JP3530664B2 - 内接歯車式流体装置 - Google Patents

内接歯車式流体装置

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JP3530664B2
JP3530664B2 JP01100096A JP1100096A JP3530664B2 JP 3530664 B2 JP3530664 B2 JP 3530664B2 JP 01100096 A JP01100096 A JP 01100096A JP 1100096 A JP1100096 A JP 1100096A JP 3530664 B2 JP3530664 B2 JP 3530664B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アウタロータとイ
ンナロータとの回転に応じて容積変化するチャンバを利
用したトロコイドギヤポンプ、油圧モータ等の内接歯車
式流体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、回転自在なアウタロータの内
歯とインナロータの外歯とで形成され、アウタロータと
インナロータとの回転に応じて容積が変化するチャンバ
を利用し、種々のポンプあるいはモータ等の内接歯車式
流体装置が開発されている。そして、ポンプはチャンバ
に入口ポートから流体を吸込み出口ポートから流体を吐
出するよう構成され、モータは、ポンプとは逆に、入口
ポートから流体が圧送されロータを回転させるように構
成される。
【0003】例えば、トロコイドギヤポンプは、インナ
ロータの外歯とアウタロータの内歯を常に接触させ、各
接触歯間に形成されるチャンバ(ポンピングチャンバ)
の体積増によって、入口ポート(吸入ポート)から液体
を吸入し、体積減によって出口ポート(吐出ポート)か
ら液体を吐出するものであり、エンジン、トランスミッ
ション、その他のオイルポンプ、またはモータとして多
用されている。これらのトロコイドギヤポンプはポンピ
ングチャンバの体積が増加する側に吸入ポート、減少す
る側に吐出ポートが配置されている。
【0004】そして、吸入工程では上記ポンピングチャ
ンバの体積は、吸入ポートの吸入開始端から吸入終了端
に向かって、ロータの回転位相に応じて徐々に増加し、
その増加分のオイルが吸入ポートより充填される。ま
た、吐出工程では、その反対となっている。
【0005】このようなトロコイドギヤポンプは、吸入
ポートからポンピングチャンバへオイルが流れる際、急
激な圧力変化によりオイルの供給充填が十分でないとキ
ャビテーションが発生するという問題を抱えている。ま
た、特に高速回転時においては、上記ポンピングチャン
バの体積増加分に見合った量のオイルが直ちに充填でき
ないため、吸入ポート内の圧力が低下し、キャビテーシ
ョンが発生する。このキャビテーションは、ポンプに振
動、騒音を発生させるだけでなくポンプ効率も低下させ
る。
【0006】そこで、特開平1−273887号公報
で、吸入ポートと吐出ポートの少なくともどちらか一方
のロータ回転方向端部近傍の底面の幅が端部に向かって
緩やかに減少してポート側面傾斜角が小さくなる形状に
上記両ポートを形成し、吸入ポートからポンプ空間への
オイルの流れ、あるいは、ポンプ空間から吐出ポートへ
のオイルの流れが円滑に行なわれるようにしてキャビテ
ーションの発生を抑制するようにしたポンプが提案され
ている。
【0007】また、実開平6−67876号公報では、
吸入ポートの下流端部の傾斜面のさらに下流に傾斜面に
連続してインナロータの外歯の1/2ピッチ以上の長さ
の浅溝を形成し、吸入ポートからの流れの内でロータ間
の流れに対して垂直方向成分の流れが、垂直方向成分を
十分に緩和してからロータ間の流れと合流するようにし
てキャビテーションを防止する技術が示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術は、いずれも吸入ポートからポンプ空間へのオイ
ルの流れ、あるいは、ポンプ空間から吐出ポートへのオ
イルの流れが円滑に行なわれるようにしてキャビテーシ
ョンの発生を抑制しようとするものであるが、吸入ポー
トの流速に対しては考慮されておらず流速が速すぎる箇
所ではオイルの充填が追い付かず、キャビテーションが
発生してしまうという課題を抱えている。とりわけ、高
回転時では、より著しくなる。
【0009】さらに、上記実開平6−67876号公報
に記載のものは、浅溝を傾斜面に連続して形成したた
め、流体の管路は流れの急変する箇所で、乱流となる性
質を保持して、継ぎ目の角部を境に流速が突然速くな
