JP3524639B2 - 車いす - Google Patents

車いす

Info

Publication number
JP3524639B2
JP3524639B2 JP19502195A JP19502195A JP3524639B2 JP 3524639 B2 JP3524639 B2 JP 3524639B2 JP 19502195 A JP19502195 A JP 19502195A JP 19502195 A JP19502195 A JP 19502195A JP 3524639 B2 JP3524639 B2 JP 3524639B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheelchair
driving force
wheel
motor
drive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19502195A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0938143A (ja
Inventor
祐司 菅
実 北野
一弘 友重
中村  秀男
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP19502195A priority Critical patent/JP3524639B2/ja
Priority to TW084110012A priority patent/TW364844B/zh
Publication of JPH0938143A publication Critical patent/JPH0938143A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3524639B2 publication Critical patent/JP3524639B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Handcart (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車いすに関し、さら
に詳しくは、駆動輪を有する車いすにおける駆動方式の
改良と安全面での改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、駆動輪を有する車いすとしては、
手動操作用リングであるハンドリムを備え、使用者の人
力走行を目的とした手動式車いすと、駆動用モータ、減
速装置および電源用バッテリを備え、モータによる電動
走行を目的とした電動式車いすとが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】手動式車いすは、使用
者が自分の手でハンドリムを操作して駆動輪を回転駆動
させて人力走行するものである。このため、手動式車い
すにあっては、ハンドリムを操作する労力が必要であ
り、ちょっとした遠出をする場合や上り坂で使用する場
合などには使用者が疲れやすく、使用しにくいという問
題があった。
【0004】一方、電動式車いすは、大容量のバッテリ
を備えているためかなり重くて大型になり、自動車やト
ラックなどに搭載するのが極めて困難であった。また、
手動式車いすとは異なり、左右2つの駆動輪を互いに逆
回転させることができないため小回りがしににく、屋内
などの狭い場所での使用が制約されるという問題があっ
た。
【0005】また、これら両方式の車いすにあっては、
いずれも、停止状態から急発進を行うときや上り坂を走
行しているときなどに、誤って後方へ転倒するおそれが
あった。
【0006】本発明は、このような実情を考慮してなさ
れたものであり、その主要目的は、ハンドリムを操作す
る労力をあまり必要とせず、しかも比較的軽量かつ小型
であって走行時に後方へ転倒するおそれを防止すること
のできる車いすを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前部に
支持された前輪と後部に支持された駆動輪を設けたフレ
ーム体と、駆動輪に取り付けられ人的駆動力により駆動
輪を駆動するためのハンドリムを備えた車いすであっ
て、モータによって駆動する補助輪が前記フレーム体に
着脱自在に設けられ、該補助輪は、駆動輪のハブ軸より
も後方に補助輪の外周が位置するように設けられている
ことを特徴とする。
【0008】駆動輪は、使用者の人的駆動力により駆動
するものであれば、前輪であってもよく、後輪であって
もよい。通常は、一対の前輪が自在輪として構成され、
一対の後輪が駆動輪として構成される。ハンドリムは、
駆動輪の外側または内側に取り付けられて、使用者の手
による操作で駆動輪を回転駆動する。
【0009】モータは、駆動輪を補助的に駆動するため
に設けられても良い。すなわち、モータは、ハンドリム
から駆動輪に使用者の人的駆動力が一定の大きさで加わ
