JP3530666B2 - 溶融ガラス原料の製造装置 - Google Patents

溶融ガラス原料の製造装置

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JP3530666B2
JP3530666B2 JP01881796A JP1881796A JP3530666B2 JP 3530666 B2 JP3530666 B2 JP 3530666B2 JP 01881796 A JP01881796 A JP 01881796A JP 1881796 A JP1881796 A JP 1881796A JP 3530666 B2 JP3530666 B2 JP 3530666B2
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    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B3/00Charging the melting furnaces
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/02Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture in electric furnaces, e.g. by dielectric heating
    • C03B5/033Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture in electric furnaces, e.g. by dielectric heating by using resistance heaters above or in the glass bath, i.e. by indirect resistance heating
    • C03B5/0332Tank furnaces

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス溶融槽への
ガラス原料の投入、溶融ガラス液面レベルの検知、溶融
ガラスの撹拌などの作業に際しての、炉内部雰囲気によ
る影響を回避した溶融ガラス原料の製造装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、比較的小型のガラス溶融炉で、ガ
ラスを溶融する際には、たとえば、炉側面に設けた開口
部からスコップなどを高温の炉内に挿入して、炉内のガ
ラス溶融槽にガラス原料を投入したり、炉上部の開口部
からセラミックス製パイプ、もしくは、水冷されたステ
ンレスなどの金属製パイプを挿入して、このパイプを介
して、ガラス溶融槽にガラス原料を投入している。
【0003】また、ガラス溶融槽の溶融ガラスの液面レ
ベルを検知するには、大型のタンク窯の場合、ガンマ線
などの放射線をの外側から溶融ガラスに当てて、その
吸収量を測ることにより、ガラス液面の高さを知る方法
が採用され、また、比較的小型のガラス溶融の場合、
炉体に開口部を設けて、そこから接針センサーを挿入
し、その先端が溶融ガラスの液面に接触したか否かを電
気的な通電の有無でチェックする方法が採用されてい
【0004】また、溶融ガラスの温度を均一化するため
に、溶融ガラスを撹拌する場合にも、一般的に、炉上部
に開口部を設けて、そこから撹拌棒を溶融ガラス内に挿
入し、撹拌操作していた。
【0005】上記のガラス溶融炉としては、特開昭55
‐140723号公報、特開昭60‐81030号公
報、特開平6‐345442号公報がある。
【0006】しかしながら、前述のように、その目的に
従って、炉体に開口部を設けるだけでは、以下に述べる
ような共通の問題が存在する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】即ち、炉内雰囲気から
の熱上昇気流に曝されるため、作業性が悪く、作業に熟
練を要し、更に、ガラス溶融炉の周辺装置について、そ
の熱対策に多大の労力と費用を費やす必要があった。
【0008】また、これ以外にも、前述のそれぞれの作
業(ガラス原料の投入、溶融ガラスの液面レベルの測
定、溶融ガラスの撹拌)において、各別の問題がある。
まず、ガラス原料の投入であるが、投入が炉側面からに
せよ、炉上部からにせよ、通常、投入されたガラス原料
は、炉内の雰囲気に直接、曝されることになる。このた
め、ガラス原料の粒度が細かければ、原料の一部は、炉
内雰囲気の対流に載って、雰囲気中に舞ってしまう。ま
た、原料が、カレットのように、ある程度の大きさの塊
状であれば、その一部が熱衝撃を受けて破砕・飛散す
る。これによって、いずれの場合も、炉内や、既にガラ
ス溶融槽内で泡切れの進行した溶融ガラスを、汚染する
危険があった。
【0009】特に、炉上部の開口部から原料を投入する
場合は、炉内雰囲気からの熱上昇気流が激しくなり、投
入原料が炉外に飛散しやすいため、投入量を正確に設定
できないという欠点があった。
【0010】また、開口部を介して溶融ガラスの液面レ
ベルを検知する場合では、溶融過程で、センサーを挿入
し続けることになるため、開口部とセンサーとの隙間か
ら雰囲気が外部に漏れ、この際の熱上昇気流に載って、
ガラスの揮発が促進され、屈折率などのガラスの品質変
動を招きやすかった。ガラスを撹拌する場合にも、常
に、撹拌棒を炉内に挿入しているため、開口部からの雰
囲気の外部漏出が、同様の品質変動の要因となってい
た。
【0011】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
ので、その第1の目的とするところは、ガラス溶融に必
要な、前述の各種の作業を実施するに際して、その作業
性を改善し、溶融炉の周辺装置における熱対策を容易に
するため、その炉内雰囲気との関係を改善した溶融ガラ
ス原料の製造装置を提供することにある。即ち、ガラス
材料の投入の度に炉体開口部を開くので、そのつど、炉
内の溶融ガラスからの揮発成分の炉外への放出がなされ
る。そのため、ガラス成形品の特性、特に、成形品がガ
ラスレンズの場合に、レンズ光学特性、たとえば、レン
ズ屈折率の変動を生じることになるので、係る問題を解
消するものである
【0012】本発明の第2の目的とするところは、ガラ
ス原料を投入する際に、第1の目的に加えて、正確な投
入量を実現すると共に、投入されたガラス原料によっ
て、炉内や、ガラス溶融槽の清澄された溶融ガラスの汚
染を防止するようにした溶融ガラス原料の製造装置を提
供することにある。
【0013】本発明の第3の目的とするところは、溶融
ガラス原料の液面レベルを測定する際に、第1の目的に
加えて、ガラスの品質変動を防止するようにした溶融ガ
ラス原料の製造装置を提供することにある。
【0014】本発明の第4の目的とするところは、溶融
ガラス原料を撹拌する際に、上記の第1の目的に加え
て、ガラスの品質変動を防止するようにした溶融ガラス
原料の製造装置を提供することにある。
【0015】
【0016】即ち、従来はガラス溶融炉内の溶融槽内に
ガラス材料を投入する際に、溶融炉の窓を開け、該窓か
らガラス材料を投入するわけであるが、投入されたガラ
ス材料が溶融ガラス内に落下する際に、溶融ガラスが飛
散し、飛散した溶融ガラスの落下に伴い溶融槽内のガス
を巻き込む現象が生じる。巻き込まれたガスは結果とし
て、成形品のレンズ内に気泡として残ることになる。
【0017】このレンズ内の気泡はレンズ内の存在の場
所により透過光線の屈折に悪影響を及ぼす。また、成形
品のレンズの品質検査の項目として、目視検査によるレ
