JP3523699B2 - 金属材料の材質判定装置 - Google Patents
金属材料の材質判定装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、レーザ加工機等にお
いて変位センサとして使用される渦電流形変位センサを
用いて金属材料の材質を判定する金属材料の材質判定装
置に関する。 【０００２】 【従来の技術】渦電流形変位センサは、図３に示すよう
に、レーザ加工機等において、加工ヘッドの先端部に設
けられた後述の渦電流センサと、金属材料Ｗとの距離Ｈ
を非接触で測定するものである。図１に従来の渦電流形
変位センサの回路構成を示してある。図示のように、イ
ンダクタＬ1 、Ｌ2 、抵抗Ｒ1 、Ｒ2 のブリッジからな
る渦電流センサ１と、このブリッジに高周波交流を供給
する高周波発振器３と、ブリッジの出力を増幅する増幅
器５と、この増幅器の出力を全波整流する同期整流回路
７と、この同期整流回路の出力を平均化する平滑回路９
等からなっている。なお、同期整流回路７には高周波発
振器３と同期をとるために、高周波発振器３の電圧波形
を比較器１１によって変換した方形波信号が供給されて
いる。また、比較器１３、位相比較器１５は後述するこ
の発明の付加部分である。 【０００３】この渦電流形変位センサは、加工ヘッドの
先端に設けられた渦電流センサの一つのインダクタ（他
のインダクタは温度補償用）のインピーダンスが、イン
ダクタと金属材料Ｗの距離によって変化し、平滑回路９
に距離Ｈに対応した出力電圧を生ずることを利用したも
のである。 【０００４】前記の平滑回路９の出力電圧は、金属材料
Ｗの材質が異なる場合には、一般に異なった電圧になる
ので、渦電流センサと金属材料の距離を一定にして、平
滑回路９の出力電圧を計れば、金属材料の材質を判定す
ることができる。従来からオペレータは、この方法によ
って金属材料の材質を判別し、判別された材質を加工条
件の一つとしてＮＣ装置へ入力していた。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】前記のように、従来か
らオペレータはレーザ加工を始める際、加工する金属材
料の材質を渦電流形変位センサの出力電圧で判別し、加
工条件の一つとして機械に入力していた。しかし、異な
る材質でも出力電圧が同じ場合もあり、この場合には材
質の判別ができないことがある。従って、渦電流形変位
センサの出力電圧のみで材質を判定することには危険が
あり、更に、加工の自動化（オペレータの手を煩わさず
に金属材料の材質を自動的に判定しＮＣ装置等へ入力す
る）も困難であった。 【０００６】この発明は、このような問題に着目してな
されたもので、渦電流形変位センサの出力電圧の他に、
高周波発振器の出力電圧とブリッジの出力電圧の位相差
を検出して、この二つの要素によって金属材料の材質を
判定し、その信頼性を向上させると共に、レーザ加工の
自動化等を容易にすることを目的とする。 【０００７】 【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、この発明は、ブリッジに組まれた渦電流センサ
と、前記ブリッジに高周波交流を供給する高周波発振器
と、前記高周波発振器の電圧波形を方形波に変換する第
１の比較器と、前記ブリッジの出力を増幅する増幅器
と、前記第１の比較器の方形波に基づいて前記高周波発
振器の出力と同期をとりながら前記増幅器の出力を全波
整流する同期整流回路と、前記同期整流回路の出力を平
均化する平滑回路と、前記増幅器の出力電圧の波形を方
形波に変換する第２の比較器と、前記第１の比較器の方
形波と前記第２の比較器の方形波との位相差を検出する
位相比較器とを備え、前記位相比較器の出力位相差と前
記平滑回路の出力電圧とから金属材料の材質を判定する
ものである。 【０００８】 【作用】このように構成されているので、金属材料の材
質が、従来のように渦電流形変位センサの出力電圧によ
って判断されると共に、更に位相検出器によって高周波
発振器の出力電圧と、ブリッジの出力電圧の位相差が検
出されるので、金属材料の材質の判定の信頼性が向上す
る。 【０００９】 【実施例】次に、この発明の実施例について図面に基づ
いて説明する。図１はこの発明による金属材料の材質判
定装置の一実施例を示し、この材質判定装置は、ブリッ
ジに組まれた渦電流センサ１と、ブリッジ（渦電流セン
サ１）に高周波交流を供給する高周波発振器３と、高周
波発振器３の電圧波形を方形波に変換する第１の比較器
１１と、ブリッジ（渦電流センサ１）の出力を増幅する
増幅器５と、第１の比較器１１の方形波に基づいて高周
波発振器３の出力と同期をとりながら増幅器５の出力を
全波整流する同期整流回路７と、同期整流回路７の出力
を平均化する平滑回路９と、増幅器５の出力電圧の波形
を方形波に変換する第２の比較器１３と、第１の比較器
１１の方形波と第２の比較器１３の方形波との位相差を
検出する位相比較器１５とを備えている。 【００１０】そして、この金属材料の材質判定装置は、
位相比較器１５の出力位相差と平滑回路９の出力電圧と
から金属材料の材質を判定するものである。 【００１１】この回路のＡ点、Ｂ点、Ｃ点における波形
を図２に示してある。（ａ）、（ｂ）、（ｃ）は金属材
料の材質が異なる場合で、θa ，θb ，θc は位相比較
