JP3524955B2 - 水力機械のランナ構造 - Google Patents
水力機械のランナ構造Info
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/20—Hydro energy
Landscapes
- Hydraulic Turbines (AREA)
Description
に係り、特にフランシス水車のランナ構造に関する。
車の構造を示したもので、回転軸1の下端にはランナ2
が固着され、このランナ2はクラウン2aとバンド2b
と複数枚のランナ羽根2cとから構成されている。ラン
ナ2の外周側の固定流路には複数枚のガイドベーン3が
円周方向に等角度間隔で配列され、このガイドベーン3
は、水車運転時には圧力水をその流量を調整してランナ
2に導き、これによってランナ2がT方向に回転する。
近年、水車は、経済性の面に加えて、主機の大容量化及
び高速化が強く要求され、このためランナ2とガイドベ
ーン3との間の水圧脈動に起因した相互干渉現象による
ランナ2の振動が大きな問題となっている。
ンナの振動問題を解決するために、特公昭62−195
89号公報及び特公昭62−44099号公報には、ラ
ンナに発生する振動応力を解析し、材料強度を改良して
疲労強度を高めたり、形状を変更してランナ固有振動数
を調整してランナ振動を抑制したり、またはランナ羽根
2cの枚数Zrとガイドベーン3の枚数Zgとの組合わ
せを最適にしてランナ振動を抑制した水力機械が開示さ
れている。
の水力機械では、ランナの振動強度を高めたり、ランナ
固有振動数を調整するため、水力機械毎に解析や実験で
検証しなければならず、設計が非常に複雑になるといっ
た問題がある。更に、ランナ羽根枚数Zrとガイドベー
ン枚数Zgとの組合わせを最適に手法は、性能面との整
合性をとる必要があると共に、既存の水力機械には適用
することができないといった問題がある。そこで、本発
明の目的は、ランナ羽根枚数とガイドベーン枚数との任
意の組合わせにおいて励振される振動モードを抑制し、
ランナに発生する振動応力を低減することができ、かつ
既存の水力機械にも適用することができる水力機械のラ
ンナ構造を提供することにある。
に請求項1に記載された発明は、複数枚のランナ羽根と
これらのランナ羽根の上下面を取囲むクラウン及びバン
ドとから構成されるランナと、このランナの外周側の固
定流路に設けられたベーンとを具備する水力機械におい
て、上記ランナ羽根の外周部に対してランナ回転方向と
逆の周方向に所定の角度間隔だけ離間した位置に、その
上下端が上記クラウン及び上記バンドに固着された補助
翼を具備し、上記補助翼の形状は、上記ランナ羽根の外
周部形状とほぼ相似であることを特徴とするものであ
る。ここで、任意の整数をm、上記ランナ羽根の枚数を
Zr、上記ベーンの枚数をZgとした時に、Zg+n=
m×Zrを満足するnを±2、±3,±4の中から求
め、このnを式α=π/(Zg+n)に代入してαの最
大値及び最小値を求め、上記角度間隔を上記αの最大値
及び最小値の範囲内に定めるとよい。この構成にあって
は、上記ランナは可逆式ランナであり、上記補助翼は上
記ランナ羽根を挟んで互いに対称な位置に配置されてい
ることが望ましい。
転に伴い、ランナ羽根とベーンとの干渉によって干渉波
が発生すると共に、補助翼とベーンとの干渉によっても
干渉波が発生する。補助翼は、上記両干渉波の位相が互
いにほぼ逆位相となるように、ランナ羽根に対して位置
決めされているので、ランナ羽根とベーンとの干渉によ
って発生される干渉波は、補助翼とベーンとの干渉によ
って発生されるほぼ逆位相の干渉波によって相殺され
て、励振が抑制される。
実施例を図5と同部分には同一符号を付して示した図1
乃至図4を参照して説明する。図1は、ガイドベーン枚
数Zg=20、ランナ羽根枚数Zr=6のフランシス水
車に本発明を適用した実施例を示したもので、ランナ2
は円盤状のクラウン2aとバンド2bとこれらの間に取
付けられた6枚の主羽根、即ちランナ羽根2cとから構
成されている。6枚のランナ羽根2cは等角度間隔、即
ち60°間隔に配置され、各ランナ羽根2cから回転方
向Tと逆方向にずれ角α=7.5°〜10°の位置に
は、補助翼4が設置されている。これらの補助翼4は、
ランナ2の外周部に位置し、かつランナ内の流れを妨げ
ないようにランナ羽根2cの外周形状とほぼ相似な形状
を有する。なお、補助翼4はその上下端がランナ羽根2
cと同様に夫々クラウン2a及びバンド2bに固着され
ている。
0°をどのように決定するかについて説明する。まず、
最初にランナ羽根とガイドベーンとの干渉による振動モ
ードについて詳述する。ランナ羽根の枚数をZr、ベー
ンの枚数をZg、ランナに発生する振動モードの直径節
の数をn,任意の整数をmとした時に、次式(1)が成
