の積分電
圧を基準電圧と比較して該第1の積分電圧が基準電圧以
下のときに出力が第1の状態になり、第1の積分電圧が
基準電圧を超えたときに出力が第2の状態となる第1の
比較器と、第2の積分電圧を参照電圧と比較して該第2
の積分電圧が参照電圧を超えたときに出力が第1の状態
になり、第2の積分電圧が参照電圧以下のときに出力が
第2の状態になる第2の比較器と、一次コイルに対して
並列に設けられていて、第1の比較器の出力及び第2の
比較器の出力がともに第2の状態にあるときに導通して
一次コイルを短絡し、第1の比較器の出力または第2の
比較器の出力の少なくとも一方が第1の状態にあるとき
に遮断状態になるように第1の比較器及び第2の比較器
の出力に応じてオンオフ制御される回転数制御用点火制
御スイッチとを備えた構成をとることもできる。この場
合、矩形波信号の時間幅は、内燃機関の回転数が設定値
に達したときに、一次コイルに第2の半サイクルの電圧
が誘起している間に第1の積分電圧が基準電圧を超えた
状態になるように矩形波信号の時間幅を設定し、また内
燃機関の回転数が設定値に達したときに、点火回路の遮
断制御回路が一次電流制御用スイッチを遮断状態にする
位置よりも遅れた位置で第2の積分電圧が参照電圧を超
えるように参照電圧のレベルを設定する。
【0013】上記のように構成すると、第1の積分電圧
が基準電圧を超え、かつ第2の積分電圧が参照電圧以下
である期間回転数制御用点火制御スイッチが導通状態を
保持する。内燃機関の回転数が設定値に達したときに、
一次電流制御用スイッチが遮断される時点で第1の積分
電圧が基準電圧を超えるように設定されているため、一
次電流が遮断される時期は、第2の積分電圧が参照電圧
を超える時期まで遅れる。従って、内燃機関の回転数が
設定値を超えると、点火時期は、回転数制御用点火制御
スイッチが遮断する時期まで遅角し、内燃機関の回転数
の上昇が抑制される。
【0014】本発明の内燃機関用点火装置では、単安定
マルチバイブレータのトリガ信号を得るために点火コイ
ルの一次電流通電路に一次電流立ち上がり検出用の抵抗
器を挿入する必要がないので、低速時に点火コイルの二
次発生電圧が低下するのを防ぐことができる。また1つ
の単安定マルチバイブレータを用いればよいため、装置
の回路構成の簡素化を図ってコストの低減を図ることが
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下図1ないし図6を参照して、
本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係わ
る内燃機関用点火装置の基本的な回路構成を示したブロ
ック図である。同図において、1は点火回路で、この点
火回路は、磁石発電機内に設けられた一次コイル2a及
び二次コイル2bを有する点火コイル2と、一次電流制
御回路3とにより構成されている。点火コイルの一次コ
イル2aには、図3(A)に示すように、内燃機関の回
転に同期して一方の極性の第1の半サイクル(図示の例
では負の半サイクル)の電圧V11と、他方の極性の第2
の半サイクル(図示の例では正の半サイクル)の電圧V
12と、一方の極性の第3の半サイクル(図示の例では負
の半サイクル)の電圧V13とが順次現れる交流電圧が内
燃機関の1回転あたり1回だけ誘起する。
【0016】一次電流制御回路3は、一次コイル2aに
図示の実線矢印方向の他方の極性の第2の半サイクルの
電圧が誘起したときに導通して一次コイル2aに一次電
流を流す一次電流制御用スイッチと、該一次電流が設定
値に達したときにこれを遮断状態にする遮断制御回路と
を有し、一次電流が遮断された際に二次コイル2bに点
火用高電圧を誘起させるように一次電流の導通遮断を制
御する。
【0017】4は内燃機関の気筒に取り付けられて点火
コイルの二次コイル2bに接続された点火プラグであ
る。
【0018】5は点火回路1の一次端子1a、1b間に
接続された過回転防止回路で、該過回転防止回路は、一
次コイル2aの図示の波線矢印方向の第1及び第3の半
サイクルの電圧を入力として各部の回路の電源電圧とな
る直流定電圧Vccと一次コイル2aに第1の半サイクル
の電圧が誘起したときにパルス電圧Vt とを発生する安
定化電源回路6と、パルス電圧Vt によりトリガされて
内燃機関の1回転あたり1回だけ設定された時間幅を有
する矩形波信号VT を発生する1つの単安定マルチバイ
ブレータ7と、矩形波信号VT が発生している間充電さ
れて積分電圧Vc を発生する積分回路11と、安定化電
源回路6の出力電圧Vccを分圧して基準電圧Vr を発生
する基準電圧発生回路12と、積分電圧Vc と基準電圧
Vr とを比較して、積分電圧Vc と基準電圧Vr との大
きさの関係に応じて出力が第1の状態または第2の状態
