JP3529998B2 - プロピレン−エチレンブロック共重合体 - Google Patents

プロピレン−エチレンブロック共重合体

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JP3529998B2 JP34585097A JP34585097A JP3529998B2 JP 3529998 B2 JP3529998 B2 JP 3529998B2 JP 34585097 A JP34585097 A JP 34585097A JP 34585097 A JP34585097 A JP 34585097A JP 3529998 B2 JP3529998 B2 JP 3529998B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレン−エチ
レンのブロック共重合体の製造方法に関し、特に、耐衝
撃強度と剛性のバランスに優れ、かつ表面硬度に優れた
プロピレン−エチレンブロック共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】プロピレン−エチレン共重合体は、耐衝
撃性が改良されたポリプロピレン樹脂として用いられ、
耐熱性、耐薬品性、電気的性質に優れており、更には剛
性、引張強度、光学的特性、加工性が良好であり射出成
形、フィルム成形、シート成形、ブロー成形等に利用さ
れ、また、該プロピレン−エチレン共重合体は、低比重
であり、自動車、家電等の工業材料や一般雑貨等の分野
で広く用いられている。
【0003】Mg,Ti、ハロゲンおよび電子供与性化
合物を必須成分とする触媒成分と有機アルミニウム化合
物、シラン化合物からなるプロピレン重合用触媒はよく
知られている。また、シラン化合物を変化させ、得られ
るポリプロピレンの立体規則性を変化させることができ
ることがわかっている(特開平7−109309号公
報)。このように、ポリプロピレンの立体規則性を向上
させ、その剛性を改良することが行われてきている。
【0004】さらに、ポリオレフィンは本来、耐衝撃性
が低いという欠点を有しているため、エチレン等の他の
オレフィンを共重合させることによって耐衝撃性を改良
する方法が広く行われている。ところが、この方法では
耐衝撃性は向上するが、それに伴って剛性が低下する。
そこで、プロピレンと他のオレフィンとの重合比を変え
ながら段階的に重合する方法。すなわち多段重合を行う
ことにより、共重合体の剛性と耐衝撃性の物性バランス
を改良する方法が種々提案されている(例えば特公平3
−4456号公報)。また、その他の改良方法として、
共重合の際にケイ素化合物を存在させることも知られて
いる(特開平6−73113号公報)。しかしながら、
いずれの方法でも、剛性と耐衝撃性の物性のバランスに
十分に優れ、かつ表面硬度の大きいプロピレン−エチレ
ンブロック共重合体は得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐衝撃強度
と剛性のバランスに優れた、かつ表面硬度が向上したプ
ロピレン−エチレンブロック共重合体を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意研究の結果、プロピレン−エチレンブロック
共重合体の剛性、表面硬度を高めるためには、その共重
合体の冷キシレン不溶部分の昇温分別法により求めた溶
出ピーク温度(Tp)とMFRが特定の関係を満たすこ
とにより向上し、固体粘弾性(tanδ)と冷キシレン
可溶部分重量分率との比が特定の値を満足すると、該プ
ロピレン−エチレンブロック共重合体の耐衝撃性が向上
することを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発
明は、プロピレン−エチレンブロック共重合体であっ
て、その冷キシレン不溶部分の昇温分別法により求めた
溶出ピーク温度(Tp)とMFRとが Tp≧119.74−0.2591×logMFR (1) なる関係を満足し、そのプロピレン−エチレンブロック
共重合体のtanδ面積(−30℃以下)とその冷キシ
レン可溶部分の重量分率との比が、 (tanδ面積/冷キシレン可溶部分の重量分率)≧0.7 (2) なる関係を満足することを特徴とするプロピレン−エチ
レンブロック共重合体である。
【0007】本発明での好ましい態様としては、以下の
ものが挙げられる。 (イ)冷キシレン不溶部分の昇温分別法により求めた溶
出ピーク温度(Tp)とMFRとがTp≧119.74
−0.2591×logMFRなる関係を満足し、かつ
そのプロピレン−エチレンブロック共重合体のtanδ
面積(−30℃以下)とその冷キシレン可溶部分の重量
分率との比が、(tanδ面積/冷キシレン可溶部分の
重量分率)≧0.7である前記プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体。
【0008】
【発明の実施の形態】I.プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体 本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体は、冷
キシレン不溶部分の昇温分別法により求めた溶出ピーク
温度(Tp)とMFRとがTp≧119.74−0.
2591×logMFRなる関係を満足している必要が
ある。Tpが119.74−0.2591×logMF
R未満であれば、プロピレン−エチレンブロック共重合
体の剛性及び表面硬度が向上しない。また、MFRは、
0.01〜1000の範囲であることが好ましい。
【0009】また、本発明のプロピレン−エチレンブロ
ック共重合体のtanδ面積(−30℃以下)とその冷
キシレン可溶部分の重量分率との比が0.7以上であ
る関係を満足する必要がある。その値が、0.未満で
は、プロピレン−エチレンブロック共重合体の耐衝撃性
が不十分であり、高耐衝撃性の成形品は得られない。
【0010】ここで、本発明における、メルトフローレ
ート(MFR)は、ASTM D−1238に従い、2
30℃、荷重2.16kgの条件で10分間に押出され
た試料の質量を測定した値である。キシレン抽出の操作
は、試料を0.4g採取し、キシレン300mlを加え
て135℃に加温して溶解させる。次いで、この溶液を
23℃まで冷却した後、12時間放置し、遠心分離し、
濾過する操作であり、冷キシレン不溶部分は、100℃
で12時間真空乾燥して得られた値であり、冷キシレン
可溶部分は、キシレンをロータリーエバポレーターで除
去した後、100℃で12時間真空乾燥して得られた値
である。
【0012】本発明のプロピレン−エチレンブロック共
重合体のtanδ面積(−30℃以下)は、プロピレン
−エチレンブロック共重合体を固体粘弾性測定装置によ
り測定して温度に対するtanδの応答を求め、該値を
グラフに書かせる際に、温度範囲を−100℃〜100
℃に設定し、tanδ範囲を0〜1に設定し、温度1℃
×tanδ1目盛の面積を1として、−30℃以下の領
域でtanδのピーク面積を計算した値である。本発明
ではこの面積を冷キシレン可溶部分の重量分率で割っ
て、100%冷キシレン可溶部分のtanδに規格化し
た値を規定した。
【0013】II.プロピレン−エチレンブロック共重
