JP3521700B2 - ポペット式電磁比例弁の検査方法 - Google Patents

ポペット式電磁比例弁の検査方法

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JP3521700B2
JP3521700B2 JP23229597A JP23229597A JP3521700B2 JP 3521700 B2 JP3521700 B2 JP 3521700B2 JP 23229597 A JP23229597 A JP 23229597A JP 23229597 A JP23229597 A JP 23229597A JP 3521700 B2 JP3521700 B2 JP 3521700B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポペット式電磁比
例弁の検査方法に係り、特に、ポペット式電磁比例弁の
励磁電流に対する開度の特性を正確に検査する方法とし
て好適なポペット式電磁比例弁の検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平9−11955
5号に開示される如く、ポペット式電磁弁の検査方法が
知られている。上記従来の検査方法の対象であるポペッ
ト式電磁弁は、流路を閉塞する弁座およびポペット弁を
備えている。ポペット弁にはプランジャが固定されてい
る。プランジャは、スプリングによって弁座方向へ付勢
されている。また、プランジャの近傍にはスプリングの
付勢力に対向する電磁力を発生するヨークおよび電磁コ
イルが配設されている。
【0003】上記従来のポペット式電磁弁において、電
磁コイルに励磁電流が供給されていない場合はポペット
弁が弁座に着座する。この場合、ポペット式電磁弁は閉
弁状態となる。一方、電磁コイルに所定の励磁電流が供
給されると、プランジャがヨークに引き寄せられてポペ
ット弁が弁座から離座する。この場合、ポペット式電磁
弁は開弁状態となる。従って、従来のポペット式電磁弁
によれば、電磁コイルに所定の励磁電流を供給するか否
かに応じて開閉状態を切り換えることができる。
【0004】上記従来のポペット式電磁弁において、ポ
ペット弁が弁座に着座している場合は、ヨークとプラン
ジャとの間にクリアランスが形成される。以下、このク
リアランスを全閉時クリアランスと称す。ポペット式電
磁弁が開弁すると、ポペット弁と弁座との間に全閉時ク
リアランスと等しい間隔が形成される。ポペット式電磁
弁の開弁時における特性は、この間隔に大きく影響され
る。このため、従来のポペット式電磁弁の品質を安定さ
せるうえでは、全閉時クリアランスを精度良く管理する
ことが必要である。
【0005】上記従来の検査方法では、以下に示す一連
の工程が順次行われる。 (i) 電磁コイルに所定の励磁電流を供給する工程、(ii)
電磁コイルの両端電圧を監視しながら励磁電流の値を増
加または減少させる工程、(iii)電磁コイルの両端電圧
に発生するパルス状の電圧変化の積分値を求める工程、
(iv)パルス状の電圧変化の積分値に基づいて全閉時クリ
アランスを求める工程。
【0006】上記の工程(i) では、ポペット弁を閉弁位
置に維持する小さな励磁電流、または、ポペット弁を開
弁位置に維持する大きな励磁電流が電磁コイルに供給さ
れる。また、上記の工程(ii)では、閉弁位置に維持され
るポペット弁を開弁位置に変位させるべく励磁電流を徐
々に増加させる処理、または、開弁位置に維持されるポ
ペット弁を閉弁位置に変位させるべく励磁電流を徐々に
減少させる処理が実行される。
【0007】ポペット弁が開弁位置から閉弁位置に変位
する過程、または、閉弁位置から開弁位置に変位する過
程では、プランジャとヨークとを含む磁気回路の磁気抵
抗が急激に変化する。このため、ポペット弁に上記の変
位が生ずる際には、電磁コイルを貫く磁束の密度が急激
に増加または減少する。電磁コイルを貫く磁束の密度が
急激に変化すると、電磁誘導により電磁コイルの両端に
パルス状の変化が現れる。このパルス状の電圧変化の積
分値は、プランジャとヨークとの間に生じた相対変位量
に対応している。
【0008】ポペット弁が閉弁位置から開弁位置に変位
する過程で、または、開弁位置から閉弁位置に変位する
過程でプランジャとヨークとの間に生ずる相対変位量
は、ポペット式電磁弁の全閉時クリアランスと一致す
る。従って、上記従来の検査方法によれば、ポペット式
電磁弁の全閉時クリアランスを精度良く検査することが
できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のポペット式
電磁弁は、開閉弁として機能する電磁弁である。以下、
このタイプのポペット式電磁弁を特に「ポペット式電磁
開閉弁」と称す。一方、ポペット式電磁弁としては、供
給される励磁電流に比例した開度を実現する電磁弁が知
られている。以下、このタイプのポペット式電磁弁を特
に「ポペット式電磁比例弁」と称す。
【0010】ポペット式電磁比例弁には、与えられた励
磁電流に対応する開度を正確に実現することが要求され
る。このため、ポペット式電磁比例弁の品質を安定させ
るうえでは、励磁電流と開度との関係を精度良く管理す
ることが重要である。従って、ポペット式電磁比例弁の
検査工程では、励磁電流と開度との関係が正確に検出で
きることが望ましい。
【0011】しかし、上記従来のポペット式電磁弁の検
査方法では、全閉時クリアランスが検出できるだけであ
る。このため、上記従来の検査方法は、ポペット式電磁
比例弁の検査工程において、励磁電流と開度との関係を
検査するためには適用することができない。本発明は、
上述の点に鑑みてなされたものであり、ポペット式電磁
比例弁が示す励磁電流と開度との関係を正確に検出する
ポペット式電磁比例弁の検査方法を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、電磁力と付勢力とのバランスにより変
位するポペット弁を備え、前記電磁力を変化させること
により流路の導通状態を連続的に変化させるポペット式
電磁比例弁の検査方法であって、前記ポペット弁に電磁
力を付与するための電磁コイルを所定位置にセットする
第1の工程と、前記流路の上流に所定圧の流体を供給す
る第2の工程と、励磁電流をゼロから最大値まで所定の
増加勾配で増加させ、最大値からゼロまで所定の減少勾
配で減少させる際の、前記流路を流通する流体の流量を
検出する第3の工程と、所定流量に対応した複数の励磁
電流値の差に基づいて、ポペット式電磁比例弁の特性を
検査する第4の工程と、を備えるポペット式電磁比例弁
の検査方法により達成される。
【0013】本発明において、第1の工程が実行された
後に電磁コイルに所定の励磁電流が供給されると、ポペ
ット弁と弁座との間に励磁電流に応じた開度が確保され
る。第2の工程が実行された後に上記の状況が形成され
ると、ポペット式電磁比例弁に、流体の圧力(所定圧)
と励磁電流とに応じた量の流体が流通する。第3の工程
では、励磁電流をゼロから最大値まで所定の増加勾配で
増加させ、最大値からゼロまで所定の減少勾配で減少さ
せる際の流量が検出される。第4の工程では、所定の流
量に対する複数の励磁電流値の差を基礎としてポペット
式電磁比例弁の特性が検査される。
【0014】上記の目的は、請求項に記載する如く、
電磁力と付勢力とのバランスにより変位するポペット弁
と、前記ポペット弁に電磁力を付与する電磁コイルとを
備え、前記電磁コイルを流通する励磁電流に応じた流路
