JP3521670B2 - イオンビーム加工機 - Google Patents

イオンビーム加工機

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JP3521670B2
JP3521670B2 JP03383097A JP3383097A JP3521670B2 JP 3521670 B2 JP3521670 B2 JP 3521670B2 JP 03383097 A JP03383097 A JP 03383097A JP 3383097 A JP3383097 A JP 3383097A JP 3521670 B2 JP3521670 B2 JP 3521670B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオンビームを用
いて被加工物を加工するイオンビーム加工機に係り、特
に、イオンビームの通過経路に電子を供給するためのニ
ュートラライザを有するイオンビーム加工機に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種のニュートラライザは、
電子を出しやすい材質(例えばタングステン,タンタル
等)からなる線を張り、このフィラメント線が電線によ
り昇温することにより電子を出力し、該電子によりイオ
ンビームを電気的に中性化するものである。しかし、フ
ィラメント線を単に昇温しただけでは電子はイオンビー
ムを充分に中性化する分だけ供給することができない。
そのため、従来のイオンビーム加工機にあっては、フィ
ラメント線イオンビームの通過路に配置することによ
り、フィラメント線の周囲の電子をイオンビームが奪っ
ていくと同時に、数Vの電位を持っているイオンビーム
電子間に電位差が生じることにより、フィラメントか
ら電子が引き出され、該引き出された電子によりイオン
ビームを中性化している。
【0003】この種の装置に関連するものとして、特公
平6−10970号公報等が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
被処理物を可及的に低温で処理し、しかも被加工物,ニ
ュートラライザのある処理室を長時間大気開放すること
なく処理することが要請されており(一週間程度のメン
テナンスフリーの要求)、そのため、ニュートラライザ
用フィラメント線を長寿命化する必要がある。しかしな
がら、上記に示す従来のイオンビーム加工機は、フィラ
メント線を長寿命化することについて配慮されていなか
った。そのため、加工機を一週間運転しようとしても、
その途中でフィラメント線が切れてしまい、交換せざる
を得ず、メンテナンス周期までフィラメント線がもたな
いのが実情であった。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術の問題点に
鑑み、ニュートラライザ用フィラメント線を確実に長寿
命化することができるイオンビーム加工機を提供するこ
とにある。
【0006】本発明では、プラズマを発生させるイオン
源と、被加工物を設置した処理室と、オン源により発
生したプラズマをイオンビームとして処理室に引き出
極と、処理室に電子を供給し、かつイオンビームを中
性化するニュートラライザとを備えたイオンビーム加工
機において、ニュートラライザが、イオンビームとの電
位差を大きくして、負の電子を処理室に供給する手段を
有することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1〜図
3により説明する。図1は本発明の一実施例を示してい
る。図1に示すイオンビーム加工機は、プラズマを発生
させるイオン源1と、被加工物2を設置した処理室3
と、該イオン源1により発生したプラズマをイオンビー
ム4として処理室3に引き出す引き出し電極5とを有
し、処理室3に引き出されたイオンビーム4が被加工物
2に照射されることにより被加工物2を加工する。その
とき、処理室3内の被加工物2が絶縁性の材料の場合、
被加工物2がイオンビーム4により電位をもつことから
(チャージアップ)、部分放電を起こしたり、イオンビ
ーム4の照射量が変化するおそれがあるので、処理室3
にニュートラライザ6を設置し、該ニュートラライザ6
より電子を供給し、イオンビーム4内のイオンを中性化
することにより、部分放電の防止を図るようにしてい
る。なお、図1において、符号5aは、引き出し電極用
の電源である。
【0008】ニュートラライザ6は、図1に示すよう
に、処理室3の外部に設けられた電源7と、これに接続
されると共に処理室3内のイオンビーム4が通過する位
置に設けられ、かつタンタル線からなるフィラメント線
8と、処理室3内に供給する電子量を計測するための計
測器9とを有し、フィラメント線8を加熱して電子を放
出するこにより、イオンビーム4が中性化される。
【0009】そして実施例のイオンビーム加工機は、ニ
ュートラライザ6にバイアス抵抗10が設けられてい
る。具体的には、バイアス抵抗10は、ニュートラライ
ザ6の電源7とフィラメント線8間の接続部に接続さ
れ、ニュートラライザ6から放出される電子に対し、負
の電位を与えるようにしている。即ち、バイアス抵抗1
0を用いると、ニュートラライザ6のフィラメント線8
がバイアス抵抗10の分だけ負の電位となり、イオンビ
ーム4との間の電位差を大きくとることができる。
【0010】例えば、従来例においては、ニュートララ
イザフィラメント線としてφ0.4mmのタンタル線を
用いた場合、これに約10Aの電流を印加し、フィラメ
ント線温度が推定で2500程度で0.6mA/cm
2のイオンビームに対し過剰となるように、ニュートラ
ライザ6からイオンビーム電流の140%程度の電子を
放出させることにより中性化することができるが、ここ
でイオンビーム4の電位が5Vとすると、フィラメント
線8の電位差は5Vである
【0011】実施例においては、従来例と同様のフィラ
メント線を用いると共に、同様の電流を印加した場合、
上述の如きバイアス抵抗10を設けると、フィラメント
線8の電位が−5Vとなり、フィラメント線8とイオン
