JP3523137B2 - ゲル状食品用ベース - Google Patents

ゲル状食品用ベース

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JP3523137B2 JP2000008547A JP2000008547A JP3523137B2 JP 3523137 B2 JP3523137 B2 JP 3523137B2 JP 2000008547 A JP2000008547 A JP 2000008547A JP 2000008547 A JP2000008547 A JP 2000008547A JP 3523137 B2 JP3523137 B2 JP 3523137B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゲル状食品用ベースに
関する。さらに詳細には、ゲル化剤を加熱溶解させる手
間と時間を要さずに、単に油系ベース及び液状水系ベー
スを混合し、ゲル化させるだけで、油水分離のない、均
一なゲル状食品を調製することができるゲル状食品用ベ
ースに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ゼラチン粉末等のゲル化剤、
糖類、色素等を含む粉体状のゼリーの素が知られてい
る。上記ゼリーの素を用いてゼリーを作るには、このゼ
リーの素に加水し、加熱してゼラチンを溶解させ、これ
によって得られたゼリー溶液を型に流し込み、冷蔵庫で
冷却ゲル化させる。ところで、上記ゼリーの素は、加水
時にダマが発生するという問題、あるいはゼリー液の調
製時にゼラチンを溶かすための加熱の手間と時間がかか
るという問題があり、必ずしも簡便性の優れたものとは
いえない。
【0003】そこで本出願人は、これらの問題を解決し
得るゲル状食品用ベースを発明し、これを特許出願した
(特開平11−225690号公報)。このゲル状食品
用ベースは、常温で液状の油脂又は油系原料に、冷水可
溶性ゲル化剤を分散させてなり、このベースを用いれ
ば、加水しスプーン等で攪拌するだけで、加熱操作を行
うことなく、簡単にゲル状食品を調製することができ
る。従って、加熱操作が必要な従来の粉体状ゼリーの素
を使ってゼリーを作る場合よりも、作業時間の大幅な短
縮と省力化が可能となった。なお、上記出願には、上記
ベースと、300cp以上の粘度を有する水性原料を混
合するという構成により、ゲル化剤のダマ発生を防止
し、所定のゲル強度を有するゲル状食品を作ることがで
きるという発明も含まれる。
【0004】しかし、上記ゲル状食品用ベースを用いて
ゲル状食品を作ろうとすると、最終的に得られるゲル状
食品は、ムラのある、不均一な外観のものとなる場合が
あった。これは、上記ベースに加水し均一化して得られ
たゼリー溶液が完全にゲル化するまでに、当該ゼリー溶
液中の油脂と水が分離することに原因があった。そこ
で、上記ゲル状ベースを用いて、ムラのない、均一な外
観を有するゲル状食品を確実に作ることができるゲル状
食品用ベースの開発が必要となった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、油脂に冷水
可溶性ゲル化剤を分散させてなり、加熱操作を一切行う
ことなく、簡便にゲル状食品を作ることができるゲル状
食品用ベースであって、ゼリー溶液が完全にゲル化する
前に生じる油水分離を防止することにより、均一な外観
を有するゲル状食品を、確実に作ることができるゲル状
食品用ベースの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決にあたり、上記ゲル状食品用ベースと混合する水
性原料(以下、液状水系ベース)に着目して検討を重
ね、まず、液状水系ベースに粘度を付与することによ
り、上記油水分離の問題を解決しようとした。ところ
が、高粘度の液状水系ベースと上記ゲル状食品用ベース
を用いてゲル状食品を調製すると、得られたゲル状食品
のゲル強度が弱くなるという問題が発生した。本発明者
