JP2014219329A - 金属部品の検査用センサー及び金属部品の良否判定方法 - Google Patents

金属部品の検査用センサー及び金属部品の良否判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非破壊でかつ高精度に、金属部品の気孔率、金属部品の残留磁界、金属部品の残留応力が測定できる、金属部品の検査用センサー及び金属部品の良否判定方法を提供する。
【解決手段】金属部品の検査用センサー1は、磁心4及び磁心4に装着された励振コイル2と検出コイル3からなる。磁心4を金属部品の一部に接触させて、磁心と金属部品からなる閉じた磁気回路を形成し、検査を行う。励振コイル2に交流電圧が印加さて、励振コイル2が交流磁界を発生し、交流磁界の磁束8、8aはこの閉じた回路を流れて、検出コイル3に誘導起電力が発生する。この誘起起電力は、金属部品の透磁率、抵抗率、気孔率の影響を受けるもので、検出コイル3の出力値を信号処理して、金属部品の良否を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属部品の検査用センサー及び金属部品の良否判定方法に関する。更に詳しくは、金属部品の残留応力、気孔率、残留磁界等に対応した透磁率と抵抗率を計測し、金属部品が一定の品質を有しているか否かの良否を判定するための金属部品の検査用センサー及び金属部品の良否判定方法に関する。
粉末金属を焼結し転造加工した金属部品が注目を浴び、その用途が広がりつつある。例えば、転造加工を施した焼結歯車は、自動車トランスミッション用歯車として期待されている。転造歯車は、粉末金属を金型で圧縮成形し焼結した後に転造加工することで製作される。転造加工は、素材に強い機械的な力を加えて盛り上げて成形する金属加工方法であり、切削加工等の従来の機械加工と比較して、材料の無駄がなく、短時間で、かつ安価に大量生産することができる。
転造歯車の転造加工は、転造歯車の歯の表面の緻密化処理を行い、荷重負荷能力の改善ができる。転造加工は、きめ細かに加工条件を管理する必要があり、製品の性能と品質を保証するためには、転造加工の良否判定をする必要性がある。転造加工によって、焼結歯車の気孔率、残留応力、抵抗率、透磁率等が変化する。これらの物理量を測定することで、転造加工を施した金属部品、例えば焼結歯車、の良否を判定することができる。
従来は、焼結金属の気孔率等を測定するためには、切断した歯車を光学的に測定する破壊検査法、鋼球を歯車に所定の荷重で押し込んで、その押し込み量によって測定する方法が用いられていた(例えば、特許文献1を参照。)。これらの方法は、破壊検査であるため、焼結歯車の全数検査に用いることは不可能である。非破壊検査として、残留応力を測定するには、X線回折を用いる方法と超音波を利用する方法が知られている。X線回折を用いる方法は、測定用のX線装置が複雑であり、価格も高価である。
また、超音波を利用する方法では、超音波が気孔で反射するので、正確な残留応力を測定することが困難である。また、非破壊検査としては、渦電流形センサーを用いた転造加工の良否判定をする技術が提案されている(特許文献2を参照。)。詳しくは、転造歯車の物理特性を渦電流形センサーで検出し、渦電流形センサーの出力電圧を、模範の転造歯車の表面からの深さ特性と比較することで、転造加工の良否を判定している。渦電流形センサーを用いた非破壊検査は、測定対象物の物理特性を、非破壊かつ短時間で測定することが可能であり、製造ラインでの良否判定ができるという利点がある。
特開平11−258137号公報 特開2011−85502号公報
しかしながら、X線回折方式は、金属部品の表面から深さ数十μm程度までの範囲だけしか残留応力を測定することができない。超音波方式は、残留応力に応じて超音波の伝搬速度が変化することを利用して検出するが、気孔で反射されるために残留応力を検出することができない。これらの検査方法に対して、渦電流形センサーは、非破壊検査として適しているが、その小形化が求められている。例えば、焼結歯車の疲労限度は、歯元の残留応力に依存し、転造加工の良否判定をするためには、焼結歯車の歯元を測定する必要がある。
特許文献2に開示した歯車の特性測定では、渦電流形センサーは、開いた磁気回路となっているために、励振コイルから発生する交流磁界の磁束が歯車の歯全体に作用しており、歯の特定部分、例えば歯元だけ、を測定することが困難である。また、転造加工金属部品においては、転造加工に依存する磁束密度(出力電圧)の変化も小さいので高精度の検出が難しい。更に、従来の渦電流形センサーにおいて、市販のホール素子の寸法は、数mm以上であり、小形の金属部品、例えば小型の歯車、には適用できない。
コイルのみを用いて測定、又は、励振コイルとホール素子を合わせて測定すると、励振周波数を可変、つまり磁束の浸透深さを変えることで、表面からミリメーターオーダーの深さまで、非破壊検査が可能であるが、部品の所定部分を磁束が貫通して検査することが困難である。このように、金属部品の物理特性、特に転造加工の程度を測定するための、渦電流形センサーの小形化が求められている。同時に、金属部品の所定部分の特性を測定きるセンサーが求められている。
本発明は、上記従来の事情に鑑みて案出されたものであり、下記の目的を達成するものである。
