JP2002192056A - 塗布方法及び装置 - Google Patents

塗布方法及び装置

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JP2002192056A
JP2002192056A JP2001305379A JP2001305379A JP2002192056A JP 2002192056 A JP2002192056 A JP 2002192056A JP 2001305379 A JP2001305379 A JP 2001305379A JP 2001305379 A JP2001305379 A JP 2001305379A JP 2002192056 A JP2002192056 A JP 2002192056A
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temperature
coating solution
degassing
organic solvent
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JP2001305379A
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Tadahiro Tsujimoto
忠宏 辻本
Yoshinori Suzuki
善範 鈴木
Nobuo Takeuchi
伸夫 竹内
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Fuji Photo Film Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05CAPPARATUS FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05C5/00Apparatus in which liquid or other fluent material is projected, poured or allowed to flow on to the surface of the work
    • B05C5/007Slide-hopper coaters, i.e. apparatus in which the liquid or other fluent material flows freely on an inclined surface before contacting the work

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  • Coating Apparatus (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】有機溶媒を主溶媒とする塗布液を高速且つ薄層
で、安定に塗布できる塗布方法及び装置を提供すること
にある。 【解決手段】(a)有機溶媒を主溶媒とする塗布液を所
定温度で減圧脱気する工程、(b)前記塗布液を塗布工
程へ送液する工程、(c)塗布工程での塗布液温度を工
程(a)における塗布液温度より高い温度とする加温工
程、及び、(d)加温された前記塗布液をウエブに塗布
する工程を有することを特徴とする有機溶媒を主溶媒と
する塗布液の塗布方法及びその装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤系の塗布液の
塗布方法に関し、詳しくは有機溶媒系の塗布液を高速か
つ薄層で安定に塗布する塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、写真フィルム等の多層で且つ薄膜
層を有する材料は、高度な塗布技術を必要とし、各種検
討されてきた。特に最近、一般の写真感光材料において
も品質的に非常に高度になり、更に銀の節約、感光材料
の薄層化、生産性向上等の要求が高まってきたため、塗
布技術の重要性が更に増加してきた。この目的に叶う技
術の一つとして、連続する基体(ウェブ)に塗布液を、
スライドコーター、エクストルージョンコーター等のコ
ーターを通して塗布する技術がある。しかしながら、こ
の技術では塗布する時に、種々の原因により、コーター
