JP5373541B2 - 金属部品の磁界検出センサー及び金属部品の良否判定方法 - Google Patents

金属部品の磁界検出センサー及び金属部品の良否判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属部品の磁界検出センサー、及び金属部品の良否判定方法に関する。更に詳しくは、金属部品の空孔率分、残留磁界、残留応力等を計測し、金属部品が一定の品質を有しているか否かの良否を判定するための金属部品の磁界検出センサー及び金属部品の良否判定方法に関する。
金属部品の面圧疲労強度、例えば、焼結歯車の歯面の面圧疲労強度は、転造加工された歯車の空孔率とその深さに依存しており、歯の歯面の表面から1〜2mmの深さまでの範囲において、空孔率を0.5%以下にすることで強度を高めることができる。インラインで焼結歯車の空孔率分布測定が可能となれば、信頼性の高い製品の安定した供給が可能となる。
しかし、従来の空孔率の測定は、1)歯車の切断写真によって空孔率を測定する方法、2)鋼球を歯車に所定の荷重で押し込んで、その押し込み量によって測定する方法(特許文献1参照)、が用いられている。残留応力に関しては、例えば特許文献2に、測定対象部材に衝撃波を与え、それによって生ずる表面波振動信号から残留応力を測定する技術が開示されている。
特開平11−258137号公報 特開2001−221697号公報
しかしながら、上述の従来技術は、いずれも破壊検査方法、又は、機械的な振動を与えるものであり、製造ラインでのインライン計測には向いていない。転造歯車の適用例が拡大するにしたがって、非破壊で、かつ高精度に空孔率の分布を測定ができるセンサーが強く要求されるようになってきた。
本発明は、上記従来の事情に鑑みて案出されたものであり、下記の目的を達成するものである。
本発明の目的は、非破壊でかつ高精度に、金属部品の空孔率、金属部品の残留磁界、金属部品の残留応力が測定できる、金属部品の磁界検出センサー及び金属部品の良否判定方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、センサーを用いることにより、金属部品の良否を簡便に判定する、金属部品の磁界検出センサー及び金属部品の良否判定方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、金属部品の製造・加工・品質管理の高精度化に寄与する、金属部品の磁界検出センサー及び金属部品の良否判定方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の第1発明の金属部品の磁界検出センサーは、金属を加工して製造された金属部品の一部に装着され、交流磁界を発生するためのもので、励振コイルからなる励振手段と、前記金属部品の一部に装着され、前記交流磁界を検出するためのもので、検出コイルからなる検出手段と、前記励振手段に交流電圧を供給するための周波数可変型の発振器と、前記検出手段の出力と前記発振器の出力を入力とし、前記検出手段の出力を、前記交流電圧と同期して整流するための同期整流器と、前記同期整流器の出力を平滑化して平均電圧を出力する平滑回路と、前記検出手段の出力と前記発振器の出力とから位相信号を出力する位相比較器と、及び、前記発振器の周波数を可変させて、前記位相比較器からの出力信号により、前記金属部品が所定の品質であるか否かの良否判定をする判定手段とを有する金属部品の磁界検出センサーであって、前記金属部品は、焼結金属を転造加工した焼結歯車であり、前記検出コイルは、前記焼結歯車の歯の上に被され、前記検出コイルの上に前記励振コイルが被され、前記検出コイルには、前記交流磁界の影響で発生したもので、かつ、前記金属部品の透磁率の影響を受ける、誘導起電力が発生し、前記検出コイルは、前記誘導起電力による電圧出力を出力することを特徴とする。
本発明の第発明の金属部品の磁界検出センサーは、第1発明の金属部品の磁界検出センサーにおいて、前記励振コイルは、前記焼結歯車の1つの歯面に接触して装着され、前記検出コイルは、前記焼結歯車の他方の歯面に接触して装着されていることを特徴とする。
本発明の第発明の金属部品の磁界検出センサーは、第1又は2発明の金属部品の磁界検出センサーにおいて、前記励磁手段は、導線の外周を磁性体薄膜で覆った構造を有する磁性メッキ線コイルを用いた、ことを特徴とする。