本発明の目的は、非破壊でかつ高精度に、金属部品の気孔率、金属部品の残留磁界、金属部品の残留応力が測定できる、金属部品の検査用センサー及び金属部品の良否判定方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、渦電流型センサーを用いることにより、金属部品の良否を簡便に判定する、金属部品の検査用センサー及び金属部品の良否判定方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、金属部品の良否を測定するための小型の金属部品の検査用センサー及び金属部品の良否判定方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、金属部品の製造・加工・品質管理の高精度化に寄与する、金属部品の検査用センサー及び金属部品の良否判定方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の検査用センサーは、
金属を加工して製造された金属部品の一部に装着又は接触されたもので、磁性材料からなる磁心と、
前記磁心に装着され、交流磁界を発生するためのもので、励振コイルからなる励振手段と、
前記磁心に装着され、前記交流磁界を検出するためのもので、検出コイルからなる検出手段と
からなる金属部品の検査用センサーであって、
前記交流磁界の磁束は、前記磁心と前記金属部品からなる閉じた磁気回路を伝達し、
前記検出コイルには、前記交流磁界の影響で発生したもので、かつ、前記金属部品の透磁率及び前記金属部品の抵抗率の影響を受ける、誘導起電力が発生し、
前記検出コイルは、前記誘導起電力による電圧出力を出力する
ことを特徴とする。
本発明の検査用センサーは、
金属を加工して製造された金属部品の一部に装着又は接触されたもので、磁性材料からなる磁心と、
前記磁心に装着され、交流磁界を発生するためのもので、励振コイルからなる励振手段と、
前記磁心に装着され、前記交流磁界を検出するためのもので、検出コイルからなる検出手段と、
前記励振手段に交流電圧を供給するための周波数可変型の発振器と、
前記検出手段の出力と前記発振器の出力を入力とし、前記検出手段の出力を、前記交流電圧と同期して整流するための同期整流器と、
前記同期整流器の出力を平滑化して平均電圧を出力する平滑回路と、
前記検出手段の出力と前記発振器の出力とから位相信号を出力する位相比較器と、及び、
前記発振器の周波数を可変させて、前記位相比較器からの出力信号により、前記金属部品が所定の品質であるか否かの良否判定をする判定手段と
を有する金属部品の検査用センサーであって、
前記交流磁界の磁束は、前記磁心と前記金属部品からなる閉じた磁気回路を伝達し、
前記検出コイルには、前記交流磁界の影響で発生したもので、かつ、前記金属部品の透磁率及び前記金属部品の抵抗率の影響を受ける、誘導起電力が発生し、
前記検出コイルは、前記誘導起電力による電圧出力を出力する
ことを特徴とする。
本発明の金属部品の良否判定方法は、
金属を加工して製造された金属部品の一部に装着又は接触されたもので、磁性材料からなる磁心と、
前記磁心に装着され、交流磁界を発生するためのもので、励振コイルからなる励振手段と、
前記磁心に装着され、前記交流磁界を検出するためのもので、検出コイルからなる検出手段と
からなる金属部品の検査用センサーを用いた金属部品の良否判定方法であって、
前記交流磁界の磁束は、前記磁心と前記金属部品からなる閉じた磁気回路を伝達し、
前記検出コイルには、前記交流磁界の影響で発生したもので、かつ、前記金属部品の透磁率及び前記金属部品の抵抗率の影響を受ける、誘導起電力が発生し、
前記検出コイルは、前記誘導起電力による電圧出力を出力し、
前記電圧出力と、前記励振コイルに周波数可変型発振手段によって印加された交流電圧との位相差を求め、
前記電圧出力と前記位相差を、模範金属部品を同様に検査したときの模範金属部品の電圧出力と模範金属部品の位相差と比較して、
前記比較の結果で、前記金属部品の良否を判定する
ことを特徴とする。
前記金属部品は、前記金属を溶解して溶製された溶製加工金属部品、前記金属の粉体を焼結して製造された焼結加工金属部品、前記溶製加工金属部品を転造加工した転造溶製加工金属部品、前記焼結加工金属部品を転造加工した転造焼結加工金属部品、及び、焼結金属を転造加工した焼結歯車から選択される1種であると良い。前記磁心が装着又は接触される前記一部は、10mm以下の大きさ、好ましくは6mm以下の大きさであると良い。
前記磁心は、コ字型又はU字型の磁心であると良い。前記磁心は、高透磁率材や磁気遮へい効果がある鉄ニッケル軟質磁性材料であると良い。例えば、磁心は、パーマロイ、フェライト、アモルファス磁性体等であると良い。前記金属部品は、転造加工された前記焼結歯車であり、前記磁心は、前記焼結歯車の歯元又は歯筋又は歯面に接触して配置されていると良い。
前記模範金属部品は、転造加工されていない前記金属部品である。
前記模範金属部品の前記位相差と前記金属部品の前記位相差の差分は、前記交流電圧の周波数が下がるに連れて、下がっている場合は、前記金属部品は、過度に転造加工されたものと判定されると良い。
前記模範金属部品の前記位相差と前記金属部品の前記位相差の差分は、前記交流電圧の周波数が一定の値まで(100kHz〜20kHz)に一定値を保ち、それより下がるに連れて、前記差分が下がっている場合は、前記金属部品は適当に転造加工されたものと判定されると良い。
