JP3528667B2 - エスカレータの安全装置 - Google Patents

エスカレータの安全装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、エスカレータの安
全装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】エスカレータにおいて、無端状に連結さ
れ、かつループ状に走行するステップは、乗客を安全に
乗降させる為、上下の乗降口部分では隣接する前後のス
テップ上面の段差をなくし、乗降口部分を離れるのに従
い、徐々に段差が広がり、エスカレータの中間部分では
一定段差で走行することは既に周知の通りである。
【０００３】ここで、ステップ１０の段差が徐々に減少
する過程、即ち上昇運転中の図２のＡ部分、或いは下降
運転中の図２のＢ部分では、乗客がステップ１０のライ
ザ部１１に靴１２などを万一押し付けていると、靴１２
等とライザ１１の摩擦力によって、前後のステップ１０
の段差が縮まることができず、ライザ側のステップが浮
き上がり（図３の二点鎖線のように）、二次的に靴など
がライザ部分に挟まれる事故が発生する虞があった。
【０００４】このため、ステップの後輪１３の上方に対
向するように安全スイッチを設け、万一ステップが浮き
上がり後輪１３が通常の軌跡よりも上位に位置すると、
この安全スイッチが作動してエスカレータを停止させる
ものが提案されている。
【０００５】この安全装置を図４に示す。図４（ａ）は
図２のＡ部分における拡大詳細図、図４（ｂ）は図２の
Ｂ部分における拡大詳細図、図５は図４（ａ）のＰ−Ｐ
線矢視図である。
【０００６】図中、２０は後輪１３を案内するガイドレ
ール、２１は後輪１３の上方に所定の隙間を隔てて設け
られた後輪押さえレール、２２は後輪１３に対向する突
起２２ａ（後輪押さえレール２１に設けられた穴を貫通
している）を有し、後輪押さえレール２１に設けられた
作動片で、後輪押さえレール２１から離脱できる方向に
移動自在に取り付けられている。
【０００７】２３は、例えば常時はこの作動片２２との
間に隙間を設けた状態で取り付けられているマイクロス
イッチで、この作動片２２に押されない限りエスカレー
タの運転が可能な安全スイッチである。
【０００８】したがって、ステップ１０の後輪１３が作
動片２２の突起２２ａに触れて上方に押し上げない限
り、マイクロスイッチ２３が作動することはなく、エス
カレータは連続的に運転が可能である。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような安
全装置では、極めて軽微なステップの浮き上がりに対し
ても、マイクロスイッチ２３が作動（後輪１３が突起２
２ａにちょっと触れても作動片２２を押し上げてしま
い）してしまうため、頻繁に安全スイッチが働いてしま
いエスカレータがその都度停止してしまう問題があっ
た。
【００１０】本発明は、上記の点に鑑みなされたもの
で、誤動作の少ない安全装置を提供することを目的とす
る。
【００１１】
【課題を解決するための手段】本発明は、無端状に連結
されたステップが前輪と後輪をガイドレールに案内さ
れ、隣接するステップの段差が徐々に減少する過程では
隙間を隔てて後輪と対向するように押さえレールを上方
に配置し、該押さえレールには後輪の上方偏位を作動片
の押し上げ動作を通じて検出する安全スイッチが設けら
れたエスカレータにおいて、安全スイッチの該作動片の
手前には、通常時には後輪が該作動片を飛び越えられる
ように案内部材を配置するものである。
【００１２】
【発明の実施の形態】本発明は、安全スイッチの手前で
はステップの後輪を強制的に押し下げて、軽微なステッ
プ浮き上がりによる安全スイッチの動作を回避するもの
である。
【００１３】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を用
いて説明する。図１及び図６は、本発明の一実施例を示
す図であり、図２乃至図４と同一符号のものは同一のも
のを示す。図１は図４（ａ）、図６は図４（ｂ）に対応
する図面である。
【００１４】図中、３０は後輪押さえレール２１に設け
られたスペーサで、作動片２２の突起２２ａに対し、エ
スカレータの中間部寄りの位置に取り付けられている。
【００１５】即ち、後輪１３が突起２２ａに面する箇所
にさしかかる前に、スペーサ３０により後輪１３を強制
的に下方に押し下げるようにすると、通常の場合には後
輪１３が突起２２ａに触れず、マイクロスイッチ２３が
働くことがなく、誤動作しない。つまり、乗客がステッ
プ１０のライザ部１１に靴１２などを押し付けているよ
うな軽微なステップ１０の浮き上がりの場合には、この
スペーサ３０により後輪１３が押し下げられると、ライ
ザ部１１の押し上げ力が取り除かれてステップ１０の浮
き上がり現象が解消され、後輪１３は突起２２ａに触れ
ることなく通過し、マイクロスイッチ２３は作動するこ
とがない。
【００１６】一方、乗客の靴１２などがステップ１０の
ライザ部１１とその下方のステップ１０とに挟まれるよ
うな深刻なステップ１０の浮き上がりの場合には、この
スペーサ３０により後輪１３を強制的に下方に押し下げ
てもステップ１０を押し上げる力は取り除かれず、即
ち、ステップ１０の浮き上がりは解消されず、直ぐに後
輪１３が作動片２２の突起２２ａを押し上げることにな
るため、マイクロスイッチ２３が即作動しエスカレータ
を停止させて、乗客の安全が確保されることになる。
【００１７】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、安全
スイッチの動作ゾーン手前で、常にステップの後輪が強
制的に押し下げられるため、軽微なステップ浮き上がり
による安全スイッチの動作を回避できるため、不必要な
誤動作を極力抑えることができ信頼性を大幅に高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例を示す図である。
【図２】エスカレータのステップの走行状態を示す全体
図である。
【図３】図２のＡ部拡大図である。
【図４】図２のＡ部及びＢ部詳細図である。
【図５】図４（ａ）のＰ−Ｐ線矢視図である。
【図６】本発明の一実施例を示す図である。
【符号の説明】 １０ ステップ １３ ステップ１０の後輪 ２１ 後輪押さえレール ２３ マイクロスイッチ ３０ スペーサ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】無端状に連結されたステップが前輪と後輪
    をガイドレールに案内され、隣接するステップの段差が
    徐々に減少する過程では隙間を隔てて前記後輪と対向す
    るように押さえレールを上方に配置し、該押さえレール
    には前記後輪の上方偏位を作動片の押し上げ動作を通じ
    て検出する安全スイッチが設けられたエスカレータにお
    いて、前記安全スイッチの該作動片の手前には、通常時には前
    記後輪が該作動片を飛び越えられるように案内部材を配
    置すること を特徴とするエスカレータの安全装置。
  2. 【請求項２】前記安全スイッチは前記押さえレールの穴
    を貫通させた突起を有する作動片を移動自在に構成した
    ことを特徴とする請求項１に記載のエスカレータの安全
    装置。
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