JP3522350B2 - 低no2 燃焼装置 - Google Patents

低no2 燃焼装置

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JP3522350B2
JP3522350B2 JP22967994A JP22967994A JP3522350B2 JP 3522350 B2 JP3522350 B2 JP 3522350B2 JP 22967994 A JP22967994 A JP 22967994A JP 22967994 A JP22967994 A JP 22967994A JP 3522350 B2 JP3522350 B2 JP 3522350B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低NO2 燃焼装置に関
し、特に、バーナーボックスから出る燃焼排ガスに外部
空気を混入して機外に排出する形式の燃焼装置におい
て、発生する燃焼排ガスを適切に処理することにより燃
焼装置外に排出されるNO2 の量を低減することを可能
とした低NO2 燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】バーナーボックスから出る燃焼排ガスに
外部空気を混入して機外に排出する形式の燃焼装置は、
例えば家庭用暖房器具として広く用いられている。その
ような燃焼装置の代表例としてガスファンヒータをあげ
ることができ、それは基本的構成として、バーナーを内
蔵するバーナーボックスが機枠の背面側から前面側に通
じる外部空気流路内に配置されており、該バーナーボッ
クスから出る燃焼排ガスは外部空気流路内を通過する外
部空気と混合して2次燃焼を生じ、それにより1400
℃〜1800℃程度となった高温の燃焼排ガスにさらに
必要な量の外部空気が混入されて所定の温度(通常10
0℃程度)に急冷され、暖房用などの温風として機外に
排出されるようになっている。
【0003】図4は典型的なガスファンヒータの断面を
示しており、バーナー11は耐熱性のあるバーナーボッ
クス12に収容され、該バーナーボックス12の周囲は
機枠の一部を構成する側方遮熱板13により包囲されて
いて、バーナーボックス12と側方遮熱板13との間に
バーナーボックスを包囲する形で外部空気流路14が形
成されている。外部空気流路14は下方部の外部空気導
入のための開口15を有し、上方部には燃焼排ガスの排
出のための開口16を有する。また、前記開口16の上
方部には同様に機枠の一部を構成する上方遮熱板17が
設けられる。さらに、通常図示されるようにバーナーボ
ックス12には微小な開口18が複数個形成されてい
て、バーナー燃焼時にそこから空気が流入する。
【0004】上記の構成からなる燃焼部は全体が同様に
ファンヒータの機枠の一部を構成するケーシング20に
より覆われている。該ケーシング20の形態は種々存在
するが、図示のものにあってはケーシング20の前面側
である内側前方壁部21は前記上方遮熱板17の上方を
後方に向けて延出し、ケーシング20の背面側である後
方壁部22に達している。また、ケーシング20の後方
壁部22には複数のスリットが形成されていてそこには
エアーフィルタ23が取り付けられている。ケーシング
20内であって前記バーナーボックス12の下方位置に
は吸引ファン30が取り付けられ、また通常ケーシング
20の下方には燃料ガス配管接続具31が取り付けられ
ている。
【0005】このような形式の燃焼装置の燃焼に際して
は、先ずファン30を作動させる。それにより外部空気
が前記した機枠の背面側から、すなわち、ケーシング2
0の後方壁部22に形成したスリットから内部に吸引さ
れると共に、側方遮熱板13に形成した開口15を通し
て外部空気流路14内に外部空気が導入される。一方、
適宜の燃料ガス源からの燃料ガスは1次空気と共にバー
ナー11に供給され、バーナーボックス12内で開口1
5を通してさらに供給される空気と共に1次燃焼する。
1次燃焼した燃焼排ガスはバーナーボックス12の出口
直後で外部空気流路14から供給される2次空気と混合