のビード部で気泡が発生・滞留したり、塗工材の表面に
気泡が付着してしまう。これにより、塗工膜のスジ状故
障、膜の不均一化等を起こし、塗工膜の面質を著しく低
下させてしまう。特に写真感光材料の場合、この気泡に
よるトラブルは、材料の特性上致命的欠陥となる。この
ような気泡は、塗布液中の溶存気体に起因すると考えら
れ、塗布液中の溶存気体を除去する脱気方法が種々提案
されている。従来の脱気方法としては、超音波脱気方
法、加熱脱気方法、減圧脱気方法等がある。例えば、特
開平4−143747号公報には、塗布液を高温で超音
波処理し、その後塗布液を冷却する脱泡方法により、塗
布液中の微小な気泡まで除去することが開示されてい
る。また、特公昭62−43722号公報には、塗布液
に飽和蒸気を連続混合させて加熱し、キャビテ−ション
により大気圧下で脱気する方法により、低コストで連続
して脱気することが開示されている。
【0003】しかしながら、上記技術は全て水系塗布液
に関するものであり、有機溶媒系の塗布液には適用でき
なかった。即ち、特開平4−143747号公報に記載
の技術では、有機溶媒系塗布液が、一般に水系塗布液に
比較して、気体の飽和溶解度が高く、気体の溶解速度も
速く、且つ冷却することで気体溶解度が下がる傾向にあ
ることから、高温下での超音波脱気処理後に、塗布液を
送液して冷却すると、逆に気泡が発生するという結果に
なる。また、特公昭62−43722号公報に記載の技
術を、有機溶媒系に適用した場合、使用した有機溶剤の
飽和蒸気が必要になり、非常にプロセスが複雑になる。
更に、混合溶媒系では液組成に平衡な蒸気組成に調節し
ないと液組成そのものが変化してしまうため、非常に複
雑な組成調整装置が必要になってしまう。一方、上記技
術は、各々加熱による脱気効果に基づく方式であるため
に、揮発性が高い有機溶媒系塗布液には適用できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】即ち、有機溶媒は水溶
液と比較して、一般に気体の飽和溶解度が高く、気体の
溶解速度も速い。更に、有機溶媒の多くは温度に対して
溶解度が増加する傾向もある。従って、スライドコータ
ー、あるいはエクストルージョンコーター等においてビ
ードで発生、または滞留し、場合によっては塗工膜上に
付着する気泡に起因するスジ状故障あるいは膜の不均一
化は、生産性を阻害する重大な問題があった。本発明の
目的は、上記従来の問題を解決することにあり、有機溶
媒を主溶媒とする塗布液を高速且つ薄層で、安定に塗布
できる塗布方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。 (1) 有機溶剤を主溶媒とする塗布液を減圧により脱
気して、脱気後の塗布液中の気体の溶解量を、脱気温度
における1気圧下での気体の飽和溶解量の90%以下に
し、脱気時よりも塗布液温度を高くして該塗布液を塗布
することを特徴とする塗布方法。 (2) 脱気の過程において、脱気圧力を塗布液の温度
における塗布液の飽和蒸気圧以上にすることを特徴とす
る上記(1)に記載の塗布方法。 (3) 塗布方式が、スライド方式であることを特徴と
する上記(1)又は(2)に記載の塗布方法。
【0006】
【作用】即ち、有機溶媒を主溶媒とする塗布液の気体溶
解量を減圧脱気により低下させ、減圧脱気した温度より
も高い塗布液温度で塗布することにより、塗布時の気泡
の発生を防止し、気泡の発生・滞留に起因する塗布面故
障を防止できる。まず、所定温度で塗布液中の気体を減
圧条件下にさらすことにより、塗布液中の溶存気体量
が、脱気温度における1気圧下での気体の飽和溶解量の
90%以下となるように脱気する。脱気された塗布液を
該脱気温度よりも高い温度で塗布することにより、塗布
液中の気体の溶解度を増大させ、塗布液中に新しい気泡
を発生させず、また分離されなかった小さな残存気泡を
液中に溶解できる。
【0007】本発明において、脱気する際の塗布液の温
度(以下脱気温度ともいう)より、塗布する際の塗布液
の温度(以下、塗布温度ともいう)を高くする。その塗
布時の温度をどの程度高くするかは、脱気した後の塗布
液中の溶存気体量により決定される。即ち、脱気後の塗
布液中の気体溶解量に応じて、塗布温度を設定する。具
体的に図1にその気体溶解量と温度差の概略の関係を示