ったときに、その人的駆動力に所定の比率で電気的駆動
力を付加するように作用する。
【0010】モータは、通常、減速装置を備えている。
減速装置としては、プーリとベルトとの組み合わせや減
速歯車の組み合わせ、あるいはこれらを併用したものな
どが用いられる。騒音を抑えるためには、プーリとベル
トとの組み合わせを主とするものが好ましい。
【0011】バッテリ部としては、充電式乾電池、充電
式蓄電池、非充電式乾電池などのバッテリと、これらの
バッテリを所定個数収納するためのケースなどを備えた
ものが用いられる。
【0012】駆動力検出部は、ハンドリムに加わる人的
駆動力の大きさを検出する。この駆動力検出部として
は、たとえば、ハンドリムに一定の人的駆動力が加わっ
たときに縮み他のときに伸びる弾性体と、この弾性体の
伸縮量を駆動輪のハブ軸の長手方向への変位量に変換す
る変換部材と、この変換部材の変位量に応じて電気的出
力の変化を生じさせかつその出力を検出する検出部材と
を備えてなるものが用いられる。
【0013】制御部は、駆動力検出部が検出した人的駆
動力の値に基づいてモータを制御する。その制御の方法
としては、たとえば、a.検出した人的駆動力の値が大
きいときは駆動輪に大きい電気的駆動力を付加し、その
値が小さいときは駆動輪に小さい電気的駆動力を付加す
るように、モータの出力を制御したり、b.車いすの走
行速度が一定範囲内にあるときは検出した人的駆動力の
値と同じ値になるように電気的駆動力を付加し、同走行
速度がその一定範囲を超えたときは検出した人的駆動力
の値よりも小さい値になるように電気的駆動力を付加す
るようにモータの出力を制御したり、c.平地走行の場
合と坂道(上り坂または下り坂)走行の場合とでは、付
加すべき電気的駆動力の比率を変えたりなどする。
【0014】補助輪は、車いすが後方へ転倒するのを防
止するために駆動輪のハブ軸よりも後方に外周が位置す
るように設けられる。補助輪は、1つであってもよく、
複数個であってもよい。ここで、補助輪はモータにより
駆動される駆動輪とは別の動輪(前記モータまたは他の
モータにより回転される)として構成されてもよい。
【0015】このような補助輪は、固定状に取り付けら
れたものであってもよく、着脱可能に取り付けられたも
のであってもよい。後者の場合は、不要時に補助輪(お
よびその支持部材)を取り外せば、折り畳み型車いすを
折り畳んだり、自動車やトラックなどに搭載したりなど
するのに便利である。
【0016】補助輪はまた、折り畳みないし跳ね上げの
可能なものであってもよい。ここで、折り畳みないし跳
ね上げの可能なものとは、車いすの後方への転倒を防止
するための本来の位置から他の位置まで、左右または前
後へ所定角度だけ回動したりすることができるように構
成されていることをいう。補助輪が折り畳みないし跳ね
上げの可能なものである場合は、不要時に補助輪を折り
畳みあるいは跳ね上げておけば、たとえば介助者が車い
すを押すときなどに介助者の足に補助輪が邪魔になるお
それを防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳しく説明する。なお、これによって本発明
が限定されるものではない。なお、ここで「左」とは、
使用者が車いすに腰掛けたときにその左側をいい、
「右」とはその右側をいう。
【0018】
【実施例1】図1〜図3は、本発明の実施例1に係る折
り畳み型車いすD1 の外観構成を示す。
【0019】図1〜図3において、車いすD1 は、フレ
ーム体1と、このフレーム体1の前部に支持された左右
一対の自在輪(前輪)2・3と、フレーム体1の後部に
支持された左右一対の駆動輪(後輪)4・5と、各駆動
輪4・5に取り付けられた左右一対のハンドリム6・7
と、フレーム体1の後部上方に設けられた左右一対の握
り8・9と、フレーム体1の中央部に配されたシートユ
ニット10と、フレーム体1の左側に配されたバッテリ
部11とから、主として構成されている。
【0020】シートユニット10は、シート10a、背
もたれ10b、左右一対のひじ当て10c・10d、左
右一対のフットレスト10e・10fなどからなる。
【0021】2つの駆動輪4・5の間には左右一対の補
助輪101・102が設けられている。補助輪101・
102は、車いすD1 が後方へ転倒するのを防止するた
めのものであり、駆動輪4・5のハブ軸13よりも後方
でフレーム体1の下端部に取り付けられている。すなわ
ち、補助輪101・102は、自在輪である補助輪本体
101a・102aと、補助輪本体101a・102a
を前後回転可能に保持する保持具101b・102bと
から構成されている。保持具101b・102bはそれ
ぞれ、フレーム体1の下端部に取り付けられているが、
その取付状態は、後述するように、補助輪本体101a
・102aを内側へ回動させて保持具101b・102
bの取り付け部の真上に位置させることができるような
ものである。
