JP3521901B2 - クロック/データ・リカバリ回路 - Google Patents

クロック/データ・リカバリ回路

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JP3521901B2
JP3521901B2 JP2002053561A JP2002053561A JP3521901B2 JP 3521901 B2 JP3521901 B2 JP 3521901B2 JP 2002053561 A JP2002053561 A JP 2002053561A JP 2002053561 A JP2002053561 A JP 2002053561A JP 3521901 B2 JP3521901 B2 JP 3521901B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力データ信号の
ビットレートの1/K(K=2,3.・・・)の周波数
のクロック信号を発振する電圧制御発振器を用いたクロ
ック/データ・リカバリ回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クロック/データ・リカバリ回路は、光
通信システムのSDH/SONET(基幹網)、point
to point伝送、GbE/10GbE、Fibre Channelの
ルータやクロスコネクト部における光フロントエンド回
路レシーバ部等に適用される。
【0003】図1に従来のクロック/データ・リカバリ
回路の構成を示す。これは、入力データ信号のビットレ
ートの1/2の周波数のクロック信号を発生する電圧制
御発振器を用いたPLL構成(参考:M.Wurzer,et.a
l.,"A 40-Gb/s Integrated Clock and Data Recovery C
ircuit in a 50-GHz Silicon Bipolar Technology,"IEE
EJ.Solid-State Circuits,VOL.34,NO.9,pp.1320-1324 S
ep.1999.)である。
【0004】このクロック/データ・リカバリ回路は、
入力データ信号DINのビットレートの1/2の周波数
でクロック信号CLK1を発振する電圧制御発振器(V
CO)51と、そのクロック信号CLK1の逆相信号、
正相信号を各々クロックとするD型フリップフロップ回
路(DFF)52,53(立ち上がりエッジで書き込
む)と、クロック信号CLK1を90度位相遅延する9
0度遅延回路54と、その90度遅延回路54の出力ク
ロック信号CLK2をクロックとするD型フリップフロ
ップ回路55と、D型フリップフロップ回路53,55
の出力信号D2,D3の位相比較を行うEXOR回路5
6と、そのEXOR回路56から出力する位相比較信号
から直流成分を抽出し電圧制御発振器51に制御電圧と
して入力するローパスフィルタ(LPF)57とから構
成されている。D1はD型フリップフロップ回路52の
出力信号である。
【0005】図2にこのクロック/データ・リカバリ回
路の信号DIN、D2、CLK1,CLK2動作タイミ
ングチャートを示す。(a)、(b)、(c)は、それぞれロッ
ク状態、クロック信号CLK1の位相進み状態、クロッ
ク信号CLK1の位相遅れ状態を示す。
【0006】図2(a)のロック状態では、クロック信号
CLK1の立ち上がり/立ち下がりエッジが入力データ
信号DINのエッジ間の中心と同じタイミングとなり、
クロック信号CLK2の立ち上がり/立ち下がりエッジ
が入力データ信号DINのエッジと同じタイミングにな
る。
【0007】入力データ信号DINにデータ遷移(1→
0、0→1)がある時に、その入力データ信号DINと
クロック信号CLK1の位相関係の進み/遅れに応じて
EXOR回路56から出力信号が出力される。
【0008】入力データ信号DINのデータAとデータ
B間でデータ遷移がある場合、クロック進み状態(図2
(b))ではD型フリップフロップ回路53,55はいず
れもデータAを識別(サンプリング)して出力信号D
2、D3は同符合となるが、クロック遅れ状態(図2
(c))ではD型フリップフロップ回路53はデータA
を、D型フリップフロップ回路55はデータBを、それ
ぞれ識別するため、出力信号D2、D3は異なる符合の
信号となる。
【0009】したがって、入力データ信号DINにデー
タ遷移がある場合、クロック信号CLK1の入力データ
信号DINに対する進み/遅れに応じてEXOR回路5
6の出力信号が決定し、その出力信号からローパスフィ
ルタ57で直流成分を抽出した直流レベル信号がフィー
ドバック信号として電圧制御発振器51へ入力される。
【0010】以上の構成により、PLLを利用したクロ
ック/データ・リカバリ回路の電圧制御発振器の発振周
波数に対し、その1/2(周期が入力データ信号DIN
の最小パルス幅の2倍)の発振周波数の電圧制御発振器
を用いて、引き込み動作可能なクロック/データ・リカ
バリ回路の実現が可能である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図2(a)は
理想的なロック状態のタイミングチャートを示してお
り、実際のロック状態における図1のクロック信号CL
K1,CLK2のエッジは、図3(a)に示すように、入
力データ信号DINのパルス中心t1およびエッジt2
を中心として、その入力データ信号DINの位相に対
し、進み/遅れ動作を繰り返す。
【0012】単位時間あたりの入力データ信号DINの
遷移数(1→0または0→1への変化の数)をNTR、遷
移時にクロック信号CLK1,CLK2の位相が入力デ
ータ信号DINの位相に対して進みにある場合の数をNL
EADとし、遅れにある場合の数をNLAG(=NTR−NLEAD)
とし、この進み/遅れ状態数の割合をRLLとすると、 RLL=NLEAD/NLAG (1) として、単位時間当りのEXOR回路56の出力が1で
ある場合の数と0である場合の数の割合を決定し、結果
として電圧制御発振器51にフィードバックされるロー
パスフィルタ57の出力電位が決定される。
【0013】電圧制御発振器51の自走発振周波数をf
o(Hz)、入力データ信号DINのビットレートをBr[b/
s]とすると、ロック状態において電圧制御発振器51
へのフィードバック電位は、2foとBrの差fdに比例
し、したがって、ロック状態のEXOR回路56の出力
信号の1/0の割合もfdに比例していることになる。
結果的に、 RLL∝fd (2) の関係が成り立つ。
【0014】ここで、fdに比例した電圧が電圧制御発
振器51ヘフィードバックされることにより位相の進み
/遅れ状態数の割合RLLは決定されるが、その位相差
(進み/遅れの量)は決定されない。すなわちロック状
態においてRLLは同じで、個々の進み/遅れ状態の位相
量が異なる場合が存在する(図3(b),(c))。図3(b)は
進み/遅れ量が小の場合 、図3(c) は進み/遅れ量が
大の場合である。
【0015】図3(b)、(c)において、RLLが同一で電圧
制御発振器51へのフィードバック電位が同電位となっ
ても、位相量が異なるためにクロックジッタは図3(c)
の方が大きい。電圧制御発振器51へのフィードバック
電位が同一となり得る状態で、それぞれの進み/遅れに
おけるクロック位相の変動範囲は±90度である。すな
わち、入力データ信号DINのビットレートがBR[b/
s]の場合、αをコンポ-ネントが発生するノイズによる
ジッタ[s]ppとして、ジッタ量は 1/(BR)+α [s]pp (3) となり、大きなジッタが発生するという問題があった。
【0016】なお、従来のCDR(Clock and Data Rec
overy)回路の他の例としては、図4に示すように、入
力データビットレートと同一の発振周波数をもつVCO
を用いた例がある。このCDR回路は、入力データ信号
DATAINからクロック信号CLKを抽出し、データ
信号を識別する機能を有するものであり、多重分離回路
(DEMUX)を付加しCDRクロック出力、データ出
力をDEMUXに入力することにより、CDRの出力シ
リアルデータ信号を多重分離した低速パラレルデータ信
号出力を行う。この構成は、上記の構成に比べ、VCO
に要求される動作速度は2倍となり、高速化が困難であ
るという問題を有している。
【0017】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、クロック変動範囲を小さくできるようにして、入
力データ信号のビットレートの1/Kの周波数を発振す
る電圧制御発振器を使用しながも、低ジッタを実現した
クロック/データ・リカバリ回路を提供することを目的
とする。
【0018】更に、従来のパラレル信号出力機能に加え
て、シリアル信号出力機能(クロックおよびデータ)を
実現したクロック/データ・リカバリ回路を提供するこ
とを目的とする。
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は次のように構成することができる。
【0019】本発明のクロック/データ・リカバリ回路
は、入力データ信号のビットレートの1/K(K=2,
3,・・・)の周波数のクロック信号を発振する電圧制
御発振器と、前記入力データ信号をタイミング調整のた
めに遅延させる遅延回路と、前記クロック信号に基づき
前記入力データ信号を1:M(M=2,3,・・・)多
重分離する多重分離回路と、前記クロック信号に基づき
前記多重分離回路のM個の多重分離出力信号をM:1多
重化する多重化回路と、前記遅延回路の出力信号と前記
多重化回路の出力信号との位相比較を行う位相比較器
と、該位相比較器の出力信号から直流成分を取り出し前
記電圧制御発振器に制御電圧として入力させるローパス
フィルタとを具備し、前記電圧制御発振器が発振するク
ロック信号を用いてリカバリ分周クロック信号を出力
し、前記多重分離回路の前記M個の多重分離出力信号を
リカバリパラレルデータ信号として出力する。
【0020】上記の構成において、M=K×L(Lは自
然数)としてもよい。
【0021】また、上記の構成において、前記遅延回路
の前段に前記入力データ信号を遅延する別の遅延回路を
接続し、前記位相比較器を、前記遅延回路の出力信号と
前記多重化回路の出力信号との位相比較を行いその比較
結果と前記別の遅延回路の出力信号との位相比較を行う
別の位相比較器に置換してもよい。
【0022】上記の構成において、K=2、M=2の場
合、前記多重分離回路は、前記クロック信号に基づき前
記入力データ信号を取り込む第1のD型フリップフロッ
プ回路と、前記クロック信号の逆相信号に基づき前記入
力データ信号を取り込む第2のD型フリップフロップ回
路とから構成し、前記多重化回路は、前記クロック信号