を確保するポペット式電磁比例弁の検査方法であって、
前記ポペット式電磁比例弁の下流側に、ピストンとシリ
ンダとを備えるリザーバタンクを組み付ける第1の工程
と、前記流路の上流に所定圧の流体を供給する第2の工
程と、励磁電流をゼロから最大値まで所定の増加勾配で
増加させる際の、前記ピストンに生ずるストローク速度
を検出する第3の工程と、所定のストローク速度に対応
した複数の励磁電流値の差に基づいて、ポペット式電磁
比例弁の特性を検査する第4の工程と、を備えるポペッ
ト式電磁比例弁の検査方法により達成される。
【0015】本発明において、電磁コイルに所定の励磁
電流が供給されると、ポペット弁と弁座との間に励磁電
流に応じた開度が確保される。第1および第2の工程が
実行された後に上記の状況が形成されると、リザーバタ
ンクに、流路の上流に供給される流体の圧力(所定圧)
と励磁電流とに応じた量の流体が流入する。この際、リ
ザーバタンクのピストンには、流体の流入量に応じたス
トロークが生ずる。第3の工程では、励磁電流をゼロか
ら最大値まで所定の増加勾配で増加させる際のストロー
ク速度が検出される。第4の工程では、所定のストロー
ク速度に対する複数の励磁電流値の差を基礎としてポペ
ット式電磁比例弁の特性が検査される。
【0016】また、上記の目的は、請求項に記載する
如く、電磁力と付勢力とのバランスにより変位するポペ
ット弁を備え、前記電磁力を変化させることにより流路
の導通状態を連続的に変化させるポペット式電磁比例弁
の検査方法であって、前記ポペット弁に電磁力を付与す
るための電磁コイルを所定位置にセットする第1の工程
と、前記流路の上流に所定圧の流体を供給する第2の工
程と、少なくとも複数の励磁電流に対して、それらの励
磁電流が前記電磁コイルに供給された際に前記流路を流
通する流体の流量を検出する第3の工程と、前記複数の
励磁電流とそれらの励磁電流に対応する流体の流量との
関係に基づいて、ポペット式電磁比例弁の特性を検査す
る第4の工程とを備え、前記第3の工程において、前記
電磁コイルに供給する励磁電流を一の電流値から他の電
流値に変化させる前に、該変化時に前記ポペット弁が摩
擦力に抗して変位できるように、前記電磁コイルに供給
される電流を、所定期間にわたって前記他の電流値と所
定値以上異なる値に維持することを特徴とする、ポペッ
ト式電磁比例弁の検査方法により達成される。
【0017】本発明において、ポペット弁が変位する際
には、プランジャに摩擦力が作用する。従って、ポペッ
ト弁を変位させるためには、電磁力に摩擦力を超える変
化を与えることが必要である。このため、励磁電流が、
一の電流値から、その値に近似する他の電流値に直接変
化する場合は、ポペット弁に適正な変位が生じないこと
がある。これに対して、本発明のように、励磁電流を一
の電流値から他の電流値に変化させる際に、他の電流値
と大きく異なる電流を経由させることによれば、他の電
流値に対応する適正な変位をポペット弁に付与すること
が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、ポペット式電磁比例弁1
0の断面図を示す。ポペット式電磁比例弁10は、本発
明の一実施例である検査方法の検査対象である。ポペッ
ト式電磁比例弁10はスリーブ12を備えている。スリ
ーブ12は、一端が閉口端となるように構成された筒状
の部材である。スリーブ12は非磁性材料で構成されて
いる。スリーブ12の周囲には、電磁コイル14が配設
されている。電磁コイル14は環状部材16を備えてい
る。環状部材16は磁性材料で構成された部材であり、
その内周側にギャップ部分18を備えている。
【0019】スリーブ12の内部には、プランジャ20
およびポペット弁22が収納されている。プランジャ2
0は磁性材料で構成されている。一方、ポペット弁22
は非磁性材料で構成されている。プランジャ20および
ポペット弁22は、一体となってスリーブ12の内部を
摺動することができる。スリーブ12の内部には、ま
た、ヨーク24およびスプリング26が収納されてい
る。ヨーク24は、スリーブ12の内部に固定されてい
る。スプリング26は、ヨーク24とプランジャ20と
を離間方向に付勢している。
【0020】プランジャ20は、ヨーク24と対向する
面に凸部28を備えている。一方、ヨーク24は、プラ
ンジャ20と対向する面に凹部30を備えている。ポペ
ット式電磁比例弁10において、プランジャ20は、凸
部28の外周面と凹部の内周面との間に所定のクリアラ
ンスを確保したままスリーブ12の内部を摺動すること
ができる。
【0021】スリーブ12の開口部にはコア32が圧入
されている。コア32の中央部には、ポペット弁22を
摺動可能に保持する貫通穴34が形成されている。ポペ
ット弁22は、貫通穴34を貫通し、貫通穴34から突
出するように構成されている。コア32には弁座36が
圧入されている。弁座36の内部には流路38が形成さ
れている。流路38は、ポペット弁22が着座すること
により閉塞され、ポペット弁22が離座することにより
開放される。コア32には、その側面に開口する貫通孔
40が設けられている。貫通孔40は、ポペット弁22
が弁座36から離座する場合に流路38と導通状態とな
り、ポペット弁22が弁座36に着座することにより流
路38から遮断される。
【0022】以下、ポペット式電磁比例弁10の動作に
ついて説明する。ポペット式電磁比例弁10において、
電磁コイル14に励磁電流Iが供給されていない場合
は、プランジャ20とヨーク24との間に電磁力は作用
しない。この場合、ポペット弁22は、スプリング26
によって弁座36方向に付勢される。従って、電磁コイ
ル14に励磁電流Iが供給されていない場合は、ポペッ
ト弁22が弁座36に着座し、流路38と貫通孔40と
が遮断状態とされる。
【0023】電磁コイル14に励磁電流Iが供給される
と、電磁コイル14の内外を還流する磁束が発生する。
この磁束は、環状部材16、ヨーク24およびプランジ
ャ20を流通して還流する。ヨーク24とプランジャ2
0との間では、凹部30の平面部分と凸部28の平面
部分との間のエアギャップ、および、凹部30の外周
部分と凸部28の外周部分との間のエアギャップを介し
て磁束が授受されると共に、凹部30の側面部分と凸
部28の側面部分との間のエアギャップを介して磁束が
授受される。
【0024】ヨーク24とプランジャ20とを流通する
磁束のうち、上記およびのエアギャップを通る磁束
は、ヨーク24とプランジャ20とを引き寄せる電磁力
を発生させる。一方、上記のエアギャップを通る磁束
は、ヨーク24とプランジャ20とを引き寄せる電磁力
を発生しない。従って、ヨーク24とプランジャ20と
を引き寄せる電磁力、すなわち、ポペット弁22を開弁
方向に引き寄せる電磁力は、上記およびのエアギャ
ップを通る磁束が増加するに連れて大きくなる。
【0025】ポペット式電磁比例弁10において、プラ
ンジャ20がヨーク24に向けて変位する過程では、上
記およびのエアギャップが小さくなると共に、上記
のエアギャップの幅(凸部28の側面と凹部30の側
面とが重なる幅)が大きくなる。この場合、上記およ
びのエアギャプを流通する磁束の密度は、上記のエ
アギャップが存在しない場合に比して緩やかな増加傾向
を示す。
【0026】図2は、上記およびのエアギャップの
大きさと、プランジャ20とヨーク24とを引き寄せる
電磁力との関係を示す。図2に示す関係は、電磁コイル
14に供給される励磁電流Iをパラメータとして表され
