JP3522893B2 - 高密度粒状洗剤組成物 - Google Patents

高密度粒状洗剤組成物

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JP3522893B2 JP11721695A JP11721695A JP3522893B2 JP 3522893 B2 JP3522893 B2 JP 3522893B2 JP 11721695 A JP11721695 A JP 11721695A JP 11721695 A JP11721695 A JP 11721695A JP 3522893 B2 JP3522893 B2 JP 3522893B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度の洗剤組成物に
関する。更に詳しくは、生物分解性に優れたビルダーを
配合した、洗浄力に優れた高密度粒状洗剤組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】衣料用洗剤は、汚れを可溶化し、繊維か
ら洗濯液中に溶解、分散させる界面活性剤、汚れの分解
や可溶化を促進させるアルカリ剤、汚れを分散させるた
めの高分子化合物、界面活性剤の能力を低下させるカル
シウムやマグネシウム等を洗濯液中から除去するための
金属イオン封鎖剤等により基本的に構成されている。
【0003】これらの成分のうち、それ自体で洗浄性能
を示すものではないが、界面活性剤等と組み合わせるこ
とで洗浄力を向上させる目的の物質を、一般に洗浄助剤
(洗剤ビルダー)と呼んでいる。これら洗剤ビルダーの
うち、特に、前述した金属イオン封鎖剤は界面活性剤の
性能をより効果的に発現させるための物質であり、極め
て重要な洗剤ビルダーの一つである。
【0004】かつて衣料用洗剤には、金属イオン封鎖剤
としてトリポリリン酸ナトリウム等のリン化合物が配合
されていたが、湖水や沼等の富栄養化の原因の一つとし
て考えられており、洗剤業界はリン酸塩ビルダーを含ま
ない洗剤の開発を行なってきた。現在は特定の構造を有
する結晶性アルミノ珪酸ナトリウム(当業界ではゼオラ
イトと称呼される)がリン酸塩型ビルダーにおける問題
がない上、近年では価格的にも安定していることから、
金属イオン封鎖剤の主成分となっている。
【0005】また、衣料用洗剤は1980年代後半より、そ
の形態において世界的に変貌をとげ、嵩密度が高く、使
用時の容量が小さい、いわゆるコンパクト洗剤が主流を
占めるようになってきている。しかしながら、コンパク
ト洗剤の洗剤粒子は従来の洗剤粒子に比べて緊密化され
ているため、溶解性が問題となるが、ゼオライトはそれ
自体が水不溶性であるため、コンパクト洗剤による洗濯
時に更に水不溶性物質を発生する原因となることがあ
る。この問題に関して、本出願人らはコンパクト洗剤の
組成や製法において多様の工夫を行なうことで解決を図
っているが、配合が制限されること等があり、産業上の
発達を進める上でより優れた洗剤ビルダーの開発は現在
も行なわれている。
【0006】また、ビルダー成分として、上記のような
ゼオライトの他にも結晶性珪酸塩が使用され、例えば特
開昭60−227895号公報には、結晶性珪酸塩を水軟化剤と
して利用することが、また特開平6−10000 号公報、特
開平2−178398号公報、特開平7−53992 号公報等には
結晶性珪酸塩を配合した洗剤組成物が、更に特開平5−
184946号公報、特開平6−116588号公報には特定の結晶
性珪酸塩及びこれを含有する洗剤組成物が開示されてい
る。
【0007】一方、ゼオライトは水不溶性の洗剤ビルダ
ーであるが、水溶性の洗剤ビルダーとしてポリカルボン
酸塩等の有機ビルダーが挙げられる。具体的には、クエ
ン酸塩、リンゴ酸塩、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジア
ミン四酢酸塩、カルボキシル基を有するビニル化合物の
高分子体等が挙げられるが、これらは金属イオン封鎖能
が十分でなかったり、魚毒性等の指摘や、また生物分解
性が悪く、環境への影響が懸念されている。このような
背景から、有機ビルダーとして、例えば特開平5−1707
14号公報には、エポキシコハク酸或いはマレイン酸とア
スパラギン酸との反応により得られる特定のビルダー及
びこれを含有する洗浄剤組成物が開示されており、この
ビルダーは生物分解性と洗浄力に優れることが記載され
ている。また、特開平6−248300号公報には、ヒドロキ
シイミノジコハク酸塩からなるビルダーを特定量含有す
る洗剤組成物が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機ビ
ルダーであるヒドロキシイミノジコハク酸塩等を用いた
洗浄剤組成物に関しては、更なる洗浄力の向上が可能で
あると考えられており、しかも、ゼオライトや結晶性珪
酸塩のような無機ビルダーと併用する系において、最適
な高密度洗剤の組成は未だ知られていない。このような
状況から、本発明の目的は、生物分解性の高い有機ビル
ダーとキレート能の高い無機ビルダーを併用した系にお
いて、更に洗浄力を向上させた高密度洗剤を提供するこ
とである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々検討し
た結果、アニオン性界面活性剤を主洗浄基剤とする系に
おいて、特定の含窒素有機ビルダーと、アルミノ珪酸塩
と、結晶性珪酸塩とをビルダーとして特定割合で配合す
ることにより、飛躍的に洗浄力が向上することを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち本発明は、 (a)下記一般式(I)で表される有機ビルダー 1.5
〜45重量%
【0011】
【化2】