り、乱流を生じてキャビテーションが発生し、期待した
ほどの効果をあげることができないといった問題があ
る。
【0010】また、上述のキャビテーション等の問題
は、ポンプとは逆に入口ポートから流体が圧送されロー
タを回転させるモータにおいても同様に生ずる。
【0011】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、時々刻々と体積が変化するチャンバにその増加量に
見合った液体を円滑に供給することを可能にして、高回
転時でもキャビテーションの発生を有効に防止すること
ができる内接歯車式流体装置を提供することを目的とし
ている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明による内接歯車式流体装置は、ハウジングとカバ
ーとで形成する空間内に回転自在に収納したアウタロー
タと、このアウタロータに偏心して設け、このアウタロ
ータに形成した内歯と噛合する回転自在なインナロータ
と、上記アウタロータの内歯と上記インナロータの外歯
とで形成し、流体を充填して上記アウタロータと上記イ
ンナロータとの回転に応じて容積が変化するチャンバ
と、上記ハウジングと上記カバーの少なくとも一方の側
に形成した流体の入口ポートと、上記ハウジングと上記
カバーの少なくとも一方の側に形成した流体の出口ポー
トとを備えた内接歯車式流体装置において、上記入口ポ
ートと上記出口ポートの少なくとも一方が、該ポート内
通過する流体の流速が略一定になるように上記ポート
の断面積を上記インナロータの位相に応じて形成した流
速一定部を有するものであり、望ましくは、この流速一
定部を、上記チャンバの容積が最大になる上記インナロ
ータの歯の位置から上記ポート内の流速が略最大流速
になる範囲に形成し、さらに望ましくは、上記入口ポー
トと上記出口ポートの少なくとも一方の上記チャンバの
容積が最大になる側に形成された上記流速一定部には
さらに、この流速一定部の上記チャンバの容積が最大に
なる側の端部に上記インナロータの外歯の略1/2ピッ
チ以下の長さで上記流速一定部の形状に曲面で連続する
浅溝を設けたものである。
【0013】上記構成により、アウタロータの内歯とイ
ンナロータの外歯とで形成されたチャンバは、上記アウ
タロータと上記インナロータとの回転に応じて容積が増
減され、上記チャンバの容積が増加する際にハウジング
とカバーの少なくとも一方の側に形成した入口ポートか
ら流体が上記チャンバに流入され、上記チャンバの容積
が減少する際に上記ハウジングと上記カバーの少なくと
も一方の側に形成した出口ポートを通じて流体が上記チ
ャンバから流出される。上記入口ポートと上記出口ポー
トの少なくとも一方は、該ポート内を通過する流体の流
速が略一定になるように上記ポートの断面積を上記イン
ナロータの位相に応じて形成した流速一定部を有し、こ
の流速一定部は、具体的には、上記インナロータあるい
は上記アウタロータの各位相における通路面積を上記チ
ャンバに流入する必要流量が与えられるように設定して
上記流速一定部内での流体の速度分布を略一定にするポ
ートであるので、ポート内の乱流を減らすことができ、
時々刻々と体積が変化するチャンバにその増減量に見合
った流体を円滑に供給して、キャビテーションの発生を
有効に防止する。また、上記流速一定部を、上記チャン
バの容積が最大になる上記インナロータの歯の位置か
上記ポート内の流速が略最大流速になる範囲に形成す
れば、流速が最も速くなる部分で通過する流体の流速が
略一定になるように設定されて好ましい。さらに、上記
入口ポートと上記出口ポートの少なくとも一方の上記チ
ャンバの容積が最大になる側に形成された上記流速一定
には、さらに、この流速一定部の上記チャンバの容積
が最大になる側の端部に上記インナロータの外歯の略1
/2ピッチ以下の長さで上記流速一定部の形状に曲面で
連続する浅溝を設ければ、流入過程にある流体の慣性を
有効に利用して、高速回転時の充填効率を向上させ、キ
ャビテーションの発生を、より抑えることができる。ま
た、上記流速一定部と上記浅溝との接続も滑らかなた
め、キャビテーションの発生を抑制できる。さらに、上
記浅溝は、鋳造などによる量産時の上記流速一定部位置
の誤差を吸収する役割も果たすことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図6は本発明の実施の形態
を示し、図1はトロコイドギヤポンプの概略を示す説明
図、図2は吸入ポートの形状の説明図、図3は図2のII
I −III'断面図、図4はポンピングチャンバの容積とイ
ンナロータの位相の関係を示す説明図、図5はポンプ回