を遅延させるクロック遅延回路と、該クロック遅延回路
の出力信号に基づき前記第1のD型フリップフロップ回
路の出力信号と前記第2のD型フリップフロップ回路の
出力信号を交互に選択するセレクタとから構成すること
ができる。
【0023】上記の構成において、K=2の場合、前記
多重分離回路は、前記クロック信号に基づき前記入力デ
ータ信号を1:2多重分離して2個の第1のパラレルデ
ータ信号を出力する第1の多重分離回路と、前記クロッ
ク信号をL分周した分周クロック信号に基づき前記各第
1のパラレルデータ信号を1:L多重分離してL個の第
2のパラレルデータ信号を出力する第2の多重分離回路
2個とを有し、前記多重化回路は、前記分周クロック信
号に基づき前記L個の第2のパラレルデータ信号をL:
1多重する第1の多重化回路を2個と、前記クロック信
号に基づき前記第1の多重化回路2個から出力される2
個のパラレルデータ信号を2:1多重し、シリアルデー
タを出力する第2の多重化回路とを有するように構成す
ることができる。
【0024】上記の構成において、K=2かつM=2
(Tは2以上の整数)の場合、前記多重分離回路は、
1:2多重分離を行う1:2多重分離回路を有する段を
T段接続して構成され、Q段目(Q=1,2,3・・・
T)の段は2(Q−1)個の1:2多重分離回路を有
し、Q段目の段の各1:2多重分離回路には前記クロッ
ク信号を2(Q− 1)分周した分周クロック信号を供給
するように構成され、前記多重化回路は、2:1多重を
行う2:1多重回路を有する段をT段接続して構成さ
れ、Q段目(Q=1,2,3・・・T)の段は2
(T−Q)個の2:1多重回路を有し、Q段目の段の各
2:1多重分離回路には前記クロック信号を2
(T−Q)分周した分周クロック信号を供給するように
構成することができる。
【0025】上記の構成において、K>2の場合、前記
多重分離回路は、前記クロック信号に対して各々位相の
異なるK−1個の信号を発生させる手段と、該K−1個
の信号と前記クロック信号とに基づき前記入力データ信
号を1:K多重分離してK個の第1のパラレルデータ信
号を出力する第1の多重分離回路と、前記クロック信号
をL分周した分周クロック信号と前記クロック信号とに
基づき前記各第1のパラレルデータ信号を1:L多重分
離してL個の第2のパラレルデータ信号を出力する第2
の多重分離回路K個とを有し、前記多重化回路は、前記
分周クロック信号と前記クロック信号とに基づき前記L
個の第2のパラレルデータ信号をL:1多重する第1の
多重化回路をK個と、前記クロック信号を逓倍した逓倍
信号と前記クロック信号とに基づき前記第1の多重化回
路K個から出力されるK個のパラレルデータ信号をK:
1多重し、シリアルデータを出力する第2の多重化回路
とを有するように構成することができる。
【0026】本発明は次のように構成することもでき
る。
【0027】本発明のクロック/データ・リカバリ回路
は、入力データ信号のビットレートの1/K(K=2,
3・・・)の周波数のクロック信号を発振する電圧制御
発振器と、前記入力データ信号を入力するH(H=1,
2,・・・)個直列接続のT型フリップフロップ回路
と、前記クロック信号に基づき前記L個直列接続のT型
フリップフロップ回路の出力信号を1:M(M=2,3
・・・)多重分離する第1の多重分離回路と、前記クロ
ック信号に基づき前記入力データ信号を1:N(N=2
p、pは自然数)多重分離する第2の多重分離回路と、
前記クロック信号に基づき前記第1の多重分離回路のM
個の多重分離出力信号をM:1多重化する多重化回路
と、前記L個直列接続のT型フリップフロップ回路の出
力信号と前記多重化回路の出力信号との位相比較を行う
位相比較器と、該位相比較器の出力信号から直流成分を
取り出し前記電圧制御発振器に制御電圧として入力させ
るローパスフィルタと、前記電圧制御発振器の出力クロ
ック信号の周波数をm(m=N/K)分周する分周器と
を具備し、前記m分周器の出力信号をリカバリ分周クロ
ック信号とし、前記第2の多重分離回路のN個の多重分
離出力信号をリカバリパラレルデータ信号とするように
構成する。
【0028】上記の構成においては、M=K×L(Lは
自然数)とすることができる。
【0029】上記の構成において、前記L個直列接続の
T型フリップフロップ回路の後段に遅延回路を接続し、
前記位相比較器を、前記遅延回路の出力信号と前記多重
化回路の出力信号との位相比較を行いその比較結果と前
記L個直列接続のT型フリップフロップ回路の出力信号
との位相比較を行う別の位相比較器に置換して構成する
ことができる。
【0030】上記の構成において、K=2、M=2の場
合、前記第1の多重分離回路は、前記クロック信号をク
ロックとして前記L個直列接続のT型フリップフロップ
回路の出力信号を取り込む第1のD型フリップフロップ
回路と、前記クロック信号の逆相信号をクロックとして
前記L個直列接続のT型フリップフロップ回路の出力信
号を取り込む第2のD型フリップフロップ回路とから構
成し、前記多重化回路は、前記クロック信号を遅延させ
るクロック遅延回路と、該クロック遅延回路の出力信号
をクロックとして前記第1のD型フリップフロップ回路
の出力信号と前記第2のD型フリップフロップ回路の出
力信号を交互に選択するセレクタとから構成することが
できる。
【0031】上記のクロック/データ・リカバリ回路の
構成において、前記クロック信号をm(m=M/K)分
周した分周クロック信号を出力するm分周器と、前記電
圧制御発振器から出力する前記クロック信号を90度遅
延する90度遅延回路と、該90度遅延回路の出力信号
と前記電圧制御発振器から出力する遅延クロック信号と
を乗算して前記入力データ信号のビットレートと同じ周
波数のクロック信号を出力する乗算器とを具備し、前記
多重化回路から出力するデータ信号と前記乗算器から出
力するクロック信号とをシリアルデータ信号として出力
するようにしてもよい。
【0032】また、上記の構成において、前記90度遅
延回路を備えることに代えて、前記電圧制御発振器が、
前記クロック信号に対して直交関係にある該クロック信
号と同一周波数の直交クロック信号を出力し、前記乗算
器に前記クロック信号及び前記直交クロック信号を入力
して、前記入力データ信号のビットレートと同じ周波数
のクロック信号を出力するようにしてもよい。
【0033】上記の構成において、前記90度遅延回路
と前記乗算器を備えることに代えて、前記電圧制御発振
器から出力する前記クロック信号をK逓倍し前記入力デ
ータ信号のビットレートと同じ周波数のクロック信号を
出力するK逓倍器を備えるように構成してもよい。
【0034】上記の前記電圧制御発振器は、同じ遅延時
間を持ち且つ制御電圧により該遅延時間が同時に制御さ
れる2k個(k≧1)のバッファ回路を直列接続すると
共に、2k段目のバッファ回路の反転出力を初段のバッ
ファ回路の入力に接続してなり、前記初段のバッファ回
路の入力を前記クロック信号とし、k段目のバッファ回
路の出力を前記直交クロック信号とするように構成する
ことができる。
【0035】上記の構成において、K=2の場合、前記
K逓倍器は、第1の位相比較器と、該第1の位相比較器
の出力信号から直流成分を取り出す第1のローパスフィ
ルタ回路と、該第1のローパスフィルタ回路の出力信号
により発振周波数が制御される第1の電圧制御発振器
と、該第1の電圧制御発振器の出力信号を2分周する2
分周器とからなり、該2分周器の出力信号と前記電圧制
御発振器の前記クロック信号とを前記第1の位相比較器
に入力して、前記第1の電圧制御発振器から前記入力デ
ータ信号のビットレートと同じ周波数のクロック信号を
取り出すように構成することができる。
【0036】また、本発明はクロック/データ・リカバ
リ回路を有する受信装置であって、該クロック/データ
・リカバリ回路は、入力データ信号のビットレートの1
/K(K=2,3,・・・)の周波数のクロック信号を
発振する電圧制御発振器と、前記入力データ信号をタイ
ミング調整のために遅延させる遅延回路と、前記クロッ
ク信号に基づき前記入力データ信号を1:M(M=2,
3,・・・)多重分離する多重分離回路と、前記クロッ
ク信号に基づき前記多重分離回路のM個の多重分離出力
信号をM:1多重化する多重化回路と、前記遅延回路の
出力信号と前記多重化回路の出力信号との位相比較を行
う位相比較器と、該位相比較器の出力信号から直流成分
を取り出し前記電圧制御発振器に制御電圧として入力さ
せるローパスフィルタとを具備し、該クロック/データ
・リカバリ回路は、前記電圧制御発振器が発振するクロ
ック信号を用いてリカバリ分周クロック信号を出力し、
前記多重分離回路の前記M個の多重分離出力信号をリカ
バリパラレルデータ信号を出力するように構成すること
ができる。
【0037】本発明のクロック/データ・リカバリ回路
によれば、入力データ信号に対して多重分離/多重化操
作を行なって電圧制御発振器の出力クロック信号と位相
の合ったデータ信号に変換し、このデータ信号と入力デ
ータ信号の位相比較を行うことにより、従来の1/2の
周波数の電圧制御発振器であっても位相差に応じた位相
比較出力を出力可能で、電圧制御発振器へのフィードバ
ック電位も位相差に応じた電位になり、低ジッタを実現
できる。また、このようなクロック/データ・リカバリ
回路を有する受信装置を提供することが可能となる。こ
の受信装置は、光通信システムのSDH/SONET
(基幹網)、point to point伝送、GbE/10Gb
E、Fiber Channelのルータやクロスコネクト部におけ
る光フロントエンド回路レシーバ部等に適用することが
でき、低ジッタ、小型、低電力を実現でき、光フロント
エンドモジュールの低コスト化を図り、結果として通信
システムコスト低減を実現することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明は、入力データ信号のビッ
トレートの1/K周波数のクロック信号を発振する電圧
制御発振器の発振信号を利用し、入力データ信号に対し
多重分離および多重化の操作を行って電圧制御発振器の
発振信号と同期した位相を有するデータ信号を発生さ
せ、これを入力データ信号と位相比較器で位相比較する
ようにしたPLL構成により、同期状態(ロック状態)
において電圧制御発信器の自走発振周波数の2倍の値
と、入力データ信号のビットレートの値との差に応じて
電圧制御発振器の出力信号位相が一意に定まり、低ジッ
タ実現を可能とし、クロック/データ・リカバリ回路の
高性能化を図るものである。
【0039】[第1の実施形態]図5に本発明の第1の
実施形態を示す。図5において、1は入力データ信号D
INを90度位相遅延させる90度遅延回路、2は入力
データ信号DINのビットレートの1/2の周波数で発
