JP3280814B2 - 低no2 燃焼装置 - Google Patents
低no2 燃焼装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低NO2 燃焼装置に関
し、特に、バーナーボックスから出る燃焼排ガスに外部
空気を混入して機外に排出する形式の燃焼装置におい
て、発生する燃焼排ガスを適切に処理することにより燃
焼装置外に排出されるNO2 の量を低減することを可能
とした低NO2 燃焼装置に関する。
し、特に、バーナーボックスから出る燃焼排ガスに外部
空気を混入して機外に排出する形式の燃焼装置におい
て、発生する燃焼排ガスを適切に処理することにより燃
焼装置外に排出されるNO2 の量を低減することを可能
とした低NO2 燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】バーナーボックスから出る燃焼排ガスに
外部空気を混入して機外に排出する形式の燃焼装置は、
例えば家庭用暖房器具として広く用いられている。その
ような燃焼装置の代表例としてガスファンヒータをあげ
ることができ、それは基本的構成としてバーナーを内蔵
するバーナーボックスと該バーナーボックスの周囲の空
気流路とを少なくとも有していて、バーナーボックスか
ら出る燃焼排ガスに外部空気を導入して2次燃焼を起こ
させ、それにより1400℃〜1800℃程度となった
高温の燃焼排ガスにさらに必要な量の外部空気を混入し
て所定の温度(通常100℃程度)に急冷し、暖房用な
どの温風として機外に排出するようにしている。
外部空気を混入して機外に排出する形式の燃焼装置は、
例えば家庭用暖房器具として広く用いられている。その
ような燃焼装置の代表例としてガスファンヒータをあげ
ることができ、それは基本的構成としてバーナーを内蔵
するバーナーボックスと該バーナーボックスの周囲の空
気流路とを少なくとも有していて、バーナーボックスか
ら出る燃焼排ガスに外部空気を導入して2次燃焼を起こ
させ、それにより1400℃〜1800℃程度となった
高温の燃焼排ガスにさらに必要な量の外部空気を混入し
て所定の温度(通常100℃程度)に急冷し、暖房用な
どの温風として機外に排出するようにしている。
【0003】図6は典型的なガスファンヒータの断面を
示しており、バーナー11は耐熱性のあるバーナーボッ
クス12に収容され、該バーナーボックス12の周囲は
側壁13などにより包囲されていて、バーナーボックス
12と該側壁13との間にバーナーボックスを包囲する
形で空気流路14が形成されている。側壁13はその下
方部に外部空気導入のための開口15を有し、上方部に
は燃焼排ガスの排出のための開口16を有する。また、
前記開口16の上方部には上方遮熱板17が設けられ
る。さらに、通常図示されるようにバーナーボックス1
2には微小な開口18が複数個形成されていて、バーナ
ー燃焼時にそこから空気が流入する。
示しており、バーナー11は耐熱性のあるバーナーボッ
クス12に収容され、該バーナーボックス12の周囲は
側壁13などにより包囲されていて、バーナーボックス
12と該側壁13との間にバーナーボックスを包囲する
形で空気流路14が形成されている。側壁13はその下
方部に外部空気導入のための開口15を有し、上方部に
は燃焼排ガスの排出のための開口16を有する。また、
前記開口16の上方部には上方遮熱板17が設けられ
る。さらに、通常図示されるようにバーナーボックス1
2には微小な開口18が複数個形成されていて、バーナ
ー燃焼時にそこから空気が流入する。
【0004】上記の構成からなる燃焼部は全体がファン
ヒータのケーシング20により覆われている。ケーシン
グ20の形態は種々存在するが、図示のものにあっては
ケーシング20の内側前方壁部21は前記上方遮熱板1
7の上方を後方に向けて延出し、ケーシング20の後方
壁部22に達している。また、ケーシング20の後方壁
部22には複数のスリットが形成されていてそこにはエ
アーフィルタ23が取り付けられている。ケーシング2
0内であって前記バーナーボックス12の下方位置には
吸引アァン30が取り付けられ、また通常ケーシング2
0の下方には燃料ガス配管接続具31が取り付けられて
いる。
ヒータのケーシング20により覆われている。ケーシン
グ20の形態は種々存在するが、図示のものにあっては
ケーシング20の内側前方壁部21は前記上方遮熱板1
7の上方を後方に向けて延出し、ケーシング20の後方
壁部22に達している。また、ケーシング20の後方壁
部22には複数のスリットが形成されていてそこにはエ
アーフィルタ23が取り付けられている。ケーシング2
0内であって前記バーナーボックス12の下方位置には
吸引アァン30が取り付けられ、また通常ケーシング2
0の下方には燃料ガス配管接続具31が取り付けられて
いる。
【0005】このような形式の燃焼装置の燃焼に際して
は、先ずファン30が作動する。それにより外部空気が
前記したケーシング20の後方壁部22に形成したスリ
ットから内部に吸引されると共に、側壁13に形成した
開口15を通して空気流路14内にも外部空気が導入さ
れる。一方、適宜の燃料ガス源からの燃料ガスは1次空
気と共にバーナー11に供給され、バーナーボックス1
2内で開口15を通してさらに供給される空気と共に1
次燃焼する。1次燃焼した燃焼排ガスはバーナーボック
ス12の火炎出口12a直後で空気流路14から供給さ
れる2次空気と混合して2次燃焼する。通常、2次燃焼
直後の燃焼排ガスの温度は1400℃〜1800℃程度
である。
は、先ずファン30が作動する。それにより外部空気が
前記したケーシング20の後方壁部22に形成したスリ
ットから内部に吸引されると共に、側壁13に形成した
開口15を通して空気流路14内にも外部空気が導入さ
れる。一方、適宜の燃料ガス源からの燃料ガスは1次空
気と共にバーナー11に供給され、バーナーボックス1
2内で開口15を通してさらに供給される空気と共に1