となる比較回路13と、一次コイル2aに対して並列に
接続されていて、比較回路13の出力電圧Vs が第1の
状態にあるときに遮断状態を保持し、比較回路13の出
力電圧Vs が第2の状態にあるときに導通状態になるよ
うに、比較回路13の出力電圧Vs に応じてオンオフ制
御される回転数制御用点火制御スイッチ14とにより構
成されている。
【0019】図1の点火装置では、内燃機関の回転数が
設定値に達したときに、遮断制御回路が一次電流制御用
スイッチを遮断状態にする位置(機関のクランク軸の回
転角度位置)で比較回路13の出力電圧Vs が第2の状
態になるように、矩形波信号VT の時間幅と基準電圧V
r のレベルとが設定されていて、比較回路13の出力電
圧Vs が再び第1の状態になるまでの間一次コイル2a
が回転数制御用点火制御スイッチ14を通して短絡され
るようになっている。
【0020】図2は、図1の各部の回路を具体化した例
を示したものである。図2に示した点火装置において
は、点火回路1の点火コイル2が、図示しない内燃機関
により駆動される磁石発電機内に設けられている。この
磁石発電機は、例えばフライホイールの外周部に3極の
磁石界磁を形成した周知のフライホイール磁石回転子
と、該磁石回転子の磁極に対向する磁極部をそれぞれ先
端に有する対の脚部と該対の脚部の後端部側を互いに連
結するように設けられた継鉄部とを有してほぼU字形を
呈するように形成された電機子鉄心に一次コイル2a及
び二次コイル2bが巻回された点火コイル2とを備えた
構成を有していて、内燃機関の回転に同期して一次コイ
ル2aに図示の破線矢印方向の一方の極性の第1の半サ
イクルの電圧と、図示の実線矢印方向の他方の極性の第
2の半サイクルの電圧と、図示の破線矢印方向の一方の
極性の第3の半サイクルの電圧とが順次現れる交流電圧
を内燃機関の1回転当たり1回だけ誘起する。
【0021】一次電流制御回路3は、この例ではダーリ
ントントランジスタTR1 からなる一次電流制御用スイ
ッチ3Aと、遮断制御回路3Bとからなっている。トラ
ンジスタTR1 のコレクタは一次コイル2aの一端(接
地側端子)に接続され、エミッタは一次コイル2aの他
端に接続されている。
【0022】遮断制御回路3Bは、トランジスタTR1
のコレクタベース間に接続された抵抗R1 と、トランジ
スタTR1 のベースエミッタ間にアノードをベース側に
向けて接続されたサイリスタTh1 と、トランジスタT
R1 のコレクタ及びエミッタにそれぞれ一端が接続さ
れ、他端がサイリスタタTh1 のゲートに共通に接続さ
れた抵抗R2 及びR3 とにより構成されている。
【0023】点火回路1において、点火コイルの一次コ
イル2aに図示の実線矢印方向の第2の半サイクルの電
圧が誘起すると、抵抗R1 を通してベース電流が与えら
れてトランジスタTR1 が導通状態になる。これにより
一次電流が流れ、該一次電流の上昇に伴ってトランジス
タTR1 のコレクタエミッタ間の電圧が上昇する。トラ
ンジスタTR1 のコレクタエミッタ間の電圧が設定値に
達すると、抵抗R3 の両端の電圧がサイリスタTh1 の
トリガ電圧に達して該サイリスタが導通する。サイリス
タTh1 が導通すると、トランジスタTR1 のベース電
流がサイリスタTh1 を通して側路されるため、トラン
ジスタTR1 が遮断状態になる。このトランジスタTR
1 の遮断により、点火コイル2の一次電流が遮断される
ため、その二次コイル2bに点火用高電圧が誘起する。
この高電圧は点火プラグ4に印加されるため、該点火プ
ラグに火花が発生して機関が点火される。図3(A)は
一次コイル2aの両端間に生ずる一次電圧V1 の波形を
示している。一次電圧V1は、内燃機関の回転角度位置
θ1 でその第1の半サイクルが立ち上がり、回転角度位
置θi1でトランジスタTR1 が遮断状態になる。
【0024】過回転防止回路5に設けられた安定化電源
回路6は、一次コイルの非接地側の端子から引き出され
た一次端子1bにつながる共通ラインCLにアノードを
接続したダイオードD1 と、ダイオードD1 のカソード
に一端を接続したコンデンサC1 と、点火回路の一次端
子1aにつながる接地ラインGLにカソードを接続し、
アノードをコンデンサC1 の他端に接続したダイオード
D2 と、ダイオードD1 のアノードとダイオードD2 の
アノードとの間に接続された抵抗R4 と、コンデンサC
1 の一端にアノードが接続されたダイオードD3 と、ダ
イオードD3 のカソードと一次端子1bとの間に接続さ
れたコンデンサC2 と、コンデンサC2の両端に接続さ
れたツェナーダイオードZD1 とからなっている。
【0025】この電源回路においては、一次コイル2a
に図示の破線矢印方向の第1及び第3の半サイクルの電
圧が誘起したときにコンデンサC1 が図示の極性に充電