して2次燃焼する。通常、2次燃焼直後の燃焼排ガスの
温度は1400℃〜1800℃程度である。
【0006】2次燃焼後の燃焼排ガスは外部空気流路1
4から供給される空気とさらに混合することによりガス
温度は瞬時に降下し、2次燃焼火炎の直後において80
0℃以下となる。800℃以下に温度降下した燃焼排ガ
スはさらに温度降下しつつ上昇して上方遮熱板17に衝
突して向きを下方に変え、その近傍でさらに導入される
外部空気と混合して温度を降下させ、前記のように10
0℃程度となるように調整されて空気流路14’を通り
温風排出口19から機枠外に温風として排出される。
【0007】近年、このような燃焼装置から排出される
燃焼排ガスについて多くの研究と分析が行われ、燃焼排
ガス中に微量ではあるが人体にとって好ましくないNO
2 が含まれていること、また、燃焼排ガス中に含まれる
NO2 は火炎体直下流の高温の燃焼排ガス中では生成さ
れずその下流の領域で燃焼排ガスが冷却される過程にお
いて生成されること、また、NO2 は燃焼排ガスの温度
が降下する際にNO→NO2 の変換反応により生成さ
れ、その生成は燃焼排ガスの温度低下が急激なほど促進
されることが報告されている(Morio Hori ; Exeriment
al Study of Nitrogen Dioxide Formation in Combutio
n System., 21st symposium(International) on Combus
tion Institute(1986)) 。
【0008】本発明者らは、上記のような報告を基に、
図5aに示すような燃焼装置を用いて燃焼排ガスに含ま
れるNO2 の量と燃焼排ガスの温度降下との関係につい
て鋭意実験研究を行いかつ燃焼反応解析シミュレーショ
ンを行った。用いた燃焼装置は、予混合燃焼形式のバー
ナー1の上方に長さ350mmの燃焼排ガス用の管路2
を配置し、さらに、該管路2のバーナー1の燃焼面から
50mmの所に従来知られた形式の水を熱交換媒体とす
る熱交換器3をその水管が交差する状態で2段に重ねて
取り付けたものである。燃焼ガスとして熱量2500k
calの天然ガスを空気比1.2の予混合気としてバーナ
ー1に供給し燃焼させた。
【0009】管路2内に測温手段として熱電対(図示し
ない)、及び、NO及びNO2 量の計測手段としてサン
プリングプローブにより吸引した燃焼排ガスを化学発光
により分析計測するNOx 計(図示しない)を配置し
て、バーナー1の燃焼面からの異なった距離における燃
焼排ガスの温度及びNOとNO2 の量を測定した。その
結果を図6a(温度)及び図6b(NO2 変換率)に曲
線Aとして示した。なお、図6bの「NO2 変換率
(%)」は、NOx (NO+NO2 )中のNO2 の割合
であり、この値が高いほど燃焼排ガスに含有されるNO
2 の量が多いことが示される。
【0010】図から明らかなように、約1600℃であ
った燃焼直後の燃焼排ガスは熱交換器3を通過後に温度
が650℃前後に急激に冷却し、以後管路2内を通過す
る過程で管路2の放熱により徐々に冷却して管路2の先
端では500℃前後となり、大気へ放出された。図6b
から分かるように、燃焼直後の燃焼排ガスにはNO2
ほとんど含まれていないが、熱交換器3により急冷され
た直後において燃焼排ガス中のNO2 変換率は約40%
と急激に増加し、以下、下流に行くに従い漸増して、系
外に排出されている。このことは、上記論文などに報告
された現象が実用に供される燃焼装置のモデルにおいて
実際に生じていることを表している。
【0011】前記したように今日使用されているガスフ
ァンヒータのような燃焼装置は2次燃焼直後の燃焼排ガ
スを外部から導入した空気により急激に冷却する形式の
ものであり、してみれば上記の実験に供した燃焼装置に
おけると同じ現象がこの種の燃焼装置においても生じて
いるものと充分推定することができる。本発明者らは、
燃焼装置において生じるこの不都合を解消すべく鋭意実
験研究を重ねかつシミュレーションを行うことにより、
燃焼排ガスの冷却を多段階に分けて行い、少なくともそ
の1過程において、燃焼排ガスを特定の温度範囲内にお