振する電圧制御発振器(VCO)、3はその電圧制御発
振器2から出力するクロック信号CLKをクロックとし
入力データ信号DINに対し1:2多重分離操作を行う
多重分離回路(DEMUX)、4はクロック信号CLK
をクロックとし多重分離回路3の出力信号DX11,D
X12に対し2:1多重化操作を行う多重化回路(MU
X)、5はその多重化回路4の出力信号MX1と90度
遅延回路1の出力信号DY1の位相を比較する位相比較
器(PC)、6は位相比較器5の出力信号PC1から直
流成分を抽出するローパスフィルタ(LPF)、7はそ
のローパスフィルタ6の出力信号を増幅して電圧制御発
振器2に制御電圧として入力するゲインコントロールア
ンプ(GCA)である。電圧制御発振器2が発振するク
ロック信号CLKがリカバリ分周クロック、多重分離回
路3の出力信号DX11,DX12がリカバリパラレル
データとなる。
【0040】図6に本実施形態の動作のロック状態のタ
イミングチャートを示す。多重分離回路3で入力データ
信号DINを一旦1:2多重分離し、再度多重化回路4
で2:1多重化させることにより、その多重化回路4の
出力信号MX1の位相は、クロック信号CLKの位相と
同期した信号となる。この出力信号MX1と90度遅延
回路1の出力信号DY1を位相比較器5で位相比較する
ことにより、それらの位相差に応じた時間幅を有するパ
ルス信号PC1が位相比較器5から出力され、ローパス
フィルタ6でこの信号の直流成分が抽出され、ゲインコ
ントロールアンプ7で増幅されて制御電圧として電圧制
御発振器2に入力される。図6のタイミングチャートで
の位相比較器5の出力信号PC1の波形は、この位相比
較器5ががEXOR型の場合である。
【0041】本実施形態では、電圧制御発振器2の出力
クロック信号CLKの位相と同期した位相を有するデー
タ信号MX1を発生させ、このデータ信号MX1と入力
データ信号DINの位相比較結果により電圧制御発振器
2を制御するので、同期状態において電圧制御発振器2
の出力信号の位相が一意的に決まり、低ジッタが実現可
能となる。
【0042】図7に本実施形態の効果を示す。入力デー
タ信号DINのビットレートがBrb/sのとき、図1
の従来回路におけるジッタの最大値Jo1は、αをコンポ
ーネントが発生するノイズによるジッタ[s]ppとする
と、 Jol=(1/BR)+α [s]pp (4) であるが、図5の本実施形態でのジッタJoNは、 JoN=α [s]pp (5) となり、1/BR [s]ppのジッタ削減が可能となる。
【0043】[第2の実施形態]図8に本発明の第2の
実施形態を示す。図5に示した第1の実施形態のものと
同じものには同じ符号を付けた。ここでは、図5の回路
において、90度遅延回路1の代わりに入力データ信号
DINの最小パルス幅を2倍にするT型フリップフロッ
プ回路(TFF)8を位相比較器5の入力側に接続し、
そのT型フリップフロップ回路8の出力信号FF1の位
相に対してCLK位相が同期するようにした。さらに、
クロック信号CLKをクロックとし入力データ信号DI
Nに対し1:N多重分離操作する多重分離回路9を設
け、またクロック信号CLKの周波数を1/m(m=N/
2)に分周して出力するm分周器10を設けた。ここで
は、m分周器10から出力するクロック信号CLKmが
リカバリ分周クロック、多重分離回路9の出力信号DX
21,DX22,・・・、DX2Nがリカバリパラレル
データとなる。
【0044】図9に本実施形態の動作のロック状態のタ
イミングチャートを示す。クロック信号CLKをクロッ
クとする多重分離回路3でT型フリップフロップ回路8
の出力信号FF1に多重分離操作を行ない、クロック信
号CLKをクロックとする多重化回路4で多重化操作を
行うことにより、その多重化回路4の出力信号MX1の
位相はクロック信号CLKの位相と同期した信号とな
る。この信号MX1とT型フリップフロップ回路8の出
力信号FF1を位相比較器5で位相比較することによ
り、それらの位相差に応じた時間幅を有するパルスがそ
の位相比較器5から出力され、ローパスフィルタ6でこ
の信号の直流成分が抽出され、ゲインコントロールアン
プ7で増幅され、電圧制御発振器2に入力される。
【0045】本実施形態では、入力データ信号DINの
最小パルス幅をT型フリップフロップ回路8で2倍にし
てからPLL処理を行っているので、第1の実施形態に
比して、位相比較器5に要求される動作帯域が1/2に
なり、より安定動作が可能である。
【0046】[第3の実施形態]図10に本発明の第3
の実施形態を示す。図5に示した第1の実施形態のもの
と同じものには同じ符号を付けた。ここでは、図5の回
路において、入力データ信号DINを遅延させる遅延回
路11を挿入し、その遅延回路11の出力信号DY0を
90度遅延回路1で90度位相遅延させる。また、遅延
回路11の出力信号DY0と90度遅延回路1の出力信
号DY1と、多重化回路4の出力信号MX1を入力する
位相比較器12を使用する。
【0047】この位相比較器12はまず信号DY1と多
重化信号MX1の位相を比較し、その比較結果の信号の
位相と信号DY0の位相とを比較するものである(例え
ば、特開平6−252654号公報)。この位相比較器
12により、入力データ信号DINのパターン依存効果
が低減できる。
【0048】本構成により、第1の実施形態に対し、同
符号連続データ入力に対する耐性が向上する。多重化回
路4の出力信号MX1の位相変動は、クロック信号CL
Kの位相変動に追随し、MX1とDINの位相差に応じ
た位相比較出力信号が位相比較器12から出力される。
【0049】[第4の実施形態]図11に本発明の第4
の実施形態を示す。図8、図10に示した第2、3の実
施形態のものと同じものには同じ符号を付けた。ここで
は、図8の回路において、T型フリップフロップ回路8
の出力信号FF1を入力する90遅延回路1を挿入し、
その90度遅延回路1の出力信号DY1とT型フリップ
フロップ回路8の出力信号FF1と多重化回路4の出力
信号MX1とを入力する位相比較器12を、位相比較器
5に代えて設けた。
【0050】本構成により、第2の実施形態に比し、同
符号連続データ入力に対する耐性が向上する。また、第
3の実施形態に比し、位相比較に要求される動作帯域が
1/2で、動作マージンの大きい構成となっている。
【0051】[第5の実施形態]図12は以上説明した
多重分離回路3の詳細な回路図である。この多重分離回
路3は2個のD型フリップフロップ回路31、32で構
成され、それぞれの出力信号をDX11,DX12とす
る構成である。図13は多重化回路4の詳細な回路図で
ある。この多重化回路4は、セレクタ41とクロック遅
延回路42で構成され、クロック信号CLKをクロック
遅延回路42でタイミング調整した信号でセレクタ41
を切り替え、信号DX11,DX12を交互にセレクト
して出力するものである。このように、多重分離回路3
および多重化回路4は簡単な構成で実現でき、低コスト
化に寄与できる。
【0052】なお、以上の実施形態において、図5、図
10、図11の90度遅延回路1は、タイミング調整用
であり、必ずしも90度位相遅延を行うものに限られる
ものではなく、位相遅延を行う回路であればよい。
【0053】[第6の実施形態]上記の実施形態におけ
る図5、図8、図10、図11の電圧制御発振器2の発
振クロックCLKの周波数は、入力データ信号DINの
ビットレートの1/2の周波数のクロックに限られず、
入力データ信号DINのビットレートの1/K(K=
2,3,・・・)の周波数のクロックを発振するように
構成することができる。
【0054】このとき、多重分離回路3は、例えば、
1:Kの多重分離を行い、多重化回路4はK:1の多重
化を行うようにすることができる。すなわち、多重分離
回路3のパラレル展開数をKとすればよい。また、第
2、第4の実施の形態において、図8、図11のT型フ
リップフロップ回路8は、Q(Q=1,2,・・・)分
周器に置き換えてもよい。
【0055】なお、パラレル展開数が3以上の場合、図
5の構成においてタイミング調整回路(遅延回路等)を
90度遅延回路の直前に挿入する必要がある。図8、図
11の構成においてもタイミング調整回路(遅延回路
等)を分周(TFF)回路の直前に挿入する必要があ
る。
【0056】さて、上記の実施形態における図5、図
8、図10、図11で示した構成において、電圧制御発
振器2(VCO)の発振クロックCLKの周波数と多重
分離回路(DEMUX)のパラレル展開数との関係は上
記に示したものに限られない。
【0057】以下、種々の場合について説明する。以下
の説明においては、VCOの発振クロックCLK周波数
の入力データ信号のビットレート(Br[b/s])に対
する分周比をKとする。すなわち、発振クロックCLK
の周波数をBr/K[Hz]とする。また、DEMUXの
パラレル展開数をMとする。
【0058】以下、K=2、M=K×L(Lは自然数)
の場合(第1の例)、K>2かつKが偶数でM=K×L
の場合(第2の例)、Kが3以上の奇数で、M=K×L
の場合(第3の例)、K<Mの場合(第4の例)につい
て説明する。なお、各例における構成の各構成部分の機
能については、これまでに説明した実施の形態における
構成部分の機能と同様である。なお、上記の各実施の形
態は第1の例におけるL=1の場合である。
【0059】第1〜第3の例における一般的な構成を図
14に示す。
【0060】この構成では、VCO発振信号CLKをク
ロックとする1:M DEMUX回路(多重分離回路)
3でCLKをL分周した分周信号DCLKを発生させ、
更に、入力データ信号に対し1:M DEMUX操作を
行うことによりM個のパラレルデータ信号を発生させ
る。そして、DCLKとCLKに基づきM:1 MUX
回路(多重化回路)4でそのM個のパラレルデータ信号
を多重し、その出力信号を位相比較器5の入力とする。
そして、DCLKをリカバリ分周クロックとして出力
し、M個のパラレル信号をリカバリパラレルデータとし
て出力する。
【0061】(第1の例)K=2、M=K×L(Lは自然
数)とした場合の1:M DEMUX回路3は、後述す
る図15の例に示すように、CLKをクロック信号とす
る1:2 DEMUX回路と、CLKをL分周器でL分
周した分周信号DCLKをクロック信号とする2個の
1:L DEMUX回路を用いて構成することができ
る。
【0062】このような構成では、1:2 DEMUX
回路で入力データ信号に対し1:2DEMUXを行い2
個のパラレルデータ信号を出力させ、2個の1:L D
EMUX回路でそのパラレルデータ信号をそれぞれ1:
L DEMUXし、M(=2×L)個のパラレル信号と
DCLKを出力する。
【0063】M:1 MUX回路4は、後述する図19