され、コンデンサC1 の両端の電圧によりダイオードD
3 と抵抗R4 とを通してコンデンサC2 が充電される。
このコンデンサC2 の充電電圧は、ツェナーダイオード
ZD1 のツェナー電圧に保たれる。
【0026】コンデンサC2 の両端に得られる直流定電
圧Vccは、単安定マルチバイブレータ7と基準電圧発生
回路12と比較回路13との電源電圧として各回路に与
えられている。
【0027】図示の安定化電源回路6はトリガ信号発生
回路を兼ねていて、ダイオードD1のカソードから引き
出された端子6aがトリガ信号出力端子となっている。
トリガ信号出力端子6aと一次端子1bにつながる共通
ラインCLとの間に得られる電圧は、一次コイル2aが
第1の半サイクルの電圧V11及び第3の半サイクルの電
圧V13を発生してコンデンサC1 の充電が開始される際
に、ダイオードD1 の順方向電圧降下に相当する低いレ
ベルにまで落ち込んでコンデンサC1 に充電電流が流れ
ている間該低いレベルを維持し、コンデンサC1 の充電
が完了したときにコンデンサC2 の端子電圧にほぼ等し
いレベルまで上昇する。従って、トリガ信号出力端子6
aと共通ラインCLとの間には、図3(B)に示すよう
に、一次コイルが第1及び第3の半サイクルの電圧V11
及びV13をそれぞれ発生する回転角度位置θ1 及びθ2
で立ち下がる矩形波電圧Vt が得られる。この例では、
矩形波電圧Vt の回転角度位置θ1 における立下りの電
圧変化がトリガ信号Vt1として単安定マルチバイブレー
タ7のトリガ端子に与えられている。
【0028】なお回転角度位置θ2 の位置でも矩形波電
圧Vt の立ち下りの変化Vt2が現われるが、後述するよ
うにこの立下りの変化Vt2はトリガ信号として用いられ
ない。
【0029】単安定マルチバイブレータ7は、タイミン
グパルス遅延時間発生用のタイマIC8(例えば日立製
HA17555または同等の機能を有するもの。)と、
直流定電圧Vccにより抵抗R5 を通して第2の積分コン
デンサC3 を充電することにより積分動作を行う第2の
積分回路9と、タイマIC8の電源端子と出力端子
との間に接続されて出力端子の出力レベルを安定させ
るための抵抗R6 と、一端がタイマIC8のコントロー
ル電圧端子に接続されたノイズ防止用コンデンサC4
とにより構成されている。タイマIC8の接地端子及
びコンデンサC4 の他端は、点火回路1の一次端子1b
につながる共通ラインCLに接続され、タイマIC8の
スレッシュホールド端子及びディスチャージ端子は
抵抗R5とコンデンサC3 の接続点に接続されている。
タイマIC8のリセット端子は電源端子に接続さ
れ、電源端子には直流定電圧Vccが供給されている。
【0030】タイマIC8のトリガ端子に矩形波電圧
Vt が加えられていないときには、積分コンデンサC3
がタイマIC8の内部のディスチャージトランジスタに
よって放電させられている。
【0031】内燃機関の回転角度位置θ1 で矩形波電圧
Vt の立下りの変化がトリガ信号Vt1としてタイマIC
8のトリガ端子に与えられると、タイマIC8の内部
のフリップフロップがセットされて出力端子の出力が
高レベルになる。また積分コンデンサC3 は抵抗R5 を
通して一定の時定数τ(=R5 ・C3 )で充電される。
コンデンサC3 の両端の電圧がスレッシュホールド電圧
に達するとフリップフロップがリセットされてコンデン
サC3 が瞬時に放電し、出力端子の出力は再び低レベ
ルに戻る。
【0032】従って、タイマIC8は、その出力端子
から図3(C)に示すように単安定時間である一定の時
間幅Tを有する矩形波信号VT を出力し、コンデンサC
3 の両端には、図3(E)に示す波形の第2の積分電圧
Vc2が発生する。タイマIC8は回転角度位置θ1 で一
度単安定動作に入ると、その安定動作の期間中に回転角
度位置θ2 で矩形波電圧Vt の立下りの変化Vt2が生じ
ても再トリガされることはない。矩形波信号VT の一定
の時間幅Tは、この例ではT=1.1×R5 ・C3 とな
る。
【0033】10は抵抗R7 及び第1の積分コンデンサ
C5 からなる第1の積分回路で、積分コンデンサC5
は、矩形波信号VT が発生している間、該矩形波信号に
より一定の時定数(=R7 ・C5 )で充電される。積分
コンデンサC5 は、矩形波信号VT が消滅している間に
一定の時定数で放電して、その両端に図3(D)に示す
ような三角波形の第1の積分電圧Vc1を発生する。
【0034】図示の例では、第1の積分回路10と第2
の積分回路9とにより積分回路11が構成されている。
【0035】基準電圧発生回路12は、抵抗R8 ,R9
及びR10の直列回路からなる分圧回路により構成されて
いて、直流定電圧Vccを分圧して、抵抗R8 と抵抗R9
の接続点と共通ラインCLとの間に基準電圧Vr1を発生