ンズ内の気泡の確認があるが、本願発明は該気泡の発生
を最小限に抑えることのできたガラス成形品の製造方法
を提案する。
【0018】更に、ガラス溶融槽にガラス材料を投入す
る際に投入されたガラス材料が溶融槽内の所定の位置に
投入される必要がある。たとえば、所定の位置に投入さ
れないで、溶融槽のガラス流出口の近くに投入されてし
まうと、ガラス材料の溶け残り状態が発生する。
【0019】即ち、ガラス材料は投入位置から流出口に
移動するまでの温度と時間の相互関係で所定の流動状態
(ガラス粘度)になるように設定されているものであ
る。
【0020】それ故、従来方法においては、ガラス溶融
槽にガラス材料が投入される際に、ガラス材料が所定位
置に投入されないで、飛散すると、一部のガラス材料は
所定の流動状態に達する前に流出され、結果として、成
形品内にガラス材料の溶け残り状態が発生する。このガ
ラス材料の溶け残り現象は、レンズの場合、透過光線の
散乱現象や、透過光量の不足を招く。
【0021】なお、本発明の他の目的とするところは、
後述する実施例において、具体的に説明することにす
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し、目
的を達成するために、本発明によれば、ガラス溶融炉か
ら外部に流出さ、ガラス加工品を成形するために用い
られる溶融ガラス原料の製造装置であって、前記ガラス
溶融炉は、固形状態の固形ガラス原料を内部に投入する
開口した開口部を有するとともに、内部において溶融清
澄部と流出部に分割された炉本体と、前記固形ガラス原
料を加熱溶融するために前記溶融清澄部と前記流出部と
を夫々の所定設定温度に維持する加熱手段と、前記加熱
手段により溶融状態になった溶融ガラス原料を貯蔵する
ために前記溶融清澄部に配設されるガラス溶融槽と、前
記ガラス溶融槽に対して接続されるとともに前記流出部
に配設される流出槽と、前記流体槽に設けられる流出管
と、前記ガラス溶融槽中における溶融ガラス原料の液面
と、前記開口部との間を前記液面からの隔離状態にする
ために、前記開口部を介して一端を外部に導出し、かつ
他端を溶融ガラス原料内に浸漬した状態で、前記開口部
を炉内雰囲気から遮断するフランジを含む遮断部を形成
したガラス原料投入管と、を具備し、前記固形ガラス原
料を前記ガラス原料投入管を介して前記ガラス溶融槽内
に投入し、前記流出槽に導入し、前記流出管を介して
融ガラス原料を外部に流出可能にしたことを特徴として
いる。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて、添付図面を参照して具体的に説明する。先ず、
図1は、本発明の第1の実施形態を概念的に示したもの
であり、ここで、ガラス溶融炉1は、隔壁4により、溶
融清澄部2と流出部3に分けられている。また、ガラス
溶融炉1の炉壁は、隔壁4を含めて、耐火れんがや断熱
材などで作られており、ガラス溶融時の高熱ができるだ
け炉外に漏れないように工夫されている。
【0030】ガラス原料を受けて、これを溶融するため
のガラス溶融槽は、前記溶融清澄部に対応する溶融清澄
槽5、接続パイプ6、および、前記流出部に対応する流
出槽7とから構成されていて、この実施形態では、何れ
も白金で作られている。
【0031】また、流出槽7の底部には、例えば、白金
製の、流出パイプ8が付いていて、所要粘度に融けたガ
ラスが流出できるようになっている。また、ガラス溶融
槽と炉壁の間には、ヒーター82が設置されていて、溶
融清澄部2と流出部3とを、それぞれ別々の、必要なガ
ラス溶融温度T1、T2に加熱できるようになってい
る。
【0032】溶融清澄槽5の温度T1は、熱電対81に
よりモニターされ、温度調節器83に対して信号線85
を介して入力され、測定温度Taと設定温度T1とを比
較演算して、ヒーター82への出力信号86が電源部8
4に送られる。こうして、ヒーター82に適宜通電が行
われて炉内温度T1が一定に維持される。一方、流出部
3においても、熱電対87とヒーター88と温度調節器
89とが設けられており、信号線90と出力信号92に
よりヒーター通電制御が行われる。
【0033】図2は、温度自動調節の一例にかかるフロ
ーチャートであり、先ず、この制御が開始すると、ステ
ップS1で各熱電対81、87で炉内の温度測定を行い
測定温度Ta、Tbを得て、調節器83、89に送る。
次に、ステップS2において各調節器において予め設定
されている設定温度T1、T2と測定温度の比較をす
る。このステップS2における比較結果をステップS3
において判断して、夫々が等しい場合には、ステップS
7に進みステップS1にリターンし、移行継続して制御
を行う。
【0034】一方、ステップS3において測定温度と設
定温度とが等しくない場合には、ステップS4におい
て、測定温度が設定温度よりも低い状態であるかの判断
が実行されて、低いと判断されるとステップS5に進み
各ヒーター82、88への通電を行い、設定温度になる
まで通電する。また、ステップS4において、測定温度
が設定温度よりも低い状態でないと判断されるとステッ
プS6に進み、設定温度よりも測定温度が高くなってい
る状態であるかの判断がされて、高くなっている場合に
は、何等かの異常が発生したものと判断してステップS
8において異常発生フラグを立てて終了する。また、ス
テップS6で設定温度よりも測定温度が高くなっていな
いと判断がされると測定異常による不定状態と判断し
て、ステップS7に進み再度ステップS1からの処理を
行う。
【0035】以上の自動温度制御により、各ヒーター8
2、88が設置されていて、溶融清澄部2と流出部3と
を、それぞれ別々の、必要なガラス溶融温度T1、T2
に維持するように構成されている。
【0036】また、溶融ガラス10は炉上部に設けた原
料投入用の開口部12挿入されたガラス原料投入管13
を介して導入される。このガラス原料投入管13は、開
口部12と溶融ガラス10の表面の所定領域に連通する
連通手段であり、その下端部は、溶融清澄槽5内の溶融
ガラス10に浸されており、また、その上端部は、開口
部12を介して外部に導出してあって、そのフランジ1
4が開口部12の縁部で支えられ、実質的に、開口部1
2において、炉内の雰囲気と炉外とを遮断するようにな
っている。
【0037】ガラス原料投入管13は、この実施形態の
場合、白金で作られているが、融けたガラスやガラスの
揮発成分に対して耐蝕性があり、ガラスの品質を損なう
ことがなければ、必要に応じて、白金合金などの貴金属
で作ることが可能である。例えば、そのフランジ部に
は、強度の大きなロジウム含有白金が用いられ、パイプ
部分には、ガラスに濡れにくい金含有白金が用いられて
も、何ら差支えない。
【0038】なお、上記実施形態において、符号15は
ジョウゴ、16は原料投入用のカップ、17は開口部1
2を開閉する蓋であり、原料投入しない時には、図3で
示されるように、ジョウゴ15に代って、投入管13の
外端を閉塞する。また、ジョウゴ15やカップ16は、
ステンレス製であり、蓋17は、外張りを白金または白
金合金で構成している。これら(15,16,17)
は、それぞれ、別々のアーム18,19,20で支持さ
れ、更に、これらアームは、それぞれ、別々の駆動装置
(図示せず)で、動作されるようになっている。
【0039】また、図中、符号21はガラス原料であ
り、また、符号22は、投入されたばかりの原料がまだ
融け切らないで、ガラス溶融槽の溶融ガラス10の液面
上に載っている状態を示すものである。更に、符号23
は、投入された原料が投入管内を落下する途中で、その
一部が、投入管の内壁に付着したものである。