次燃焼する。1次燃焼した燃焼排ガスはバーナーボック
ス12の火炎出口12a直後で空気流路14から供給さ
れる2次空気と混合して2次燃焼する。通常、2次燃焼
直後の燃焼排ガスの温度は1400℃〜1800℃程度
である。
【0006】2次燃焼後の燃焼排ガスの大部分は空気流
路14から供給される空気とさらに混合することにより
ガス温度は瞬時に降下し、2次燃焼火炎の直後において
800℃程度以下となる。800℃程度以下に温度降下
した燃焼排ガスはさらに温度降下しつつ上昇して上方遮
熱板17に衝突して向きを下方に変え、その近傍でさら
に導入される外部空気と混合して温度を降下させ、前記
のように100℃程度となるように調整されて機外に温
風として排出される。
路14から供給される空気とさらに混合することにより
ガス温度は瞬時に降下し、2次燃焼火炎の直後において
800℃程度以下となる。800℃程度以下に温度降下
した燃焼排ガスはさらに温度降下しつつ上昇して上方遮
熱板17に衝突して向きを下方に変え、その近傍でさら
に導入される外部空気と混合して温度を降下させ、前記
のように100℃程度となるように調整されて機外に温
風として排出される。
【0007】近年、このような燃焼装置から排出される
燃焼排ガスについて多くの研究と分析が行われ、燃焼排
ガス中に微量ではあるが人体にとって好ましくないNO
2 が含まれていること、また、燃焼排ガス中に含まれる
NO2 は火炎体直下流の高温の燃焼排ガス中では生成さ
れずその下流の領域で燃焼排ガスが冷却される過程にお
いて生成されること、また、NO2 は燃焼排ガスの温度
が降下する際にNO→NO2 の変換反応により生成さ
れ、その生成は燃焼排ガスの温度低下が急激なほど促進
されることが報告されている(Morio Hori ; Exeriment
al Study of Nitrogen Dioxide Formation in Combutio
n System., 21st symposium(International) on Combus
tion Institute(1986)) 。
燃焼排ガスについて多くの研究と分析が行われ、燃焼排
ガス中に微量ではあるが人体にとって好ましくないNO
2 が含まれていること、また、燃焼排ガス中に含まれる
NO2 は火炎体直下流の高温の燃焼排ガス中では生成さ
れずその下流の領域で燃焼排ガスが冷却される過程にお
いて生成されること、また、NO2 は燃焼排ガスの温度
が降下する際にNO→NO2 の変換反応により生成さ
れ、その生成は燃焼排ガスの温度低下が急激なほど促進
されることが報告されている(Morio Hori ; Exeriment
al Study of Nitrogen Dioxide Formation in Combutio
n System., 21st symposium(International) on Combus
tion Institute(1986)) 。
【0008】本発明者は、上記のような報告を基に、ガ
ス燃焼装置を用いて燃焼排ガスに含まれるNO2 の量と
燃焼排ガスの温度降下との関係について鋭意実験研究を
行いかつ燃焼反応解析シミュレーションを行った。それ
により、ガス燃焼装置において、燃焼によって発生する
燃焼排ガスを人為的に温度降下させる過程において、1
200℃〜800℃程度の温度範囲内に50ms好まし
くは100ms以上保持し、その後に大気に開放するこ
とにより燃焼排ガス中に含まれるNOのNO2への変換
率を低減することができることを発見し、それに基づき
新たな燃焼排ガスの処理方法及びそのための装置を開発
し提案した(特開平6−304446号公報参照)。
ス燃焼装置を用いて燃焼排ガスに含まれるNO2 の量と
燃焼排ガスの温度降下との関係について鋭意実験研究を
行いかつ燃焼反応解析シミュレーションを行った。それ
により、ガス燃焼装置において、燃焼によって発生する
燃焼排ガスを人為的に温度降下させる過程において、1
200℃〜800℃程度の温度範囲内に50ms好まし
くは100ms以上保持し、その後に大気に開放するこ
とにより燃焼排ガス中に含まれるNOのNO2への変換
率を低減することができることを発見し、それに基づき
新たな燃焼排ガスの処理方法及びそのための装置を開発
し提案した(特開平6−304446号公報参照)。
【0009】さらに、本発明者は、図6に示すようなバ
ーナーボックスから出る燃焼排ガスに外部空気を混入し
て機外に排出する形式の燃焼装置に前記提案による燃焼
方法を適用すべくさらに研究と実験を継続して行った。
それにより、機外に排出される燃焼排ガスに含まれるN
O2 の量を大きく低減した新たな低NO2 燃焼装置を開
発し提案している(特願平5−192535号、特願平
6−229677〜229681号、特願平6−231
140、231141号参照)。
ーナーボックスから出る燃焼排ガスに外部空気を混入し
て機外に排出する形式の燃焼装置に前記提案による燃焼
方法を適用すべくさらに研究と実験を継続して行った。
それにより、機外に排出される燃焼排ガスに含まれるN
O2 の量を大きく低減した新たな低NO2 燃焼装置を開
発し提案している(特願平5−192535号、特願平
6−229677〜229681号、特願平6−231
140、231141号参照)。
【0010】その一例を図5を用いて説明するに、この
燃焼装置においては、図6に示した形態の燃焼装置のバ
ーナーボックス12の上方に、1次燃焼による燃焼排ガ
スが2次燃焼するのに必要な空気を取り入れることがで
きる間隙Sをおいて、上方端側が排出口となった直立筒
状の燃焼排ガス案内用筒体50が取り付けられる。それ
により、バーナーボックス12の火炎出口12aと燃焼
排ガス案内用筒体50の下方部分の近傍において1次燃
焼火炎(1次燃焼排ガス)は、前記間隙Sを通して供給
される2次空気と混合して2次燃焼し、その燃焼排ガス
は燃焼排ガス案内用筒体50内を上昇する。前記間隙S
から流入する外部空気の量は制限されており、1400
℃〜1800℃程度である2次燃焼直後の燃焼排ガスの
