JP3521364B2 - 脱気装置及び脱気方法 - Google Patents

脱気装置及び脱気方法

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JP3521364B2
JP3521364B2 JP07449595A JP7449595A JP3521364B2 JP 3521364 B2 JP3521364 B2 JP 3521364B2 JP 07449595 A JP07449595 A JP 07449595A JP 7449595 A JP7449595 A JP 7449595A JP 3521364 B2 JP3521364 B2 JP 3521364B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は脱気装置及び脱気方法
に係り、その目的は半導体製造工程等に用いられるリン
ス液や現像液など脱気を要する処理液を間欠的に被対象
物へ供給する作業において、特殊な装置を必要とせず、
高度に脱気処理された処理液を直接被対象物上へ安定し
て効率良く供給することのできる脱気装置及び脱気方法
を提供することにある。尚、この明細書中「塗布対象へ
の必要量」とは目的とする被対象物に一度に塗布するた
めに必要な処理液量のことを指す。また、脱気エレメン
ト内部より排出される「処理液の液量」とは、一度に排
出される処理液量のことを指す。
【0002】
【発明の背景】半導体を製造する工程中、ウェハー上に
塗布されたレジストにパターンを露光した後現像液を用
いて現像する工程は、一定間隔で現像液を供給し塗布す
るという間欠運転により行われている。この工程で用い
られる現像液は、主に窒素ガス等で圧送されて目的とす
る被対象物上に塗布されることから、現像液中に気泡が
発生しやすくなり、この結果、ウェハー上のパターンに
欠陥が発生して仕上がりが悪くなることが多かった。
【0003】
【従来の技術】現像液中に溶存している気体を除去する
方法として、気体を選択的に透過する分離膜を組み込ん
だ脱気装置を用いる方法が存在する。この脱気装置とし
ては図6にその一例を示すように長尺な気体透過性の合
成樹脂製チューブaを多数本束ねたチューブ束bと、こ
のチューブ束bの端部に、熱融着性樹脂粉末を介して接
合一体化される筒状の嵌合片cとから構成される脱気装
置Dが例示できる。このような脱気装置Dを用いて半導
体ウェハーへの現像液の塗布を行う工程を説明すると、
図7に示すようにタンクe中の現像液を窒素ガスfによ
り圧送して脱気装置D内のチューブa内に供給する。こ
の時、チューブaの外側を真空ポンプgで減圧すること
により現像液中に溶解されている気体がチューブaを透
過して脱気される。次いで、このように脱気された現像
液をタンクhに供給し、この液を送液ポンプiを介して
ノズルjからウェハーk上に塗布する。以上のような工
程を連続的に行えば、ウェハー上に塗布しなければなら
ない必要液量が多くても連続的に現像処理を行うことが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
ような塗布工程では、脱気装置により脱気した処理液を
再びタンクhに供給することにより、タンクh内に貯留
される液量が変動してしまうこととなる。このため、タ
ンク内の気体の量をコントロールするための特殊な気体
調整弁が必要になったり、或いは貯留されている脱気液
を次工程へ供給するための送液ポンプが必要になるな
ど、イニシャルコストが高くなるとともに、脱気された
現像液が再び気体と接するために、再度現像液中に気体
が溶解してしまって高度に脱気された処理液を被対象物
に塗布できず、製品の歩留まりが低下してしまうという
課題が存在した。そこでこの発明では、前記のような特
殊な気体調整弁や脱気液を次工程へ供給するための送液
ポンプを必要とせず、イニシャルコストを安価にするこ
とができるとともに、高度に脱気処理がなされた処理液
を直接半導体ウェハー上に安定して効率良く供給するこ
とができ、脱気処理液を使用する製品の製造を歩留りよ
く行うことのできる脱気装置及び脱気方法の提供を目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決するためになされたものであって、請求項1の脱気装
置では真空チャンバーと脱気エレメントとからなる脱気
装置において、前記真空チャンバーには系内を減圧に維