ている。図2において、ハッチングで挟まれる領域(以
下、使用領域と称す)では、プランジャ20とヨーク2
4との間に作用する電磁力と、電磁コイル14に供給さ
れる励磁電流Iとの間にほぼ比例関係が成立する。ま
た、上記の使用領域において、プランジャ20とヨーク
24との間に作用する電磁力は、エアギャップの変化に
対して大きな変化を示さない。従って、ポペット式電磁
比例弁10によれば、エアギャップが上記の使用領域に
含まれる場合には、プランジャ20とヨーク24との間
に、励磁電流Iに比例した電磁力を発生させることがで
きる。
【0027】プランジャ20とヨーク24との間に電磁
力が作用すると、スプリング26には、その電磁力とバ
ランスする付勢力が発生するまで弾性変形が生ずる。ス
プリング26は、弾性変形量に比例した付勢力を発生す
る。従って、プランジャ20とヨーク24との間に電磁
力が作用すると、スプリング26には、その電磁力に比
例した弾性変形が生ずる。その結果、ポペット式電磁比
例弁10によれば、ポペット弁22を、電磁コイル14
に供給する励磁電流Iに比例した量だけ弁座36から離
間させることができる。
【0028】このように、ポペット式電磁比例弁10に
よれば、ポペット弁22に、励磁電流Iに比例した開度
を与えることができる。流路38と貫通孔40との間に
は、ポペット弁22の開度に応じた流路が確保される。
従って、ポペット式電磁比例弁10によれば、励磁電流
Iを制御することで、流路38から貫通孔40に流通す
る流体の流量Qを精度良く制御することができる。
【0029】ポペット式電磁比例弁10は、流路38を
流通する流体の流量Qを無段階に制御する必要がある場
合に用いられる制御弁である。従って、ポペット式電磁
比例弁10の製造工程では、流量Qと励磁電流Iとの関
係を正確に管理する必要がある。本実施例の検査方法
は、上記の要求を満たすべく、ポペット式電磁比例弁1
0が示す流量Qと励磁電流Iとの関係を検出し、その検
出結果に基づいてポペット式電磁比例弁10が正常であ
るか否かを正確に検査する点に特徴を有している。以
下、図3乃至図7を参照して、本実施例の検査方法につ
いて説明する。
【0030】図3は、本実施例の検査方法を実施する検
査装置42、および、その検査装置42にセットされた
検査対象44の断面図を示す。検査対象44は、スリー
ブ12にヨーク24、プランジャ20およびコア32等
を組み付け、かつ、コア32の開口部に弁座36を圧入
したものである。検査装置42は電磁コイル46を備え
ている。電磁コイル46には電源回路48が接続されて
いる。電源回路48は、シーケンサ50に制御されるこ
とにより、所定のタイミングで電磁コイル46に対して
所定の励磁電流を供給する。電磁コイル46の上部には
ワークテーブル52が配設されている。検査対象44
は、スリーブ12に収納されるヨーク24およびプラン
ジャ20が電磁コイル46に取り囲まれるようにワーク
テーブル52にセットされる。
【0031】ワークテーブル52の上部には密封ケース
54がセットされる。密封ケース54には、流体供給通
路56および流体排出通路58が設けられている。ま
た、密封ケース54には、押圧部材60が挿入されてい
る。押圧部材60は、密封ケース54との摺動部を液密
に保ちながら、その軸方向に摺動することができる。押
圧部材60は、弁座32の端部に当接された状態で用い
られる。押圧部材60は、弁座32と当接する端面に流
路62を備えている。流体供給通路56と弁座32内部
の流路38とは、押圧部材60と弁座32とが当接する
状況下で、流路62を介して導通状態に維持される。
【0032】流体供給通路56は、開閉弁64を介して
レギュレータ66に接続されている。レギュレータ66
には高圧エアが供給されている。レギュレータ66は、
その高圧エアを所定の圧力(以下レギュレータ圧PRE
称す)に調圧して開閉弁64に供給する。開閉弁64は
常態で閉弁状態を維持し、シーケンサ50から駆動信号
が供給されることにより開弁状態となる2位置の電磁弁
である。開閉弁64が開弁状態となると、レギュレータ
圧PREが流体供給通路56および流路62を介して流路
38に供給される。
【0033】レギュレータ圧PREが流路38に供給され
ると、流路38から流体排出通路58へ、ポペット弁3
2の開度とレギュレータ圧PREとに応じた流量のエアが
流通する。流体排出通路58には流量計68が接続され
ている。流量計68は、流体排出通路58から排出され
る高圧エアの流量に応じた信号を発生する。流量計68
は、シーケンサ50に接続されている。
【0034】シーケンサ50には、データ処理装置69
が接続されている。流量計68からシーケンサ50に供
給される出力信号は、シーケンサ50を介してデータ処
理装置69に供給されている。また、データ処理装置6
9には、電源回路48が電磁コイル46に供給している
励磁電流Iに関する信号が供給されている。データ処理
装置69は、これらの信号に基づいて流路38を流れる
エアの流量Q、および、電磁コイル46に供給される励
磁電流Iを演算し、それらの演算値を用いて所定のデー
タ処理を実行する。
【0035】押圧部材60の上部にはロードセル70お
よびサーボプレス72が配設されている。サーボプレス
72はシーケンサ50によって制御されることにより、
所定のタイミングでロードセル70に対して所定の押圧
力を付与する。ロードセル60は、押圧部材60を介し
て弁座36に印加される押圧力に応じた電気信号を出力
する。サーボプレス72の発する押圧力は、ロードセル
70および押圧部材60を介して弁座36に供給され
る。弁座36は、検査対象44の特性検査が開始される
に先立って、サーボプレス72に押圧されることにより
コア32に圧入される。
【0036】図4は、本実施例の検査方法の内容を説明
するためのタイムチャートを示す。検査装置42におい
て、特性検査は、検査対象44が図3に示す状態にセッ
トされた後に実行される。図4(A)、図4(B)およ
び図4(C)は、それぞれ、特定検査の実行中に開閉弁
64、励磁電流Iおよびエアの流量Qに現れる変化を示
す。
【0037】図4(A)に示す如く、検査装置42は、
特性検査の開始が指令された後、所定期間だけ開閉弁6
4を開弁状態に維持する。開閉弁64が開弁状態である
間は、流路38の上流にレギュレータ圧PREを伴う高圧
エアが導かれる。図4(B)に示す如く、検査装置42
は、開閉弁64が開弁状態とされた後、励磁電流Iを所
定の周期でスウィープさせる。より具体的には、励磁電
流Iを所定の増加勾配で“0”から最大値まで増加させ
た後、所定の減少勾配で最大値から“0”まで減少させ
る。
【0038】流路38を流通するエアの流量Qは、ポペ
ット弁22の開度が増すに連れて大きくなり、また、ポ
ペット弁22の開度が減るに連れて小さくなる。従っ
て、エア流量Qは、図4(C)に示す如く、励磁電流I
の増減に対応した増減傾向を示す。図5は、上記図4
(C)に示すエア流量Qを、上記図4(B)に示す励磁
電流Iとの関係で表したヒステリシスループを示す。ポ
ペット弁22は、励磁電流Iが増加する過程では、開弁
方向に、すなわち、エア流量Qを増加させる方向に変位
する。この際、プランジャ20とスリーブ12との間に
は、ポペット弁22の開弁を妨げる方向に摩擦力が作用
する。
【0039】一方、ポペット弁22は、励磁電流Iが減
少する過程では、閉弁方向に、すなわち、エア流量Qを
減少させる方向に変位する。この際、プランジャ20と
スリーブ12との間には、ポペット弁22の閉弁を妨げ