温度は大きく温度降下することなく、ほぼ燃焼直後の温
度を維持した状態で燃焼排ガス案内用筒体50内に進入
する。
燃焼装置においては、図6に示した形態の燃焼装置のバ
ーナーボックス12の上方に、1次燃焼による燃焼排ガ
スが2次燃焼するのに必要な空気を取り入れることがで
きる間隙Sをおいて、上方端側が排出口となった直立筒
状の燃焼排ガス案内用筒体50が取り付けられる。それ
により、バーナーボックス12の火炎出口12aと燃焼
排ガス案内用筒体50の下方部分の近傍において1次燃
焼火炎(1次燃焼排ガス)は、前記間隙Sを通して供給
される2次空気と混合して2次燃焼し、その燃焼排ガス
は燃焼排ガス案内用筒体50内を上昇する。前記間隙S
から流入する外部空気の量は制限されており、1400
℃〜1800℃程度である2次燃焼直後の燃焼排ガスの
温度は大きく温度降下することなく、ほぼ燃焼直後の温
度を維持した状態で燃焼排ガス案内用筒体50内に進入
する。
【0011】燃焼排ガス案内用筒体50の下方部分であ
って1次燃焼排ガスの2次燃焼が終了する部位あるいは
それより幾分上方の部位にはニッケル合金などの耐熱材
料からなる降温部材60が取り付けられている。該降温
部材60はその周縁部61を燃焼排ガス案内用筒体50
を越えてその周囲の空気流路14に延出させており、そ
こに空気の流路方向に平行となるように平板状の放熱フ
ィン62が取り付けられている。
って1次燃焼排ガスの2次燃焼が終了する部位あるいは
それより幾分上方の部位にはニッケル合金などの耐熱材
料からなる降温部材60が取り付けられている。該降温
部材60はその周縁部61を燃焼排ガス案内用筒体50
を越えてその周囲の空気流路14に延出させており、そ
こに空気の流路方向に平行となるように平板状の放熱フ
ィン62が取り付けられている。
【0012】2次燃焼排ガスはこの降温部材60を通過
することにより、降温部材60側に放熱して降温する。
その結果降温部材60は昇温するが、空気流路14を通
過する空気を介して降温部材60の放熱が円滑に行われ
る。降温部材60は、放熱特性を考慮しつつ1800℃
〜1400℃程度である2次燃焼排ガスを好ましくはそ
の燃焼装置の定格燃焼時において1200℃〜800℃
程度の範囲の温度に低下するように設計される。さら
に、燃焼排ガス案内用筒体50は、温度の低下した燃焼
排ガスが燃焼排ガス案内用筒体50で包囲された空間を
少なくとも50ms以上の時間をかけて通過し得る長さ
に設計される。
することにより、降温部材60側に放熱して降温する。
その結果降温部材60は昇温するが、空気流路14を通
過する空気を介して降温部材60の放熱が円滑に行われ
る。降温部材60は、放熱特性を考慮しつつ1800℃
〜1400℃程度である2次燃焼排ガスを好ましくはそ
の燃焼装置の定格燃焼時において1200℃〜800℃
程度の範囲の温度に低下するように設計される。さら
に、燃焼排ガス案内用筒体50は、温度の低下した燃焼
排ガスが燃焼排ガス案内用筒体50で包囲された空間を
少なくとも50ms以上の時間をかけて通過し得る長さ
に設計される。
【0013】燃焼排ガス案内用筒体50を出て外部空気
と混合したあとの燃焼排ガスは通常の燃焼装置の場合と
同じ経路を辿って機外に排出され、暖房用温風として作
用される。上記提案による燃焼装置によれば、従来の燃
焼装置のようにバーナーボックスから出た燃焼排ガスが
外部空気により急激に冷却されることがなく、燃焼排ガ
スが機外に出る過程でのNO2 の生成量(変換率)が大
きく低減される。従って、室内における健全な環境での
燃焼装置の使用が可能となる。
と混合したあとの燃焼排ガスは通常の燃焼装置の場合と
同じ経路を辿って機外に排出され、暖房用温風として作
用される。上記提案による燃焼装置によれば、従来の燃
焼装置のようにバーナーボックスから出た燃焼排ガスが
外部空気により急激に冷却されることがなく、燃焼排ガ
スが機外に出る過程でのNO2 の生成量(変換率)が大
きく低減される。従って、室内における健全な環境での
燃焼装置の使用が可能となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記提案による燃焼装
置は、燃焼排ガス案内用筒体50に放熱部材60を設
け、かつ、空気の流入量を制限したことにより、2次燃
焼直後の燃焼排ガスの温度を燃焼排ガス案内用筒体の入
口近傍で1200℃〜800℃程度の範囲の温度に低下
させることができ、かつ、その温度範囲の燃焼排ガスを
50ms以上の時間をかけて通過させることができ、低
NO2 燃焼が可能となる。しかし、燃焼排ガス案内用筒
体はその上方端側が排出口となった直立状の筒体であ
り、ある程度の長さが必要であることから、従来知られ
たファンヒータと比較すればその背丈がかなり高くなる
ことは避けられない。
置は、燃焼排ガス案内用筒体50に放熱部材60を設
け、かつ、空気の流入量を制限したことにより、2次燃
焼直後の燃焼排ガスの温度を燃焼排ガス案内用筒体の入
口近傍で1200℃〜800℃程度の範囲の温度に低下
させることができ、かつ、その温度範囲の燃焼排ガスを
50ms以上の時間をかけて通過させることができ、低
NO2 燃焼が可能となる。しかし、燃焼排ガス案内用筒
体はその上方端側が排出口となった直立状の筒体であ
り、ある程度の長さが必要であることから、従来知られ
たファンヒータと比較すればその背丈がかなり高くなる
ことは避けられない。
【0015】本発明の目的は、上記したすでに提案して
いるバーナーボックスの上方に燃焼排ガスの温度を所定
の温度範囲にかつ所定時間保持するための燃焼排ガス案
内用筒体を供えた低NOx 燃焼装置の持つ前記の不都合
を解決することにあり、より具体的には、背丈が低いも
のでありながら同じ効果を達成可能とした低NOx 燃焼
装置を得ることにある。
いるバーナーボックスの上方に燃焼排ガスの温度を所定
の温度範囲にかつ所定時間保持するための燃焼排ガス案
内用筒体を供えた低NOx 燃焼装置の持つ前記の不都合