持するための減圧装置が連結される真空連絡口と、脱気
エレメントの端部が挿通される接続口とが形成され、前
記脱気エレメントは複数本の気体透過性チューブからな
るチューブ束とこのチューブ束の両端部のそれぞれに嵌
合される筒状アダプターとからなり、該脱気エレメント
はその内容量が少なくとも脱気処理液が供給される塗布
対象への必要量以上に設定され、且つアダプターが真空
チャンバーの接続口に挿通されるとともにチューブ束が
真空チャンバーの系内に配設され、前記アダプターのう
ちの一方のアダプターが脱気対象となる処理液の供給路
と連結され、且つ他方のアダプターが脱気された処理液
の排出路と連結されてなるとともに、前記脱気エレメン
トからの処理液の排出運転を間欠的に行う制御手段を備
えてなることとした。請求項2の脱気方法では、複数本
の気体透過性チューブからなるチューブ束の両端部のそ
れぞれに筒状アダプターを嵌合して脱気エレメントと
し、この脱気エレメントの内容量を少なくとも塗布対象
への必要量以上に設定し、該エレメントのチューブ束
真空チャンバーの系内に配設するとともに前記アダプタ
ーを真空チャンバーの接続口に挿通させて脱気装置を形
成し、この脱気装置の系内を減圧状態に維持するととも
一方のアダプターを介して処理液を脱気エレメント内
部に供給し、供給された処理液を他方のアダプターを介
して脱気エレメント内部より排出してなる脱気処理工程
において、脱気エレメント内部より排出される処理液の
液量を塗布対象への必要量以上で且つ脱気エレメント
容量以下とするとともにこの処理液の排出を間欠的に行
うこととした。
【0006】
【作用】請求項1の脱気装置では処理液をアダプターを
介して真空チャンバーの系内に送り込み、この系内にて
脱気を行い、且つ脱気された処理液をそのまま排出して
被対象物上へと供給することができるので、非常に効率
良く脱気処理を行うことができる。請求項2の脱気方法
では、気体透過性のチューブで構成された脱気エレメン
トを真空チャンバーの系内に配設し、この脱気エレメン
トに処理液を供給するとともに、供給された処理液を脱
気エレメントより排出する際、この排出される液量を塗
布対象への必要量以上で且つ脱気エレメント内容量以下
とするとともに、排出を間欠的に行うこととしているの
で、被対象物に対する処理液の供給が停止されている間
に真空チャンバーの系内で処理液中の溶存気体を充分に
除去することができ、しかも脱気された処理液を再び気
体と接触させることなく直接被対象物上に安定して供給
することができ、製品の歩留りを良好にすることができ
る。
【0007】
【発明の構成】以下、この発明に係る脱気装置及び脱気
方法の構成を図面を参照しながら詳述する。まず、脱気
装置について詳述する。図1はこの発明において使用さ
れる脱気装置1の一実施例を示す説明図であり、図2は
脱気装置1において装着されている脱気エレメント2の
一実施例を示す断面図である。この発明において使用さ
れる脱気装置1は、真空チャンバー2の接続口21に脱
気エレメント3を挿通させることによって構成される。
真空チャンバー2には系内を減圧状態とするための真空
ポンプ(図示せず)が連結される真空連絡口22が形成
されている。脱気エレメント3は、図2に示すように複
数本の気体透過性チューブ30からなるチューブ束31
の両端部に筒状アダプター32を嵌合して構成される。
【0008】ここで、気体透過性チューブ30としては
例えば非多孔質で気体透過性を有する材質から形成され
るものが、液体を透過させにくいため特に好ましく使用
される。すなわち、非多孔質のものを用いることにより
処理液の組成、濃度等の変化を最小限に抑えながら、処
理液中に溶解されている気体を効率良く除去することが
でき望ましい。非多孔質で気体を透過させることのでき
る材質として具体的にはポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、テトラフルオロエテレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフ
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合
体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(P
CTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ
フッ化ビニル等の含フッ素高分子、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン、シリコーンゴム、ジメ
チルシロキサン−ポリカーボネート共重合体などの含ケ
イ素ポリマー、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル
などのビニル重合体、ナイロン6 、ナイロン66、ポリ
エステル、ポリエーテルなどの汎用ポリマー、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、
ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルス
ルホン、ポリイミドなどのエンジニアリングプラスチッ
ク、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン
酸セルロースなどのセルロース誘導体、キチン、キトサ
ン等の多糖類やポリアミノ酸類等或いはセラミックス
類、金属類等が特に限定されることなく好適に例示でき
る。
【0009】さらに気体透過性チューブ30として、液
体は透過しないが気体は透過する多孔質チューブを用い
てもよい。このような多孔質チューブを使用することに
より、処理液の組成や濃度が変化しても、この変化によ
る影響をあまり受けない工程で用いられる処理液中に溶
解している気体を大量且つ素早く除去できるため好まし
い。また、この多孔質チューブとしては、気孔率が85
%以下、平均孔径が5μm以下であるものが望ましい。
この理由は多孔質チューブを使用する場合、その気孔率
が85%を超えると、或いはチューブの平均孔径が5μ
mを超えると供給されてきた処理液が真空チャンバー2
の系内へ漏れてしまいやすくなり、結果として排出され
る脱気処理液の歩留りが低下してしまい好ましくないか
らである。
【0010】具体的に液体を透過させず気体を透過する
性質を有した材質としては、例えば、PTFE、PF
A、FEP、ETFE、PCTFE、PVdF、ポリフ
ッ化ビニル等の含フッ素高分子、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン、シリコーンゴム、ジメチ
ルシロキサン−ポリカーボネート共重合体などの含ケイ
素ポリマー、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニルな
どのビニル重合体、ナイロン6 、ナイロン66、ポリエ
ステル、ポリエーテルなどの汎用ポリマー、アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポ
リフェニレンオキシド、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリイミドなどのエンジニアリングプラスチック、
二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セ
ルロースなどのセルロース誘導体、キチン、キトサン等
の多糖類やポリアミノ酸類、セラミックス類、金属類等
が例示できる。
【0011】また、気体透過性チューブ30として、液
体が透過しやすい多孔質のものを使用する場合、脱気対
象とされる処理液に対して撥水性を有する液体を多孔質
体の全体、或いは表面に塗布しておいてもよい。尚、こ
の発明において多孔質とは孔径が10オングストローム
(=1nm)以上で5μm以下のものを指し、一方、非
多孔質とは孔径が10オングストローム(=1nm)よ
り小さい膜を指す。
【0012】この発明においてチューブ束31は、上記
したような気体透過性チューブ30を複数本束ねて構成
されるが、チューブ30の本数としては特に限定はされ
ず、数本、数十本、数百本など任意の数を適宜選択する
ことができる。また、気体透過性チューブ30の内径と
しては、0.1mm以上のものが好ましく、特に0.5
〜5mm程度のものが後述するエレメント化を容易に行
えるためより望ましい。またチューブ30の長さは1c
m以上のものが好ましく、特に10〜2000cmのも
のがエレメント化が容易になるためより望ましい。さら
にチューブ30の厚みは0.01mm以上が好ましく、
特に0.1〜1mmの厚みのものが脱気効率がよく、ま
た取り扱いも容易となるため特に望ましい。さらにチュ
