JP3526089B2 - 有機溶媒系塗布液の脱気方法及び塗布方法 - Google Patents

有機溶媒系塗布液の脱気方法及び塗布方法

Info

Publication number
JP3526089B2
JP3526089B2 JP29167094A JP29167094A JP3526089B2 JP 3526089 B2 JP3526089 B2 JP 3526089B2 JP 29167094 A JP29167094 A JP 29167094A JP 29167094 A JP29167094 A JP 29167094A JP 3526089 B2 JP3526089 B2 JP 3526089B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
degassing
coating
coating liquid
organic solvent
helium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP29167094A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08141313A (ja
Inventor
善範 鈴木
伸夫 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP29167094A priority Critical patent/JP3526089B2/ja
Publication of JPH08141313A publication Critical patent/JPH08141313A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3526089B2 publication Critical patent/JP3526089B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶媒系の塗布液の
脱気方法及び塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、写真フィルム等の多層で且つ薄膜
層を有する感光材料の塗布は、高度な塗布技術を必要と
し、各種検討されてきた。特に最近、一般の写真感光材
料においても品質的に非常に高度になり、更に銀の節
約、感光材料の薄層化、生産性向上等の要求が高まって
きたため、塗布技術の重要性が更に増加してきた。この
目的に叶う技術の一つとして、連続する基体(ウエブ)
に塗布液を、スライドコータ、エクストルージョンコー
タ等のコータを通して塗布する技術がある。しかしなが
ら、これらの技術では塗布する時に、種々の原因によ
り、コータのビード部で気泡が発生・滞留したり、塗布
液の表面に気泡が付着してしまい、これにより、塗布液
膜のスジ状故障、膜の不均一化等を起こし、塗布液膜の
面質を著しく低下させてしまう。特に写真感光材料の場
合、この気泡によるトラブルは、材料の特性上致命的欠
陥となる。このような気泡は、塗布液中の溶存気体に起
因すると考えられ、塗布液中の溶存気体を除去する脱気
方法が種々提案されている。従来の脱気方法としては、
超音波脱気方法、加熱脱気方法、減圧脱気方法がある。
例えば、特開平4−143747号公報には、塗布液を
高温で超音波処理し、その後塗布液を冷却する脱泡・脱
気方法により、塗布液中の微小な気泡まで除去すること
が開示されている。また、特公昭62−43722号公
報には、塗布液に飽和水蒸気を連続混合させて加熱する
とともに前記水蒸気の混入に伴い生じるキャビテーショ
ンにより気相成分の発泡を促した後、大気圧下の脱気槽
において自然に脱気する方法により、低コストで連続し
て脱気することが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術は全て水系塗布液に関するものであり、有機溶媒系の
塗布液には適用できなかった。即ち、特開平4−143
747号公報に記載の技術では、有機溶媒系塗布液の場
合、一般に水系塗布液に比較して、気体の飽和溶解度が
高く、気体の溶解速度も速く、且つ冷却することで気体
溶解度が下がる傾向にあることから、高温下での超音波
脱気処理後に、塗布液を送液して冷却すると、逆に気泡
が発生するという結果になる。また、特公昭62−43
722号公報に記載の技術を、有機溶媒系に適用した場
合、連続混合のため使用する有機溶剤の飽和蒸気が必要
になり、その作製のためには非常にプロセスが複雑にな
る。更に、混合溶媒系では液組成に平衡な蒸気組成に調
節しないと液組成そのものが変化してしまうため、非常
に複雑な組成調整装置が必要になってしまう。更に、上
記2つの技術は、共に加熱による脱気効果に基づく方式
であるために、揮発性が高い有機溶媒系塗布液には適用
できない。又、液を減圧脱気する方法が知られている
が、大きな脱気度を得るためには大きな減圧度を必要と
し、特に低沸点の溶媒では溶媒の蒸発により液組成が変
化してしまうなどの問題点を有する。従って、実際上、
脱気度の大きな塗布液を得ることは困難であった。
【0004】即ち、有機溶媒は水溶液に比較して、一般
に気体の飽和溶解度が高く、又気体の溶解速度も速い。
更に、有機溶媒の多くは温度の上昇に対して溶解度が増
加する傾向を有する。従って、スライドコータ、あるい
はエクストルージョンコータ等において、ビードで発生
または滞留し、場合によっては塗布液膜上に付着する気
泡に起因するスジ状故障あるいは膜の不均一化は、生産