の例に示すように、DCLKをクロック信号とする2個
のL:1 MUX回路と、CLKをクロック信号とする
2:1 MUX回路とで構成することができる。この構
成においては、2個のL:1MUXでM個のパラレル信
号を2個のパラレル信号に多重化し、2:1MUXでそ
のパラレル信号を多重化してシリアルデータとして出力
する。
【0064】L=3の場合、すなわち、K=2、M=6
の場合のDEMUX回路の具体的な構成を図15に示
す。
【0065】同図に示すように、この1:6 DEMU
X回路は、1:2 DEMUX回路71と、3分周器7
2(一般にはL分周器)と、CLKを3分周器72で分
周した信号DCLKをクロック信号とする2個の1:3
DEMUX回路73、74とを有する。
【0066】この構成において、入力データ信号IND
ATAは1:2 DEMUX回路71により1:2の多
重分離がなされ、そのDEMUX出力信号DX21,D
X22を2個の1:3DEMUX回路73、74で多重
分離し、6個のパラレル信号DX61,DX62,DX
63,DX64,DX65,DX66を出力する。
【0067】図16に1:2DEMUX回路の構成を示
す。CLKの正相、逆相信号をクロックとする2つのD
FF75、76(DFF1,DFF2)で入力データ信
号を識別し、CLK正相信号をクロックとするDFF1
出力をCLK逆相信号をクロックとするデータラッチ7
7に入力し、該ラッチ出力をDX21とし、CLK逆相
信号をクロックとするDFF2出力DX22と位相を合
わせる。
【0068】図17に1:3DEMUX回路の構成を示
す。DX21をCLK逆相信号をクロック信号とする2
つのDFF78、79(DFF3,4)からなるシフト
レジスタに入力し、DCLKをクロック信号とするDF
F5でDX21を識別出力した信号をDX65,DCL
Kをクロック信号とするDFF6でシフトレジスタ初段
のDFF3出力を識別出力した信号をDX63,DCL
Kをクロック信号とするDFF7でシフトレジスタ2段
目のDFF4出力を識別出力した信号をDX61とす
る。同様にDX22を1:3DEMUX74に入力し、
DX62,DX64,DX66が出力され、DX61,
DX62,DX63,DX64,DX65,DX66の
パラレル信号が得られる。
【0069】この1:6DEMUX回路のタイミングチ
ャートを図18に示す。なお、図16、17に示す例で
は、図中の各DFF、及びデータラッチはクロックの立
ち上がりで書き換え動作を行う。
【0070】図19に6:1 MUX回路の構成を示
す。同図に示すように、この6:1MUX回路は、DC
LKをクロック信号とする2個の3:1 MUX回路8
1、82と、2:1 MUX83とを有する。
【0071】この構成において、DX61,DX62,
DX63,DX64,DX65,DX66を、2個の
3:1 MUX回路81、82で多重し、そのMUX出
力MX21,MX22をCLKをクロック信号とする
2:1 MUX回路83で多重化しシリアルデータMX
61(MUXOUT)を出力する。
【0072】図20に3:1 MUX回路81の構成を
示す。この構成では、CLKをクロック信号とするDF
F8(84)にDX65を入力し、そのDFF8出力と
DX63をDCLKの周期でCLK周期幅のパルスを発
生するパルスジェネレータ89の出力PG3を切り替え
信号とする2:1セレクタ1(85)に入力し、DCL
Kをクロック信号とするDFF9(86)に該2:1セ
レクタ1出力を入力し、PG3を切り替え信号とする
2:1セレクタ2(87)に該DFF9出力とDX61
を入力し、該2:1セレクタ2出力をCLKの逆相信号
をクロック信号とするDFF10(88)に入力し、D
X61,DX63,DX65を多重化した出力MX21
を出力する。同様にDX62,DX64,DX66を
3:1 MUX回路82で多重化し、その多重化出力を
MX22とする。
【0073】図21にパルスジェネレータ89の構成を
示す。この構成では、CLKの逆相信号をクロック信号
とするDFF11(90)にDCLKの逆相信号を入力
し、該出力をCLKをクロック信号とするDFF12
(91)に入力して、DCLKの逆相信号をCLKの1
周期分遅延させた該DFF12出力信号と、CLKの逆
相信号をクロック信号とするするDFF13(93)に
DCLKの逆相信号を入力してCLKの半周期分だけD
CLKの逆相個号を遅延させた該DFF13出力信号を
NOR回路92に入力し、DCLKの周期でCLK周期
の幅のパルスを発生するパルスジェネレータが発生する
信号PG3を出力する。
【0074】図22に2:1 MUX回路の構成を示
す。この構成では、CLKをクロック信号とするデータ
ラッチ2(94)にMX22を入力してMX22をCL
Kの半周期分位相をずらし、タイミング調整回路96で
CLKをタイミング調整した信号の逆相信号を切替信号
とする2:1セレクタ3(95)に該データラッチ出力
信号とMX21を入力し、MX21と該データラッチ2
出力を交互に出力しMX21とMX22を多重化したシ
リアルデータ信号MUXOUTを出力する。
【0075】この6:1 MUX回路のタイミングチャ
ートを図23に示す。なお、上記の例では、DFF8,
9,10,11,12,13はクロック信号の立ち上が
り時に書き換え動作を行い、2:1セレクタ1、2はP
G3が1(ハイ)でDX63,DX61を選択し、PG
3が0(ロー)でDFF出力を選択する。また、2:1
セレクタ3の切替信号はCLKを90度遅延させた信号
で、0(ロー)でMX21を選択、1(ハイ)でデータ
ラッチ2出力を選択する。
【0076】(第1の例においてMを2で表すことが
できる場合)Mを2(Tは2以上の整数)で表すこと
ができる場合には、1:M DEMUX回路を図24に
示すように構成することができる。
【0077】この構成において、CLKをクロック信号
とする1:2 DEMUX回路97で入力データ信号に
対し1:2 DEMUXを行い2個のパラレルデータ信
号とし、CLKを2分周器98で2分周した分周信号D
CLK2をクロック信号とする第2、第3の1:2 D
EMUX回路99、100でそのパラレル信号を2:4
に多重分離して4個のパラレル信号とし、以下それぞれ
のパラレルデータ信号に対し、パラレル出力数に応じた
分周クロック信号を用いて同様の操作を繰り返すことに
より、1:2DEMUXを行う。これにより、入力
データ信号を2 のパラレルデータ信号に多重分離す
る。
【0078】また、Mを2で表すことができる場合、
M:1 MUX回路4の構成は図25に示すようにな
る。この構成では、上記のように多重分離された信号を
CLKをL分周したDCLK2T−1をクロック信号と
するM/2個の2:1 MUX回路でM/2個のパラレ
ルデータに多重し、その多重データに対し、パラレル信
号入力数に応じた分周クロックをクロック信号とする
2:1 MUX回路で同様の操作を行い繰り返すことに
より1個のシリアルデータ信号を出力する。DCLK2
T−1 をリカバリ分周クロックとして出力し、M個の
パラレル信号をリカバリパラレルデータとして出力す
る。
【0079】(第2の例)K>2かつKが偶数でM=K
×L(Lは自然数)の場合、すなわち、K=2×J(J
は2以上の整数)かつM=K×L(Lは自然数)の場
合、1:M DEMUX回路は1つの1:K DEMU
XとK個の1:L DEMUXにより構成できる。この
構成においては、VCO発振信号CLKに対し、(18
0×P)/K(P=1,2,..,K−1)(度)位相
の異なるK−1個の信号を発生させ、その信号とCLK
とを用い1:K DEMUX回路で入力データ信号に対
し、1:K DEMUXを行いK個のパラレルデータ信
号を発生させ、さらにCLKを分周器を用いてM/K
(=L)分周し、その分周信号DCLKとCLKで、パ
ラレル信号それぞれに対し、1:L DEMUXを行い
(したがってK個の1:LDEMUX回路が必要)、入
力データ信号に対しM個のパラレル信号を出力する。
【0080】この場合、M:1 MUX は、K個の
L:1 MUX回路と1つのK:1MUX回路により構
成でき、DCLKとCLKを用いてM:1 MUX回路
でMパラレル信号をKパラレル信号に多重し、CLKを
逓倍器でJ逓倍した信号MCLKとCLKを用いてKパ
ラレル信号をK多重してシリアルデータ信号を出力す
る。
【0081】上記の構成において、VCOが(180×
P)/K(P=1,2,..,K−1)(度)位相の異
なるK−1個の信号を発生させるように構成することが
できる。
【0082】なお、CLKを逓倍器を用いてJ逓倍した
信号MCLKとCLKをM/K(=J)分周した信号D
CLKを用いることにより、第1の例の構成と等価の構
成とすることができる。
【0083】(第3の例)Kが3以上の奇数で、M=K×
L(Lは1以上の整数)の場合についてもと第2の例と
同様の構成をとることが可能である。
【0084】(第4の例)K>M(K=S×M(Sは自然
数)、Mを任意の数とする)の場合、図26に示す構成
とすることができる。1:M DEMUX回路3にてC
LKを逓倍回路でS逓倍しその逓倍信号(MCLK)を
発生させることにより、第1〜第3の場合におけるK=
Mの場合とみなすことができる。この構成では、CLK
をS逓倍した分周クロック信号とM個のパラレルデータ
信号を出力する。
【0085】[第7の実施形態]図8のような構成にお
ける分周器分周数とVCO分周数も種々の関係をとり得
る。以下、分周器分周数をQ、VCO分周数をK,第2
のDEMUX(DEMUX9)のパラレル展開数をNと
して説明する。
【0086】まず、第2、第4の実施の形態に示すよう
なQ=2、K=2の場合が可能である。
【0087】Q=2、K=2以外の場合として、K,M
(ループ内での多重分離数)の組み合わせが第6の実施
形態における第1〜第4のいずれかの関係を満たすよう
なKとQの組み合わせをとることが可能である。ただ
し、パラレル数Nに応じた分周あるいは逓倍クロック信
号が第2のDEMUXで生成されていない場合、N/K
分周器(N>=K)、K/N逓倍器(K>N)を用いて
パラレル信号にあわせた分周あるいは逓倍クロック信号
とNパラレルデータ信号を出力するように構成する。
【0088】このような観点から、図8の構成を一般化
した構成を図27に示し、図11の構成を一般化した構
成を図28に示す。
【0089】以上説明したように、上記の実施形態を用
いて説明した本発明によれば、入力データ信号に対して
多重分離/多重化操作を行なって電圧制御発振器の出力
クロック信号と位相の合ったデータ信号に変換し、この
データ信号と入力データ信号の位相比較を行うことによ
り、従来の1/Kの周波数の電圧制御発振器であっても
入力データ信号とこのデータ信号の位相差に応じた位相