る方向に、すなわち、ポペット弁22の開弁を補助する
方向に摩擦力が作用する。このため、検査対象44を流
通するエア流量Qは(すなわち、ポペット式電磁比例弁
10を流通するエア流量Qは)、励磁電流Iの増減に伴
って図5に示すヒステリシスループに沿った変化を示
す。
【0040】ポペット式電磁比例弁10が適正である場
合は、励磁電流Iの増加過程および減少過程で、それぞ
れ、エア流量Qが励磁電流Iに対して適当なリニアリテ
ィを示す。また、ポペット式電磁比例弁10が適正であ
る場合は、励磁電流Iの増減に伴うヒステリシスの幅が
適当な大きさとなる。検査装置42は、かかる観点よ
り、特性検査の過程で検出されたエア流量Qに適当なリ
ニアリティが確保されているか否か、および、エア流量
Qのヒステリシス幅が適当な幅に収まっているか否かに
基づいて検査対象44の特性検査を実行する。
【0041】図6は、検査装置42が特性検査を実現す
べく実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示
す。図6に示すルーチンは、特性検査の開始が指令され
る毎に起動される。図6に示すルーチンにおいては、先
ずステップ100の処理が実行される。ステップ100
では、開閉弁64が開弁状態とされる。本ステップ10
0の処理が実行されると、流路38にレギュレータ圧P
REを伴う高圧エアが導かれる。
【0042】ステップ102では、励磁電流Iのスィー
プが開始される。本ステップ102の処理が実行される
と、以後、励磁電流Iは上記図4(B)に示す如く所定
の勾配で増減する。ステップ104では、流量計68の
出力信号に基づいてエア流量Qが測定される。
【0043】ステップ106では、励磁電流Iのスィー
プが終了したか否かが判別される。その結果、未だ励磁
電流Iのスィープ過程であると判別された場合は、再び
上記ステップ104の処理が実行される。一方、励磁電
流Iのスィープが終了していると判別された場合は、次
にステップ108の処理が実行される。ステップ108
では、開閉弁64が閉弁状態とされる。本ステップ10
8の処理が実行されると、流路38への高圧エアの供給
が停止される。
【0044】ステップ110では、電流値I1〜I6を
読みだす処理が実行される。電流値I1〜I3は、上記
図5に示す如く、励磁電流Iが増加する過程で、エア流
量Qが、それぞれ所定流量Q1〜Q3に一致した際の励
磁電流Iの値である。また、電流値I4〜I6は、励磁
電流Iが減少する過程で、エア流量Qが、それぞれ所定
流量Q3〜Q1に一致した際の励磁電流Iの値である。
尚、所定流量Q2は、ポペット式電磁比例弁10の使用
範囲の中央部において確保されるべきエア流量Qであ
る。また、所定流量Q1およびQ3は、それぞれ、所定
流量Q2に比して所定値が小さな、または、大きな流量
である。
【0045】ステップ112では、次式に従ってヒステ
リシス係数IH1〜IH3が演算される。 IH1=I1−I6 ・・・(1) IH2=I2−I5 ・・・(2) IH3=I3−I4 ・・・(3) 上記(1)〜(3)式によれば、エア流量Qが所定量Q
1〜Q3に一致する際のヒステリシス幅を、ヒステリシ
ス係数IH1〜IH3として求めることができる。
【0046】また、上記ステップ112では、次式に従
ってリニアリティ係数IL1〜IL4が演算される。 IL1=I2−I1 ・・・(4) IL2=I3−I2 ・・・(5) IL3=I4−I5 ・・・(6) IL4=I5−I6 ・・・(7) 上記(4)〜(7)式によれば、エア流量QがQ1とQ
2との間で、または、Q2とQ3との間で変化する際に
励磁電流Iに現れる変動量をリニアリティ係数として求
めることができる。
【0047】ステップ114では、電流値I2、ヒステ
リシス係数IH1〜IH3、および、リニアリティ係数
IL1〜IL4に基づいて、検査対象44の特性が正常
であるか否かが判別される。図7は、電流値I2、ヒス
テリシス係数IH1〜IH3、および、リニアリティ係
数IL1〜IL4の規格を示す。図7に示す如く、電流
値I2の規格、ヒステリシス係数IH1〜IH3の規
格、および、リニアリティ係数IL1〜IL4の規格
は、それぞれ“I0 ±α”、“IH0 ±β”、および、
“IL0 ±γ”と定められている。上記ステップ114
では、電流値I2、ヒステリシス係数IH1〜IH3、
および、リニアリティ係数IL1〜IL4が、これらの
規格に収まっているか否かが判別される。
【0048】上記ステップ114において、電流値I
2、ヒステリシス係数IH1〜IH3、および、リニア
リティ係数IL1〜IL4の全てが規格に収まっている
と判別された場合は、次にステップ116の処理が実行
される。ステップ116では、検査対象44の特性、す
なわち、ポペット式電磁比例弁10の特性が正常である
とする判定が行われる。本ステップ116の処理が終了
すると、今回のルーチンが終了される。
【0049】一方、上記ステップ114において、電流
値I2、ヒステリシス係数IH1〜IH3、および、リ
ニアリティ係数IL1〜IL4の何れかが規格から外れ
ていると判別された場合は、次にステップ118の処理
が実行される。ステップ118では、検査対象44の特
性、すなわち、ポペット式電磁比例弁10の特性が異常
であるとする判定が行われる。本ステップ118の処理
が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0050】上述の如く、所定流量Q2は、ポペット式
電磁比例弁10の使用領域の中央で確保されるべきエア
流量Qである。従って、所定流量Q2を発生させる電流
値I2が規格に収まっていると判別される場合は、使用
範囲の中央部で励磁電流Iとエア流量Qとが適正な関係
を満たしていると判断できる。また、所定流量Q1,Q
2,Q3は、上述の如く、Q1とQ2との差が、Q2と
Q3との差と等しくなるように定められている。従っ
て、リニアリティ係数IL1およびIL2が共に規格を
満たしている場合は、励磁電流Iの増加過程で、エア流
量Qが、励磁電流Iに対して適正なリニアリティを示し
ていると判断できる。同様に、リニアリティ係数IL3
およびIL4が共に規格を満たしている場合は、励磁電
流Iの減少過程で、エア流量Qが、励磁電流Iに対して
適正なリニアリティを示していると判断できる。
【0051】更に、本実施例において、所定流量Q1お
よびQ3は、それぞれ、ポペット式電磁比例弁10の使
用範囲の両端において実現されるべきエア流量Qに設定
されている。従って、ヒステリシス係数IH1〜IH3
の全てが規格を満たしている場合は、使用範囲の全域で
ポペット式電磁比例弁10のヒステリシス幅が適当な範
囲に収まっていると判断できる。
【0052】このため、上述した特性検査によれば、
使用領域の中央部で励磁電流Iとエア流量Qとが適正な
関係を示し、使用範囲の全域で励磁電流Iとエア流量
Qとが適正なリニアリティを示し、かつ、使用範囲の
全域で励磁電流Iのヒステリシス幅が適正な範囲に収ま
っている場合に検査対象44の特性、すなわち、ポペッ
ト式電磁比例弁10の特性が正常であると認識される。
このように、本実施例の検査装置42によれば、ポペッ
ト式電磁比例弁10について、詳細かつ正確な特性検査
を実行することができる。
【0053】尚、上記の実施例においては、検査対象4
4を検査装置42にセットすることにより前記請求項1
記載の「第1の工程」が、検査装置42が、上記ステッ
プ100の処理を実行することにより前記請求項1記載
の「第2の工程」が、上記ステップ102〜106の処