【0040】なお、カップ17に原料をチャージする装
置は、図には示していないが、ホッパーに蓄えた原料か
ら所定量で自動秤量して、カップ16にチャージするよ
うになっている。
【0041】次に、前述のシステムを使用して、光学素
子用のガラス原料を投入、溶融する態様を、図1、図3
を用いて、具体的に説明する。
【0042】なお、ガラス原料には、室温時における比
重が3.05であり、温度が 1300℃の時にガラス粘度が101.5dPa・s 1200℃の時にガラス粘度が101.6dPa・s、 1100℃の時にガラス粘度が101.8dPa・s、 1000℃の時にガラス粘度が102.2dPa・s、 890℃の時にガラス粘度が102.9dPa・s、 610℃の時にガラス粘度が107.6dPa・s、 498℃の時にガラス粘度が1013 dPa・s となる特性を持ったBaO−SiO2−B23系のガラ
スを、一旦、ラフメルトしたものが用いられる。
【0043】また、図1において、溶融清澄部2は、温
度T1が1280℃、流出部3の温度T2は1100℃
になるように上記のように自動温度制御されている。ま
た、ガラス溶融槽(符号5〜7)内には、前述の組成の
ガラス原料が、予めチャージされていて、溶融清澄槽5
では、深さ50mmの溶融状態の溶融ガラス原料になっ
ており、流出槽7では、深さ130mmの溶融状態の溶
融ガラス原料になっている。そして、投入管13の下端
部は、約10mmの深さまで、溶融ガラス10の中に浸
されている。
【0044】ここで、ガラス流出量を60g/分に設定
し、これに合わせて、ガラス原料の投入条件を、カップ
16の1杯当たりに120gを、2分ごとに投入するよ
うに設定した。また、投入する時の装置の動きを説明す
ると、まず、前回の投入が終った時点で、投入管13
は、図3のように、その外部開口を蓋17で閉じられて
いる。このように、蓋をする理由は、投入管内に、外部
からゴミが入らないようにするためと、放射による炉内
からの放熱ロスを防止するためのである。
【0045】次に、投入時刻が来ると、まず、蓋17を
投入管13の開口上から移動して、図1の状態まで対比
させる。次いで、図1に示されるように、ジョウゴ15
がパイプ13の上に設置され、その次に、ガラス原料:
120gが入ったカップ16がジョウゴ15の上方に移
動し、カップがアーム19の回りに回転することで、原
料がカップ16からジョウゴ15の中へ投入される。投
入された原料の多くは、ガラス融液面に落下し、一部
は、図1において、符号23で示されるように、投入管
の内壁に付着する。原料を投入して、カップが空になる
と、この時点で、カップとジョウゴが退避して、逆に、
蓋17が再び移動してきて、図3に示されるように、投
入管13の外部開口上に載り、開口部12を閉塞する。
【0046】投入管内に投入された原料であるが、実測
上、例えば、2分後の、次の投入時刻に投入管内部を確
認すると、溶融ガラスの液面に落下した原料は、ほぼ融
けて、表面が略平らになっており、また、投入管の内壁
に付着した原料も、その大部分は、溶融ガラスの液面
へ、溶け落ちていた。なお、投入管を介して、溶融ガラ
スの表面から立ち上がる熱上昇気流は極めて少ないた
め、投入管13を介して内部を容易に除き込むことが可
能で、融けたガラス液面や投入された原料の融ける様子
などを、目視で、直接、観察することが可能だった。
【0047】また、前記開口部12を介して、投入管内
部の様子を、外部から、熱遮蔽せずに、直接、ビデオ撮
影したり、特別な冷却機構なしに、赤外線放射温度計を
使って、融けたガラスの温度を測定することも、容易に
行なうことができる。
【0048】この後、2分間隔で、ガラス原料の投入を
繰り返した結果、投入開始から20分程度経過すると
(10回目の投入に相当)、ガラス溶融槽5に溶接した
熱電対の温度測定値は、ほぼ平衡に達していて、その
後、合計で24時間、投入、流出を継続しても、この温
度測定値は、ほとんど一定となっていて、投入管内に投
入されたガラス原料が融け切らないで、詰まってしまう
ような事態は、回避されている。
【0049】また、炉上部に設置した投入用の装置、即
ち、ジョウゴ15、カップ16、蓋17は、いずれも、
水冷などの冷却機構を備えていないが、炉内からの熱上
昇気流が極めて少ないため、24時間の投入実験後も、
装置の動作上、ならびに、作業の安全上の問題となるよ
うな温度まで上昇することはなかった。
【0050】また、炉内からの熱上昇気流が極めて少な
いため、粉末状、もしくは、粒状の原料が投入される時
の、炉外への原料の飛散がほとんど無かった。この結
果、飛散による投入量の減少や、また、所定量が投入さ
れないために、溶融ガラスの液面の高さが変動して、流
出槽からの溶融ガラスの流出量が変わってしまうような
事態が避けられた。
【0051】また、24時間の投入実験の間、流出され
る溶融ガラスには、上述のガラス原料の飛散が原因とな
る、泡の発生や融け残りの成分がないことが、その後の
ガラス成形品(光学素子)の検査から確認されている。
また、24時間の投入実験の後に、炉を冷却して、ガラ
ス溶融槽(符号5〜7)の溶融ガラスの外側表面や炉内
壁を観察した結果、投入ガラス原料が飛散したような形
跡は、全く認められなかった。
【0052】また、実施形態3で詳しく説明するが、ガ
ラス原料を投入する都度、投入管の外側で、溶融ガラス
の液面が波打つことは、ほとんど認められなかったの
で、例えば、炉の開口部を介して、液面のレベル測定を
行なう場合、前記投入管のような連通手段を備えると、
測定場所に波打ちが伝播もしくは発生することが無く、
測定が高精度にできることが解った。
【0053】なお、本発明の実施に当たっては、投入管
の下端部を溶融ガラス内に浸して、その上端部を、フラ
ンジ部を開口部12の縁に載せた状態で、外部と連通
し、炉内の雰囲気を外部に漏出しないように工夫すれ
ば、投入管の寸法(太さや長さ)や形状には、何ら実質
的な制限が無く、また、溶融ガラスへの投入管の浸漬深
さを所要の値に制限するものではない。即ち、例えば、
投入管やこれを挿入する開口部の断面形状は、円形に制
限されるものではない。あるいは、別の例として、投入
管の下端部に、何本かの支持脚を取付けて、投入管の下
端を完全にガラス溶融槽内に落とし込み、その投入管の
上端部に、本実施形態のようなフランジ部を設けない
で、モルタルなどで、その上端部と、開口部12との間
隙を密閉するなどの手段を、適宜、用いることも可能で
ある。
【0054】更に、融かされるガラス原料の種類も、本
実施形態のものに限られるわけでなく、ガラス引上げ量
(=投入量=流出量)を適当に変えても、同様の効果が
得られることは言うまでもないことである。また、溶融
炉とガラス溶融層を、単槽や、互いに連通する三槽以上
の構造にしても何ら差支えない。
【0055】また、本発明に対比するために、従来の、
開口部を単に備える構造のガラス溶融炉で、ガラス原料
の投入実験を行った結果を以下に述べる。即ち、比較実
験の内容を図7を参照して説明すると、まず、本発明の
実施形態1との違いであるが、その違いは、投入管をど
のように装備したか否かの構造上の事柄だけである。す
なわち、図7の中では、投入管25は、アルミナ製であ
り、しかも、その下端部が、溶融ガラス内に浸らないよ
うに構成されている。なお、投入管上部には、アルミナ
製のフランジ26が、無機材料系の接着剤で接着されて
いて、開口部12の縁に載っている。また、融かされる
ガラス原料や投入条件は、実施形態1と同じ設定にし
た。
【0056】この結果、原料投入時に蓋17を開ける
と、投入管を介して、炉内から非常に激しい熱上昇気流