し、抵抗R9 と抵抗R10の接続点と共通ラインCLとの
間に参照電圧Vr2を発生する。
【0036】比較回路13は、第1の比較器13A及び
第2の比較器13Bと抵抗R11とからなり、直流定電圧
Vccが抵抗R11を通して第1の比較器13Aの出力端子
に与えられている。第1及び第2の比較器13A及び1
3Bの出力端子は互いに接続されていて、その接続点か
ら、第1の比較器13Aの出力と第2の比較器13Bの
出力とのアンド(AND)出力が出力される。
【0037】第1の比較器13Aの非反転入力端子には
第1の積分電圧Vc1が入力され、該比較器の反転入力端
子に基準電圧Vr1が入力されている。第2の比較器13
Bの反転入力端子には第2の積分電圧Vc2が入力され、
該比較器の非反転入力端子に参照電圧Vr2が入力されて
いる。第1の比較器13Aは第1の積分電圧Vc1を基準
電圧Vr1と比較(図3D参照)して、第1の積分電圧V
c1が基準電圧Vr1以下のときに出力を第1の状態(本実
施例では低レベルの状態)とし、第1の積分電圧Vc1が
基準電圧Vr1を超えているときにその出力を第2の状態
(本実施例では高レベルの状態)とする。
【0038】第2の比較器13Bは第2の積分電圧Vc2
を参照電圧Vr2と比較(図3E参照)して、第2の積分
電圧Vc2が参照電圧Vr2を超えているときにその出力を
第1の状態(低レベルの状態)とし、第2の積分電圧V
c2が参照電圧Vr2以下のときにその出力を第2の状態
(高レベルの状態)とする。比較回路13の出力は、第
1の比較器13Aの出力及び第2の比較器13Bの出力
がともに第2の状態にあるときに第2の状態(高レベル
の状態)になり、第1の比較器13Aの出力また第2の
比較器13Bの出力の少なくとも一方が第1の状態にあ
るときには第1の状態(低レベルの状態)になる。
【0039】回転数制御用点火制御スイッチ14は、本
実施例では、点火回路1の一次端子1a及び1bにそれ
ぞれコレクタ及びエミッタが接続されて点火コイルの一
次コイル2aに対して並列に設けられたNPNトランジ
スタTR2 と、アノードが比較回路13の出力端子に接
続されたダイオードD4 と該ダイオードD4 のカソード
とトランジスタTR2 のベースとの間に接続された抵抗
R12とからなるベース電流供給回路と、カソードがダイ
オードD4 のカソードに接続され、アノードがトランジ
スタTR2 のエミッタに接続されたダイオードD5 とに
より構成されている。トランジスタTR2 は、比較回路
13の出力が第1の状態(低レベルの状態)にある時に
遮断状態となり比較回路13の出力が第2の状態(高レ
ベルの状態)にある時に導通状態となるように、比較回
路13の出力に応じてオンオフ制御される。
【0040】単安定マルチバイブレータ7から出力され
る矩形波信号VT の時間幅Tが一定の場合には、内燃機
関の回転数が高くなるほど第1の積分コンデンサC5 の
放電時間が短くなるので、第1の積分回路10が発生す
る三角波形の第1の積分電圧Vc1のレベルは内燃機関の
回転数が高くなるほど高くなって、該第1の積分電圧V
c1が基準電圧Vr1を超える回転角度位置が進んでくる。
また、内燃機関の回転数が一定の場合には、矩形波信号
VT の時間幅Tが短いほど、第1の積分コンデンサC5
の充電時間が短くなるとともに放電時間が長くなって第
1の積分電圧Vc1のレベルが低くなるので、該第1の積
分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超える回転角度位置が遅れ
てくる。
【0041】本発明においては、内燃機関の回転数Nが
設定値Ns に達したときに、一次コイル2aに第2の半
サイクルの電圧が誘起している間に遮断制御回路3Bに
より一次電流制御用スイッチ3Aが遮断状態になる回転
角度位置θi1で第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超
えるように、矩形波信号VT の時間幅Tが設定されてい
る。
【0042】また、図2に示した例では、内燃機関の回
転数Nが設定値Ns に達したときに、遮断制御回路3B
により一次電流制御用スイッチ3Aが遮断状態になる回
転角度位置θi1よりも遅れた(一般的には15°〜25
°遅れた)回転角度位置で第2の積分電圧Vc2が参照電
圧Vr2を超えるように、該参照電圧Vr2のレベルが設定
されている。
【0043】矩形波信号VT の時間幅Tは、既述のよう
にT=1.1×R5 ・C3 で表されるので、抵抗R5 の
抵抗値の調整によって設定値を加減でき、また参照電圧
Vr2のレベルは、基準電圧発生回路12の抵抗R9 及び
R10の抵抗値の和を変えないで抵抗R9 とR10の抵抗値
の比を変えることによって調整することができる。
【0044】以下図2に示した実施例における過回転防