上述の金属部品の検査用センサーは、検出手段の出力電圧又は出力電流を増幅するための増幅器を有すると良い。この場合は、増幅器の出力は、発振器の出力と共に同期整流器を入力され、増幅器の出力と交流電圧と同期されて整流される。また、増幅器の出力は、発振器の出力と共に位相比較器に入力され、位相比較器から位相信号が出力される。
以上の本発明では、非破壊でかつ高精度、短時間、リアルタイムに金属部品の磁界特性を測定できる。この磁界特性を用いて、金属部品が一定の品質を有する否かを簡便に判定できるので、金属部品の製造又は加工時の機器に搭載して、インライン計測が可能となる。また、金属部品の製造後又は加工後、その品質管理のための諸測定にも利用することが可能である。
本発明によれば、渦電流型センサーが小型になり、歯車の歯元等の微小な箇所の物理特性を非破壊で容易に測定できるようになり、金属部品の良否判定が簡便にできるようになった。
また、本発明によれば、非破壊でかつ高精度に、金属部品の気孔率、金属部品の残留磁界、金属部品の残留応力の内1以上が測定できる。また、該センサーを用いることにより、金属部品の良否判定が簡便にできる。
更に、本発明によれば、溶製加工金属部品、焼結加工金属部品、それらの転造加工部品の気孔率分布、残留磁界、残留応力を非破壊で、かつ高精度、短時間で測定できて、製造工程、転造加工、品質管理工程で、これらの金属部品が一定の品質を有するか否かの良否判定ができる。
磁心を金属部品の一部に接触して配置し閉じた磁気回路を形成することで、磁束が金属部品を貫通するようにし、転造加工に依存する磁束密度(出力電圧)の変化を大きくすることができ、転造加工の程度を高精度で測定することができるようになった。
更に、本発明の検査用センサーの磁心の断面積は、1mm2以下で製造でき、良好な検出感度を有するので、従来のセンサーより、小形化を図ることができた。
図1は、本発明の実施の形態1の検査用センサー1の概要を図示した図である。 図2は、本発明の実施の形態1の検査用センサー1の他例の概要を図示した図である。 図3は、本発明の実施の形態1の検査用センサー1の信号処理の例を示すブロック図である。 図4は、本発明の実施の形態1の検査用センサー1の配置例を示す概念図である。 図5は、実施例1に用いた焼結歯車の寸法を示している図である。 図6は、実施例1に用いた焼結歯車の詳細な寸法を図示した概念図である。 図7は、実施例1における、3種類の焼結歯車の気孔率Pを表面からの深さdの特性として図示しているグラフである。 図8は、実施例1における、測定された出力電圧Vo対励振周波数fの特性を図示しているグラフである。 図9は、実施例1において、転造歯車の出力電圧Voと過転造歯車の出力電圧Voを、それぞれ未転造歯車の出力電圧Voとの差を求めて図示しているグラフである。 図10は、実施例1において、測定された位相差θ対励振周波数fの特性を図示しているグラフである。 図11は、実施例1において、転造歯車の位相差と過転造歯車の位相差を、それぞれ未転造歯車の位相差と比較し、その変化量Δθを求めて図示したグラフである。 図12は、実施例1において、位相差の変化量Δθ対出力電圧の変化量ΔVoを示したグラフである。
以下、本発明の実施の形態1を説明する。
図1は、本発明の検査用センサー1の概要を図示した図である。本発明の検査用センサー1は、金属部品の物理特性を検査するためのセンサーである。検査用センサー1は、励振手段としての励振コイル2、検出手段としての検出コイル3、磁心4からなる。磁心4は磁性材料からなり、励振コイル2と検出コイル3の中空を貫通するように配置されている。言い換えると、励振コイル2と検出コイル3は、導線を磁心4に巻いた構造になっている。
交流電圧が印加された励振コイル2によって発生する交流磁界の磁束は、磁心4の中を流れる。図1の例では、磁心4はコ字型をしている。磁心4の形状は、図1のコ字型に限定するものではなく、U字型でも良い。検査用センサー1は、金属部品に装着又は接触させながら金属部品の物理特性を測定するものである。図1の例では、検査用センサー1の磁心4を、歯車5の歯6に接触させて、この歯6の特性を測定している。具体的には、磁心4の開いた部分を歯6に接触させて、磁心4と歯車5からなる閉じた磁気回路を形成している。
言い換えると、磁心4の両端を、歯車5の歯6に接触させて、磁心4と歯車5からなる閉じた磁気回路を形成している。このように、磁心4と歯車5からなる閉じた磁気回路が形成されるものであれば、磁心4の形状は、任意形状であることができる。例えば、上述のように、磁心4の形状は、コ字型又はU字型でもよく、また、一部が開いたリング状、極端な例では一部が開いた三角形でも良い。本実施の形態1においては、金属部品の例として、焼結金属を転造加工した焼結歯車の歯車5を例示しているが、これに限定するものではない。
図1に図示したように、歯車5は、金属粉を焼結製造されるため、その中に微小な気孔7(空孔とも言う。)を多数含み、この気孔7の存在分布や大きさ等は、歯車5の残留応力等の物理特性に影響を及ぼす。気孔7は、数nm〜数百μmの大きさのものが多い。励振コイル2は、その周囲に交流磁界を発生させるためのものである。励振コイル2は、所定の強さの交流磁界を発生させるものであれば、公知の任意の構造のものを用いても良い。励振コイル2は、本例ではボビン(図示せず。)に導線を巻いたリング状のコイルである。