が吹き上げてきた。このため、十分な時間、投入管内部
を目視観察することは不可能となり、また、ジョウゴ1
5内からその上方に向かって、符号27で示すように、
かなりの量の原料が飛散してしまった。また、ガラス原
料が、溶融ガラスの液面に落下する時に、符号28で示
すように、原料が炉内の対流に載って舞い上がり、原料
の一部が熱衝撃で破砕して、飛散する現象が見られた。
この結果、符号29で示すように、炉内を汚染したり、
符号30で示すように、既に泡切れの進行した溶融ガラ
スを汚染してしまった。また、原料の飛散の結果、折角
に秤量された投入原料が正確に供給できなくなってしま
った。
【0057】また、符号31で示すように、原料投入の
都度、投入された場所付近の溶融ガラスの液面が波打っ
てしまい、これが周辺に広がる現象が観察された。この
ため、液面のレベル測定を行なおうとすると、測定場所
に波打ちが伝わり、測定が高精度にできない状態になっ
た。
【0058】以上のように、本願方法を示す、投入管を
溶融ガラス内に挿入させると、炉体開口部を開いた時に
炉内の溶融ガラスの揮発成分(例えば、リチウム、カリ
ウム、ナトリウム、などのアルカリ成分や、ホウ素など
の化合物)の炉外への放出を最小限に抑えることができ
る。これによりレンズの屈折率の変動を防ぐことができ
た。また、該投入管によりガラス材料の投入位置を正確
に定めることができるので、ガラス材料の溶け残り現象
の発生を解消できた。更に、投入管により投入されたガ
ラス材料による溶融ガラスの飛散による、気泡の発生も
解消できた。
【0059】次に、図では示さないが、図7で使ったア
ルミナ製の投入管の長さを、更に長くして、実施形態1
と同様にして、投入管の下端部がガラス融液に浸るよう
に構成した。この結果、炉内からの熱上昇気流がほとん
ど無くなったため、炉外への原料飛散が防止され、ま
た、原料が融液面に落下する時にも原料の飛散が無くな
ったが、しかし、溶融ガラスに浸した投入管の部分がア
ルミナ製であるため、24時間の投入実験後に確かめた
ところ、液面付近の投入管の部分が、溶融ガラスによっ
て、激しく侵食され、少し力を入れたところ、侵食部で
ちぎれてしまった。更に、侵食されたアルミナが溶融ガ
ラス中に融けこんで、ガラス組成、更には、成形品の品
質を変動させる危険がある。
【0060】次に、本発明との比較例として、図8に示
すような、従来の構成で、同様な実験を試みた。ここで
は、炉側面の開口部32からステンレス製のカップ33
を高温の炉内に挿入することで、原料投入を行った。ま
た、開口部32は、原料投入しない時には、耐火物でで
きた開閉扉(図示せず)を閉じていて、炉内の熱が外に
漏れないようにしてある。そして、原料投入時に、この
扉を開けて、ガラス原料を入れたカップ33を炉内に投
入する。カップ33はアーム34の先端に取付けられて
おり、炉内で、アームが軸回りに回転して、ガラス原料
を、溶融ガラスの上に落下、供給するようになってい
る。
【0061】カップへの原料チャージの仕方は、本発明
の実施形態1と同様である。また、カップやアームに
は、備え付けの冷却装置を設けなかった。また、ここ
で、融かすガラス原料や投入条件は、前記実施形態1と
同じ設定にした。
【0062】この結果、炉側面からのガラス原料の投入
では、炉上部からの投入と違って、炉内からの熱上昇気
流は、かなり少なくなるため、炉側面の開口部32付近
での原料飛散は少なかったが、カップからガラス原料が
溶融ガラスの液面に落下する時には、符号35で示すよ
うに、原料が炉内の対流に載って舞い上がり、原料の一
部が熱衝撃で破砕して飛散する現象が見られた。この結
果、符号36、37で示すように、炉内の汚染や、既に
泡切れの進行した溶融ガラスの汚染が避けられなかっ
た。
【0063】また、別の問題として、投入回数が増える
にしたがって、カップの温度が上昇し、17回目の投入
あたりから、投入後に、炉外にカップが取り出されて
も、カップが十分冷えないため、次段で、自動秤量機か
らカップに投入されたガラス原料の一部が少し融けて、
カップに融着してしまった。これを防ぐには、時々、カ
ップに水を霧状にして吹き付けるのがよいが、今度は、
水がカップに少しでも残ってしまうと、それが原因で、
ガラス原料がカップに付着してしまい、所定量の原料投
入に差支えがでてしまった。
【0064】また、符号38で示すように、原料投入の
都度、投入された場所付近の液面が波打ってしまい、こ
れが周辺に広がる現象が観察された。このため、液面の
レベル測定を行なおうとすると、測定場所に波打ちが伝
わり、測定が高精度にできなくなる危険がある。
【0065】以上をまとめれば、本発明では、ガラス原
料を投入する時に、原料を投入するための開口部に投入
管を挿入して、その一方の端部を溶融ガラスに浸し、も
う一方の端部を開口部を介して外部に出した状態で、炉
内の雰囲気と外部とを遮断するようにすることが重要で
ある。この結果、投入管を通しての炉内からの熱上昇気
流が回避されるので、投入装置に特別な冷却機構が不要
となり、また、炉外への原料飛散がほとんど無いため、
投入量を正確に設定できることになる。また、炉内での
原料飛散も完全に防止できるため、炉内や、既に泡切れ
の進行した溶融ガラスを汚染することが無くなるという
ことがわかる。また、原料投入の都度、投入管の外側の
液面が波打つことがほとんど認められないので、液面の
レベル測定が高精度にできることがわかる。なお、投入
管の材質を貴金属とすることで、ガラスの品質変動を防
止することができる。
【0066】次に、本発明の実施形態2を、図4を参照
して具体的に説明する。本実施形態で使用した投入管4
5は、実施形態1の投入管に、直接、通電して加熱する
ためのリード板40,41を追加したもので、リード板
には、この場合、交流電源42により、電力を供給する
ようになっているが、交流に限定されるわけでなく、直
流であっても、加熱による効果は、同様に得られる。ま
た、通電によるヒーターの温度は、直接、熱電対43で
モニターされ、温度調節器44を通して、供給電力を調
整するようになっている。なお、投入管45やリード板
40,41には、何れも白金あるいは白金合金などの貴
金属が採用される。また、熱電対43の配設位置は、本
実施形態では、溶融ガラスの液面から10mm上方にし
たが、この位置に限らず、例えば、複数の熱電対を予め
所定位置に取付けておき、その中で、最も高い温度を示
す位置や、あるいは、その逆の最も低い温度の位置の熱
電対を、制御のために使うことができる。
【0067】また、ガラス溶融炉1とその加熱方法とガ
ラス溶融槽は、基本的に、実施形態1と同じものであ
り、このガラス溶融槽には溶融ガラス10が入ってい
る。また、炉上部に設けた原料投入用の開口部46は、
リード板40の装備を配慮して、若干、その間隔を広く
してある。
【0068】また、ガラス原料投入用のジョウゴ、カッ
プ、蓋、ならびに、それらの駆動装置などについては、
実施形態1と同じものを使用した。また、このシステム
を使用した投入、溶融、流出の実験条件であるが、ガラ
ス引上げ量(=投入量=流出量)を実施形態1よりも多
い値、具体的には3倍の180g/分に設定し、これに
合わせて、ガラス原料の投入条件を、カップ1杯当たり
180gを1分ごとに投入するように設定した。また、
直接通電により投入管45を加熱することを除けば、こ
れ以外は実施形態1と同じである。
【0069】初めに、投入管45に、直接の通電加熱を
行なわずに、投入実験を行なった。なお、原料投入を開
始する前には、熱電対43の測定温度が1260℃を示
していた。ここで、前記の180g/分の条件で、原料