理を実行することにより前記請求項1記載の「第3の工
程」が、上記ステップ110〜118の処理を実行する
ことにより前記請求項1記載の「第4の工程」が、それ
ぞれ実現される。
【0054】次に、図8乃至図10を参照して、本発明
の第2実施例について説明する。本実施例の検査方法
は、上記図3に示す検査装置42に、上記図6に示すル
ーチンを実行させると共に、特性検査の過程で図10に
示すルーチンに従って励磁電流Iをスィープさせること
により実現される。図8(A)は、検査装置42の電磁
コイル46に供給される励磁電流Iの波形を示す。図8
(A)に示す波形は、時刻t0 に励磁電流Iが“0”か
ら所定値に立ち上げられた場合に実現される。
【0055】図8(B)は、検査対象44の流路38を
流通するエア流量Qに現れる変化を示す。図8(B)に
示す変化は、開閉弁64が開弁された状態で励磁電流I
が図8(A)に示す如く変化した場合に実現される。図
8(B)に示す如く、流路38を流れるエア流量Qは、
励磁電流Iに変化が生じた後、ある程度の遅延時間の後
に変化後の励磁電流Iに対応する流量に収束する。従っ
て、検査装置42によって特性検査を行う際に、励磁電
流Iとエア流量Qとの関係を正確に検出するためには、
励磁電流Iに変化を与えた後、エア流量Qがその励磁電
流Iに対応する流量に収束するまで、励磁電流Iを一定
値に保持することが望ましい。
【0056】エア流量Qが所定値に収束するまで励磁電
流Iが一定値に保持されると、プランジャ20はスリー
ブ12の内部で静止する。このため、その後プランジャ
20を変位させるためには、プランジャ20に作用する
電磁力に、プランジャ20の静摩擦に勝る変化を与える
必要がある。このため、プランジャ20がスリーブ12
の内部で静止している場合は、励磁電流を僅かに変化さ
せるだけではプランジャ20が適正に変位しない事態が
生ずる。
【0057】上述した第1実施例の検査方法において、
励磁電流Iのスィープに伴ってプランジャ20が適正に
変位しない場合は、励磁電流Iとエア流量Qとの関係を
適正に検出することができない。このため、上述した第
1実施例の検査方法に、励磁電流Iを所定期間一定値に
維持する処理を加えるだけでは、検査精度を高めること
はできない。
【0058】図9は、本実施例の検査方法の内容を説明
するためのタイムチャートを示す。検査装置42におい
て、特性検査は、検査対象44が図3に示す状態にセッ
トされた後に実行される。図9(A)、図9(B)およ
び図9(C)は、それぞれ、特定検査の実行中に開閉弁
64、励磁電流Iおよびエアの流量Qに現れる変化を示
す。
【0059】図9(A)に示す如く、検査装置42は、
特性検査の開始が指令された後、所定期間だけ開閉弁6
4を開弁状態に維持する。開閉弁64が開弁状態である
間は、流路38の上流にレギュレータ圧PREを伴う高圧
エアが導かれる。図9(B)に示す如く、検査装置42
は、開閉弁64が開弁状態とされた後、励磁電流Iを、
所定の規則に従って段階的に変化させる。
【0060】また、図9(C)に示す如く、エア流量Q
は、励磁電流Iに増減が生じた後、所定の遅延時間を経
て変化後の励磁電流Iに対応する値に収束する。図10
は、検査装置42が、励磁電流Iを図9(B)に示す如
く変化させるべく実行する制御ルーチンのフローチャー
トを示す。図10に示すルーチンは、上記図6に示す制
御ルーチン中でステップ102の処理が実行される毎に
起動される。図10に示すルーチンが起動されると、先
ずステップ120の処理が実行される。
【0061】ステップ120では、指令電流IOUT が所
定値ΔIだけ大きな値に更新される。指令電流I
OUT は、イニシャル処理により“0”にクリアされてい
る。従って、今回の処理サイクルが初回である場合は、
指令電流IOUT がΔIとされる。ステップ122では、
励磁電流Iに指令電流IOUT が代入される。本ステップ
122の処理が実行されると、指令電流IOUT と等しい
励磁電流Iが電磁コイル46に供給される。その結果、
ポペット弁22が指令電流IOUT に対応した位置に変位
する。
【0062】ステップ124では、保持期間TH が経過
したか否かが判別される。本ステップ124の処理は、
保持期間TH が経過したと判別されるまで繰り返し実行
される。その結果、保持期間TH が経過したと判別され
ると、次にステップ126の処理が実行される。上記の
保持期間TH は、励磁電流Iに変化が生じた後、エア流
量Qが変化後の励磁電流Iに対応する値に収束するのに
要する時間に比して長い時間に設定されている。従っ
て、上記ステップ124の処理によれば、エア流量Qが
適正値に収束するまで、励磁電流Iを一定の値に保持す
ることができる。
【0063】ステップ126では、励磁電流Iが最大値
MAX に達しているか否かが判別される。その結果、未
だI≧IMAX が成立しないと判別される場合は、次にス
テップ128の処理が実行される。ステップ128で
は、励磁電流Iを“0”とする処理が実行される。本ス
テップ128の処理が実行されると、所定の遅延時間の
後にポペット弁22が全閉位置に変位する。
【0064】ステップ130では、インターバル期間T
I が経過したか否かが判別される。本ステップ130の
処理は、インターバル期間TI が経過したと判別される
まで繰り返し実行される。その結果、インターバル期間
I が経過したと判別されると、再び上記ステップ12
0の処理が実行される。上述したステップ120〜13
0の処理は、上記ステップ126でI≧IMAXが成立す
ると判別されるまで繰り返し実行される。上記の処理に
よれば、所定のインターバル期間TI を挟んで、励磁電
流Iを段階的に“0”から最大値IMAXまで増加させる
ことができる。
【0065】本ルーチン中上記ステップ126でI≧I
MAX が成立すると判別されると、次にステップ132の
処理が実行される。ステップ132では、指令電流I
OUT が所定値ΔIだけ小さな値に更新される。ステップ
134では、励磁電流Iに指令電流IOUT が代入され
る。本ステップ134の処理が実行されると、ポペット
弁22が指令電流IOUT に対応する位置に変位する。
【0066】ステップ136では、保持期間TH が経過
したか否かが判別される。本ステップ136の処理は、
保持期間TH が経過したと判別されるまで繰り返し実行
される。その結果、保持期間TH が経過したと判別され
ると、次にステップ138の処理が実行される。ステッ
プ138では、励磁電流Iが最大値IMAX に達している
か否かが判別される。その結果、未だI≧IMAX が成立
しないと判別される場合は、次にステップ140の処理
が実行される。
【0067】ステップ140では、励磁電流Iを最大値
MAX とする処理が実行される。本ステップ140の処
理が実行されると、所定の遅延時間の後にポペット弁2
2が全開位置に変位する。ステップ142では、インタ
ーバル期間TI が経過したか否かが判別される。本ステ
ップ142の処理は、インターバル期間TI が経過した
と判別されるまで繰り返し実行される。その結果、イン
ターバル期間TI が経過したと判別されると、再び上記
ステップ132の処理が実行される。
【0068】上述したステップ132〜142の処理
は、上記ステップ138でI≦0が成立すると判別され
るまで繰り返し実行される。その結果、ステップ138
でI≦0が成立すると判別されると、今回のルーチンが
終了される。上記の処理によれば、所定のインターバル