らは、この問題が、高粘度の液状水系ベースがゲル化剤
と水との接触を妨げ、上記ゲル化剤の全部をゲル化させ
ることができないために発生するものと考え、さらに検
討を重ねた。その結果、低強度寒天及びλ−カラギーナ
ンを含む液状水系ベースにより、上記問題を解決し得る
という知見を得た。
【0007】上記知見に基づく本発明の要旨は、油脂に
冷水可溶性ゲル化剤を分散させた、常温で流動性を有す
るか又は流動化可能な油系ベースと、1.5重量%溶液
(品温85℃)の粘度が5mPa・s以下の低強度寒
天、λ−カラギーナン及び水を含む液状水系ベースとを
有するゲル状食品用ベースである。
【0008】また、本発明の別の要旨は、上記ゲル状食
品用ベースにおいて、油系ベースと液状水系ベースの混
合時における前記液状水系ベースの粘度が、200mP
a・s〜400mPa・sであることを特徴とするゲル
状食品用ベースである。
【0009】また、本発明の別の要旨は、油系ベース及
び液状水系ベースが、ローカストビーンガム、キサンタ
ンガム及びペクチンを含まないものであることを特徴と
するゲル状食品用ベースである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明にいうゲル状食品用ベース
は、油系ベースと液状水系ベースで構成され、両者を混
合することにより、ゲル化剤を溶解させるための加熱操
作を行わずにゼリー液を調製し、これをゲル化させてゲ
ル状食品を作る基材である。上記ゲル状食品用ベースに
より作られるゲル状食品としては、例えばゼリー、ババ
ロア、ムース、ブランマンジェ等が挙げられるが、これ
らに限定されるわけでなく、ゲル構造を有する食品の全
てを対象とする。
【0011】油系ベースは、油脂に冷水可溶性ゲル化剤
を分散させてなり、常温で流動性を有するか又は流動化
可能なものである。油系ベースが常温で流動性を有する
というのは、当該油系ベースが常温で液状又はペースト
状であることをいい、一方、油系ベースが常温で流動化
可能というのは、常温保存時には固形状の油系ベース
が、使用時には液状又はペースト状に変化することをい
う。
【0012】油系ベースが常温で流動性を有するもので
ある場合には、この油系ベースに配合する油脂として
は、米油、菜種油、菜種白絞油、オリーブ油、ナッツ
油、大豆油、ひまわり油、コーン油、サラダ油、パーム
油等の常温で液状の油脂を用いる。
【0013】また、油系ベースが常温で流動化可能なも
のである場合には、この油系ベースに配合する油脂とし
ては、常温で固形状であり、かつ常温で物理的衝撃によ
り流動化し得るという性状を有する油脂(以下、固形/
流動油脂)を用いる。これによって、油系ベースの保存
中に、当該ベースに含まれている冷水可溶性ゲル化剤等
の粉体原料の沈降分離を防止し、均一な状態を維持でき
る。このように保存中の油系ベースを均一な状態で維持
することにより、ゲル状食品の調製時に油水分離を解消
するための均一化操作を行う必要がなくなり、最終的に
ゲル状食品の調製時間の短縮と省力化が可能となる。以
下、この固形/流動油脂について説明する。
【0014】上記油脂の流動化とは、上記固形/流動油
脂が物理的衝撃によりその固形状態が破壊されて流動状
になり、液状又はペースト状に変化することである。上
記物理的衝撃とは、固形/流動油脂を流動化させ得る力
を加えることであり、例えば、スプーン、ミキサー等の
攪拌手段による攪拌、上記固形/流動油脂を可撓性容器
に充填し、容器ごと揉むか又は振とうする等の方法が挙
げられる。
【0015】物理的衝撃により流動化した固形/流動油
脂は、液状水系ベースと混合し得る粘度の流動状物とな
ればよく、流動化後の固形/流動油脂の粘度が3000
mPa・s以下、さらには1000mPa・s〜200
0mPa・sであることが好ましい。なお、上記粘度
は、流動化後の固形/流動油脂(品温25℃)を、B型
粘度計ローターNo.2を用い、回転数を12rpmに
設定して測定した(以下、特に測定方法の記載のない粘
