JP3526193B2 - 定着部材および定着装置 - Google Patents

定着部材および定着装置

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JP3526193B2
JP3526193B2 JP32458997A JP32458997A JP3526193B2 JP 3526193 B2 JP3526193 B2 JP 3526193B2 JP 32458997 A JP32458997 A JP 32458997A JP 32458997 A JP32458997 A JP 32458997A JP 3526193 B2 JP3526193 B2 JP 3526193B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真装置、静電
記録装置等の画像形成装置に用いられる定着部材および
定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像形成装置は種々知られているが、そ
の中でも感光体にレーザー光で像露光を行い、それを現
像して画像を得る、電子写真方式の画像形成装置がよく
用いられている。このような画像形成装置は画像品質が
高く、高速である等の長所を持っており、例えば複写機
等の出力装置、カラーレーザービームプリンター等とし
て広く用いられる。
【0003】例えば、複写機の一例としては、図2に示
すような装置が挙げられる。図2に示したカラー複写機
は、その上部に備えられた原稿読み取り系Iと、該原稿
読み取り系Iの下方に設けられた潜像形成部IIと、該潜
像形成部IIに近接して配設されている現像手段、すなわ
ち回転式現像装置III と、装置本体1の右側から装置本
体の略中央部に亘って設けられている記録材搬送系IVと
に大別される。
【0004】図2において、Iは図に向って左右に往復
運動して原稿を走査する。Iの直下には、図示していな
いCCDカメラがあり、原稿の走査に伴って、CCDに
原稿像が結像される。その結果、CCDからは電気信号
が出力され、その信号は信号処理回路によって処理され
る。演算処理結果の各色の信号に基づいて、感光ドラム
19にレーザービームの照射が行われ、顕像化が行われ
る。
【0005】潜像形成部IIには、図2の矢印B方向に回
転自在な潜像担持体たる感光ドラム19が配設されてい
る。該感光ドラム19の上方でその外周面近傍には、該
感光ドラム19の回転方向上流側から下流側に向って除
電用帯電器20、クリーニング手段21及び一次帯電器
23が順次配設され、さらに上記感光ドラム19の外周
面上には静電潜像を形成するためのレーザービームスキ
ャナーのごとき像露光手段24、及びミラーのごとき像
露光反射手段25が配設されている。
【0006】従って、像露光手段24が上記Y3 、M
3 、C3 、Bk3 信号に基づいてレーザービームEの照
射を行うと、該レーザービームEは像露光反射手段25
を介して感光ドラム19上に照射され、一次帯電器23
によって一様に帯電された感光ドラム19上に静電潜像
が形成され、次の回転式現像装置III によって現像剤像
として可視化される。以下、回転式現像装置III につい
て説明する。
【0007】回転式現像装置III は、上記感光ドラム1
9の外周面と対向する位置に配設されており、回転自在
な筐体(以下「回転体」という)26中に、4種類の現
像装置を周方向の4位置に搭載して構成されている。こ
の4種類の現像装置は、それぞれイエロー現像装置27
Y、マゼンタ現像装置27M、シアン現像装置27C及
びブラック現像装置27Bkであり、上記Y3 、M3
3 、Bk3 の各信号に基づく静電潜像に対応して、各
色の現像剤により現像を行うようになっている。そし
て、現像された感光ドラム19上の可視像は次の記録材
搬送系IVにより搬送される記録材上に転写される。以
下、記録材搬送系IVについて説明する。
【0008】記録材搬送系IVは、以下のような構成とな
っている。まず、上記装置本体1の右壁には開口部が形
成されており、該開口部に着脱自在な記録材供給用トレ
イ2,3が一部機外に突出して配設されている。該トレ
イ2,3の略直上部には給紙用ローラ4,5が配設さ