立する。 Zg±n=m×Zr (1) ここで、記号±のプラス記号(+)は、振動の波がラン
ナの回転方向に伝搬する進行波、即ち前進波を表し、マ
イナス記号(−)は振動の波がランナの回転方向と逆方
向に伝搬する後退波を表す。
みが問題となり、具体的にはnの絶対値が4以下の場合
が問題となり、5以上の高次モードでは振動数がかなり
高いため運転上無視することができる。従って、ランナ
羽根枚数Zrとベーン枚数Zgとの組合わせの下では、
ランナに励振される振動は、式(1)を満足するn=2
〜4の直径節モードの振動に限られる。本実施例では、
Zr=6、Zg=20であるので、式(1)を満足する
nとmは、次の二組となる。 (a) n=−2、m=3 (b) n=+4、m=4 即ち、本実施例の場合には、n=−2の2直径節の後退
波とn=+4の4直径節の進行波が励振される。
ガイドベーンとの関係を示したもので、ランナ2は模式
的に円盤形状で示され、6枚のランナ羽根2cは模式的
に直線R1〜R6で示され、20枚のガイドベーンも模
式的に直線S1〜S20で示されている。なお、補助翼
4は図の複雑化を避けるために図2の(a)のランナ羽
根R1に関連するものだけが示されている。ランナ2が
回転角速度Ωで回転している時にはランナ2上の波の移
動角速度は、次式で表される。なお、θは絶対座標系よ
り見たランナ2の移動角度である。 (Zg×Ω/n)×(θ/Ω)=Zg×θ/n ガイドベーンS1とランナ羽根R1との干渉によって発
生した2直径節の後退波は、ランナ2上を伝搬し、ラン
ナ2がθ=6°回転する間に、Zg×θ/n=60°移
動して、ガイドベーンS18に達する。この時点で、図
2(b)に示したようにガイドベーンS18はランナ羽
根R6との干渉によって後退波を発生し、この後退波は
ガイドベーンS1とランナ羽根R1との干渉による後退
波と重なり合って、増幅される。このような増幅作用
は、図2(c)及び(d)に示したように、更にθ=1
2°及び18°においても行われる。このようにして、
ランナ羽根とガイドベーンとの干渉によって発生した後
退波が、増幅されて大きな振動を引き起こす。同様に、
n=+4の4直径節の進行波は、ランナ2がθ=12°
回転する間に、Zg×θ/n=60°移動し、ガイドベ
ーンS4とランナ羽根R2とが干渉して発生する進行波
と重なり合い、増幅される。
ン枚数Zgとの組合わせによって式(1)によって決定
される直径節振動モードが発生する。次に、このような
直径節振動モードを減衰抑制させる補助翼の位置及び作
用を説明する。n=−2の2直径節の後退波を理論上完
全に抑制するためには、補助翼4を、図1に示したよう
にランナ羽根2cから回転方向Tと逆方向にずれ角α=
π/(Zg+n)=180°/(20−2)=10°の
位置に配置する。ランナ羽根R1とガイドベーンS1と
の干渉波は、ランナ2が10°回転する間にZg×θ/
n=100°逆方向に移動する。また、この時点で、補
助翼4とガイドベーンS1との干渉波が発生する。ラン
ナ羽根R1と補助翼4とのずれ角は10°であるので、
この100°移動時の干渉波は補助翼に対して90°位
相がずれている。2直径節の干渉波の山と谷の位相差は
90°であるので、ランナ羽根R1の2直径節の後退波
は補助翼の2直径節の後退波によって相殺され、励振が
抑制される。同様に、n=+4の4直径節の進行波を理
論上完全に抑制するためには、補助翼4をα=π/(Z
g+n)=180°/(20+4)=7.5°の位置に
配置する。
渉波は、ランナ2が7.5°回転する間にZg×θ/n
=37.5°前進する。従って、補助翼4に対しては、
45°前進する。4直径節の進行波の山と谷の位相差は
45°であるので、ランナ羽根R1の4直径節の進行波
は補助翼の4直径節の進行波によって相殺され、励振が
抑制される。従って、補助翼4は、ランナ羽根に対して
α=7.5°〜10°の範囲に配置することによって、
2直径節の後退波と4直径節の進行波との両方を充分に
抑制することができる。
おいて、ランナ2が回転すると、ランナ羽根2cとガイ
ドベーンとの干渉によって2直径節の後退波及び4直径
節の進行波が発生すると共に、補助翼4とガイドベーン
との干渉によって2直径節の後退波及び4直径節の進行
波が発生する。この補助翼4による後退波及び進行波
と、ランナ羽根2cによる後退波及び進行波とは、夫々
位相がほぼ逆相であるので、互いに相殺されて励振が抑
制される。
で、可逆式ポンプ水車は、ポンプ運転のランナ回転方向
が点線の矢印で示したように水車運転時のランナ回転方
向Tの逆であるため、ランナ羽根2cに関して対称な位
置に補助翼4Aと4Bが設置される。補助翼4Aは図1
の補助翼4と同一の作用をするもので、水車運転時にラ
ンナ羽根2cとガイドベーンとの干渉波を抑制する。他
方、補助翼4Bはポンプ運転時にランナ羽根2cとガイ
ドベーンとの干渉波を抑制する。なお、可逆式ポンプ水