本発明の第発明の金属部品の磁界検出センサーは、第1又は2発明の金属部品の磁界検出センサーにおいて、前記検出手段は、導線からなる導線コイル、導線の外周を磁性体薄膜で覆った構造を有する磁性メッキ線コイル、強磁性体に磁界が加わると電気抵抗の値が増大し電流が変化する磁気抵抗効を利用した磁気抵抗素子、ホール効果を利用して磁界を検出するホール素子、及び磁気インピーダンス効果を利用して磁界を検出する磁気インピーダンスセンサの中から選択される1種である、ことを特徴とする。
本発明の第発明の金属部品の良否判定方法は、第1〜発明の金属部品の磁界検出センサーのいずれかの磁界検出センサーを用い、前記発振器の周波数を可変させて、前記位相比較器からの位相信号の余弦成分に前記平均電圧を乗じて得た値に対する前記位相信号の正弦成分と前記平均電圧を乗じて得た値の軌跡と、予め設定した軌跡とを比較することにより、前記金属部品内の空孔率分布、前記金属部品内の残留磁界、及び前記金属部品内の残留応力の中から選択される1つの特性を求めて、前記金属部品が所定の品質であるか否かの良否判定をする、ことを特徴とする。
本発明の第発明の金属部品の良否判定方法は、金属の粉体を焼結して製造された焼結加工金属部品を転造加工した転造溶製加工金属部品からなる金属部品の一部の近傍に、励振コイルからなる励振手段に交流電圧を供給して交流磁界を発生させ、磁界を検出ためのもので、検出コイルからなる検出手段で前記交流磁界を検出し、前記検出コイルには、前記交流磁界の影響で発生したもので、かつ、前記金属部品の透磁率の影響を受ける、誘導起電力が発生し、前記検出コイルは、前記誘導起電力による電圧出力を出力し、前記検出手段の出力電圧又は出力電流を整流し、平滑化して平均電圧を求め、前記検出された前記交流磁界と、前記交流電圧の位相差を示す位相信号を求め、前記交流電圧の周波数を可変させたとき、前記位相信号の余弦成分に前記平均電圧を乗じて得た値に対する前記位相信号の正弦成分と前記平均電圧を乗じて得た値の軌跡と、予め設定した軌跡と比較することにより、前記金属部品内の空孔率分布、前記金属部品内の残留磁界、及び前記金属部品内の残留応力から選択される1以上の特性を求めて、前記金属部品が所定の品質であるか否かの良否判定をすることを特徴とする。
上述の金属部品の磁界検出センサーは、検出手段の出力電圧又は出力電流を増幅するための増幅器を有すると良い。この場合は、増幅器の出力は、発振器の出力と共に同期整流器を入力され、増幅器の出力と交流電圧と同期されて整流される。また、増幅器の出力は、発振器の出力と共に位相比較器に入力され、位相比較器から位相信号が出力される。
以上の本発明では、非破壊でかつ高精度、短時間、リアルタイムに金属部品の磁界特性を測定できる。この磁界特性を用いて、金属部品が一定の品質を有する否かを簡便に判定できるので、金属部品の製造又は加工時の機器に搭載して、インライン計測が可能となる。また、金属部品の製造後又は加工後、その品質管理のための諸測定にも利用することが可能である。
本発明によれば、非破壊でかつ高精度に、金属部品の空孔率、金属部品の残留磁界、金属部品の残留応力の内1以上が測定できる。また、該センサーを用いることにより、金属部品の良否判定が簡便にできる。
更に、本発明によれば、溶製加工金属部品、焼結加工金属部品、それらの転造加工部品の空孔率分布、残留磁界、残留応力を非破壊で、かつ高精度、短時間で測定できて、製造工程、転造加工、品質管理工程で、これらの金属部品が一定の品質を有するか否かの良否判定ができる。
本発明の実施の形態1における磁界検出センサーである。 本発明の実施の形態1における焼結金属の抵抗率と透磁率−空孔率特性である。 本発明の実施の形態1における焼結金属の空孔率と抵抗率および透磁率−表面からの深さ特性である。 本発明の実施の形態1における転造加工の良否判定方法である。 本発明の実施の形態2における磁界検出センサーである。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1の励振コイルと検出コイルを用いた磁界検出センサーの全体構成を示している。焼結歯車1は、焼結金属を転造加工した歯車であり、その歯の1つの一方の歯面に接触して励振コイル3が装着され、他方の歯面に接触して検出コイル4が装着されている。励振コイル3は、その周囲に交流磁界を発生させるためのものである。励振コイル3は、所定の強さの交流磁界を発生させるものであれば、公知の任意の構造のものを用いて良い。励振コイル3は、本例ではボビンに導線を巻いたものである。