性を阻害する重大な問題であった。
【0005】本発明の目的は、上記従来の課題を解決
し、大きな脱気圧力を必要とせず、更に揮発性の高い低
沸点溶剤においても液組成の変化もなく、更にスライド
コータあるいはエクストルージョンコータ等において気
泡を発生させることない有機溶媒を主溶媒とする塗布液
の脱気方法と、高速且つ薄層で、安定に塗布できる塗布
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、 (1) 有機溶媒を主溶媒とする塗布液を減圧脱気する
方法において、該塗布液中に溶存する空気をヘリウムと
置換した後、減圧により脱気することを特徴とする有機
溶媒系塗布液の脱気方法。 (2) 前記減圧により脱気する際の雰囲気中のヘリウ
ム濃度が80%以上であることを特徴とする前記(1)
に記載の有機溶媒系塗布液の脱気方法。 (3) 前記減圧による脱気の圧力が720mmHg以
下であり、かつ溶媒の飽和蒸気圧以上であることを特徴
とする上記(1)又は(2)に記載の有機溶媒系塗布液
の脱気方法。 (4) 上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の脱
気方法により得られる塗布液を基体に塗布することを特
徴とする有機溶媒系塗布液の塗布方法。 によって達成される。
【0007】
【作用】有機溶媒を主溶媒とする塗布液中に溶存する空
気をヘリウムに置換することにより、該溶存空気による
気泡が殆ど発生しなくなる。更に、ヘリウムに置換する
ことで、高度な脱気度を得るのに、大きな減圧度を必要
ではなくなり、揮発性の高い低沸点溶剤においても、蒸
発が殆ど起こらなくなり、液組成の変化も防止できる。
これは、ヘリウムは空気に比べ有機溶剤への溶解量が約
1/10と非常に小さいので、その置換後に通常の減圧
脱気処理していれば、塗布ビードでヘリウムガスの気泡
が発生・滞留することはない。また、ヘリウムは不活性
であり、写真性や人体への影響がない。なお、種々の気
体のアセトンへの溶解度(溶媒1ccに溶解する気体の
体積)を表1に示した。表1に示すように、ヘリウムと
同様な効果を有する気体に、水素、ネオン等があるが、
水素は爆発性を有するため非常に危険であり、またネオ
ンはヘリウムに比べ非常に高価であるため、いずれも現
実的ではない。
【0008】
【表1】
【0009】本発明において、有機溶媒を主溶媒とする
塗布液中に溶存する空気をヘリウムと置換するとは、塗
布液の入った塗布液貯蔵タンク又は減圧タンク等の容器
内にヘリウムガスを導入して、容器内空気をヘリウムガ
スで押出し、雰囲気中の空気の分圧を下げて、溶存する
空気を雰囲気中に押し出し、その代わり分圧の高くなっ
たヘリウムを溶存させることをいう。そうした後、容器
内を通常の減圧脱気する。本発明において、溶存空気を
ヘリウムと置換した後、減圧により脱気する際の雰囲気
中のヘリウム濃度が80%以上であることが好ましく、
より好ましくは、90%以上である。これにより、空気
の分圧は著しく低くなるので、空気の置換される度合い
がより著しくなり、平衡している塗布液中に溶存する空
気の溶解量も少くなり、減圧脱気しやすくなる。さら
に、気泡の発生の防止もより改善される。本発明におい
て減圧脱気の圧力としては、720mmHg以下であり
かつ溶媒の飽和蒸気圧以上、より好ましくは600mm
Hg以下であり溶媒の飽和蒸気以上である。これによ
り、減圧による溶媒の蒸発を防止でき、溶媒組成の変化
を一層防止できる。
【0010】有機溶媒を主溶媒とする塗布液中に溶存す
る空気をヘリウムに置換し、更に減圧脱気した該塗布液
を、基体に塗布することで、スライドコータ、エクスト
ルージョンコータ等における塗布ビード部で発生する気
泡が発生せず、高速且つ薄層で、安定に塗布でき、均一
な膜が得られる。
【0011】本発明において、塗布することができる有
機溶媒を主溶媒とする塗布液としては、前述の有機溶媒
の性質を有する液であればいずれの塗布液でも用いるこ
とができる。具体的には、公知の有機溶剤単独、あるい
は有機溶剤を主成分とする混合液、例えば、写真感光材
料における下塗層、中間層、保護層等の他、写真製版材
料、感圧紙、感熱紙等の情報記録紙、磁気記録材料等を
構成する各層に用いられる塗布液が挙げられる。
【0012】
【実施態様】次に本発明の脱気方法、及び塗布方法の一
実施態様を図を例示して詳しく説明する。しかしなが
ら、本発明がこの態様に限られるものではない。図1
に、スライドコータを用いて、有機溶媒系の塗布液を単
層塗布する場合の装置の模式図を示した。図1に示す塗
布装置1は、矢印aの方向に回転することにより塗布す
べきウエブ(基体)2をその外周面に沿って矢印bの方
向に反転、移送するバックアップローラ3、スライドコ
ータ4及び脱気タンク11を具備している。スライドコ
ーター4は、バックアップローラ3に近いブロック5と
その後方にブロック6を組み合わせた内部に、該ウエブ
2の幅方向に設けた垂直状のスロット7と、該スロット
7の下方端に連通するポケット8を有する。
【0013】先ず、塗布液10は、脱気タンク11に導
入する。タンク11内に存在する空気をヘリウム給気弁
21を開けて、ヘリウムを導管20からタンク11内に
導入し、排気弁23を開にすることによってヘリウムに
より押し出された空気を排気配管22から排出して、タ
ンク11内の雰囲気の空気をヘリウムに置換する。次
に、ヘリウム給気弁21と排気弁23を閉にし、排気弁
25を開にして脱気手段24によって、減圧を行い、一
定の脱気処理がされる。ここで、脱気条件としては、上