【0012】〔式中、R は水素原子又は水酸基を表し、
X は水素原子、アルカリ金属又はアンモニウム基を表
す。〕 (b)アニオン性界面活性剤 20〜50重量% (c)アルミノ珪酸塩 1〜30重量% (d)結晶性珪酸塩 1〜40重量% を含有し、嵩密度が 0.6〜1.2 g/mlである高密度粒状
洗剤組成物を提供するものである。以下、本発明の高密
度粒状洗剤組成物に関して詳細に説明する。
【0013】(a)有機ビルダー 本発明に用いられる有機ビルダーは、前記一般式(I)
で表されるものであり、一般式(I)中のX(対イオ
ン)はナトリウムやカリウム等のアルカリ金属が一般的
である。かかる有機ビルダーは、完全に中和された四ア
ルカリ金属塩の場合に最も洗浄力の向上効果が高いが、
部分中和されたものでも充分な洗浄力の向上効果を示
す。
【0014】本発明において、(a)成分の有機ビルダ
ーは、組成物中に 1.5〜45重量%、好ましくは3〜30重
量%配合される。(a)成分の配合量が 1.5重量%未満
であると有機ビルダーの効果が小さくなり洗浄効果が低
下し、また45重量%を超えると洗剤としてのバランスが
悪くなり洗浄力が低下する。
【0015】(a)成分の有機ビルダーは、特開平5−
170714号公報、特開平6−248300号公報等に開示されて
おり、ビルダーとしては公知の化合物ではあるが、本発
明のようにアニオン性界面活性剤を主洗浄基剤とする系
で、無機ビルダーと併用する場合に、どのような組成が
洗浄力の向上に最適であるかは全く知られていなかっ
た。
【0016】(b)アニオン性界面活性剤 アニオン性界面活性剤としてはアルキル鎖の炭素数が8
〜22のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルまたは
アルケニルエーテル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル
硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪
酸塩又はアルキルエステル塩、アルカンスルホン酸塩、
飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキルまたはアルケニルエ
ーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシ
ルアミノ酸型界面活性剤、アルキルまたはアルケニルリ
ン酸エステル又はその塩が例示される。
【0017】中でも炭素数10〜18の高級脂肪酸塩、炭素
数10〜18の直鎖もしくは分岐鎖の1級もしくは2級アル
コールの硫酸エステル塩、炭素数8〜20の高級アルコー
ルのエトキシレート化物の硫酸エステル塩、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オ
レフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩及びα−ス
ルホ脂肪酸アルキルエステル塩から選ばれる1種又は2
種以上が好ましい。
【0018】(b)成分は、組成物中に20〜50重量%、
好ましくは20〜40重量%配合される。(b)成分の配合
量が20重量%未満であると洗浄力が低下し、また50重量
%を超えると洗剤としての配合バランスがこわれるた
め、洗浄性能が低下する。
【0019】(c)アルミノ珪酸塩 本発明の(c)成分のアルミノ珪酸塩としては、非晶
質、結晶質何れのものを用いることができる。
【0020】非晶質アルミノ珪酸塩としては、珪素を S
iO2 として30重量%以上、好ましくは40重量%以上含有
するものが好ましく、また5%分散液のpHが9以上であ
るものを用いると高湿度貯蔵後の洗剤の溶解性の劣化が
更に改善される。
【0021】本発明に用いられる非晶質アルミノ珪酸塩
としては、下記一般式(i) で表されるものが例示され、
これらは高吸油性で且つ陽イオン交換能が高い。 a(M2O)・Al2O3・b(SiO2)・c(H2O) (i) 〔式中、M はアルカリ金属原子、a,b,c は各成分のモル
数を表し、一般的には0.7 ≦a ≦2.0 、 0.8≦b <4、
c は任意の正数である。〕 特に次の一般式(ii) Na2O・Al2O3・b(SiO2)・c(H2O) (ii) 〔ここで、b は 1.8〜3.2 、c は1〜6の数を表す。〕
で表されるものが好ましい。
【0022】かかる非晶質アルミノ珪酸塩の製造法を簡
単に説明する。まず、SiO2とM2O (Mはアルカリ金属を意
味する) のモル比がSiO2/M2O =1.0 〜4.0 であり、H2
O とM2O のモル比が H2O/M2O =12〜200 である珪酸ア
ルカリ金属塩水溶液に、M2OとAl2O3 のモル比がM2O/Al
2O3= 1.0〜2.0 であり、H2O とM2O のモル比がH2O/M2
O = 6.0〜500 である低アルカリアルミン酸アルカリ金
属塩水溶液を15〜60℃、好ましくは30〜50℃の温度のも
とで強攪拌下に添加する。また、アルミン酸アルカリ金
属塩水溶液に珪酸アルカリ金属塩水溶液を添加してもよ
い。次いで生成した白色沈澱物スラリーを70〜100℃、
好ましくは90〜100℃の温度で10分以上10時間以下、好
ましくは5時間以下加熱処理し、その後濾過、洗浄、乾
燥することにより有利に得ることができる。この方法に
よりイオン交換能100CaCO3 mg/g以上、吸油能 200ml
/100 g以上の非晶質アルミノ珪酸塩を容易に得ること
ができる。
【0023】また、非晶質アルミノ珪酸塩の5%分散液
のpHはJIS K 6220に基づいて測定される。即ち、試料約
5gを硬質三角フラスコに量り採り、炭酸を含まない水
100mlを加え、栓をして5分間振り混ぜる。振り混ぜた
後の液を被検液としてガラス電極方法(JIS Z 8802 の7.