【0022】図4に示すように、バッテリ部11は、正
面形状が略長方形の手提げ部付きのバッテリケース11
aと、バッテリケース11aの内部に収納された20個
の単一型充電式乾電池(1.2V×20=24V)とを
備えてなる。
【0023】シート10aの右側前部には切換スイッチ
12が配されている。切換スイッチ12は、図5にも示
すように、駆動輪4・5に電気的駆動力を付加するか否
かを選択するために電源を入・切する第1スイッチ12
aと、同電源が入ったときに、平地走行の場合と上り坂
道走行の場合とで付加する電気的駆動力の比率を変える
ための第2スイッチ12bとからなっている。
【0024】次に、左右駆動輪4・5および左右ハンド
リム6・7の内部構造や機能について説明する。これら
は左右対称なものであるので、以下、一方(左側または
右側)のみ説明し、他方の説明は省略する。
【0025】図6に示すように、駆動輪4のハブ軸13
は盤状ケーシング14により保護されている。ケーシン
グ14は、左右2分割状のものであり、2分割状の一方
である右側部材がハブ軸13に固定されて固定側ケーシ
ング部15とされ、同他方である左側部材がハブ軸13
を覆うハブ体16に取り付けられかつハンドリム6と一
体化されてハンドリム6および駆動輪4とともに回転可
能な回転側ケーシング部17とされている。
【0026】図7はケーシング14の内部構造を示す。
図7において、固定側ケーシング部15には、電子回路
基板18や放熱板19などからなる制御部20と、駆動
輪4を補助的に駆動するためのモータ21とが取り付け
られている。モータ21の回転は、モータ軸に取り付け
られたモータプーリ22、第1ベルト23、モータ21
の近傍で固定側ケーシング部15に取り付けられた第1
プーリ24、第1プーリ24と同軸に配された第2プー
リ25、第2ベルト26、第2プーリ25の近傍で固定
側ケーシング部15に取り付けられた第3プーリ27、
第3プーリ27と同軸に配された第4プーリ28、第3
ベルト29、ハブ体16と一体化された第5プーリ30
に減速伝達される。第5プーリ30が回転すると、回転
側ケーシング部17、駆動輪4およびハンドリム6がと
もに回転する。
【0027】次に、ハンドリム6に加わる人的駆動力を
検出する駆動力検出部40の構造および機能について、
図8〜図10に基づいて説明する。第5プーリ30に
は、その厚みの大部分にほぼ等しい深さの凹所31・3
1が2つ、ハブ軸13に関して互いに点対称位置に設け
られている。これらの凹所31・31にはそれぞれ、駆
動力検出部40の一部を構成する弾性体としての圧縮型
コイルバネ32・32が嵌め込まれている。コイルバネ
32・32は、その伸縮方向がハブ軸13の接線方向に
ほぼ平行にされている。
【0028】コイルバネ32は、その伸縮方向がハブ軸
13の接線方向にほぼ平行となるように配されている。
コイルバネ32の一方端部は凹所31の一方端壁に当接
され、他方端部は自由端部とされている。
【0029】33は、ハンドリム6と一体化されかつ第
5プーリ30と組み合わされた、駆動力検出部40の一
部を構成する変換部材の一方としての円板状の押圧・操
作板である。押圧・操作板33は、第5プーリ30側へ
突出した、一対の押圧部33a・33aと操作部33b
・33bとを、ハブ軸13に関して互いに点対称位置に
備えてなる。押圧・操作板33の押圧部33aと操作部
33bとは、第5プーリ30に形成された、ほぼ扇形の
2種の貫通孔30a・30bにそれぞれ、貫通孔30a
・30bの円周方向長さだけ回動できる状態にゆるく嵌
められている。
【0030】押圧部33aは、角柱状であり、駆動輪4
の停止時には、丸みを帯びた一方側部がコイルバネ32
の付勢力によりその自由端部に対向当接し、角張った他
方側部が凹所31の他方端壁に取り付けられた緩衝材と
してのゴム板34に対向当接している。操作部33b
は、押圧部33aよりも高さの低い角柱状であり、その
上面は、図8および図9における矢印方向−ハンドリム
6および押圧・操作板33の正回転方向−へ向かって下
り傾斜となる傾斜面部分にされている。
【0031】第5プーリ30および押圧・操作板33が
以上のように構成・配置されているので、押圧・操作板
33に加わるハンドリム6からの正方向(前進方向)の
人的駆動力がコイルバネ32の付勢力に打ち勝ったとき
に、押圧部33aがコイルバネ32を押圧して、押圧・
操作板33は所定範囲−貫通孔30a・30bの円周方
向長さの範囲−だけ正方向へ回動する。押圧・操作板3
3はまた、第5プーリ30の回転に伴って回転すること
もできる。
【0032】35は、ハブ体16にゆるく嵌められた、
駆動力検出部40の一部を構成する変換部材の他方とし
ての環状スライド体である。スライド体35は、第5プ
ーリ30に設けられたガイド30cに一部が嵌められて
おり、そのガイド33cにより、ハブ軸13方向のみに
スライド移動できるようになっている。スライド体35
の一方端部には、駆動力検出部40の一部を構成する検
