JP3523208B2 - 染毛剤組成物 - Google Patents

染毛剤組成物

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、頭皮や皮膚への着
色を生じることなく、毛髪への染色性に優れ、しかもシ
ャンプーに対する堅牢性が良好な染毛剤組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】浸透促進溶剤としてベンジルアルコー
ル、ベンジルオキシエタノール、ラクトン等の有機溶剤
を含有する酸性染毛剤(特開昭61-210023号公報、特開
平7-101841号公報、特開平51-151341号公報等)は、毛
髪への浸透性が良好とされている。しかし、ベンジルア
ルコールは、染料の浸透性は良好であるが、染色する際
に同時に頭皮や肌を着色してしまうなどの問題点があ
る。また特開平51-151341号公報に示されているラクト
ン類は、皮膚染色性は低いが、染毛性がベンジルアルコ
ールに比べると十分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、皮
膚への着色性が低く、毛髪への染色性に優れる染毛剤組
成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、浸透溶剤
として、炭素数2以上のアルキル基が置換した5又は6
員環のラクトン化合物を使用すれば、上記要求を満たす
酸性染毛剤が得られることを見出した。
【0005】すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B) (A) 酸性染料 (B) 5又は6員環のラクトン骨格に、炭素数2又は3
アルキル基が置換した化合物を含有する染毛剤組成物を
提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる成分(A)の酸
性染料としては、水溶性酸性染料であれば特に制限され
ず、例えば赤色2号(C.I.16185)、赤色3号(C.I.454
30)、赤色102号(C.I.16255)、赤色104号の(1)(C.I.
45410)、赤色105号の(1)(C.I.45440)、赤色106号
(C.I.45100)、黄色4号(C.I.19140)、黄色5号(C.
I.15985)、緑色3号(C.I.42053)、青色1号(C.I.42
090)、青色2号(C.I.73015)、赤色201号(C.I.1585
0)、赤色227号(C.I.17200)、赤色230号の(1)(C.I.4
5380)、赤色231号(C.I.45410)、赤色232号(C.I.454
40)、だいだい色205号(C.I.15510)、だいだい色207
号(C.I.45425)、黄色202号の(1)(C.I.45350)、黄色
203号(C.I.47005)、緑色201号(C.I.61570)、緑色20
4号(C.I.59040)、緑色205号(C.I.42095)、青色202
号(C.I.42052)、青色205号(C.I.42090)、かっ色201
号(C.I.20170)、赤色401号(C.I.45190)、赤色502号
(C.I.16155)、赤色503号(C.I.16150)、赤色504号
(C.I.14700)、赤色506号(C.I.15620)、だいだい色4
02号(C.I.14600)、黄色402号(C.I.18950)、黄色403
号の(1)(C.I.10316)、黄色406号(C.I.13065)、黄色
407号(C.I.18820)、緑色401号(C.I.10020)、緑色40
2号(C.I.42085)、紫色401号(C.I.60730)、黒色401
号(C.I.20470)、アシッドブラック52(C.I.15711)、
アシッドブルー1(C.I.42045)、アシッドブルー3
(C.I.42051)、アシッドブルー62(C.I.62045)、アシ
ッドブラウン13(C.I.10410)、アシッドグリーン50
(C.I.44090)、アシッドオレンジ3(C.I.10385)、ア
シッドオレンジ6(C.I.14270)、アシッドレッド14
(C.I.14720)、アシッドレッド35(C.I.18065)、アシ
ッドレッド73(C.I.27290)、アシッドレッド184(C.I.
15685)、ブリリアントブラック1(C.I.28440)等が挙
げられる。
【0007】これらの酸性染料は、1種以上を用いるこ
とができ、その含有量は、十分な染色効果と手肌の汚れ
の少なさの点から、全組成中に0.2〜5重量%が好まし
く、更には0.2〜4重量%、特に0.2〜3重量%が好まし
い。
【0008】本発明に用いられる成分(B)のラクトン化
合物は、ラクトン骨格上に置換基として炭素数2又は3
のアルキル基、特に好ましくは炭素数2又は3の直鎖ア
ルキル基を有するものである。また、このアルキル基の
置換位置は、γ-ラクトンの場合にはγ位、δ-ラクトン
の場合にはδ位(すなわちヘテロ酸素原子の隣接メチレ
ン)が好ましい。ラクトンの具体例としては、γ-ヘキ
サノラクトン、γ-ヘプタノラクトン、δ-ヘプタノラク
トン等が挙げられ、なかでも、毛髪染色性とラクトンの
安定性の点から、γ-ラクトン、特にγ-ヘキサノラクト
ン、γ-ヘプタノラクトンが好ましい。
【0009】成分(B)は、1種以上を用いることがで
き、その含有量は、毛髪染色性と皮膚への着色防止性の
点、及び皮膚を始めとする生体組織への悪影響や組成物
の粘度を始めとする各種物性の不安定化を防止する点か
ら、全組成中に1〜20重量%が好ましく、更には2〜15
重量%、特に4〜10重量%が好ましい。
【0010】本発明の染毛剤組成物は、酸成分による毛
髪、頭皮及び手肌の荒れの防止、酸性染料の浸透促進効
果の点から、pH2.0〜6.0であることが好ましく、更には
pH2.0〜5.0、特にpH2.5〜4.0が好ましい。
【0011】また、本発明の染毛剤組成物には、更に染
色性を向上させる目的で、成分(C)としてベンジルオキ
シエタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノ
ール、フェノキシイソプロパノール、ベンジルグリセロ
ール、N-ベンジルホルムアミド、シンナミルアルコー
ル、フェネチルアルコール、p-アニシルアルコール、p-
メチルベンジルアルコール、メチルカルビトール、エチ
ルカルビトール及びプロピルカルビトールから選ばれる
1種以上の有機溶剤を含有させることができる。これら
のうち、芳香族アルコール類縁体が好ましく、特に、ベ
ンジルオキシエタノール、ベンジルアルコールが好まし
い。これら成分(C)の含有量は、毛髪に対する染色性向
上効果及び皮膚に対する着色防止効果の点から、全組成
中に0〜10重量%、更に0.01〜10重量%、特に0.1〜5重