を解決することにあり、より具体的には、背丈が低いも
のでありながら同じ効果を達成可能とした低NOx 燃焼
装置を得ることにある。
【0016】上記の課題を解決すべく、図5の示した形
式の燃焼装置を用い、その燃焼排ガス案内用筒体50の
形態のみを変えて種々のに燃焼実験を行った。実験条件
として、燃料:都市ガス(13A)、燃焼量:2000
kcal、吸引ファン30の回転数:1000rpmと
し、その条件での平均NO2 の排出量を測定した。先
ず、燃焼排ガス案内用筒体50として、長さ12cmの
直立状の筒体でありかつその上流端側に短辺に平行に複
数本の棒部材を放熱部材60として設けたものを用いて
燃焼実験を行い、NO2 の排出量を測定した。定格負荷
での平均NO2 排出量は平均4〜6ppmであった。
式の燃焼装置を用い、その燃焼排ガス案内用筒体50の
形態のみを変えて種々のに燃焼実験を行った。実験条件
として、燃料:都市ガス(13A)、燃焼量:2000
kcal、吸引ファン30の回転数:1000rpmと
し、その条件での平均NO2 の排出量を測定した。先
ず、燃焼排ガス案内用筒体50として、長さ12cmの
直立状の筒体でありかつその上流端側に短辺に平行に複
数本の棒部材を放熱部材60として設けたものを用いて
燃焼実験を行い、NO2 の排出量を測定した。定格負荷
での平均NO2 排出量は平均4〜6ppmであった。
【0017】燃焼排ガス案内用筒体50の長さを短くす
べく、その上方部分を6cm切断して燃焼させた。その
結果、NO2 の排出量は12〜15ppmに増大した。
これは、燃焼排ガス案内用筒体50の長さが短くなった
ために、1200℃〜800℃の範囲の温度に低下した
燃焼排ガスを燃焼排ガス案内用筒体50内で50ms以
上保持できず、一部に急激な温度降下が生じた結果によ
ると解される。
べく、その上方部分を6cm切断して燃焼させた。その
結果、NO2 の排出量は12〜15ppmに増大した。
これは、燃焼排ガス案内用筒体50の長さが短くなった
ために、1200℃〜800℃の範囲の温度に低下した
燃焼排ガスを燃焼排ガス案内用筒体50内で50ms以
上保持できず、一部に急激な温度降下が生じた結果によ
ると解される。
【0018】そこで、燃焼排ガス案内用筒体50の有効
長さは変更せずに(すなわち、その中心部での距離を1
2cmのままとし)、全体をほぼ逆U字状に折曲するこ
とにより、その高さを低くして燃焼させたところ、やは
りNO2 の排出量は17〜20ppmに増大した。これ
は、燃焼排ガス案内用筒体50を折曲させたことにより
燃焼排ガスの流れに偏りが発生してその温度分布の均衡
が崩れるとともに、焼排ガスの流下時に燃焼排ガス案内
用筒体50の壁面と焼排ガスとの間の熱交換が増進して
燃焼排ガスの温度降下率が大きくなり、1200℃〜8
00℃の範囲の温度範囲で燃焼排ガスを50ms以上保
持できなったことによると解される。また、遍流の発生
により燃焼排ガス案内用筒体50内によどみ領域が生
じ、そのことも、燃焼排ガス案内用筒体50内での燃焼
排ガスの滞留時間を減少させる原因となっていると解さ
れる。
長さは変更せずに(すなわち、その中心部での距離を1
2cmのままとし)、全体をほぼ逆U字状に折曲するこ
とにより、その高さを低くして燃焼させたところ、やは
りNO2 の排出量は17〜20ppmに増大した。これ
は、燃焼排ガス案内用筒体50を折曲させたことにより
燃焼排ガスの流れに偏りが発生してその温度分布の均衡
が崩れるとともに、焼排ガスの流下時に燃焼排ガス案内
用筒体50の壁面と焼排ガスとの間の熱交換が増進して
燃焼排ガスの温度降下率が大きくなり、1200℃〜8
00℃の範囲の温度範囲で燃焼排ガスを50ms以上保
持できなったことによると解される。また、遍流の発生
により燃焼排ガス案内用筒体50内によどみ領域が生
じ、そのことも、燃焼排ガス案内用筒体50内での燃焼
排ガスの滞留時間を減少させる原因となっていると解さ
れる。
【0019】そこで、燃焼排ガスの温度降下を抑制する
目的で、図4に示すように、燃焼排ガス案内用筒体50
から放熱部材60を取り外して燃焼実験を試みたとこ
ろ、NO2 の排出量は13〜18ppmに低減したが、
依然として高い値を示した。そこで、燃焼排ガスの温度
降下を抑制する試みとして、バーナーボックス12と燃
焼排ガス案内用筒体50との間の間隙Sをより狭くし、
燃焼排ガス案内用筒体50内への空気の供給量をさらに
減少させた。その結果、NO2 の排出量は11〜12p
pmに低減したが、この場合でも、燃焼排ガス案内用筒
体50が直立状の筒体の場合の値である平均4〜6pp
mよりも依然として高い値であった。
目的で、図4に示すように、燃焼排ガス案内用筒体50
から放熱部材60を取り外して燃焼実験を試みたとこ
ろ、NO2 の排出量は13〜18ppmに低減したが、
依然として高い値を示した。そこで、燃焼排ガスの温度
降下を抑制する試みとして、バーナーボックス12と燃
焼排ガス案内用筒体50との間の間隙Sをより狭くし、
燃焼排ガス案内用筒体50内への空気の供給量をさらに
減少させた。その結果、NO2 の排出量は11〜12p
pmに低減したが、この場合でも、燃焼排ガス案内用筒
体50が直立状の筒体の場合の値である平均4〜6pp
mよりも依然として高い値であった。
【0020】本発明者はNO2 の発生量が低減しない原
因を究明すべく、燃焼排ガス案内用筒体50内での燃焼
排ガスの温度分布を特定点での温度の実測値とそれを用
いての解析シミュレーションを通して追跡した。その結
果を図3cに示す。図示されるように、燃焼排ガス案内
用筒体50の壁面に近い領域では壁面との熱交換により
大きな温度低下が生じ、かつ、燃焼排ガスの流れ方向に
偏流が生じており、さらに、放熱部材60が存在しない
ことから中央部分には高温領域(1000℃〜1250
℃の領域)が下流側に長い距離に亘って存在している。
それにより、1200℃〜800℃の範囲の温度範囲域
(網かけ部分)は比較的狭い面積となっている。