転数による吐出流量の特性の説明図、図6は吸入ポート
からポンピングチャンバへのオイルの流れの流線の説明
図である。尚、本発明の実施の形態では内接歯車式流体
装置としてトロコイドギヤポンプを例に説明する。
【0015】図1において、符号1はトロコイドギヤポ
ンプを示し、このトロコイドギヤポンプ1は、ポンプハ
ウジング2とポンプカバー3とで形成された空間4内
に、O点を回転中心とするアウタロータ5が回転自在に
収納されている。
【0016】また、このアウタロータ5に形成された内
歯5aと、外歯6aで噛合し、上記O点より下方のO'
点を回転中心とするインナロータ6が回転自在に設けら
れており、このインナロータ6は図示しないエンジンと
連結されている。そして、エンジンの回転により上記イ
ンナロータ6は図中矢印(反時計回り)方向に回転し、
上記アウタロータ5が反時計回り方向に回転される。
【0017】本発明の実施の形態では、上記アウタロー
タ5の内歯5aの歯数は10に形成され、上記インナロ
ータ6の外歯6aの歯数は、上記アウタロータ5の内歯
5aの歯数より1少ない9に形成されて、上記アウタロ
ータ5の内歯5aと上記インナロータ6の外歯6aと
で、上記空間4内に容積可変のポンピングチャンバ7を
形成するようになっている。
【0018】このポンピングチャンバ7の容積は、上記
アウタロータ5の内歯5aの歯底と上記インナロータ6
の外歯6aの歯底とが対向する位置で最大値PcVMAX と
なり(この位置を上記インナロータ6の位相とアウタロ
ータ5の位相の基準、すなわち0°とする)、この位置
とは反対側の位置(+180°あるいは−180°)で
最小値PcVMIN となる。
【0019】上記ポンピングチャンバ7の容積変化の様
子を図4に示す。この図4は、上記インナロータ6の外
歯6aの歯底の位置をこのインナロータ6の位相として
表したもので、インナロータ6の位相が、反時計回りに
−180°から0°まで回転する間に上記ポンピングチ
ャンバ7の容積は次第に増加し、0°から+180°ま
で回転する間に上記ポンピングチャンバ7の容積は次第
に減少する。
【0020】すなわち、上記ポンピングチャンバ7の容
積が増加するだけオイルが吸入され、上記ポンピングチ
ャンバ7の容積が減少するだけオイルが吐出される。こ
のため、前記ポンプハウジング2と前記ポンプカバー3
の−180°から0°までの所定の位置にオイル吸入口
8と連通する吸入ポート9が、0°から+180°まで
の所定の位置にオイル吐出口10と連通する吐出ポート
11が形成されている。
【0021】上記吸入ポート9は、図2、図3に示すよ
うに、上記ポンピングチャンバ7の容積が最大になる側
(0°側)に、流速一定部12が形成されており、この
流速一定部12は、上記吸入ポート9の最大絞り部(約
−110°)までの範囲、すなわち、上記流速一定部1
2での流速が略最大流速になる範囲に形成されている。
【0022】さらに、上記流速一定部12の0°側端部
に上記インナロータ6の外歯6aの略1/2ピッチ以下
の長さで上記流速一定部12の形状に曲面で連続する浅
溝13が設けられている。尚、上記流速一定部12と上
記浅溝13は、上記ポンプハウジング2に形成される吸
入ポート9と上記ポンプカバー3に形成される吸入ポー
ト9の両方に設けられており、上記流速一定部12の断
面積は流量により設定されている。(例えば、上記ポン
プハウジング2に形成される吸入ポート9から60%の
流量を、上記ポンプカバー3に形成される吸入ポート9
から40%の流量を吸入する場合、上記ポンプハウジン
グ2に形成される吸入ポート9の上記流速一定部12の
断面積も必要な断面積の60%、上記ポンプカバー3に
形成される吸入ポート9の上記流速一定部12の断面積
も必要な断面積の40%となっている。)上記流速一定
部12では、通過するオイルの流速が略一定になるよう
に流体通路のポート断面積が形成されている。すなわ
ち、図4を基に、各位相毎に上記ポンピングチャンバ7
に流入される必要流量QP を求め、この必要流量QP が
供給されるように各断面が形成されている。例えば、上
記インナロータ6の位相が−80°のとき、これに該当
する上記ポンピングチャンバ7へのオイル充填量は67
%であり、その後、さらに33%のオイルが充填され
る。このため、この33%に相当する流量を、位相−8
0°における必要流量QP として設定し、この必要流量
QP が与えられるように断面積が形成されている。図
2、図3中、Sθ1,Sθ2,Sθ3 は、それぞれ位相θ1,
θ2,θ3 での断面である。
【0023】一方、上記吐出ポート11も上記吸入ポー