期間TI を挟んで、励磁電流Iを段階的に最大値IMAX
から“0”まで減少させることができる。
【0069】上述の如く、本実施例の検査方法において
は、電磁コイル46に供給される励磁電流Iが、所定の
インターバル期間TI を挟んで“0”から最大値IMAX
まで段階的に増大された後、所定のインターバル期間T
I を挟んで最大値IMAX から“0”まで減少される。上
述の如く、本実施例において、指令電流IOUT は所定の
保持期間TH にわたって一定値に保持される。このた
め、本実施例の検査方法によれば、各指令電流IOUT
対応するエア流量Qを正確に検出することができる。
【0070】また、本実施例において、励磁電流Iは、
段階的に増大する過程では、必ず“0”を挟んで一の電
流値(一の指令電流IOUT に一致する値)から他の電流
値(一の指令電流IOUT に比してΔIだけ大きな値)に
変化する。換言すると、励磁電流Iは、段階的に増大す
る過程では、必ず“0”から指令電流IOUT に一致する
値に立ち上げられる。
【0071】励磁電流Iが“0”から指令電流IOUT
一致する値に立ち上げられる際には、プランジャ20に
作用する電磁力に、プランジャ20の静摩擦力に勝る大
きな変化が生ずる。このため、励磁電流Iを上記の如く
変化させることによれば、ポペット弁22を、全閉位置
から指令電流IOUT に対応する位置まで正確に変位させ
ることができる。従って、本実施例の検査方法によれ
ば、プランジャ20の静摩擦力に影響されることなく、
ポペット弁22が開弁方向に変位する際の励磁電流Iと
エア流量Qとの関係を正確に検出することができる。
【0072】更に、本実施例において、励磁電流Iは、
段階的に減少する過程では、必ず最大値IMAX を挟んで
一の電流値(一の指令電流IOUT に一致する値)から他
の電流値(一の指令電流IOUT に比してΔIだけ小さな
値)に変化する。換言すると、励磁電流Iは、段階的に
減少する過程では、必ず最大値IMAX から指令電流I
OUT に一致する値に変更される。
【0073】励磁電流Iが最大値IMAX から指令電流I
OUT に一致する値に変更される際には、プランジャ20
に作用する電磁力に、プランジャ20の静摩擦力に勝る
大きな変化が生ずる。このため、励磁電流Iを上記の如
く変化させることによれば、ポペット弁22を、全開位
置から指令電流IOUT に対応する位置まで正確に変位さ
せることができる。従って、本実施例の検査方法によれ
ば、プランジャ20の静摩擦力に影響されることなく、
ポペット弁22が閉弁方向に変位する際の励磁電流Iと
エア流量Qとの関係を正確に検出することができる。
【0074】本実施例において、上記図6に示すステッ
プ104では、各指令電流IOUT と一致する励磁電流I
に対応するエア流量Qが測定される。データ処理装置6
9は、その測定値を用いてエア流量Qと励磁電流Iとの
関係を求める。検査装置42は、その関係を用いて上記
ステップ110〜118の処理を実行することで、ポペ
ット式電磁比例弁10の特性検査を実行する。上述した
検査方法によれば、プランジャ20の静摩擦力に影響さ
れることなく、ポペット式電磁比例弁10について、詳
細かつ正確な特性検査を実行することができる。
【0075】に、図11乃至図13を参照して、本発
明の第3実施例について説明する。図11は、ポペット
式電磁比例弁10を搭載するアクチュエータ150と、
本実施例の検査方法を実行する検査装置152の構成を
表す図を示す。
【0076】アクチュエータ150は、車両のブレーキ
装置の構成部品である。アクチュエータ150におい
て、ポペット式電磁比例弁10にはリザーバ通路154
が連通している。リザーバ通路154には、リザーバタ
ンク156が連通している。リザーバタンク156の内
部には、ピストン158とスプリング160が収納され
ている。ピストン158は、リザーバタンク158の容
量が最小となるようにスプリング160によって付勢さ
れている。
【0077】ポペット式電磁比例弁10には、また、制
御圧通路162が連通している。リザーバ通路154と
制御圧通路162との間には、ポペット式電磁比例弁1
0と並列に逆止弁164が配設されている。逆止弁16
4は、リザーバ通路154側から制御圧通路162側に
向かう流体の流れのみを許容する一方向弁である。制御
圧通路162には、増圧比例弁166が連通している。
増圧比例弁166は、制御圧通路162に流入する向き
の流体の流れのみを許容する制御弁である。制御圧通路
162には、また、増圧カット弁168が連通してい
る。増圧カット弁168は、常態で閉弁状態を維持し、
外部から駆動信号が供給されることにより開弁状態とな
る2位置の電磁弁である。
【0078】制御圧通路162には、更に、保持弁17
0および逆止弁172を介して、リア液圧通路174お
よび減圧弁176が連通している。保持弁170は、常
態で開弁状態を維持し、外部から駆動信号が供給される
ことにより閉弁状態となる2位置の電磁弁である。逆止
弁172は、リア液圧通路174側から制御圧通路16
2へ向かう流体の流れのみを許容する一方向弁である。
また、減圧弁176は、常態で閉弁状態を維持し、外部
から駆動信号が供給されることにより開弁状態となる2
位置の電磁弁である。リア液圧通路174は、アクチュ
エータ150の開口部178に通じている。
【0079】図11は、アクチュエータ150が備える
全ての制御弁(開閉弁を含む)がオフ状態である状態を
示す。アクチュエータ150において、全ての制御弁が
オフ状態である場合は、リア液圧通路174が、制御圧
通路162とのみ導通する。従って、かかる状況下で開
口部178に高圧の流体を供給すると、その流体は制御
圧通路162にのみ流入する。
【0080】アクチュエータ150において、全ての制
御弁がオフ状態である場合は、逆止弁164、増圧比例
弁166および増圧カット弁168の全てが制御圧通路
162を閉塞する。従って、かかる状況下で制御圧通路
162に高圧の流体が供給されると、その流体の圧力
は、減衰されることなくポペット式電磁比例弁10に導
かれる。このため、アクチュエータ150によれば、全
ての制御弁をオフ状態としたまま開口部178に高圧の
流体を供給することで、ポペット式電磁比例弁10の上
流に高圧の流体を導くことができる。
【0081】ところで、アクチュエータ150におい
て、ポペット式電磁比例弁10を流通する流体は、リザ
ーバタンク156に流入する。このため、リザーバタン
ク156のピストン158には、ポペット式電磁比例弁
10を流通した流体の総量に相当する変位が生ずる。従
って、アクチュエータ150によれば、ピストン158
の変位を検出することで、ポペット式電磁比例弁10を
流通する流体の流量を求めることができる。
【0082】検出装置152は、高圧エア供給装置18
0を備えている。高圧エア供給装置180は、開口部1
78に接続されている。高圧エア供給装置180は、コ
ントローラ182に制御されることにより、所定のタイ
ミングで所定圧の高圧エアを開口部178に供給する。
検査装置152は、電源回路184を備えている。電源
回路184はポペット式電磁比例弁10の電磁コイル1
4に接続されている。電源回路184は、コントローラ
182に制御されることにより、特性検査の実行中に電
磁コイル14に対して励磁電流Iを供給する。
【0083】検査装置152は、ポテンショメータ18
6を備えている。ポテンショメータ186は、リザーバ
タンク156のピストン158のストロークに応じた電