度測定は、これと同一の測定方法による)。
【0016】本発明では、上記性質を有する固形/流動
油脂であればいずれのものでも使用可能である。なお、
本発明のゲル状食品ベースに好適な固形/流動油脂は、
次の方法により得られる。すなわち、常温で液状の油脂
に、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びグリセリ
ンステアリン酸エステルを混合した後、加熱処理を施す
ことにより得られる。以下、固形/流動油脂の製法を説
明する。
【0017】常温で液状の油脂としては、米油、菜種
油、菜種白絞油、オリーブ油、ナッツ油、大豆油、ひま
わり油、コーン油、サラダ油、パーム油等を用いればよ
い。
【0018】上記プロピレングリコール脂肪酸エステル
は、食品用であればよく、主脂肪酸の炭素数、HLB等
は特に制限されない。例えば、プロピレングリコールモ
ノベヒニン酸エステル、プロピレングリコールモノステ
アリン酸エステル、プロピレングリコールモノオレイン
酸エステル等を用いればよい。また、プロピレングリコ
ール脂肪酸エステルは、常温で液状の油脂の全量に対し
て5重量%〜15重量%、さらには6重量%〜12重量
%添加することが好ましい。これにより、固形/流動油
脂を物理的衝撃により流動化させやすくなる。
【0019】上記グリセリンステアリン酸エステルは、
食品用であればよく、主脂肪酸の炭素数、HLB等は特
に制限されない。また、グリセリンステアリン酸エステ
ルは、常温で液状の油脂の全量に対して2重量%〜5重
量%、さらには3重量%〜4重量%添加することが好ま
しい。これにより、固形/流動油脂が固形状である時
に、その固形状の維持が容易となる。
【0020】上記加熱処理の条件は、プロピレングリコ
ール脂肪酸エステル及びグリセリンステアリン酸エステ
ルを常温で液状の油脂に溶解させ得ればよく、特に制限
されないが、60℃〜80℃、5〜30分間の条件で行
うことが好ましい。この加熱処理により、本発明の油系
ベースに好適な固形/流動油脂が得られる。
【0021】上述のとおり、本発明の油系ベースは、油
脂に冷水可溶性ゲル化剤を分散させたものである。この
冷水可溶性ゲル化剤は、常温以下で水に溶解し得るゲル
化剤であればよく、このようなゲル化剤としては、例え
ば冷水可溶性ゼラチン又はα化澱粉等が挙げられる。
【0022】油系ベース中の上記冷水可溶性ゲル化剤の
量は、当該油系ベースと液状水系ベースとを混合してな
るゼリー溶液がゲル化し得る量とすればよい。従って本
発明では、油系ベースに含まれる冷水可溶性ゲル化剤の
量が、油系ベース及び液状水系ベースの混合物全量の3
重量%〜8重量%となるように、冷水可溶性ゲル化剤を
油系ベースに配合することが好ましい。
【0023】油系ベースは、油脂及び冷水可溶性ゲル化
剤の他、乳酸菌等の有用微生物、全脂粉乳、脱脂粉乳、
粉末発酵乳などの粉末乳原料、ショ糖、三温糖、グラニ
ュー糖等の糖類、クエン酸、グルコン酸、フィチン酸、
アスコルビン酸等の有機酸又はその塩、ショ糖脂肪酸エ
ステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の乳化
剤、食塩、フレーバー、色素を含むものであってもよ
い。なお、油脂及び冷水可溶性ゲル化剤以外の原料を油
系ベースに配合し油系ベース中の水分含量が高くなる場
合には、当該ベース保存中に冷水可溶性ゲル化剤がゲル
化するおそれがある。そこで、本発明では、油系ベース
の水分含量が5重量%以下、さらには3重量%以下とす
ることが望ましい。
【0024】また、本発明の油系ベースは、ローカスト
ビーンガム、キサンタンガム及びペクチンを含まないも
のであることが好ましい。ローカストビーンガム、キサ
ンタンガム及びペクチンは、その溶液が曳糸性を有して
おり、油系ベースと液状水系ベースとの混合の妨げとな
る場合があるからである。また、ローカストビーンガ
ム、キサンタンガム及びペクチンのいずれかを含む液状
水系ベースを用いてゲル状食品を作ると、当該ゲル状食
品の食感が粘りを強く感じるものとなるため、このゲル