出部材の一方としての磁性体であるフェライト製リング
37が被せ止められている。スライド体35およびリン
グ37は、ハブ体16に一方端部が固定された圧縮型コ
イルバネ36の他方端部により常時、押圧・操作板33
の方向へ付勢されている。
【0033】スライド体35はその他方端部に、押圧・
操作板33の操作部33b側へ突出した一対の円錐状突
起35a・35aを、中心軸に関して互いに点対称位置
に備えてなる。突起35aは、コイルバネ36の付勢力
により、押圧・操作板33の操作部33bにおける傾斜
面部分に常時、当接している。
【0034】38は、リング37の外側近傍に配され
た、駆動力検出部40の一部を構成する検出部材の他方
としてのコイルである。そして、コイル38の巻線が巻
かれているコイルボビン39の内側をリング37が移動
するようにされている。
【0035】次に、ハンドリム6による人的駆動力の検
出と、その検出結果に基づいて駆動輪4に所定の電気的
駆動力を付加する制御とについて、再び図8〜図10に
基づいて説明する。
【0036】停止状態にある車いすD1 が走行を始める
に際し、使用者はハンドリム6・7を握り、これらを前
方(正方向)へ回転させようとする。このとき、駆動輪
4・5は地面や床などに接しており、駆動輪4・5には
地面や床などとの摩擦に起因する力が大きく働く。この
ため、ハンドリム6・7と一体化された押圧・操作板3
3には、駆動輪4・5が回転を始める前に、使用者の正
方向への人的駆動力が作用する。そして、その人的駆動
力がコイルバネ32の付勢力に打ち勝ったときに、押圧
部33aがコイルバネ32を押圧するとともに、押圧・
操作板33が所定量だけ正方向へ回動する。
【0037】このように、押圧部33aがコイルバネ3
2を押し縮めながら押圧・操作板33が正方向へ回動す
ると、操作部33b・33bも正方向へ所定量だけ回動
し、操作部33b・33bにおける傾斜面部分がスライ
ド体35の突起35a・35aを押すので、コイルバネ
36の付勢力に抗して、スライド体35がリング37と
ともに、押圧・操作板33から離れる方向へスライド移
動する。
【0038】すると、リング37がコイルボビン39の
内側を押圧・操作板33から離れる方向へ移動すること
になり、これによってコイル38のインダクタンスが変
化し、コイル38に印加される電圧が変化する。すなわ
ち、ハンドリム6・7に加わる人的駆動力が大きくなれ
ばなるほど、コイルボビン39の内側に挿入されるリン
グ37の体積が大きくなり、インダクタンスが大きくな
る。インダクタンスが大きいほど電圧は小さくなり、イ
ンダクタンスが小さいほど電圧は大きくなるので、この
電圧の変化を検出することによって、人的駆動力の大き
さを検出することができる。そして、検出した人的駆動
力の大きさに応じて、制御部20の電子回路基板19に
あらかじめ記憶されているメモリーを備えたマイクロコ
ンピュータがモータ21を駆動制御する。
【0039】この制御の方式は次のようなものである。
すなわち、車いすD1 の平地または下り坂道における前
進走行速度が時速0〜2kmの範囲にあるときは、検出
した人的駆動力の値と同じ値になるように制御部20が
モータ21による電気的駆動力を付加する。つまり、電
気的駆動力/人的駆動力=1.0に制御する。また、同
走行速度が時速2〜4kmの範囲にあるときは、付加す
る電気的駆動力の比率を1.0〜0の範囲で直線的に減
らしていく。そして、同走行速度が時速4kmを超えた
ときは電気的駆動力を付加しない。
【0040】また、車いすD1 の上り坂道における前進
走行速度が時速0〜2kmの範囲にあるときは、検出し
た人的駆動力の値の20%増しの値になるように制御部
20がモータ21による電気的駆動力を付加する。つま
り、電気的駆動力/人的駆動力=1.2に制御する。ま
た、同走行速度が時速2〜4kmの範囲にあるときは、
付加する電気的駆動力の比率を1.2〜0の範囲で直線
的に減らしていく。そして、同走行速度が時速4kmを
超えたときは電気的駆動力を付加しない。
【0041】車いすD1 が平地または下り坂道における
前進走行をしているか、上り坂道における前進走行をし
ているかは、使用者の判断にまかせる。すなわち、使用
者が第1スイッチ12aを「入(アシスト)」側に切り
換えかつ第2スイッチ12bを「平地」側に切り換えた
ときは、車いすD1 が平地または下り坂道における前進
走行をするものとして、前記の制御が行われる。また、
使用者が第1スイッチ12aを「入(アシスト)」側に
切り換えかつ第2スイッチ12bを「坂道」側に切り換
えたときは、車いすD1 が上り坂道における前進走行を
するものとして、前記の制御が行われる。
【0042】次に、車いすD1 が前進走行を行ってお
り、使用者がハンドリム6・7を操作していない状態に
ついて説明する。この状態では人的駆動力がないので、
押圧・操作板33の押圧部33aがコイルバネ32を押
し縮めることがない。このため、押圧・操作板33の前