合体の製造 本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体は、
(A)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与
性化合物を必須成分とする固体成分を、(B)有機アル
ミニウム化合物及び(C)アルキルアルコキシシラン化
合物の存在下、(D)オレフィンと接触させてなるα−
オレフィン重合用触媒成分を用いて(a)プロピレンを
重合する行程、および(b)プロピレンとエチレンを共
重合する工程から製造される。以下に触媒成分及び重合
方法について詳細に説明する。
【0014】1.(A)マグネシウム、チタン、ハロゲ
ンおよび電子供与性化合物からなる成分 本発明の触媒における成分(A)は、マグネシウム、チ
タン、ハロゲンおよび電子供与性化合物を必須成分と
し、必要に応じて金属酸化物を含むことができる。成分
(A)は、それ自体公知の成分である。このような成分
は通常、マグネシウム化合物、チタン化合物および電子
供与性化合物、さらに前記化合物がハロゲンを有しない
化合物の場合は、ハロゲン含有化合物をそれぞれ接触す
ることにより、調整される。以下各成分について説明す
る。
【0015】(1)マグネシウム マグネシウム化合物は、一般式MgRabで表される。
ここで、Ra及びRbは同一か異なる炭化水素基、OR基
(Rは炭化水素基)、ハロゲン原子を示す。より詳細に
は、Ra及びRbの炭化水素基としては、炭素素1〜20
個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アル
アルキル基が、OR基としては、Rが炭素数1〜12個
のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルア
ルキル基が、ハロゲン原子としては塩素、臭素、ヨウ
素、フッ素等が挙げられる。
【0016】これら化合物の具体例を下記に示す。下記
化学式において、Me:メチル、Et:エチル、Pr:
プロピル、i−Pr:イソプロピル、Bu:ブチル、i
−Bu:イソブチル、t−Bu:ターシャリーブチル、
He:ヘキシル、Oct:オクチル、Ph:フェニル、
cyHe:シクロヘキシルをそれぞれ示す。
【0017】MgMe2、MgEt2、Mg(i−Pr)
2、MgBu2、MgHe2、MgOct2、MgEtB
u、MgPh2、MgcyHe2、Mg(OMe)2、M
g(OEt)2、Mg(OBu)2、Mg(OHe)2
Mg(OOct)2、Mg(OPh)2、Mg(OcyH
e)2、EtMgCl、BuMgCl、HeMgCl、
i−BuMgCl、t−BuMgCl、PhMgCl、
PhCH2MgCl、EtMgBr、BuMgBr、P
hMgBr、BuMgI、EtOMgCl、BuOMg
Cl、HeOMgCl、PhOMgCl、EtOMgB
r、BuOMgBr、EtOMgI、MgCl2、Mg
Br2、MgI2
【0018】上記マグネシウム化合物は、成分Aを調製
する際に、金属マグネシウム又はその他のマグネシウム
化合物から調製することも可能である。その一例とし
て、金属マグネシウム、ハロゲン化炭化水素及び一般式
nM(OR)m-nのアルコキシ基含有化合物(式中、X
は水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20個の炭
化水素基、Mはホウ素、炭素、アルミニウム、ケイ素ま
たはリン原子、Rは炭素数1〜20個の炭化水素基、m
はMの原子価、m>n≧0を示す。)を接触させる方法
が挙げられる。
【0019】該アルコキシ基含有化合物の一般式のX及
びRの炭化水素基としては、メチル(Me)、エチル
(Et)、プロピル(Pr)、i−プロピル、(i−P
r)、ブチル(Bu)、i−ブチル(i−Bu)、ヘキ
シル(He)、オクチル(Oct)等のアルキル基、シ
クロヘキシル(cyHe)、メチルシクロヘキシル等の
シクロアルキル基、アリル、プロペニル、ブテニル等の
アルケニル基、フェニル(Ph)、トリル、キシリル等
のアリール基、フェネチル、3−フェニルピロピル等の
アルアルキル基が挙げられる。これらの中でも、特に炭
素数1〜10個のアルキル基が望ましい。以下、アルコ
キシ基含有化合物の具体例を挙げる。
【0020】Mが炭素の場合の化合物 式C(OR)4に含まれるC(OMe)4、C(OEt)
4、C(OPr)4、C(OBu)4、C(Oi−B
u)4、C(OHe)4、C(OOct)4:式XC(O
R)3に含まれるHC(OMe)3、HC(OEt)3
HC(OPr)3、HC(OBu)3、HC(OH
e)3、HC(OPh)3;MeC(OMe)3,Mec
(OEt)3、EtC(OMe)3、EtC(OE
t)3、cyHeC(OEt)3、PhC(OMe)3
PhC(OEt)3、CH2ClC(OEt)3、MeC
HBrC(OEt)3、MeCHClC(OEt)3;C
lC(OMe)3、ClC(OEt)3、ClC(Oi−
Bu)3、BrC(OEt)3;式X2C(OR)2に含ま
れるMeCH(OMe)2、MeCH(OEt)2、CH
2(OMe)2、CH2(OEt)2、CH2ClCH(O
Et)2、CHCl2CH(OEt)2、CCl3CH(O
Et)2、CH2BrCH(OEt)2、PhCH(OE
t)2
【0021】Mがケイ素の場合の化合物 式Si(OR)4に含まれるSi(0Me)4、Si(O
Et)4、Si(OBu)4、Si(Oi−Bu)4、S
i(OHe)4、Si(OOct)4、Si(OP
h)4:式XSi(OR)3に含まれるHSi(OEt)
3、HSi(OBu)3、HSi(OHe)3、HSi
(OPh)3;MeSi(OMe)3、MeSi(OE
t)3、MeSi(OBu)3、EtSi(OEt)3
PhSi(OEt)3、EtSi(OPh)3;ClSi
(OMe)3、ClSi(OEt)3、ClSi(OB
u)3、ClSi(OPh)3、BrSi(OEt)3
式X2Si(OR)2に含まれるMe2Si(OMe)2
Me2Si(OEt)2、Et2Si(OEt)2;MeC
lSi(OEt)2;CHCl2SiH(OEt)2;C
Cl3SiH(OEt)2;MeBuSi(OEt)2
3SiORに含まれるMe3SiOMe、Me3SiO
Et、Me3SiOBu、Me3SiOPh、Et3Si
OEt、Ph3SiOEt。
【0022】Mがホウ素の場合の化合物 式B(OR)3に含まれるB(OEt)3、B(OBu)
3、B(OHe)3、B(OPh)3
【0023】Mがアルミニウムの場合の化合物 式Al(OR)3に含まれるAl(OMe)3、Al(O
Et)3、Al(OPr)3、Al(Oi−Pr)3、A
l(OBu)3、Al(Ot−Bu)3、Al(OHe)
3、Al(OPh)3
【0024】Mがリンの場合の化合物 式P(OR)3に含まれるP(OMe)3、P(OEt)
3、P(OBu)3、P(OHe)3、P(OPh)3
【0025】更に、前記マグネシウム化合物は、周期表
第II族又は第IIIa族金属(M′)の有機化合物と
の錯体も使用することができる。該錯体は一般式MgR
ab・p(M′Rc q)で表される(RaおよびRbは前記
と同義)。該金属(M′)としては、アルミニウム、亜
鉛、カルシウム等であり、RCは炭素数1〜12個のア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルアルキ
ル基である。また、qは金属M′の原子価を、pは0.