記の脱気後の気体溶解量が、脱気温度の飽和溶解量の9
0%以下になる条件であれば脱気手段は適宜選択するこ
とができる。これにより、ヘリウムガスの分圧が上昇し
たタンク上部の空間との平衡状態により液中の空気はヘ
リウム中に押し出され、代わりにヘリウムガスが塗布液
中に溶存することになる。ここで用いる脱気手段は、減
圧方式、又は超音波方式を採用することができるが、超
音波方式は、存在する気泡を強制的に液中に溶解させる
作用も併せ持つため能力的に限界があり、又装置の腐食
を促進する欠点もある。これに対して減圧方式は、脱気
能力が充分あり、また有機溶媒を扱う装置に必要な防爆
上の考慮でも問題が殆どないため、本発明に好ましく用
いられる。なお、超音波方式を減圧方式の補助手段とし
て併用することは可能である。また、脱気圧力は、72
0mmHg以下、塗布液の温度における塗布液の飽和蒸
気圧以上であることが好ましい。脱気タンク11は、塗
布液の表面積を大きくするものが好ましい。例えば、直
径1m以上、高さ1mで塗布液タンク内液面高さ0.5
mが好ましい。脱気圧力、タンク11内での脱気時間、
温度等の脱気条件は、塗布液の種類、液の表面積(脱気
方法)等により適宜決定される。脱気タンクを2台用意
して、交互に脱気−送液を行っても良く、これにより効
率よく脱気、塗布工程が行える。また、脱気操作は必要
に応じて何回か繰り返してもよく、これにより効率よく
脱気できる。
【0014】次に、脱気後の塗布液11は、そのまま前
記スライドコーター4に導管9を介して送液されるが、
塗布液11の温度を調節するために、熱交換器12を導
管9に設けてもよい。温度調節された塗布液11は、ポ
ンプ等によりスライドコーター4に導管9を介して送液
される。ここで、流量計13と流量調節弁14により流
量を調節することができる。流量調節され、一定の圧力
で送液された塗布液10は、前記ポケット8を通り、ス
ロット7の上方端から流出し、傾斜面15を下方に流れ
てブロック5のリップ部16に達する。リップ部16付
近の拡大図を図2に示した。
【0015】リップ部16に達した塗布液10は、バッ
クアップロール3に沿って移送されてきたウエブ2上に
接触し、リップ部16とウエブ2の間にビード17を形
成し、このビード17を介して塗布液10はウエブ2上
に塗布される。このビード17での塗布液温度(塗布す
る際の塗布液温度)は、前記脱器タンク11内の塗布液
温度(脱気する際の塗布液温度)より高くすることが好
ましい。これにより、より一層気泡の発生を防止でき
る。脱気タンク11内で一定に保持された塗布液温度
は、ビード17に行き着くまでに温度が下がる傾向にな
る。従って、この温度低下を考慮して、前記熱交換器1
2により脱気後の塗布液を加温したり、水等の保温用熱
媒体の流路19に所定の温度の熱媒体を導入することに
より、スライドコータ4内に送液された塗布液を保温・
加熱することができる。また、図1に示されているとお
り、減圧室18によりビード17を下方に引っ張ること
によりビード17の安定を計ることが一般的に知られて
おり、本発明においても用いることができる。
【0016】また、上記スライドコータに限らず、別の
方式例えば、エクストルージョンコータの場合も同様
に、塗布液中の溶存空気を上記のようにヘリウムに置換
し、脱気処理後塗布することにより、気泡の発生を防止
でき、高速且つ薄層で、安定に塗布できる。ここでは、
単層塗布する場合を説明したが、本発明は、有機溶媒系
の塗布液を重層塗布する場合にも適用できうる。本発明
において、単位面積当たりの塗布量は、湿量基準で5c
3 /m2 〜200cm3 /m2 の範囲である。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明がこれらに限定されるものではない。 実施例−1 塗布液として、アセトン/メタノール=85:15(体
積比)の100重量部を溶媒とし、固形分がジアセチル
セルロースを1重量%としたものを調整し、図1に示し
たスライドコーターを用いて、脱気、塗布工程を行っ
た。脱気タンク11には、直径1.5m,高さ1mのも
のを用い、脱気タンク内塗布液面高さを0.7mになる
ように上記塗布液をタンク11に導入した。ここで、タ
ンク液温度を20℃とした。先ず脱気タンク11内にヘ
リウムの導管20とヘリウム給気弁21を通して100
リットル/分で10分間ヘリウムを通気して、減圧開始
時雰囲気ガス中のヘリウム濃度を85%とした。この後
ヘリウムの給気弁21と空気の排気弁23を閉め、排気
弁25を開け、脱気手段24である排気ブロアーを運転
して、脱気圧力700mmHgで脱気処理し、同時に脱
気タンク11内の攪拌機(図示せず)を運転した。そし
て10分間減圧脱気をした後、排気弁25を閉じ、次に
排気弁23を開けてタンク内の圧力を大気圧に戻す。続
いて脱気タンク11内の液をコータに送液して塗布を行
った。ここで、脱気処理後の酸素飽和度を測定したとこ
ろ、51%であった。脱気処理後の塗布液は、熱交換器
12を介して温度を20℃に調節してスライドコーター
4へ送液した。この時スライド面を流下した塗布液は蒸
発によりビード部17では17℃に温度が低下した。該
塗布液は、厚さ120μmのセルローストリアセテート
フィルム上に、50m/分の速度で塗布した。単位面積
当たりの塗布量は湿量基準で25cm3 /m2 であっ
た。但し、本実施例における酸素飽和度は、塗布液中の
気体溶解量評価に代表値として用いた。測定機にはオー
ビスフェアー社の溶存酸素濃度計を用いた。ここでいう
酸素飽和度は、空気1気圧下における空気飽和液の酸素