止動作について、図3を参照して説明する。図3は、図
2の回路の各部の電圧波形を内燃機関の回転角θに対し
て示したもので、同図において実線で示す波形は内燃機
関の回転数Nが設定値Ns のとき、また破線で示す波形
及びダッシュ(´)を付した記号は内燃機関の回転数N
が設定値Ns よりも低いときのものである。
【0045】内燃機関の回転角度位置θ1 で一次コイル
2aに図示の破線矢印方向の第1の半サイクルの電圧が
誘起すると、安定化電源回路6から角度位置θ1 で立ち
下がるパルス電圧Vt1(図3B)が発生し、該パルス電
圧Vt1により単安定マルチバイブレータ7の単安定回路
がトリガされて該単安定マルチバイブレータ7から時間
幅Tを有する矩形波信号が発生する。
【0046】内燃機関の回転数が設定値Nsよりも低い
ときには、時間幅Tを有する矩形波信号が図3(C)に
破線で例示したように、角度位置θ1 からθ3 ´までの
間高レベルの状態になり、θ3 ´から次のサイクルの角
度位置θ1 までの間低レベルとなる矩形波信号VT ´と
なる。第1の積分回路10のコンデンサC5 は、矩形波
信号VT ´が高レベルとなっている間充電され、矩形波
信号VT ´が低レベルとなっている間放電する。これに
より、第1の積分回路は、図3(D)に破線で示す三角
波形の第1の積分電圧Vc1´が発生する。比較回路13
の第1の比較器13Aは、第1の積分電圧Vc1´を基準
電圧Vr1と比較して、図3(D)に示すように、積分電
圧Vc1´が基準電圧Vr1以下になる角度位置θt2から角
度位置θt1までの区間(または角度位置θt2´から角度
位置θt1´までの区間)その出力端子の電位を低レベル
の状態(第1の状態)とし、積分電圧Vc1´が基準電圧
Vr1を超えた状態となる角度位置θt1から角度位置θt2
までの区間(または角度位置θt1´らθt2´までの区
間)その出力端子の電位を高レベルの状態(第2の状
態)とする。
【0047】他方、第2の積分回路9で発生する第2の
積分電圧は、図3(E)に破線で示す波形Vc2´のよう
になり、比較回路13の第2の比較器13Bは、第2の
積分電圧Vc2´を参照電圧Vr2と比較して、積分電圧V
c2´が参照電圧Vr2を超えた状態となる角度位置θs ´
から角度位置θ3 ´までの区間(または角度位置θsか
ら角度位置θ3 までの区間)その出力端子の電位を低レ
ベルの状態(第1の状態)とし、積分電圧Vc2´が参照
電圧Vr2以下の状態となる各サイクルの角度位置θ3 ´
から次のサイクルの角度位置θs ´までの区間(または
各サイクルの角度位置θ3 から次のサイクルの角度位置
θs の区間)その出力端子の電位を高レベルの状態(第
2の状態)とする。
【0048】第1の比較器13Aの出力と第2の比較器
13Bの出力とがともに高レベルの状態(第2の状態)
となるのは、角度位置θ3 ´からθt2´までの間であっ
て、この期間比較回路13の出力が図3(F)に破線で
示す波形Vs ´のように高レベルになって、回転数制御
用点火制御スイッチ14のトランジスタTR2 が導通状
態になる。
【0049】内燃機関の回転数が設定値Ns よりも低い
状態では、点火回路1の遮断制御回路3Bが一次電流制
御用スイッチ3Aを遮断状態にする角度位置θi1よりも
遅れた回転角度位置θ3 ´で、回転数制御用点火制御ス
イッチ14がオン状態になるため、機関の点火位置が過
回転防止回路5の影響を受けることはない。
【0050】なお、内燃機関の回転数が更に低く、第1
の積分電圧Vc1´が基準電圧Vr1に達しない状態では、
比較器13Aの出力が第2の状態(高レベルの状態)に
なることがないので、回転数制御用点火制御スイッチ1
4は遮断状態に保持されたままとなる。
【0051】内燃機関の回転数が設定値Nsに達する
と、図3(C)に実線で示すように、時間幅Tを有する
矩形波信号VT が角度位置θ1 からθ3 までの間高レベ
ルとなり、角度位置θ3 から次のサイクルの角度位置θ
1 までの間低レベルとなる。第1の積分回路10は、図
3(D)に実線で示したように、角度位置θ1 からθ3
までの間上昇し、角度位置θ3 から次のサイクルの角度
位置θ1 までの間下降する三角波形の第1の積分電圧V
c1を発生する。比較回路の第1の比較器13Aは図3
(D)に示すように積分電圧Vc1が基準電圧Vr1以下の
状態となる角度位置θt2からθt1までの間低ベルの状態
(第1の状態)の出力を発生し、積分電圧Vc1が基準電
圧Vr1を超えた状態となる角度位置θt1からθt2までの
間高レベルの状態(第2の状態)の出力を発生する。
【0052】他方、第2の積分回路9で発生する第2の
積分電圧の波形は、図3(E)に実線で示すようにな
り、第2の比較器13Bは第2の積分電圧Vc2を参照電