比較出力を出力可能で、電圧制御発振器へのフィードバ
ック電位も電圧制御発振器の自走発振周波数の2倍と入
力データ信号のビットレートとの差に応じた電位にな
り、低ジッタを実現できる。
【0090】[第8の実施形態]さて、上記の各実施形
態によれば低ジッタを実現できるという効果があるが、
下記のような問題もある。まず、その問題を図29を用
いて説明する。図29はこれまでに説明した実施の形態
におけるクロック/データ・リカバリ回路(CDR回
路)の一例を示す図である。
【0091】図29において、1は入力データ信号DI
Nをタイミング調整のために遅延させる遅延回路、2は
入力データ信号DINのビットレートの1/2の周波数
で発振する電圧制御発振器(VCO)、3はその電圧制
御発振器2から出力するクロック信号CLKをクロック
として入力データ信号DINに対し1:N(N≧2)の
多重分離操作を行う多重分離回路(DEMUX)、4は
クロック信号CLKをクロックとして多重分離回路3の
N個の出力信号DX1,DX2,・・・,DXNに対し
N:1の多重化操作を行う多重化回路(MUX)、5は
その多重化回路4の出力信号MX1と遅延回路1の出力
信号の位相を比較するEXOR等からなる位相比較器
(PC)、6は位相比較器5の出力信号から直流成分を
取り出すローパスフィルタ回路(LPF)、7はそのロ
ーパスフィルタ回路6の出力信号を増幅して電圧制御発
振器2に制御電圧として入力するゲインコントロールア
ンプ(GCA)、408はクロック信号CLKをm(m
=N/2)分周するm分周器である。m分周器408の
出力信号がリカバリ分周クロックCLKm、多重分離回
路3の出力信号DX1,DX2,・・・,DXNがデー
タ信号であり、これらがリカバリパラレルデータとな
る。
【0092】既に説明したとおり、多重分離回路3で入
力データ信号DINを一旦1:Nに多重分離し、再度多
重化回路4でN:1に多重化させることにより、その多
重化回路4の出力信号MX1の位相は、クロック信号C
LKの位相と同期した信号となる。この出力信号MX1
と遅延回路1の出力信号を位相比較器5で位相比較する
ことにより、それらの位相差に応じた時間幅を有するパ
ルス信号が位相比較器5から出力され、ローパスフィル
タ回路6でこの信号の直流成分が抽出され、ゲインコン
トロールアンプ7で増幅されて制御電圧として電圧制御
発振器2に入力される。
【0093】このような構成により低ジッタ実現が可能
となり、クロック/データ・リカバリ回路の高性能化を
図ることができるが、この図29に示すクロック/デー
タ・リカバリ回路において出力可能な信号は、入力デー
タを識別した信号MX1、1:Nに多重分離したN個の
パラレル信号DX1,DX2,・・・,DXNと、入力
データ信号のビットレートの1/2以下の周波数を有す
るクロック信号CLKmのみであり、入力ビットレート
と同一周波数のクロック信号(シリアルクロック信号)
を出力する機能がないという問題がある。
【0094】そこで、第8〜第13の実施形態では、上
記のようなパラレル信号出力機能に加えて、シリアル信
号出力機能(クロックおよびデータ)を実現したクロッ
ク/データ・リカバリ回路について説明する。
【0095】図30は本発明の第8の実施の形態のクロ
ック/データ・リカバリ回路のブロック図である。図1
において、1は入力データ信号DINをタイミング調整
のために遅延させる遅延回路、2は入力データ信号DI
Nのビットレートの1/2の周波数で発振する電圧制御
発振器(VCO)、3はその電圧制御発振器2から出力
するクロック信号CLKをクロックとして入力データ信
号DINに対し1:N(N≧2)の多重分離操作を行う
多重分離回路(DEMUX)、4はクロック信号CLK
をクロックとして多重分離回路3のN個の出力信号DX
1,DX2,・・・,DXNに対しN:1の多重化操作
を行う多重化回路(MUX)、5はその多重化回路4の
出力信号MX1と遅延回路1の出力信号の位相を比較す
るEXOR等からなる位相比較器(PC)、6は位相比
較器5の出力信号から直流成分を取り出すローパスフィ
ルタ回路(LPF)、7はそのローパスフィルタ回路6
の出力信号を増幅して電圧制御発振器2に制御電圧とし
て入力するゲインコントロールアンプ(GCA)、40
8はクロック信号CLKをm(m=N/2)分周したク
ロック信号CKLmを出力するm分周器、409はクロ
ック信号CLKを90度遅延する90度遅延回路、41
0は90度遅延回路409の出力クロック信号CLK9
0とクロック信号CLKを乗算してクロック信号CLK
1を出力する乗算器である。
【0096】図30に示した構成が図29に示した回路
と異なるところは、90度遅延回路409と乗算器41
0を追加した点である。したがって、図29に示した部
分と同じ構成部分では、図29の構成と同様な動作が行
われ、m分周器408から出力するクロック信号CLK
mと、多重分離回路3の出力信号DX1,DX2,・・
・,DXNがパラレル信号として出力される。
【0097】図36に乗算器410の入出力波形を示し
た。fを電圧制御発振器2の発振周波数(Hz)、tを時刻
(sec)とすると、入力するクロック信号CLKとCLK
90は、 CLK : y = sin(2πft) (6) CLK90: y = sin(2πft+π/2) (7) となる。よって、乗算器10から出力するクロック信号
CLK1は、 CLK1 : y = sin(2πft)×sin(2πft+π/2) = (1/2)sin(2×2πft) (8) となる。
【0098】乗算器410の出力クロック信号CLK1
の周期T1(sec)は、電圧制御発振器2の出力クロック
信号CLKの周期Tの1/2であるので、同期状態にお
いて、そのクロック信号CLK1は、入力データ信号D
INのビットレートと同じ値の周波数となる。
【0099】このように、入力データ信号のビットレー
トと同一周波数のクロック信号CLK1と、この信号C
LK1に同期した入力データ信号のビットレートと同一
ビットレートの識別データ信号MX1とからなるシリア
ル出力信号を、前記した分周クロック信号CLKmおよ
び出力信号DX1,DX2,・・・,DXNからなるパ
ラレル出力信号と共に出力することができる。
【0100】[第9の実施形態]図31は本発明の第9
の実施の形態のクロック/データ・リカバリ回路のブロ
ック図である。図31において、図30におけるものと
同じものには同じ符号を付けた。ここでは、入力データ
信号DINのビットレートの1/2の周波数のクロック
信号CLKおよびこれに対して90度位相がずれた(直
交関係にある)クロック信号CLK90を発振する電圧
制御発振回路421を採用し、この両クロック信号CL
K、CLK90を乗算器410に入力させて、クロック
信号CLKの2倍の周波数のクロック信号CLK1を出
力する。他は、図30に示した回路と同様である。
【0101】図37に上記した電圧制御発振器421の
構成を示した。本電圧制御発振器42は、同一の遅延時
間をもつ2k(k≧1)段のバッファ回路B1,B2,
・・・・,Bk,Bk+1,Bk+2,・・・,B2kを直列接
続し、2k段目(終段)のバッファ回路B2kの反転出力
信号を初段のバッファ回路B1に入力させるようリング
状に接続したものである。この電圧制御発振器421で
発振するクロック信号CLKの周期Tは、バッファ回路
1個当りの遅延時間をtpdとすると、 T=4k×tpd (9) となる。
【0102】したがって、クロック信号CLKを1段目
のバッファ回路の入力からとると、90度移相したクロ
ック信号CLK90はこのクロック信号CLKよりk×
tpdだけ遅延したk段目のバッファ回路Bkの出力から
取り出すことができる。なお、ゲインコントロールアン
プ7から出力する制御電圧は、各バッファ回路の動作電
流を制御することにより、遅延時間tpdを同時に制御す
る。
【0103】本実施形態では、図30の回路のような9
0度遅延回路409が不要であり、より簡素なクロック
/データ・リカバリ回路を実現できる。
【0104】[第10の実施形態]図32は本発明の第
10の実施の形態のクロック/データ・リカバリ回路の
ブロック図である。図32において、図29におけるも
のと同じものには同じ符号を付けた。ここでは、入力デ
ータ信号DINを遅延する遅延回路1の後段を2分岐し
その一方に90度遅延回路11を接続する。そして、遅
延回路1の出力信号の分岐した他方の信号と90度遅延
回路11の出力信号と多重化回路4の出力信号MX1と
を位相比較する位相比較器451を採用する。この位相
比較器451では、まず90度遅延回路11の出力信号
と多重化回路4の出力信号MX1との位相比較を行い、
次にその位相比較結果と遅延回路1の出力信号との位相
比較を行う(例えば、特願平5-56410)。この位相比較
器451により、入力データ信号DINのパターン依存
効果が低減できる。
【0105】本構成は、図30、図31の回路と比べ
て、同符号連続データ入力に対する耐性が向上する。多
重化回路4の出力信号MX1の位相変動は、クロック信
号CLKの位相変動に追随し、MX1の位相と入力デー
タ信号DINの位相との位相差に応じたパルス幅をもつ
位相比較信号が位相比較器451から出力される。
【0106】[第11の実施形態]図33は本発明の第
11の実施の形態のクロック/データ・リカバリ回路の
ブロック図である。図33において、図30におけるも
のと同じものには同じ符号を付けた。ここでは、図32
と同様に、入力データ信号DINを遅延する遅延回路1
の後段を2分岐しその一方に90度遅延回路11を接続
して、遅延回路1の出力信号の分岐した他方の信号と9
0度遅延回路11の出力信号と多重化回路4の出力信号
MX1とを、位相比較器451に入力する。また、図3
1と同様に、入力データ信号DINのビットレートの1
/2の周波数のクロック信号CLKおよびこれに対して
90度位相がずれたクロック信号CLK90を発振する
電圧制御発振回路421を採用し、この両クロック信号
CLKとCLK90を乗算器410に入力させて、クロ
ック信号CLKの2倍の周波数のクロック信号CLK1
を出力する。
【0107】本構成では、同符号連続データ入力に対す
る耐性が向上すると共に、90度遅延回路9が不要であ
り、より簡素なクロック/データ・リカバリ回路を実現
できる。
【0108】[第12の実施形態]図34は本発明の第
12の実施の形態のクロック/データ・リカバリ回路の
ブロック図である。図34において、図30におけるも
のと同じものには同じ符号を付けた。ここでは、電圧制
御発振器2から出力するクロック信号CLKをPLL型
クロック逓倍器412に入力してその2倍の周波数のク
ロック信号CLK1を発生させる。
【0109】図38はこのPLL型クロック逓倍器41