投入を開始した。2回目の投入の直前に、投入管45の
中を除いてみると、初めに投入された原料の上面は、ま
だ盛り上がったままで、十分に融けていなかった。この
時、熱電対43の測定温度は1040℃に低下してい
た。このまま、投入を続けたが、3回目には、更に投入
原料がパイプ45の中に詰まり始め、その上、熱電対4
3の測定温度は860℃に低下してしまった。このた
め、3回で投入を断念した。
【0070】これに対し、本発明の実施形態の仕方とし
て、投入管45を、直接、通電加熱しながら180g/
分の条件で、原料の投入ができる条件をさがした。この
結果、熱電対43の測定温度が約1100℃以上(ガラ
スの粘度は101.8dpa・s以下に相当)に保たれる
ようにすれば、一例として、24時間連続して、180
g/分で投入、溶融、流出が可能であった。
【0071】なお、炉上部に設置した投入用の装置、即
ち、ジョウゴ、カップ、蓋には、何れも、水冷などの冷
却機構を設けていないが、炉内からの熱上昇気流が極め
て少ないため、24時間の投入実験後も、装置の作動
上、並びに、作業の安全上、問題となるような温度上昇
は認められず、この点は実施形態1と同様である。
【0072】また、原料が投入される時に、炉内外での
原料の飛散がほとんど無いことも実施形態1と同じであ
る。このため、所定量が投入されないために、溶融ガラ
スの液面の高さが変動して、ガラスの流出量が変わって
しまうことや、流出されるガラスに原料飛散が原因の、
泡や融け残りの成分が残留するようなことも無く、ま
た、ガラス溶融槽の外側面や炉内壁にガラスが飛散した
ような後も見られなかった。また、原料投入の都度、投
入管の外側で、液面が波打たなかった点は、実施形態1
と同様である。
【0073】なお、本発明の実施に当たっては、投入管
の下端部を溶融ガラスに浸して、上端部を開口部を介し
て外部に導出し、しかも、開口部では、炉内の雰囲気と
炉外とを遮断するようになっていれば、投入管の寸法
(太さや長さ)や形状には、何ら制限がなく、また、溶
融ガラスに浸す深さも制限されるものではないことは、
実施形態1と同様である。
【0074】更に、融かすガラス原料の種類やガラス引
上げ量(=投入量=流出量)を適当に変えたり、また、
溶融炉とガラス溶融槽を、単槽や三槽以上にすることも
何ら差支えない。
【0075】以上をまとめれば、本発明では、特にガラ
ス引上げ量(=投入量=流出量)が多くなった場合で
も、実施形態2の態様で、ガラスの投入を行なうことに
より、投入された原料が融けずに投入管を詰まらせるこ
とがない。また、投入装置に特別な冷却機構が不要とな
り、次いで、投入量を正確に設定でき、更に、炉内や、
既に泡切れの進行した溶融ガラスを汚染せずに、ガラス
の投入を行なうことができる。また、原料投入の都度、
溶融ガラスの液面が波打たないので、液面のレベル測定
を高精度で行なうことができる。
【0076】更に、本発明の実施形態3を、図5を参照
して具体的に説明する。実施形態3では、接針センサー
を使って、溶融ガラスの液面レベルを測定するが、ガラ
ス溶融炉1やガラス溶融槽(符号5〜7)の構成や材質
は、基本的に、実施形態1と同様である。また、溶融清
澄部2の上部には、原料投入用の開口部12と液面レベ
ル測定用の開口部52が別々に設けられている。原料投
入用の開口部12には、実施形態1で使ったものと同じ
仕様の白金製の投入管13(内径50mm)が挿入され
ている。なお、原料投入装置としては、本実施形態の場
合、ガラス原料を蓄えるホッパー48と、ガラス原料を
秤量して供給するためのチャージャー49とが用いられ
る。チャージャー49と投入管13との間には、原料導
入管50があり、その下端部にフランジ部51があっ
て、これが投入管13のフランジ部14に載っている。
なお、原料導入管50の下部と、フランジ部51は、共
に白金で作られていて、原料導入管の上部はステンレス
製である。
【0077】液面レベル測定用の開口部52にも、内径
30mmの白金製の挿入管53が挿入されていて、その
下端部は、溶融ガラス10に浸されており、その上端部
は、そのフランジ部54を開口部52の縁に載せた状態
で、外部に連通させ、炉内の雰囲気と炉外とを遮断して
いる。この挿入管53の材質には、溶融ガラスやガラス
の揮発成分に対して耐蝕性があり、ガラスの品質を損な
うことがなければ、必要に応じて、白金合金などの貴金
属を採用してもよい。
【0078】また、溶融ガラスの液面11のレベルを測
定するために、白金製の接針センサー55が挿入管53
に挿入されている。この場合の接針センサーの形状であ
るが、下向きの円錐状であって、その底面の直径は10
mm、高さが25mmである。また、このセンサー部
は、外形が5mmである白金製の軸56の最下部に溶接
されている。軸56と挿入管53との隙間は12.5m
mとなる。軸56の最上部は、クランプホルダー57を
介して、駆動シャフト58に取り付けられている。ま
た、溶融炉上部の架台59には、上下駆動装置60が取
り付けられていて、駆動シャフト58を上下に動かせる
ようになっている。また、駆動装置60には、リニアス
ケールが内蔵されていて、上下の変位が解るようになっ
ている。61は電気的な導通検出器を内蔵した、ガラス
液面レベル制御器であり、接針センサー55と挿入管5
3が共にガラス液面11に接触している時に、電気的な
導通が生ずるようになっている。前記制御器61には、
センサー55と挿入管53の導通の有無を検出するため
のリード線62,63、ならびに、駆動装置60に内蔵
されたリニアスケールからの位置情報を得るための信号
線64、更に、これらを介して得た情報で、接針センサ
ー55を上下に動かすための動力線65と、ガラス原料
の供給をチャージャー49に指示するための制御線66
とが、図示の様に接続されている。
【0079】次に、前述のシステムを使用して、光学素
子用のガラス原料を投入、溶融して、液面レベルを測定
する態様を図5を用いて具体的に説明する。なお、この
実施形態3で使ったガラス原料は、実施形態1と同じ種
類のガラスである。また、溶融清澄部2は1280℃、
流出部3は1100℃になるように、それぞれ、温度制
御されていて、ガラス溶融槽(符号5〜7)には、前述
のガラス原料が、予めチャージされていることも実施形
態1と同じである。ここでは、ガラス原料投入管13と
挿入管53の各下端部は、いずれも約10mmの深さま
で、溶融ガラスに浸されている。
【0080】次に、ガラスを流出しない状態で液面レベ
ル計の駆動装置60を駆動させ、液面に接触すること
で、導通が得られる高さまで、接針センサ55を降ろ
し、この時の高さH0を駆動装置60に内蔵のリニアス
ケールで測定した。
【0081】次いで、流出パイプ8の温度を、800〜
1180℃の間で変化させることにより、ガラスの流出
量を1〜60g/分の範囲で任意に設定した。この時、
ガラス原料を供給しないと、溶融ガラスの液面11のレ
ベルが0.5mm/時〜0.5mm/分の速度で減少
し、同時に、液面レベルの減少につれて、流出量も減少
する状態であった。
【0082】次に、流出開始と共に、再び駆動装置60
を駆動させ、液面に接触することで、導通が得られる高
さまで、接針センサ55を降ろし、この時の高さH1を
リニアスケールで測定した。この測定のサイクルは12
秒とした。
【0083】次に、液面レベル計61で、H0とH1とを
比較して、H0>H1、すなわちH1が小さく液面が低く
なっている場合は、液面レベルの差H0−H1を補うため
の、固形ガラス原料の重量を算出し、この重量がチャー
ジャー49に指示されて、固形ガラス原料の投入が行な