圧Vr2と比較して、角度位置θs から角度位置θ3 まで
の間低レベルの状態(第1の状態)の出力を発生し、各
サイクルの角度位置θ3 から次のサイクルの角度位置θ
s までの間高レベルの状態(第2の状態)の出力を発生
する。
【0053】第1の比較器13Aの出力と第2の比較器
13Bの出力とがともに高レベルの状態(第2の状態)
となるのは、角度位置θt1からθs までの間及び角度位
置θ3 からθt2までの間であって、この期間は比較回路
13の出力は図3(F)に実線で示す波形Vs のように
高レベルになって回転数制御用点火制御スイッチ14の
トランジスタTR2 が導通状態になる。
【0054】図示の点火装置では、内燃機関の回転数が
設定値Ns に達したときに、第1の積分電圧Vc1が基準
電圧Vr1を超える角度位置θt1と点火回路1の遮断制御
回路3Bが一次電流制御用スイッチ3Aを遮断状態にす
る角度位置θi1とが一致するように設定され、第2の積
分電圧Vc2が参照電圧Vr2を超える角度位置θs が角度
位置θi1よりも遅れた位置になるように設定されてい
る。
【0055】従って、内燃機関の回転数が設定値Ns を
超えると、角度位置θi1で一次電流制御用スイッチ3A
が遮断状態になった後も回転数制御用点火制御スイッチ
14のトランジスタTR2 が導通状態を保持し、点火コ
イルの一次電流を角度位置θs まで流し続ける。この状
態では、点火コイル2の一次電流は角度位置θs で遮断
されるため、点火位置は角度位置θs (図3Aにおける
角度位置θi2)まで遅れる。
【0056】図4は、上記点火装置の点火特性(内燃機
関の回転数Nに対する点火角度θiの特性)を示したも
のである。回転数Nが設定値Ns を超えると点火角度θ
i がθi1からθi2まで急激に遅角して機関の回転数が低
下し、回転数が設定値Ns よりも低くなると点火角度が
再びθi1に復帰して回転数が上昇する。これらの動作の
繰り返しにより、回転数がほぼ設定値Ns 以下に制限さ
れて、内燃機関の過回転が防止される。
【0057】点火角度の遅角量(θi1−θi2)は、例え
ば15°〜25°に選定する。
【0058】図5は、本発明に係わる点火装置の他の構
成例を示したものである。図5に示した点火装置は、図
2に示した点火装置の比較回路13から第2の比較器1
3Bを省略したものに相当する比較回路13´が用いら
れている点を除き、図2に示した例と同様に構成されて
いる。
【0059】図6は、図5の回路の各部の電圧波形を内
燃機関のクランク軸の回転角θに対して示したもので、
図6(B)ないし(D)は図3(B)ないし(D)と同
様である。
【0060】比較器13Aは、第1の積分電圧Vc1を基
準電圧Vr1と比較して、第1の積分電圧Vc1が基準電圧
Vr1以下のときにその出力を第1の状態(この例では低
レベルの状態)とし、第1の積分電圧Vc1が基準電圧V
r1を超えているときにその出力を第2の状態(この例で
は高レベルの状態)とする。
【0061】この例では、第1の比較器13Aの出力
(従って比較回路13’の出力)が低レベルの状態にあ
るときに回転数制御用点火制御スイッチ14が遮断状態
を保持し、第1の比較器13Aの出力が高レベルの状態
にあるときに回転数制御用点火制御スイッチ14が導通
状態を保持する。この例においても、内燃機関の回転数
Nが設定値Ns に達したときに、一次コイル2aに第2
の半サイクルの電圧が誘起している間に遮断制御回路3
Bにより一次電流制御用スイッチ3Aが遮断状態になる
回転角度位置θi1で第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1
を超えるように、矩形波信号VT の時間幅Tが設定され
ている。
【0062】内燃機関の回転数が設定値Nsよりも低い
ときは、第1の積分回路10で発生する第1の積分電圧
が図6(D)に破線で示した波形Vc1´のようになり、
該積分電圧Vc1´は角度位置θt1´からθt2´までの間
基準電圧Vr1を超えた状態となって、比較回路13の出
力が図6(F)に破線で示した波形Vs ´のように角度
位置θt1´からθt2´までの間高レベルの状態(第2の
状態)となる。従って、回転数制御用点火制御スイッチ
14が角度位置θt1´からθt2´までの間導通状態にな
るが、角度位置θt1´は一次電流制御用スイッチ3Aが
遮断される角度位置θi1よりも遅れた位置であるので、
内燃機関の点火時期が影響を受けることはない。
【0063】内燃機関の回転数が設定値Nsに達する
と、第1の積分回路10で発生する第1の積分電圧が図
6(D)に実線で示す波形Vc1のようになり、角度位置
θt1からθt2までの間積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超
えた状態となって、比較回路13の出力が図6(F)に