因を究明すべく、燃焼排ガス案内用筒体50内での燃焼
排ガスの温度分布を特定点での温度の実測値とそれを用
いての解析シミュレーションを通して追跡した。その結
果を図3cに示す。図示されるように、燃焼排ガス案内
用筒体50の壁面に近い領域では壁面との熱交換により
大きな温度低下が生じ、かつ、燃焼排ガスの流れ方向に
偏流が生じており、さらに、放熱部材60が存在しない
ことから中央部分には高温領域(1000℃〜1250
℃の領域)が下流側に長い距離に亘って存在している。
それにより、1200℃〜800℃の範囲の温度範囲域
(網かけ部分)は比較的狭い面積となっている。
【0021】このことは、1200℃以上である燃焼排
ガスが短時間の内に800℃以下に冷却される割合の高
いことを意味しており、その結果、NO→NO2 の変換
率が高くなりNO2 の排出量が11〜12ppmにまで
しか低減しなかったものと解される。
ガスが短時間の内に800℃以下に冷却される割合の高
いことを意味しており、その結果、NO→NO2 の変換
率が高くなりNO2 の排出量が11〜12ppmにまで
しか低減しなかったものと解される。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の実験結果
及びその解析に基づきなされたものであり、途中に折曲
部を持つ燃焼排ガス案内用筒体を用いて、燃焼排ガスと
燃焼排ガス案内用筒体の壁面との熱交換を積極的に利用
するようにした形式の燃焼装置でありながら、燃焼排ガ
ス案内用筒体内での燃焼排ガスのほとんどを1200℃
〜800℃の範囲において少なくとも50ms以上滞留
させることを可能とし、それにより、燃焼装置の背丈を
低くすることを可能としたものであり、基本的に、バー
ナーを内蔵するバーナーボックスと該バーナーボックス
の周囲の空気流路とを少なくとも有し、バーナーボック
スから出る燃焼排ガスに外部空気を混入して機外に排出
する形式の燃焼装置であって、該燃焼装置は、ほぼ逆U
字状に折曲した燃焼排ガス案内用筒体を有し、該燃焼排
ガス案内用筒体の一方の開口が前記バーナーボックスの
上方に燃焼排ガスが2次燃焼するのに必要な空気を取り
入れることができる間隙をおいて位置しており、さら
に、前記一方の開口側の燃焼排ガス案内用筒体内であっ
てバーナーボックスの火炎吹き出し口上位位置には、そ
こを上昇する燃焼排ガスの流れを分散させる手段が配置
されていることを特徴とする。
及びその解析に基づきなされたものであり、途中に折曲
部を持つ燃焼排ガス案内用筒体を用いて、燃焼排ガスと
燃焼排ガス案内用筒体の壁面との熱交換を積極的に利用
するようにした形式の燃焼装置でありながら、燃焼排ガ
ス案内用筒体内での燃焼排ガスのほとんどを1200℃
〜800℃の範囲において少なくとも50ms以上滞留
させることを可能とし、それにより、燃焼装置の背丈を
低くすることを可能としたものであり、基本的に、バー
ナーを内蔵するバーナーボックスと該バーナーボックス
の周囲の空気流路とを少なくとも有し、バーナーボック
スから出る燃焼排ガスに外部空気を混入して機外に排出
する形式の燃焼装置であって、該燃焼装置は、ほぼ逆U
字状に折曲した燃焼排ガス案内用筒体を有し、該燃焼排
ガス案内用筒体の一方の開口が前記バーナーボックスの
上方に燃焼排ガスが2次燃焼するのに必要な空気を取り
入れることができる間隙をおいて位置しており、さら
に、前記一方の開口側の燃焼排ガス案内用筒体内であっ
てバーナーボックスの火炎吹き出し口上位位置には、そ
こを上昇する燃焼排ガスの流れを分散させる手段が配置
されていることを特徴とする。
【0023】前記一方の開口側の燃焼排ガス案内用筒体
内には、燃焼排ガスの流れを分散させる手段の下流側
に、上昇する燃焼排ガスの偏りを矯正する手段をさらに
設けるようにしてもよい。また、前記燃焼排ガスの流れ
を分散させる手段は、前記燃焼排ガス案内用筒体の長手
方向に延出する棒部材あるいは板状部部材であることは
好ましい態様であり、該棒部材の断面形状は矩形、逆三
角形、長円形など任意である。さらに、前記上昇する燃
焼排ガスの偏りを矯正する手段は、燃焼排ガス案内用筒
体のほぼU字状の折曲部近傍において、その内壁側から
外壁側に向けて延出する板状部材であってよい。
内には、燃焼排ガスの流れを分散させる手段の下流側
に、上昇する燃焼排ガスの偏りを矯正する手段をさらに
設けるようにしてもよい。また、前記燃焼排ガスの流れ
を分散させる手段は、前記燃焼排ガス案内用筒体の長手
方向に延出する棒部材あるいは板状部部材であることは
好ましい態様であり、該棒部材の断面形状は矩形、逆三
角形、長円形など任意である。さらに、前記上昇する燃
焼排ガスの偏りを矯正する手段は、燃焼排ガス案内用筒
体のほぼU字状の折曲部近傍において、その内壁側から
外壁側に向けて延出する板状部材であってよい。
【0024】さらに、前記燃焼排ガス案内用筒体は、1
200℃〜800℃の範囲内にある2次燃焼後の燃焼排
ガスを少なくとも50ms以上好ましくは100ms以
上保持することのできる長さを有していることは好まし
い態様である。ほぼ逆U字状をなす燃焼排ガス案内用筒
体、燃焼排ガスの流れを分散させる手段、及び、上昇す
る燃焼排ガスの偏りを矯正する手段の具体的寸法や形状
は当該燃焼装置ごとに相違するので、その燃焼装置につ
いてのシュミレーションによりあるいはその燃焼装置に
ついて実際に燃焼テストを行うことにより最適なものを
求めるようにする。
200℃〜800℃の範囲内にある2次燃焼後の燃焼排
ガスを少なくとも50ms以上好ましくは100ms以
上保持することのできる長さを有していることは好まし
い態様である。ほぼ逆U字状をなす燃焼排ガス案内用筒
体、燃焼排ガスの流れを分散させる手段、及び、上昇す
る燃焼排ガスの偏りを矯正する手段の具体的寸法や形状
は当該燃焼装置ごとに相違するので、その燃焼装置につ
いてのシュミレーションによりあるいはその燃焼装置に
ついて実際に燃焼テストを行うことにより最適なものを
求めるようにする。