ーブ束31は非多孔質又は多孔質のチューブから構成さ
れる単一材質のチューブよりなるチューブ束でも、或い
は多孔質チューブに気体透過性を有した材料を積層ある
いは含浸させた複合チューブ束や、多孔質チューブの積
層体などがいずれのものでも特に限定されることなく好
適に使用できる。
【0013】チューブ束31の両端部には筒状のアダプ
ター32が嵌合される。筒状アダプター32としては特
に限定はされないが、フッ素樹脂製のものが後述するフ
ッ素樹脂粉末と一体接合化できるためより望ましく使用
できる。アダプター32を構成するフッ素樹脂としては
例えばPTFE、PFA、FEP、ETFE、PCTF
E等が好適に例示できる。
【0014】上記のような筒状アダプター32は、チュ
ーブ束31の端部において、熱溶融性樹脂を介して熱融
着によりチューブ束31と接合一体化されるのが望まし
い。この理由は、熱溶融性樹脂を介して熱融着によりチ
ューブ束31とアダプター32とを接合一体化すること
により、チューブ束31の接合を位置ズレを起こすこと
なく行えるとともに、このように接合一体化することに
より、真空チャンバー接続口21への装着が極めて容易
となり、好ましいからである。熱溶融性樹脂としては、
融着後チューブに熱劣化を起こさない程度の樹脂を選択
するのが好ましく、例えばチューブの材質がPTFEな
どのフッ素樹脂成形品であるなら、PFA、FEP、E
TFE、PTFEなどの粉末が好適に使用される。さら
にチューブの材質が熱劣化を起こしやすいものである場
合には、エポキシ樹脂やウレタン樹脂等の接着剤により
接合一体化してもよい。
【0015】具体的にチューブ束31を形成するには、
例えば小径チューブの多数本を引き揃え、各チューブ3
0の端部の外周面上に前述したような熱溶融性樹脂の粉
末を散布し、この散布部分を加熱加圧して各チューブ3
0相互を樹脂粉末33を介して融着一体化する方法を例
示することができる。尚、この一体化の際にはチューブ
の変形を防止するために、チューブ内に金属線、金属棒
のような耐圧芯材を挿入させておいてもよく、或いは端
部に金型を外挿させておいてもよい。以上のようにュー
ブ束31の端部に筒状アダプター32を挿通し、熱溶融
性樹脂33を介して接合一体化し、脱気エレメント3と
する。
【0016】尚、この発明においては筒状のアダプター
32として熱収縮性を有するものを用い、熱溶融性樹脂
の融着性と、アダプター32の熱収縮力とによりチュー
ブ束31とアダプター32を接合一体化する方法も好ま
しく採用することができる。
【0017】上記したような脱気エレメント3は、その
両端のアダプター32が接続口21に挿通されて真空チ
ャンバー2の系内に配設される。また、脱気エレメント
3の端部は図3に示すように各チューブ30の端部が開
口状態とされ、処理液が常時供給できる状態とされてい
る。すなわち、一のアダプター32aには脱気処理を必
要とする処理液の供給路が連結され、他方のアダプター
32bには真空チャンバーの系内にて脱気された処理液
を排出する排出路が連結される。また、この発明におい
ては、脱気エレメント3の内容量は1cc以上とされる
ことが望ましい。この理由は、内径が非常に小さいチュ
ーブ30を用いているため、少流量のコントロールが可
能となり、非常に少量の処理から大量の処理を可能とす
ることができ、好ましいからである。
【0018】上記のように構成された脱気装置を用いて
処理液の脱気を行う方法について以下詳述する。まず、
図4に示すように脱気装置1の脱気エレメント3のアダ
プター32aに送液ポンプ4を介して処理液タンク5を
連結させる。一方、脱気エレメント3の他方のアダプタ
ー32bには先端部を被対象物A上面に位置させたパイ
プ8を連結する。また、真空チャンバー2の真空連絡口
22に真空ポンプ7を連結し、真空チャンバー2系内を
減圧状態とする。以上のように各装置を連結した状態
で、送液ポンプ4を作動させ、脱気エレメント2への処
理液の供給を行う。すなわち、一のアダプター32aを
介して脱気エレメント3内に供給されてきた処理液は、
真空チャンバー2の系内で溶存気体が除去されて脱気さ
れるとともにこのように脱気された処理液は他方のアダ
プター32bより系外へ排出され、目的とする被対象物
上へ塗布される。この発明において、処理液を真空チャ
ンバー2系外へ排出し、被対象物上へ塗布する運転は間
欠的に行われる。間欠的とは、脱気エレメント3からの