状食品を飲み込む際に、喉越しが悪くなる傾向にある。
【0025】油系ベースの製造方法は、冷水可溶性ゲル
化剤を油脂に分散させることができればよく、特に制限
されない。例えば、常温で液状の油脂を油系ベースに配
合する場合には、当該油脂に冷水可溶性ゲル化剤を添加
し、均一に混合した後、容器に充填密封すればよい。ま
た、上述の固形/流動油脂を油系ベースに配合する場合
には、この固形/流動油脂を加熱し、これによって流動
化状態にある前記固形/流動油脂に、冷水可溶性ゲル化
剤とその他原料を均一に混合し、容器に充填し、固化さ
せればよい。
【0026】次に、液状水系ベースについて説明する。
液状水系ベースは、低強度寒天、λ−カラギーナン、及
び水を含む液状物である。この液状水系ベースに含まれ
る水は、市水、アルカリイオン水、蒸留水等の他、例え
ば牛乳、液状又はプレーンヨーグルト、果汁、あるいは
紅茶、緑茶、烏龍茶、抹茶等の茶抽出液、コーヒー抽出
液などを用いてもよく、特に制限されない。また、液状
水系ベースの水分含量は、液状水系ベースと油系ベース
とを混合して得られた混合物をゲル化させ得る量であれ
ばよい。
【0027】液状水系ベースに含まれる低強度寒天は、
その1.5重量%溶液(品温85℃)の粘度が、5mP
a・s以下、さらには2mPa・s〜4mPa・s、ま
た、低強度寒天1.5重量%溶液の20℃におけるゲル
強度が、30±20g/cm 2(日寒水式ゼリー測定法
による)のものを使用するのが好ましい。これに対し
て、通常の寒天は、その1.5重量%溶液(品温85
℃)の粘度が、10mPa・s±2mPa・s、上記溶
液をゲル化させた品温20℃でのゲル強度は、700±
300g/cm2(日寒水式ゼリー測定法)であるか
ら、粘度及びゲル強度ともに低強度寒天よりも高い。本
発明では、液状水系ベース中の低強度寒天の量は、液状
水系ベース全量に対して、0.1重量%〜0.6重量
%、さらには0.3重量%〜0.4重量%含むことが好
ましい。
【0028】本発明の液状水系ベースは、λ−カラギー
ナンを含む。λ−カラギーナンは、主としてC−2が硫
酸化されたβ−(1→3)結合のDガラクトースと、C
−2及びC−6が硫酸化されたα−(1→4)結合のD
ガラクトースが交互に連なった構造を有するカラギーナ
ンの一種である。本発明では、公知のλ−カラギーナン
であればいずれのものでも使用できる。
【0029】液状水系ベースがλ−カラギーナンを含む
ことにより、当該液状水系ベースの粘度低下を抑制する
とともに低強度寒天の微小なゲル状物の発生を防止で
き、水系液状ベースが滑らかな粘ちょう液が得られる。
従って、油系ベースとの混合が容易となり、所定のゲル
強度を有する均一なゲル状食品の調製が可能となる。な
お、低強度寒天を含みλ−カラギーナンを含まない液状
水系ベースを調製した場合、この液状水系ベースは経時
的な粘度低下が起こり、油系ベースと混合が困難にな
る。また、低強度寒天の微小なゲル状物が発生するた
め、均一なゲル状食品が得られなくなる。
【0030】さらに、液状水系ベースがλ−カラギーナ
ンを含むことにより、低pHの液状水系ベースであって
も、当該ベースの粘度低下及びゲル状物の発生を防止で
きる。従って本発明は、低pHのゲル状食品用ベースと
して好適である。なお、低強度寒天を含みλ−カラギー
ナンを含まない液状水系ベースは、そのpHが5.0〜
3.0、さらにはpH4.5〜pH3.5である場合
に、当該液状水系ベースの粘度が低下しやすく、微小な
ゲル状物の発生も多くなる傾向にある。
【0031】上記液状水系ベースに含まれるλ−カラギ
ーナンの量は、上述の低強度寒天の量と関係がある。す
なわち、液状水系ベース全量に対し低強度寒天を0.1
重量%〜0.6重量%、さらには0.3重量%〜0.4
重量%含む場合に、λ−カラギーナンを0.05重量%
〜0.5重量%、さらには0.1重量%〜0.2重量%
含むことが好ましい。このように低強度寒天とλ−カラ
ギーナンの量を特定することによって、油系ベースとの