【0025】また、燃焼排ガスの流れを分散させる手段
及び上昇する燃焼排ガスの偏りを矯正する手段を構成す
る素材は所要の耐熱性を持つ材料であれば適宜用いるこ
とができ、ステンレス、合金などの金属、あるいはセラ
ミックスなどを用い得る。
及び上昇する燃焼排ガスの偏りを矯正する手段を構成す
る素材は所要の耐熱性を持つ材料であれば適宜用いるこ
とができ、ステンレス、合金などの金属、あるいはセラ
ミックスなどを用い得る。
【0026】
【作用】本発明による低NO2 燃焼装置によれば、バー
ナーボックスの上位に位置する燃焼排ガス案内用筒体が
ほぼ逆U字状に折曲していることから、直立状の燃焼排
ガス案内用筒体を持つものと比較してその背丈を低くす
ることができる。一方、2次燃焼排ガスは燃焼排ガス案
内用筒体の入口部分で流れが分散されて渦流(乱流)を
生じ、温度分布の均一化が推進されると同時に、燃焼排
ガス案内用筒体の壁面から積極的に放熱される。それに
より、2次燃焼排ガスは、そのほぼ全体が燃焼排ガス案
内用筒体の入口部近傍でほぼ1200℃〜800℃の範
囲に降温され、その状態で燃焼排ガス案内用筒体を所定
時間滞留しながら通過する。
ナーボックスの上位に位置する燃焼排ガス案内用筒体が
ほぼ逆U字状に折曲していることから、直立状の燃焼排
ガス案内用筒体を持つものと比較してその背丈を低くす
ることができる。一方、2次燃焼排ガスは燃焼排ガス案
内用筒体の入口部分で流れが分散されて渦流(乱流)を
生じ、温度分布の均一化が推進されると同時に、燃焼排
ガス案内用筒体の壁面から積極的に放熱される。それに
より、2次燃焼排ガスは、そのほぼ全体が燃焼排ガス案
内用筒体の入口部近傍でほぼ1200℃〜800℃の範
囲に降温され、その状態で燃焼排ガス案内用筒体を所定
時間滞留しながら通過する。
【0027】それにより、すでに提案している低NO2
燃焼装置と同様、バーナーボックスから出た燃焼排ガス
は外部空気により急激に冷却されることはなく、燃焼排
ガスが機外に出る過程でのNO2 の生成量(変換率)が
大きく低減し、かつ、燃焼排ガス案内用筒体はほぼ逆U
字状に折曲してるいことから、燃焼装置全体の背丈を低
くすることができ、実用性の高い低NO2 燃焼装置が得
られる。
燃焼装置と同様、バーナーボックスから出た燃焼排ガス
は外部空気により急激に冷却されることはなく、燃焼排
ガスが機外に出る過程でのNO2 の生成量(変換率)が
大きく低減し、かつ、燃焼排ガス案内用筒体はほぼ逆U
字状に折曲してるいことから、燃焼装置全体の背丈を低
くすることができ、実用性の高い低NO2 燃焼装置が得
られる。
【0028】
【実施例】以下、添付の図を参照して本発明を実施例に
基づきより詳細に説明する。図1は本発明による低NO
2 燃焼装置を示す断面図であり、燃焼排ガス案内用筒体
70の構成を除き、他の構成は前記図3に基づき説明し
た燃焼装置のもとの実質的に同様であり、同一の部材に
は同一の符号を付すことにより、詳細な説明は省略す
る。また、燃焼作用も燃焼排ガス案内用筒体70内を通
過する燃焼排ガスの態様を除いて他の態様は同様である
ので、燃焼排ガス案内用筒体70内との関係での燃焼排
ガスの態様を説明するにとどめ、全体としての燃焼態様
の説明は省略する。
基づきより詳細に説明する。図1は本発明による低NO
2 燃焼装置を示す断面図であり、燃焼排ガス案内用筒体
70の構成を除き、他の構成は前記図3に基づき説明し
た燃焼装置のもとの実質的に同様であり、同一の部材に
は同一の符号を付すことにより、詳細な説明は省略す
る。また、燃焼作用も燃焼排ガス案内用筒体70内を通
過する燃焼排ガスの態様を除いて他の態様は同様である
ので、燃焼排ガス案内用筒体70内との関係での燃焼排
ガスの態様を説明するにとどめ、全体としての燃焼態様
の説明は省略する。
【0029】図1に示すように、この実施例による燃焼
装置において、燃焼排ガス案内用筒体70は全体として
ほぼ逆U字状をなしており、その一方の開口(流入開
口)71はバーナーボックス12の上方に、1次燃焼に
よる燃焼排ガスが2次燃焼するのに必要な空気を取り入
れることができる間隙Sをおいて位置しており、他方の
開口(排出開口)72は前記間隙Sの位置よりも幾分下
方位置において、空気流路80内に開放している。
装置において、燃焼排ガス案内用筒体70は全体として
ほぼ逆U字状をなしており、その一方の開口(流入開
口)71はバーナーボックス12の上方に、1次燃焼に
よる燃焼排ガスが2次燃焼するのに必要な空気を取り入
れることができる間隙Sをおいて位置しており、他方の
開口(排出開口)72は前記間隙Sの位置よりも幾分下
方位置において、空気流路80内に開放している。
【0030】さらに、前記流入開口71側の燃焼排ガス
案内用筒体70内であって1次燃焼排ガスの2次燃焼が
終了する部位あるいはそれより幾分上方の部位には、燃
焼排ガス案内用筒体70の長手方向に延在する断面矩形
状の棒部材75が取り付けられる(図2も参照)。好ま
しくは、この棒部材75はバーナーボックス12の火炎
吹き出し口12aの上位位置に配置される。
案内用筒体70内であって1次燃焼排ガスの2次燃焼が
終了する部位あるいはそれより幾分上方の部位には、燃
焼排ガス案内用筒体70の長手方向に延在する断面矩形
状の棒部材75が取り付けられる(図2も参照)。好ま
しくは、この棒部材75はバーナーボックス12の火炎
吹き出し口12aの上位位置に配置される。
【0031】この燃焼装置において、1次燃焼火炎(1
次燃焼排ガス)は間隙Sを通して供給される2次空気と
混合して2次燃焼し、その燃焼排ガスは流入開口71か
ら燃焼排ガス案内用筒体70内に流入し、そこを上昇す
る。既に記したように、通常、ガスファンヒータのよう
な燃焼装置においてこの2次燃焼排ガスの燃焼直後の温
度は1800℃〜1400℃であり、本発明による燃焼
装置においては前記間隙Sから流入する外部空気の量は
制限されているので、燃焼排ガスは大きく温度降下する
ことなく、ほぼ燃焼直後の温度を維持した状態で燃焼排