2.3)によりpHを測定する。5%分散液のpHが 9.0以上の
非晶質アルミノ珪酸塩を選択することにより、高湿度条
件下で貯蔵した場合において溶解性が劣化しない高密度
洗剤組成物を得ることができる。
【0024】また、洗剤のアルカリ度が非常に高い、或
いは貯蔵条件が非常に過酷な場合には更に厳しい2%Na
OH水溶液に対する溶解量が 0.5g以下であるという条件
を満たす非晶質アルミノ珪酸塩を選択するとよい。即
ち、非晶質アルミノ珪酸塩10gを2%NaOH水溶液 100ml
に分散し、25℃恒温条件で16時間攪拌し、濾液中のSiO2
を比色定量(比色定量は、油化学25巻、p156、1976年を
参照)する方法で、その溶解量が非晶質アルミノ珪酸塩
として 0.5g以下であるようなものである。
【0025】また、結晶質のアルミノ珪酸塩は、一般に
ゼオライトといわれているものであり、下記式 a'(M2O)・Al2O3・b'(SiO2)・w(H2O) (iii) 〔式中、M はアルカリ金属原子、a', b', w は各成分の
モル比を表し、一般的には 0.7≦a'≦1.5 、 0.8≦b'<
6、w は任意の正数である。〕で表されるものであり、
中でも次の一般式(iv) Na2O・Al2O3・n(SiO2)・w(H2O) (iv) 〔ここで、n は1.8 〜3.0 、w は1〜6の数を表す。〕
で表されるものが好ましい。結晶性アルミノ珪酸塩(ゼ
オライト)としては、A型、X型、P型ゼオライトに代
表される平均一次粒径0.1 〜10μm の合成ゼオライトが
好適に使用される。ゼオライトは粉末及び/又はゼオラ
イトスラリーを乾燥して得られるゼオライト凝集乾燥粒
子として配合してもよい。
【0026】本発明において、(c)成分のアルミノ珪
酸塩は、組成物中に1〜30重量%、好ましくは5〜25重
量%配合される。(c)成分の配合量がこの範囲をはず
れると洗浄力の低下をきたす。
【0027】なお、本発明においては、前記した(a)
成分の有機ビルダーと、(c)成分のアルミノ珪酸塩と
を、(c)/(a)重量比が3/2〜1/20、好ましく
は1/1〜1/4となる範囲で用いることが望ましい。
両者の重量比をこの範囲で用いることにより、さらに好
ましい洗浄力が得られる。
【0028】(d)結晶性珪酸塩 本発明に用いられる結晶性珪酸塩は、珪酸(SiO2)のアル
カリ金属が好ましく、なかでも、アルカリ金属ケイ酸塩
のSiO2/M2O (但しM はアルカリ金属を表す。)が0.5
〜2.6 であるものが好適に用いられる。従来知られてい
る結晶性珪酸塩はSiO2/Na2Oが1.9 〜4.0 であるが、こ
の比率が2.6 を超えるものは本発明の対象となる高密度
洗剤の配合に向かない場合がある。
【0029】本発明に用いられる結晶性珪酸塩として好
適なものは、次の組成を有するものである。 x(M2O)・y(SiO2)・z(MemOn)・w(H2O) (II) 〔式中、M は周期律表のIa族元素を表し、Meは周期律表
の IIa族元素、IIb 族元素、IIIa族元素、IVa族元素又
はVIII族元素から選ばれる1種又は2種以上の組み合わ
せを示し、 y/x =0.5 〜2.6 、 z/x =0.01〜1.0 、
w =0〜20、 n/m =0.5 〜2.0 である。〕 M2O・x'(SiO2)・y'(H2O) (III) 〔式中、M はアルカリ金属を表し、x'= 1.5〜2.6 、y'
=0〜20である。〕。
【0030】まず、前記の一般式(II)で表される結
晶性珪酸塩について説明する。一般式(II)において、
M は周期律表のIa族元素から選ばれ、Ia族元素として
は、Na、K 等が挙げられる。これらは単独で或いは例え
ばNa2OとK2O とが混合してM2O を成分を構成してもよ
い。
【0031】Meは周期律表の IIa族元素、IIb 族元素、
IIIa族元素、IVa 族元素又はVIII族元素から選ばれ、例
えばMg、Ca、Zn、Y 、Ti、Zr、Fe等が挙げられる。これ
らは特に限定されるものではないが、資源及び安全上の
点から好ましくはMg、Caである。また、これらは単独で
或いは2種以上混合していてもよく、例えばMgO、CaO等
が混合してMemOn 成分を構成していてもよい。
【0032】また、一般式(II)において、 y/x は
0.5〜2.6 であり、好ましくは1.5 〜2.2 である。 y/x
が 0.5未満では耐水溶性が不十分であり、ケーキング
性、溶解性、洗剤組成物の粉末物性に著しく悪影響を及
ぼす。また、 y/x が2.6 を超えると、アルカリ能が低
くなり、アルカリ剤として不十分となり、且つイオン交
換能も低くなり、イオン交換体としても不十分である。
また、一般式(II)において、 z/x は0.01〜1.0 であ
り、好ましくは0.02〜0.9 である。 z/x が0.01未満で
は耐水溶性が不十分であり、 z/x が1.0 を超えるとイ
オン交換能も低くなり、イオン交換体として不十分であ
る。x, y, z は前記の y/x 比、 z/x 比に示されるよ
うな関係であれば特に限定されるものではない。なお、
前記のようにx(M2O)が例えばx'(Na2O)・x''(K2O)・とな
る場合は、x はx'+x'' となる。このような関係は、z
(MemOn) 成分が2種以上のものからなる場合におけるz
においても同様である。また、 n/m は、当該元素に配
位する酸素イオン数を示し、実質的には0.5 、1.0 、1.