記回動は起きず、スライド体35およびリング37の移
動はない。すなわち、コイル38のインダクタンスが変
化することはなく、コイル38に印加される電圧も変化
しないため、モータ21による電気的駆動力の付加は行
われない。
【0043】また、平地や上り坂などで使用者がハンド
リム6・7を操作して加速をする場合について説明す
る。この場合は、前記の走行開始時と同様に、押圧部3
3aがコイルバネ32を押し縮めるので、押圧・操作板
33はハンドリム6・7に加わる人的駆動力の大きさに
応じて回動し、スライド体35およびリング37の移動
が生じ、コイル38に印加される電圧が変化して、モー
タ21による電気的駆動力の付加が行われる。
【0044】使用者が第1スイッチ12aを「切」側に
切り換えたときは、モータ21による電気的駆動力の付
加は行われず、車いすD1 は、ハンドリム6・7に加え
られる使用者の人的駆動力によってのみ駆動される。
【0045】次に、補助輪101・102における保持
具101b・102bの取付状態および回動動作につい
て、図11および図12に基づいて説明する。
【0046】保持具101b・102bはそれぞれ、フ
レーム1の下端部のうちの前後へ伸びる水平部分の後端
箇所−横断面形状が丸パイプ状−にその後端箇所を回動
軸として回動可能に取り付けられている。回動操作は車
いすD1 の使用者や介助者が手で行うが、その回動方向
は、補助輪本体101a・102aが同回動軸の下方位
置→内側横位置(図11)→上方位置(図12)→内側
横位置→下方位置と変位するような方向である。
【0047】換言すると、補助輪101・102は、車
いすD1 が後方へ転倒するのを防止するための本来の位
置(図1〜図3に示す位置)から他の位置(図11や図
12に示す位置)まで回動する、折り畳み(図11)な
いし跳ね上げ(図12)の可能なものである。
【0048】この車いすD1 は以上のように構成されて
おり、次のような利点を有している。
【0049】すなわち、車いすD1 は、ハンドリム6・
7に加わる人的駆動力を検出する駆動力検出部40(弾
性体としてのコイルバネ32・32、変換部材の一方と
しての押圧・操作板33、変換部材の他方としての環状
スライド体35、検出部材の一方としてのリング37、
検出部材の他方としてのコイル38)と、この駆動力検
出部40での検出結果に基づいて駆動輪4・5に所定の
電気的駆動力を付加すべくモータ21を制御する制御部
20とを備えている。そして、検出された人的駆動力の
大きさに応じて制御部20がモータ21を駆動制御し、
電気的駆動力を付加したりしなかったりする。したがっ
て、使用者がハンドリム6・7を操作する労力をあまり
必要としない。また、電動式車いすほどの大容量のバッ
テリを必要としないため、車いす全体の重さや大きさも
電動式車いすほどにはならず、自動車やトラックなどに
搭載する作業を比較的楽に行うことができる。
【0050】さらに、駆動力検出部40が、ハンドリム
6・7に一定の人的駆動力が加わったときに縮み他のと
きに伸びるコイルバネ32・32と、コイルバネ32・
32の伸縮量を駆動輪4・5のハブ軸13の長手方向へ
の変位量に変換する変換部材(押圧・操作板33および
スライド体35)と、変換部材の変位量に応じて電圧の
変化を生じさせかつその変化量を検出する検出部材(リ
ング37およびコイル38)とを備えている。したがっ
て、人的駆動力の変化をハブ軸13の長手方向への変位
量に変換することで、変化の度合いを拡大することがで
き、正確できめ細かい検出が可能になる。
【0051】加えて、補助輪101・102は、車いす
1 が後方へ転倒するのを防止するための本来の位置
(図1〜図3)から他の位置(図11や図12に示す位
置)まで回動する、折り畳み(図11)ないし跳ね上げ
(図12)の可能なものであるので、不要時に補助輪1
01・102を折り畳みあるいは跳ね上げておけば、た
とえば介助者が車いすD1 を押すときなどに補助輪10
1・102が邪魔になるおそれを防止することができ
る。また、車いすD1 を使用しないときは、図12に示
すように、補助輪101・102を図3に示す位置から
図12に示す位置まで上方へ180度回動させて跳ね上
げた後に折り畳むことができる。
【0052】
【実施例2】図13および図14は、本発明の実施例2
に係る折り畳み型車いすD2 の外観構成を示す。
【0053】図13および図14において、車いすD2
は、実施例1における車いすD1 と同様に、フレーム体
1と、自在輪2・3と、駆動輪4・5と、ハンドリム6
・7と、握り8・9と、シートユニット10と、バッテ
リ部11とから、主として構成されている。これらの主
要構成要素は車いすD1 におけるそれらと同じであるの
で、詳細な説明は省略する。
【0054】2つの駆動輪4・5の中間には1つの補助
輪103が設けられている。補助輪103は、車いすD
2 が後方へ転倒するのを防止するためのものであるとと