いて所定時間保持することにより、系外に排出される燃
料排ガス中のNO2 の含有量を有効に低減することがで
きる場合のあることを知覚した。そして、そのための最
適条件を確定すべく燃焼反応解析シミュレーションを反
復して行った。その結果を図7に示す。
【0012】図7から明らかなように、保持温度(すな
わち、燃焼排ガスを温度降下させる過程において、所定
期間燃焼排ガスが保持すべき温度)が1200℃〜80
0℃の温度範囲内の場合にNO2 変換率が低くなってお
り、特に、1000℃〜900℃の温度範囲の場合にこ
のことが顕著となっている。そして、この時に保持時間
(すなわち、燃焼排ガスを温度降下させる過程におい
て、上記特定の保持温度に燃焼排ガスを保持すべき時
間)は50ms程度より長い時間であれば任意であるこ
とも分かる。
【0013】本発明者らは、シミュレーションの結果を
実証すべく、図5bに示すような装置を用意した。この
装置は前記した図5aに示した装置とバーナー1、燃焼
ガス用管路2の構成及び配置は同じであるが、バーナー
1の燃焼面から50mmの箇所に第1の熱交換器3a
を、そこからさらに200mm下流の箇所に第2の熱交
換器3bをそれぞれ配置したものである。管路内には同
様の測温手段及びNO及びNO2 量計測手段を配置し
て、バーナー1の燃焼面からの異なった距離における燃
焼排ガスの温度及びNOとNO2 の量を測定した。
【0014】燃焼は、前記曲線Aを得た場合と同じ燃焼
ガスを用いかつ同じ燃焼条件で行った。ただし、第1の
熱交換器3a及び第2の熱交換器3bの通水量を制御し
て、約1600℃である燃焼直後の燃焼排ガスの温度が
第1の熱交換器3aにより約1100℃に降下し、さら
に、第2の熱交換器3bにより約550℃にまで降下す
るようにした。この場合に、200mmある第1と第2
の熱交換器の間において、燃焼排ガスは1100℃から
800℃程度にまで温度降下した。このときの第1と第
2の熱交換器の間での燃焼排ガスの滞留時間は170m
sであった。測定結果の平均値を図6a(温度)及び図
6b(NO2 変換率)に曲線Bとして示す。図から明ら
かなように、NO2 変換率は第1と第2の熱交換器の間
において約10%程度であり、第2の熱交換器より下流
において変換率は数%増大したが多くて12%程度であ
った。すなわち、変換率は従来の1/4〜1/5程度で
あり、この実験結果は図7に示したシミュレーションに
よる結果とほぼ一致している。
【0015】上記の結果に基づき、本発明者らは、燃焼
によって発生する燃焼排ガスを人為的に温度降下させる
過程において、好ましくは1200℃〜800℃程度の
温度範囲内に好ましくは50msさらに好ましくは10
0ms以上保持し、その後に大気に開放することによ
り、燃焼排ガス中に含まれるNOのNO2への変換率を
低減することができることを知覚し、それに基づき新た
な燃焼排ガスの処理方法及びそのための装置を開発し、
すでに出願している(特願平5−101413号:特許
第2763249号)。
【0016】本発明者らは、前記したバーナーボックス
から出る燃焼排ガスに外部空気を混入して機外に排出す
る形式の燃焼装置に上記燃焼方法を適用すべくさらに研
究と実験を継続して行った。それにより、燃焼装置の大
きさを大きく変えることなしに燃焼装置から排出される
燃焼排ガスに含まれるNO2の量を大幅に低減すること
のできる新たな低NO2燃焼装置を開発し、提案した
(特願平5−192535号:特開平7−42908号
公報、特願平5−192536号:特開平7−4290
9号公報)。これらの提案は、バーナーボックスの上方
に新たに燃焼排ガス案内用筒体を設け、該燃焼排ガス案
内用筒体内を2次燃焼排ガスが1200℃〜800℃の
範囲の温度を保って流下し得るようにしたものであり、
そのための具体的手段として、前者の提案にあっては燃
焼排ガス案内用筒体の下方部分に燃焼排ガスを降温する
ための降温部材を設けており、後者の提案にあっては、
バーナーボックスと燃焼排ガス案内用筒体下端部との間
隙を1次燃焼排ガスを2次燃焼させかつ2次燃焼排ガス
の温度を1200℃〜800℃の範囲に保つことのでき