5 、2.0 の値から選ばれる。
【0033】一般式(II)で表される結晶性珪酸塩は、
M2O 、SiO2、MemOn の三成分よりなっている。従って、
一般式(II)で表される結晶性珪酸塩を製造するには、
その原料として各成分が必要になるが、本発明において
は特に限定されることなく公知の化合物が適宜用いられ
る。例えば、M2O 成分、MemOn 成分としては、各々の当
該元素の単独或いは複合の酸化物、水酸化物、塩類、当
該元素含有鉱物が用いられる。具体的には、例えばM2O
成分の原料としては、NaOH、KOH 、Na2CO3、K2CO3 、Na
2SO4等が、MemOn 成分の原料としては、CaCO3 、MgC
O3 、Ca(OH)2 、Mg(OH)2 、MgO 、ZrO2、ドロマイト等
が挙げられる。SiO2成分としてはケイ石、カオリン、タ
ルク、溶融シリカ、珪酸ソーダ等が用いられる。
【0034】一般式(II)で表される結晶性珪酸塩の調製
方法は、目的とする結晶性珪酸塩のx, y, z の値となる
ように所定の量比で上記原料成分を混合し、通常300 〜
1500℃、好ましくは500 〜1000℃、更に好ましくは600
〜900 ℃の範囲で焼成して結晶化させる方法が例示され
る。この場合、加熱温度が300 ℃未満では結晶化が不十
分で耐水溶性に劣り、また1500℃を超えると粗大粒子化
しイオン交換能が低下する。加熱時間は通常 0.1〜24時
間である。このような焼成は通常、電気炉、ガス炉等の
加熱炉で行なうことができる。
【0035】このようにして得られた一般式(II)で表
される結晶性珪酸塩は、0.1 重量%水分散液において11
以上のpHを示し、優れたアルカリ能を示す。また、アル
カリ緩衝効果についても特に優れており、炭酸ソーダや
炭酸カリウムと比較してもアルカリ緩衝効果が優れるも
のである。
【0036】一般式(II)で表される結晶性珪酸塩は、
イオン交換容量として、少なくとも100CaCO3mg/g以
上、好ましくは200 〜600CaCO3mg/gを有するものであ
り、本発明におけるイオン捕捉能を有する物質の一つで
ある。また、水へのSi溶出量はSiO2換算で通常110 mg/
g以下であり、実質的に水に不溶である。なお、本発明
において実質的に水に不溶であるとは、試料2gをイオ
ン交換水100 g中に加え、25℃で30分攪拌した場合にお
けるSi溶出量がSiO2換算で通常110 mg/gより少ないも
のをいうが、本発明においてはSi溶出量がSiO2換算で10
0 mg/g以下のものが、本効果を満たす上でより好まし
い。
【0037】一般式(II)で表される結晶性珪酸塩は、
前記のようにアルカリ能とアルカリ緩衝効果を有し、更
にイオン交換能を有するため、その配合量を適宜調整す
ることにより、前述の洗浄条件を好適に調整することが
できる。
【0038】一般式(II)で表される結晶性珪酸塩は、
その平均粒径が 0.1〜100 μmであることが好ましく、
より好ましくは1〜60μmである。平均粒径が100 μm
を超えると、イオン交換の発現速度が遅くなる傾向があ
り、洗浄性の低下を招く。また、0.1 μm未満であると
比表面積の増大により吸湿性並びに吸CO2 性が増大し、
品質の劣化が著しくなる傾向がある。なお、ここでいう
平均粒径とは、粒度分布のメジアン径である。
【0039】このような平均粒径及び粒度分布を有する
結晶性珪酸塩は、振動ミル、ハンマーミル、ボールミ
ル、ローラーミル等の粉砕機を用い、粉砕することによ
って調製することができる。例えば、HB−O 型振動ミル
(中央化工機 (株) 製)にて粉砕することにより、容易
に得ることができる。
【0040】次に前記の一般式(III) で表される結晶
性珪酸塩について説明する。この結晶性珪酸塩は、一般
式(III) M2O・x'(SiO2)・y'(H2O) (III) 〔式中、M はアルカリ金属を表し、x'= 1.5〜2.6 、y'
=0〜20である。〕で表されるものであるが、一般式(I
II) 中のx'、y'が 1.7≦x'≦2.2 且つy'=0のものが好
ましく、陽イオン交換能が100 〜400CaCO3mg/gのもの
が使用でき、本発明におけるイオン捕捉能を有する物質
の一つである。一般式(III) で表される結晶性珪酸塩
は、このようにアルカリ能とアルカリ緩衝効果を有し、
更にイオン交換能を有するため、その配合量を適宜調整
することにより、前述の洗浄条件を好適に調整すること
ができる。
【0041】一般式(III) で表される結晶性珪酸塩は、
特開昭60−227895号公報にその製法が記載されており、
一般的には無定形のガラス状珪酸ソーダを200 〜1000℃
で焼成して結晶性とすることによって得られる。合成方
法の詳細は例えばPhys.Chem.Glasses.7, 127-138(196
6)、Z.Kristallogr., 129, 396-404(1969)等に記載され
ている。また、一般式(III) で表される結晶性珪酸塩
は、例えば、ヘキスト社より商品名「Na-SKS-6」(δ−
Na2Si2O5)として、粉末状、顆粒状のものが入手でき
る。本発明において、一般式(III) で表される結晶性珪
酸塩は、一般式(II)で表される結晶性珪酸塩と同様
に、平均粒径が 0.1〜 100μmであることが好ましく、
より好ましくは1〜60μmである。
【0042】本発明において、前記一般式(II)で表さ
れる結晶性珪酸塩、前記一般式(III) で表される結晶性
珪酸塩は、それぞれ単独或いは2種以上を用いることが
でき、また組成物中に配合するアルカリ剤のうち、50〜
100 重量%、より好ましくは70〜100 重量%を占めるこ