検出コイル3は、励振コイル2で発生した交流磁界を検出するためのものであり、公知の任意の構造のものを用いても良い。検出コイル3は、本例ではボビン(図示せず。)に導線を巻いたリング状のコイルである。図1の例では、検出コイル3は、励振コイル2のボビンの中に設置される構造になっている。励振コイル2と検出コイル3は、磁心4の中央当たりに設置されている。検出コイル3は、励振コイル2によって発生した交流磁界の影響で、その中に誘導起電力が発生し、出力電圧を出力するものである。
図1では、励振コイル2の端子2aに交流電圧が印加され、検出コイル3の端子3aから出力電圧が出力される。励振コイル2の端子2aには、交流電圧を供給する周波数可変型の発振器(図示せず。)が接続されており、該発振器から励振電圧が励振コイル2に印加され、励振コイル2が交流磁界を発生する。励振電圧が励振コイル2に印加されると、励振コイル2の周囲に交流磁界が発生し、この交流磁界の磁束は、磁心4を流れる。この磁束の代表的なものを、図1の中では参照番号8で図示している。
磁心4の開いている部分は、歯車5に接触し、磁心4と歯車5は閉じた磁気回路を形成するので、この交流磁界の磁束8は、磁心4と歯車5を流れる。図1の例では、磁心4の両端は、歯車5の歯6の両側に接触している。磁束8は、歯6を流れるとき、磁心4の両端が歯6と接触している2点間を主に流れるものである。この様子を、図1には参照番号8aで図示している。磁心4は、強磁性体の材料でできると好ましく、例えば高透磁率材や磁気遮へい効果等がある鉄ニッケル軟質磁性材料、フェライト、アモルファス磁性体等であると良い。鉄ニッケル軟質磁性材料としては、PCパーマロイを例示することができる。
磁束8aが歯車5を流れるとき、その通過部分の透磁率や抵抗率等の影響を受けて、その特性が変化するものであり、この特性の変化が検出コイル3の誘導起電力に影響を及ぼす。検出コイル3の出力電圧の特性を、良品質の歯車5を測定した出力特性と比較して、歯車5の品質を判断することができる。磁束8aが歯6の中を流れると、その影響で渦電流9が歯6の中で発生する。このような渦電流9は歯6の中でいたるところに発生するが、その大きさは、磁束8aに近いところでは強く、離れると小さくなる。
図1の中では、渦電流9の一例を様式的に図示している。渦電流9が歯6の中で発生すると、その影響で微小な磁束10が発生し、磁束8aの流れ方向に対して反対方向になるので、磁束8aの特性に影響を与える。渦電流9、磁束10、磁束8aは、歯6の材料の透磁率と抵抗率に関係する。更に、これらの物理特性には、歯6中の気孔7も影響する。励振コイル2から発生する交流磁界は、歯車5の残留応力、透磁率、抵抗率、気孔率の影響を受け、結果的に、検出コイル4に発生する誘導起電力が、歯車5の透磁率、抵抗率、気孔率の影響を受けることになる。
まとめると、検査用センサー1の出力電圧は、歯6の残留応力、気孔率に対応した比透磁率μと抵抗率ρとに依存する。なお、歯車5は、転造加工によって、歯車5の表面から深さd方向に気孔率が変化しており、気孔率が減少した部位が生じている。歯6の表面近傍では、転造加工によって気孔率が小さくなる。深さdが深くなると気孔率が徐々に大きくなり、その後、焼結素材が本来持っている気孔率へと漸近する。従って、深さdが大きくなるに従って、透磁率は減少し、抵抗率は増加する。
図2は、本発明の実施の形態1の検査用センサー1の別例を示すものであり、励振コイル2と検出コイル3を磁心4に別々に巻いて配置している。励振コイル2と検出コイル3の配置以外の検査用センサー1の構造と機能は、図1と同じである。励振コイル2は、磁心4の中央部当たりに設置され、検出コイル3は磁心4の中央部分から離れて、磁心4の1端に近い箇所で設置されている。検出コイル3は、励振コイル2によって発生した磁束が歯車5を流れてから磁心4に入って再び励振コイル2に向かって流れる途中で配置されている。
図3は、本発明の実施の形態1の検査用センサー1の信号処理の例を示すブロック図を図示している。磁心4は、図1及び図2と同様に、歯車5の歯6にその厚さ方向にまたがって接触している。磁心4は、歯6の歯元に接触している。磁心4には、励振コイル2と検出コイル3が設置されているが、この図3の例では、図1と同様な構造になっている。歯6の歯元の残留応力は、歯車5の品質に大きな影響を与える部分であるので、磁心4を歯6の歯元に接触して検査すると良い。
励振コイル2には、交流電圧を供給する周波数可変型の発振器20が接続されており、発振器20から励振電圧が励振コイル2に印加される。発振器20は、同時に比較器21を介して同期整流器24及び位相比較器25へ接続されている。比較器21は、発振器20の正弦波電圧を方形波電圧に変換するためのものである。同期整流器24は、検出コイル3の出力を直流電圧にする変換するための回路である。同期整流器24は、検出コイル3の出力を、発振器20の交流電圧に同期して、直流電圧にする。
位相比較器25は、それに入力される入力電圧の位相を比較し、入力電圧の位相差を出力するための回路である。検出コイル3は、入力増幅器22を介して同期整流器24及び、比較器23に接続されている。入力増幅器22は、検出コイル3の出力電圧又は出力電流を増幅するための回路である。本例では、検出コイル3の出力は、出力電圧として説明しているが、出力電流として処理することもできる。比較器23は、検出コイル3の正弦波電圧を方形波電圧に変換するためのものである。更に、同期整流器24は、平滑回路26へ接続されている。