2の内部構成のブロック図である。この逓倍器412
は、クロック信号CLKと2分周器124の出力信号と
の位相比較を行う位相比較器121、その位相比較器1
21の出力信号から直流成分を取り出すローパスフィル
タ回路122、そのローパスフィルタ回路122の出力
信号を制御電圧としてクロック信号CLK1を発振する
電圧制御発振器123、およびその電圧制御発振器12
3の出力クロック信号CLK1の周波数を半分の周波数
にする前記した2分周器124から構成されている。
【0110】[第13の実施形態]図35は本発明の第
13の実施の形態のクロック/データ・リカバリ回路の
ブロック図である。図35において、図30におけるも
のと同じものには同じ符号を付けた。ここでは、図32
と同様に、入力データ信号DINを遅延する遅延回路1
の後段を2分岐しその一方に90度遅延回路11を接続
して、遅延回路1の出力信号の分岐した他方の信号と9
0度遅延回路11の出力信号と多重化回路4の出力信号
MX1とを、位相比較器451に入力する。また、PL
L型クロック逓倍器412を採用し、電圧制御発振器2
から出力するクロック信号CLKをそのPLL型クロッ
ク逓倍器412に入力してその2倍の周波数のクロック
信号CLK1を発生させる。
【0111】以上のように、第8〜第13の実施の形態
で説明した本発明によれば、入力データ信号のビットレ
ートの1/2の周波数で発振する電圧制御発振器を使用
したクロック/データ・リカバリ回路において、その電
圧制御発振器から出力するクロック信号の2逓倍の信号
を簡単に発生させることができ、従来のパラレル信号出
力機能に加えて、クロックおよびデータのシリアル信号
の出力機能を実現できる利点がある。
【0112】第8〜第13の実施の形態においても、第
6の実施の形態で説明したような一般的な構成を適用す
ることが可能である。
【0113】[第14の実施形態]次に、上記の実施の形
態で用いたDEMUXとMUXとからなる識別器を有す
るCDR回路の他の例を図39に示す。
【0114】201は入力データ信号DINを遅延させ
る第1の遅延回路、202’は1:2多重分離回路22
1と2:1多重化回路222とで構成された識別回路、
203は遅延回路201の出カデータ信号DY1を識別
回路202’の出力データ信号DF1で識別するD型フ
リップフロップ回路、204は遅延回路201の出力デ
ータ信号DY1とD型フリップフロップ回路202の出
力データ信号DF1の位相比較を行うEXOR型の位相
比較器、205はその位相比較器204の出力信号PC
1を遅延させる第2の遅延回路、206はその遅延回路
205の出力信号DY2とD型フリップフロップ回路2
03の出力データ信号DF2を入力して+1、−1、又
は0のパルス信号COM1(3値)を出力する合成回
路、207はその合成回路206の出力信号COM1か
ら直流成分を取り出すローパスフィルタ(LPF)、2
08は発振するクロック信号CLKの周波数がその電圧
制御発信器209から出力する電圧信号によって制御さ
れる電圧制御発振器(VCO)、209は外部からゲイ
ン調整可能なゲインコントロールアンプ(GCA)であ
る。
【0115】1:2多重分離回路221と2:1多重化
回路222とで構成した回路202’において、1:2
多重分離回路221では入力データ信号DINを2個の
パラレル多重分離データ信号DX1,DX2に分離し、
多重化回路222ではそのデータ信号DX1,DX2を
シリアルのデータ信号DF1に多重化している。
【0116】本実施形態では、位相比較器204におい
て、回路202´で識別したデータDF1と遅延回路2
01の出力データDY1の位相差に相当するパルス幅の
信号PC1が出力される。また、D型フリップフロップ
回路203では、遅延回路201の出力信号DY1に対
してD型フリップフロップ回路202の出力信号DF1
が進んでいれば0の信号が出力され、遅れていれば1の
信号が出力される。すなわち、位相の進み遅れの判定を
D型フリップフロップ回路203で行い、位相の進み遅
れの量の検出を位相比較器204で行っている。
【0117】そして、位相比較器204の出力信号PC
1を遅延回路205で遅延した信号DY2とD型フリッ
プフロップ回路203の出力信号DF2を、合成回路2
06で合成するが、この合成回路206では、図40に
示すような動作を行い、+1、−1、又は0の3値のパ
ルス信号COM1を出力する。すなわち、合成回路20
6はクロック信号CLKが入力データ信号DINに対し
て進んでいるときはその進み量に比例するパルス幅の1
の信号を出力し、遅れているときはその遅れ量に比例す
るパルス幅の−1の信号を出力し、位相比較器204か
らの出力が0(位相比較情報無し)のときは0の信号を
出力する。
【0118】以上の動作のタイミングチャートを図41
に示した。このように本実施形態では、位相の進み遅れ
の判定と位相の進み遅れの量の検出を別々の回路で行う
ので、位相マージンが大きくなり、同期動作が安定す
る。
【0119】図42は前記した合成回路206の内部構
成を示す回路図である。この合成回路206は、第1の
ECL回路を構成するトランジスタQ1,Q2、第2の
ECL回路を構成するトランジスタQ3,Q4、第3の
ECL回路を構成するトランジスタQ5,Q6、トラン
ジスタQ1,Q3に共通の負荷抵抗R1、トランジスタ
Q2,Q4に共通の負荷抵抗R2、および第1、第2の
電流源I1,I2からなる。電流源I1,I2の電流値
をI1,I2とすると、I1=I2に設定されている。
トランジスタQ1,Q2の共通エミッタはトランジスタ
Q5のコレクタおよび電流源I1に接続され、トランジ
スタQ3,Q4の共通エミッタはトランジスタQ6のコ
レクタに接続され、トランジスタQ5,Q6の共通エミ
ッタは電流源I2に接続されている。D型フリップフロ
ップ回路203の出力信号DF2の正相信号はトランジ
スタQ1,Q4のベースに、逆相信号はトランジスタQ
2,Q3のベースに入力し、遅延回路5の出力信号DY
2の正相信号はトランジスタQ5のベースに、逆相信号
はトランジスタQ6のベースに入力する。合成回路6を
このように構成にすることにより、入力信号DF2とD
Y2の符号に応じて、図40に示したような+1、−
1、又は0の3値のパルス信号COM1を出力する。
【0120】この実施形態では、回路202´を構成す
る1:2多重分離回路221と2:1多重化回路222
はクロック信号CLKに同期して多重分離や多重化が行
われるので、クロック信号CLKの周波数は入力データ
信号DINのビットレートの1/2とすることができ
る。すなわち、電圧制御発振器208に要求される動作
速度を下げることができ、高速化が可能となる。
【0121】なお、外部からゲイン調整可能なゲインコ
ントロールアンプ(GCA)209を挿入していること
により、PLLループのループ帯域が調整可能となり、
ジッタトランスファ特性や同期引き込み範囲の調整が可
能となる。
【0122】図43に示すような従来構成と比較し、本
実施の形態では、位相の進み遅れの判定と位相の進み遅
れの量の検出を別々の回路とすることにより1.3倍の
位相マージンが得られ、更に、1:2多重分離回路22
1と2:1多重化回路222を用いる構成としたことに
よる高速化により、同期可能範囲(引き込み可能範囲)
は、例えば図43に示す従来構成の約2.1〜2.6倍
まで可能となる。従来の10Gb/sの多重分離/多重
化回路を具備するクロック/データ・リカバリ回路にお
いて、同期範囲を200MHzとすれば、本実施形態で
は420〜520MHzに拡大可能である。
【0123】なお、多重分離回路221が1:Nの多重
分離を行い、多重化回路222がN:1の多重化を行う
よう構成すれば、クロック信号CLKに要求される周波
数が1/Nで済むので、さらなる高速化が可能となり、
同期可能な入力データ信号の周波数(ビットレート)を
さらに高くすることができる。
【0124】また、第14の実施の形態においても、第
6の実施の形態で説明したような構成をとることが可能
である。
【0125】本実施形態によれば、位相比較のための位
相マージンが拡大しより高い周波数まで同期動作を安定
化させることができる。また、多重分離と多重化を適用
することにより、さらに高い周波数まで同期動作を安定
化させることができる。
【0126】[第15の実施形態]図44に、本発明のC
DR回路を有する受信装置300を示す。受信装置30
0は高速光通信等で使用される受信装置であり、入力デ
ータ信号が光信号である場合において、入力光データ信
号をフォトディテクタ301を用いた光・電気変換回路
で光・電気変換を行い、変換出力をAGCアンプとリミ
ッタアンプ302で電気信号レベルと振幅を調整し、そ
の信号を本発明のCDR回路303に入力し、パラレル
信号(多重分離信号)と分周クロック信号(同期信号)を
出力する。
【0127】また、パラレル信号(多重分離信号)と分
周クロック信号(同期信号)を信号処理回路304に入力
し、その信号処理回路出力を送信装置に入力し外部へ出
力する伝送装置を構成することもできる。
【0128】本発明は、上記の実施例に限定されること
なく、特許請求の範囲内で種々変更・応用が可能であ
る。
【0129】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
入力データ信号に対して多重分離/多重化操作を行なっ
て電圧制御発振器の出力クロック信号と位相の合ったデ
ータ信号に変換し、このデータ信号と入力データ信号の
位相比較を行うことにより、従来の1/2の周波数の電
圧制御発振器であっても位相差に応じた位相比較出力を
出力可能で、電圧制御発振器へのフィードバック電位も
位相差に応じた電位になり、低ジッタを実現できる。
【0130】図4に示す従来のCDR回路に、DFF
(識別回路)の動作余裕向上のために、単にDFFを
1:2DEMUXと2:1MUXで構成した識別回路を
用いた構成を考えた場合、例えば、入力データにビット
レートと同一の周波数で発振するVCOからクロックの
周波数を1/2にするTFFを介して1:2DEMUX
にクロック信号を供給することになる。この場合、識別
部の動作余裕は広がる一方、VCOは入力データにビッ
トレートと同一の周波数で発振するので、VCO構成回
路、TFF構成回路はfin[Hz]の高速動作が要求
され、またVCO−TFF間は高速信号が信号線を伝わ
る。結果的にCDR+DEMUXの高速動作がVCO、
TFFの高速動作性能に制限され、さらにVCO−TF
F間の高速信号は他の回路からの雑音リークに対し脆弱
であるという問題が生じることとなる。
【0131】これに対し、本発明は識別回路を1:2D
EMUX,2:1MUXで構成し、VCOを従来の1/
2の速度で発振させることによりCDRの高速安定動作