とが望ましい。
【0043】本発明において、(d)成分の結晶性珪酸
塩は、組成物中に1〜40重量%、好ましくは5〜35重量
%配合される。(d)成分の配合量が1重量%未満であ
ると洗浄力が低下し、また40重量%を超えると他の配合
物の量が限定されるので、洗剤としての粉末物性が低下
すると共に洗浄性能が低下する。
【0044】(e)任意成分 本発明の高密度粒状洗剤組成物には、上記の(a)〜
(d)成分の他に、以下のような任意の成分を、必要に
応じた量で配合することができる。
【0045】(1)(b)成分以外の界面活性剤 アニオン性界面活性剤以外の界面活性剤としては、非イ
オン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活
性剤が用いられる。
【0046】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、脂肪酸アルキルエステル
のエチレンオキシド付加物、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキル
エーテル類、ポリオキシプロピレンアルケニルエーテル
類、ポリオキシブチレンアルキルエーテル類、ポリオキ
シブチレンアルケニルエーテル類、蔗糖脂肪酸エステル
類、脂肪酸グリセリンモノエステル類、高級脂肪酸アル
カノールアミド類、ポリオキシエチレン高級脂肪酸アル
カノールアミド類、アミンオキサイド類及びアルキルグ
リコシド類、好ましくは下記一般式(A)で表されるア
ルキルグリコシド類等が挙げられる。 R3(OR4)xGy (A) (式中、R3は直鎖又は分岐鎖の平均炭素数8〜18のアル
キル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基、R4は平
均炭素数2〜4のアルキレン基、 Gは炭素数5又は6の
還元糖に由来する残基、xは平均0〜6の数、yは平均
1〜10の数を示す。)また、陽イオン性面活性剤を配合
することにより柔軟性を付与することが可能になる。陽
イオン界面活性剤は本効果を阻害しない限り配合しても
良いが、通常0.1 〜5重量%である。
【0047】その他の界面活性剤としては、例えば、ア
ルキルカルボベタイン、アルキルスルホベタイン、アル
キルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドヒドロ
キシスルホベタイン、アルキルアミドアミン型ベタイ
ン、アルキルイミダゾリン型ベタイン等の両性界面活性
剤等を効果を阻害しない限り配合可能である。
【0048】(2)(a),(c),(d)成分以外の
ビルダー (I)無機ビルダー 1) 炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウ
ム、亜硫酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム等のアル
カリ性塩。 2) 硫酸ナトリウムなどの中性塩。 3) オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸
塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩
などのリン酸塩(ナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属塩)。 (II)有機ビルダー 有機ビルダーとしては以下の物質が例示される。 1) エタン−1,1 −ジホスホン酸、エタン−1,2 −トリ
ホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1 −ジホスホ
ン酸及びその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2 −トリ
ホスホン酸、エタン−1,2 −ジカルボキシ−1,2 −ジホ
スホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸等のホスホン酸
の塩 2) 2−ホスホノブタン−1,2 −ジカルボン酸、1−ホ
スホノブタン−2,3,4 −トリカルボン酸、α−メチルホ
スホノコハク酸等のホスホノカルボン酸の塩 3) アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸の塩 4) ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、ジ
エチレンジアミン五酢酸塩等のアミノポリ酢酸塩 5) ポリアクリル酸、特開昭54−52196 号公報記載のポ
リグリオキシル酸塩、ポリアコニット酸、ポリイタコン
酸、ポリシトラコン酸、ポリフマル酸、ポリマレイン
酸、ポリメタコン酸、ポリ−α−ヒドロキシアクリル
酸、ポリビニルホスホン酸、スルホン化ポリマレイン
酸、無水マレイン酸−ジイソブチレン共重合体、無水マ
レイン酸−スチレン共重合体、無水マレイン酸−メチル
ビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−エチレン共
重合体、無水マレイン酸−エチレンクロスリンク共重合
体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、無水マレイ
ン酸−アクリロニトリル共重合体、無水マレイン酸−ア
クリル酸エステル共重合体、無水マレイン酸−ブタジエ
ン共重合体、無水マレイン酸−イソプレン共重合体、無
水マレイン酸と一酸化炭素から誘導されるポリ−β−ケ
トカルボン酸、イタコン酸、エチレン共重合体、イタコ