れ、これら給紙用ローラ4,5と左方に配された矢印A
方向に回転自在な転写手段たる転写ドラム15とを連絡
するように、給紙ローラ6及び給紙ガイド7,8が設け
られている。上記転写ドラム15の外周面近傍には回転
方向上流側から下流側に向って当接用ローラ9、グリッ
パ10、記録材分離用帯電器11、分離爪12が順次配
設されている。また、上記転写ドラム15の内周側には
転写帯電器13、記録材分離用帯電器14が配設されて
いる。
【0009】転写ドラム15は記録材が巻き付く部分に
ポリ弗化ビニリデン等より成る転写シート(図示せず)
が貼り付けられており、記録材は該転写シート上に静電
的に密着貼り付けされるようになっている。また、上記
転写ドラム15の右側上部には上記分離爪12と近接し
て搬送ベルト手段16が、そして該搬送ベルト手段16
の記録材搬送方向終(右)端には定着装置18が配設さ
れている。そして、該定着装置18よりもさらに搬送方
向後方側には装置本体1外へと延在し、装置本体1に対
して着脱自在な排出用トレイ17が配設されている。
【0010】上述したごとき構成の画像形成装置全体の
シーケンスについて、フルカラーモードの場合を例とし
て簡単に説明する。上述した感光ドラム19が図2の矢
印B方向に回転すると、該感光ドラム19上の感光体は
一次帯電器23によって均等に帯電される。なお、図2
に示す装置においては、各部動作速度(以下、プロセス
スピードとする)は160mm/secである。一次帯
電器23による感光体に対する均等な帯電が行われる
と、原稿101のイエロー画像信号Y3 にて変調された
レーザービームEにより画像露光が行われ、感光ドラム
19上に静電潜像が形成され、回転体26の回転により
予め現像位置に定置されたイエロー現像装置27Yによ
って上記静電潜像の現像が行われる。
【0011】一方、給紙ガイド7、給紙ローラ6、給紙
ガイド8を経由して搬送されてきた記録材は、所定のタ
イミングにてグリッパ10により保持され、当接用ロー
ラ9と該当接用ローラ9と対向している電極とによって
静電的に転写ドラム15に巻き付けられる。転写ドラム
15は、感光ドラム19と同期して図8の矢印A方向に
回転しており、イエロー現像装置27Yで現像された顕
画像は、上記感光ドラム19の外周面と上記転写ドラム
15の外周面とが当接している部位にて転写帯電器13
によって転写される。転写ドラム15はそのまま、回転
を継続し、次の色(図8においてはマゼンタ)の転写に
備える。
【0012】また、感光ドラム19は上記除電用帯電器
20により除電され、従来公知のブレード法によるクリ
ーニング手段21によってクリーニングされた後、再び
一次帯電器23によって帯電され、次のマゼンタ画像信
号により上記のような像露光を受ける。上記回転式現像
装置III は、感光ドラム19上に上記像露光によってマ
ゼンタ画像信号による静電潜像が形成される間に回転し
て、マゼンタ現像装置27Mを上述した所定の現像位置
に定置せしめ所定のマゼンタ現像を行う。引き続いて、
上述したごときプロセスをそれぞれシアン色及びブラッ
ク色に対しても実施し、4色分の転写が終了すると、記
録材上に形成された4色顕画像は各帯電器20,14に
より除電され、上記グリッパ10による記録材の把持が
解除されると共に、該記録材は、分離爪12によって転
写ドラム15より分離され、搬送ベルト16で定着装置
18に送られ、熱と応力により定着され一連のフルカラ
ープリントシーケンスが終了し、所要のフルカラープリ
ント画像が形成されることとなる。
【0013】定着装置18として、図3に示すように、
発熱手段であるハロゲンヒータ36を有する定着部材た
る定着ローラ29と、同じくヒータ37を有する定着部
材たる加圧ローラ30とを、加圧機構(図示せず)によ
って総圧約40kgで加圧したものを用い、加圧ローラ
30に当接させたサーミスタ38により加圧ローラ30
の温度を検知し、この検知温度に基づき制御装置39に
よりハロゲンヒータ36,37を制御して、定着ローラ
29の温度及び加圧ローラ30の温度を共に約150℃
の一定に保つように制御することにより、記録材P上に
転写されたシャープメルトトナーの現像剤tは良好に加
熱され記録材P上に定着される。
【0014】シャープメルト性のカラートナーは、親和