もに、後述のモータ103bにより回転される動輪を兼
ねる。補助輪103は、駆動輪4・5のハブ軸13より
も後方でフレーム体1の下端部に取り付けられている。
【0055】すなわち、補助輪103は、図15にも示
すように、動輪である補助輪本体103aと、補助輪本
体103aを回転するためのモータ103bと、モータ
103bを保持する水平な保持具103cとから構成さ
れている。保持具103cは、上下2枚の水平板部と左
右2枚の垂直板部と下側水平板部の下面中央に設けられ
たモータ保持板部とから構成されており、フレーム体1
の下端部に着脱可能に取り付けられている。その取り付
け・取り外しの詳細は後述する。
【0056】図16に示すように、駆動輪4のハブ軸1
3を保護するケーシング14は、車いすD1 におけるそ
れと同じである。ケーシング14の内部には、車いすD
1 におけるのと同じ駆動力検出部40(弾性体としての
コイルバネ32・32、変換部材の一方としての押圧・
操作板33、変換部材の他方としての環状スライド体3
5、検出部材の一方としてのリング37、検出部材の他
方としてのコイル38)と、この駆動力検出部40での
検出結果に基づいて動輪である補助輪本体103aに回
転力を与えることで駆動輪4・5に所定の電気的駆動力
を付加すべく外部のモータ103bを制御する制御部2
0(図示略)とを備えている。
【0057】制御部20によるモータ103bの制御
は、車いすD1 におけるのと同じであるので、詳細な説
明は省略する。
【0058】次に、補助輪103における保持具103
cの取り付け・取り外しについて、図17および図18
に基づいて説明する。
【0059】保持具103cにおける各垂直板部にはピ
ン孔103dが設けられている。一方、フレーム体1の
下端部のうちの前後へ伸びる水平部分の後端寄り箇所−
横断面形状が丸パイプ状−にはピン孔1aが設けられて
いる。そして、保持具103cをフレーム体1に取り付
け固定するには次のようにする。まず、平面形状がU字
状の板バネ104の一方端部に取り付けられたピン10
5を、板バネ104とともにフレーム体1の下端部の後
方からその内部に挿入する。次いで、ピン105の頭部
をフレーム体1のピン孔1aおよび保持具103cのピ
ン孔103dに圧入する。逆に、保持具103cを取り
外すには、図18の2点鎖線で示すように、ピン105
の頭部を指でフレーム体1の方へ押して、ピン孔103
dおよびピン孔1aから外すことにより行う。
【0060】この車いすD2 は以上のように構成されて
おり、次のような利点を有している。
【0061】すなわち、車いすD2 は、ハンドリム6・
7に加わる人的駆動力を検出する駆動力検出部40と、
この駆動力検出部40での検出結果に基づいてモータ駆
動輪である補助輪本体103aに所定の電気的駆動力を
付加すべくモータ103bを制御する制御部20とを備
えている。そして、検出された人的駆動力の大きさに応
じて制御部20がモータ103bを回転制御し、間接的
に駆動輪4・5に電気的駆動力を付加したりしなかった
りする。したがって、使用者がハンドリム6・7を操作
する労力をあまり必要としない。また、電動式車いすほ
どの大容量のバッテリを必要としないため、車いす全体
の重さや大きさも電動式車いすほどにはならず、自動車
やトラックなどに搭載する作業を比較的楽に行うことが
できる。
【0062】さらに、駆動力検出部40が、ハンドリム
6・7に一定の人的駆動力が加わったときに縮み他のと
きに伸びるコイルバネ32・32と、コイルバネ32・
32の伸縮量を駆動輪4・5のハブ軸13の長手方向へ
の変位量に変換する変換部材と、変換部材の変位量に応
じて電圧の変化を生じさせかつその変化量を検出する検
出部材とを備えている。したがって、人的駆動力の変化
をハブ軸13の長手方向への変位量に変換することで、
変化の度合いを拡大することができ、正確できめ細かい
検出が可能になる。
【0063】ここで、駆動力検出部40によって検出さ
れた検出結果に基づくモータ103bの制御について説
明する。左右の人的駆動力の方向が同じであるとき(車
いすD2 が直進走行状態にあるとき)には、左右のハン
ドリム6・7にかかる人的駆動力のうちの大きい方の信
号に基づいてモータ103bが駆動される。また、左右
のハンドリム6・7にかかる人的駆動力の方向が逆であ
るとき(車いすD2 が回転走行状態にあるとき)には、
左右のハンドリム6・7にそれぞれかかる人的駆動力の
差をとってモータ103bが駆動される。このような制
御により、直進走行をするときには、左右いずれかの駆
動輪4・5による人的駆動力に応じた電気的駆動力が付
加され、また回転走行をするときにはほとんど電気的駆
動力が付加されない。したがって、車いすD2 は、扱い
やすく、通常走行時には使用者の労力をあまり要しな
い、使い勝手のよいものである。
【0064】加えて、補助輪103は、車いすD2 が後
方へ転倒するのを防止するための本来の位置(図13お
よび図14)から取り外すことができるものであるの