る空気量を取り入れることのできる間隙としている。
【0017】図3は前者の提案による燃焼装置の一例を
示すものであり、前記図4に基づき説明した形式の燃焼
装置のバーナーボックス12の上方に、バーナーボック
スの水平方向断面形状とほぼ同じ水平方向断面形状を持
つ燃焼排ガス案内用筒体50を間隙Sを置いて配置し、
かつ、該燃焼排ガス案内用筒体50には2次燃焼排ガス
を降温するための燃焼排ガス降温部材60を設けたこと
を特徴としている。他の構成は図4に基づき説明した燃
焼装置のものと同一であり、図3において同一の部材に
は同一の符号を付している。
【0018】この燃焼装置において、バーナーボックス
12及び燃焼排ガス案内用筒体50の周囲にはそれらの
側壁と側方遮熱板13とで区画される外部空気流路14
が形成されており、該外部空気流路14の外部空気流入
側はその下方の開口15を介してケーシング20の後方
壁部22に形成したスリットに接続しており、燃焼ガス
排出側は燃焼排ガス案内用筒体50の先端出口から側方
遮熱板13及び内側前方壁部21で区画される前記空気
流路14’を介して温風排出口19に接続している。そ
れにより、通常のガスファンヒータの場合と同様にファ
ン30を作動すると、外部空気はケーシング20の後方
壁部22に形成したスリットから流入し、外部空気流路
14を通過して、温風排出口19から排出される。
【0019】1次燃焼排ガスはバーナーボックス12と
燃焼排ガス案内用筒体50との間においてその間隙Sか
ら流入する外部空気により2次燃焼する。1次燃焼排ガ
スの2次燃焼は完全に行われるが、間隙Sから流入する
外部空気の量は制限を受けており、2次燃焼直後に18
00℃〜1400℃となる2次燃焼排ガスは急激に温度
降下することなく、燃焼排ガス案内用筒体に取り付けら
れた降温部材60を通過することにより1200℃〜8
00℃の範囲に降温される。その状態で所定時間かけて
燃焼排ガス案内用筒体50を通過し、その先端出口を出
たときにさらに外部空気と混合して温度降下しつつ前記
空気流路14’を通過し、最終的に100℃程度の温風
となって温風排出口19から機外に排出される。
【0020】それにより、従来の燃焼装置のようにバー
ナーボックスから出た燃焼排ガスが外部空気により急激
に冷却されることが阻止され、燃焼排ガスが機外に出る
過程でのNO2 の生成量(変換率)が大きく低減する。
従って、室内における健全な環境での燃焼装置の使用が
可能となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
新たな低NO2 燃焼装置を用いて多くの燃焼実験を行っ
た。その過程において、上記のような、機枠の背面側か
ら外部空気を導入し、その外部空気をバーナーボックス
12及び燃焼排ガス案内用筒体50の周囲に形成した外
部空気流路14を通過させた後、機枠の前面側から機外
に排出する形式の燃焼装置においては、空気流路14周
囲、特にその機枠背面側と機枠前面側とで空気流量に差
が生じるの避けられず、その流量差により、燃焼負荷及
びそれに伴う外部空気の取り込み量などの燃焼条件によ
っては、バーナーボックス12と燃焼排ガス案内用筒体
50との間隙S及び燃焼排ガス案内用筒体50内での2
次燃焼火炎及び2次燃焼排ガスの流れに機枠の前面側に
向けての偏りが生じがちなことを知った。
【0022】2次燃焼火炎及び2次燃焼排ガスの流れの
偏りにより、燃焼排ガス案内用筒体50の水平方向断面
での温度分布は大きな差を持つようになり、燃焼排ガス
案内用筒体50の先端出口を出たときの温度は、その機
枠背面側の壁面近傍では800℃以下の温度に、また、
その機枠前面側の壁面近傍では1200℃以上の温度と
なる。燃焼排ガス案内用筒体50の先端出口での温度が
800℃以下であることは、2次燃焼排ガスが燃焼排ガ
ス案内用筒体50内で部分的に急激な温度降下を生じた
ことを示しており、一方、1200℃以上の温度である
場合には、その高温状態の2次燃焼排ガスが燃焼排ガス
案内用筒体50の先端出口部分において外部空気と接触
することにより急激に温度降下を起こすことを示してい
る。いずれの場合にも、前記した低NO2 燃焼の条件が
阻害されれ、低NO2 燃焼が達成されない結果を生む。
【0023】さらに、その高温部により生じる局部的加
熱は、2次燃焼排ガスの降温部材60を含む燃焼排ガス
案内用筒体50の構成部材の熱劣化を早めることとな
り、燃焼装置の寿命を短くする。本発明の目的は、先の
提案に係る低NO2 燃焼装置に生じる恐れのある上記の
不都合を解消することを目的としており、より具体的に
は、前記2次燃焼火炎及び2次燃焼排ガスの偏りに起因
する燃焼排ガス案内用筒体断面での温度分布を簡単な構
成により可能な限り均一なものとすることができ、それ
により、安定した低NO2 燃焼を可能としかつ長寿命化
した低NO2 燃焼装置を得ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による低NO2 燃焼装置は、基本的に、バー
ナーを内蔵するバーナーボックスが機枠の背面側から前
面側に通じる外部空気流路内に配置されており、該バー
ナーボックスから出る燃焼排ガスに該外部空気流路を流
れる外部空気を混合して機枠外に排出するようになって
いる形式の燃焼装置であって、バーナーボックスの上方
には燃焼排ガス案内用筒体が燃焼排ガスが、2次燃焼す
るのに必要な量の空気を少なくとも取り入れることがで
きる間隙をおいて、かつ、バーナーボックスに対して偏
位した位置に配置されていることを特徴とする。
【0025】前記燃焼排ガス案内用筒体が該バーナーボ
ックスの水平方向断面形状とほぼ同じ水平方向断面形状
を持つ形状であることは好ましい態様であり、また、燃
焼排ガス案内用筒体の機枠前面側の下方部に、外部空気
の燃焼排ガス案内用筒体への流入量を抑制するための抑
制部材が設けることによりさらに目的を達成することが
可能となる。さらに、燃焼排ガス案内用筒体に燃焼排ガ
スを降温するための降温部材をその端部を前記周囲の外
部空気流路に位置させた状態で配置するようにしてもよ
い。
【0026】前記降温部材を2次燃焼後の燃焼排ガスの
温度を1200℃〜800℃の範囲内に降温するように
設計すること、また、前記燃焼排ガス案内用筒体を2次
燃焼後の燃焼排ガスを50ms以上好ましくは100m
s以上保持することのできる長さに設計することは、本
発明の特に好ましい態様である。前記したバーナーボッ
クスと燃焼排ガス案内用筒体との偏位量及びその方向、
さらには降温部材、燃焼排ガス案内用筒体の具体的寸法
や形状をどの程度とするかは当該燃焼装置ごとに相違す
るので、その燃焼装置についてのシュミレーションによ
りあるいはその燃焼装置について燃焼テストを行うこと
により最適なものを求めるようにする。
【0027】
【作 用】本発明による低NO2 燃焼装置によれば、好
ましくはバーナーボックスの水平方向断面形状とほぼ同
じ水平方向断面形状を持つ燃焼排ガス案内用筒体が、バ
ーナーボックスに対して機枠前面側に偏位した状態で配
置されている。それにより、機枠前面側に偏って存在す
る2次燃焼火炎及び2次燃焼排ガスを、結果として燃焼
排ガス案内用筒体の中央部位に存在させることとなり、
燃焼排ガス案内用筒体内での断面方向の温度分布はほぼ
均一なものとなる。
【0028】また、燃焼排ガス案内用筒体がバーナーボ
ックスに対して機枠前面側に偏位した位置に配置される
ことにより、燃焼排ガス案内用筒体の機枠前面側の下端
側から過剰の外部空気が流入し、2次燃焼直後の2次燃
焼排ガスがその壁部近傍において大きく冷却されること
が予測される場合には、燃焼排ガス案内用筒体の機枠前
面側の下方部に、外部空気の燃焼排ガス案内用筒体への
流入量を抑制するための抑制部材が設ける。それによ
り、2次燃焼排ガスの一部が過度に冷却されるのを防止
することができ、燃焼排ガス案内用筒体内での断面方向
の温度分布は一層均一なものとなる。
【0029】その温度を維持して2次燃焼排ガスは燃焼
排ガス案内用筒体内をさらに上昇する。降温部材を持つ
場合には、その上昇過程において燃焼排ガスは降温部材
との熱交換により1200℃〜800℃の範囲に降温さ
れた後、燃焼排ガス案内用筒体を通過し機外に排出され
る。降温部材を有しない燃焼排ガス案内用筒体を用いる
場合には、バーナーボックスと燃焼排ガス案内用筒体と
の間の間隙Sを調節して2次燃焼排ガスが1200℃〜
800℃の範囲にまでしか降温しない量の空気量を取り
込むようにする。
【0030】それにより、バーナーボックスから出た燃
焼排ガスのほとんどすべてが外部空気により急激に温度
降下することなく機外に排出されることとなり、燃焼排
ガスが機外に出る過程でのNO2 の生成量(変換率)は
確実に低減する。従って、室内における健全な環境での
燃焼装置の使用が可能となる。
【0031】
【実施例】以下、添付の図を参照して本発明を実施例に
基づきより詳細に説明する。図1は本発明による低NO
2 燃焼装置の一実施例を示す断面図であり、バーナーボ
ックス12と燃焼排ガス案内用筒体50との位置関係を
除き、他の構成は前記図3に基づき説明した燃焼装置の
もとの同様であり、同一の部材には同一の符号を付して
いる。すなわち、前記側方遮熱板13に包囲された空間
内であってバーナーボックス12の上方には1次燃焼に
よる燃焼排ガスが2次燃焼するのに必要な空気を取り入
れることができる間隙Sをおいて燃焼排ガス案内用筒体
50が取り付けられており、図2にバーナーボックス1
2及び燃焼排ガス案内用筒体50の部分のみを拡大して
示すように、該燃焼排ガス案内用筒体50はバーナーボ
ックス12の水平方向断面形状とほぼ同じ水平方向断面
形状を有しており、かつその内部の1次燃焼排ガスの2
次燃焼が終了する部位あるいはそれより幾分上方の部位
にはニッケル合金などの耐熱材料製の棒部材からなる燃
焼排ガス降温部材60が取り付けられている。
【0032】そして、図1も参照すれば分かるように、
燃焼排ガス案内用筒体50はバーナーボックス12に対
して機枠の前面側に距離aだけ偏位した位置に設けられ
ており、さらに、その機枠前面側の下方部には偏位量a
よりも狭いかあるいはほぼ等しい幅を持つ板材55が長
辺方向の全長にわたり取り付けられている。この低NO
2 燃焼装置において、バーナーボックス12の上部開口
と燃焼排ガス案内用筒体50の下方部分の近傍において
1次燃焼火炎(1次燃焼排ガス)は前記間隙S通して供
給される2次空気と混合して2次燃焼し、その燃焼排ガ
スは燃焼排ガス案内用筒体50内を上昇する。通常、ガ
スファンヒータのような燃焼装置においてこの2次燃焼
排ガスの燃焼直後の温度は1800℃〜1400℃であ
り、上記実施例による燃焼装置においては前記間隙Sか
ら流入する外部空気の量は制限されているので、燃焼排
ガスは大きく温度降下することなく、ほぼ燃焼直後の温
度を維持した状態で燃焼排ガス案内用筒体50内に進入
する。
【0033】その際に、前記したように、2次燃焼火炎
及び2次燃焼排ガスFは図1に示されるように機枠の前
面側に向けて偏った状態となる。しかし、燃焼排ガス案
内用筒体50はバーナーボックス12に対して機枠の前
面側に距離aだけ偏位した位置に配置されているので、
結果的に、2次燃焼火炎及び2次燃焼排ガスFは燃焼排
ガス案内用筒体50内にほぼ均一に分布するようにな
り、燃焼排ガス案内用筒体50の水平方向断面において
ほぼ等しい温度分布を得ることができる。
【0034】さらに、燃焼排ガス案内用筒体50の機枠
前面側の下方部に板材55を取り付けたことにより、外
部空気がその偏位した部分から燃焼排ガス案内用筒体5
0へ流入する量は抑制され、燃焼排ガス案内用筒体50
の機枠前面側壁部近傍に位置する2次燃焼排ガスが過度
に冷却されるのを回避している。それにより、燃焼排ガ
ス案内用筒体50内での断面方向の温度分布を一層均一
なものとなる。
【0035】この実施例において、前記のように燃焼排
ガス案内用筒体50内には燃焼排ガス降温部材60が取
り付けられている。図1に示すように、該燃焼排ガス降
温部材60はその端部61を、燃焼排ガス案内用筒体5
0を越えてその周囲の外部空気流路14に延出させ、さ
らに該外部空気流路14の外縁を区画する側方遮熱板1
3を越えてさらに外方に延出させている。そして、燃焼
排ガス降温部材60の前記外部空気流路14に位置する
部分には空気の流路方向に平行となるように平板状の放
熱フィン62が取り付けられている。
【0036】燃焼排ガス降温部材60はその端部61を
前記のように外部空気流路14に位置させていることに
より、さらには、外部空気流路14に位置している部分
にフィン62が取り付けられていることにより、外部空
気流路14を通過する外部空気を介してその放熱が有効
に行われる。さらに、この実施例において、燃焼排ガス
降温部材60はその端部61を外部空気流路14の外縁
を区画する側方遮熱板13を越えてさらに外方に延出さ
せていることにより、側方遮熱板13に対する伝熱によ
っても放熱が促進され、さらに側方遮熱板13の外側を
流れる空気によって放熱が行われる。
【0037】2次燃焼排ガスはこの燃焼排ガス降温部材
60を通過することにより、燃焼排ガス降温部材60側
に等しく放熱し、通過後の2次燃焼排ガスの温度分布も
燃焼排ガス案内用筒体50の断面方向においてほぼ等し
いものとなる。本発明において、燃焼排ガス降温部材6
0は、上記した放熱特性を考慮しつつ1800℃〜14
00℃である2次燃焼排ガスを好ましくはその燃焼装置
の定格燃焼時におてい1200℃〜800℃の範囲の温
度に低下するように設計する。さらに、燃焼排ガス案内
用筒体50は、温度の低下した燃焼排ガスが燃焼排ガス
案内用筒体50で包囲された空間を少なくとも50ms
以上の時間をかけて通過しうる長さに設計する。
【0038】それにより、2次燃焼排ガスは1200℃
〜800℃の範囲の温度を維持した状態で燃焼排ガス案
内用筒体50の先端出口から排出され、外部空気流路1
4内を流れる外部空気に合流し、その時点でさらに温度
低下して空気流路14’を通り温風排出口19から排出
される。すなわち、2次燃焼排ガスは所期以上に急激に
温度降下することも、あるいは、所期以上の高温状態で
燃焼排ガス案内用筒体50の先端出口から排出されるこ
とも回避され、燃焼排ガスが機外に出る過程でのNO2
の生成量(変換率)は確実に低減する。
【0039】上記の説明において、燃焼排ガス降温部材
60としてニッケル合金などを材料とした棒部材からな
るものを示したが、これは一例にすぎず、燃焼排ガス降
温部材60としては2次燃焼排ガスの温度を少なくとも
1200℃〜800℃の温度範囲に降温できるものであ
れば任意であり、網目構造を有する部材なども用いるこ
ともできる。また、端部に設けた放熱フィン62も必要
に応じて設けられるものであって、所要の降温効果が得
られる場合には不要である。燃焼排ガス降温部材60が
中実棒であることは必須でなく、特に図示しないが、中
空のパイプであってもよい。さらにその場合に、該中空
部に水あるいは空気を循環させて放熱特性を向上させて
もよい。
【0040】さらに、燃焼排ガス降温部材そのものが必
須のものでなく、バーナーボックス12と燃焼排ガス案
内用筒体50との間の間隙Sを調節して、そこから流入
する外部空気の量を2次燃焼後の排ガス温度が1200
℃〜800℃の範囲に保つことのできるだけの量とする
ことができる場合には、燃焼排ガス降温部材そのものが
不要となる。
【0041】また、燃焼排ガス案内用筒体50の機枠前
面側の下方部に取り付けた板材55も必ずしも必須の構
成でなく、燃焼排ガス案内用筒体50の機枠前面側の下
端側からの外部空気の流入により、その壁部近傍におけ
る2次燃焼直後の2次燃焼排ガスが大きく冷却されるこ
とが予測されない場合には、設ける必要はない。本発明
の対象となる燃焼装置において、バーナーボックス12
に対する燃焼排ガス案内用筒体50の望ましい偏位量a
は個々の燃焼装置の形式により、あるいは、その燃焼条
件により異なってくる。従って、対象となる燃焼装置に
おいてその燃焼排ガス案内用筒体50のバーナーボック
ス12に対する偏位量を定めるに当たっては、好ましく
は、当該燃焼装置の定格燃焼時においての実際の火炎及
び燃焼排ガスの偏りを計測し、偏り後の火炎及び燃焼排
ガスが燃焼排ガス案内用筒体50の水平方向断面内にほ
ぼ均一に分布することとなるように設定する。このこと
は板材55の配置についても同様である。
【0042】さらに、同じ燃焼装置であっても燃焼負荷
及び吸引する外部空気量に応じて火炎及び燃焼排ガスの