ガス案内用筒体70内を上昇し、その過程で前記棒部材
75に衝接する。該衝接により燃焼排ガス流は圧損を受
けると共に分流され、下流側では全体が混合された状態
となり、流下する。さらに、その流下の過程において、
燃焼排ガスは燃焼排ガス案内用筒体70と接する部分に
おいて放熱が促進されて、温度を降下させる。
次燃焼排ガス)は間隙Sを通して供給される2次空気と
混合して2次燃焼し、その燃焼排ガスは流入開口71か
ら燃焼排ガス案内用筒体70内に流入し、そこを上昇す
る。既に記したように、通常、ガスファンヒータのよう
な燃焼装置においてこの2次燃焼排ガスの燃焼直後の温
度は1800℃〜1400℃であり、本発明による燃焼
装置においては前記間隙Sから流入する外部空気の量は
制限されているので、燃焼排ガスは大きく温度降下する
ことなく、ほぼ燃焼直後の温度を維持した状態で燃焼排
ガス案内用筒体70内を上昇し、その過程で前記棒部材
75に衝接する。該衝接により燃焼排ガス流は圧損を受
けると共に分流され、下流側では全体が混合された状態
となり、流下する。さらに、その流下の過程において、
燃焼排ガスは燃焼排ガス案内用筒体70と接する部分に
おいて放熱が促進されて、温度を降下させる。
【0032】図3aは、図1に示した形態の燃焼装置を
前記と同じ燃焼条件で燃焼実験したときの燃焼排ガス案
内用筒体70内での燃焼排ガスの温度分布を示す等温線
図であり(なお、この等温線図は図3cに示した等温線
図を同じ手法により作成した)、1800℃〜1400
℃であった2次燃焼排ガスのほとんどが、棒部材75よ
りも下流域においては燃焼排ガス案内用筒体70の壁部
からの放熱による温度低下により1200℃〜800℃
の温度範囲に維持されており、かつ、その温度分布の偏
りも是正されていることが分かる。
前記と同じ燃焼条件で燃焼実験したときの燃焼排ガス案
内用筒体70内での燃焼排ガスの温度分布を示す等温線
図であり(なお、この等温線図は図3cに示した等温線
図を同じ手法により作成した)、1800℃〜1400
℃であった2次燃焼排ガスのほとんどが、棒部材75よ
りも下流域においては燃焼排ガス案内用筒体70の壁部
からの放熱による温度低下により1200℃〜800℃
の温度範囲に維持されており、かつ、その温度分布の偏
りも是正されていることが分かる。
【0033】1200℃〜800℃の温度範囲となった
燃焼排ガスはその状態を維持してさらに流下し排出開口
72に達し、そこで外部空気に合流してさらに温度低下
した後、通常の燃焼装置の場合と同じ経路を辿って機外
に排出され、暖房用温風として作用される。図4の場合
と同様にして排出される排ガスに含有されるNO2 量を
測定したところ、5〜7ppmであり、それは、既に提
案している直立状の筒体を燃焼排ガス案内用筒体として
持つ燃焼装置とほぼ同じレベルであった。
燃焼排ガスはその状態を維持してさらに流下し排出開口
72に達し、そこで外部空気に合流してさらに温度低下
した後、通常の燃焼装置の場合と同じ経路を辿って機外
に排出され、暖房用温風として作用される。図4の場合
と同様にして排出される排ガスに含有されるNO2 量を
測定したところ、5〜7ppmであり、それは、既に提
案している直立状の筒体を燃焼排ガス案内用筒体として
持つ燃焼装置とほぼ同じレベルであった。
【0034】本発明において、ほぼ逆U字状をなす燃焼
排ガス案内用筒体70の長さ及びそこに取り付ける棒部
材75の寸法は、1800℃〜1400℃である2次燃
焼排ガスのほぼ全体を燃焼排ガス案内用筒体70内にお
いて1200℃〜800℃の温度範囲とし、かつ、温度
低下した燃焼排ガスが燃焼排ガス案内用筒体50で包囲
された空間を少なくとも50ms以上の時間をかけて通
過しうる長さ及び寸法に設計する。実機についての燃焼
実験あるいはシミュレーションを繰り返すことにより容
易に、最適値を得ることができる。
排ガス案内用筒体70の長さ及びそこに取り付ける棒部
材75の寸法は、1800℃〜1400℃である2次燃
焼排ガスのほぼ全体を燃焼排ガス案内用筒体70内にお
いて1200℃〜800℃の温度範囲とし、かつ、温度
低下した燃焼排ガスが燃焼排ガス案内用筒体50で包囲
された空間を少なくとも50ms以上の時間をかけて通
過しうる長さ及び寸法に設計する。実機についての燃焼
実験あるいはシミュレーションを繰り返すことにより容
易に、最適値を得ることができる。
【0035】図3bは本発明による低NO2 燃焼装置の
燃焼排ガス案内用筒体70の他の実施例をその燃焼排ガ
スの等温線図と共に示している。この例においては、燃
焼排ガスの流れを分散させる手段である棒部材75の下
流側に、上昇する燃焼排ガスの偏りを矯正する手段とし
ての板部材76を、燃焼排ガス案内用筒体のU字状の折
曲部における内壁側77から外壁側78に向けて一体に
形成している。前記のように図示のような断面形状を持
つ筒体にあっては折曲部における内壁77側と外壁78
側とでは流速に差が生じ、燃焼排ガスの流れに偏りが生
じる。板部材76によりこの偏りは是正されることか
ら、1200℃〜800℃の温度範囲領域をさらに広げ
ることができる。この実施例における排出される排ガス
に含有されるNO2 量を図4の場合と同様にして測定し
たところ、4〜6ppmであり、それは、既に提案して
いる板部材75を有しないものよりもNO2 の排出量は
低下していた。
燃焼排ガス案内用筒体70の他の実施例をその燃焼排ガ
スの等温線図と共に示している。この例においては、燃
焼排ガスの流れを分散させる手段である棒部材75の下
流側に、上昇する燃焼排ガスの偏りを矯正する手段とし
ての板部材76を、燃焼排ガス案内用筒体のU字状の折
曲部における内壁側77から外壁側78に向けて一体に
形成している。前記のように図示のような断面形状を持
つ筒体にあっては折曲部における内壁77側と外壁78
側とでは流速に差が生じ、燃焼排ガスの流れに偏りが生
じる。板部材76によりこの偏りは是正されることか
ら、1200℃〜800℃の温度範囲領域をさらに広げ