実線で示す波形Vs のように角度位置θt1からθt2まで
の間高レベルの状態(第2の状態)となる。従って、回
転数制御用点火制御スイッチ14は角度位置θt1からθ
t2までの間導通状態を保持する。回転数が設定値Ns に
達したときに角度位置θt1が一次電流制御用スイッチ3
Aが遮断される角度位置θi1に一致するように設定され
ているので、回転数が設定値Ns を超えると、角度位置
θi1で一次電流制御用スイッチ3Aが遮断されても回転
数制御用点火制御スイッチ14を通して点火コイルの一
次電流が流れ続ける状態となり、点火用高電圧の発生が
停止する。従って機関が失火状態となり、その過回転が
防止される。
【0064】なお、内燃機関の回転数が設定値Nsに達
したときに、三角波形の第1の積分電圧Vc1の波高位置
付近で該積分電圧Vc1が角度位置θi1で基準電圧Vr1を
超えるように設定しておけば、回転数が設定値Nsを超
えて回転数制御用点火制御スイッチ14が導通した後再
び遮断される角度位置θt2が、一次コイル2aに第2の
半サイクルの電圧が誘起している間に位置するようにす
ることもできる。この場合には、回転数が設定値Nsを
超えたときに機関を失火させることなく、点火時期を遅
角させることにより内燃機関の過回転を防止するように
することもできる。
【0065】図2または図5に示したように点火装置を
構成した場合には、点火回路1の部分として既存の点火
装置を用いて、該点火装置と過回転防止回路5の部分と
を点火装置の一次線(共通ラインCL)と接地線(接地
ラインGL)とで結線するだけで、過回転防止機能を持
った点火装置とすることができるので、機種や大きさの
異なる内燃機関の点火装置に本発明を適用して容易に過
回転防止機能を持たせることができる。
【0066】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、内燃機
関の回転数を検出するための手段として用いる単安定マ
ルチバイブレータのトリガ信号を、点火コイルの一次コ
イルに誘起する電圧の立ち上がりから得るようにしたの
で、一次電流の立ち上がりによりトリガ信号を得る従来
の点火装置のように、一次電流の通電路に電流検出用抵
抗を挿入することを必要としない。そのため、点火コイ
ルの一次電流が制限されて点火性能が低下するのを防ぐ
ことができる。
【0067】また、本発明によれば、1つの単安定マル
チバイブレータを用いて必要な単安定時間を得ることが
できるので、回路構成を簡単にするとともに、単安定時
間の調整を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる内燃機関用点火装置の基本的回
路構成を示したブロック図である。
【図2】本発明に係わる点火装置の具体的な構成例を示
した回路図である。
【図3】図2の点火装置の各部の電圧波形を内燃機関の
回転角に対して示した波形図である。
【図4】図2の点火装置により得られる点火特性の一例
を示した線図である。
【図5】本発明の他の具体的構成例を示した回路図であ
る。
【図6】図5の回路の各部の電圧波形を内燃機関の回転
角に対して示した波形図である。
【符号の説明】
1…点火回路、2…点火コイル、2a…一次コイル、2
b…二次コイル、3…一次電流制御回路、3A…一次電
流制御用スイッチ、3B…遮断制御回路、4…点火プラ
グ、5…過回転防止回路、6…安定化電源回路、7…単
安定マルチバイブレータ、8…タイマIC、9…第2の
積分回路、10…第1の積分回路、12…基準電圧発生
回路、13…比較回路、13A…第1の比較器、13B
…第2の比較器、14…回転数制御用点火制御スイッ
チ、C5 …第1の積分コンデンサ、C3 …第2の積分コ
ンデンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−210363(JP,A) 特開 平2−153263(JP,A) 実開 平5−66272(JP,U) 実開 昭59−126179(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 3/08 F02P 11/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関により駆動される磁石発電機内
    に設けられて、内燃機関の回転に同期して一方の極性の
    第1の半サイクルの電圧と他方の極性の第2の半サイク
    ルの電圧と一方の極性の第3の半サイクルの電圧とが順
    次現れる交流電圧を内燃機関の1回転当たり1回だけ一
    次コイルに誘起する点火コイルと、 前記点火コイルの一次コイルに前記第2の半サイクルの
    電圧が誘起したときに導通して該一次コイルに電流を流