ン酸−アコニット酸共重合体、イタコン酸−マレイン酸
共重合体、イタコン酸−アクリル酸共重合体、マロン酸
−メチレン共重合体、イタコン酸−フマル酸共重合体、
アクリル酸−マレイン酸共重合体、エチレングリコール
−エチレンテレフタレート共重合体、ビニルピロリドン
−酢酸ビニル共重合体、1−ブテン−2,3,4 −トリカル
ボン酸−イタコン酸−アクリル酸共重合体、第四アンモ
ニウム基を有するポリエステルポリアルデヒドカルボン
酸、エポキシコハク酸のシス−異性体、ポリ〔N,N −ビ
ス(カルボキシメチル)アクリルアミド〕、ポリ(オキ
シカルボン酸)、デンブンコハク酸あるいはマレイン酸
あるいはテレフタル酸エステル、デンプンリン酸エステ
ル、ジカルボキシデンプン、ジカルボキシメチルデンプ
ン、カルボキシルメチルセルロース、コハク酸エステ
ル、ポリアスパラギン酸等の高分子電解質 6) ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、
冷水可溶性ウレタン化ポリビニルアルコール等の非解離
高分子 7) ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメ
チルオキシコハク酸、シクロペンタン−1,2,3,4 −テト
ラカルボン酸、テトラヒドロフラン−1,2,3,4−テトラ
カルボン酸、テトラヒドロフラン−2,2,5,5 −テトラカ
ルボン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、ショ糖、ラクトー
ス、ラフィノース等のカルボキシメチル化物、ペンタエ
リスリトールのカルボキシメチル化物、グルコン酸のカ
ルボキシメチル化物、多価アルコールあるいは糖類と無
水マレイン酸あるいは無水コハク酸との縮合物、オキシ
カルボン酸と無水マレイン酸あるいは無水コハク酸との
縮合物、メリット酸で代表されるベンゼンポリカルボン
酸、エタン−1,1,2,2 −テトラカルボン酸、エテン−1,
1,2,2 −テトラカルボン酸、ブタン−1,2,3,4 −テトラ
カルボン酸、プロパン−1,2,3 −トリカルボン酸、ブタ
ン−1,4 −ジカルボン酸、シュウ酸、スルホコハク酸、
デカン−1,10−ジカルボン酸、スルホトリカルバリル
酸、スルホイタコン酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、
グルコン酸、CMOS、ビルダーM 等の有機酸塩。
【0049】これらのビルダー中でも、特に平均分子量
1,000〜200,000 の 5) 高分子電解質は汚れの分散性能
に優れており、組成物中に1〜20重量%配合することが
好ましい。
【0050】(3)漂白剤 漂白剤としては、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウ
ム(1水塩が好ましい)、又は硫酸ナトリウム過酸化水
素付加体等が挙げられ、特に過炭酸ナトリウムが好まし
い。
【0051】(4)漂白活性化剤 漂白活性化剤としては、テトラアセチルエチレンジアミ
ン、アセトキシベンゼンスルホン酸塩、特開昭59−2299
9 号公報、特開昭63−258447号公報、特開平6−316700
号公報記載の有機過酸前駆体、又は遷移金属を金属イオ
ン封鎖剤で安定化させた金属触媒等が挙げられる。
【0052】(5)酵素(本来的に酵素作用を洗浄工程
中になす酵素である。)酵素の反応性から分類すると、
ヒドロラーゼ類、ヒドラーゼ類、オキシドレダクターゼ
類、デスモラーゼ類、トランスフェラーゼ類及びイソメ
ラーゼ類が挙げられるが、本発明にはいずれも適用でき
る。特に好ましいのはヒドロラーゼ類であり、プロテア
ーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、カルボヒドラーゼ、ヌ
クレアーゼ、セルラーゼ及びアミラーゼが含まれる。プ
ロテアーゼの具体例は、ペプシン、トリプシン、キモト
リプシン、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラスター
ゼ、スプチリシン、BPN 、パパイン、プロメリン、カル
ボキシペプチターゼA及びB、アミノペプチターゼ、ア
スパーギロペプチターゼA及びBであり、市販品とし
て、サビナーゼ、アルカラーゼ(ノボインダストリー
社)、API 21(昭和電工 (株) )、マクサカル(ギスト
ブロケイデス社)、特開平5−43892 号公報記載のプロ
テアーゼK-14もしくはK-16がある。エステラーゼの具体
例は、ガストリックリパーゼ、パンクレアチックリパー
ゼ、植物リパーゼ類、ホスホリパーゼ類、コリンエステ
ラーゼ類及びホスホターゼ類がある。リパーゼとして
は、リポラーゼ(ノボインダストリー社)等の市販のリ
パーゼを用いることができる。カルボヒドラーゼの具体
例としては、セルラーゼ、マルターゼ、サッカラーゼ、
アミラーゼ、ペクチナーゼ、リゾチーム、α−グリコシ
ダーゼ及びβ−グリコシダーゼが挙げられる。また、セ
ルラーゼとしては市販のセルザイム(ノボインダストリ
ー社)、特開昭63−264699号公報の請求項4記載のセル
ラーゼが使用でき、アミラーゼとしては市販のターマミ
ル(ノボインダストリー社)等が使用できる。
【0053】(6)酵素安定剤 酵素安定剤として還元剤(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水
素ナトリウム、カルシウム塩、マグネシウム塩、ポリオ
ール、ホウ素化合物等)を用いることができる。
【0054】(7)青色付剤 各種の青味付剤も必要に応じて配合できる。例えば次の
式 (i) 及び式(ii)の構造のものが奨用される。