濃度に対する測定液の酸素濃度の値である。(飽和度1
00%は空気1気圧下における空気飽和液の酸素量)
【0018】実施例−2 実施例−1において減圧脱気圧力を600mmHgで行
う以外は上記実施例−1と同様に脱気、塗布工程を行っ
た。この時の酸素飽和度は32%であった。 実施例−3 脱気タンク内雰囲気をヘリウムガスと置換し、減圧脱気
圧力200mmHgに減圧脱気した以外は、上記実施例
−1と同様の条件で塗布工程を行った。ここで、脱気処
理後の酸素飽和度は8%であった。
【0019】比較例−1 脱気タンク内雰囲気をヘリウムガスと置換せずに空気の
ままで、減圧脱気圧力700mmHgで10分間行った
以外は、上記実施例−1と同様の条件で脱気、塗布工程
を行った。ここで、脱気処理後の酸素飽和度は96%で
あった。 比較例−2 脱気タンク内雰囲気をヘリウムガスと置換せずに空気の
ままで、減圧脱気圧力600mmHgで10分間行った
以外は、上記実施例−1と同様の条件で脱気、塗布工程
を行った。ここで、脱気処理後の酸素飽和度は89%で
あった。 比較例−3 脱気タンク内雰囲気をヘリウムガスと置換し、その後減
圧脱気をせず、大気圧760mmHgのままにする以外
は、上記実施例−1と同様の条件で塗布工程を行った。
ここで、塗布直前の酸素飽和度は81%であった。上記
実施例1〜3及び比較例1〜3における塗布工程中に、
得られた塗布液膜上に筋が発生するまでの時間を各々測
定した。上記実施例及び比較例の結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2に示すように、実施例1〜3では、脱
気タンク内雰囲気をヘリウムガスに置換し、減圧脱気す
ることで酸素飽和度は適切に下がり、12時間以上気泡
は発生せず筋を防止することができた。実施例3では、
溶媒組成が変化したが、実用上問題のない範囲であっ
た。一方、脱気タンク内雰囲気が空気では、実施例−
1、−2と同様の減圧脱気でも、気泡による筋を防止す
ることができなかった(比較例1、2)。また、脱気タ
ンク内をヘリウムガスと置換しただけで減圧なしでは気
泡を防止し、筋を防止することができなかった(比較例
3)。
【0022】
【発明の効果】本発明の脱気方法により、大きな脱気圧
力必要とせず、更に揮発性の高い低沸点溶剤においても
液組成の変化もなく、更にスライドコータあるいはエク
ストルージョンコータ等において泡を発生させることな
い有機溶媒を主溶媒とする塗布液を調整することができ
る。この脱気方法による塗布液を用いて塗布を行った結
果、スライドビードコータに限らず別の塗布方式例えば
エクストルージョンコータでも長時間気泡を発生させる
ことなく、高速かつ薄層で安定に塗布が出来るようにな
り、有機溶媒層の気泡除去の時間も必要なくなり生産能
率が上昇した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱気方法及び塗布方法の一実施態様を
示す装置の概略図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 塗布装置 2 ウエブ 3 バックアップローラ 4 スライドコータ 5 ブロック 6 ブロック 7 スロット 8 ポケット 9 導管 10 塗布液 11 脱気タンク 12 熱交換器 13 流量計 14 流量調節弁 15 傾斜面 16 リップ部 17 ビード 18 減圧室 19 保温用熱媒体の流路 20 導管 21 給気弁 22 排気配管 23 排気弁 24 脱気手段 25 排気弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 19/00 - 19/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶媒を主溶媒とする塗布液を減圧脱
    気する方法において、該塗布液中に溶存する空気をヘリ
    ウムと置換し、雰囲気中のヘリウム濃度を80%以上と
    した後、減圧により脱気することを特徴とする有機溶媒
    系塗布液の脱気方法。
  2. 【請求項2】 前記減圧による脱気の圧力が720mm
    Hg以下であり、かつ溶媒の飽和蒸気圧以上であること
    を特徴とする請求項1記載の有機溶媒系塗布液の脱気方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の脱気方法により
    得られる塗布液を基体に塗布することを特徴とする有機
    溶媒系塗布液の塗布方法。
JP29167094A 1994-11-25 1994-11-25 有機溶媒系塗布液の脱気方法及び塗布方法 Expired - Lifetime JP3526089B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29167094A JP3526089B2 (ja) 1994-11-25 1994-11-25 有機溶媒系塗布液の脱気方法及び塗布方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29167094A JP3526089B2 (ja) 1994-11-25 1994-11-25 有機溶媒系塗布液の脱気方法及び塗布方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08141313A JPH08141313A (ja) 1996-06-04
JP3526089B2 true JP3526089B2 (ja) 2004-05-10