を実現し、さらに多重分離データ出力を識別回路内DE
MUXデータ出力、およびDEMUXクロック出力をV
CO出力とすることが可能となる。従って、図4に示し
た最後部1:2 DEMUXは不要となり、低電力化も
図れることとなる。
【0132】上記の本発明の構成によりVCOに要求さ
れる動作速度は従来の1/2となる。したがって、fT
=40[GHz]のSiバイポーラデバイスを使用して
回路を構成した場合のVCOの実際の最高発振可能周波
数は10G[Hz]程度であり、従来CDR構成の動作
可能な最大入力データ信号ビットレートfmopは10
G[b/s]であるのに対し、同一デバイスを、本発明
の構成を用いることによりfmop=20G[b/s]
程度までのデータ信号に対し引込み動作可能で2倍の速
度範囲で動作可能である。また、従来構成の最後部DE
MUX回路の消費電力は全体の20%程度であり、本発
明により最後部DEMUX回路は不要となるので、20
[%]程度の低消費電力化可能となる。
【0133】また、本発明の構成においては、文献(:
M.Wurzer,et.al.,"A 40-Gb/s Integrated Clock and Da
ta Recovery Circuit in a 50-GHz Silicon Bipolar Te
chnology,"IEEE J.Solid-State Circuits,VOL.34,NO.9,
pp.1320-1324 Sep.1999.)や文献(J.savoj,et.a1.,’
‘A 10Gb/s CMOS Clock and Data Recovery Circuit wi
th Frequency Detection’‘,2001.IEEE ISSCC)に記載
されているようにDEMUXあるいはDEMUX+MU
Xを入力信号のビット識別のみに用いるのではなく、入
力データ信号位相をVCOクロック信号位相にのせかえ
ることにより、位相比較器において入力データ信号とD
EMUX+MUX出力信号を線形比較可能としている。
結果的に、入力データ信号とVCOクロック信号位相と
同期したデータ信号の位相差に比例したパルス幅を有す
る信号を位相比較器が出力し、位相比較信号のアナログ
成分がVCOヘフィードバックされ、PLLの同期状態
を実現する。この線形位相比較方式により、ジッタ低減
の効果が得られる。
【0134】以上説明したとおり、本発明によれば、光
通信システムのSDH/SONET(基幹網)、point
to point伝送、GbE/10GbE、Fiber Channelの
ルータやクロスコネクト部における光フロントエンド回
路レシーバ部等に適用して、低ジッタ、小型、低電力の
クロック/データ・リカバリ回路を実現でき、光フロン
トエンドモジュールの低コスト化を図り、結果として通
信システムコスト低減を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のクロック/データ・リカバリ回路のブロ
ック図である。
【図2】図1の回路の動作のタイミングチャートであ
る。
【図3】図1の回路の動作のより詳しいタイミングチャ
ートである。
【図4】従来のクロック/データ・リカバリ回路の他の
例を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態のクロック/データ・
リカバリ回路のブロック図である。
【図6】図5の回路の動作のタイミングチャートであ
る。
【図7】図5の回路と従来例の効果の比較のタイミング
チャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態のクロック/データ・
リカバリ回路のブロック図である。
【図9】図8の回路の動作のタイミングチャートであ
る。
【図10】本発明の第3の実施形態のクロック/データ
・リカバリ回路のブロック図である。
【図11】本発明の第4の実施形態のクロック/データ
・リカバリ回路のブロック図である。
【図12】多重分離回路の詳細を示すブロック図であ
る。
【図13】多重化回路の詳細を示すブロック図である。
【図14】本発明の第6の実施形態における第1〜第3
の例におけるクロック/データ・リカバリ回路のブロッ
ク図である。
【図15】1:6 DEMUX回路(多重分離回路)の
構成を示すブロック図である。
【図16】1:2 DEMUX回路の構成を示すブロッ
ク図である。
【図17】1:3 DEMUX回路の構成を示すブロッ
ク図である。
【図18】1:6 DEMUX回路のタイミングチャー
トである。
【図19】6:1 MUX回路の構成を示すブロック図
である。
【図20】3:1 MUX回路の構成を示すブロック図
である。
【図21】パルスジェネレータの構成を示すブロック図
である。
【図22】2:1 MUX回路の構成を示すブロック図
である。
【図23】6:1 MUX回路のタイミングチャートで
ある。
【図24】1:M DEMUX回路の構成を示すブロッ
ク図である。
【図25】M:1 MUX回路の構成を示すブロック図
である。
【図26】本発明の第6の実施形態における第1〜第3
の例におけるクロック/データ・リカバリ回路のブロッ
ク図である。
【図27】図8の構成を一般化した構成を示すブロック
図である。
【図28】図11の構成を一般化した構成を示すブロッ
ク図である。
【図29】クロック/データ・リカバリ回路のブロック
図である。
【図30】本発明の第8の実施形態のクロック/データ
・リカバリ回路のブロック図である。
【図31】本発明の第9の実施形態のクロック/データ
・リカバリ回路のブロック図である。
【図32】本発明の第10の実施形態のクロック/デー
タ・リカバリ回路のブロック図である。
【図33】本発明の第11の実施形態のクロック/デー
タ・リカバリ回路のブロック図である。
【図34】本発明の第12の実施形態のクロック/デー
タ・リカバリ回路のブロック図である。
【図35】本発明の第13の実施形態のクロック/デー
タ・リカバリ回路のブロック図である。
【図36】図30の乗算器10の入出力波形の波形図で
ある。
【図37】図31、図33の電圧制御発振器21のブロ
ック図である。
【図38】図34、図35のPLL型クロック逓倍器1
2のブロック図である。
【図39】本発明の第14の実施形態のクロック/デー
タ・リカバリ回路のブロック図である。
【図40】図39の回路の合成回路の論理動作の説明図
である。
【図41】図39の回路のタイミングチャートである。
【図42】図39の回路の合成回路の具体的な回路図で
ある。
【図43】従来のクロック/データ・リカバリ回路のブ
ロック図である。
【図44】本発明のCDR回路を有する受信装置の構成
を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、409 90度遅延回路 2、421 電圧制御発振器(VCO) 3 多重分離回路(DEMUX) 4 多重化回路(MUX) 5、12、451 位相比較器(PC) 6 ローパスフィルタ(LPF) 7 ゲインコントロールアンプ(GCA) 8 T型フリップフロップ回路(TFF) 9 多重分離回路 10、408 m分周器 11 遅延回路 410 乗算器 412 PLL型クロック逓倍器 201 第1の遅延回路 202’ 識別回路 203 第2の識別回路 204 位相比較器 205 第2の遅延回路 206 合成回路 207 ローパスフィルタ(LPF) 208 電圧制御発振器(VCO) 209 ゲインコントロールアンプ(GCA) 300 受信装置 301 フォトディテクタ 302 AGCアンプ、リミッタアンプ 303 CDR回路 304 信号処理回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H03L 7/08 M (56)参考文献 特開2000−349623(JP,A) 特開2001−44980(JP,A) 特開2000−13218(JP,A) 特開 平8−321772(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 7/033 H03L 7/08 H04J 3/00 H04J 3/06

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力データ信号のビットレートの1/K
    (K=2,3,・・・)の周波数のクロック信号を発振
    する電圧制御発振器と、 前記入力データ信号をタイミング調整のために遅延させ
    る遅延回路と、 前記クロック信号に基づき前記入力データ信号を1:M
    (M=2,3,・・・)多重分離する多重分離回路と、 前記クロック信号に基づき前記多重分離回路のM個の多
    重分離出力信号をM:1多重化する多重化回路と、 前記遅延回路の出力信号と前記多重化回路の出力信号と
    の位相比較を行う位相比較器と、 該位相比較器の出力信号から直流成分を取り出し前記電
    圧制御発振器に制御電圧として入力させるローパスフィ
    ルタとを具備し、 前記電圧制御発振器が発振するクロック信号を用いてリ
    カバリ分周クロック信号を出力し、前記多重分離回路の
    前記M個の多重分離出力信号をリカバリパラレルデータ
    信号として出力することを特徴とするクロック/データ
    ・リカバリ回路。
  2. 【請求項2】請求項1において、 M=K×L(Lは自然数)であることを特徴とするクロ
    ック/データ・リカバリ回路。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記遅延回路の前段に前記入力データ信号を遅延する別
    の遅延回路を接続し、 前記位相比較器を、前記遅延回路の出力信号と前記多重
    化回路の出力信号との位相比較を行いその比較結果と前
    記別の遅延回路の出力信号との位相比較を行う別の位相
    比較器に置換したことを特徴とするクロック/データ・
    リカバリ回路。
  4. 【請求項4】請求項1において、 K=2、M=2の場合、 前記多重分離回路は、前記クロック信号に基づき前記入
    力データ信号を取り込む第1のD型フリップフロップ回
    路と、前記クロック信号の逆相信号に基づき前記入力デ
    ータ信号を取り込む第2のD型フリップフロップ回路と
    から構成し、 前記多重化回路は、前記クロック信号を遅延させるクロ
    ック遅延回路と、該クロック遅延回路の出力信号に基づ
    き前記第1のD型フリップフロップ回路の出力信号と前
    記第2のD型フリップフロップ回路の出力信号を交互に
    選択するセレクタとから構成したことを特徴とするクロ
    ック/データ・リカバリ回路。