【0055】
【化3】
【0056】(式中、D1は青色乃至紫色のモノアゾ、ジ
スアゾ又はアントラキノン系色素残基を表わし、X1及び
Y1は水酸基;アミノ基、水酸基、スルホン酸基、カルボ
ン酸基又はアルコキシ基で置換されていることもある脂
肪族アミノ基;ハロゲン原子、水酸基、スルホン酸基、
カルボン酸基、低級アルキル基又は低級アルコキシ基で
置換されていることもある芳香族アミノ基又は環状脂肪
族アミノ基を表わし、R は水素原子又は低級アルキル基
を表わす。ただし、R が水素原子を表わす場合であっ
て、X1及びY1が同時に水酸基又はアルカノールアミノ
基を表わす場合、並びにX1及びY1のいずれか一方が水
酸基であり、他方がアルカノールアミノ基である場合を
除く。nは2以上の整数を表わす。)
【0057】
【化4】
【0058】(式中、D2は青色乃至紫色のアゾ又はアン
トラキノン系色素残基を表わし、Rは水素原子又は低級
アルキル基を表わし、X2及びY2は同一又は相異なるアル
カノールアミノ基又は水酸基を表わす。) (8)ケーキング防止剤 ケーキング防止剤としては、パラトルエンスルホン酸
塩、キシレンスルホン酸塩、酢酸塩、スルホコハク酸
塩、タルク、微粉末シリカ、粘土、酸化マグネシウム等
が挙げられる。なお、微粉末シリカ等で多孔質のもの
は、非イオン性界面活性剤の担体として使用できる。ま
た、粘土(スメクタイト状粘土)は、柔軟化剤としても
効果的である。
【0059】(9)酸化防止剤 酸化防止剤としては、第3ブチルヒドロキシトルエン、
4,4'−ブチリデンビス−(6−第3ブチル−3−メチル
フェノール)、2,2'−ブチリデンビス−(6−第3ブチ
ル−4−メチルフェノール)、モノスチレン化クレゾー
ル、ジスチレン化クレゾール、モノスチレン化フェノー
ル、ジスチレン化フェノール、1,1'−ビス−(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられる。
【0060】(10)蛍光染料 蛍光染料として、4,4'−ビス−(2−スルホスチリル)
−ビフェニル塩、4,4'−ビス−(4−クロロ−3−スル
ホスチリル)−ビフェニル塩、2−(スチリルフェニ
ル)ナフトチアゾール誘導体、4,4'−ビス(トリアゾー
ル−2−イル)スチルベン誘導体、ビス(トリアジニル
アミノ)スチルベンジスルホン酸誘導体の1種又は2種
以上を、組成物中に0〜1重量%含有することができ
る。 (11)光活性化漂白剤 スルホン化アルミニウムフタロシアニン、スルホン化亜
鉛フタロシアニンの1種又は2種を組成物中に0〜0.2
重量%含有することができる。 (12)香料 香料としては、従来洗剤に配合される香料、例えば特開
昭63−101496号公報記載の香料を使用することができ
る。
【0061】本発明の高密度洗剤組成物は粉末又は粒状
の組成物であるが、その製造方法は特に限定されること
はなく、従来より公知の方法を用いることができる。特
に、各成分を水分量30〜80重量%、好ましくは35〜60重
量%の水性スラリーを噴霧乾燥させて得られる噴霧乾燥
粒子、好ましくはその噴霧乾燥粒子を造粒し高嵩密度化
することが望ましい。又は、未中和物に、アルカリ金属
の水酸化物等のアルカリ剤で直接中和混合し、他の洗浄
ビルダーと共に捏和(ねっか)、混合後に冷却し、粉砕
する方法を用いてもよい。高嵩密度化は、特開昭61−69
897 号公報、特開昭61−69899 号公報、特開昭61−6990
0 号公報、特開平2−222498号公報、特開平2−222499
号公報、特開平3−33199 号公報、特開平5−86400 号
公報、特開平5−209200号公報に記載の方法を用いるこ
とができる。また、(c)成分のアルミノ珪酸塩として
結晶性アルミノ珪酸塩を配合する場合は、造粒物の表面
改質剤として使用するために、スラリー中以外に少量を
造粒中又は造粒終了直前に添加してもよい。また、
(d)成分の結晶性珪酸塩は、スラリー中に添加せず
に、噴霧乾燥粒子の造粒・高嵩密度化時に添加した方が
好ましい。またアルカリ金属炭酸塩及び/又はJIS 1
号、2号ケイ酸ナトリウムなどのアルカリ金属珪酸塩を
配合する場合はスラリー中又は造粒中の何れに添加して
もよく、特にアルカリ金属珪酸塩はスラリー中に添加す
ることにより、粉末物性に優れた噴霧乾燥粒子を得るこ
とができ、製造上の取り扱いも容易になる。
【0062】本発明の高密度粒状洗剤組成物の平均粒径
は、好ましい粉末物性を得るために200〜1000μm 、特
に 200〜600 μm であることが望ましい。また、本発明
の洗剤組成物の嵩密度は 0.5〜1.2 g/cm3 、好ましく
は 0.6〜1.0 g/cm3 程度である。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、生物分解性に優れた有
機ビルダーと無機ビルダーとを併用した系において、更
に洗浄力の向上した高密度粒状洗剤組成物が得られる。
【0064】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0065】実施例1 <高密度粒状洗剤組成物の調製>表1の本発明品1は次
の方法で調製した。HIDS 1.5kg、LAS 3.0kg、A
S 0.6kg、FA 0.4kg、AA−MAコポリマー 0.4kg、
PEG 0.1kg、蛍光染料(4,4'-ビス-(2-スルホスチリ
ル)-ビフェニル塩) 0.05kg、ソーダ灰0.85kgから含水量
50重量%のスラリーを調製し、それを噴霧乾燥して得ら
れた粉末をハイスピードミキサー(攪拌転動造粒機、深
江工業株式会社製)に投入し、結晶性アルミノ珪酸塩0.