した。図1において、縦軸は塗布する際の温度(図3に
おけるビード17での塗布液温度)から脱気する時の塗
布液温度を引いた値(℃)で、横軸は脱気後の塗布液中
の気体溶解量を、塗布液中の脱気温度における1気圧下
での気体の飽和溶解量に対する%で表したもの(以下、
脱気度ともいう)である。図1のグラフにおいて、脱気
後の気体溶解量が50%以下であれば、該温度差が1未
満でも、気泡は発生せず、安定した操作が可能となる。
また、該気体溶解量が50%〜80%の範囲であれば、
該温度差が1℃あれば、気泡は発生せず、安定した操作
が可能となる。更に、該気体溶解量が80%〜90%の
範囲であれば、必要な該温度差が1℃から5℃と急激に
大きくなり、90%になると気泡が発生せず、安定した
操作が可能とするためには、少なくとも温度差を5℃に
することが必要となる。該気体溶解量が90%を越える
と温度差をいくらにしても安定操作が不可能になってし
まう。
【0008】従って、図1のグラフ左側のa部が本発明
の塗布方法において、安定操作領域になり、グラフ右側
のb部が不安定操作領域になり気泡が発生する可能性が
ある範囲であり、余り好ましくない範囲である。該脱気
後の気体溶解量は、好ましくは、80%以下であり、よ
り好ましくは60%以下である。脱気過程において、脱
気圧力を塗布液の温度における飽和蒸気圧以上にするこ
とが好ましい。これにより脱気効率が良く、且つコスト
面でも比較的に安価にすることができる。脱気圧力は、
塗布液の飽和蒸気圧以上で、飽和蒸気圧の3倍以下が好
ましく、特に1.2倍以上、2倍以下がより好ましい。
脱気圧力が飽和蒸気圧以下になると、塗布液の溶媒が気
化し、気泡の発生や溶剤組成の変化等の弊害を生ずる。
【0009】他の脱気条件、例えば脱気温度、脱気時
間、脱気方式等は、塗布液の性質、脱気中の液の表面
積、滞留時間等により適宜設定することができ、最終的
に得られた脱気された塗布液中の溶存気体量が上記所定
値になればよい。本発明において、塗布することができ
る有機溶媒を主溶媒とする塗布液としては、前述の有機
溶媒の性質を有する液であればいずれの塗布液でも用い
ることができる。具体的には、公知の有機溶剤単独、あ
るいは有機溶剤を主成分とする混合液、例えば、写真感
光材料における下塗り層、中間層、保護層等の他、写真
製版材料、感圧紙、感熱紙等の情報記録紙、磁気記録材
料等を構成する各層に用いられる塗布液が挙げられる。
有機溶媒では、温度の上昇と共に、気体の飽和溶解量
は、増加する傾向にある。特に空気中の窒素では、代表
的な有機溶媒(例えば、アセトン、エタノール、四塩化
炭素、ベンゼン等)においてその増加傾向の性質を有し
ている。従って、本発明における塗布液中に発生する気
泡は殆どの場合窒素分圧の高い空気であるので、有機溶
媒の温度上昇に伴う、気体の飽和溶解量は殆どの場合温
度上昇とともに増加することになる。
【0010】
【実施態様】次に本発明の塗布方法の一態様を図を例示
して詳しく説明する。しかしながら、本発明の塗布方法
がこの態様に限られるものではない。図2に、スライド
コーターを用いて、有機溶媒系の塗布液を単層塗布する
場合の装置の模式図を示した。図2に示す塗布装置1
は、矢印aの方向に回転することにより塗布すべきウエ
ブ(支持体)2をその外周面に沿って矢印bの方向に反
転、移送するバックアップロール3、スライドコーター
4及び脱気タンク11を具備している。スライドコータ
ー4は、バックアップロール3に近いブロック5とその
後方にブロック6を組み合わせた内部に、該ウエブ2の
幅方向に設けた垂直状のスロット7と、該スロット7の
下方端と連通するポケット8を有する。
【0011】先ず、塗布液10は、脱気タンク11に導
入され、一定の温度下で減圧条件により脱気処理され
る。ここで、脱気条件としては、上記の脱気後の気体溶
解量が、脱気温度の飽和溶解量の90%以下になる条件
であれば、脱気手段等を適宜選択することができる。こ
こで用いる脱気手段は、減圧方式、又は超音波方式を採
用することができるが、超音波方式は、存在する気泡を
強制的に液中に溶解させる作用も併せ持つため能力的に
限界があり、又装置の腐食を促進する欠点もある。これ
に対して減圧方式は、脱気能力が充分あり、また有機溶
媒を扱う装置に必要な防爆上の考慮でも問題が殆どない