平滑回路26は、同期整流器24で整流された電流の中に含まれている脈流をより直流に近い状態にして平滑化するための回路である。よって、平滑回路26は、同期整流器24から出力された電圧の上下差をより平坦に近づけて出力する。平滑回路26から出力される電圧は、平均電圧Vになる。比較器23は、位相比較器25へ接続されている。励振コイル2に励振電圧が印加されると、励振コイル2の周囲に交流磁界が発生し、この交流磁界の影響で検出コイル3には誘導起電力が発生する。
この交流磁界は、歯車5の透磁率と抵抗率の影響を受け、結果的に、検出コイル3に発生する誘導起電力が、歯車5の透磁率と抵抗率の影響を受けることになる。位相比較器23には、検出コイル3からの検出信号が入力増幅器22、比較器23を経た信号と、発振器20の出力電圧が比較器21を経た信号とが入力され、両信号の位相差が位相信号θとして出力される。
位相比較器25と平滑回路26からの出力信号は、その後段に接続された信号処理器(図示せず。)に入力されて、歯車5の良否判定が行われる。この信号処理器の例としては、次の良否判定の手順に説明した通りの判定ができるものであれば、適当なソフトウェアを備えた電子計算機であることが好ましいが、これに限定するものではない。次の良否判定の手順に説明した通りの判定ができるものであれば、アナログ又はディジタルで信号処理する任意の専用信号処理器であることもできる。詳細な説明は省略する。
図4は、検査用センサー1を歯6の歯筋方向に配置して検査を行う様子を示す概念図である。磁心4は、歯6にその歯筋方向に接触して配置され、磁束8aは歯筋方向に流れる。その他の構造と機能は、図1及び図2の例と同じであるためここで省略する。この例のように、検査用センサー1を金属部品の任意箇所に接触してその部位の物理特性を検査することができる。
このように本発明の検査用センサー1を用いて歯車5の転造加工量の相違を測定することができる。特に、磁心4を用いることで検査用センサー1の小形化を図るとともに、歯車5の歯元に配置することで、その特性を局所的に測定することが可能になった。特に、歯車5の歯6の大きさに合わせて、小型の磁心4と、励振コイル2、検出コイル3を用いるので、検査用センサー1の小形化が図れる。本発明の検査用センサー1は、本実施の形態の歯車5だけではなく、任意の金属部品、特に、転造加工の金属部品の特性測定に利用することができる。
磁心4は、本発明の発明者等の製作経験からは、最小のもので、検出コイル3及び励振コイル2の直径は、3mm以下、磁心4の断面が1mm2以下のセンサーを作製できている。磁心4の両端は平行に成っている。図1には、磁心4の幅をWで示している。この幅Wは、磁心4の両端の軸線方向の間の距離である。この幅Wは、実用的には、10mm以下5mm以上の大きさで製造できる。被検査用の金属部品によっては、10mm以上、場合によっては、30mm以上の大きさでも製造できるものである。
更に、転造加工の良否判定は、表面から深さ1mm以上の範囲にわたって測定することで、剥離等が生じた過転造歯車、転造不足の歯車等を判別することができる。本発明の検査用センサー1は、残留応力に依存する比透磁率μrと抵抗率ρに基づいて転造加工の良否を判定できるので、歯車の歯幅方向、歯の厚さ方法、歯筋方向に、磁束が通るように設置して測定することができる。
〔良否判定の手順〕
後述する図12に図示したように、転造加工された焼結歯車の特性と、転造加工されていない焼結歯車の特性の差分を求めて、転造加工の程度、つまり良否、を判定することができる。特性としては、上述の位相差と出力電圧差である。次の実施例1の説明で詳しく説明するが、ここで、判定基準をまとめると次のようになる。まず、転造加工されていない焼結歯車の特性である位相差と出力電圧差を、周波数を変えながら、測定する。周波数は、例えば、0.1〜100kHzと変化させる。
次に、同様に、転造加工された焼結歯車の位相差と出力電圧差を測定する。両者の差分を求める。詳しくは、転造加工されていない焼結歯車の測定時に求めた位相差と、転造加工された焼結歯車の測定時に求めた位相差の差分を求める。出力電圧差についても同様である。周波数が下がるに連れて、この位相差の差分が、出力電圧差の差分が上がるとき、下がっていれば、過度に転造加工された焼結歯車である。このような歯車は、過度に転造加工によって欠けたりしている可能性があり、不良品と判定される。
これに対して、周波数が下がるに連れて、この位相差の差分が、出力電圧差の差分が上がるとき、一定値を維持していれば、適切に転造加工された焼結歯車である。しかし、周波数が一定値、例えば20kHz以下になると、位相差の差分が、出力電圧差の差分が上がると、下がっていく。20kHz以上の高い周波数とき、位相差の差分は、適切に転造加工された焼結歯車ではほぼ一定であり、過度に転造加工された焼結歯車では下がっていく。転造加工で焼結歯車の表面で、気孔率が小さくなった層ができるためであると考えられる。
本発明の実施の形態の実施例1を実験例によって説明する。
〔転造加工を施した焼結歯車の諸特性〕
ヘガネスAB社(Hoganas AB/所在地:Hoganas市、スウェーデン)製のFe−1.5Cr−0.2Mo(質量%)の完全合金化粉に0.23質量%の黒鉛を添加した原料粉末を、圧縮処理を1回行い、その後、焼結処理を1回行う工程により焼結歯車を成形した。次の表1には、この焼結歯車の化学成分を示している。