で、不要時に補助輪103を取り外せば、車いすD2
折り畳んだり、自動車やトラックなどに搭載したりなど
するのに便利である。
【0065】
【発明の効果】本発明は、駆動輪のハブ軸よりも後方
に、モータによって駆動する補助輪が着脱自在に設けら
れているので、検出された人力駆動力の大きさに応じて
制御部がモータを駆動制御することができ、使用者がハ
ンドリムを操作する労力をあまり必要としない。また、
不要時に補助輪を取り外せば、車いすを折り畳んだり、
自動車やトラックなどに搭載したりなどするのに便利で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る車いすの全体外観を示
す側面図。
【図2】図1の車いすの平面図。
【図3】図1の車いすの背面図。
【図4】図1の車いすの1構成部材であるバッテリ部の
斜視図。
【図5】図1の車いすの1構成部材である切換スイッチ
の平面図。
【図6】図1の車いすの1構成部材であるケーシングの
背面断面図。
【図7】図6のケーシングの内部を示す側面図。
【図8】図6のケーシングの内部に配された駆動力検出
部を示す側面図。
【図9】図8の駆動力検出部を示す斜視図。
【図10】図8の駆動力検出部を示す背面断面図。
【図11】図1の車いすにおいて補助輪が折り畳まれて
いる状態を示す背面図。
【図12】図1の車いすにおいて補助輪が跳ね上げら
れ、車いすが折り畳まれた状態を示す背面図。
【図13】本発明の実施例2に係る車いすの全体外観を
示す側面図。
【図14】図13の車いすの背面図。
【図15】図13の車いすの1構成部材である補助輪の
斜視図。
【図16】図13の車いすの1構成部材であるケーシン
グの背面断面図。
【図17】図13の車いすの1構成部材である補助輪に
おける保持具の取り付け・取り外しの方法を説明する背
面図。
【図18】図17の保持具の取り付け・取り外しの方法
を説明する平面断面図。
【符号の説明】
4 駆動輪 5 駆動輪 6 ハンドリム 7 ハンドリム 11 バッテリ部 13 ハブ軸 20 制御部 21 モータ 40 駆動力検出部 101 補助輪 101a 補助輪本体 101b 保持具 102 補助輪 102a 補助輪本体 102b 保持具 103 補助輪 103a 補助輪本体 103b モータ 103c 保持具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 秀男 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−15468(JP,A) 特開 平8−266574(JP,A) 特開 平7−313555(JP,A) 実開 平6−26838(JP,U) 実開 昭54−24857(JP,U) 実開 平3−96822(JP,U) 実開 平4−18517(JP,U) 実開 昭51−23946(JP,U) 登録実用新案3007797(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61G 5/02 - 5/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前部に支持された前輪と後部に支持され
    た駆動輪を設けたフレーム体と、駆動輪に取り付けられ
    人的駆動力により駆動輪を駆動するためのハンドリムを
    備えた車いすであって、モータによって駆動する補助輪
    前記フレーム体に着脱自在に設けられ、該補助輪は、
    駆動輪のハブ軸よりも後方に補助輪の外周が位置するよ
    うに設けられていることを特徴とする車いす。
  2. 【請求項2】 前記駆動輪は左右一対に設けられ、前記
    補助輪は、前記駆動輪の中間に設けられたことを特徴と
    する請求項1記載の車いす。
  3. 【請求項3】 前記補助輪は、前記駆動輪のハブ軸より
    も後方で、車いすを構成するフレームの下端に取り付け
    られていることを特徴とする請求項1記載の車いす。
  4. 【請求項4】 前記補助輪は、上下二枚の水平板部と左
    右の垂直板部と下側水平板部の下面中央に設けられモー
    タを保持するモータ保持部とから構成されることを特徴
    とする請求項1記載の車いす。
  5. 【請求項5】 前記駆動輪には、前記ハンドリムに加わ
    る人的駆動力の大きさに応じて駆動するモータを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の車いす。
  6. 【請求項6】 前記補助輪は、前記ハンドリムに加わる
    人的駆動力の大きさに応じて駆動することを特徴とする
    請求項1記載の車いす。
JP19502195A 1995-07-31 1995-07-31 車いす Expired - Fee Related JP3524639B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19502195A JP3524639B2 (ja) 1995-07-31 1995-07-31 車いす