われる。なお、液面レベルの差1mmに相当するガラス
重量は、本実施例では120gである。
【0084】また、これとは逆に、H0≦H1の場合に
は、固形ガラス原料は投入されない。ガラス流出中は、
このような操作を行なった結果、ガラス流出量を前述の
1g/分から60g/分に急に変化させるような場合で
も、液面11の変動が±1mm以下に収まり、そして、液
面の変動によるガラス流出量の変化も非常に少なく、±
0.2〜0.3%に留止まった。
【0085】ここで、前述のごとく、接針センサを12
秒間隔(5回/分)で上下に駆動させる実験を、連続1
20時間行なった。この間、ガラス流出量は1〜60g
/分の範囲で適当に変化させた。ここで、前述のごと
く、接針センサーを、上下幅20mmの振幅で5回/分
の速さで、上下に駆動させる実験を、連続120時間行
なった。この間、ガラス流出量は1〜60g/分の範囲
で適当に変化させた。
【0086】その結果であるが、まず、原料投入につい
ては、実施形態1のように構成されたガラス原料投入管
13を使っているため、本実施形態でも同様の効果が認
められた。すなわち、炉内からの熱上昇気流が回避され
る結果、投入装置には問題となるような温度上昇が認め
られず、特別な冷却機構が不要であった。また、炉外へ
の原料飛散がほとんど無いため、投入量を正確に設定で
きた。更に、炉内での原料飛散も完全に防止できるた
め、炉内や、既に泡切れの進行した溶融ガラスは汚染さ
れなかった。更に、重要なことは、本実施形態のよう
に、液面のレベル測定を行なう場合には、原料投入の都
度、投入管の外側で、溶融ガラスの液面が波打つことが
ほとんど認められないため、液面レベル測定場所に波打
ちが伝播もしくは発生することがなく、測定が高精度に
できることが解ったことである。
【0087】また、液面のレベル測定であるが、挿入管
53を通して、炉内から炉外に向かっての熱上昇気流が
非常に少ないため、クランプホルダー57と駆動装置6
0の温度は、実験を開始して約10時間後には、それぞ
れ、約220℃、約70℃で、既に平衡に達し、結局、
それ以上の温度には上がらなかった。従って、液面レベ
ル計に水冷などの特別な冷却機構は不要であることが解
った。また、連続120時間の実験を通して、ガラス溶
融槽に流出されたガラスの屈折率nd(587.56n
m)の変動量は±30×10-5の範囲に入っており、光
学素子用として良好な品質を有していた。
【0088】なお、本発明の実施に当たっては、レベル
計を挿入する挿入管の下端部を溶融ガラスに浸して、上
端部を炉外に出し、炉内の雰囲気を炉外から遮断するよ
うになっていれば、挿入管の寸法(太さや長さ)や形状
には、何ら制約がなく、また、溶融ガラス中への浸漬深
さを制限するものではない。
【0089】更に、ガラス原料の種類も本実施形態のも
のに限られるわけでなく、ガラス引上げ量(=投入量=
流出量)を適当に変えても、前記実施形態と同様の効果
が得られることは、言うまでもない。また、溶融炉とガ
ラス溶融槽を、単槽や三槽以上にすることも、何ら差支
えない。
【0090】これに対して、従来の方法によって、液面
のレベル測定を行なった、大きく分けて2通りの比較実
験では、以下の通りである。まず、初めの実験の態様を
説明すると、この実験装置は、特に図では示さないが、
実施形態3の装置(図5)において液面レベル測定用挿
入管53を抜き取り、開口部52の内径を15〜30m
mに小さくしたこと以外はそのままである。この結果、
外径5mmの軸56と開口部52の隙間は、全周にわた
って5〜12.5mmとなる。また、比較実験におい
て、ガラス原料投入管13は、実施形態3と同じ様に使
い、また、ガラス原料やガラス引上げ量、液面レベル測
定方法も実施形態3と同じ設定にした。
【0091】この比較実験の結果、開口部52を通し
て、炉内から炉外に向かっての熱上昇気流が激しいた
め、クランプホルダー57と駆動装置60の温度は、実
験開始後、約15時間も経過すると、それぞれ、約34
0〜450℃、約125〜160℃を越え、更に、温度
が上昇を続けていた。このため、液面レベル計には、水
冷などの特別な冷却機構が無ければ、これ以上の連続実
験が不可能であることが解った。
【0092】また、流出されるガラスの屈折率nd(5
87.56nm)の変動量が大きくなり、±60〜11
5×10-5に達していた。この原因は、開口部52を通
して、炉内から炉外に向かっての熱上昇気流が激しく、
融けているガラス成分がその温情条件で選択的に蒸発し
て、熱上昇気流に載って炉外に出てしまい、溶融ガラス
の組成が変わってしまったためと考えられる。また、組
成が変動して、屈折率が変わるということは、屈折率以
外の光学特性、熱特性、化学的性質などの品質も変動し
ている危険がある。
【0093】他の態様での比較実験では、前述の比較実
験とは逆に、液面レベル測定用挿入管53は、実施形態
3と同じ様に使用した。その一方で、投入管13の長さ
を短くして、その下端部が溶融ガラスの液面より上にな
るようにした。また、ガラス原料やガラス引上げ量、液
面レベル測定方法は実施形態3と同じ設定にした。
【0094】この結果、投入管を通して、炉内からの熱
上昇気流が激しくなり、また、炉内外で原料の飛散が起
こるようになった。そして、原料投入の都度、投入され
た場所付近の液面が波打ってしまい、例えば、液面の変
動が±3mmを越えてしまい、これが液面のレベル測定
の場所まで伝わり、この結果、測定が所有の精度に保た
れず、液面の変動によるガラス流出量の変化も±0.4
%を越えてしまった。以上述べたように、本発明のガラ
ス溶融炉では、溶融ガラスの液面のレベルを測定する際
に、レベル計を挿入するための開口部に、挿入管を挿入
して、その一方の端部を溶融ガラスに浸し、もう一方の
端部を開口部から炉外に導出し、炉内の雰囲気を炉外か
ら遮断するようにすることで、挿入管を通しての炉内か
ら炉外に向かっての熱上昇気流が避けられ、液面レベル
計に水冷などの特別な冷却機構が不要となる。更に、ガ
ラスの品質変動を防止する効果がある。
【0095】また、ガラス原料投入管を使用することに
より、原料投入の都度、投入管の外側で、液面が波打つ
ことがないため、液面レベル測定場所に波打ちが伝播も
しくは発生することがなく、測定が高精度になるように
なる。
【0096】図6は、本発明の第4の実施形態を概念的
に示すものであり、ガラス溶融炉1と白金製のガラス溶
融槽(符号67〜69)の構成や材質は、実施形態1と
基本的に同様である。
【0097】溶融清澄部2の上部には、原料投入用の開
口部12が設けられていて、実施形態1で使ったものよ
り少し長いが、その外は、同じ仕様の投入管70(原料
投入用、内径50mm)が挿入されている。なお、原料
投入で使った装置一式は、ジョウゴ15、カップ16を
含めて実施形態1と同じものである。
【0098】また、流出部3の上部には、融けたガラス
を撹拌するための撹拌棒71を挿入できるように、開口
部72が設けられていて、ここにも挿入管73が挿入さ
れている。この挿入管は、内径が40mmであることを
除けば、投入管70と同じように、その下端部を溶融ガ
ラス74に浸しており、その上端部を、そこに設けたフ
ランジ部75が開口部72の上縁に載るようにして、炉
外に導出してあり、炉内の雰囲気を炉外から遮断するよ
うになっている。この挿入管も白金で作られているが、
溶融ガラスやガラスの揮発成分に対して耐蝕性があり、
ガラスの品質を損なうことがなければ、必要に応じて、
白金合金などの貴金属で作ることも可能である。
【0099】撹拌翼76は、実施形態4では、らせん翼
を使用しており、この材質は白金である。また、撹拌棒