排出を一時的に停止し、一定時間経過した後、再度処理
液の排出を行うという運転を繰り返し連続的に行う運転
方法を指す。
【0019】この間欠運転の方法としては、電磁弁等を
使用した制御方法により行うことができる。この発明に
おいて、特に脱気エレメント3からの処理液の排出運転
を間欠的に行うこととするのは、所定量の処理液を脱気
エレメント3より排出し、この状態で処理液の排出を一
時停止すると、真空チャンバーの系内にて供給されてき
た処理液が一時的に貯留することとなり、この貯留時に
溶存気体がチューブ30壁を透過していくこととなるた
め、結果として処理液を充分に脱気することができるか
らである。またこの発明において、脱気エレメント3の
内容量は塗布対象に一度に塗布される必要量以上の容量
に設定され、且つこの脱気エレメント3より排出される
処理液量は塗布対象への必要量以上で且つ脱気エレメン
内容量以下とされる。この理由は、真空チャンバー2
より、塗布対象への必要量以上で且つ脱気エレメント
容量以下の処理液を間欠的に排出することにより、前述
したように充分な脱気処理を経た処理液を目的とする被
対象物A上に直接瞬時に安定して供給することができ、
極めて効率良く処理工程を行えるからである。また、脱
気エレメント2の内容量を被対象物に一度に塗布される
量以上に設定するのは、上記のように充分に脱気された
処理液を瞬時に被対象物A上に供給する工程において、
一度の供給で一の工程を終了することができ、製品の歩
留りを良好にすることができるからである。このように
溶存気体が除去された処理液はパイプ8を通って被対象
物A上へ塗布される。
【0020】
【実施例】以下、この発明に係る脱気方法の効果を実施
例を挙げることにより、一層詳細に説明する。但し、こ
の発明は以下の実施例には限定されない。
【0021】
【実施例1】内径0.5mm、外径0.8mmの長さ
3.6mのPTFEチューブを7本結束して得られたチ
ューブ束の端部に金型を外挿すると共に、各チューブの
端部外周面上にPFA粉末を散布して、温度370℃で
10分間加熱加圧し、上記の粉末によりチューブ相互を
融着一体化することにより、断面円形のチューブ束を得
た。一方、これとは別にパイプ状のPTFE製アダプタ
ーを用意し、この開口部を前記融着後のチューブ束に挿
入し、さらにアダプターの開口部上に金型を配置して温
度370℃で20分間加熱加圧し、チューブ束とアダプ
ターとを融着一体化して、図2に示すような有効チュー
ブ長さ3.5m、エレメント内容量5ccの脱気エレメ
ントを作成した。
【0022】この脱気エレメントを図5に示すように真
空チャンバー2に取り付けて脱気装置とするとともに、
図示するように脱気エレメント3のアダプター32aに
送液ポンプ4を介して処理液タンク5を連結させる。処
理液タンク5には先端に散気管61を設けたコンプレッ
サー6を連結する。一方、脱気エレメント3の他方のア
ダプター32bにはパイプ8を連結し、このパイプ8に
溶存酸素計9を取り付ける。また、真空チャンバー2の
真空連絡口22に真空ポンプ7を連結し、真空チャンバ
ー2系内を減圧状態とする。以上のように構成された運
転装置を用いて以下の試験を行った。尚、処理液として
は純水を用い、脱気エレメント3に供給されてくる処理
液中の溶存酸素量と、真空チャンバー2より排出される
処理液中の溶存酸素量とをそれぞれ溶存酸素計により測
定して以下の式より脱気効率を算出した。
【0023】まず、コンプレッサー6から空気を散気管
61を介して処理液中へ供給し、処理液タンク5内部の
気体量を飽和状態とする。この後、送液ポンプ4を作動
させ、脱気エレメント3へ処理液を供給する。また、脱
気エレメント3内部に供給されてきた処理液をアダプタ
ー32bを介して真空チャンバー2よりパイプ8へ間欠
運転により排出する。この間欠運転としては、60秒間
で5cc容量の処理液を脱気エレメント3より排出した
後、5秒間停止し、その後、さらに60秒間で5cc容
量の処理液を排出した後5秒間停止する間隔で運転を行
った。
【0024】
【比較例1】実施例1と同様の脱気装置を使用して、間
欠運転として60秒間で20cc容量の処理液を脱気エ
レメント3より排出した後、5秒間停止し、その後、さ
らに60秒間で20cc容量の処理液を排出した後、5
秒間停止する間隔で運転を行った。
【0025】
【実施例2】内径0.5mm、外径0.8mmの長さ
3.6mのPTFEチューブを30本結束して、実施例