力が大きく、定着ローラにオフセットし易いという性質
も有しているため、上記定着装置においては、長期間に
亘って高い離型性を示すことが必要となる。
【0015】そこで、図3に示す装置では、離型剤塗布
手段たるオイル塗布装置O、クリーニング装置C、加圧
ローラ30のオイル、汚れを除去するクリーニングブレ
ードC1を備え、より一層の離型性の向上を図ってい
る。
【0016】オイル塗布装置Oはオイルパン40内のジ
メチルシリコーンオイル41(信越化学製KF96 3
00cs)をオイル汲み上げローラ42及びオイル塗布
ローラ43を経由させオイル塗布量調整ブレード44で
オイル塗布量を規制して定着ローラ29上に塗布させる
ものである。
【0017】一方、図3に示す定着装置においてクリー
ニング装置Cはノーメックス(商品名)より成る不織布
ウェブ46を押圧ローラ45にて定着ローラ29に押し
当ててクリーニングしている。また、該ウェブ46は巻
き取り装置(図示せず)により適宜巻き取られ、当接部
にトナー等が堆積しないようにされている。
【0018】上記定着装置18では、図3に示す通り、
定着ローラ29として、アルミニウム製の芯金31上に
HTV(高温加硫型)シリコーンゴム層32、及びこの
外側に耐熱弾性層としてRTV(室温加硫型)シリコー
ンゴム層33を有し、両シリコーンゴム層全体の厚さ3
mm、直径40mmに形成されたローラを用い、一方、
加圧ローラ30として、アルミニウムの芯金34の上に
1mm厚のHTV層35a、及びその表面にフッ素樹脂
層35bを設け、直径が40mmに形成されたローラを
用いており、このような構成の定着ローラ29及び加圧
ローラ30とを組み合わせることにより、シャープメル
トトナーに対する離型性をより一層高めている。
【0019】しかしながら、近年カラー複写機の普及と
共に、カラーにも白黒複写機並の速さと、便利さ、即
ち、自動両面コピー、或はハガキからラージサイズまで
の紙の使用、薄紙から厚紙、さらにはOHPフィルムや
パックプリントフィルム等様々のニーズに応えることが
必要となってきた。
【0020】そこで、そのようなニーズに応えるべく、
前述の定着装置18の改良が提案され、例えば、両面画
像を定着させるために、定着ローラ29だけでなく、加
圧ローラ30の表層にも、トナー離型効果の高いRTV
またはLTVシリコーンゴムを用いるようになった。ま
た、同時にカラー定着の高速性を満足するため、ニップ
も大きくすることが必要になり、ローラの大径化(例え
ば60mmや80mmの径)が図られ、さらに、厚紙等
を使用するため、定着性の向上も図らねばならず、定着
温度の上昇も余儀なくされた。
【0021】しかし、本来、離型性を保つために使用さ
れる表層のシリコーンゴム、及びシャープメルトトナー
を包み込むようなニップを形成するための下層のシリコ
ーンゴムは、双方とも、使用されるシリコーンオイルと
非常になじみの良いものであるため、耐久に応じてゴム
中にシリコーンオイルが大量に入り込み、特に最下層の
シリコーンゴムがシリコーンオイルを大量に含んで、加
熱時に芯金界面との間に剥れが生じることがあった。
【0022】そこで、高速で大量のコピーをとることが
要求される複写機においては、この剥れを防止するた
め、定着ローラ及び加圧ローラの双方とも、下層シリコ
ーンゴムと表層シリコーンゴムの間に、シリコーンオイ
ルを吸収、通過させることのない耐油層のフッ素ゴムを
用いることが多くなった。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例によれば、定着ローラ及び加圧ローラの双方を、表
層と最下層がシリコーンゴムで、中間が耐油層のフッ素
ゴムとした3層構造のローラにしたことによって、現在
要求されている高速カラー定着に以下のような現象を生
じることになった。
【0024】多層構造の定着ローラ及び加圧ローラの組
み合わせにおいて、定着ローラを変形し易くするため
に、定着ローラの下層のシリコーンゴム層を肉厚にする
と、連続通紙定着の際、熱の供給が遅れて、定着性が悪
化する場合があった。
【0025】例えば、定着ローラの表層のシリコーンゴ
ム層を0.2mmのままで、下層のシリコーンゴム層を
1.3mmから2.3mmに増加させた場合には、例え
ば、ローラを150℃に温調しておき、通紙すると、図