気信号を出力する。ポテンショメータ186の出力信号
は増幅器188に供給される。増幅器188で増幅され
た信号はコントローラ182に供給される。コントロー
ラ182は、その信号に基づいてピストン158のスト
ロークを検出する。
【0084】図12は、本実施例の検査方法の内容を説
明するためのタイムチャートを示す。図12(A)、図
12(B)、図12(C)および図12(D)は、それ
ぞれ、特定検査の実行中に開口部178に高圧エアが供
給される時期、励磁電流Iに現れる変化、ピストン15
8のストロークに生ずる変化、および、そのストローク
速度の変化を示す。
【0085】図12(A)に示す如く、検査装置152
は、特性検査の開始が指令された後、所定期間だけ開口
部178に高圧エアを供給する。開口部178に高圧エ
アが供給されている間は、ポペット式電磁比例弁10の
上流に所定圧の高圧エアが導かれる。図12(B)に示
す如く、検査装置152は、高圧エアの供給を開始した
後、励磁電流Iを所定の増加勾配で“0”から最大値I
MAX まで増加させる。励磁電流Iが図12(B)に示す
如く変化する過程で、ポペット式電磁比例弁10を流通
するエアの流量Qは、励磁電流Iに対応した増加傾向を
示す。
【0086】上述の如く、ピストン158には、ポペッ
ト式電磁比例弁10を流通する流体の積分値に対応する
ストロークが生ずる。すなわち、ピストン158には、
ポペット式電磁比例弁10を流通するエア流量Qに比例
したストローク速度が生ずる。従って、ピストン158
のストローク、および、ピストン158のストローク速
度には、図12(C)および図12(D)に示す如く、
それぞれ、励磁電流Iの積分値に対応する変化、およ
び、励磁電流Iに対応する変化が現れる。本実施例で
は、図12(D)に示すストローク速度をエア流量Qと
見做して、励磁電流Iとエア流量Qとの関係を検出す
る。
【0087】図13は、検査装置152が特性検査を実
現すべく実行する制御ルーチンの一例のフローチャート
を示す。図13に示すルーチンは、特性検査の開始が指
令される毎に起動される。図13に示すルーチンにおい
ては、先ずステップ190の処理が実行される。ステッ
プ190では、開口部178に対する高圧エアの供給が
開始される。本ステップ190の処理が実行されると、
ポペット式電磁比例弁10の上流に所定圧の高圧エアが
導かれる。
【0088】ステップ192では、励磁電流Iの増大が
開始される。本ステップ192の処理が実行されると、
以後、励磁電流Iは上記図12(B)に示す如く所定の
勾配で最大値IMAX まで増大する。ステップ194で
は、ピストン158のストロークが測定される。本実施
例において、コントローラ182は、本ステップ194
で検出したストロークを基に、単位時間あたりのストロ
ーク変化量を演算し、その値に基づいてエア流量Qを演
算する。
【0089】ステップ196では、励磁電流Iが最大値
MAX まで増大されたか否かが判別される。その結果、
未だ励磁電流Iの増大過程であると判別された場合は、
再び上記ステップ194の処理が実行される。一方、励
磁電流Iが既に最大値IMAXまで増大されていると判別
された場合は、次にステップ198の処理が実行され
る。
【0090】ステップ198では、開口部178への高
圧エアの供給が停止される。本ステップ198の処理が
実行されると、ポペット式電磁比例弁10への高圧エア
の供給が停止される。ステップ200では、電流値I1
〜I3を読みだす処理が実行される。電流値I1〜I3
は、励磁電流Iが増加する過程で、エア流量Qが、それ
ぞれ所定流量Q1〜Q3に一致した際の励磁電流Iの値
である。尚、所定流量Q1、Q2およびQ3は、上述し
た第1実施例の場合と同様に設定されている。
【0091】ステップ202では、リニアリティ係数I
L1およびIL2が演算される。本ステップ202にお
いて、IL1およびIL2は、上記(4)式および
(5)式に従って演算される。ステップ204では、電
流値I2、および、リニアリティ係数IL1,IL2に
基づいて、ポペット式電磁比例弁10の特性が正常であ
るか否かが判別される。本ステップ204では、電流値
I2およびリニアリティ係数IL1,IL2が上記図7
に示す規格を満たしている場合にポペット式電磁比例弁
10が正常であると判別される。この場合、次にステッ
プ206の処理が実行される。
【0092】ステップ206では、ポペット式電磁比例
弁10が正常であるとする判定が行われる。本ステップ
206の処理が終了すると今回のルーチンが終了され
る。一方、上記ステップ204において、電流値I2お
よびリニアリティ係数IL1,IL2の何れかが規格か
ら外れていると判別された場合は、ポペット式電磁比例
弁10が異常であると判別される。この場合、次にステ
ップ208の処理が実行される。
【0093】ステップ120では、ポペット式電磁比例
弁10が異常であるとする判定が行われる。本ステップ
208の処理が終了すると今回のルーチンが終了され
る。上記の処理によれば、使用領域の中央部における
励磁電流Iとエア流量Qとの関係が適正であるか否か、
および、励磁電流Iとエア流量Qとのリニアリティが
適正であるか否かに基づいてポペット式電磁比例弁10
の特性を検査することができる。従って、本実施例の検
査方法によれば、ポペット式電磁比例弁10の特性を、
その下流にリザーバタンク156が組み付けられた状態
で、詳細かつ正確に検査することができる。
【0094】尚、上記の実施例においては、アクチュエ
ータ150の組み付けを行うことにより前記請求項
載の「第1の工程」が、検査装置152が、上記ステッ
プ190の処理を実行することにより前記請求項記載
の「第2の工程」が、上記ステップ194および196
の処理を実行することにより前記請求項記載の「第3
の工程」が、上記ステップ200〜208の処理を実行
することにより前記請求項4記載の「第4の工程」が、
それぞれ実現されている。
【0095】ところで、上述した第3実施例において
は、特性検査の過程で、励磁電流Iを連続的に増大させ
ることとしているが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、上述した第2実施例の場合と同様に、所定のイ
ンターバル期間を挟んで励磁電流Iを段階的に増大させ
ることとしてもよい。
【0096】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、ポペット式電磁比例弁が示す励磁電流と開度との関
係を精度良く検出し、その関係に基づいてポペット式電
磁比例弁の特性を精度良く検査することができる。請求
記載の発明によれば、ポペット式電磁比例弁の下流
にリザーバタンクが組み付けられた状況下で、すなわ
ち、ポペット式電磁比例弁に流量計を取付けることがで
きない状況下で、ポペット式電磁比例弁の特性を精度良
く検査することができる。
【0097】また、請求項6又は7記載の発明によれ
ば、複数の励磁電流の差が僅かであっても、ポペット弁
に、それらの励磁電流に正確に対応する変位を付与する
ことができる。従って、本発明によれば、ポペット式電
磁比例弁の特性を精度良く検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1乃至第3実施例の検査方法の検査
対象であるポペット式電磁比例弁の断面図である。
【図2】図1に示すポペット式電磁比例弁の特性を説明
するための図である。
【図3】本発明の第1および第2実施例の検査方法を実
行する検査装置の構成図である。