車であっても、必ずしも補助翼4Aと4Bの両方を設置
する必要がない場合もある。例えば、水車運転とポンプ
運転の一方では振動が強いが、他方では振動が弱い場合
には、振動が強い方についてのみ補助翼を設置してもよ
い。
のであり、図1の補助翼4の代りにリブ5がクラウン2
aの流水面及びバンド2bの流水面に突設されている。
これらの突起状のリブ5の設置位置は図1の補助翼4と
同一であり、α=π/(Zg+n)によって決定され
る。このリブ5は、補助翼4と比べると、ランナの直径
節振動モードを抑制する効果は多少劣るが、構造が非常
に簡単でありかつ取付けが容易であるといった利点を有
する。以上の実施例では、ガイドベーンとランナ羽根と
の干渉による振動を抑制するために補助翼4やリブ5を
設置した。しかしながら、本発明は、ステーベーンとラ
ンナ羽根との干渉による振動に対しても同様に適用する
ことができる。
よれば、ランナ羽根の外周部に対してランナ回転方向と
逆の周方向に所定の角度間隔だけ離間して配置された補
助翼を具備し、任意の整数をm、ランナ羽根の枚数をZ
r、ベーンの枚数をZgとした時に、Zg+n=m×Z
rを満足するnを±2、±3,±4の中から求め、この
nを式α=π/(Zg+n)に代入してαの最大値及び
最小値を求め、上記角度間隔を上記αの最大値及び最小
値の範囲内に定めるため、ランナ羽根枚数とベーン枚数
との任意の組合わせの水力機械についてランナを励振す
る振動モードを抑制することができる。更に、補助翼は
新たに製造する水力機械はもちろんのこと、既存の水力
機械にも設置することができる。
施例を概略的に示した断面図及び平面図。
波の発生、及び補助翼とガイドベーンとの干渉による干
渉波の発生を説明する説明図。
施例を概略的に示した断面図と側面図。
及び平面図。
Claims (3)
- 【請求項1】複数枚のランナ羽根とこれらのランナ羽根
の上下面を取囲むクラウン及びバンドとから構成される
ランナと、このランナの外周側の固定流路に設けられた
ベーンとを具備する水力機械において、上記ランナ羽根
の外周部に対してランナ回転方向と逆の周方向に所定の
角度間隔だけ離間した位置に、その上下端が上記クラウ
ン及び上記バンドに固着された補助翼を具備し、上記補
助翼の形状は、上記ランナ羽根の外周部形状とほぼ相似
であることを特徴とする水力機械のランナ構造。 - 【請求項2】任意の整数をm、上記ランナ羽根の枚数を
Zr、上記ベーンの枚数をZgとした時に、Zg+n=
m×Zrを満足するnを±2、±3,±4の中から求
め、このnを式α=π/(Zg+n)に代入してαの最
大値及び最小値を求め、上記角度間隔を上記αの最大値
及び最小値の範囲内に定めることを特徴とする請求項1
に記載の水力機械のランナ構造。 - 【請求項3】上記ランナは可逆式ランナであり、上記補
助翼は上記ランナ羽根を挟んで互いに対称な位置に配置
されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の水
力機械のランナ構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07227094A JP3524955B2 (ja) | 1994-04-11 | 1994-04-11 | 水力機械のランナ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07227094A JP3524955B2 (ja) | 1994-04-11 | 1994-04-11 | 水力機械のランナ構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07279808A JPH07279808A (ja) | 1995-10-27 |
JP3524955B2 true JP3524955B2 (ja) | 2004-05-10 |
Family
ID=13484432
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07227094A Expired - Lifetime JP3524955B2 (ja) | 1994-04-11 | 1994-04-11 | 水力機械のランナ構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3524955B2 (ja) |
-
1994
- 1994-04-11 JP JP07227094A patent/JP3524955B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07279808A (ja) | 1995-10-27 |
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