ト9と同様に、流速一定部14と浅溝15が設けられて
いる。
【0024】次に、上記構成の作用について説明する。
エンジンが回転するとインナロータ6が回転され、アウ
タロータ5が回転される。すると、上記アウタロータ5
の内歯5aと上記インナロータ6の外歯6aとで形成さ
れたポンピングチャンバ7の容積が増減され、このポン
ピングチャンバ7の容積の増加により、オイルがオイル
吸入口8から吸入ポート9を介して吸入される一方、上
記ポンピングチャンバ7の容積の減少により、オイルが
吐出ポート11を介してオイル吐出口10に吐出され
る。
【0025】オイルが上記吸入ポート9を介して吸入さ
れる際、オイルは吸入と共に流速が次第に増加され上記
吸入ポート9の最大絞り部(約−110°)で略最大流
速になり、この流速のまま、流速一定部12を流速一定
で通過し、浅溝13を通過してポンピングチャンバ7内
に吸入される。
【0026】図6(a)は、上記吸入ポート9から上記
ポンピングチャンバ7内へ吸入されるオイルの流れの流
線を示すものである。まず、上記流速一定部12で、オ
イルは上記ポンピングチャンバ7の容積増加量に比例
て断面積が減少させられて、流速が一定にされ供給さ
れる。このため、時々刻々と容積が変化する上記ポンピ
ングチャンバ7に、その増加量に見合ったオイルが円滑
に供給され、例え高回転時においても、オイルの充填が
円滑に行なわれキャビテーションの発生を有効に防止す
ることができる。また、上記流速一定部12は、上記吸
入ポート9の上記ポンピングチャンバ7の容積が最大に
なる側(0°側)から最大絞り部(約−110°)にか
けての最大流速部に形成され、オイルの流れの慣性に沿
ったものになっている。上記流速一定部12のオイル供
給の最終段階(0°側)では、上記浅溝13を介して吸
入される。この浅溝13により、流入過程にある流体の
慣性を有効に利用して、高速回転時の充填効率を向上さ
せることができ、キャビテーションの発生を、より抑え
ることができる。また、オイルが上記流速一定部12か
ら上記浅溝13に流れる際、曲面に沿って円滑に流れる
ため、上記流速一定部12と上記浅溝13の継ぎ目を原
因としてキャビテーションが発生することはない。この
浅溝13は、鋳造などによる量産時の上記流速一定部1
2位置の誤差を吸収する役割も果たすことができる。
【0027】これに対し、図6(b)に示すように、単
に浅溝51を端部に形成するだけでは、浅溝51の継ぎ
目の角部52を境に流速が突然速くなり、乱流を生じて
キャビテーションが発生し、期待したほどの効果をあげ
ることができない。また、浅溝51の上流側に、吸入ポ
ート内の速度分布を考慮せず傾斜面53を形成するのみ
では、ポンピングチャンバへの必要な流量を供給するこ
とが困難で、特に流速の速すぎる箇所ではオイルの充填
が追い付かず、キャビテーションが発生してしまう。
【0028】また、オイルが上記吐出ポート11を介し
て吐出される際は、上記吸入ポート9とは逆に、浅溝1
5から、流速一定部14を流速一定で通過してオイル吐
出口10に吐出され、吐出圧力の脈動を緩和して、オイ
ルを滑らかに吐出する。
【0029】図5は、オイル温度t=90℃、圧力P=
14kgf/cm2 の条件下で、ポンプ回転数による吐出流量
の特性を求めた実験結果である。この図に示すように、
本発明の実施の形態によるポンプ(実線)は、従来のポ
ンプ(破線)に比べ、キャビテーション限界が高回転側
に大きく向上された。
【0030】尚、本発明の実施の形態では、内接歯車式
流体装置としてトロコイドギヤポンプを例に説明した
が、他の形式のポンプ、あるいは、ポンプとは逆に入口
ポートから流体が圧送されロータを回転させるモータ等
においても、本発明が適用できることはいうまでもな
い。
【0031】また、本発明の実施の形態では、エンジン
の回転によりインナロータを回転させるものであるが、
エンジンに限る事なくモータ等の回転手段であっても良
く、吸入・吐出する流体もオイルに限る事なく水等であ
っても良い。
【0032】さらに、本発明の実施の形態では、ポンプ
ハウジングとポンプカバーに形成した吸入ポートと吐出
ポートの全てに流速一定部を形成したが、全てに形成し
なくても、従来のポンプよりキャビテーションの発生を
抑えることが可能である。また、ポンプハウジングとポ
ンプカバーの一方にのみ吸入ポートあるいは吐出ポート
が設けられたポンプについても本発明は適用できる。さ
らに、浅溝についても同様に、全てに形成しなくても、
従来のポンプより効果を得ることができる。
【0033】また、本発明の実施の形態では、流速一定
部の断面形状は略矩形であるが、矩形でなくとも面積が