1〜10の数を示す。M′RC qで表される化合の具体例
としては、AlMe3、AlEt3、Al(i−B
u)3、AlPh3、ZnMe2、ZnEt2、ZnB
2、ZnPh2、CaEt2、CaPh2等が挙げられ
る。
【0026】(2)チタン チタン化合物は、三価および四価のチタン化合物であ
り、それらを例示すると、四塩化チタン、四臭化チタ
ン、トリクロロエトキシチタン、トリクロロブトキシチ
タン、ジクロロジエトキシチタン、ジクロロジブトキシ
チタン、ジクロロジフェノキシチタン、クロロトリエト
キシチタン、クロロトリブトキシチタン、テトラブトキ
シチタン、三塩化チタン等を挙げることができる。これ
らの中でも、四塩化チタン、トリクロロエトキシチタ
ン、ジクロロジブトキシチタン、ジクロロジフェノキシ
チタン等の四価のチタンハロゲン化物が望ましく、特に
四塩化チタンが望ましい。
【0027】(3)電子供与性化合物 電子供与性化合物としては、カルボン酸類、カルボン酸
無水物、カルボン酸エステル類、カルボン酸ハロゲン化
物、アルコール類、エーテル類、ケトン類、アミン類、
アミド類、ニトリル類、アルデヒド類、アルコレート
類、有機基と炭素若しくは酸素を介して結合したリン、
ヒ素およびアンチモン化合物、ホスホアミド類、チオエ
ーテル類、チオエステル類、炭素エステル等が挙げられ
る。これらのうちカルボン酸類、カルボン酸無水物、カ
ルボン酸エステル類、カルボン酸ハロゲン化物、アルコ
ール類、エーテル類が好ましく用いられる。
【0028】(a)カルボン酸類 カルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、ピバリン
酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の脂肪族
モノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪
族ジカルボン酸、酒石酸等の脂肪族オキシカルボン酸、
シクロヘキサンモノカルボン酸、シクロヘキセンモノカ
ルボン酸、シス−1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸、シス−4−メチルシクロヘキセン−1,2−ジカル
ボン酸等の脂環式カルボン酸、安息香酸、トルイル酸、
アニス酸、p−第三級ブチル安息香酸、ナフトエ酸、ケ
イ皮酸等の芳香族モノカルボン酸、フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、ナフタル酸、トリメリト酸、ヘミ
メリト酸、トリメシン酸、ピロメリト酸、メリト酸等の
芳香族多価カルボン酸等が挙げられる。
【0029】(b)カルボン酸無水物 カルボン酸無水物としては、上記のカルボン酸類の無水
物が使用し得る。
【0030】(c)カルボン酸エステル カルボン酸エステルとしては、上記のカルボン酸類のモ
ノ又は多価エステルを使用することができ、その具体例
として、ギ酸ブチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソ酪
酸イソブチル、ピバリン酸プロピル、ピバリン酸イソブ
チル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マロン酸ジエ
チル、マロン酸ジイソブチル、コハク酸ジエチル、コハ
ク酸ジブチル、コハク酸ジイソブチル、グルタル酸ジエ
チル、グルタル酸ジブチル、グルタル酸ジイソブチル、
アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジブチル、セバシ
ン酸ジイソブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジ
ブチル、マレイン酸ジイソブチル、フマル酸モノメチ
ル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソブチル、酒石酸
ジエチル、酒石酸ジブチル、酒石酸ジイソブチル、シク
ロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香
酸エチル、p−トルイル酸メチル、p−第三級ブチル、
安息香酸エチル、p−アニス酸エチル、α−ナフトエ酸
エチル、α−ナフトエ酸イソブチル、ケイ皮酸エチル、
フタル酸モノメチル、フタル酸モノブチル、フタル酸ジ
ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘキシル、
フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、フタル酸ジアリル、フタル酸ジフェニル、イソフタ
ル酸ジエチル、イソフタル酸ジイソブチル、テレフタル
酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、ナフタル酸ジエチ
ル、ナフタル酸ジブチル、トリメリト酸トリエチル、ト
リメリト酸トリブチル、ピロメリト酸テトラメチル、ピ
ロメリト酸テトラエチル、ピロメリト酸テトラブチル等
が挙げられる。
【0031】(d)カルボン酸ハロゲン化物 カルボン酸ハロゲン化物としては、上記のカルボン酸類
の酸ハロゲン化物を使用することができ、その具体例と
して、酢酸クロリド、酢酸ブロミド、酢酸アイオダイ
ド、プロピオン酸クロリド、酪酸クロリド、酪酸ブロミ
ド、酪酸アイオダイド、ピバリン酸クロリド、ピバリン
酸ブロミド、アクリル酸クロリド、アクリル酸ブロミ
ド、アクリル酸アイオダイド、メタクリル酸クロリド、
メタクリル酸ブロミド、メタクリル酸アイオダイド、ク
ロトン酸クロリド、マロン酸クロリド、マロン酸ブロミ
ド、コハク酸クロリド、コハク酸ブロミド、グルタル酸
クロリド、グルタル酸ブロミド、アジピン酸クロリド、
アジピン酸ブロミド、セバシン酸クロリド、セバシン酸
ブロミド、マレイン酸クロリド、マレイン酸ブロミド、
フマル酸クロリド、フマル酸ブロミド、酒石酸クロリ
ド、酒石酸ブロミド、シクロヘキサンカルボン酸クロリ
ド、シクロヘキサンカルボン酸ブロミド、1−シクロヘ
キセンカルボン酸クロリド、シス−4−メチルシクロヘ
キセンカルボン酸クロリド、シス−4−メチルシクロヘ
キセンカルボン酸ブロミド、塩化ベンゾイル、臭化ベン
ゾイル、p−トルイル酸クロリド、p−トルイル酸ブロ
ミド、p−アニス酸クロリド、p−アニス酸ブロミド、
α−ナフトエ酸クロリド、ケイ皮酸クロリド、ケイ皮酸
ブロミド、フタル酸ジクロリド、フタル酸ジブロミド、
イソフタル酸ジクロリド、イソフタル酸ジブロミド、テ
レフタル酸ジクロリド、ナフタル酸ジクロリドが挙げら
れる。また、アジピン酸モノメチルクロリド、マレイン
酸モノエチルクロリド、マレイン酸モノメチルクロリ
ド、フタル酸ブチルクロリドのようなジカルボン酸のモ
ノアルキルハロゲン化物も使用し得る。
【0032】(e)アルコール類 アルコール類は、一般式RdOHで表される。式におい
てRdは炭素数1〜12個のアルキル、アルケニル、シ
クロアルキル、アリール、アルアルキルである。その具
体例としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、、ブタノールイソブタノール、
ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、2−エチ
ルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコ
ール、アリルアルコール、フェノール、クレゾール、キ
シレノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノー
ル、p−ターシャリー−ブチルフェノール、n−オクチ
ルフェノール等である。
【0033】(f)エーテル類 エーテル類は、一般式ReORfで表される。式において
e fは炭素数1〜12個のアルキル、アルケニ
ル、シクロアルキル、アリール、アルアルキルであり、
eとRfは同じでも異なっていてもよい。その具体例と