71には、フランジ部75の上方20mmの高さに、熱
遮蔽板77が取付けてある。これも白金でできていて、
直径100mmである。更に、図では省略されている
が、撹拌棒71は電動モーター(図示せず)に取付けら
れていて、矢印で示す方向に関して、所定の速さで回転
させることができる。なお、撹拌棒71の、熱遮蔽板7
7の上方の部分の長さは200mmであり、撹拌棒の外
面は白金で覆われていて、その外径は20mmである。
このため、挿入管73と撹拌棒71との隙間は、全周に
わたって10mmとなる。
【0100】このシステムを使用して、光学素子用のガ
ラス原料を投入、溶融、撹拌する場合の使用態様を以下
に具体的に説明する。なお、実施形態4で使ったガラス
原料は、室温における比重が3.74であり、温度が、 1100℃の時にガラス粘度で101.0dPa・s、 1000℃の時にガラス粘度で101.8dPa・s、 900℃の時にガラス粘度で103.0dPa・s、 800℃の時にガラス粘度で104.8dPa・s、 716℃の時にガラス粘度で107.6dPa・s、 627℃の時にガラス粘度が1013 dPa・s となる特性を持ったLa23−B23系のガラスを、一
旦、ラフメルトしたものが用いた。
【0101】ここでは、溶融清澄部2は1170℃、流
出部3は1000℃になるように、温度制御されてい
る。また、白金製のガラス溶融槽(符号67〜69)に
は、前述のガラス原料が予めチャージされていて、溶融
清澄槽67では、深さ70mmの溶融ガラスになってお
り、流出槽69では深さ150mmの溶融ガラスとなっ
ている。そして、投入管70の下端部は、約65mmの
深さまで溶融ガラスに浸され得おり、挿入管73の下端
部は、約5mmの深さまで浸されている。
【0102】次に、実施形態4の装置に基づいて実験を
行った結果を説明する。ここでは、撹拌棒71は、20
rpmの回転数にて、溶融ガラスを撹拌している。ここ
で、ガラス流出量を40g/分に設定し、これに合わせ
て、ガラス原料の投入条件を、カップ16の1杯当たり
に120gとして、これを3分ごとに投入するように設
定する。投入装置の動きは、その投入時間の間隔が違う
以外は、実施形態1と同じである。この投入、溶融、撹
拌、流出実験を連続72時間、行なった。
【0103】その結果であるが、まず、原料投入につい
ては、実施形態1の使用態様に従っているため、本実施
形態でも同様の効果が認められた。すなわち、炉内から
の熱上昇気流が回避された結果、投入装置には、問題と
なるような温度上昇が見られないので、特別な冷却機構
は不要だった。また、炉外への原料飛散がほとんど無い
ため、投入量を正確に設定でき、そして、炉内での原料
飛散も完全に防止できるため、炉内や、既に泡切れの進
行した溶融ガラスは、汚染されなかった。
【0104】一方、溶融ガラスの撹拌であるが、投入管
73を通して、炉内から炉外に向かっての熱上昇気流が
非常に少ないため、熱遮蔽板77の下面の温度は、実験
開始後7〜8時間後に、約280℃で、既に平衡に達
し、更に、その上方の電動モーター(図示せず)の下面
の温度も約80℃にしかならなかった。従って、撹拌駆
動系に、水冷などの特別な冷却機構は不要であることが
解った。また、連続72時間の実験を通して、流出され
たガラスの屈折率nd(587,56nm)の変動量は
±30×10-5の範囲に入っており、光学素子用として
良好な品質を有していた。
【0105】なお、本発明の実施に当たっては、撹拌棒
を挿入する挿入管の下端部を溶融ガラスに浸して、上端
部において、そのフランジ75で、炉内外を遮断すれ
ば、挿入管の寸法(太さや長さ)や形状には何ら制約が
なく、また、溶融ガラスに浸す深さを制限するものでは
ない。
【0106】更に、ガラス原料の種類も、本実施形態の
ものに限られるわけでなく、ガラス引上げ量(=投入量
=流出量)を適当に変えても、同様の効果が得られるこ
とは言うまでもない。また、溶融炉とガラス溶融槽を、
単槽や三槽以上にすることも、何ら差支えない。
【0107】これに対して、従来のガラス溶融炉に従っ
て、撹拌実験を行なった場合には、以下の結果を得てい
る。即ち、この実験装置は、特に図では示さないが、実
施形態4の装置(図6)において、挿入管73を切り抜
き、開口部72の内径を30〜40mmに小さくしたこ
と以外は、その構造は、そのままである。
【0108】この結果、外径20mmの撹拌棒71と開
口部72との隙間は、その全周にわたって5〜10mm
の幅となる。なお、比較実験において、溶融ガラスや投
入条件、撹拌条件は実施形態4と同じ設定にした。
【0109】比較実験の結果、開口部72を通して、炉
内から炉外に向かっての熱上昇気流が激しいため、熱遮
蔽板77の下面の温度は、実験開始後、約12時間後に
は約390〜450℃を越えてしまい、また、その上方
の電動モーターの下面の温度は約120〜140℃とな
り、更にその温度が上昇を続けていた。このため、撹拌
駆動系に水冷などの特別な冷却機構がなければ、これ以
上の連続した撹拌実験は、不可能であった。
【0110】また、流出されるガラスの屈折率nd(5
87.56nm)の変動量が大きくなり、±52〜10
0×10-5に達していた。更に、流出パイプ78の内側
には「失透」と呼ばれる不透明の固形物が折出して、パ
イプ内径が狭くなっており、ガラス流出量が所定の値か
らずれていることも解った。また、流出される溶融ガラ
ス79にも時々「失透物」が混入しており、この場合
は、光学素子用の所要品質を満足しなくなってしまう。
これらの原因は、開口部72を通して、炉内から炉外に
向かっての熱上昇気流が激しく、溶融ガラスの成分が温
度によって選択的に蒸発して、熱上昇気流に載って炉外
に出てしまい、溶かしているガラス組成が変わったため
と考えられる。また、組成が変動して屈折率が変わると
いうことは、屈折率以外の光学特性、熱特性、化学的性
質などの品質も変動している危険がある。
【0111】以上述べたように、溶融ガラスを撹拌する
際に、撹拌棒を挿入するための開口部に挿入管を挿入し
て、その一方の端部を溶融ガラスに浸し、もう一方の端
部を開口部から出し、そこでは炉内外を遮断し、炉内雰
囲気を密閉状態にすることで、挿入管を通しての、炉内
から炉外に向かっての熱上昇気流を回避するために、撹
拌駆動系に水冷などの特別な冷却機構が不要となる。更
に、ガラスの品質変動や劣化を防止する効果がある。
【0112】なお、以上説明した本発明の実施形態1〜
4でのガラス原料投入管、液面レベル測定用挿入管、撹
拌用挿入管などの、ガラスの溶融操作過程でパイプを使
用するに当たっては、必要に応じて各々を単独で用いた
り、あるいは、いずれか複数のパイプを任意に組合わせ
ることができるのは言うまでもない。従って、前記連通
手段によって、ガラス溶融槽に投入されるガラス原料が
炉内雰囲気から遮断され、熱上昇気流の影響がなく、炉
外へのガラス原料の飛散を防止でき、正確な投入量を実
現すると共に、投入されたガラス原料によって、炉内
や、ガラス溶融槽の清澄された溶融ガラスを汚染する従
来の問題点を解消でき、更には、ガラスの品質変動を防
止することができる。
【0113】また、前記連通手段として、装備されたガ
ラス原料投入管により、原料を投入した時にガラス液面
が波打つのを防止することができる。また、前記ガラス
原料投入管に温度調節手段を備えることで、その投入管
の内壁に付着したガラス原料を融けやすくして、投入量
が多くなっても、ガラス原料が融けずに、投入管に詰ま
ることがないように予防することができる。
【0114】このようにして、本発明では、ガラス溶融
に必要な、前述の各種の作業を実施するに際して、その