ることができる。この実施例における排出される排ガス
に含有されるNO2 量を図4の場合と同様にして測定し
たところ、4〜6ppmであり、それは、既に提案して
いる板部材75を有しないものよりもNO2 の排出量は
低下していた。
【0036】上記の説明は本発明による低NO2 燃焼装
置のいくつかの好ましい態様の説明であって、他に多く
の変形例が存在する。例えば、燃焼排ガス案内用筒体内
に配置する燃焼排ガスの流れを分散させる手段は、積極
的に放熱作用を行わないことを条件に、複数本配置する
こと、図示のもののように燃焼排ガス案内用筒体の長辺
方向に沿って配置するものに加えて短辺方向に沿ったも
のを配置すること、短辺方向にそったもののみを配置す
ること、も可能であり、等しく目的を達成することがで
きる。
置のいくつかの好ましい態様の説明であって、他に多く
の変形例が存在する。例えば、燃焼排ガス案内用筒体内
に配置する燃焼排ガスの流れを分散させる手段は、積極
的に放熱作用を行わないことを条件に、複数本配置する
こと、図示のもののように燃焼排ガス案内用筒体の長辺
方向に沿って配置するものに加えて短辺方向に沿ったも
のを配置すること、短辺方向にそったもののみを配置す
ること、も可能であり、等しく目的を達成することがで
きる。
【0037】
【発明の効果】本発明による低NO2 燃焼装置によれ
ば、従来のファンヒーター型の燃焼装置の外形形状をさ
ほど変更することなく、外部に放出される燃焼排ガスに
含まれるNO2 の割合を大きく低減した燃焼装置を得る
ことができ、それにより室内における健全な環境での低
NO2 燃焼装置の使用が可能となる。
ば、従来のファンヒーター型の燃焼装置の外形形状をさ
ほど変更することなく、外部に放出される燃焼排ガスに
含まれるNO2 の割合を大きく低減した燃焼装置を得る
ことができ、それにより室内における健全な環境での低
NO2 燃焼装置の使用が可能となる。
【図1】本発明による低NO2 燃焼装置の概略を示す断
面図。
面図。
【図2】図1のII-II 線による断面図。
【図3】幾つかの燃焼排ガス案内用筒体内における等温
度線を示す図。
度線を示す図。
【図4】開発過程における燃焼装置の一形態を示す断面
図。
図。
【図5】先の提案による低NO2 燃焼装置の概略を示す
断面図。
断面図。
【図6】従来知られた燃焼装置を示す概略断面図。
11…バーナー、12…バーナーボックス、70…燃焼
排ガス案内用筒体、75…燃焼排ガスの流れを分散させ
る手段(棒部材)、76…燃焼排ガスの偏りを矯正する
手段(板状部材)、80…空気流路
排ガス案内用筒体、75…燃焼排ガスの流れを分散させ
る手段(棒部材)、76…燃焼排ガスの偏りを矯正する
手段(板状部材)、80…空気流路
Claims (1)
- 【請求項1】 バーナーを内蔵するバーナーボックスと
該バーナーボックスの周囲の空気流路とを少なくとも有
し、バーナーボックスから出る燃焼排ガスに外部空気を
混入して機外に排出する形式の燃焼装置であって、 該燃焼装置は、ほぼ逆U字状に折曲した燃焼排ガス案内
用筒体を有し、 該燃焼排ガス案内用筒体の一方の開口が前記バーナーボ
ックスの上方に燃焼排ガスが2次燃焼するのに必要な空
気を取り入れることができる間隙をおいて位置してお
り、 前記一方の開口側の燃焼排ガス案内用筒体内であってバ
ーナーボックスの火炎吹き出し口上位位置には、そこを
上昇する燃焼排ガスの流れを分散させる手段として前記
燃焼排ガス案内用筒体の長手方向に延在する棒状あるい
は板状部材が配置されており、前記一方の開口側の燃焼排ガス案内用筒体内には、前記
燃焼排ガスの流れを分散させる手段の下流側に、上昇す
る燃焼排ガスの偏りを矯正する手段として、前記ほぼU
字状の折曲部近傍において、燃焼排ガス案内用筒体の内
壁側から外壁側に向けて延出する板状部材が設けられて
おり、さらに、 前記燃焼排ガス案内用筒体は、2次燃焼後の燃焼排ガス
の温度を1200℃〜800℃の範囲内において50m
s以上好ましくは100ms以上保持することのできる
長さを少なくとも有している ことを特徴とする低NO2
燃焼装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31374994A JP3280814B2 (ja) | 1994-12-16 | 1994-12-16 | 低no2 燃焼装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31374994A JP3280814B2 (ja) | 1994-12-16 | 1994-12-16 | 低no2 燃焼装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08170809A JPH08170809A (ja) | 1996-07-02 |
JP3280814B2 true JP3280814B2 (ja) | 2002-05-13 |
Family
ID=18045074
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31374994A Expired - Fee Related JP3280814B2 (ja) | 1994-12-16 | 1994-12-16 | 低no2 燃焼装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3280814B2 (ja) |
-
1994
- 1994-12-16 JP JP31374994A patent/JP3280814B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH08170809A (ja) | 1996-07-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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