5 kgと珪酸塩(II) 2.0kgとを加えて造粒し、更に結晶性
アルミノ珪酸塩0.3 kgを加えて造粒し、得られた粒子に
残りの結晶性アルミノ珪酸塩0.2 kgと酵素0.1 kgを乾式
混合することにより高密度粒状洗剤組成物を得た(平均
粒径 410μm、嵩密度 0.760g/ml)。
【0066】その他の本発明品、比較品についても上記
スキームに従い各配合割合をもって高密度粒状洗剤組成
物を調製した。ただし、本発明品10, 11, 12は、結晶性
アルミノ珪酸塩の5重量%分を、また比較品2は10重量
%分をスラリーに配合し、本発明品17は結晶性アルミノ
珪酸塩の全量を酵素との乾式混合時に加えた。また、A
Eを配合する組成については、全量をスラリーに配合し
たが、本発明品4についてはAEの半量をハイスピード
ミキサーによる造粒時に添加した。得られた各高密度粒
状洗剤組成物について下記の方法で洗浄力試験を行なっ
た。その結果を表1〜3に示す。
【0067】<洗浄力試験> (人工汚染布の調製)下記組成の脂肪酸及びパラフィン
混合物 100重量部に対してカーボンブラック5重量部を
混合したもの1kgを80リットルのテトラクロロエチレン
に溶解、分散し、金巾2023布をこの液に浸漬し、汚れを
付着させた後、テトラクロロエチレンを乾燥除去する。
これを10cm×10cmの大きさに裁断し、実験に供した。 オレイン酸 20重量% パルミチン酸 20重量% 液体及び固体パラフィン 60重量% (洗浄方法)ターゴトメーター(Terg-0-Tometer, 100rp
m)により上記の人工汚染布を使用し、本発明品及び比較
品を用いて下記条件で洗浄試験を行い、下記の方法で洗
浄率を算出した。 浴比 :1/60 水温 :25℃ 洗浄時間:15分間 すすぎ :水道水にて5分間 水の硬度:4°DH(カルシウム硬水) 洗剤濃度:0.667 重量% (洗浄率の算出)原布及び洗浄前後の550mμにおける反
射率を自記色彩計(島津製作所製)にて測定し、次式に
よって洗浄率(D%)を算出した。 D=〔(L2−L1) /(L0−L1) 〕×100 L0:原布の反射率 L1:洗浄前汚染布の反射率 L2:洗浄後汚染布の反射率
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】(注) ・HIDS:3−ヒドロキシ−2,2'−イミノジコハク酸
Na塩 ・LAS:直鎖アルキル(C ) ベンゼンスルホン酸Na
塩、 ・AS:ドデシルアルコール硫酸エステルNa塩 ・AES:ポリオキシエチレン(平均付加モル数2)ド
デシルエーテルの硫酸エステルNa塩 ・SAS:パラフィンスルホン酸Na塩 ・FA:ステアリン酸Na塩 ・結晶性アルミノケイ酸塩:組成 Na2O・Al2O3・3SiO2
・2H2O、平均粒子径2mμ、イオン交換容量 290CaCO3
mg/g ・珪酸塩(II):組成 M2O・1.8 SiO2・0.02 M'O(こ
こで、M =Na,K、 K/Na=0.03、M'=Ca,Mg、Mg/Ca =0.
01)、イオン交換容量 305 CaCO3mg/g、平均粒子径30
μm(一般式(II)で表される結晶性珪酸塩) ・珪酸塩(III) :組成 Na2O・2SiO2、イオン交換容量
224 CaCO3 mg/g、平均粒子径30μm(一般式(III) で
表される結晶性珪酸塩) ・AE:ポリオキシエチレン(平均付加モル数8.5)ド
デシルエーテル ・AA−MAコポリマーの塩:Na塩、平均分子量70,000
であり、アクリル酸/マレイン酸=7/3(モル比) ・PEG:平均分子量7,000 のポリエチレングリコール ・共通成分:酵素1%、蛍光染料 0.5%を用い(組成物
中の量)、ソーダ灰で全体の量が100 %となるように調
整した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山村 正明 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (72)発明者 森山 登 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (56)参考文献 特開 平7−11294(JP,A) 特開 平2−97600(JP,A) 特開 平6−116588(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 3/33 C11D 3/08 C11D 17/06

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)下記一般式(I)で表される有機ビ
    ルダー 1.5〜45重量% 【化1】 〔式中、R は水素原子又は水酸基を表し、X は水素原
    子、アルカリ金属又はアンモニウム基を表す。〕 (b)アニオン性界面活性剤 20〜50重量% (c)アルミノ珪酸塩 1〜30重量% (d)結晶性珪酸塩 1〜40重量% を含有し、嵩密度が 0.6〜1.2 g/mlである高密度粒状
    洗剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記(a)成分の有機ビルダーと前記
    (c)成分のアルミノ珪酸塩の重量比が、(c)/
    (a)=3/2〜1/20である請求項1記載の高密度粒
    状洗剤組成物。
  3. 【請求項3】 (b)成分のアニオン性界面活性剤が、
    炭素数10〜18の高級脂肪酸塩、炭素数10〜18の直鎖もし
    くは分岐鎖の1級もしくは2級アルコールの硫酸エステ
    ル塩、炭素数8〜20のアルコールのエトキシレート化物
    の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パ
    ラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩及
    びα−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエス
    テル塩から選ばれる1種又は2種以上である請求項1又
    は2記載の高密度粒状洗剤組成物。
  4. 【請求項4】 (d)成分の結晶性珪酸塩が、下記一般
    式(II)で表される結晶性珪酸塩である請求項1〜3の
    何れか1項記載の高密度粒状洗剤組成物。 x(M2O)・y(SiO2)・z(MemOn)・w(H2O) (II) 〔式中、M は周期律表のIa族元素を表し、Meは IIa族元
    素、IIb 族元素、IIIa族元素、IVa族元素又はVIII族元
    素から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせを示し、
    y/x =0.5 〜2.6 、 z/x =0.01〜1.0 、w =0〜2
    0、 n/m =0.5 〜2.0 である。〕
  5. 【請求項5】 (d)成分の結晶性珪酸塩が、下記一般
    式(III) で表される結晶性珪酸塩である請求項1〜3の
    何れか1項記載の高密度粒状洗剤組成物。 M2O・x'(SiO2)・y'(H2O) (III) 〔式中、M はアルカリ金属を表し、x'= 1.5〜2.6 、y'
    =0〜20である。〕
  6. 【請求項6】 更に平均分子量 1,000〜200,000 のポリ
    カルボキシレートを含有することを特徴とする請求項1
    〜6の何れか1項記載の高密度粒状洗剤組成物。
  7. 【請求項7】 組成物中のアルカリ剤のうち、前記一般
    式(II)で表される結晶性珪酸塩及び/又は前記一般式
    (III)で表される結晶性珪酸塩が50〜100 重量%を占め
    る請求項4〜6の何れか1項記載の高密度粒状洗剤組成
    物。
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