Family

ID=17771916

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29167094A Expired - Lifetime JP3526089B2 (ja) 1994-11-25 1994-11-25 有機溶媒系塗布液の脱気方法及び塗布方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3526089B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08141313A (ja) 1996-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3012856U (ja) 被膜形成装置用エンクロージャ
JP3728205B2 (ja) 固体表面を液状配合物で被覆する方法
TW535216B (en) Photoresist processing method and photoresist processing system
US5506000A (en) Slot coating method and apparatus
JPS62107071A (ja) 気相付着装置
US3926664A (en) Method for deaerating a circuit for the transport of liquids
JP3526089B2 (ja) 有機溶媒系塗布液の脱気方法及び塗布方法
JP2961665B2 (ja) 液体の脱気・脱泡方法
JP3741321B2 (ja) 塗布方法
GB1579925A (en) Degasification of a liquid material
JP2002192056A (ja) 塗布方法及び装置
JP2003236428A (ja) グラビア塗工装置
JP2003236452A (ja) 塗布方法
JP3460313B2 (ja) フィルム搬送ローラ及びフィルム製膜装置
JP2000065710A (ja) 液体中の溶存気体濃度の測定方法及び測定装置
JP2007157873A (ja) レジスト現像処理装置および半導体装置の製造方法
JP4662201B2 (ja) 塗布方法
JPH03284323A (ja) 膜分離方法および装置
JPH1060339A (ja) インク脱気装置及びインク脱気方法
JP5663884B2 (ja) 塗布装置
JP2007196098A (ja) 多層塗布方法
JPH10106914A (ja) 基板処理装置のための雰囲気処理部の寿命判定装置
MXPA97005935A (en) Method and apparatus for reversing ranu
JP2003205263A (ja) 塗布液の脱泡方法及び装置
JP2003159555A (ja) 同時重層用スライド型コータ、及び記録材料の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080227

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080227

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100227

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100227

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110227

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140227

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term