図5には、この焼結歯車の写真と寸法を示している。図6は、この焼結歯車の詳細な寸法をミリメーター(mm)単位で図示した概念図である。図6の中では、焼結歯車の表面に近い気孔が、転造加工によって、小さくなっていることが図示されている。この焼結歯車は、歯数Zが16、モジュールmが3.0mm、圧力角αが20deg、ねじれ角βが20degであるはすば歯車である。この焼結歯車は2本の転造ダイスにより挟み込み、この焼結歯車を回転させながら、その中心方向へ圧力を加える転造加工を行った。
この転造加工により焼結歯車の歯の表面が緻密化され、加工前に比べて歯が小さくなった。また、過度な転造加工をすると剥離などの欠陥が生ずる。本実験では、3種類の焼結歯車を用いてその物理特性の測定を行った。この3種類の焼結歯車は、転造加工前である未転造の焼結歯車である未転造歯車、適切な転造加工を施した焼結歯車である転造歯車、過度な転造加工により剥離が生じた焼結歯車である過転造歯車である。この3種類の焼結歯車のまたぎ歯厚W、転造加工後のまたぎ歯厚Wを表2に示している。
〔焼結歯車の気孔率〕
適切な転造加工を施した焼結歯車の表面からの深さdに依存する気孔を測定した。
レーザ顕微鏡(OLYMPUS社製OLS-4000型番)を用いて表面から深さdに依存する気孔を観察した。転造加工により表面が緻密化されていることが確認された。0.15mm×1.50mmの抽出範囲Aと気孔の総面積Aを用いて気孔率Pを次の式1により算出した。
図7は、表2に示した3種類の焼結歯車の気孔率Pを表面からの深さdの特性として図示している。図7のグラフの横軸は、焼結歯車の表面からの深さd(mm)を示し、縦軸は気孔率Pを図示している。このグラフからは、未転造歯車は表面からの深さdが0.5mmのとき気孔率Pが最大となり、深さdの増加にともなって気孔率Pは減少して、約1.5%に収束した。
転造歯車と過転造歯車の場合は、表面からの深さdが0〜0.3mmの範囲において、気孔率Pが概ね0%であったが、深さdの増加に伴って気孔率Pは増加しながら、それぞれ1.5%、1.0%に収束している。過転造歯車の場合は、転造歯車と比べて、気孔率Pの収束値は小さいことが分かる。
〔検査用センサー〕
図1に図示した構造の検査用センサー1を用いて焼結歯車の特性を測定した。検査用センサー1の磁心4は、厚さ1.5mmのPCパーマロイである。PCパーマロイは、Niが75〜82%の鉄ニッケル軟質磁性材料で、高透磁率と磁気遮へいの効果あるが材料で、日本工業規格(JIS)で規格化されているPC種類の鉄ニッケル軟質磁性材料である。励振コイル2としては、直径0.16mmの導線を2層で50回巻いたコイルを用いた。検出コイル3としては、直径0.16mmの導線を2層で30回巻いたコイルを用いた。磁心4を、図1に図示したように、歯6の歯元に配置し、閉じた磁気回路を形成した。
よって、磁心4を用いて、励振コイル2から発生する磁束を歯元に作用させた。歯車5に磁束が作用すると、渦電流が生し、発生した渦電流は、歯車5の抵抗率及び透磁率に依存するために、渦電流によって変化する磁束密度を検出コイル3で出力電圧として検出した。また、渦電流が生ずることで、励振コイル2と検出コイル3の位相がそれぞれ変化する。そこで、同期検波して位相差も検出した。また、励振周波数を変化、すなわち磁束の浸透深さを変えることで、表面からの深さd方向の特性が得られる。
磁束の浸透深さδは次の式2で求められる。
ここで、ρは抵抗率(Ωm)、fは励振周波数(Hz)、μは比透磁率、μは真空の透磁率(H/m)である。
抵抗率及び比透磁率は、気孔率と残留応力に依存する。
〔出力電圧特性〕
次に、表2に示した3種類の焼結歯車の出力電圧特性を測定した。まず、励振コイル2に励振周波数fが0.1〜100kHzの励振電圧2Vを印加して、検出コイル3に生ずる出力電圧Voを測定した。図8には、測定された出力電圧Vo対励振周波数fの特性を図示している。図8のグラフの横軸は励振周波数fを示し、縦軸は出力電圧Voを示している。また、励振周波数fに対応する磁束の浸透深さσを求めて図示している。
このとき、μは74、ρは18μΩmと仮定しており、以下同様である。図8のグラフからは、周波数fの増加に伴い、出力電圧Voが増加していることが分かる。図9は、転造歯車の出力電圧Voと過転造歯車の出力電圧Voがそれぞれ未転造歯車の出力電圧Voとの差を示す出力電圧の変化量ΔVを求めて図示している。図9のグラフの横軸は励振周波数fを示し、縦軸は出力電圧の変化量ΔVを示している。図8と同じく、磁束の浸透深さδを参考値として図示している。
図9から分かるように、fが60〜100kHz(δ=約0.1mm)において、ΔVの絶対値が最も大きくなり、10mV以上であった。そのために、転造加工の有無は、出力電圧を測定することで判定することが可能である。また、転造加工を施した歯車と未転造歯車は、dが0〜0.3mmの範囲において、気孔率に1〜2%の差が生じている。そのために、fが60〜100kHzにおいて、転造加工の有無に依存する出力電圧の相違が生じたと考えられる。
〔位相差特性〕
次に、表2に示した3種類の焼結歯車の位相差特性を測定した。同じく、励振コイル2に励振周波数fが0.1〜100kHzの励振電圧2Vを印加したときの位相差θを測定した。その測定結果は、図10に図示している。図10のグラフの横軸は、励振周波数fを示し、縦軸は位相差θを示している。また、励振周波数fに対応する磁束の浸透深さδを上述と同様に求めて図示している。