1と同様の方法で有効チューブ長さ3.5m、エレメン
ト内容量20ccの脱気エレメントを作成した。この脱
気エレメントを用いて実施例1と同様の脱気装置を作成
し、間欠運転として60秒間で20cc容量の処理液を
脱気エレメント3より排出した後、5秒間停止し、その
後、さらに60秒間で20cc容量の処理液を排出した
後、5秒間停止する間隔で運転を行った。
【0026】
【実施例3】上記実施例2と同様の脱気装置を使用し、
間欠運転として60秒間で20cc容量の処理液を脱気
エレメント3より排出した後、30秒間停止し、その
後、さらに60秒間で20cc容量の処理液を排出した
後、30秒間停止する間隔で運転を行った。
【0027】
【実施例4】ポリテトラフルオロエチレンファインパウ
ダー(三井デュポンフロロケミカル社製)のテフロン6
−Jを1Kgと、ソルベントナフサ0.2Kgを混合し
た後、12時間放置した。これを30Kgf/cm2
圧力で予備成形した後、絞り率50%、押し出し速度2
倍の速度でダイスから引取り、340℃の円筒状の炉で
焼成して内径0.5mm、外径0.8mmの多孔質チュ
ーブを作成した。このチューブの平均孔径を測定したと
ころ0.8μmで、気孔率は30%であった。この多孔
質チューブ(長さ0.6m)を52本結束して実施例1
と同様に脱気エレメントを作成した。この脱気エレメン
トの有効チューブ長さは0.5m、エレメント内容量は
20ccであった。この脱気エレメントを用いて実施例
1と同様の脱気装置とし、間欠運転として60秒間で2
0cc容量の処理液を脱気エレメント3より排出した
後、5秒間停止し、その後、さらに60秒間で20cc
容量の処理液を排出した後、5秒間停止する間隔で運転
を行った。
【0028】
【比較例2】実施例4の脱気装置を使用し、間欠運転と
して60秒間で100cc容量の処理液を脱気エレメン
ト3より排出した後、5秒間停止し、その後、さらに6
0秒間で100cc容量の処理液を排出した後、5秒間
停止する間隔で運転を行った。
【0029】
【実施例5】実施例4と同様の多孔質チューブ(長さ
0.6m)260本結束して実施例1と同様に脱気エレ
メントを作成した。この脱気エレメントの有効チューブ
長さは0.5m、エレメント内容量は102ccであっ
た。この脱気エレメントを用いて実施例1と同様の脱気
装置とし、間欠運転として60秒間で100cc容量の
処理液を脱気エレメント3より排出した後、5秒間停止
し、その後、さらに60秒間で100cc容量の処理液
を排出した後、5秒間停止する間隔で運転を行った。
【0030】
【実施例6】実施例5と同様の脱気装置を使用し、間欠
運転として60秒間で100cc容量の処理液を脱気エ
レメント3より排出した後、30秒間停止し、その後、
さらに60秒間で100cc容量の処理液を排出した
後、30秒間停止する間隔で運転を行った。
【0031】上記の実施例1〜6及び比較例1〜2で行
った試験の結果を表1に示す。
【表1】
【0032】表1の結果から明らかな如く、脱気エレメ
ントの内容量と同容量の処理液を間欠的に排出する方法
(実施例)では、脱気効率が良いことが判る。これに対
し、脱気エレメントの内容量以上の処理液を排出した場
合、脱気効率が低下することが判る。
【0033】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明は真
空チャンバーと脱気エレメントとからなる脱気装置にお
いて、前記真空チャンバーには系内を減圧に維持するた
めの減圧装置が連結される真空連絡口と、脱気エレメン
トの端部が挿通される接続口とが形成され、前記脱気エ
レメントは複数本の気体透過性チューブからなるチュー
ブ束とこのチューブ束の両端部のそれぞれに嵌合される
筒状アダプターとからなり、該脱気エレメントはその内
容量が少なくとも脱気処理液が供給される塗布対象への
必要量以上に設定され、且つアダプターが真空チャンバ
ーの接続口に挿通されるとともにチューブ束が真空チャ
ンバーの系内に配設され、前記アダプターのうちの一方
アダプターが脱気対象となる処理液の供給路と連結さ
れ、且つ他方のアダプターが脱気された処理液の排出路
と連結されてなるとともに、前記脱気エレメントからの
処理液の排出運転を間欠的に行う制御手段を備えてなる
ことを特徴とする脱気装置であるから、処理液を真空チ
ャンバーの系内にて効率良く脱気を行い、且つ脱気され
た処理液を直接被対象物上に供給することができるた