作業製を改善し、溶融炉の周辺装置における熱対策を容
易にするために、その炉内雰囲気との関係を改善するこ
とができる。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような効果が得られる。
【0116】1.炉体に開口部を設けて、各種ガラス溶
融の操作を実施する際に、例えば、パイプを一方の端部
を溶融ガラスに浸し、もう一方の端部を開口部において
外部に導出して、炉内雰囲気をその操作領域から遮断す
るので、炉内雰囲気からの熱上昇気流が防止できる結
果、作業が改善され、炉内の溶融ガラスからの揮発成
分の炉外への放出を防止することができ、更に、溶融炉
周辺装置に特別な冷却機構が不要になる。
【0117】2.また、ガラス原料投入管を温度調節可
能に加熱することで、更には、投入管を直接、通電加熱
することで、投入管内壁に付着した投入ガラス原料が融
けやすくなり、投入量が多くなっても、原料が融けずに
投入管に詰まるような事態が避けられ、比較的ガラス引
上げ量(=投入量=流出量)が多い場合にも対応できる
ようになる。
【0118】3.ガラス原料を投入する際に、炉内雰囲
気からの熱上昇気流を防止した結果、原料投入時の炉外
への原料飛散を防止でき、その結果、正確な投入量を実
現し、また、投入されたガラス原料による炉内や溶融ガ
ラスの汚染が防止できる。更に、原料を投入した時に、
溶融ガラス液面が波打つのを防止できるため、溶融ガラ
スの液面レベルを高精度に測定できるようになる。
【0119】4.溶融ガラスの液面レベルを測定する際
に、また、溶融ガラスを撹拌する際に、炉内雰囲気から
の熱上昇気流を防止した結果、ガラスが選択的に蒸発し
てガラス組成が変わるのを防ぐことができ、ガラスの品
質変動を防止することができるようになる。
【0120】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の説明図である。
【図2】温度調節機能のフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態の説明図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の説明図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の説明図である。
【図6】本発明の第4の実施形態の説明図である。
【図7】従来例の説明図である。
【図8】別の従来例の説明図である。
【符号の説明】
1 ガラス溶融炉 2 溶融清澄部 3 流出部 4 隔壁 5 溶融清澄槽 6 接続パイプ 7 流出槽 8 流出パイプ 10 溶融ガラス 11 ガラス液面 12 開口部 13 ガラス原料投入管 14 フランジ部 15 ジョウゴ 16 カップ 17 蓋 18 アーム 19 アーム 20 アーム 21 ガラス原料 22 投入された原料 23 投入管に付着した原料 24 流出ガラス 25 ガラス原料投入管 26 フランジ部 27 炉外に飛散する原料 28 炉内を舞う原料 29 炉内を汚染した原料 30 溶融ガラスを汚染した原料 31 波打っている液面 32 炉側面の開口部 33 カップ 34 アーム 35 炉内を舞う原料 26 炉内を汚染した原料 37 溶融ガラスを汚染した原料 38 波打っている液面 39 ガラス原料 40 直接通電加熱用リード板 41 直接通電加熱用リード板 42 電源 43 熱電対 44 温度調節器 45 ガラス原料投入管 46 開口部 47 ガラス原料 48 ホッパー 49 チャージャー 50 ガラス原料投入管 51 フランジ部 52 開口部 53 液面レベル測定用挿入管 54 フランジ部 55 接針センサー 56 軸 57 クランプホルダー 58 上下駆動シャフト 59 架台 60 上下駆動装置 61 液面レベル制御器 62 リード線 63 リード線 64 信号線 65 動力線 66 制御線 67 溶融清澄部 68 接続パイプ 69 流出部 70 ガラス原料投入管 71 攪袢棒 72 開口部 73 攪袢用挿入管 74 溶融ガラス 75 フランジ部 76 攪袢翼 77 熱遮蔽板 78 ガラス原料 79 流出ガラス 80 ガラス原料 81 熱電対 82 ヒーター 83 温度調節器 84 電源 85 温度信号 86 ヒーター出力信号 87 熱電対 88 ヒーター 89 温度調節器 90 電源 91 温度信号 92 ヒーター出力信号 93 直接通電加熱用リード板 94 直接通電加熱用リード板 95 熱電対 96 温度調節器 97 ヒーター出力信号 98 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 昌之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−151230(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 3/00 - 7/22 C03B 37/085 G21F 9/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス溶融炉から外部に流出さ、ガラ
    ス加工品を成形するために用いられる溶融ガラス原料の
    製造装置であって、 前記ガラス溶融炉は、固形状態の固形ガラス原料を内部
    に投入する開口した開口部を有するとともに、内部にお
    いて溶融清澄部と流出部に分割された炉本体と、 前記固形ガラス原料を加熱溶融するために前記溶融清澄
    部と前記流出部とを夫々の所定設定温度に維持する加熱
    手段と、 前記加熱手段により溶融状態になった溶融ガラス原料を
    貯蔵するために前記溶融清澄部に配設されるガラス溶融
    槽と、 前記ガラス溶融槽に対して接続されるとともに前記流出
    部に配設される流出槽と、 前記流体槽に設けられる流出管と、 前記ガラス溶融槽中における溶融ガラス原料の液面と、
    前記開口部との間を前記液面からの隔離状態にするため
    に、前記開口部を介して一端を外部に導出し、かつ他端
    を溶融ガラス原料内に浸漬した状態で、前記開口部を炉
    内雰囲気から遮断するフランジを含む遮断部を形成した
    ガラス原料投入管と、を具備し、 前記固形ガラス原料を前記ガラス原料投入管を介して前
    記ガラス溶融槽内に投入し、前記流出槽に導入し、前記
    流出管を介して溶融ガラス原料を外部に流出可能にした
    ことを特徴とする溶融ガラス原料の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記ガラス原料投入管は、温度センサー
    およびヒーターを含む温度調節手段を具備することを特
    徴とする請求項に記載の溶融ガラス原料の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記ガラス原料投入管は、導電性であ
    り、その温度調節のためのヒーターによる加熱には、前
    記ガラス原料投入管への直接の通電加熱が用いられるこ
    とを特徴とする請求項に記載の溶融ガラス原料の製造
    装置。
  4. 【請求項4】前記ガラス原料投入管は、金、白金、ロジ
    ウムを含む貴金属材料で構成されたパイプであることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の溶融
    ガラス原料の製造装置。
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