器の出力、Ｖa ，Ｖb ，Ｖc は平滑回路９の平均出力で
ある。この回路によって金属材料ＳＵＳ４３０，ＳＰＣ
Ｃ，ＳＵＳ３０４等について、θ及びＶの実測値を示す
と、θはそれぞれ、１０゜，５０゜，８０゜、Ｖはそれ
ぞれ、９．８ｖ，６．４ｖ，０．２ｖであった。 【００１２】 【発明の効果】以上の説明から理解されるように、この
発明によれば、渦電流形変位センサの出力電圧を増幅、
同期整流、平滑した出力電圧の他に、高周波発振器の出
力電圧とブリッジ（渦電流センサ）の出力電圧の位相差
を検出して、この２つの要素によって金属材料の材質を
判定することができ、そのため、レーザ加工等における
金属材料の材質の判定においてその信頼性を向上させる
と共に、レーザ加工の自動化等が容易になるという効果
がある。
いて変位センサとして使用される渦電流形変位センサを
用いて金属材料の材質を判定する金属材料の材質判定装
置に関する。 【０００２】 【従来の技術】渦電流形変位センサは、図３に示すよう
に、レーザ加工機等において、加工ヘッドの先端部に設
けられた後述の渦電流センサと、金属材料Ｗとの距離Ｈ
を非接触で測定するものである。図１に従来の渦電流形
変位センサの回路構成を示してある。図示のように、イ
ンダクタＬ1 、Ｌ2 、抵抗Ｒ1 、Ｒ2 のブリッジからな
る渦電流センサ１と、このブリッジに高周波交流を供給
する高周波発振器３と、ブリッジの出力を増幅する増幅
器５と、この増幅器の出力を全波整流する同期整流回路
７と、この同期整流回路の出力を平均化する平滑回路９
等からなっている。なお、同期整流回路７には高周波発
振器３と同期をとるために、高周波発振器３の電圧波形
を比較器１１によって変換した方形波信号が供給されて
いる。また、比較器１３、位相比較器１５は後述するこ
の発明の付加部分である。 【０００３】この渦電流形変位センサは、加工ヘッドの
先端に設けられた渦電流センサの一つのインダクタ（他
のインダクタは温度補償用）のインピーダンスが、イン
ダクタと金属材料Ｗの距離によって変化し、平滑回路９
に距離Ｈに対応した出力電圧を生ずることを利用したも
のである。 【０００４】前記の平滑回路９の出力電圧は、金属材料
Ｗの材質が異なる場合には、一般に異なった電圧になる
ので、渦電流センサと金属材料の距離を一定にして、平
滑回路９の出力電圧を計れば、金属材料の材質を判定す
ることができる。従来からオペレータは、この方法によ
って金属材料の材質を判別し、判別された材質を加工条
件の一つとしてＮＣ装置へ入力していた。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】前記のように、従来か
らオペレータはレーザ加工を始める際、加工する金属材
料の材質を渦電流形変位センサの出力電圧で判別し、加
工条件の一つとして機械に入力していた。しかし、異な
る材質でも出力電圧が同じ場合もあり、この場合には材
質の判別ができないことがある。従って、渦電流形変位
センサの出力電圧のみで材質を判定することには危険が
あり、更に、加工の自動化（オペレータの手を煩わさず
に金属材料の材質を自動的に判定しＮＣ装置等へ入力す
る）も困難であった。 【０００６】この発明は、このような問題に着目してな
されたもので、渦電流形変位センサの出力電圧の他に、
高周波発振器の出力電圧とブリッジの出力電圧の位相差
を検出して、この二つの要素によって金属材料の材質を
判定し、その信頼性を向上させると共に、レーザ加工の
自動化等を容易にすることを目的とする。 【０００７】 【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、この発明は、ブリッジに組まれた渦電流センサ
と、前記ブリッジに高周波交流を供給する高周波発振器
と、前記高周波発振器の電圧波形を方形波に変換する第
１の比較器と、前記ブリッジの出力を増幅する増幅器
と、前記第１の比較器の方形波に基づいて前記高周波発
振器の出力と同期をとりながら前記増幅器の出力を全波
整流する同期整流回路と、前記同期整流回路の出力を平
均化する平滑回路と、前記増幅器の出力電圧の波形を方
形波に変換する第２の比較器と、前記第１の比較器の方
形波と前記第２の比較器の方形波との位相差を検出する
位相比較器とを備え、前記位相比較器の出力位相差と前
記平滑回路の出力電圧とから金属材料の材質を判定する
ものである。 【０００８】 【作用】このように構成されているので、金属材料の材
質が、従来のように渦電流形変位センサの出力電圧によ
って判断されると共に、更に位相検出器によって高周波
発振器の出力電圧と、ブリッジの出力電圧の位相差が検
出されるので、金属材料の材質の判定の信頼性が向上す
る。 【０００９】 【実施例】次に、この発明の実施例について図面に基づ
いて説明する。図１はこの発明による金属材料の材質判
定装置の一実施例を示し、この材質判定装置は、ブリッ
ジに組まれた渦電流センサ１と、ブリッジ（渦電流セン
サ１）に高周波交流を供給する高周波発振器３と、高周
波発振器３の電圧波形を方形波に変換する第１の比較器
１１と、ブリッジ（渦電流センサ１）の出力を増幅する
増幅器５と、第１の比較器１１の方形波に基づいて高周
波発振器３の出力と同期をとりながら増幅器５の出力を
全波整流する同期整流回路７と、同期整流回路７の出力
を平均化する平滑回路９と、増幅器５の出力電圧の波形