ビーム4との電位差が10Vとなる。従って、従来例に
比較して大きな電位差となり、その大きくなっている電
位差に相当する分、フィラメント線8からの電子の引き
出し量が増加する。そのため、電子の引き出し量の増加
した分だけフィラメント線に対する印加電流、即ち、関
係するフィラメント温度を下げることができる。因み
に、実験によれば、従来例に本発明実施例を適用する
と、8A程度の電流で従来例と同様の効果を得ることが
でき、このときフィラメント線8の推定温度は2200
程度となる。
【0012】その結果、ニュートラライザ6にバイアス
抵抗10を設けることにより、フィラメント線8を低い
温度で使用することができ、フィラメント線8の長寿命
化を確実に図ることができる。これにより、寿命65時
間であったものが、100時間以上使用することが可能
となり、これは一週間分の加工機の運転時間の間、フィ
ラメント線8を交換する必要のない数値であり、従来例
のようにメンテナンス周期に至るまでの途中でフィラメ
ント線8を交換することが不要になる効果がある。しか
も、従来例に比較し、小さい容量の電源8で済むので、
それだけ小形でかつ経済的である。さらに、バイアス抵
抗10は、電源7及びフィラメント線8間の接続部に接
続するだけであるので、簡単かつ容易に行うことができ
る。
【0013】上述した実施例では、ニュートラライザ6
の電源として、直流電源7を用いた例を示したが、交流
電流を用いても同様の作用効果を得ることができる。例
えば図2に示すニュートラライザ6は、交流電源7A
絶縁トランス8aの一次コイル側に接続されると共に、
その二次コイル側が処理室3内に配置されたニュートラ
ライザ8bに接続される。該二次コイルの両側位置にバ
イアス抵抗10がそれぞれ接続されることにより、ニュ
ートラライザ8bから供給される電子を負の電位とする
ことができる。この場合、ニュートラライザ8bは、処
理室3に配置するには、該処理室3を形成する周壁に対
し、一実施例の場合と同様に絶縁処理が施される。
【0014】この実施例においても前記一実施例と同様
の作用効果を得ることができる。なお、図1及び図2に
示す実施例によれば、バイアス抵抗10が設けられた例
を示したが、例えばケーブルのように抵抗をもってお
り、バイアス抵抗と等価な機能を果たすものであっても
よい。
【0015】また、上述の如き直流電源7,交流電源7
Aのみならず、プラズマブリッジ方式のニュートラライ
ザにも適用することができる。即ち、図3に示すよう
に、電子供給部11が処理室3に絶縁処理を施して取付
けられ、その電子供給部11の電源としてバイアス電源
7Bが接続され、電子供給部11より負の電子を供給す
ることによっても実現することができる。この場合、バ
イアス電源7Bを用いることによって実現できるので、
簡単かつ容易に行うことができる。従って、処理室3内
のイオンビーム4を中性化するため、図1乃至図3の何
れかを適用すれば、イオンビーム4と供給される電子と
の電位差を大きくできるので、一実施例と同様の作用効
果を得ることができる。
【0016】以上述べたように、本発明によれば、ニュ
ートラライザのフィラメント線から供給する電子を負の
電位とすることにより、フィラメント線を低い温度で使
用することができるように構成したので、輻射熱を受け
る被加工物の加工時の低温化を図ることができると共
に、フィラメント線の長寿命化を確実に図ることがで
き、メンテナンス周期の途中でフィラメント線を交換す
る作業が不要になる効果もあり、しかも小さい容量の電
源で済むので、それだけ小形でかつ経済的な効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体説明図。
【図2】本発明の他の実施例を示す要部の説明図。
【図3】同じく本発明の他の実施例を示す要部の説明
図。
【符号の説明】
1…イオン源、2…被加工物、3…処理室、4…イオン
ビーム、5…引きだし電極、6…ニュートラライザ、7
…直流電源、7A…交流電源、7B…バイアス電源、1
0…バイアス抵抗。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平2−59561(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 H01J 37/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマを発生させるイオン源と、被加工
    物を設置した処理室と、該イオン源により発生したプラ
    ズマをイオンビームとして処理室に引き出す引き出し電
    極と、処理室に電子を供給し、かつイオンビームを中性
    化するニュートラライザとを備えたイオンビーム加工機
    において、 ニュートラライザは、前記処理室の外部に設けられた電源と、 当該電源に接続されると共に前記処理室内に設けられ、
    前記電源によって加熱されるフィラメントと、 前記電源とフィラメントの間に接続され、前記フィラメ
    ントに、当該フィラメントから放出される電子に対し、
    負の電位を与えるためのバイアス抵抗 を有することを特
    徴とするイオンビーム加工機。
  2. 【請求項2】プラズマを発生させるイオン源と、被加工
    物を設置した処理室と、該イオン源により発生したプラ
    ズマをイオンビームとして処理室に引き出す引き出し電
    極と、処理室に電子を供給し、かつイオンビームを中性
    化するニュートラライザとを備えたイオンビーム加工機
    において、 ニュートラライザは、 前記処理室の外部に設けられた交流電源と、 当該交流電源に接続されると共に前記処理室内に設けら
    れ、前記電源によって加熱されるフィラメントと、 前記フィラメントの2つの端部それぞれに接続され、当
    該フィラメントに、当該フィラメントから放出される電
    子に対し、負の電位を与えるためのバイアス抵抗を有す
    ることを特徴とする イオンビーム加工機。
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