しては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、
ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソアミ
ルエーテル、ジ−2−エチルヘキシルエーテル、ジアリ
ルエーテル、エチルアリルエーテル、ブチルアリルエー
テル、ジフェニルエーテル、アニソール、エチルフェニ
ルエーテル等である。
【0034】(4)ハロゲン ハロゲン含有化合物としては、ハロゲン化炭化水素、ハ
ロゲン含有アルコール、水素−ケイ素結合を有するハロ
ゲン化ケイ素化合物、周期表第IIIa族、IVa族、
Va族元素のハロゲン化物(以下、金属ハライドとい
う。)等が挙げられる。
【0035】(a)ハロゲン化炭化水素 ハロゲン化炭化水素としては、炭素数1〜12個の飽和
又は不飽和の脂肪族、脂環式及び芳香族炭化水素のモノ
およびポリハロゲン置換体が使用される。それら化合物
の具体的な例は、脂肪族化合物では、メチルクロライ
ド、メチルブロマイド、メチルアイオダイド、メチレン
クロライド、メチレンブロマイド、メチレンアイオダイ
ド、クロロホルム、ブロモホルム、ヨードホルム、四塩
化炭素、四臭化炭素、四ヨウ化炭素、エチルクロライ
ド、エチルブロマイド、エチルアイオダイド、1,2−
ジクロロエタン,1,2−ジブロモエタン、1,2−ジ
ヨードエタン、メチルクロロホルム、メチルブロモホル
ム、メチルヨードホルム、1,1,2−トリクロロエチ
レン、1,1,2−トリブロモエチレン,1,1,2,
2−テトラクロロエチレン、ペンタクロロエタン、ヘキ
サクロロエタン、ヘキサブロモエタン、n−プロピルク
ロライド、1,2−ジクロロプロパン、ヘキサクロロプ
ロピレン、オクタクロロプロパン、デカブロモブタン、
塩素化パラフィン等が挙げられる。脂環式化合物ではク
ロロシクロプロパン、テトラクロロシクロペンタン、ヘ
キサクロロシクロペンタジエン、ヘキサクロロシクロヘ
キサン等が挙げられる。芳香族化合物ではクロロベンゼ
ン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジク
ロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサブロモベ
ンゼン、ベンゾトリクロライド、p−クロロベンゾトリ
クロライド等が挙げられる。これらの化合物は、一種の
みならず二種以上用いてもよい。
【0036】(b)ハロゲン含有アルコール ハロゲン含有アルコールとしては、一分子中に一個又は
二個以上の水酸基を有するモノ又は多価アルコール中
の、水酸基以外の任意の一個又は二個以上の水素原子が
ハロゲン原子で置換された化合物を使用できる。ハロゲ
ン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素原子が挙
げられ、塩素原子が望ましい。
【0037】それら化合物を例示すると、2−クロロエ
タノール、1−クロロ−2−プロパノール、3−クロロ
−1−プロパノール、1−クロロ−2−メチル−2−プ
ロパノール、4−クロロ−1−ブタノール、5−クロロ
−1−ペンタノール、6−クロロ−1−ヘキサノール、
3−クロロ−1,2−プロパンジオール、2−クロロシ
クロヘキサノール、4−クロロベンズヒドロール、
(m,o,p)−クロロベンジルアルコール、4−クロ
ロカテコール、4−クロロ−(m,o)−クレゾール、
6−クロロ−(m,o)−クレゾール、4−クロロ−
3,5−ジメチルフェノール、クロロハイドロキノン、
2−ベンジル−4−クロロフェノール、4−クロロ−1
−ナフトール、(m,o,p)−クロロフェノール,p
−クロロ−α−メチルベンジルアルコール、2−クロロ
−4−フェニルフェノール、6−クロロチモール、4−
クロロレゾルシン、2−ブロモエタノール、3−ブロモ
−1−プロパノール、1−ブロモ−2−プロパノール、
1−ブロモ−2−ブタノール、2−ブロモ−p−クレゾ
ール、1−ブロモ−2−ナフトール、6−ブロモ−2−
ナフトール、(m,o,p)−ブロモフェノール、4−
ブロモレゾルシン、(m,o,p)−フルオロフェノー
ル,p−イオドフェノール:2,2−ジクロロエタノー
ル、2,3−ジクロロ−1−プロパノール、1,3−ジ
クロロ−2−プロパノール、3−クロロ−1−(α−ク
ロロメチル)−1−プロパノール、2,3−ジブロモ−
1−プロパノール、1,3−ジブロモ−2−プロパノー
ル、2,4−ジブロモフェノール、2,4−ジブロモ−
1−ナフトール:2,2,2ートリクロロエタノール、
1,1,1−トリクロロ−2−プロパノール、β,β,
β,−トリクロロ−tert−ブタノール、2,3,4
−トリクロロフェノール、2,4,5−トリクロロフェ
ノール、2,4,6−トリクロロフェノール、2,4,
6−トリブロモフェノール、2,3,5−トリブロモ−
2−ヒドロキシトルエン、2,3,5−トリブロモ−4
−ヒドロキシトルエン、2,2,2−トリフルオロエタ
ノール、α,α,α−トリフルオロ−m−クレゾール、
2,4,6−トリイオドフェノール:2,2,4,6−
テトラクロロフェノール、テトラクロロハイドロキノ
ン、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビス
フェノールA、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−
プロパノール、2,3,5,6−テトラフルオロフェノ
ール、テトラフルオロレゾルシン等があげられる。
【0038】(c)水素−ケイ素結合を有するハロゲン
化ケイ素化合物 水素−ケイ素結合を有するハロゲン化ケイ素化合物とし
ては、HSiCl3、H2SiCl2、H3SiCl、H
(CH3)SiCl2、H(C25)SiCl2、H(t
−C49)SiCl2、H(C65)SiCl2、H(C
32SiCl、H(i−C372SiCl、H2(C
25)SiCl、H2(n−C49 )SiCl、H
2(C64CH3)SiCl、HSiCl(C652
が挙げられる。
【0039】(d)金属ハライド 金属ハライドとしては、B、Al、Ga、In、Tl、
Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Biの塩化物、
フッ化物、臭化物、ヨウ化物が挙げられ、特にBC
3、BBr3,BI3、AlCl3、AlBr3、GaC
3、GaBr3、InCl3、TlCl3、SiCl4、S
nCl4、SbCl5、SbF5等が好適である。
【0040】(5)金属酸化物 (A)成分には、金属酸化物を坦体として用いることも
できる。金属酸化物は、元素の周期表第II族〜第IV
族の群から選ばれる元素の酸化物であり、それらを例示
すると、B23、MgO、Al23、SiO2、Ca
O、TiO2、ZnO、ZrO2、SnO2、BaO、Th
2等が挙げられる。これらの中でもB23、MgO、
Al23、SiO2、TiO2、ZrO2が好ましく、特
にSiO2が好ましい。さらに、これら金属酸化物を含
む複合酸化物、例えばSiO2−MgO、SiO2−Al
23、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2
Cr23、SiO2−TiO2−MgO等を使用すること
もできる。
【0041】これら金属酸化物は、通常粉末状のものが
使用される。粉末の大きさおよび形状等の形態は、得ら
れるオレフィン重合体の形態に影響を及ぼすことが多い
ので、適宜調節することが望ましい。金属酸化物は、使
用にあたって被毒物質を除去する等の目的から、可能な
限り高温で焼成し、さらに大気と直接接触しないように
取り扱うのが望ましい。
【0042】(6)成分(A)の調製 マグネシウム化合物(成分1)、チタン化合物(成分
2)、電子供与性化合物(成分3)、更に必要に応じて
接触させることのできる金属酸化物およびハロゲン含有
化合物との接触は、不活性媒体の存在下、又は不存在
下、混合撹拌するか、機械的に共粉砕することによりな
される。接触は40〜150℃の加熱下で行うことがで