混合が特に容易となり、ダマ、微小なゲル状物の発生を
より確実に防止でき、これによって均一なゲル状食品を
調製することができる。
【0032】本発明の液状水系ベースの粘度は、200
mPa・s〜400mPa・sであることが好ましい。
これによって、油系ベースとの混合時に両ベースが絡ま
りやすくなる。しかも、油系ベース中の冷水可溶性ゲル
化剤を確実にゲル化させることができるので、冷水可溶
性ゲル化剤のダマの発生もなく、均一なゲル状食品を調
製することができる。
【0033】液状水系ベースは、低強度寒天、λ−カラ
ギーナン及び水の他、ショ糖、三温糖、グラニュー糖等
の糖類、クエン酸、グルコン酸、フィチン酸、アスコル
ビン酸等の有機酸又はその塩、食塩、フレーバー、色
素、乳化剤等を含むものであってもよい。但し、上述の
油系ベースと同じ理由から、液状水系ベースもローカス
トビーンガム、キサンタンガム及びペクチンを含まない
ものであることが好ましい。
【0034】上記液状水系ベースを製造するにあたって
は、低強度寒天、λ−カラギーナン及び水を均一に混合
し、これを加熱処理して上記低強度寒天を溶解させれば
よく、特に制限されない。従って、例えば、低強度寒天
及びλ−カラギーナンを水、牛乳等の液状物に添加し、
低強度寒天の融点以上に加熱し、次いで容器に充填密封
すればよい。あるいは、低強度寒天の水溶液及びλ−カ
ラギーナンの水溶液をそれぞれ調製し、両者を別々又は
同時に牛乳、紅茶、水等の液状物に添加して均一に混合
し、加熱処理した後容器に充填密封すればよい。なお、
いずれの場合も、ゲル状食品用ベースの保存性を考慮
し、液状水系ベースに上記加熱処理を加熱殺菌処理とし
て行ってもよい。
【0035】本発明のゲル状食品用ベースの製品形態と
しては、例えば油系ベース、液状水系ベースを別々に、
パウチ、チューブ等の容器に充填密封し、両者をカルト
ンに収納してゲル状食品用ベース製品とすればよい。ま
た、油系ベース、液状水系ベースの他に、殺菌済みの果
肉、ソース等を別に容器に充填密封し、これを別添して
もよい。
【0036】本発明のゲル状食品用ベースを用いてゲル
状食品を作る場合には、次の方法により行えばよい。ま
ず、油系ベース及び液状水系ベースを、ボール等の混合
用容器に移し替え、次いで、スプーン、はし、ミキサー
等の攪拌手段を用いて均一になるまで混合する。この混
合により得られたゼリー液を、必要により所望の形状の
型に流し込み、そのまま常温雰囲気に静置するか又は冷
蔵する。本発明では、上記ゼリー液が完全にゲル化する
までの間の油水分離を防止できるので、従来品を用いた
場合よりも均一な外観を有するゲル状食品が得られる。
以下、本発明を実施例により説明する。
【0037】
【実施例1】乳化油脂24重量部、ショ糖5重量部、冷
水可溶性ゼラチン5重量部、全脂粉乳11重量部を均一
に混合した後、この混合物を合成樹脂製のパウチ容器に
充填密封し、油系ベース45重量部を得た。これとは別
に、グラニュー糖25重量部、低強度寒天0.35重量
部、λ−カラギーナン0.15重量部及び水74.5重
量部を混合し、この混合物を合成樹脂製パウチ容器に充
填密封し、80℃、20分間の加熱殺菌処理を施して、
液状水系ベース100重量部を得た。上記パウチ入り油
系ベース、パウチ入り液状水系ベースをカルトンに装填
し、ミルクゼリー用ベースとした。
【0038】次いで、上記ミルクゼリー用ベースを用い
て、次の手順でミルクゼリーを調製した。まず、パウチ
入り液状水系ベースを開封してボールに移した。この時
の液状水系ベースの粘度は、280mPa・s(25
℃)であった。次に、パウチ入り油系ベースを開封して
ボールに移し、スプーンを用いて40秒間攪拌を行い、
均一なゼリー液を得た。この攪拌作業は、何らの困難も
なく、容易に行うことができた。その後、上記ゼリー液
を型に入れ、4℃の冷蔵庫内で30分間冷蔵し、これに
よってミルクゼリーを得た。得られたミルクゼリーは、
油水分離が全く発生しておらず、滑らかなゲル組織を有
するものであった。
【0039】