図10のグラフから分かるように、周波数の増加に伴い、位相差θは減少している。転造加工に依存する位相差θの特性を明確にするために、転造歯車の位相差と過転造歯車の位相差を、それぞれ未転造歯車の位相差と比較し、その変化量Δθを求めて図11に図示した。その変化量Δθは、f=0.3〜3kHz(約δが0.5〜1.4mmのとき)において、適切な転造歯車と過転造歯車の位相差の変化量Δθの差が大きくなり、4°(deg)程度の差が生じている。
この結果からは、位相差を測定することで、適切な転造歯車と過転造歯車を判定することができる。また、図7に示したように、適切な転造歯車と過転造歯車は、d=1.5mm以上の範囲において、気孔率に0.5%の差が生じていた。そのために、f=0.3〜3kHzにおいて、転造加工の度合いに依存する位相差の相違が生じたと考えられる。
〔位相差の変化量Δθと出力電圧の変化量ΔVo〕
図12は、位相差の変化量Δθ対出力電圧の変化量ΔVoを示したグラフである。図9及び図11を用いて、図12を描いた。図12のグラフの横軸は出力電圧の変化量ΔVoを示し、縦軸は位相差の変化量Δθを示している。図12のグラフから分かるように、適切な転造歯車と過転造歯車で明確なはっきりとした差が生じている。よって、転造加工された焼結歯車の出力電圧の変化量と位相差の変化量の軌跡を求めることで、焼結歯車の転造加工に依存する良否判定ができる。
〔その他〕
上述の実施の形態1は、焼結金属の焼結素材を扱っているが、焼結素材の代わりに、溶製で製造された金属部品も利用できる。一般的に、金属部品を溶製で製造するとき、金型に入っている溶湯は、金型の形状の細かい部分、そして金型の表面から冷えはじめ、この部分が先にかたまり、内部では後から冷えて収縮しようとする。このとき、先に固まった外部の金属には、内側の金属に引っ張られて縮もうとする力が残る。
これと同時に、金属部品の内部の金属には、外部の金属に引っ張られる力が残る。このようにして金属の内部に残留した応力は、残留応力である。残留磁界は、金属からできている金属部品の製造時、加工時に、意図的に、非意図的にできたものである。例えば、非磁性のオーステナイト相からできているステンレス金属が、加工するとき、マルテンサイト相に変化し、磁性特性を持つようになる。
無論、強磁性体の材料の金属部品の場合は、残留応力と共に残留磁界もある。このように、金属部品は、金属を溶解して溶製された溶製加工金属部品、金属の粉体を焼結して製造された焼結加工金属部品、溶製加工金属部品又は焼結加工金属部品を転造加工した転造加工金属部品に応用できる。上述の実施の形態では、本発明の検査用センサー1を用いて、外形寸法が3cmという小型の歯車の歯元の特性を検知している。
よって、本発明の検査用センサー1は、上述の歯車に限らず、小型の金属部品の良否判定に用いることができる。更に、小型の金属部品だけでは、それより大きい大型の部品であっても、その微小な箇所の特性を検知することが可能であり、その良否判定にも応用できる。
本第1実施の形態では、測定対象が転造歯車である場合について説明した。しかし、転造歯車に限定されるものではなく、転造ネジ等の転造加工された金属製品、焼成又は溶製で製造された金属製品等にも適用できる。
1…歯車
2…励振コイル
3…検出コイル
4…磁心
5…歯車
6…歯
7…気孔
8、8a、10…磁束
9…渦電流
20…発振器
21、23…比較器
22…入力増幅器
24…同期整流器
26…平滑回路
25…位相比較器

Claims (14)

  1. 金属を加工して製造された金属部品の一部に装着又は接触されたもので、磁性材料からなる磁心と、
    前記磁心に装着され、交流磁界を発生するためのもので、励振コイルからなる励振手段と、
    前記磁心に装着され、前記交流磁界を検出するためのもので、検出コイルからなる検出手段と
    からなる金属部品の検査用センサーであって、
    前記交流磁界の磁束は、前記磁心と前記金属部品からなる閉じた磁気回路を伝達し、
    前記検出コイルには、前記交流磁界の影響で発生したもので、かつ、前記金属部品の透磁率及び前記金属部品の抵抗率の影響を受ける、誘導起電力が発生し、
    前記検出コイルは、前記誘導起電力による電圧出力を出力する
    ことを特徴とする金属部品の検査用センサー。
  2. 金属を加工して製造された金属部品の一部に装着又は接触されたもので、磁性材料からなる磁心と、
    前記磁心に装着され、交流磁界を発生するためのもので、励振コイルからなる励振手段と、
    前記磁心に装着され、前記交流磁界を検出するためのもので、検出コイルからなる検出手段と、
    前記励振手段に交流電圧を供給するための周波数可変型の発振器と、
    前記検出手段の出力と前記発振器の出力を入力とし、前記検出手段の出力を、前記交流電圧と同期して整流するための同期整流器と、
    前記同期整流器の出力を平滑化して平均電圧を出力する平滑回路と、
    前記検出手段の出力と前記発振器の出力とから位相信号を出力する位相比較器と、及び、
    前記発振器の周波数を可変させて、前記位相比較器からの出力信号により、前記金属部品が所定の品質であるか否かの良否判定をする判定手段と
    を有する金属部品の検査用センサーであって、
    前記交流磁界の磁束は、前記磁心と前記金属部品からなる閉じた磁気回路を伝達し、