  5. 【請求項5】請求項2において、 K=2の場合、 前記多重分離回路は、 前記クロック信号に基づき前記入力データ信号を1:2
    多重分離して2個の第1のパラレルデータ信号を出力す
    る第1の多重分離回路と、 前記クロック信号をL分周した分周クロック信号と前記
    クロック信号に基づき前記各第1のパラレルデータ信号
    を1:L多重分離してL個の第2のパラレルデータ信号
    を出力する第2の多重分離回路2個とを有し、 前記多重化回路は、 前記分周クロック信号と前記クロック信号に基づき前記
    L個の第2のパラレルデータ信号をL:1多重する第1
    の多重化回路を2個と、 前記クロック信号に基づき前記第1の多重化回路2個か
    ら出力される2個のパラレルデータ信号を2:1多重
    し、シリアルデータを出力する第2の多重化回路とを有
    することを特徴とするクロック/データ・リカバリ回
    路。
  6. 【請求項6】請求項2において、 K=2かつM=2(Tは2以上の整数)の場合、 前記多重分離回路は、 1:2多重分離を行う1:2多重分離回路を有する段を
    T段接続して構成され、Q段目(Q=1,2,3・・・
    T)の段は2(Q−1)個の1:2多重分離回路を有
    し、Q段目の段の各1:2多重分離回路には前記クロッ
    ク信号を2(Q− 1)分周した分周クロック信号を供給
    するように構成し、 前記多重化回路は、 2:1多重を行う2:1多重回路を有する段をT段接続
    して構成され、Q段目(Q=1,2,3・・・T)の段
    は2(T−Q)個の2:1多重回路を有し、Q段目の段
    の各2:1多重回路には前記クロック信号を2
    (T−Q)分周した分周クロック信号を供給するように
    構成したことを特徴とするクロック/データ・リカバリ
    回路。
  7. 【請求項7】請求項2において、 K>2の場合、 前記多重分離回路は、 前記クロック信号に対して各々位相の異なるK−1個の
    信号を発生させる手段と、 該K−1個の信号と前記クロック信号とに基づき前記入
    力データ信号を1:K多重分離してK個の第1のパラレ
    ルデータ信号を出力する第1の多重分離回路と、 前記クロック信号をL分周した分周クロック信号と前記
    クロック信号とに基づき前記各第1のパラレルデータ信
    号を1:L多重分離してL個の第2のパラレルデータ信
    号を出力する第2の多重分離回路K個とを有し、 前記多重化回路は、 前記分周クロック信号と前記クロック信号とに基づき前
    記L個の第2のパラレルデータ信号をL:1多重する第
    1の多重化回路をK個と、 前記クロック信号を逓倍した逓倍信号と前記クロック信
    号とに基づき前記第1の多重化回路K個から出力される
    K個のパラレルデータ信号をK:1多重し、シリアルデ
    ータを出力する第2の多重化回路とを有することを特徴
    とするクロック/データ・リカバリ回路。
  8. 【請求項8】入力データ信号のビットレートの1/K
    (K=2,3・・・)の周波数のクロック信号を発振す
    る電圧制御発振器と、 前記入力データ信号を入力するQ分周器(Q=2,3,
    4・・・)と、前記クロック信号に基づき前記Q分周器
    (Q=2,3,4・・・)の出力信号を1:M(M=
    2,3・・・)多重分離する第1の多重分離回路と、 前記クロック信号に基づき前記入力データ信号を1:N
    多重分離する第2の多重分離回路と、 前記クロック信号に基づき前記第1の多重分離回路のM
    個の多重分離出力信号をM:1多重化する多重化回路
    と、前記Q分周器(Q=2,3,4・・・)の出力信号
    と前記多重化回路の出力信号との位相比較を行う位相比
    較器と、 該位相比較器の出力信号から直流成分を取り出し前記電
    圧制御発振器に制御電圧として入力させるローパスフィ
    ルタと、 前記電圧制御発振器の出力クロック信号の周波数をm分
    周する分周器とを具備し、 前記m(=N/K)分周器の出力信号をリカバリ分周ク
    ロック信号とし、前記第2の多重分離回路のN個の多重
    分離出力信号をリカバリパラレルデータ信号とすること
    を特徴とするクロック/データ・リカバリ回路。
  9. 【請求項9】請求項8において、 M=K×L(Lは自然数)であることを特徴とするクロ
    ック/データ・リカバリ回路。
  10. 【請求項10】請求項8において、 前記Q分周器(Q=2,3,4・・・)の後段に遅延回
    路を接続し、 前記位相比較器を、前記遅延回路の出力信号と前記多重
    化回路の出力信号との位相比較を行いその比較結果と前
    記Q分周器(Q=2,3,4・・・)の出力信号との位
    相比較を行う別の位相比較器に置換したことを特徴とす
    るクロック/データ・リカバリ回路。
  11. 【請求項11】請求項8において、 K=2、M=2の場合、 前記第1の多重分離回路は、前記クロック信号をクロッ
    クとして前記Q分周器の出力信号を取り込む第1のD型
    フリップフロップ回路と、前記クロック信号の逆相信号
    をクロックとして前記Q分周器の出力信号を取り込む第
    2のD型フリップフロップ回路とから構成し、 前記多重化回路は、前記クロック信号を遅延させるクロ
    ック遅延回路と、該クロック遅延回路の出力信号をクロ
    ックとして前記第1のD型フリップフロップ回路の出力
    信号と前記第2のD型フリップフロップ回路の出力信号
    を交互に選択するセレクタとから構成したことを特徴と
    するクロック/データ・リカバリ回路。
  12. 【請求項12】請求項1において、 K=2であり、 前記クロック信号をm分周した分周クロック信号を出力
    するm(=M/K)分周器と、 前記電圧制御発振器から出力する前記クロック信号を9
    0度遅延する90度遅延回路と、 該90度遅延回路の出力信号と前記電圧制御発振器から
    出力する遅延クロック信号とを乗算して前記入力データ
    信号のビットレートと同じ周波数のクロック信号を出力
    する乗算器とを具備し、 前記多重化回路から出力するデータ信号と前記乗算器か
    ら出力するクロック信号とをシリアルデータ信号として
    出力することを特徴とするクロック/データ・リカバリ
    回路。
  13. 【請求項13】請求項3において、 K=2であり、 前記クロック信号をm分周した分周クロック信号を出力
    するm(=M/K)分周器と、 前記電圧制御発振器から出力する前記クロック信号を9
    0度遅延する90度遅延回路と、 該90度遅延回路の出力信号と前記電圧制御発振器から
    出力する遅延クロック信号とを乗算して前記入力データ
    信号のビットレートと同じ周波数のクロック信号を出力
    する乗算器とを具備し、 前記多重化回路から出力するデータ信号と前記乗算器か
    ら出力するクロック信号とをシリアルデータ信号として
    出力することを特徴とするクロック/データ・リカバリ
    回路。
  14. 【請求項14】 請求項12において、 前記90度遅延回路を備えることに代えて、前記電圧制
    御発振器が、前記クロック信号に対して直交関係にある
    該クロック信号と同一周波数の直交クロック信号を出力
    し、前記乗算器に前記クロック信号及び前記直交クロッ
    ク信号を入力して、前記入力データ信号のビットレート
    と同じ周波数のクロック信号を出力するようにしたこと
    を特徴とするクロック/データ・リカバリ回路。
  15. 【請求項15】請求項1において、 前記クロック信号をm分周した分周クロック信号を出力
    するm分周器と、 前記電圧制御発振器から出力する前記クロック信号をK
    逓倍し前記入力データ信号のビットレートと同じ周波数
    のクロック信号を出力するK逓倍器前記多重化回路から
    出力するデータ信号と前記K逓倍器から出力するクロッ
    ク信号とをシリアルデータ信号として出力することを特
    徴とするクロック/データ・リカバリ回路。
  16. 【請求項16】請求項14において、 前記電圧制御発振器は、同じ遅延時間を持ち且つ制御電
    圧により該遅延時間が同時に制御される2k個(k≧
    1)のバッファ回路を直列接続すると共に、2k段目の
    バッファ回路の反転出力を初段のバッファ回路の入力に
    接続してなり、 前記初段のバッファ回路の入力を前記クロック信号と
    し、k段目のバッファ回路の出力を前記直交クロック信
    号とすることを特徴とするクロック/データ・リカバリ
    回路。
  17. 【請求項17】請求項15において、 前記K逓倍器は、 第1の位相比較器と、 該第1の位相比較器の出力信号から直流成分を取り出す
    第1のローパスフィルタ回路と、 該第1のローパスフィルタ回路の出力信号により発振周
    波数が制御される第1の電圧制御発振器と、 該第1の電圧制御発振器の出力信号をK分周するK分周
    器とからなり、 該K分周器の出力信号と前記電圧制御発振器の前記クロ
    ック信号とを前記第1の位相比較器に入力して、前記第
    1の電圧制御発振器から前記入力データ信号のビットレ
    ートと同じ周波数のクロック信号を取り出すことを特徴
    とするクロック/データ・リカバリ回路。
  18. 【請求項18】クロック/データ・リカバリ回路を有す
    る受信装置であって、 該クロック/データ・リカバリ回路は、 入力データ信号のビットレートの1/K(K=2,3,
    ・・・)の周波数のクロック信号を発振する電圧制御発
    振器と、 前記入力データ信号をタイミング調整のために遅延させ
    る遅延回路と、 前記クロック信号に基づき前記入力データ信号を1:M
    (M=2,3,・・・)多重分離する多重分離回路と、 前記クロック信号に基づき前記多重分離回路のM個の多
    重分離出力信号をM:1多重化する多重化回路と、 前記遅延回路の出力信号と前記多重化回路の出力信号と
    の位相比較を行う位相比較器と、 該位相比較器の出力信号から直流成分を取り出し前記電
    圧制御発振器に制御電圧として入力させるローパスフィ
    ルタとを具備し、 該クロック/データ・リカバリ回路は、前記電圧制御発
    振器が発振するクロック信号を用いてリカバリ分周クロ
    ック信号を出力し、前記多重分離回路の前記M個の多重
    分離出力信号をリカバリパラレルデータ信号を出力する
    ことを特徴とする受信装置。
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