【図4】本発明の第1実施例の検査方法の内容を説明す
るためのタイムチャートである。
【図5】本発明の第1実施例の検査方法の実行に伴って
検出される励磁電流Iとエア流量Qとの関係を表すヒス
テリシスループである。
【図6】本発明の第1実施例の検査方法を実現すべく実
行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図7】図6に示す制御ルーチン中で用いられる規格を
示す図である。
【図8】図1に示すポペット式電磁比例弁の動作特性を
説明するためのタイムチャートである。
【図9】本発明の第2実施例の検査方法の内容を説明す
るためのタイムチャートである。
【図10】本発明の第2実施例の検査方法を実現すべく
実行される制御ルーチンの一例のフローチャートであ
る。
【図11】本発明の第3実施例の検査方法を実行する検
査装置の構成と、検査対象であるポペット式電磁比例弁
を内蔵するアクチュエータの構成とを表す図である。
【図12】本発明の第3実施例の検査方法の内容を説明
するためのタイムチャートである。
【図13】本発明の第3実施例の検査方法を実現すべく
実行される制御ルーチンの一例のフローチャートであ
る。
【符号の説明】
10 ポペット式電磁比例弁 14,46 電磁コイル 20 プランジャ 22 ポペット弁 24 ヨーク 26 スプリング 36 弁座 42;152 検査装置 48;184 電源回路 64 開閉弁 I 励磁電流 Q エア流量 IH1〜IH3 ヒステリシス係数 IL1〜IL6 リニアリティ係数 TH 保持期間 TI インターバル期間
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−96375(JP,A) 特開 平8−270823(JP,A) 特開 平9−119555(JP,A) 特開 平4−121623(JP,A) 特開 平1−112115(JP,A) 特公 平7−26703(JP,B2) 特公 平5−71887(JP,B2) 特公 昭60−608(JP,B2) 実公 平6−15285(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 31/00 - 31/11 F16K 51/00 G01M 3/28

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁力と付勢力とのバランスにより変位
    するポペット弁を備え、前記電磁力を変化させることに
    より流路の導通状態を連続的に変化させるポペット式電
    磁比例弁の検査方法であって、 前記ポペット弁に電磁力を付与するための電磁コイルを
    所定位置にセットする第1の工程と、 前記流路の上流に所定圧の流体を供給する第2の工程
    と、励磁電流をゼロから最大値まで所定の増加勾配で増加さ
    せ、最大値からゼロまで所定の減少勾配で減少させる際
    の、 前記流路を流通する流体の流量を検出する第3の工
    程と、所定流量に対応した複数の励磁電流値の差に基づいて、
    ポペット式電磁比例弁の特性を検査する第4の工程と、 を備えることを特徴とするポペット式電磁比例弁の検査
    方法。
  2. 【請求項2】 前記第4の工程では、前記励磁電流の増
    加過程又は減少過程における所定流量に対応した複数の
    励磁電流値の差に基づいて、リニアリティが検査され
    る、請求項1記載のポペット式電磁比例弁の検査方法。
  3. 【請求項3】 前記第4の工程では、前記励磁電流の増
    加過程及び減少過程における同一の所定流量に対応した
    励磁電流値の差に基づいて、ヒステリシスが検査され
    る、請求項1記載のポペット式電磁比例弁の検査方法。
  4. 【請求項4】 電磁力と付勢力とのバランスにより変位
    するポペット弁と、前記ポペット弁に電磁力を付与する
    電磁コイルとを備え、前記電磁コイルを流通する励磁電
    流に応じた流路を確保するポペット式電磁比例弁の検査
    方法であって、 前記ポペット式電磁比例弁の下流側に、ピストンとシリ
    ンダとを備えるリザーバタンクを組み付ける第1の工程
    と、 前記流路の上流に所定圧の流体を供給する第2の工程
    と、励磁電流をゼロから最大値まで所定の増加勾配で増加さ
    せる際の、 前記ピストンに生ずるストローク速度を検出
    する第3の工程と、所定のストローク速度に対応した複数の励磁電流値の差
    に基づいて、 ポペット式電磁比例弁の特性を検査する第
    4の工程と、 を備えることを特徴とするポペット式電磁比例弁の検査
    方法。
  5. 【請求項5】 前記第4の工程では、所定のストローク
    速度に対応した複数の励磁電流値の差に基づいて、リニ
    アリティが検査される、請求項4記載のポペット式電磁
    比例弁の検査方法。
  6. 【請求項6】 電磁力と付勢力とのバランスにより変位
    するポペット弁を備え、前記電磁力を変化させることに
    より流路の導通状態を連続的に変化させるポペット式電
    磁比例弁の検査方法であって、 前記ポペット弁に電磁力を付与するための電磁コイルを
    所定位置にセットする第1の工程と、 前記流路の上流に所定圧の流体を供給する第2の工程
    と、 少なくとも複数の励磁電流に対して、それらの励磁電流
    が前記電磁コイルに供給された際に前記流路を流通する
    流体の流量を検出する第3の工程と、 前記複数の励磁電流とそれらの励磁電流に対応する流体
    の流量との関係に基づいて、ポペット式電磁比例弁の特
    性を検査する第4の工程とを備え、 前記第3の工程において、前記電磁コイルに供給する励
    磁電流を一の電流値から他の電流値に変化させる前に、
    該変化時に前記ポペット弁が摩擦力に抗して変位できる
    ように、前記電磁コイルに供給される電流を、所定期間
    にわたって前記他の電流値と所定値以上異なる値に維持
    することを特徴とする、ポペット式電磁比例弁の検査方
    法。
  7. 【請求項7】 電磁力と付勢力とのバランスにより変位
    するポペット弁と、前記ポペット弁に電磁力を付与する
    電磁コイルとを備え、前記電磁コイルを流通する励磁電
    流に応じた流路を確保するポペット式電磁比例弁の検査
    方法であって、 前記ポペット式電磁比例弁の下流側に、ピストンとシリ
    ンダとを備えるリザーバタンクを組み付ける第1の工程
    と、 前記流路の上流に所定圧の流体を供給する第2の工程
    と、 少なくとも複数の励磁電流に対して、それらの励磁電流
    が前記電磁コイルに供給された際に前記ピストンに生ず
    るストロークを検出する第3の工程と、 前記複数の励磁電流とそれらの励磁電流に対応するスト
    ロークとの関係に基づいて、ポペット式電磁比例弁の特
    性を検査する第4の工程とを備え、 前記第3の工程において、前記電磁コイルに供給する励
    磁電流を一の電流値から他の電流値に変化させる前に、
    該変化時に前記ポペット弁が摩擦力に抗して変位できる
    ように、前記電磁コイルに供給される電流を、所定期間
    にわたって前記他の電流値と所定値以上異なる値に維持
    することを特徴とする、ポペット式電磁比例弁の検査方
    法。
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