4のように、肉厚が1.3mmの場合は、ヒータからの
熱が比較的効率良く伝わるため、温度が復帰するのが早
く、ローラの温度最下点も定着最下点温度(コールドオ
フセット下限温度)より上回り、良好な定着性を示して
いたが、2.3mmのローラになると、ヒータの熱が表
面に伝わりにくく、図4の斜線部のように定着性が悪化
する場合があった。
【0026】また、表層に使用されているRTVシリコ
ーンゴムは、カラーによく使われるシャープメルトなト
ナーに対して高離型性を持つことが必要となっている。
一般に高離型性を持つシリコーンゴムは熱伝導率が低
く、λ=0.3〜0.4であって、ローラ表面で断熱材
的効果をもち、記録材への熱供給を妨げる。その結果、
連続通紙時に記録材が奪う熱量を内側から補給できず、
ローラ表面温度が低下してしまい、定着性に問題が生じ
ることもある。
【0027】従来は、熱伝達性を向上させるため、芯金
に使われるアルミ、鉄などの材料表面を適度に粗すこと
が行われてきた。しかしながら、単層ゴムローラには有
効であるが、複数の層を持つローラで、特に熱伝導率の
低い弾性層を厚くする場合には、あまり有効ではない
(図6)。
【0028】そこで、本発明は、表層材に熱伝導率の低
い材料が選ばれた場合でも、連続通紙定着において、優
れた定着性を有する定着部材および定着装置を提供する
ことを目的としている。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明による定着部材
は、芯材上に複数の弾性層を持つ定着部材において、少
なくとも一つの弾性層L1は表面粗さ(Rz)が10μ
m以上の弾性層L2上に積層されていることを特徴とす
るものである。
【0030】本発明における定着部材は、弾性層L1
表面粗さ(Rz:JIS.B0601−1994)10
μm以上の弾性層L2上に積層させることによって、弾
性層L2からの熱を効率よく弾性層L1に供給することが
でき、連続通紙定着においても、高い定着性能を維持で
きるものである。
【0031】本発明による定着部材は、芯材方向から入
ってくる熱を弾性層L1に速く伝達されるように、弾性
層L1と芯材との間に熱伝導率が弾性層L1よりも高く、
かつ、0.6×10-3〔cal/cm・sec・de
g〕以上の弾性層を有することが好ましい。このとき、
熱伝導率が0.6×10-3〔cal/cm・sec・d
eg〕以上の弾性層が弾性層L2と芯材との間に設けら
れていてもよいが、0.6×10-3以上の弾性層が弾性
層L2である場合が特に好ましい。
【0032】また、定着部材をトナー画像が形成されて
いる紙に加圧させる際、定着効率を高めるように、定着
部材の弾性層の硬度を低くしてニップ幅を大きくするこ
とが好ましい。このために、弾性層L1と芯材との間に
硬度が30度以下の弾性層を設けることが好ましい。3
0度以下の弾性層は、弾性層L2と芯材との間に設けて
もよいが、30度以下の弾性層が弾性層L2であっても
よい。
【0033】また、上記ニップ幅を大きくするために、
弾性層L1と芯材との間に弾性層L1より厚い弾性層を設
けることが好ましい。このとき、弾性層L1よりも厚い
弾性層が弾性層L2である場合が特に好ましい。弾性層
2の厚さとしては、1mm以上が好ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。
【0035】図1は本発明の定着部材の一例を示す断面
図である。
【0036】本発明は芯材上に複数の弾性層を有する定
着部材であって、本発明に用いられる芯材としてはアル
ミニウム、鉄、ステンレス等が挙げられ、厚みは数mm
の範囲が好ましい。
【0037】弾性層の表層としては、LTVシリコーン
ゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂等が挙げられ、厚み数1
0〜数100μmの範囲が好ましい。
【0038】弾性層の下層としてはHTVシリコーンゴ
ム、フェニルシリコーンゴム等が挙げられ、少くとも1
層は表面粗さRzが10μm以上であることが肝要であ
る。
【0039】表面粗さRzが10μm未満では表層への
熱伝幡が不充分であり、トナー定着が円滑に行われず好
ましくない。また下層の弾性層の熱伝導率は0.6×1