きる。不活性媒体としては、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン等の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロ
ヘキサン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素が使用し得る。
【0043】本発明における成分(A)の望ましい調整
法としては、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電
子供与性化合物を必須成分とする固体成分(A)の場合
は、、特開昭63−264607号、同58−1985
03号、同62−146904号公報等に開示されてい
る方法が挙げられる。より詳細には、 (イ)金属マグネシウム、(ロ)ハロゲン化炭化水
素、(ハ)一般式XnM(OR)m-nの化合物(前記のア
ルコキシ基含有化合物と同じ)を接触させることにより
得られるマグネシウム含有固体を(ニ)ハロゲン含有ア
ルコールと接触させ、次いで(ホ)電子供与性化合物及
び(ヘ)チタン化合物と接触させる方法(特開昭63−
264607号公報)、 (イ)マグネシウムジアルコキシドと(ロ)水素−ケ
イ素結合を有するハロゲン化ケイ素化合物を接触させた
後、(ハ)ハロゲン化チタン化合物を接触させ、次いで
(ニ)電子供与性化合物と接触させる(必要に応じてハ
ロゲン化チタン化合物を接触させる)方法(特開昭62
−146904号公報)、 (イ)マグネシウムジアルコキシドと(ロ)水素−ケ
イ素結合を有するハロゲン化ケイ素化合物を接触させた
後、(ハ)電子供与性化合物と接触させ、次いで(ニ)
チタン化合物を接触させる方法(特開昭58−1985
03号公報)である。これらの中でもの方法が望まし
い。
【0044】上記のようにして成分(A)は調製される
が、成分(A)は必要に応じて前記の不活性媒体で洗浄
してもよく、更に乾燥してもよい。成分(A)中には、
好ましくはMgが5〜40重量%、Tiが1〜2.5重
量%、ハロゲンが30〜70重量%、電子供与性化合物
が0〜20重量%含まれる。
【0045】また、マグネシウム、チタン、ハロゲン、
金属酸化物および電子供与性化合物を必須成分とする固
体成分(A′)の望ましい調整法としては、特開昭58
−162607号公報、同55−94909号公報、同
55−115405号公報、同57−108107号公
報、同61−21109号公報、同61−174204
号公報、同61−174205号公報、同61−174
206号公報、同62−7706号公報等に開示されて
いる方法が挙げられる。より詳細には、 金属酸化物とマグネシウムジアルコキシドとの反応生
成物を、電子供与性化合物および4価のハロゲン化チタ
ンと接触させる方法(特開昭58−162607号公
報)、 無機酸化物とマグネシウムヒドロカルビルハライド化
合物との反応生成物を、ルイス塩基化合物および四塩化
チタンと接触させる方法(特開昭55−94909号公
報)、 シリカ等の多孔質担体とアルキルマグネシウム化合物
との反応生成物を、チタン化合物と接触させる前に電子
供与性化合物およびハロゲン化ケイ素化合物と接触させ
る方法(特開昭55−115405号公報、同57−1
08107号公報)、 金属酸化物、アルコキシ基含有マグネシウム化合物、
オルト位にカルボキシル基を持つ芳香族多価カルボン酸
もしくはその誘導体およびチタン化合物を接触させる方
法(特開昭61−174204号公報)、 金属酸化物、アルコキシ基含有マグネシウム化合物、
水素−ケイ素結合を有するケイ素化合物、電子供与性化
合物およびチタン化合物を接触させる方法(特開昭61
−174205号公報)、 金属酸化物、アルコキシ基含有マグネシウム化合物、
ハロゲン元素もしくはハロゲン含有化合物、電子供与性
化合物およびチタン化合物を接触させる方法(特開昭6
1−174206号公報)、 金属酸化物、ジヒドロカルビルマグネシウムおよびハ
ロゲン含有アルコールを接触させることによって得られ
る反応生成物を、電子供与性化合物およびチタン化合物
と接触させる方法(特開昭61−21109号公報)、 金属酸化物、ヒドロカルビルマグネシウムおよびヒド
ロカルビルオキシ基含有化合物(前記アルコキシ基含有
化合物に担当)を接触させることによって得られる固体
をハロゲン含有アルコールと接触させ、さらに電子供与
性化合物およびチタン化合物と接触させる方法(特開昭
62−7706号公報)である。これらの中でも〜
の方法が、特におよびの方法が望ましい。
【0046】成分(A′)中には、好ましくはMgが2
〜12%、Tiが1〜5%、ハロゲンが10〜35重量
%、金属酸化物が30〜70重量%、電子供与性化合物
が0〜20重量%含まれる。
【0047】2.成分(B)有機アルミニウム化合物 有機アルミニウム化合物(B)は、一般式AlR3(但
し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。)で表さ
れるトリアルキルアルミニウム化合物が好ましく用いら
れる。その具体例としては、トリメチルアルミニウム、
トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、
トリイソプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウム等が挙げられる。特にトリエチルアルミニウムお
よびトリイソブチルアルミニウムが好ましい。
【0048】3.成分(C)アルキルアルコキシシラン
化合物 本発明の成分(C)アルキルアルコキシシラン化合物
は、例えば次式: (R1sSi(OR24-s (上記式中、R1はそれぞれ独立して、炭素数1〜6
(好ましくは3〜5)のアルキル基およびシクロアルキ
ル基から選ばれ、R2はそれぞれ独立して、炭素数1〜
6のアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基から
選ばれ、sは1≦s≦3の範囲の数である)で示される
アルキルアルコキシシランが挙げられる。しかし、これ
らに限定されることはない。
【0049】R1としては、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−アミル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。R1は好
ましくは、プロピル基、シクロペンチル基、イソプロピ
ル基、tert−ブチル基から選ばれる。R2として
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、te
rt−アミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−2−ブ
テニル基、2−メチル−3−ブチニル基等が挙げられ
る。R2は好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロ
ピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基から選
ばれる。
【0050】具体的化合物としては、例えばtert−
ブトキシシクロペンチルジメトキシシラン、イソプロポ
キシシクロペンチルジメトキシシラン、sec−ブトキ
シシクロペンチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブト
キシプロピルメトキシシラン、プロピルトリエトキシシ
ラン、tert−ブチルシクロペンチルジメトキシシラ
ン、tert−アミルオキシシクロペンチルジメトキシ
シラン、(2−メチル−3−ブテン−2−オキシ)シク
ロペンチルジメトキシシラン、(3−メチル−2−ブテ
ン−1−オキシ)シクロペンチルジメトキシシラン、
(2−メチル−3−ブテン−2−オキシ)シクロペンチ
ルジメトキシシラン、tert−ブトキシシクロヘキシ
ルジメトキシシラン、イソプロポキシシクロヘキシルジ