【実施例2】菜種白絞油24重量部に、グリセリンステ
アリン酸エステル0.72重量部(油脂全量の3重量
%)、及びプロピレングリコールステアリン酸エステル
1.68重量部(油脂全量の7重量%)を添加し、これ
を均一に混合した。次いで、この混合物に80℃、15
分間の加熱処理を施し、固形/流動油脂26.4重量部
を得た。次に、上記加熱処理後であって品温70℃まで
品温が低下した時点で、固形/流動油脂26.4重量部
に、冷水可溶性ゼラチン粉末5重量部、ショ糖5重量
部、全脂粉乳11重量部を添加し、これを均一に混合し
た。次いで、前記混合物が流動性を有している間に、こ
れを透明なパウチ容器に充填密封し、5℃の雰囲気で冷
蔵して、パウチ入り油系ベース47.4重量部を得た。
このパウチ入り油系ベースは、固形状を呈していた。次
に、このパウチ入り油系ベースと、実施例1のパウチ入
り液状水系ベースとをカルトンに装填し、ミルクゼリー
用ベースを得、これを1ヶ月間常温で保存した。
【0040】その後、パウチ入り油系ベースを見たとこ
ろ、冷水可溶性ゼラチンの沈降は全く見られず、均一な
状態であった。そこで、この油系ベースを容器ごと手で
10回揉んだ後、この油系ベース開封し、ボールに移し
た。この油系ベースは、品温25℃で1500mPa・
sの粘度のペースト状であった。次いで、液状水系ベー
スを開封してボールに移した。この時の液状水系ベース
の粘度(25℃)は280mPa・sであった。次いで
両ベースの混合物をスプーンで手早く攪拌し、均一なゼ
リー溶液147.4重量部を得、型に入れて4℃の冷蔵
庫内で30分間冷蔵し、ミルクゼリーを得た。このミル
クゼリーは、均一な外観を呈しており、油水分離は全く
認められなかった。
【発明の効果】本発明のゲル状食品用ベースは、液状水
系ベースに低強度寒天及びλ−カラギーナンを配合した
ことにより、油系ベース中の冷水可溶性ゲル化剤を確実
にゲル化させることができる。従って、所定のゲル強度
を有するゲル状食品を作ることができる。
【0041】また、本発明のゲル状食品用ベースによれ
ば、油系ベースと液状水系ベースを混合して得られたゼ
リー溶液が完全にゲル化する前に生じる油水分離を防止
することができる。従って、従来のゲル状食品用ベース
よりも確実に、均一なゲル組織を有するゲル状食品を作
ることができる。
【0042】さらに、液状水系ベースの粘度が200m
Pa・s〜400mPa・sである場合には、これとは
異なる粘度の水系ベースを用いた場合よりも、油系ベー
ス及び液状水系ベースの混合が容易になる。従って、均
一なゲル状食品を手早く調製することができる。
【0043】液状水系ベースがローカストビーンガム、
キサンタンガム、及びペクチンを含まない場合には、当
該液状水系ベースが粘りの少ないものとなる。従って、
キサンタンガム、及びペクチンを含む液状水系ベースを
用いた場合よりも、均一なゼリー液を手早く調製するこ
とができる。また、粘り気のない喉越しの良好なゲル状
食品を作ることができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油脂に冷水可溶性ゲル化剤を分散させた、
    常温で流動性を有するか又は流動化可能な油系ベース
    と、1.5重量%溶液(品温85℃)の粘度が5mPa
    ・s以下の低強度寒天、λ−カラギーナン及び水を含む
    液状水系ベースとを有するゲル状食品用ベース。
  2. 【請求項2】 液状水系ベースの粘度が、200mPa
    ・s〜400mPa・sであることを特徴とする請求項
    1記載のゲル状食品用ベース。
  3. 【請求項3】 油系ベース及び液状水系ベースが、ロー
    カストビーンガム、キサンタンガム及びペクチンを含ま
    ないものであることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載のゲル状食品用ベース。
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