ため、本発明に好ましく用いられる。なお、超音波方式
を減圧方式の補助手段として併用することは可能であ
る。また、脱気圧力は、上述の如く塗布液の温度におけ
る塗布液の飽和蒸気圧以上であることが好ましく、特に
該飽和蒸気圧の3倍以下が好ましい。脱気タンク11
は、塗布液の表面積を大きくするものが好ましい。ま
た、液の導入の仕方も表面積を大きくする方法が好まし
く、例えば、塗布液10を脱気タンク11内の壁に沿っ
て、薄膜を形成するように導入して、所定時間該タンク
11内で保持して脱気することができる。一方、塗布液
を該タンク11内に液滴状にして導入する方法でも可能
である。前述の如く、脱気圧力、タンク11内での滞留
時間、温度等の脱気条件は、塗布液の種類、液の表面積
(脱気方法)等により適宜決定され、上記の脱気度を得
るようにする。
【0012】次に、所定の脱気度を有する塗布液11
は、そのまま前記スライドコーター4に導管9を介して
送液されるが、塗布液11の温度を調節するために、熱
交換器12を導管9に設けてもよい。温度調節された塗
布液11は、ポンプ等によりスライドコーター4に導管
9を介して送液される。ここで、流量計13と流量調節
弁14により流量を調節することができる。流量調節さ
れ、一定の圧力で送液された塗布液11は、前記ポケッ
ト8を通り、スロット7の上方端から流出し、傾斜面1
5を下方に流れてブロック5のリップ部16に達する。
リップ部16付近の拡大図を図3に示した。
【0013】リップ部16に達した塗布液10は、バッ
クアップロール3に沿って移送されてきたウエブ2上に
接触し、リップ部16とウエブ2の間にビード17を形
成し、このビード17を介して塗布液10はウエブ2上
に塗布される。本発明において、このビ−ド17での塗
布液温度(塗布する際の塗布液温度)は、前記脱気タン
ク11内の塗布液温度(脱気する際の塗布液温度)より
高くする。脱気タンク11内で一定に保持された塗布液
温度は、ビード17に行き着くまでに温度が下がる傾向
になる。従って、この温度低下を考慮して、前記熱交換
器12により脱気後の塗布液を加温したり、水等の保温
用熱媒体の流路19に所定の温度の熱媒体を導入するこ
とにより、スライドコーター4内に送液された塗布液を
保温・加熱することができる。上記熱交換器12、保温
用熱媒体の流路19等の加熱手段により、脱気タンク1
1内での脱気温度よりビード17での塗布液温度を高く
することにより、塗布時の塗布液中の気体溶解度を増大
させ、脱気タンク11中の脱気により除去されなかった
溶存気体が気泡として発生しないようにでき、脱気によ
り除去されなかった残存した小さい気泡も溶解できる。
また、図2に示されているとおり、減圧室18によりビ
ード17を下方に引っ張ることによりビード17の安定
を計ることが一般的に知られており、本発明においても
用いることができる。
【0014】また、上記スライドコーターに限らず、別
の方式例えば、エクストルージョンコーターの場合も同
様に、塗布液中の溶存気体を上記のような脱気度に減圧
脱気し、上記のような加熱手段によりその脱気温度より
高い温度にビード部の温度を設定すれば、スライドコー
ターの場合と同様に有機溶剤系の塗布液中の溶存気体量
を減らし、残存する溶存気体が脱気後に気泡として発生
せず、脱気により除去されなかった残存した小さい気泡
も溶解できる。ここでは、単層塗布する場合を説明した
が、本発明は、有機溶媒系の塗布液を重層塗布する場合
にも適用できうる。本発明において、単位面積当たりの
塗布量は、湿量基準で5cm3 /m2 〜200cm3
2 の範囲である。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明がこれらに限定されるものではない。塗布液
として、アセトン/メタノール=85:15(体積比)
の100重量部を溶媒とし、固形分がジアセチルセルロ
ースを1重量部としたものを調整し、図2に示したスラ
イドコーターを用い、厚さ120μmのセルローストリ
アセテートフィルム上に塗布した。単位面積当たりの塗
布量は湿量基準で25cm3 /m 2 であった。脱気に
は、水封式真空ポンプを用い絶対圧450mmHgに保持
した脱気タンク11内に塗布液10を薄膜を形成するよ
うにタンク11壁に沿って供給し、その後攪拌しながら