メトキシシラン、sec−ブトキシシクロヘキシルジメ
トキシシラン、tert−アミルオキシシクロヘキシル
ジメトキシシラン、(2−メチル−3−ブテン−2−オ
キシ)シクロヘキシルジメトキシシラン、(3−メチル
−2−ブテン−1−オキシ)シクロヘキシルジメトキシ
シラン、(2−メチル−3−ブテン−2−オキシ)シク
ロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジ
メトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、
シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチ
ルエチルジメトキシラン、シクロペンチルトリメトキシ
ラン等が挙げられる。
【0051】アルキルアルコキシシラン化合物として、
上記の他に、ラクトン基、カルボキシル基を含有するア
ルキルアルコキシラン、環構成原子としてケイ素原子、
窒素原子を有する複素環式置換基を有するアルキルアル
コキシシランなども、好ましく使用することができる。
【0052】好ましい成分(C)は、分岐状のアルキル
基もしくはアルコキシ基または脂環式基を有するシラン
化合物であり、特に好ましくは、イソプロポキシシクロ
ペンチルジメトキシシラン、sec−ブトキシシクロペ
ンチルジメトキシラン、シクロヘキシルメチルジメトキ
シシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジse
c−ブトキシプロピルメトキシシラン、tert−ブチ
ルシクロペンチルジメトキシシラン、tert−アミオ
ルオキシシクロペンチルジメトキシシランから少なくと
も1種選択される。
【0053】4.予備重合 本発明において、成分(A)は予備重合を行う。予備重
合は、有機アルミニウム(成分B)およびアルキルアル
コキシシラン化合物(成分C)の存在下、オレフィン
(成分D)と接触させることにより行う。
【0054】予備重合に使用されるオレフィン(成分
D)としては、エチレンの他、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のα−
オレフィンが挙げられる。予備重合はノルマルブタン、
イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の不活性水素中で行うのが好まし
い。予備重合は通常100℃以下の温度、好ましくは−
30℃〜+30℃、更に好ましくは−20℃〜+20℃
の温度で行われる。重合方式はバッチ式、連続式のいず
れでもよく、2段以上の多段で行ってもよい。
【0055】成分(B)は予備重合系での濃度が10〜
500ミリモル/リットル、好ましくは30〜200ミ
リモル/リットルになるように用いられ、また成分
(A)中のチタン1モル当たり1〜50,000モル、
好ましくは2〜1,000モルとなるように用いられ
る。成分(C)は予備重合系での濃度が1〜1,000
ミリモル/リットル、好ましくは5〜200ミリモル/
リットルになるように用いられる。予備重合により、成
分(A)中にオレフィンポリマーが取り込まれるが、そ
のポリマー量は、成分(A)1g当たり0.1〜200
g、特に0.5〜50gとするのが好ましい。このよう
にして調製された触媒成分は、前記の不活性媒体で希釈
あるいは洗浄することができるが、触媒劣化を防止する
観点から、特に洗浄するのが好ましい。洗浄後、必要に
応じて乾燥しても良い。触媒を保存する場合ではできる
だけ低温で保存するのが好ましく、−50℃〜+30
℃、特に−20℃〜+5℃の温度範囲が推奨される。
【0056】5.本重合 上記のようにして得られた触媒成分は、有機金属化合
物、更には必要に応じて電子供与性化合物と組み合わせ
て、プロピレンを重合する工程、およびプロピレンとエ
チレンを共重合する工程を経る本重合を行い、MFRと
昇温分別法により求めた溶出ピーク温度(Tp)との関
係及び固体粘弾性(tanδ)と冷キシレン可溶部分重
量分率との関係が前記式で示されるプロピレン−エチレ
ンブロック共重合体を製造することができる。
【0057】用い得る有機金属化合物は、周期律表第I
族ないし第III族金属の有機金属化合物である。該化
合物としては、リチウム、マグネシウム、カルシウム、
亜鉛及びアルミニウムの有機化合物が使用し得る。これ
らの中でも特に、有機アルミニウム化合物が好適であ
る。
【0058】用い得る有機アルミニウム化合物(成分
E)としては、一般式R3 nAlX3-n(ただし、R3はア
ルキル基又はアリール基、Xはハロゲン原子、アルコキ
シ基又は水素原子を示し、nは1≦n≦3の範囲の数で
ある。)で示されるものであり、例えばトリアルキルア
ルミニウム、ジアルキルアルミニウムモノハライド、モ
ノアルキルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニ
ウムセスキハライド、ジアルキルアルミニウムモノアル
コキシド及びアルキルアルミニウムモノハイドライドな
どの炭素数1ないし18個、好ましくは炭素数2ないし
6個のアルキルアルミニウム化合物又はその混合物若し
くは錯化合物が特に好ましい。具体的には、トリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピル
アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキ
シルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジ
メチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムク
ロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチルアル
ミニウムアイオダイド、ジイソブチルアルミニウムクロ
リドなどのジアルキルアルミニウムモノハライド、エチ
ルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロ
リド、メチルアルミニウムジブロミド、エチルアルミニ
ウムジブロミド、エチルアルミニウムジアイオダイド、
イソブチルアルミニウムジクロリドなどのモノアルキル
アルミニウムジハライド、エチルアルミニウムセスキク
ロリドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド、ジ
メチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウム
エトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジプ
ロピルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニ
ウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムフェノキシ
ドなどのジアルキルアルミニウムモノアルコキシド、ジ
メチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウ
ムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライ
ド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジア
ルキルアルミニウムハイドライドが挙げられる。これら
の中でも、トリアルキルアルミニウムが、特にトリエチ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが望まし
い。また、これらのトリアルキルアルミニウムは、その
他の有機アルミニウム化合物、例えば、工業的に入手し
易いジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウ
ムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジ
エチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウム
ハイドライド又はこれらの混合物若しくは錯化合物等と
併用することができる。また、酸素原子や窒素原子を介
して2個以上のアルミニウムが結合した有機アルミニウ
ム化合物も使用可能である。アルミニウム金属以外の金
属の有機化合物としては、ジエチルマグネシウム、エチ
ルマグネシウムクロリド、ジエチル亜鉛等の他LiAl
(C254、LiAl(C7154等の化合物が挙げ
られる。
【0059】本発明の予備重合触媒成分及び有機金属化
合物(E)と必要に応じて組み合わせることができる電
子供与性化合物(F)としては、前記成分(A)の予備
重合の際に用いられることがある電子供与性化合物であ
る成分(C)の中から適宜選ばれるが、その他にもアル
キル基およびアルコキシ基が合計4個珪素原子に結合し
たものであれば使用可能である。例えば、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラ
ン、テトライソブトキシシラン、テトラフェノキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ランメチルトリブトキシシラン、メチルトリフェノキシ
シラン、エチルトリエトキシシランエチルトリイソブト
キシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリ
メトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルト
リブトキシシラン、イソブチルトリイソブトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシ
ラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブ
トキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチル
ジエトキシシラン、ジエチルジイソブトキシシラン、ジ
フェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、ジベンジルジエトキシシラン、ジビニルジフェノキ
シシラン、ジアリルジプロポキシシラン、ジフェニルジ
アリルオキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラ
ン、クロロフェニルジエトキシシランなどが挙げられ
る。
【0060】これら電子供与性化合物は、二種以上用い
てもよい。また、これら電子供与性化合物は、有機金属
化合物を触媒成分と組み合わせて用いる際に用いてもよ
く、予め有機金属化合物と接触させた上で用いてもよ
い。本発明の触媒成分に対する有機金属化合物の使用量
は、該触媒成分中のチタン1グラム原子当たり、通常1
〜2000グラムモル、特に20〜500グラムモルが
望ましい。又、電子供与性化合物を用いる場合、有機金
属化合物と電子供与性化合物の比率は、電子供与性化合
物1モルに対して有機金属化合物がアルミニウムとして
0.1〜40、好ましくは1〜25グラム原子の範囲で
選ばれる。
【0061】プロピレン−エチレンブロック共重合体
は、プロピレンを重合して高結晶性ポリプロピレンとす
る工程(a)と、プロピレンとエチレンを共重合する工
程(b)とからなる。 (a)プロピレンの重合 工程(a)において、プロピレンを重合させる。プロピ
レンの重合における反応条件は、慣用の条件が使用でき
る。例えば、−80〜+150℃、好ましくは0〜12
0℃、より好ましくは40〜120℃の温度で、1〜6
0気圧で、0.5〜7時間行われる。重合反応は、気相
で行っても液相で行ってもよい。液相で行う場合には、
前記の不活性媒体中または液状モノマー中で行うことが
できる。また、重合は回分式または連続式のいずれで行
ってもよい。生成するポリマーの分子量を調節するため
に、重合反応系に、水素等公知の分子量制御剤を存在さ
せることができる。工程(a)では、そこで得られるポ
リプロピレンが、最終的に得られるブロック共重合体の
50〜98重量%、特に70〜95重量%となるように
するのが好ましい。
【0062】(b)プロピレンとエチレンの共重合 次に工程(b)では、プロピレンとエチレンの共重合を
行う。共重合は、そこで得られる共重合体中のエチレン
含有量が好ましくは20〜95重量%、より好ましくは
30〜80重量%となるように、プロピレンとエチレン
を接触して反応させることによりなされる。共重合反応
の条件は、工程(a)で述べた重合反応条件から適宜選
択することができる。また、共重合反応系に、分子量制
御剤を存在させることができる。工程(b)で得られる
共重合体ブロックの量は、最終的に得られるブロック共
重合体の50〜2重量%、特に30〜5重量%となるよ
うにするのが好ましい。本発明の方法は、工程(a)、
工程(b)をその順序で行うことが好ましく、工程
(a)および(b)をそれぞれ任意の回数行うことがで
きる。
【0063】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。なお%は、特に断らない限り重量%である。な
お、物性は以下の方法に準拠して測定した。 (1)昇温分別法により求めた溶出ピーク温度(T
p):下記の条件で、カラム内に試料溶液を140℃で
導入し、70分かけて40℃まで冷却し、安定させた
後、昇温を開始し、各温度で溶出したポリマー濃度を検
出して、最も溶出濃度の高い温度をTpとした。 溶媒 :オルトジクロルベンゼン 流速 :1ml/min 昇温条件 :100℃以上で2℃刻み、40minずつ保持 検出器 :液クロ用赤外検出器 検出波長 :3.42μm カラム :4mmφ×250mm 充填剤 :ガラスビーズ 試料濃度 :4mg/ml 注入量 :0.5ml カラム温度分布:0.1℃以内 (2)tanδ:レオメトリクス社製のRSA IIを
用い、設定温度−100℃〜100℃、周波数62.7
998rad/s、ひずみ0.05%で、5×45×2
mmの成型品について測定した。温度増加に対してta
nδの範囲を0〜1の条件においてプロットし、得られ
た曲線において−30℃〜−100℃の領域で、tan
δのピーク面積(すなわちtanδ曲線上の30℃〜−
100℃の点を結んだ直線と該tanδ曲線とで囲まれ
た面積、tanδ面積)を計算した。
【0064】(3)MFR:ASTM D1238に準
拠し、230℃、荷重2.16kgの条件で10分間に
押し出された試料の質量を測定した。 (4)曲げ弾性率:JIS K7203に準拠して測定
した。 (5)Izod衝撃強度:JIS K7110に準拠し
て測定した。 (6)ロックウェル硬度(Rスケール):JIS K7
202に準拠して測定した。
【0065】実施例1 (1)触媒固体成分(A)の調製 還流冷却器をつけた1リットルの反応容器に、窒素ガス
雰囲気下、チップ状の金属マグネシウム(純度99.5
%、平均粒径1.6mm)8.3g及びn−ヘキサン2
50mlを入れ、68℃で1時間撹拌後、金属マグネシ
ウムを取り出し、65℃で減圧乾燥する、という方法で
予備活性化した金属マグネシウムを得た。次に、この予
備活性した金属マグネシウムに、n−ブチルエーテル1
40ml及びn−ブチルマグネシウムクロリドのn−ブ
チルエーテル溶液(1.75モル/リットル)0.5m
l加えた懸濁液を55℃に保ち、さらにn−ブチルエー
テル50mlにn−ブチルクロリド38.5mlを溶解
した溶液を50分間で滴下した。撹拌下70℃で4時間
反応を行った後、反応液を25℃に保持した。次いで、
この反応液にHC(OC25355.7mlを1時間
かけて滴下した。滴下終了後、60℃で15分間反応を
行い、反応生成固体をn−ヘキサン各300mlで6回
洗浄し、室温で1時間減圧乾燥して、Mg:19.0
%、塩素28.9%を含むマグネシウム含有固体31.