を方形波に変換する第２の比較器１３と、第１の比較器
１１の方形波と第２の比較器１３の方形波との位相差を
検出する位相比較器１５とを備えている。 【００１０】そして、この金属材料の材質判定装置は、
位相比較器１５の出力位相差と平滑回路９の出力電圧と
から金属材料の材質を判定するものである。 【００１１】この回路のＡ点、Ｂ点、Ｃ点における波形
を図２に示してある。（ａ）、（ｂ）、（ｃ）は金属材
料の材質が異なる場合で、θa ，θb ，θc は位相比較
器の出力、Ｖa ，Ｖb ，Ｖc は平滑回路９の平均出力で
ある。この回路によって金属材料ＳＵＳ４３０，ＳＰＣ
Ｃ，ＳＵＳ３０４等について、θ及びＶの実測値を示す
と、θはそれぞれ、１０゜，５０゜，８０゜、Ｖはそれ
ぞれ、９．８ｖ，６．４ｖ，０．２ｖであった。 【００１２】 【発明の効果】以上の説明から理解されるように、この
発明によれば、渦電流形変位センサの出力電圧を増幅、
同期整流、平滑した出力電圧の他に、高周波発振器の出
力電圧とブリッジ（渦電流センサ）の出力電圧の位相差
を検出して、この２つの要素によって金属材料の材質を
判定することができ、そのため、レーザ加工等における
金属材料の材質の判定においてその信頼性を向上させる
と共に、レーザ加工の自動化等が容易になるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施例の説明図である。
【図２】図１のＡ点、Ｂ点、Ｃ点における波形の説明図
である。 【図３】レーザ加工における加工ヘッド、渦電流センサ
及び金属材料の位置関係の説明図である。 【符号の説明】 １ 渦電流センサ ３ 高周波発振器 ５ 増幅器 ７ 同期整流回路 ９ 平滑回路 １１ 比較器 １３ 比較器 １５ 位相比較器
である。 【図３】レーザ加工における加工ヘッド、渦電流センサ
及び金属材料の位置関係の説明図である。 【符号の説明】 １ 渦電流センサ ３ 高周波発振器 ５ 増幅器 ７ 同期整流回路 ９ 平滑回路 １１ 比較器 １３ 比較器 １５ 位相比較器
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
G01N 27/72 - 27/90
ＰＡＴＯＬＩＳ
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 ブリッジに組まれた渦電流センサと、 前記ブリッジに高周波交流を供給する高周波発振器と、前記高周波発振器の電圧波形を方形波に変換する第１の
比較器と、 前記ブリッジの出力を増幅する増幅器と、前記第１の比較器の方形波に基づいて前記高周波発振器
の出力と同期をとりながら 前記増幅器の出力を全波整流
する同期整流回路と、 前記同期整流回路の出力を平均化する平滑回路と、前記増幅器の出力電圧の波形を方形波に変換する第２の
比較器と、 前記第１の比較器の方形波と前記第２の比較器の方形波
と の位相差を検出する位相比較器とを備え、前記位相比較器の出力 位相差と前記平滑回路の出力電圧
とから金属材料の材質を判定することを特徴とする金属
材料の材質判定装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32895094A JP3523699B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 金属材料の材質判定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32895094A JP3523699B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 金属材料の材質判定装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08184579A JPH08184579A (ja) | 1996-07-16 |
| JP3523699B2 true JP3523699B2 (ja) | 2004-04-26 |
Family
ID=18215922
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32895094A Expired - Fee Related JP3523699B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 金属材料の材質判定装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3523699B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5373541B2 (ja) * | 2009-10-16 | 2013-12-18 | 国立大学法人信州大学 | 金属部品の磁界検出センサー及び金属部品の良否判定方法 |
-
1994
- 1994-12-28 JP JP32895094A patent/JP3523699B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08184579A (ja) | 1996-07-16 |
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