め、非常に効率良く脱気処理を行うことができるという
優れた効果を奏する。請求項2の発明は複数本の気体透
過性チューブからなるチューブ束の両端部のそれぞれ
筒状アダプターを嵌合して脱気エレメントとし、この脱
気エレメントの内容量を少なくとも塗布対象への必要量
以上に設定し、該エレメントのチューブ束を真空チャン
バーの系内に配設するとともに前記アダプターを真空チ
ャンバーの接続口に挿通させて脱気装置を形成し、この
脱気装置の系内を減圧状態に維持するとともに一方の
ダプターを介して処理液を脱気エレメント内部に供給
し、供給された処理液を他方のアダプターを介して脱気
エレメント内部より排出してなる脱気処理工程におい
て、脱気エレメント内部より排出される処理液の液量を
塗布対象への必要量以上で且つ脱気エレメント内容量
下とするとともにこの処理液の排出を間欠的に行うこと
を特徴とする脱気方法であるから、前記実施例の結果か
らも明らかな如く、高度に脱気処理された処理液を直接
被対象物上へ安定して効率良く供給することができ、脱
気処理液を使用する製品の製造等の工程を極めて効率良
く行うことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の脱気方法において使用される脱気装
置の一例を示す断面説明図である。
【図2】上記脱気装置にて使用される脱気エレメントの
一例を示す断面図である。
【図3】脱気エレメントの端部を示す正面図である。
【図4】この発明の脱気方法の一実施例において使用さ
れる装置の一例を示す説明図である。
【図5】この発明の脱気方法の効果を試験する試験例を
示す模式図である。
【図6】従来の脱気エレメントの一例を示す断面図であ
る。
【図7】従来の脱気方法の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 脱気装置 2 真空チャンバー 21 接続口 3 脱気エレメント 30 気体透過性チューブ 31 チューブ束 32 アダプター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 19/00 - 19/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバーと脱気エレメントとから
    なる脱気装置において、前記真空チャンバーには系内を
    減圧に維持するための減圧装置が連結される真空連絡口
    と、脱気エレメントの端部が挿通される接続口とが形成
    され、前記脱気エレメントは複数本の気体透過性チュー
    ブからなるチューブ束とこのチューブ束の両端部のそれ
    ぞれに嵌合される筒状アダプターとからなり、該脱気エ
    レメントはその内容量が少なくとも脱気処理液が供給さ
    れる塗布対象への必要量以上に設定され、且つアダプタ
    ーが真空チャンバーの接続口に挿通されるとともにチュ
    ーブ束が真空チャンバーの系内に配設され、前記アダプ
    ターのうちの一方のアダプターが脱気対象となる処理液
    の供給路と連結され、且つ他方のアダプターが脱気され
    た処理液の排出路と連結されてなるとともに、前記脱気
    エレメントからの処理液の排出運転を間欠的に行う制御
    手段を備えてなることを特徴とする脱気装置。
  2. 【請求項2】 複数本の気体透過性チューブからなるチ
    ューブ束の両端部のそれぞれに筒状アダプターを嵌合し
    て脱気エレメントとし、この脱気エレメントの内容量を
    少なくとも塗布対象への必要量以上に設定し、該エレメ
    ントのチューブ束を真空チャンバーの系内に配設すると
    ともに前記アダプターを真空チャンバーの接続口に挿通
    させて脱気装置を形成し、この脱気装置の系内を減圧状
    態に維持するとともに一方のアダプターを介して処理液
    脱気エレメント内部に供給し、供給された処理液を他
    方のアダプターを介して脱気エレメント内部より排出し
    てなる脱気処理工程において、脱気エレメント内部より
    排出される処理液の液量を塗布対象への必要量以上で且
    つ脱気エレメント内容量以下とするとともにこの処理液
    の排出を間欠的に行うことを特徴とする脱気方法。
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