TW084110012A TW364844B (en) 1995-07-31 1995-09-26 Wheel chair

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19502195A JP3524639B2 (ja) 1995-07-31 1995-07-31 車いす

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0938143A JPH0938143A (ja) 1997-02-10
JP3524639B2 true JP3524639B2 (ja) 2004-05-10

Family

ID=16334223

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19502195A Expired - Fee Related JP3524639B2 (ja) 1995-07-31 1995-07-31 車いす

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3524639B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2005100261B4 (en) * 2005-03-27 2005-08-18 Zhang, Dongning Mr Mobility solution
KR100647080B1 (ko) * 2005-09-22 2006-11-23 피시앙 머시너리 휠체어용 보조 동력 유닛 기동 장치
CN105232246B (zh) * 2014-06-26 2019-03-15 周广刚 适用于高位截瘫患者的轮椅
CN105476766A (zh) * 2016-01-13 2016-04-13 明曜科技股份有限公司 轮椅控制系统及其控制方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3007797U (ja) 1994-05-11 1995-02-28 旭技研株式会社 車いす用電動ユニット

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3007797U (ja) 1994-05-11 1995-02-28 旭技研株式会社 車いす用電動ユニット

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0938143A (ja) 1997-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3524640B2 (ja) 車いす
US6065557A (en) Power assist assembly for wheeled vehicles
US5078227A (en) Auxiliary drive for vehicles
US4637274A (en) Auxiliary drive for pedal-driven road vehicles
CN102202955B (zh) 可折叠的婴儿车
US6059060A (en) Motor-operated wheelchair
JP3016234U (ja) 電動カート
JP2009083774A (ja) 電動歩行カート
JP3524639B2 (ja) 車いす
US10945900B1 (en) Powered wheelchair for beach terrain
JPH0775219A (ja) 電動車両
WO2004047707A3 (en) Motor powered all terrain wheelchair
JP3524638B2 (ja) 車いす
JP2001097274A (ja) 補助動力付き車両
JP3515557B2 (ja) 車いす
WO1992021550A1 (en) Knockdown electric motor-driven vehicle
JP2003000651A (ja) 車椅子
JPH08196572A (ja) 車椅子の走行駆動切換装置
JPH10129553A (ja) 動力補助機能付き自転車
JPH11276525A (ja) 車いす
JP3649814B2 (ja) 電動車
JPH1014987A (ja) 車椅子用の補助電動装置
JPH11276526A (ja) 車いす
JPH0558343B2 (ja)
JP3922485B2 (ja) 電動補助車椅子の惰行制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040213

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees