JPH0742909A - 低no2 燃焼装置 - Google Patents

低no2 燃焼装置

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JPH0742909A
JPH0742909A JP19253693A JP19253693A JPH0742909A JP H0742909 A JPH0742909 A JP H0742909A JP 19253693 A JP19253693 A JP 19253693A JP 19253693 A JP19253693 A JP 19253693A JP H0742909 A JPH0742909 A JP H0742909A
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combustion exhaust
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機外に排出される温風中に含まれるNO2
量を大きく低減できる低NO2 燃焼装置を得る。 【構成】 バーナー111を内蔵するバーナーボックス
112と該バーナーボックスの周囲の空気流路114と
を少なくとも有する低NO2 燃焼装置において、該バー
ナーボックス112の上方に、燃焼排ガスが2次燃焼す
るのに必要な空気に加えて、燃焼排ガスの温度を120
0℃〜800℃の範囲にまで降温するのに必要な空気量
を取り入れることができる間隙Sをおいて燃焼排ガス案
内用筒体50を取り付ける。 【効果】 バーナボックスから出る燃焼排ガスを急冷せ
ずに、燃焼排ガス案内用筒体50内部において1200
℃〜800℃程度の温度で所定時間保持できることか
ら、燃焼排ガス中でのNO2 の生成量は大きく低減す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低NO2 燃焼装置に関
し、特に、バーナーボックスから出る燃焼排ガスに外部
空気を混入して機外に排出する形式の燃焼装置におい
て、発生する燃焼排ガスを適切に処理することにより燃
焼装置外に排出されるNO2 の量を低減することを可能
とした低NO2 燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】バーナーボックスから出る燃焼排ガスに
外部空気を混入して機外に排出する形式の燃焼装置は、
例えば家庭用暖房器具として広く用いられている。その
ような燃焼装置の代表例としてガスファンヒータをあげ
ることができ、それは基本的構成としてバーナーを内蔵
するバーナーボックスと該バーナーボックスの周囲の空
気流路とを少なくとも有していて、バーナーボックスか
ら出る燃焼排ガスに外部空気を導入して2次燃焼を起こ
させ、それにより1800℃〜1400℃程度となった
高温の燃焼排ガスにさらに必要な量の外部空気を混入し
て所定の温度(通常100℃程度)に急冷し、暖房用な
どの温風として機外に排出するようにしている。
【0003】図3は典型的なガスファンヒータの断面を
示しており、バーナ11は耐熱性のあるバーナボックス
12に収容され、該バーナボックス12の周囲は側方遮
熱板13により包囲されていて、バーナボックス12と
側方遮熱板13との間にバーナボックスを包囲する形で
空気流路14が形成されている。側方遮熱板13はその
下方部に外部空気導入のための開口15を有し、上方部
には燃焼排ガスの排出のための開口16を有する。ま
た、前記開口16の上方部には上方遮熱板17が設けら
れる。さらに、通常図示されるようにバーナボックス1
2には微小な開口18が複数個形成されていて、バーナ
燃焼時にそこから空気が流入する。
【0004】上記の構成からなる燃焼部は全体がファン
ヒータのケーシング20により覆われている。ケーシン
グ20の形態は種々存在するが、図示のものにあっては
ケーシング20の内側前方壁部21は前記上方遮熱板1
5の上方を後方に向けて後部に延出し、ケーシング20
の後方壁部22に達している。また、ケーシング20の
後方壁部22には複数のスリットが形成されていてそこ
にはエアーフィルタ23が取り付けられている。ケーシ
ング20内であって前記バーナボックス12の下方位置
には吸引アァン30が取り付けられ、また通常ケーシン
グ20の下方には燃料ガス配管接続具31が取り付けら
れている。
【0005】このような形式の燃焼装置の燃焼に際して
は、先ずファン30が作動する。それにより外部空気が
前記したケーシング20の後方壁部22に形成したスリ
ットから内部に吸引されると共に、側方遮熱板13に形
成した開口15を通して空気流路14内にも外部空気が
導入される。一方、適宜の燃料ガス源からの燃料ガスは
1次空気と共にバーナ11に供給され、バーナボックス
12内で開口15を通してさらに供給される空気と共に
1次燃焼する。1次燃焼した燃焼排ガスはバーナボック
ス12の出口直後で空気流路14から供給される2次空
気と混合して2次燃焼する。通常、2次燃焼直後の燃焼
排ガスの温度は1400℃〜1800℃程度である。
【0006】2次燃焼後の燃焼排ガスの大部分は空気流
路14から供給される空気とさらに混合することにより
ガス温度は瞬時に降下し、2次燃焼火炎の直後において
800℃以下となる。800℃以下に温度降下した燃焼
排ガスはさらに温度降下しつつ上昇して上方遮熱板17
に衝突して向きを下方に変え、その近傍でさらに導入さ
れる外部空気と混合して温度を降下させ、前記のように
100℃程度となるように調整されて機外に温風として
排出される。
【0007】近年、このような燃焼装置から排出される
燃焼排ガスについて多くの研究と分析が行われ、燃焼排
ガス中に微量ではあるが人体にとって好ましくないNO
2 が含まれていること、また、燃焼排ガス中に含まれる
NO2 は火炎体直下流の高温の燃焼排ガス中では生成さ
れずその下流の領域で燃焼排ガスが冷却される過程にお
いて生成されること、また、NO2 は燃焼排ガスの温度
が降下する際にNO→NO2 の変換反応により生成さ
れ、その生成は燃焼排ガスの温度低下が急激なほど促進
されることが報告されている(Morio Hori ; Exeriment
al Study of Nitrogen Dioxide Formation in Combutio
n System., 21st symposium(International) on Combus
tion Institute(1986)) 。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
ような報告を基に、図4aに示すような燃焼装置を用い
て燃焼排ガスに含まれるNO2 の量と燃焼排ガスの温度
降下との関係について鋭意実験研究を行いかつ燃焼反応
解析シミュレーションを行った。用いた燃焼装置は、予
混合燃焼形式のバーナ10の上方に長さ350mmの燃
焼排ガス用の管路20を配置し、さらに、該管路20の
バーナ10の燃焼面から50mmの所に従来知られた形
式の水を熱交換媒体とする熱交換器30をその水管が交
差する状態で2段に重ねて取り付けたものである。燃焼
ガスとして熱量2500kcalの天然ガスを空気比1.
2の予混合気としてバーナ10に供給し燃焼させた。
【0009】管路20内に測温手段として熱電対(図示
しない)、及びNO及びNO2 量の計測手段としてサン
プリングプローブにより吸引した燃焼排ガスを化学発光
により分析計測するNOx 計(図示しない)を配置し
て、バーナ10の燃焼面からの異なった距離における燃
焼排ガスの温度及びNOとNO2 の量を測定した。その
結果を図5a(温度)及び図5b(NO2 変換率)に曲
線Aとして示した。なお、図5bの「NO2 変換率
(%)」は、NOx (NO+NO2 )中のNO2 の割合
であり、この値が高いほど燃焼排ガスに含有されるNO
2 の量が多いことが示される。
【0010】図から明らかなように、約1600℃であ
った燃焼直後の燃焼排ガスは熱交換器30を通過後に温
度が650℃前後に急激に冷却し、以後管路20内を通
過する過程で管路20の放熱により徐々に冷却して、管
路20の先端では500℃前後となり、大気へ放出され
た。図5bから分かるように、燃焼直後の燃焼排ガスに
はNO2 はほとんど含まれていないが、熱交換器30に
より急冷された直後において燃焼排ガス中のNO2 変換
率は約40%と急激に増加し、以下、下流に行くに従い
漸増して、系外に排出されている。このことは、上記論
文などに報告された現象が実用に供される燃焼装置のモ
デルにおいて実際に生じていることを表している。
【0011】上記したように今日使用されているガスフ
ァンヒータのような燃焼装置は2次燃焼直後の燃焼排ガ
スを外部から導入した空気により急激に冷却する形式の
ものであり、してみれば上記の実験に供した燃焼装置に
おけると同じ現象がこの種の燃焼装置においても生じて
いるものと充分推定することができる。本発明者らは、
燃焼装置において生じるこの不都合を解消すべく鋭意実
験研究を重ねかつシミュレーションを行うことにより、
燃焼排ガスの冷却を多段階に分けて行い、少なくともそ
の1過程において、燃焼排ガスを特定の温度範囲内にお
いて所定時間保持することにより、系外に排出される燃
料排ガス中のNO2 の含有量を有効に低減することがで
きる場合のあることをことを知覚した。そして、そのた
めの最適条件を確定すべく燃焼反応解析シミュレーショ
ンを反復して行った。その結果を図6に示す。
【0012】図6から明らかなように、保持温度(すな
わち、燃焼排ガスを温度降下させる過程において、所定
期間燃焼排ガスが保持すべき温度)が1200℃〜80
0℃の温度範囲内の場合にNO2 変換率が低くなってお
り、特に、1000℃〜900℃の温度範囲の場合にこ
のことが顕著となっている。そして、この時に保持時間
(すなわち、燃焼排ガスを温度降下させる過程におい
て、上記特定の保持温度に燃焼排ガスを保持すべき時
間)は50ms程度より長い時間であれば任意であるこ
とも分かる。
【0013】本発明者らは、シミュレーションの結果を
実証すべく、図4bに示すような装置を用意した。この
装置は前記した図4aに示した装置とバーナ10、燃焼
ガス用管路20の構成及び配置は同じであるが、バーナ
10の燃焼面から50mmの箇所に第1の熱交換器30
aを、そこからさらに200mm下流の箇所に第2の熱
交換器30bをそれぞれ配置したものである。管路内に
は同様の測温手段及びNO及びNO2 量計測手段を配置
して、バーナ10の燃焼面からの異なった距離における
燃焼排ガスの温度及びNOとNO2 の量を測定した。
【0014】燃焼は、前記曲線Aを得た場合と同じ燃焼
ガスを用いかつ同じ燃焼条件で行った。ただし、第1の
熱交換器30a及び第2の熱交換器30bの通水量を制
御して、約1600℃である燃焼直後の燃焼排ガスの温
度が第1の熱交換器30aにより約1100℃に降下
し、さらに、第2の熱交換器30bにより約550℃に
まで降下するようにした。この場合に、200mmある
第1と第2の熱交換器の間において、燃焼排ガスは11
00℃から800℃程度にまで温度降下した。このとき
の第1と第2の熱交換器の間での燃焼排ガスの滞留時間
は170msであった。測定結果の平均値を図5a(温
度)及び図5b(NO2 変換率)に曲線Bとして示す。
図から明らかなように、NO2 変換率は第1と第2の熱
交換器の間において約10%程度であり、第2の熱交換
器より下流において変換率は数%増大したが多くて12
%程度であった。すなわち、変換率は従来の1/4〜1
/5程度であり、この実験結果は図5に示したシミュレ
ーションによる結果とほぼ一致している。
【0015】上記の結果に基づき、本発明者らは、燃焼
によって発生する燃焼排ガスを人為的に温度降下させる
過程において、好ましくは1200℃〜800℃程度の
温度範囲内に好ましくは50msさらに好ましくは10
0ms以上保持し、その後に大気に開放することによ
り、燃焼排ガス中に含まれるNOのNO2 への転換率を
低減することができることを知覚し、それに基づき新た
な燃焼排ガスの処理方法及びそのための装置を開発し、
すでに出願している(特願平5−101413号)。
【0016】本発明は、上記の提案をバーナーボックス
から出る燃焼排ガスに外部空気を混入して機外に排出す
る形式の燃焼装置の燃焼に適用することを目的としてお
り、より具体的には、そのような形式の燃焼装置から排
出される燃焼排ガスに含まれるNO2 の量を比較的簡単
な構成でもって大幅に低減することのできる低NO2
焼装置を得ることを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決しかつ
目的を達成するために、本発明は、バーナーを内蔵する
バーナーボックスと該バーナーボックスの周囲の空気流
路とを少なくとも有し、バーナーボックスから出る燃焼
排ガスに外部空気を混入して機外に排出する形式の燃焼
装置であって、バーナーボックスの上方には、1次燃焼
排ガスを2次燃焼させかつ2次燃焼排ガスの温度を12
00℃〜800℃の範囲に保つことのできるだけの空気
量を取り入れることのできる間隙をおいて燃焼排ガス案
内用筒体が取り付けられていることを特徴とする低NO
2 燃焼装置を開示する。
【0018】前記の燃焼排ガス案内用筒体は、2次燃焼
後の燃焼排ガスを50ms以上好ましくは100ms以
上保持することのできる長さを少なくとも有しているこ
とは好ましい態様であり、また幾分構成は複雑となる
が、前記間隙を調節自在として燃焼量に応じて空気の取
り入れ量を変化させるようにすることにより、より目的
を達成することが可能となる。
【0019】
【作 用】本発明による低NO2 燃焼装置によれば、1
次燃焼排ガスはバーナーボックスと燃焼排ガス案内用筒
体との間において2次燃焼する。1次燃焼排ガスの2次
燃焼は完全に行われるが、バーナーボックスと燃焼排ガ
ス案内用筒体との間から流入する外部空気の量は制限を
受けており、通常2次燃焼直後に1800℃〜1400
℃となる2次燃焼排ガスは制限された量の外部空気と混
合することにより1200℃〜800℃の範囲にまでし
か温度降下しない。その状態ですなわち急激な温度降下
をせずに1200℃〜800℃の範囲に保持された2次
燃焼排ガスが燃焼排ガス案内用筒体を所定時間かけて通
過する。従って、2次燃焼排ガスが機外に出る過程での
NO2 の生成量(変換率)を大きく低減し、室内におけ
る健全な環境での燃焼装置の使用が可能となる。
【0020】
【実施例】以下、添付の図を参照して本発明を実施例に
基づきより詳細に説明する。図1は本発明による低NO
2 燃焼装置の燃焼部のみを示すものであり、燃焼装置と
しての他の構成は図3に示したものと同様であるので説
明を省略する。バーナ111は従来のこの種の燃焼装置
(例えは、ガスファンヒータ)に使用される通常のもの
であり耐熱性のあるバーナボックス112に収容されて
いる。図示しない燃焼ガス供給源から燃焼ガスと1次空
気Gが供給されバーナボックス112内で1次燃焼す
る。バーナボックス112の周囲は側方遮熱板113に
より包囲されており、バーナボックス112と側方遮熱
板113との間にバーナボックスを包囲する形で空気流
路114が形成される。通常のガスファンヒータの場合
と同様にこの空気流路114を外部空気Aが上方に向け
て通過する。
【0021】前記側方遮熱板113に包囲された空間内
であってバーナボックス112の上方には後記する所定
の間隙Sをおいて燃焼排ガス案内用筒体50が取り付け
られる。燃焼排ガス案内用筒体50の断面形状はバーナ
ボックス112からの燃焼排ガスを通過させることがで
きる形状であれば任意であるが、この実施例においては
バーナボックス112の断面形状と実質的に同じ形状で
はあるが図示のように幾分断面の面積が小さくされてい
る。前記間隙Sは、1次燃焼排ガスが2次燃焼を完全に
行うことができる空気量に加えて、2次燃焼直後に18
00℃〜1400℃となった2次燃焼排ガスと混合する
ことによりその混合ガスの温度を1200℃〜800℃
の範囲に温度降下させるのに必要なだけの空気量を燃焼
排ガス案内用筒体50内に導入することができる間隙と
される。
【0022】1次燃焼火炎(1次燃焼排ガス)は、前記
間隙Sを通して供給される2次空気と混合して2次燃焼
し、その燃焼排ガスは燃焼排ガス案内用筒体50内を上
昇する。前記のように、ガスファンヒータのような燃焼
装置においてこの2次燃焼排ガスの燃焼直後の温度は1
800℃〜1400℃であるが、本発明による燃焼装置
においては前記間隙Sから流入する外部空気の量は制限
されており、2次燃焼排ガスと外部空気との混合ガスの
温度は1200℃〜800℃の範囲に維持され、その温
度以下には降下しない。すなわち、2次燃焼排ガスは大
きく温度降下することなく、1200℃〜800℃の範
囲を実質的に維持した状態で(燃焼排ガス案内用筒体5
0の壁部からの放熱による温度低下は不可避であるが)
燃焼排ガス案内用筒体50内を通過し、燃焼排ガス案内
用筒体50を出た時点で空気流路114内を流れる多量
の外部空気に合流して大きく温度低下する。それによ
り、燃焼排ガスが温度降下する過程でのNO2 の変換率
は大きく低減する。
【0023】また、本発明による低NO2 燃焼装置にお
いて、前記燃焼排ガス案内用筒体50の所要長さは、1
200℃〜800℃程度に温度降下した2次燃焼排ガス
が少なくとも50ms以上好ましくは100ms以上滞
留できる長さとする。その条件を満足する最小限の長さ
は一定でなく、必要とする発熱量などの燃焼条件、燃焼
排ガス案内用筒体50の断面積などによって当然に変化
する。従って、実際の燃焼装置の設計においては、その
燃焼装置の定格燃焼量を基準として、他の値、例えば燃
焼排ガス案内用筒体50の断面積及び長さなどを定める
ようにすることが好ましい。
【0024】その場合に、定格燃焼量を越えた燃焼を行
うと、より高温の燃焼排ガスが燃焼排ガス案内用筒体5
0から排出し、そこで外部空気と混合して急冷されるこ
とによりNO2 の変換率が高くなる恐れがある。また、
定格燃焼量より低い燃焼を行うと、相対的に過剰な外部
空気と混合することとなり急激な温度降下が生じてやは
りNO2 の変換率が高くなる恐れがある。従って、燃焼
排ガス案内用筒体50の設計に当たっては、その燃焼装
置がどのような環境で使用されるかを考慮し、定格燃焼
量以外の燃焼量での燃焼時間がもっとも長い時間使用さ
れると予測される場合には、その値を基準として設計す
るようにしてもよい。
【0025】図2は本発明による低NO2 燃焼装置の他
の実施例を示す。この例においては燃焼排ガス案内用筒
体50は固定筒体54とそこに摺動自在に嵌合した移動
筒体55とから構成される。移動筒体55にはハンドル
56が取りつけられていてケーシング20(図3参照)
外に延出している。ハンドル56を適宜の手段により操
作することにより移動筒体55を図において上下方向に
移動させることができ、その移動によりバーナボックス
112の先端開口部と燃焼排ガス案内用筒体50との間
隙Sの広さを変化させることができる。それにより、燃
焼装置に求められる燃焼量に応じて間隙Sを調整するこ
とが可能となり、燃焼量の変化に対応した適切な外部空
気量の導入が可能となる。
【0026】次に、実際の試験結果について説明する。
試験は市販のガスファンヒータと、そのバーナボックス
上に燃焼排ガス案内用筒体50を配置したものとで行っ
た。燃焼排ガス案内用筒体50はステンレス製の筒体で
あり、バーナボックス上部に5mmの間隔をおいて12
0mm長さのものを取り付けた。なお、測定の都合上、
市販のガスファンヒータの上方遮熱板を取り外し、そこ
に吸引アァンを取り付けて外部空気の導入を行うととも
に、該燃焼排ガス案内用筒体50の下端近傍と上方解放
端部に熱電対を配置してそれぞれの温度を測定した。燃
焼排ガス案内用筒体50内での燃焼排ガスの滞留時間は
燃焼量と燃焼排ガス案内用筒体50の断面積とから計算
により求めた。NO2 の計測は筒体50の上方100m
mの所に筒体50と同じ断面積のサンプリングフードを
取り付けそこから燃焼排ガスをNO2 計に導入して測定
した。燃料はメタンを用い、燃焼量を600kcal、
2000kcalの場合について実験を行った。その結
果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】上記の実験結果から明らかなように、同一
の燃焼条件の下であっても本発明による低NO2 燃焼装
置の場合には従来装置と比較して外部に放出される燃焼
排ガス(例えば、暖房用温風)に含まれるNO2 の割合
が大きく低下しており、本発明の有効性が確認される。
【0029】
【発明の効果】本発明による低NO2 燃焼装置によれ
ば、バーナーボックスの上に燃焼排ガス案内用筒体を所
定の間隔をおいて取りつけるという簡単な構成でもっ
て、外部に放出される燃焼排ガスに含まれるNO2 の割
合を減少させることが可能となり、室内における健全な
環境での低NO2 燃焼装置の使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による低NO2 燃焼装置の断面を示す
図。
【図2】本発明による低NO2 燃焼装置の他の実施例の
要部を示す図。
【図3】通常の低NO2 燃焼装置の断面を示す図。
【図4】燃焼排ガス中で生成されるNO2 の生成態様を
確認するための燃焼実験に用いた燃焼装置を示す図。
【図5】図4の装置装置における燃焼排ガスの温度変化
(a)及びNO2 の変換率(b)を示す図。
【図6】シミュレーションによるNO2 の変換率を示す
図。
【符号の説明】
111…バーナ、112…バーナボックス、113…遮
音壁、114…外部空気流路、50…燃焼排ガス案内用
筒体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バーナーを内蔵するバーナーボックスと
    該バーナーボックスの周囲の空気流路とを少なくとも有
    し、バーナーボックスから出る燃焼排ガスに外部空気を
    混入して機外に排出する形式の燃焼装置であって、バー
    ナーボックスの上方には、1次燃焼排ガスを2次燃焼さ
    せかつ2次燃焼排ガスの温度を1200℃〜800℃の
    範囲に保つことのできるだけの空気量を取り入れること
    のできる間隙をおいて燃焼排ガス案内用筒体が取り付け
    られていることを特徴とする低NO2 燃焼装置。
  2. 【請求項2】 前記燃焼排ガス案内用筒体は、2次燃焼
    後の燃焼排ガスを50ms以上好ましくは100ms以
    上保持することのできる長さを少なくとも有しているこ
    とを特徴とする請求項1記載の低NO2 燃焼装置。
  3. 【請求項3】 前記間隙が燃焼量に応じて調節自在であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の低NO2 燃焼
    装置。
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