6gを回収した。
【0066】還流冷却器、撹拌機および滴下ロートを取
り付けた300mlの反応容器に、窒素ガス雰囲気下、
マグネシウム含有固体6.3gおよびn−ヘプタン50
mlを入れ、懸濁液とし、室温で撹拌しながら2,2,
2−トリクロロエタノール20ml(0.02ミリモ
ル)とn−ヘプタン11mlとの混合溶液を滴下ロート
から30分かけて滴下し、さらに80℃で1時間撹拌し
た。得られた固体を濾過し、室温のn−ヘキサン各10
0mlで4回洗浄し、さらにトルエン各100mlで2
回洗浄して固体成分を得た。
【0067】上記の固体成分にトルエン40mlを加
え、さらに四塩化チタン/トルエンの体積比が3/2に
なるように四塩化チタンを加えて、90℃に昇温した。
撹拌下、フタル酸ジブチル2mlとトルエン5mlの混
合溶液を5分間かけて滴下した後、120℃で2時間撹
拌した。得られた固体状物質を90℃で濾別し、トルエ
ン各100mlで2回、90℃で洗浄した。さらに新た
に、四塩化チタン/トルエンの体積比が3/2になるよ
うに四塩化チタンを加えて、120℃で2時間撹拌し
た。得られた固体物質を110℃で濾別し、室温のn−
ヘキサン各100mlで7回洗浄して、固体成分(A
1)5.5gを得た。
【0068】(2)予備重合 撹拌機を取り付けた500mlの反応器に、窒素ガス雰
囲気下、上記(1)で得られた固体成分(A1)4.0
gおよびn−ヘキサン200mlを入れ、撹拌しながら
−5℃に冷却した。次に、トリイソブチルアルミニウム
(TIBAL)およびsec−ブトキシシクロペンチル
ジメトキシシランをそれぞれ20ミリモル及び2ミリモ
ル添加し、5分間撹拌した。次いで、系内を減圧にした
後、プロピレンガスを連続的に供給し、0℃でプロピレ
ンを1時間重合させた。重合終了後、200mlのn−
ヘキサンで3回、室温にて固体成分を室温で1時間減圧
乾燥して、触媒成分(A2)を16.2g得た。予備重
合量は成分(A1)1g当たり3.05gであった。
【0069】(3)本重合 (a)プロピレンの重合(工程a) 撹拌機を取り付けた5リットルのステンレス製オートク
レーブに、窒素雰囲気下、TIBALのn−ヘプタン溶
液(0.3モル/リットル)4mlとsec−ブトキシ
シクロペンチルジメトキシシランのn−ヘプタン溶液
(0.08モル/リットル)3mlを混合し、5分間保
持したものを入れた。次いで、分子量制御剤としての水
素30リットル(常温、常圧)および液体プロピレン
3.0リットルを圧入した後、反応系を70℃に昇温し
た。上記(2)で得られた予備重合触媒(A2)120
mgを反応系に入れた後、1時間プロピレンの重合(第
1段重合)を行った。重合終了後、容器内圧力が0.2
kg/cm2Gになるまで、未反応のプロピレンと水素
をパージした。
【0070】(b)プロピレンとエチレンの共重合(工
程b) 第1段目のポリマー(ポリプロピレン)を一部採取した
後、容器内に水素を導入した。次いでプロピレン対エチ
レンのモル比が0.639:1の混合ガスを供給して、
容器内圧力を6.01kg/cm2Gに保持し、75℃
で1.2時間プロピレンとエチレンの共重合(第2段重
合)を行った。重合終了後、未反応ガスをパージした
後、、ポリマーを採取した。プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体(BPP)490gが得られた。
【0071】得られたプロピレン−エチレンブロック共
重合体(BPP)について、冷キシレン可溶部と冷キシ
レン不溶部の特性を調べた。冷キシレン可溶部と冷キシ
レン不溶部の割合は、冷キシレン可溶部16重量%に対
して、冷キシレン不溶部84重量%であった。冷キシレ
ン不溶部のMFRは100g/10分であり、冷キシレ
ン可溶部のMFRは0.07g/10分であった。また
冷キシレン可溶部の極限粘度[η]は5.0dl/gで
あった。冷キシレン可溶部のエチレン含量を1H−NM
Rにより求めたところ、35重量%であった。さらに、
Tp、tanδ面積、曲げ弾性率、Izod衝撃強度、
ロックウェル硬度を測定した。物性値を表2及び表3に
示す。
【0072】実施例2〜5 表1に示した有機アルミニウム化合物、アルキルアルコ
キシシラン、電子供与性化合物及び重合条件で、実施例
1と同様に予備重合及び本重合を行った。得られたプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体の構造及び物性測定
結果を表2及び表3に示す。
【0073】比較例1〜3 表1に示した有機アルミニウム化合物、アルキルアルコ
キシシラン、電子供与性化合物及び重合条件で、実施例
1と同様に予備重合及び本重合を行った。得られたプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体の構造及び物性測定
結果を表2及び表3に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】表2及び表3より明らかなように、冷キシ
レン不溶部分の昇温分別測定から求められる溶出ピーク
温度(Tp)とMFRの関係及びプロピレン−エチレン
ブロック共重合体のtanδ面積(−30℃以下)とそ
の冷キシレン可溶部分の重量分率との比とが本発明の範
囲にあるプロピレン−エチレンブロック共重合体は、本
発明の範囲外にあるものよりも曲げ弾性率、Izod衝
撃強度、ロックウェル硬度が優れた樹脂であることが分
かる。
【0078】
【発明の効果】以上、発明の実施例から明らかなよう
に、冷キシレン不溶部分の昇温分別測定から求められる
溶出ピーク温度(Tp)とMFRの関係及びtanδ面
積(−30℃以下)とその冷キシレン可溶部分の重量分
率との比とが本発明の範囲にあるプロピレン−エチレン
ブロック共重合体は、耐衝撃強度と剛性のバランスに優
れ、かつ表面硬度に優れている。したがって、本発明の
プロピレン−エチレンブロック共重合体は、従来と同一
用途の成型品においては、薄肉化がはかられ、軽量化が
可能となり、省資源や生産性の点で工業的に有利であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−48831(JP,A) 特開 平7−206917(JP,A) 特開 平8−188614(JP,A) 特開 平10−195155(JP,A) 特開 平10−195154(JP,A) 特開 平10−195153(JP,A) 特開 平10−251358(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 297/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン−エチレンブロック共重合体
    であって、その冷キシレン不溶部分の昇温分別法により
    求めた溶出ピーク温度(Tp)とMFRとが Tp≧119.74−0.2591×logMFR (1) なる関係を満足し、 そのプロピレン−エチレンブロック共重合体のtanδ
    面積(−30℃以下)とその冷キシレン可溶部分の重量
    分率との比が、 (tanδ面積/冷キシレン可溶部分の重量分率)≧0.7 (2) なる関係を満足することを特徴とするプロピレン−エチ
    レンブロック共重合体。
  2. 【請求項2】 (A)マグネシウム、チタン、ハロゲン
    および電子供与性化合物を必須成分とする固体成分を、
    (B)有機アルミニウム化合物および(C)アルキルア
    ルコキシシラン化合物(但し、分岐状のアルキル基もし
    くはアルコキシ基または脂環式基を有するシラン化合物
    である)の存在下、(D)オレフィンと接触させてなる
    α−オレフィン重合触媒成分を(a)プロピレンを重合
    する工程、および(b)プロピレンとエチレンを共重合
    する工程から製造される、請求項1記載のプロピレン−
    エチレンブロック共重合体。
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