偏りが変動することがあり得る。それに対処するため
に、燃焼排ガス案内用筒体50をバーナーボックス12
に対して機枠の前後方向に位置調節可能に取り付けるこ
とは好ましい態様となる。
【0043】
【発明の効果】本発明による低NO2 燃焼装置によれ
ば、簡単な構成の変更により、2次燃焼排ガスの偏りに
伴う燃焼排ガス案内用筒体内部での温度分布の拡大を最
小にすることができ燃焼排ガス案内用筒体断面での温度
分布を可能な限り均一なものとすることができる。結果
として、燃焼排ガスの急激な温度降下は回避され、一層
安定した低NO2 燃焼が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による低NO2 燃焼装置の概略を示す断
面図。
【図2】バーナーボックスと燃焼排ガス案内用筒体の部
分を示す拡大斜視図。
【図3】他の態様による燃焼装置の概略を示す断面図。
【図4】通常の燃焼装置の断面を示す図。
【図5】燃焼排ガス中で生成されるNO2 の生成態様を
確認するための燃焼実験に用いた燃焼装置を示す図。
【図6】図5の装置装置における燃焼排ガスの温度変化
(a)及びNO2 の変換率(b)を示す図。
【図7】シミュレーションによるNO2 の変換率を示す
図。
【符号の説明】
11…バーナー、12…バーナーボックス、13…遮熱
壁、14…外部空気流路、50…燃焼排ガス案内用筒
体、55…外部空気の流入量を抑制するための抑制部
材、60…燃焼排ガス降温手段としての燃焼排ガス降温
部材、a…偏位量、F…2次燃焼火炎および2次燃焼排
ガス、S…1次燃焼による燃焼排ガスが2次燃焼するの
に必要な空気を取り入れるための間隙
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−105246(JP,A) 特開 昭62−125206(JP,A) 実開 昭57−25939(JP,U) 実開 平4−10213(JP,U) 特表 平4−504899(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23C 11/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バーナーを内蔵するバーナーボックスが
    機枠の背面側から前面側に通じる外部空気流路内に配置
    されており、該バーナーボックスから出る燃焼排ガスは
    最終的に外部空気と混合して機外に排出される形式の燃
    焼装置であって、該燃焼装置は、バーナーボックスの上
    方に間隔をおいて燃焼排ガス案内用筒体が取り付けてあ
    り、そこから流入する空気により1次燃焼排ガスが2次
    燃焼して燃焼直後の温度が1400℃〜1800℃程度
    となるとともに、燃焼排ガス案内用筒体には、2次燃焼
    後の燃焼排ガスを1200℃〜800℃の範囲内に降温
    するように設計された降温部材がその端部を前記周囲の
    外部空気流路に位置させた状態で配置されており、該
    焼排ガス案内用筒体は、バーナーボックスに対して機枠
    の前面側に偏位した位置に配置されており、かつ、燃焼
    排ガスは燃焼排ガス案内用筒体を出た時点で前記空気流
    路内を流れる外部空気と合流してさらに温度低下するよ
    うにされていることを特徴とする低NO2燃焼装置。
  2. 【請求項2】 燃焼排ガス案内用筒体の機枠前面側の下
    方部には、外部空気の燃焼排ガス案内用筒体への流入量
    を抑制するための抑制部材が設けられていることを特徴
    とする請求項1記載の低NO2燃焼装置。
  3. 【請求項3】 前記燃焼排ガス案内用筒体は、2次燃焼
    後の燃焼排ガスを50ms以上好ましくは100ms以
    上保持することのできる長さを少なくとも有しているこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の低NO2燃焼装
    置。
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