図1に示した例では、励振コイル3と検出コイル4は、歯車1の1つの歯面の頂部から被せる(接触して載置する。)タイプのリング状のコイルである。歯車1の歯面の上に、検出コイル4が被され、その上に励振コイル3が被されている。検出コイル4は、励振コイル3によって発生した交流磁界を検出するものである。検出コイル4は、励振コイル3によって発生した交流磁界の影響で、その中に誘導起電力が発生し、出力電圧を出力するものである。励振コイル3には、交流電圧を供給する周波数可変型の発振器5が接続されており、該発振器5から励振電圧が印加される。
発振器5は、同時に比較器9を介して同期整流器7及び位相比較器11へ接続されている。比較器9は、発振器5の正弦波電圧を方形波電圧に変換するためのものである。同期整流器7は、検出コイル4の出力を直流電圧にする変換するための回路である。同期整流器7は、検出コイル4の出力を、発振器5の交流電圧に同期して、直流電圧にする。位相比較器11は、それに入力される入力電圧の位相を比較し、入力電圧の位相差を出力するための回路である。
一方、検出コイル4は、増幅器6を介して同期整流器7及び、比較器10に接続されている。増幅器6は、検出コイル4の出力電圧又は出力電流を増幅するための回路である。比較器10は、検出コイル4の正弦波電圧を方形波電圧に変換するためのものである。さらに、同期整流器7は、平滑回路8へ接続されている。平滑回路8は、同期整流器7で整流された電流の中に含まれている脈流をより直流に近い状態にして平滑化するための回路である。
よって、平滑回路8からは、同期整流器7から出力された電圧の上下差をより平坦に近づけて出力する。平滑回路8から出力される電圧は、平均電圧Vになる。比較器10は、位相比較器11へ接続されている。そして、歯車1の歯の1つの一方の歯面に励振コイル3を装着し、他方の歯面に検出コイル4を装着した後、発振機5から励振コイル3に励振電圧を印加する。励振コイル3に励振電圧が印加されると、励振コイル3の周囲に交流磁界が発生し、この交流磁界の影響で検出コイル4には誘導起電力が発生する。
この交流磁界は、歯車の透磁率と抵抗率の影響を受け、結果的に、検出コイル4に発生する誘導起電力が、歯車の透磁率と抵抗率の影響を受けることになる。検出コイル4に発生した誘導起電力による検出コイル4の出力電圧は、増幅器6によって増幅されて、同期整流回路7に入力される。一方、発振器5からの出力電圧は、比較器9を通して同期整流器7に入力され、平滑回路8を経て平均電圧Vが出力される。また、発振器5の出力電圧は、比較器9を通して同期整流器7に入力されている。
同期整流器7の出力は、平滑回路8を通して平均電圧Vとなる。さらに、位相比較器11には、検出コイル4からの検出信号が増幅器6、比較器10を経た信号と、発振器5の出力電圧が比較器9を経た信号とが入力され、両信号の位相差が位相信号θとして出力される。なお、歯車は転造加工によって、歯車の表面から深さd方向に空孔率が変化しており、空孔率が減少した部位2が生じている。
図2は、焼結金属を転造加工したときの抵抗率と透磁率−空孔率特性である。空孔率が増加するにしたがって抵抗率は増加して、一方、透磁率は減少する。この抵抗率は、焼結金属の電気抵抗率である。透磁率は、磁界の強さとHと磁束密度Bとの間の関係を表わした時の比例定数μであり、ここでは焼結金属の透磁率を表す。空孔率は、材料の中で空気(空間)が占める割合の値である。
図3は空孔率と抵抗率および透磁率−加工表面からの深さd(図1参照)との関係を示す特性図である。歯の表面近傍では転造加工によって空孔率が小さくなっている。深さdが深くなると空孔率が徐々に大きくなり、その後、焼結素材が本来持っている空孔率へと漸近する。さらに、図2に示した抵抗率と透磁率−空孔率特性と図3の空孔率−深さd特性に基づいて、深さdが大きくなるにしたがって透磁率は減少する。一方、抵抗率は増加する。
図4は、Vsinθ−Vcosθ特性である。VsinθとVcosθは、図1に示した平均電圧Vと位相信号θを用いて算出する。同図中に示した実測値は、周波数fを変化させた場合のVsinθとVcosθの軌跡を示している。つまり、周波数fを可変させたとき、位相信号θの余弦成分に平均電圧Vを乗じて得た値に対する、位相信号θの正弦成分と平均電圧Vを乗じて得た値の軌跡である。この軌跡を予め設定した軌跡と比較することにより、その差から、歯車1の品質の良否が判定できる。
周波数f(Hz)における磁束の浸透深さδは、透磁率μ(H/m)と抵抗率ρ(Ωm)を用いて下式で表される。
Figure 0005373541