    す一次電流制御用スイッチと、前記一次電流が設定値に
    達したときに前記一次電流制御用スイッチを遮断状態に
    する遮断制御回路とを備えた内燃機関用点火装置におい
    て、 前記一次コイルに前記第1の半サイクルの電圧が誘起し
    たときにトリガされて内燃機関の1回転当たり1回だけ
    設定された時間幅を有する矩形波信号を発生する単安定
    マルチバイブレータと、 前記矩形波信号が発生している間積分コンデンサを一定
    の時定数で充電し、前記矩形波信号が消滅している期間
    前記積分コンデンサを一定の時定数で放電させて前記積
    分コンデンサの両端に三角波形の積分電圧を発生する積
    分回路と、 前記積分電圧を基準電圧と比較して前記積分電圧が基準
    電圧以下のときに出力が第1の状態になり、前記積分電
    圧が基準電圧を超えたときに出力が第2の状態になる比
    較器と、 前記一次コイルに対して並列に設けられていて、前記比
    較器の出力が第1の状態にあるときに遮断状態を保持
    し、前記比較器の出力が第2の状態にあるときに導通状
    態になるように前記比較器の出力に応じてオンオフ制御
    される回転数制御用点火制御スイッチとを具備し、 前記内燃機関の回転数が設定値に達したときに、前記一
    次コイルに前記第2の半サイクルの電圧が誘起している
    間に前記積分電圧が前記基準電圧を超えるように前記矩
    形波信号の時間幅が設定されていることを特徴とする内
    燃機関用点火装置。
  2. 【請求項2】 一次コイルと二次コイルとを有し、少な
    くとも一次コイルが内燃機関により駆動される磁石発電
    機内に設けられて、内燃機関の回転に同期して一方の極
    性の第1の半サイクルの電圧と他方の極性の第2の半サ
    イクルの電圧と一方の極性の第3の半サイクルの電圧と
    が順次現れる交流電圧を内燃機関の1回転当たり1回だ
    け一次コイルに誘起する点火コイルと、 前記点火コイルの一次コイルに前記第2の半サイクルの
    電圧が誘起したときに導通して該一次コイルに電流を流
    す一次電流制御用スイッチと、前記一次電流が設定値に
    達したときに前記一次電流制御用スイッチを遮断状態に
    する遮断制御回路とを備えた内燃機関用点火装置におい
    て、 前記一次コイルに前記第1の半サイクルの電圧が誘起し
    たときにトリガされて内燃機関の1回転当たり1回だけ
    一定の時間幅を有する矩形波信号を発生する単安定マル
    チバイブレータと、 前記矩形波信号が発生している間第1の積分コンデンサ
    を一定の時定数で充電し、前記矩形波信号が消滅してい
    る期間前記第1の積分コンデンサを一定の時定数で放電
    させて前記第1の積分コンデンサの両端に三角波形の第
    1の積分電圧を発生する第1の積分回路と、 前記矩形波信号が発生している間第2の積分コンデンサ
    を充電し、矩形波信号が消滅する際に該第2の積分コン
    デンサを瞬時に放電させて第2の積分電圧を発生する第
    2の積分回路と、 前記第1の積分電圧を基準電圧と比較して前記第1の積
    分電圧が基準電圧以下のときに出力が第1の状態になり
    前記第1の積分電圧が基準電圧を超えたときに出力が第
    2の状態になる第1の比較器と、 前記第2の積分電圧を参照電圧と比較して前記第2の積
    分電圧が参照電圧を超えたときに出力が第1の状態にな
    り、第2の積分電圧が参照電圧以下のときに出力が第2
    の状態になる第2の比較器と、 前記一次コイルに対して並列に設けられていて、前記第
    1の比較器の出力及び第2の比較器の出力がともに第2
    の状態にあるときに導通して前記一次コイルを短絡し、
    前記第1の比較器の出力または第2の比較器の出力の少
    なくとも一方が第1の状態にあるときに遮断状態になる
    ように前記第1の比較器及び第2の比較器の出力に応じ
    てオンオフ制御される回転数制御用点火制御スイッチと
    を具備し、 前記内燃機関の回転数が設定値に達したときに、前記一
    次コイルに前記第2の半サイクルの電圧が誘起している
    間に前記第1の積分電圧が基準電圧を超えた状態になる
    ように前記矩形波信号の時間幅が設定され、 前記内燃機関の回転数が前記設定値に達したときに、前
    記遮断制御回路が前記一次電流制御用スイッチを遮断状
    態にする位置よりも遅れた位置で前記第2の積分電圧が
    前記参照電圧を超えるように前記参照電圧のレベルが設
    定されていることを特徴とする内燃機関用点火装置。
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