-3〔cal/cm・sec・deg〕以上であることが好ましい。熱
伝導率が0.6×10-3〔cal/cm・sec・deg〕以上のとき
表面粗さRzを10μm以上とすることによる定着特性
の向上が一層顕著である。
【0040】下層の弾性層の硬度は十分なニップ巾を確
保する点から30度以下、また、強度の点から1度以上
であることが好適である。
【0041】ここに硬度とはアスカーCの規格に基くも
のである。
【0042】なお、弾性層は3層以上であってもよい。
例えば、図1の下層がフッ素ゴム層とシリコーンゴム層
が形成されていてもよい。
【0043】定着部材は通常はローラからなるものが好
ましく用いられる。
【0044】(実施例1)本実施例は、下層ゴムの表面
粗さを変えた場合の、ローラ熱伝導に関するものであ
る。
【0045】ローラ構成は、図1に示すものであり、 芯金 厚さ:5mm, 材料:アルミ 下層 厚さ:2.3mm, 材料:HTVシリコーンゴム 表層 厚さ:0.2mm, 材料:LTVシリコーンゴム からなる。
【0046】ローラの製造例について説明する。下層シ
リコーンゴム層の成型は、圧縮成形金型を用いて行われ
る。その圧縮成形金型は上型と下型の2つ割に構成さ
れ、シリコーンゴム形成用キャビティーが作られる(図
6)。また、芯金を支えるための軸受けが配置される。
【0047】芯金ローラ外周面に接着剤を塗布した後、
その芯金ローラの外周面にシート状の下層素材を巻着
し、次いで、加硫成形を行った。このときの加硫成形条
件は、200℃、4時間である。
【0048】シリコーンゴム層に、円筒研削盤により研
削加工を施して仕上げを行った。仕上げを行った下層ゴ
ム表面に接着剤を塗布し、その上に表層ゴムをスプレー
塗布した。その後、150℃で1時間の条件で加硫を行
った。
【0049】ある層から次の層への熱の移動は、それら
の接触面積に依存する。その接触面積が大きければ、よ
り多くの熱伝幡が起こる。
【0050】下層ゴムの表面粗さのコントロールは、一
例として研削部の表面粗さを変えることによって行っ
た。
【0051】表面粗さの違いによる、熱伝導の差を評価
するため、図3に示される装置で、連続白紙通紙(A4
紙を5秒に1枚の速度)時におけるローラ表面温度の差
を調べた(図7、8参照)。
【0052】図から解るように、下層ゴムの表面粗さを
大きくしていくと、ローラの温度降下が小さくなる。本
実施例の場合、表面粗さが10μmを越えると、ローラ
表面温度は定着可能域に入っていく。
【0053】下層ゴムの表面粗さは、研削盤などで削っ
たり、圧縮成形金型の内面を粗すことによって、コント
ロールした。
【0054】以上により、図3で説明した定着装置で、
120℃の定着温度を持つトナーでも十分に定着性の得
られるローラを提供することができた。
【0055】なお、下層ゴム層の表面粗さの測定条件は
基準長さ0.8mm、評価長さ4mmである。
【0056】(実施例2)本実施例では、下層ゴムの熱
伝導率と下層ゴムの表面粗さを変化させた。
【0057】ローラの構成は、実施例1と同じとする。
図9に、下層ゴムの熱伝導率λをかえて、連続通紙を行
ったときの、ローラ温度最下点を示す。
【0058】下層ゴムの表面粗さを大きくしていくと、
ローラ表面最下点温度が高くなっていくのがわかる。ま
た、λの値を高くするほど、ローラ温度は高くなる。
【0059】使用するトナーの定着温度に従って、適切
な熱伝導率と表面粗さを選択すれば、十分な定着性を得
ることが可能となる。
【0060】また、上記のローラでは下層厚みを2.3
mmであったが、厚みを変えた場合、120℃の定着温
度を持つトナーを定着するための下層の熱伝導率λ下限
値を表に示す。なお、表面粗さはいずれも10μmであ
る。
【0061】
【表1】
【0062】紙に十分な熱量を供給するには、数ミリの
ニップが必要となり、下層のゴム厚は2mm以上が必要
となるため、熱伝導率λを0.6以上にしかつ表面粗さ
を10μm以上にすることが好ましい。
【0063】(実施例3)本実施例では、下層ゴム硬度
と下層ゴム表面粗さを変化させた。
【0064】ローラ構成は実施例1と同じとする。表2
に下層ゴム硬度、表面粗さと120℃の定着温度を持つ
トナーの定着性の関係を示す。表2からわかる様に、下