図1に示した発振器5の周波数fを変化させると数1に基づいて磁束の浸透深さδが変化し、図1に示した平均電圧Vと位相信号θが変化する。図3に示したように深さdに対する透磁率と抵抗率は空孔率との相関があるために、周波数fを変化させると図4に示した実測値が得られる。
さらに、図4に示したVsinθ−Vcosθ特性の判断基準と実測値とを比較することで、転造加工の良否を判断することができる。なお、転造加工の良否判断の基準は、従来の空孔率測定である歯車の切断写真による空孔率分布とVsinθ−Vcosθ特性とを比較することで、決定することができる。
図1に示した第1実施の形態では検出コイル4が1つの場合について説明した。しかし、検出コイル4が複数であってもよく、この場合には使用する検出コイル4をスイッチ(図1には図示していない)で切り換えて増幅器6に入力すれば良い。検出コイル4が多数あるために歯部の各部位の空孔率測定が可能となる。また近傍の検出コイルを温度、振動、インパルス等のノイズ補償コイルとして差動ロジックを生成し、高精度計測を可能にすることもできる。
また、図1の励磁コイル3及び検出コイル4には、コイルの外周を磁性体薄膜で覆った構造を有する磁性メッキ線コイルを用いることで、磁界検出センサーの高感度、小形化が実現できる。特に、検出コイル4に磁性メッキ線コイルを用いると、交流磁界を検出する検出コイル4の検出感度が向上する。言い換えると、交流磁界が同じだとすると、より、小型の検出コイル4で交流磁界が検出でき、小形化が実現できる。例えば、磁性メッキ線コイルには、銅線等のコイルの外周を磁性体薄膜で覆った磁性めっき線を用いることができる。
[実施の形態2]
図5は、本発明の実施の形態2であり、励振コイル3と磁気抵抗素子12を用いた磁界検出センサーを示している。第2実施の形態における磁界検出センサーは、第1実施の形態(図1参照)における検出コイル4の代わりに、励振コイル3の下に多数の磁気抵抗素子12が配置されている。磁気抵抗素子12は、強磁性体の素子であり、磁界がこの磁気抵抗素子12に加わるとその電気抵抗の値が増大し、磁気抵抗素子12を流れる電流が変化するものである。磁気抵抗素子12は、材料の磁気抵抗効を利用したものである。
図5の励振コイル3は、図1に示した発振器5に接続されており、各磁気抵抗素子12はスイッチ(同図には図示していない)を介して図1に示した増幅器6に接続される。動作原理は前述の第1実施の形態と同様である。また、磁気抵抗素子12に代えて、ホール効果を利用して磁界を検出するホール素子、又は、磁気インピーダンス効果を利用して磁界を検出する磁気インピーダンスセンサであってもよい。
〔その他〕
上述の実施の形態1及び実施の形態2は、焼結金属の焼結素材を扱っているが、焼結素材の代わりに、溶製で製造された金属部品も利用できる。更に、実施の形態1及び実施の形態2は、焼結金属の空孔率を測定しているが、同様な方法で、残留磁界、残留応力も検出できる。
一般的に、金属部品を溶製で製造するとき、金型に入っている溶湯は、金型の形状の細かい部分、そして金型の表面から冷えはじめ、この部分が先にかたまり、内部では後から冷えて収縮しようとする。このとき、先に固まった外部の金属には、内側の金属に引っ張られて縮もうとする力が残る。これと同時に、金属部品の内部の金属には、外部の金属に引っ張られる力が残る。このようにして金属の内部に残留した応力は、残留応力である。
残留磁界は、金属からできている金属部品の製造時、加工時に、意図的に、非意図的にできたものである。例えば、非磁性のオーステナイト相からできているステンレス金属が、加工するとき、マルテンサイト相に変化し、磁性特性を持つようになる。無論、強磁性体の材料の金属部品の場合は、残留応力と共に残留磁界もある。このように、金属部品は、金属を溶解して溶製された溶製加工金属部品、金属の粉体を焼結して製造された焼結加工金属部品、溶製加工金属部品又は焼結加工金属部品を転造加工した転造加工金属部品に応用できる。
本第1及び第2実施の形態では、測定対象が転造歯車である場合について説明した。しかし、転造歯車に限定されるものではなく、転造ねじ等の転造加工された金属製品、焼成又は溶製で製造された金属製品等に適用できる。
1…歯車
2…転造加工によって空孔率が減少した部位
3…励振コイル
4…検出コイル
5…発振器
6…増幅器
7…同期整流器
8…平滑回路
9…比較器
10…比較器
11…位相比較器
12…磁気抵抗素子

Claims (6)