    前記検出コイルには、前記交流磁界の影響で発生したもので、かつ、前記金属部品の透磁率及び前記金属部品の抵抗率の影響を受ける、誘導起電力が発生し、
    前記検出コイルは、前記誘導起電力による電圧出力を出力する
    ことを特徴とする金属部品の検査用センサー。
  3. 前記請求項1又は2に記載の金属部品の検査用センサーにおいて、
    前記金属部品は、前記金属を溶解して溶製された溶製加工金属部品、前記金属の粉体を焼結して製造された焼結加工金属部品、前記溶製加工金属部品を転造加工した転造溶製加工金属部品、前記焼結加工金属部品を転造加工した転造焼結加工金属部品、及び、焼結金属を転造加工した焼結歯車から選択される1種である
    ことを特徴とする金属部品の検査用センサー。
  4. 前記請求項3に記載の金属部品の検査用センサーにおいて、
    前記金属部品は、微小であり、
    前記磁心が装着又は接触される前記一部は、10mm以下の大きさである
    ことを特徴とする金属部品の検査用センサー。
  5. 前記請求項4に記載の金属部品の検査用センサーにおいて、
    前記磁心が装着又は接触される前記一部は、6mm以下の大きさである
    ことを特徴とする金属部品の検査用センサー。
  6. 前記請求項1又は2に記載の金属部品の検査用センサーにおいて、
    前記磁心は、コ字型又はU字型の磁心である
    ことを特徴とする金属部品の検査用センサー。
  7. 前記請求項6に記載の金属部品の検査用センサーにおいて、
    前記金属部品は、転造加工された前記焼結歯車であり、
    前記磁心は、前記焼結歯車の歯元又は歯筋又は歯面に接触して配置されている
    ことを特徴とする金属部品の検査用センサー。
  8. 金属を加工して製造された金属部品の一部に装着又は接触されたもので、磁性材料からなる磁心と、
    前記磁心に装着され、交流磁界を発生するためのもので、励振コイルからなる励振手段と、
    前記磁心に装着され、前記交流磁界を検出するためのもので、検出コイルからなる検出手段と
    からなる金属部品の検査用センサーを用いた金属部品の良否判定方法であって、
    前記交流磁界の磁束は、前記磁心と前記金属部品からなる閉じた磁気回路を伝達し、
    前記検出コイルには、前記交流磁界の影響で発生したもので、かつ、前記金属部品の透磁率及び前記金属部品の抵抗率の影響を受ける、誘導起電力が発生し、
    前記検出コイルは、前記誘導起電力による電圧出力を出力し、
    前記電圧出力と、前記励振コイルに周波数可変型発振手段によって印加された交流電圧との位相差を求め、
    前記電圧出力と前記位相差を、模範金属部品を同様に検査したときの模範金属部品の電圧出力と模範金属部品の位相差と比較して、
    前記比較の結果で、前記金属部品の良否を判定する
    ことを特徴とする金属部品の良否判定方法。
  9. 請求項8に記載の金属部品の良否判定方法において、
    前記金属部品は、転造加工されたものであり、
    前記模範金属部品は、転造加工されていない前記金属部品であり、
    前記模範金属部品の前記位相差と前記金属部品の前記位相差の差分は、前記交流電圧の周波数が下がるに連れて、下がっている場合は、前記金属部品は、過度に転造加工されたものと判定される
    ことを特徴とする金属部品の良否判定方法。
  10. 請求項8に記載の金属部品の良否判定方法において、
    前記金属部品は、転造加工されたものであり、
    前記模範金属部品は、転造加工されていない前記金属部品であり、
    前記模範金属部品の前記位相差と前記金属部品の前記位相差の差分は、前記交流電圧の周波数が一定の値までに一定値を保ち、それより下がるに連れて、前記差分が下がっている場合は、前記金属部品は適当に転造加工されたものと判定される
    ことを特徴とする金属部品の良否判定方法。
  11. 請求項8乃至10の中から選択される1項に記載の金属部品の良否判定方法において、
    前記金属部品は、微小であり、
    前記磁心が装着又は接触される前記一部は、10mm以下の大きさである
    ことを特徴とする金属部品の良否判定方法。
  12. 前記請求項11に記載の金属部品の良否判定方法において、
    前記磁心が装着又は接触される前記一部は、6mm以下の大きさである
    ことを特徴とする金属部品の良否判定方法。
  13. 請求項8乃至10の中から選択される1項に記載の金属部品の良否判定方法において、
    前記金属部品は、前記金属を溶解して溶製された溶製加工金属部品、前記金属の粉体を焼結して製造された焼結加工金属部品、前記溶製加工金属部品を転造加工した転造溶製加工金属部品、前記焼結加工金属部品を転造加工した転造焼結加工金属部品、及び、焼結金属を転造加工した焼結歯車から選択される1種である
    ことを特徴とする金属部品の良否判定方法。
  14. 請求項13に記載の金属部品の良否判定方法において、
    前記金属部品は、転造加工された前記焼結歯車であり、
    前記磁心は、前記焼結歯車の歯元又は歯筋又は歯面に接触して配置される
    ことを特徴とする金属部品の良否判定方法。
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