層ゴム材が硬くなってくると、表面粗さを大きくしても
定着不良が発生してくる。
【0065】
【表2】 これは、ローラ荷重を一定にしたので、ニップ幅が小さ
くなり、十分な熱量を供給できないことによって起こ
る。荷重を大きくしないのは、紙しわなどの弊害が発生
するためである。
【0066】またローラ荷重を40kgfから70kg
fにすると、ニップ幅が増え高硬度のローラ(40°以
上)でも〔表3〕に示されるように十分な定着性を得る
ことができた。しかし、紙種あるいは画像によっては、
紙しわが発生した。
【0067】
【表3】
【0068】上記表から、わかる様にゴム硬度を上げて
も下層ゴム表面粗さによって定着性がかわってくること
がわかる。
【0069】実施例1〜3では、2層構造のローラにつ
いて述べたが、3層以上のローラでもあてはまる。この
場合は、下層のみならず中層表面をも粗すとより熱伝幡
が良くなる。
【0070】実施例中のゴム材はシリコーンゴムを例に
あげて述べたが、フッ素ゴム、樹脂などの耐熱性のある
材料についても同様なことがいえる。
【0071】実施例中の定着部材はローラであったが、
多層構造のベルトなどについても同様なことがいえる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、トナー画像を加熱
加圧定着するに用いる定着部材として、芯材上に複数の
弾性層を持ち、その内の少なくとも一つの弾性層L1
表面粗さ(Rz)が10μm以上の弾性層L2上に積層
されていることを特徴とする定着部材を用いることによ
って、より多くの熱量が伝播され、連続通紙時の定着ロ
ーラの温度降下が少なくできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着部材の一例を示す断面図である。
【図2】従来の画像形成装置の縦断面図である。
【図3】従来の定着装置の断面図である。
【図4】従来の定着装置における定着ローラの温度と通
紙枚数の関係を示すグラフである。
【図5】従来のローラの断面図である。
【図6】ローラの下層ゴムを型どる金型の断面図であ
る。
【図7】実施例1の定着装置における定着ローラの温度
と通紙枚数の関係を示すグラフである。
【図8】下層ゴムの表面粗さと定着ローラの温度の関係
を示すグラフである。
【図9】実施例2の定着装置における定着ローラの温度
と下層ゴムの表面粗さの関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸野 一夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−72183(JP,A) 特開 昭61−184575(JP,A) 実開 昭55−73955(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/20 103

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材上に複数の弾性層を持つ定着部材に
    おいて、少なくとも一つの弾性層L1は表面粗さ(R
    z)が10μm以上の弾性層L2上に積層されており、
    弾性層L2は、弾性層L1の熱伝導率よりも高く、且
    つ、0.6×10−3〔cal/cm・sec・de
    g〕以上の熱伝導率、30度以下の硬度(アスカー
    C)、および弾性層L1よりも大きい厚さを有し、弾性
    層L1および弾性層L2がシリコーンゴムであることを
    特徴とする定着部材。
  2. 【請求項2】 弾性層L1と弾性層L2との間に中層を
    有する請求項1記載の定着部材。
  3. 【請求項3】 芯材がロールである請求項1記載の定着
    部材。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の定着部材および発熱手段
    を備えていることを特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】 発熱手段がロール状芯材の内部に収容さ
    れている請求項4記載の定着装置。
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