  1. 金属を加工して製造された金属部品の一部に装着され、交流磁界を発生するためのもので、励振コイルからなる励振手段と、
    前記金属部品の一部に装着され、前記交流磁界を検出するためのもので、検出コイルからなる検出手段と、
    前記励振手段に交流電圧を供給するための周波数可変型の発振器と、
    前記検出手段の出力と前記発振器の出力を入力とし、前記検出手段の出力を、前記交流電圧と同期して整流するための同期整流器と、
    前記同期整流器の出力を平滑化して平均電圧を出力する平滑回路と、
    前記検出手段の出力と前記発振器の出力とから位相信号を出力する位相比較器と、及び、
    前記発振器の周波数を可変させて、前記位相比較器からの出力信号により、前記金属部品が所定の品質であるか否かの良否判定をする判定手段と
    を有する金属部品の磁界検出センサーであって、
    前記金属部品は、焼結金属を転造加工した焼結歯車であり、
    前記検出コイルは、前記焼結歯車の歯の上に被され、
    前記検出コイルの上に前記励振コイルが被され
    前記検出コイルには、前記交流磁界の影響で発生したもので、かつ、前記金属部品の透磁率の影響を受ける、誘導起電力が発生し、
    前記検出コイルは、前記誘導起電力による電圧出力を出力する
    ことを特徴とする金属部品の磁界検出センサー。
  2. 前記請求項1に記載の金属部品の磁界検出センサーにおいて、
    前記励振コイルは、前記焼結歯車の1つの歯面に接触して装着され、
    前記検出コイルは、前記焼結歯車の他方の歯面に接触して装着されている
    ことを特徴とする金属部品の磁界検出センサー。
  3. 前記請求項1又は2に記載の金属部品の磁界検出センサーにおいて、
    前記励磁手段は、導線の外周を磁性体薄膜で覆った構造を有する磁性メッキ線コイルを用いた、ことを特徴とする金属部品の磁界検出センサー。
  4. 前記請求項1又は2に記載の金属部品の磁界検出センサーにおいて、
    前記検出手段は、導線からなる導線コイル、導線の外周を磁性体薄膜で覆った構造を有する磁性メッキ線コイル、強磁性体に磁界が加わると電気抵抗の値が増大し電流が変化する磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗素子、ホール効果を利用して磁界を検出するホール素子、及び磁気インピーダンス効果を利用して磁界を検出する磁気インピーダンスセンサの中から選択される1種である、ことを特徴とする金属部品の磁界検出センサー。
  5. 前記請求項1〜請求項に記載の金属部品の磁界検出センサーのいずれか1項に記載の磁界検出センサーを用い、
    前記発振器の周波数を可変させて、前記位相比較器からの位相信号の余弦成分に前記平均電圧を乗じて得た値に対する前記位相信号の正弦成分と前記平均電圧を乗じて得た値の軌跡と、予め設定した軌跡とを比較することにより、前記金属部品内の空孔率分布、前記金属部品内の残留磁界、及び前記金属部品内の残留応力の中から選択される1つの特性を求めて、前記金属部品が所定の品質であるか否かの良否判定をする、
    ことを特徴とする金属部品の良否判定方法。
  6. 金属の粉体を焼結して製造された焼結加工金属部品を転造加工した転造溶製加工金属部品からなる金属部品の一部の近傍に、励振コイルからなる励振手段に交流電圧を供給して交流磁界を発生させ、
    磁界を検出ためのもので、検出コイルからなる検出手段で前記交流磁界を検出し、
    前記検出コイルには、前記交流磁界の影響で発生したもので、かつ、前記金属部品の透磁率の影響を受ける、誘導起電力が発生し、
    前記検出コイルは、前記誘導起電力による電圧出力を出力し、
    前記検出手段の出力電圧又は出力電流を整流し、平滑化して平均電圧を求め、
    前記検出された前記交流磁界と、前記交流電圧の位相差を示す位相信号を求め、
    前記交流電圧の周波数を可変させたとき、前記位相信号の余弦成分に前記平均電圧を乗じて得た値に対する前記位相信号の正弦成分と前記平均電圧を乗じて得た値の軌跡と、予め設定した軌跡と比較することにより、前記金属部品内の空孔率分布、前記金属部品内の残留磁界、及び前記金属部品内の残留応力から選択される1以上の特性を求めて、
    前記金属部品が所定の品質であるか否かの良否判定をする
    ことを特徴とする金属部品の良否判定方法。
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