同一であれば、同様の効果を得ることができる。
【0034】以上説明したように本発明によれば、内接
歯車式流体装置において、入口ポートと出口ポートの少
なくとも一方が、通過する流体の流速が略一定になるよ
うに流体通路のポート断面積をロータの位相に応じて
成した流速一定部を有するので、時々刻々と体積が変化
するチャンバにその増加量に見合った液体を円滑に供給
することが可能で、高回転時でもキャビテーションの発
生を有効に防止することができる。
【0035】また、流速一定部を、チャンバの容積が最
大になるインナロータの歯の位置から上記ポート内
流速が略最大流速になる範囲に形成することにより、流
速が最も速くなる部分で通過する流体の流速が略一定に
なるように設定される。
【0036】さらに、入口ポートと出口ポートの少なく
とも一方のチャンバの容積が最大になる側に形成された
流速一定部には、さらに、この流速一定部のチャンバの
容積が最大になる側の端部にインナロータの外歯の略1
/2ピッチ以下の長さで流速一定部の形状に曲面で連続
する浅溝を設ければ、流入過程にある流体の慣性を有効
に利用して、高速回転時の充填効率を向上させ、キャビ
テーションの発生を、より抑えることができる。また、
流速一定部と浅溝との接続も滑らかなため、キャビテー
ションの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トロコイドギヤポンプの概略を示す説明図
【図2】吸入ポートの形状の説明図
【図3】図2のIII −III'断面図
【図4】ポンピングチャンバの容積とインナロータの位
相の関係を示す説明図
【図5】ポンプ回転数による吐出流量の特性の説明図
【図6】吸入ポートからポンピングチャンバへのオイル
の流れの流線の説明図
【符号の説明】
1 トロコイドギヤポンプ 2 ポンプハウジング 3 ポンプカバー 4 空間 5 アウタロータ 5a 内歯 6 インナロータ 6a 外歯 7 ポンピングチャンバ 9 吸入ポート 11 吐出ポート 12、14 流速一定部 13、15 浅溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−259785(JP,A) 特開 平1−273887(JP,A) 実開 昭64−77382(JP,U) 実開 昭62−26588(JP,U) 実開 平7−30390(JP,U) 実開 昭63−181(JP,U) 実開 平2−64774(JP,U) 実開 平6−67876(JP,U) 実開 昭63−143779(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 2/10 341

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングとカバーとで形成する空間内
    に回転自在に収納したアウタロータと、このアウタロー
    タに偏心して設け、このアウタロータに形成した内歯と
    噛合する回転自在なインナロータと、上記アウタロータ
    の内歯と上記インナロータの外歯とで形成し、流体を充
    填して上記アウタロータと上記インナロータとの回転に
    応じて容積が変化するチャンバと、上記ハウジングと上
    記カバーの少なくとも一方の側に形成した流体の入口ポ
    ートと、上記ハウジングと上記カバーの少なくとも一方
    の側に形成した流体の出口ポートとを備えた内接歯車式
    流体装置において、 上記入口ポートと上記出口ポートの少なくとも一方が、
    該ポート内を通過する流体の流速が略一定になるように
    上記ポートの断面積を上記インナロータの位相に応じて
    形成した流速一定部を有することを特徴とする内接歯車
    式流体装置。
  2. 【請求項2】 上記流速一定部は、上記チャンバの容積
    が最大になる上記インナロータの歯の位置から上記ポ
    ート内の流速が略最大流速になる範囲に形成したことを
    特徴とする請求項1記載の内接歯車式流体装置。
  3. 【請求項3】 上記入口ポートと上記出口ポートの少な
    くとも一方の上記チャンバの容積が最大になる側に形成
    された上記流速一定部には、さらに、この流速一定部の
    上記チャンバの容積が最大になる側の端部に上記インナ
    ロータの外歯の略1/2ピッチ以下の長さで上記流速一
    定部の形状に曲面で連続する浅溝を設けたことを特徴と
    する請求項1又は請求項2記載の内接歯車式流体装置。
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