5分間減圧下で保持して熱交換器12を介して温度を調
節してスライドコーター4へ送液した。
【0016】実施例1 上記のような条件で、塗布液を15℃で脱気したのち、
熱交換器12により、20℃に塗布液温度を上げて送液
し、塗布を行った。この時スライド面を流下した塗布液
は蒸発によりビード部17では17℃に温度が低下し
た。 実施例2 上記のような条件で、塗布液を20℃で脱気したのち、
熱交換器12により、30℃に塗布液温度を上げて送液
し、塗布を行った。この時スライド面を流下した塗布液
は蒸発によりビード部17では25℃に温度が低下し
た。
【0017】比較例1 実施例1において、脱気する代わりに、20℃で大気と
十分接触させ飽和させた液(脱気度ほぼ100%)をコ
ーターに送液する以外は、実施例1と同様に塗布操作を
行った。この時スライド面を流下した塗布液は、実施例
1と同様に蒸発によりビード部では17℃に温度が低下
した。 比較例2 実施例1において、脱気温度を30℃にし、熱交換器1
2により塗布液温度を15℃に下げて送液する以外は、
実施例1と同様に塗布を行った。この時スライド面を流
下した塗布液は、蒸発によりビード部では12.5℃に
温度が低下した。ここで、脱気度は96%であった。脱
気度の測定は、サンプル液にヘリウムガスを通じ、溶存
した空気を放散させ、TCD検出装置付ガスクロマトグ
ラフィー装置(島津製作所製GC−14A)により行っ
た。上記のような条件で、各々の塗布を連続して行っ
た。この時、いずれの例でも最終的には、ビード部中に
微小な気泡が発生し、その発生部位に対応した支持体上
の塗布面にスジが発生した。この気泡による影響をスジ
が発生するまでの時間を測定して評価した。各種設定温
度及びそのスジの発生時間を下記表−1に示した。
【0018】 表−1 脱気温度 塗布液温度 ビード温度 スジ発生時間 実施例1 15℃ 20℃ 17℃ 12時間発生なし 実施例2 20℃ 30℃ 25℃ 12時間発生なし 比較例1 20℃(脱気なし) 20℃ 17℃ 5分で発生 比較例2 30℃ 15℃ 12.5℃ 30分で発生
【0019】表−1に示すように、実施例1及び2で
は、12時間連続して塗布を行ってもビード部の泡に起
因するスジは発生しなかった。このことから、この場合
塗布液温度が脱気温度より5℃高ければ、塗布液が傾斜
面を流下中にその温度が下がっても、ビード部での塗布
液温度がまだ脱気時の塗布液温度より高いので、ビード
部での塗布液中の気体の飽和溶解量が増加し、気泡が発
生しなかったと考えられる。一方、比較例1及び2で
は、各々塗布開始から5分、30分で、ビード内の泡に
起因するスジが発生してしまった。比較例の場合、傾斜
面15の流下による塗布液の温度低下等により、脱気温
度よりもビード温度が低下してしまったために、ビード
部で塗布液が気体の過飽和状態に達したために泡が析出
したものと考えられる。
【0020】実施例3 実施例1において、脱気圧力450mmHgを、絶対圧力
で700mmHgに変える以外は、実施例1と同様に塗布
操作を行った。 実施例4 実施例2において、脱気圧力450mmHgを、絶対圧力
で700mmHgに変える以外は、実施例2と同様に塗布
操作を行った。上記実施例3および4について上記と同
様にスジが発生するまでの時間を測定した。更に、上記
実施例1及び2と、実施例3及び4の脱気後の塗布液中
の気体の飽和度を測定した。ここで言う気体の飽和度と
は、塗布液中の溶存気体量を、その温度での1気圧にお
ける気体の飽和溶解量で割った比率を%で表したもので
ある。これらの結果を下記表−2に示した。
【0021】 表−2 脱気圧力(mmHg) 飽和度(%) スジが発生時間 実施例1 450 75 12時間発生なし 実施例2 450 70 12時間発生なし 実施例3 700 96 60分 実施例4 700 94 90分 表−2に示したように、実施例1及び2では、気体の飽
和度が90%以下で、脱気温度よりビードでの温度を高
くすると、12時間以上スジ故障が発生しなかった。こ
れにより、脱気後の塗布液中の気体の飽和度を90%以
下にすることで、充分な脱気効果が得られることがわか
った。実施例3及び4では、各々塗布開始から60分、
90分でビード内の泡に起因するスジが発生し、脱気が
不充分であることが判った。これは、脱気後の塗布液中
の気体の飽和度が90%を越えたことで、脱気後の塗布
液中の溶存気体量が多く、該温度差をつけても泡が発生
してしまったと考えられる。
【0022】
【発明の効果】本発明により、有機溶媒を主溶媒とする
塗布液を塗布する際に生じていた泡の発生・滞留による
塗布面故障を防止できることから、該塗布液を高速且つ
薄層で、安定に塗布できる塗布方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における塗布液の気体溶解量と温度差の
関係を示すグラフである。
【図2】本発明の方法の一態様を示す装置の概略図であ
る。
【図3】図2の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 塗布装置 2 ウエブ 3 バックアップロール 4 スライドコーター 5 ブロック 6 ブロック 7 スロット 8 ポケット 9 導管 10 塗布液 11 脱気タンク 12 熱交換器 13 流量計 14 流量調節弁 15 傾斜面 16 リップ部 17 ビード 18 減圧室 19 保温用熱媒体の流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 1/74 G03C 1/74 // B05C 5/00 101 B05C 5/00 101 (72)発明者 竹内 伸夫 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H023 EA00 EA02 EA03 4D075 AC04 AC16 AC72 AC96 BB22X BB56X BB93X CA47 DA04 DB31 DC27 EC30 4F041 AA12 AB02 CA06 CA13 4F042 AA22 BA19 CA08 CA09 CB26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)有機溶媒を主溶媒とする塗布液を所
    定温度で減圧脱気する工程、(b)前記塗布液を塗布工
    程へ送液する工程、(c)塗布工程での塗布液温度を工
    程(a)における塗布液温度より高い温度とする加温工
    程、及び、(d)加温された前記塗布液をウエブに塗布
    する工程を有することを特徴とする有機溶媒を主溶媒と
    する塗布液の塗布方法。
  2. 【請求項2】(a)有機溶媒を主溶媒とする塗布液を所
    定温度で減圧脱気する工程、(b)前記塗布液を、塗布
    工程へ送液するとともに、工程(a)における減圧脱気
    時の温度より高い温度に加温する工程、及び、(c)加
    温された塗布液をウエブに塗布する工程を有することを
    特徴とする有機溶媒を主溶媒とする塗布液の塗布方法。
  3. 【請求項3】 塗布方式が、スライド方式またはエクス
    トルージョン方式であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の塗布方法。
  4. 【請求項4】 塗布方式がスライド方式であることを特
    徴とする請求項3に記載の塗布方法。
  5. 【請求項5】 塗布方式がエクストルージョン方式であ
    ることを特徴とする請求項3に記載の塗布方法。
  6. 【請求項6】(a)有機溶媒を主溶媒とする塗布液を所
    定温度で減圧脱気する手段、(b)前記塗布液を塗布手
    段へ送液する手段、(c)塗布手段における塗布液温度
    を手段(a)における塗布液温度より高い温度とする加
    温手段、及び、(d)加温された前記塗布液をウエブに
    塗布する手段を設けたことを特徴とする有機溶媒を主溶
    媒とする塗布液の塗布装置。
  7. 【請求項7】(a)有機溶媒を主溶媒とする塗布液を所
    定温度で減圧脱気する手段、(b)前記塗布液を、塗布
    手段へ送液するとともに、手段(a)における減圧脱気
    時の温度より高い温度に加温する手段、及び、(c)加
    温された塗布液をウエブに塗布する手段を設けたことを
    特徴とする有機溶媒を主溶媒とする塗布液の塗布装置。
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