量%が好ましい。
【0012】本発明の染毛剤組成物には、使用時のたれ
落ち防止、頭皮などへの汚着防止の目的で、成分(D)と
して水溶性高分子を含有させることができる。水溶性高
分子としては、例えばアラビアガム、カラギーナン、カ
ラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインス
シード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチ
ン、ペクチン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、メ
チルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール
(PVA)、ポリビニルメチルエーテル(PVM)、ポリビニ
ルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸ナトリウム、ロ
ーカストビーンガム、グアーガム、タマリントガム、ジ
アルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサン
タンガム、変性キサンタンガム、ウェランガム、ラボー
ルガム、ジェランガム、カルボキシビニルポリマー、ア
クリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、メチルビニ
ルエーテル/無水マレイン酸共重合体の1,9-デカジエン
による部分架橋物、ポリエチレングリコール、ケイ酸ア
ルミニウムマグネシウム、ベントナイト等が挙げられ
る。これらのうち、特にヒドロキシエチルセルロース、
キサンタンガム、変性キサンタンガムが好ましい。これ
らの水溶性高分子は1種以上を用いることができ、その
含有量は、全組成中に0.1〜10重量%、特に0.5〜5重量
%が好ましい。
【0013】また、本発明の染毛剤組成物には、成分
(B)及び(D)の溶解性を高める目的で、低級アルコール又
はポリオールを含有させることができる。具体的には、
炭素数2〜4のもの、例えばエタノール、2-プロパノー
ル、1-プロパノール、1-ブタノール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、イソプロピレングリコー
ル、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられ
る。これらの低級アルコール又はポリオールは1種以上
を用いることができ、その含有量は、全組成中に0.1〜3
0重量%、特に0.1〜20重量%が好ましい。
【0014】更に、本発明の染毛剤組成物には、前記成
分のほか、通常の化粧品等に使用し得る成分、例えば界
面活性剤、カチオン性重合体、油性成分、シリコーン誘
導体、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、殺菌
剤、噴射剤等を、目的に応じて適宜配合することがで
き、通常の方法に従って製造することができる。
【0015】本発明の染毛剤組成物を使用するには、例
えば、くしやブラシに適量を取り、頭髪に塗布し、塗布
後1〜30分間程度放置してから洗い流せばよい。
【0016】
【実施例】実施例1 表1及び2に示す配合組成の酸性染毛剤を製造し、各種
試験を行った。 (1) 山羊毛への染色性の評価方法 染毛剤組成物1gを白い山羊毛(1g)のトレスに均一
に塗布した後、30℃で15分間放置した。その後水洗し、
シャンプーで2回洗浄し、リンス処理を1回行った後、
乾燥させた。このトレスについて、20名の評価者により
山羊毛への染色性を評価し、以下の基準で判定した。
【0017】判定基準: ◎:山羊毛への染色性が良いと評価した者が80%以上。 ○:山羊毛への染色性が良いと評価した者が50〜80%未
満。 △:山羊毛への染色性が良いと評価した者が20〜50%未
満。 ×:山羊毛への染色性が良いと評価した者が20%未満。
【0018】(2) 皮膚への染色のし難さ及び洗浄性 ヒト前腕部10cm2あたり1gの染毛剤組成物を均一に塗
布した後、30℃で15分間放置した。その後水洗し、表面
に付着した染毛剤組成物を十分に除去した後、乾燥させ
た。この前腕部について、20名の評価者により皮膚への
染色のし難さを評価し、以下の基準で判定した。更に、
この前腕部を石鹸により往復50回こすり洗いした後、乾
燥させた。この前腕部について、20名の評価者により洗
浄性を評価し、同じく以下の基準で判定した。
【0019】判定基準: ◎:皮膚への染色が全く気にならないと評価した者が80
%以上。 ○:皮膚への染色が全く気にならないと評価した者が50
〜80%未満。 △:皮膚への染色が全く気にならないと評価した者が20
〜50%未満。 ×:皮膚への染色が全く気にならないと評価した者が20
%未満。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】本発明染毛剤組成物は、皮膚への着色を
生じることなく、毛髪の染色性に優れ、シャンプーに対
する堅牢性が良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西澤 栄一 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式 会社研究所内 (72)発明者 溝奥 隆司 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (56)参考文献 特開 平11−349453(JP,A) 特開 昭51−151341(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(A)及び(B) (A) 酸性染料 (B) 5又は6員環のラクトン骨格に、炭素数2又は3
    アルキル基が置換した化合物を含有する染毛剤組成物。
  2. 【請求項2】 成分(B)が、γ-ヘキサノラクトンγ-
    ヘプタノラクトン又はδ - ヘプタノラクトンである請求
    項1記載の染毛剤組成物。
  3. 【請求項3】 成分 (A) 0.2 〜5重量%、成分 (B) を1
    20 重量%含有し、 pH 2.0 6.0 である請求項1又は2
    記載の染毛剤組成物。
  4. 【請求項4】 更に、低級アルコール又はポリオールを
    0.1 30 重量%含有するものである請求項1〜3のいず
    れかに記載の染毛剤組成物。
  5. 【請求項5】 更に、成分 (D) として水溶性高分子を 0.1
    10 重量%含有するものである請求項1〜4のいずれか
    に記載の染毛剤組成物。
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